慶應義塾大学大学院理工学研究科 森康祐, 春山真一郎, 金子晋丈, 寺岡文男 2014/06/27 1 携帯電話網 1. 通信業者の望む無線へのオフロード 2. ハンドオーバの同時集中 } ◦ 乗車中の利用者がみな同時に基地局とハンドオーバ ◦ 通信の切断、品質・速度の低下 列車 } 列車 東海道新幹線における漏洩同軸ケーブル ◦ 下り2Mbps, 上り1Mbps 2014/06/27 2 } インターネット 赤外線を用いた1Gbpsの 高速列車内ネットワーク ◦ 鉄道総合技術研究所が 研究する光無線通信方式 ハンドオーバ 高速列車上の 赤外線通信装置 移動局が高速で移動 } 対向機のハンドオーバが必要 } } 線路沿いの 赤外線通信装置 列車 列車 300km/h 高速・正確な追尾 2014/06/27 3 ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 2014/06/27 4 赤外線装置 対向機 } 赤外線 ビーコン ー 送 信 部 QPD (Quadrant Photo Diode) ◦ 受光強度を電圧に変換 ◦ ビーコン方向を差分計算 A B 送赤 信外 部線 ビーコン C D プリズム 赤外線 受信部 2軸ミラー 駆動 Linux ボード 広角QPD 望遠QPD QPDからのフィードバック ABCD 受信強度 QPD仕様 周波数 1000Hz 直径 1mm (これを4分割) 2014/06/27 5 } PLL (Phase Locked Loop) による同期 ◦ PLLがONの時、通信可能 通信用赤外線仕様 } 追尾の流れ 切替 波長 波長750 nm 開始 クラス 1M 広角QPDで 大まかに追尾 出力 10mW 望遠QPDで 正確に追尾 追尾用ビーコン仕様 波長 波長850 nm 周波数 移動局 : 45kHz 地上局 : 30kHz 2014/06/27 6 } QPDは複数の光源の判別が不可能 ◦ ハンドオーバ時の旧赤外線装置と新赤外線装置 ◦ ビーコン光と反射光(ノイズ) 近い方を優先して追尾しつつ 複数光源の重心に向かう 重心 QPDの画角 } ビーコン座標がわからない ◦ ビーコン方向に少し動いては確認の繰り返し ◦ ハンドオーバ時間は60msと長くなる 情報はビーコン光の 方向のみ A B C D 不特定多数の光源の判別と ビーコン座標を直接特定することが必要 2014/06/27 7 } CMOSカメラ(粗追尾)+望遠QPD(精追尾) ◦ 画像上のビーコン座標からミラー角度を計算 ビーコンは変調されており、太陽光等と区別可能 画素数 512 × 480 ピクセルサイズ 30 µm × 30 µm チップサイズ 7 mm × 7 mm フレームレート 30 fps 出力データ 14 bit 視野角 約17度 ①複数の光源間の判別 ②角度計算による高速な追尾 2014/06/27 8 } 送 信 部 赤外線 : 785nm ビーコン : 850nm ー 変調されたビーコンのみを 画像に出力 送赤 信外 部線 プリズム CMOSカメラ視点 CMOS カメラ 赤外線 受信部 2軸ミラー 駆動 望遠QPD Linux ボード } ビーコン座標が検出可能 角度計算による高速な追尾 画像処理用 PC Linuxボード上の制御プログラムと カメラの画像処理プログラムを担当 2014/06/27 9 ㏻ಙ⨨ } 不完全な画像の補完 ◦ 受光量オーバによる中心欠け ◦ 円周がつながらない場合も CMOS䜹䝯䝷どⅬ } ⌮ⓗ䛺2್῭䜏 ኚㄪගᙉᗘ⏬ീ 移動するビーコンの管理 ◦ ビーコンのラベリング ◦ ラベルの同定 画像処理が必須 拡大 得られた不完全な画像 2014/06/27 10 0 } 1 2 ビーコンをラベリング ◦ 一定光量以上のピクセルをラベリング ◦ 8近傍はすべて同じラベル (ルックアップテーブルを用いる) } 画像補完 ◦ 同一ラベルで囲まれた 部分を補完 ◦ 2ピクセル程度は センサのノイズ 0 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 0 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 2 3 ラベリング済み画像 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 補完後の画像 2014/06/27 11 } 連続移動するラベルを追跡 ◦ 1フレーム後,近くのラベルを同一視 ◦ 数フレーム消えてもラベルは保持 ◦ 移動量は概算 ◦ 1フレームに 最大30ピクセル移動 画像処理による複数の光源間での判別 2014/06/27 12 ※赤線は 平常の遷移を示す 電源ON } 移動によるイベントに対応 ◦ 完全に見失う ◦ 一瞬見失う etc タイムアウト CMOS発見 CMOS一時見失い QPD発見 CMOS見失う 粗追尾の際に 画像位置とミラー角度を対応付け CMOS発見 タイムアウト&CMOS見えてない CMOSで追尾 ハンドオーバー ハンドオーバー チェック } 何も見えない ミス タイムアウト&CMOS見えてる QPD発見 QPD一時見失い QPD見失う QPDで追尾 QPD発見 CMOS別の発見 QPD発見 CMOSが見失う 提案方式の状態遷移図 } ビーコン番号の管理 ◦ 通り過ぎたビーコン光に ハンドオーバさせない ◦ 古い番号に戻らないように 何も見えない Btmpと違い、かつ CMOS発見 今まで使っておらず、かつ Btmpを最大面積 ビーコンに更新 Btmpよりも面積が大きいような ビーコン番号Bnewが存在する CMOSで追尾 Btmp : 現在のビーコン番号 Bnew : 最新のビーコン番号 QPD発見 Btmpを最大面積ビーコンに更新 QPD発見 BtmpをBnewに更新 QPDで追尾 CMOSが見失う ビーコン番号に注目した状態遷移図 13 イーサネットケーブル 光ファイバ } PC (通信相手ノード) スイッチ 地上局 100m 地上局 10, 30, 60, 90, 120km/hで走行 ◦ 各2回ずつ } ハンドオーバ時間を測定 地上局 ⛣ືᒁ ᆅୖᒁ 100m 移動局 画像処理用PC PC (移動ノード) 2014年 2月/20日, 21日 2014/06/27 14 ハンドオーバ } ミラーの左右の角度を測定 -14 ◦ ハンドオーバ時に移動 -13 遠隔局 近隣局 電 圧 値 Mirror’s angle 100m -12 -11 -10 -9 -8 -7 -6 4271 } 正しくミラーが稼働 4272 4273 4274 time (s) 4275 4276 4277 時間 (s) ミラー角度 (左右) 2014/06/27 15 時速30kmの場合 -16 Mirror’s angle PLL MODE -14 1 Mirror’s angle PLL MODE -13 ハンドオーバ ハンドオーバ Mirror’s angle -12 PLL (0=OFF, 1=ON) -14 -13 Mirror’s angle ミラーの角度 PLL 追尾モード 1 PLL (0=OFF, 1=ON) PLLによる測定 -15 時速90kmの場合 精追尾 粗追尾 -12 -11 -11 -10 -10 -9 -9 -8 pingによる測定 5959.16 5959.2 5959.24 5959.28 time (s) 5959.32 5959.36 見失う 0 5959.4 0 12400 12600 12800 time (s) 6390.72 6390.76 6390.8 6390.84 6390.88 6390.92 6390.96 6391 0 time (s) 1 12200 -8 13000 13200 ping (0=down, 1=up) ping (0=down, 1=up) 5959.12 1 0 3000 3200 3400 3600 time (s) 2014/06/27 3800 4000 16 } 物理的なハンドオーバ時間 速度 PLL での測定 pingでの測定 速度 ハンドオーバ時間 40km/h 51ms 60km/h 67ms 改良前のシステム 10km/h 160ms 27ms 30km/h 124ms 23ms 60km/h 108ms 21ms 90km/h 88ms 31ms 120km/h 40ms 測定失敗 提案システム 高速な移動の際に短いハンドオーバ時間 2014/06/27 17 } 移動列車における赤外線通信 ◦ 周期的なハンドオーバに対し追尾が必要 } CMOSセンサによる粗追尾 ◦ 画像処理を用いたビーコン光と反射光の区別 ◦ 角度計算による高速な追尾 画像処理による複数光源の判別成功 } 課題:ハンドオーバ速度の向上 } CMOSセンサによる粗追尾は 列車地上間赤外線通信において有用 2014/06/27 18 複数の光源を判別できているか ハンドオーバ時間は短くなっているか } 新川崎駐車場 ◦ 夜間 遠隔局 50m 近隣局 遠隔局 移動局 } 移動局をその場で回転 ◦ 遠隔→近隣の順に基地局を補足 近隣局 CMOSカメラ上の動き } ハンドオーバ時間 ◦ 切替開始~光軸がそろって 通信可能になるまで 2014/06/27 19 ( ビーコン番号, ピクセル数 ) 近隣局(1, 45) 近隣局(1, 40) 3.8秒 } 近隣局(1, 36) 近隣局(1, 30) 2.6秒遠隔局(3, 102)16.2秒 遠隔局(3, 98) ビーコン光に正しく番号が振られた ◦ 番号は動いても変わらない (約20秒間) ◦ ノイズは面積が小さい } ハンドオーバは52msかかった ◦ 改良前とほとんど変化なし ◦ 望遠QPD での反応の遅さ、もしくはハンドオーバ時の振動が原因 複数の光源を判別可能 今後の課題:ハンドオーバ時間の向上 2014/06/27 20 } 移動列車における赤外線通信 ◦ 周期的なハンドオーバに対し追尾が必要 } CMOSセンサによる粗追尾 ◦ 画像処理を用いたビーコン光と反射光の区別 ◦ 角度計算による高速な追尾 } } 画像処理による複数光源の判別成功 課題:ハンドオーバ速度の向上 ◦ 高速な移動環境を使って今後実験 CMOSセンサによる粗追尾は 列車地上間赤外線通信において有用 2014/06/27 21 } 赤外線を使う理由は? ◦ 赤外線を使うと受信側の感度を上げることができるため ◦ 既存の可視光を使った電車の交通システムと干渉を 起こさないようにするため } 従来方式で広角レンズを用いたのは? ◦ イメージセンサで変調ビーコン光を受信不可能だった } CMOSカメラ、望遠QPDの視野角は? センサ 視野角 CMOS 約16度 望遠QPD 約4度 2014/06/27 22 } CMOSカメラで強度変調画像は本当にとれるの? ◦ 実はCMOSでかつTOF (Time Of Flight) カメラである ◦ TOFカメラ:自機から出した特定の周波数の光が 戻ってくるまでの時間から、距離画像を出す ◦ TOFカメラの機能を利用して、 特定の周波数の強度だけ取り出す 2014/06/27 23 } } 計測用光 セ ミラーで反射した検出用の 赤外線量を電圧値に変換 ン サ ミラー セ ン サ セ ン サ 水平・垂直方向のミラーの 角度を常に観測 送 信 部 ー 送赤 信外 部線 赤外線 : 785nm ビーコン : 850nm 2軸ミラー セ ン サ プリズム } 追尾時に現在の状態を フィードバック可能 CMOSカメラ 近赤外線センサ 角度調整 画像処理用 PC 赤外線 受信部 望遠QPD Linux ボード 2014/06/27 24 𝐺𝑜𝑎𝑙↓𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒 (𝑡) : 強度変調画像から求めた切替先の位置 𝑡𝑚𝑝↓𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒 (𝑡) : 近赤外線センサで検出した現在のミラーの角度 } 切替時のミラーの制御では ∆𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒(𝑡)=𝐺𝑜𝑎𝑙↓𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒 (𝑡)−𝑡𝑚𝑝↓𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒 (𝑡) とすると、 毎ループごとの移動量= 𝑃∆𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒(𝑡)+I∫0↑𝑡▒∆𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒(𝜏)𝑑𝜏 +𝐷(𝑡𝑚𝑝↓𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒 (𝑡)−𝑡𝑚𝑝↓𝑎𝑛𝑔𝑙𝑒 (𝑡−1)) 目標まで移動 位置が外れないよう制御 急な変動を制御 フィードバックのかかった制御による オーバシュート等を抑えた正確な追尾 2014/06/27 25 IMGセンサの画像 2014/06/27 26 } 本当にPIDで良くなるのか資料を読んで書きたい 2014/06/27 27 2014/06/27 28 背景:漏洩同軸では遅い(以前の広角QPDでも遅い) } 背景2:赤外線通信で速く。ハンドオーバをなんとか。 素早くハンドオーバをするために(=>CMOSカメラ) } 装置の概要 } 追尾アルゴリズム } (目標時間の目安) } ハンドオーバ時間を数字で } 2014/06/27 29 } 追尾用にビーコンを設置 赤外線 : 785nm 送 信 部 ビーコン : 850nm 送赤 信外 部線 広角QPDと望遠QPDで ビーコンを追尾 ー } プリズム 赤外線 受信部 2軸ミラー 広角QPD 望遠QPD 角度調整 Linux ボード QPDからのフィードバック ※QPD : Quadrant Photo Diode Linuxボード上の 角度調整プログラムを担当 2014/06/27 30 } 移動局 } 基地局 開始 開始 CMOSで大まかな 位置まで追尾 広角QPDで大まかな 位置まで追尾 切替 切替 望遠QPDで正確な 位置まで追尾 望遠QPDで正確な 位置まで追尾 2014/06/27 31 } QPDセンサ A B C D A B C D 受信強度 ビーコン } CMOSカメラ 2014/06/27 32 2014/06/27 33 赤外線装置 対向機 赤外線 : 785nm ビーコン : 850nm 送 信 部 ー 85nm 850nm 送赤 信外 部線 プリズム CMOSカメラ 赤外線 受信部 遠QPD 2軸ミラー 角度調整 画像処理用 PC 赤外線 受信部 望遠QPD Linux ボード QPDからのフィードバック 2014/06/27 34 0 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 ラベリング済み画像 } ビーコンをラベリング ◦ 一定光量以上のピクセルをラベリング ◦ ピクセル数で遠近判定 (数十~数百) ◦ センサのノイズは2ピクセル程度 0 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 補完後の画像 } 画像補完 ◦ 同一ラベルで囲まれた 部分を補完 2014/06/27 35 ビーコン番号 } ピクセル数 連続移動するラベルを追跡 ◦ ラベルはもともと1フレーム限り ◦ 1フレーム後,近くのラベルを同一視 ◦ 次の通信先のビーコンを特定 ◦ 移動量は概算 ◦ 1フレームに 最大30ピクセル移動 画像処理後 変調光強度画像 䝣䝺䞊䝮䝺䞊䝖 f = 20fps ิ㌴䛾㏿䛥 Vิ㌴ = 100km/h = 0.0277m/ms ิ㌴䛸⥺㊰ἢ䛔䛾⨨䛾㊥㞳 X = 2 m 1䝣䝺䞊䝮䛾⛣ື㊥㞳 d1 䠙 Vิ㌴㽢(1/f) m d2 = X / tan(8.5㼻) m 8.5㼻 Xm 画像処理による複数の光源間での判別 2014/06/27 36
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