PR パワー 半 導 体フォーラム 2014 インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン PFCやモーター駆動インバータで GaNパワーデバイスの性能を引き出す インターナショナル・レクティファイアー・ ジャパン株式会社 技術部 プリンシパル・エンジニア 藤原 エミリオ氏 イ インターナショナル・レクティファイアー・ジャパンは2014 年 12 月 1 日に開催された「パワー半導 体フォーラム2014 」で、 「GaNパワーデバイスの応用 ~性能を引き出すノウハウとは~」と題し て講演した。既存のパワーデバイスの単なる置き換えではなく、GaNの特性に沿った適切な使い方 を追求することで、PFCやモーター駆動インバータのさらなる高効率化や小型化が実現できること を示した。 ンターナショナル・レクティファイア 0.3%程度しか上がらないという。 ーではGaN(窒化ガリウム) を次世代 そこで同社がGaNに最適なト のパワーデバイス材料と位置づけ、テクノロ ポロジーとして提案するのがトー ヒートシンク付き 6A IRAM IGBT MCM 400Wインバータ 洗濯機用基板 GaNベースの プロトタイプ ジープラットフォーム「GaNpowIRR」ブラン テムポール・ブリッジレス昇圧ト ドのもと、 シリコンウェハー上にGaNを形成す ポロジーである。ダイオードが不 る「GaN-on-Si」技術をベースに研究開発を 要になるためダイオード損失項が 進めている。商用出荷も始まっており、2013 なくなるとともに、高速かつ低損 年5月には民生用のホームシアター機器に初 失のGaNをスイッチとして使う めて採用されたことを明らかにしている。 ことで、スイッチング損失と導通 今回の講演で藤原氏は、同社のGaNデバ 損失を抑えられるというメリット イスをPFC(力率改善回路)とモーター駆動 があり、 「GaNの性能を発揮でき インバータに応用する場合の使い方や特徴 るトポロジーだと考えている」 (藤 について説明した。 原氏) 。 実際に出力385VのPFCを構成したとこ そのため、モーター駆動インバータ回路を トーテムポール・ブリッジレスを提案 ろ99%近い効率が得られたと述べた。また、 構成したとき、スイッチあたりの損失電力を GaNはスーパージャンクションFETに比 双方向回路になっているため、スマートグリッ FredFETの1/3ないしIGBTの1/4に抑えら べて、ゲート電荷Qgは1/5、ボディダイオー ドや電気自動車(EV)の充電器などに将来的 れる。損失が少ないため発熱も少なく、実際 ドの逆回復電荷Qrrはおよそ1/100、出力容 に応用できる可能性があることも示唆した。 の基板による比較ではFredFETはパッケー 量Cossは同等ないし1/10以下など、優れ 合わせて、ゼロボルトスイッチング(ZVS) ジ温度が85℃まで上昇したがGaNだと42 ヒートシンクなし MCMの600V/ 160mΩ GaN 図1 400Wインバータ回路のGaN(右)とIGBT(左) のソリューションサイズ比較 た特性を有するが、従来のスイッチデバイス を使ったハーフブリッジ回路も紹介した。 ℃にしか上がらなかったという。 「ヒートシン を単純にGaNに置きかえただけでは、回路に GaNの高速性によって3.3MHzといった高 クも不要になるため、モーター駆動回路を大 よってはほとんど効果が得られない場合があ 速なスイッチングが実現できるため、インダ 幅に小型化できる見通し(図1) ( 」藤原氏) 。 ると藤原氏は指摘した。 クタなど周辺部品の小型化が可能である。 同社ではこうしたアプリケーションを想定 その一例がPFCとして一般的な連続導通 して「GaNpowIRR」シリーズの製品を開発 モード(CCM)の昇圧トポロジーである。効 モーター駆動回路の小型化を実現 中である。GaNの特性を損なわないようにリ 率に影響を与えるのは出力電荷量Qossに起 次に、GaNデバイスを数百ワット規模のモ ードレスかつボンディングレスの面実装パッ 因するターンオン損失だが、GaNをノーマリ ーター駆動に応用した場合について説明し ケージを採用する。2個のGaNデバイスを内 ー・オフとして使うにはカスコード接続が必 た。ゲート電荷とオン抵抗によって求められ 蔵した単体のカスコードスイッチのほか、 「6 要であり、そのためQossの蓄積エネルギーで るF oM(Fig ur e o f Me rit)は、高性能な 個のGaNデバイスとドライバ回路をワンパッ 見るとスーパージャンクションFETとの差は IGBTに比べてGaNはさらに1/3程度と小さ ケージに封止したモーター駆動用ハーフブリ 小さく、一方でCCM昇圧トポロジーはター く、電力損失もIGBTやFredFET(ファスト ッジ回路を、GaNのキラーアプリケーション ンオン損失以外の損失項がおよそ80%を占 リカバリダイオード内蔵FET)に比べて大幅 のひとつと捉えて製品開発を進めている」 (同 めるため、GaNに置き換えたとしても効率は に小さいという特徴がある。 氏)ことを明らかにした。 インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン株式会社 〒169-0074 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー 34 階 TEL:03-6744-8600 http://www.irf-japan.com
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