Mineral Composition Maturity

平成25年度成果報告会
衛星画像データの
非在来型石油・ガス資源への利用
利用技術本部 利用研究部
利用推進課長 成田龍彦
2014年7月9日
Ⓒ2014 Japan Space Systems
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はじめに
報告内容
1. 平成25年度に実施した「石油資源遠隔探知
技術の研究開発」事業の石油資源探鉱への
実証研究について
2. 非在来型石油・ガス資源について
3. 非在来型石油・ガス資源の研究事例の紹介
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平成25年度石油資源探鉱への実証研究のテーマ
研究開発成果のまとめに繋がる研究開発
1. ASTER,PALSARを使用した研究成果を集大成した解
析事例作成と活用法の検討
1.1 露岩地域、植生地域を対象とした解析事例作成
1.2 WebGISを活用した研究成果のデータベース化
2. 有望な資源開発,先端技術研究の事例蓄積と集成
2.1 非在来型石油・ガス資源
2.2 巨大油ガス田の生産状況モニタリング
2.3 海域の石油探鉱ポテンシャル評価
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平成25年度石油資源探鉱への実証研究一覧
(1) イラク産油地帯の地質解析成果の標準GIS化
(2) 東アフリカ堆積盆における解析画像と研究事例の作成
1.1 解析事例作成
(3) WebGISシステムのコンテンツ化とユーザ支援ツールの開発
1.2 データベース化
(4) カナダ・ブリティッシュコロンビア州北東部の
衛星画像解析とシェールガス探鉱への応用
(5) オーストラリア・スラット盆地の衛星画像解析と
コールベッドメタン探鉱への応用
(6) 衛星SAR差分干渉技術によるアルジェリア・
ハシメサウド油田のモニタリング
2.1 非在来型石油・ガス資源
2.2 ガス田生産状況モニタリング
(7) マルチパス差分干渉解析によるベネズエラ
油田地帯の鉛直地盤変動計測
(8) スリナム~ブラジル北部沖合におけるスリック抽出と
オイルスリック判別手法の検討
2.3 海域ポテンシャル評価
(9) PaGOSSシステム改良および運用支援
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非在来型石油・ガス資源とは?
在来型資源
坑井から自噴又はポンプ採油により生産できる石油・天然ガス
非在来型資源
従来とは異なる方法で採掘する石油・天然ガス
石油系:オイルサンド,オイルシェールなど
天然ガス系:シェールガス,タイトサンドガス,コールベッドメタン
(CBM)など
写真の出所:フリー
百科事典
『ウィキペディア
(Wikipedia)』より
オイルサンド
シェール(頁岩)
石炭(歴青炭)
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非在来型石油・ガス資源の生産状況
一部で生産されていたが,採掘が技術的に困難か
つ経費過多の課題
近年の技術進歩と油価の高騰から開発活発化
米国で2010年頃から生産が増加し,2012年の時点
で非在来型天然ガスの生産量が全体の半分以上
在来型石油・ガス資源の生産量は減少しているが,
非在来型の増加が補完
米国の種類別天然ガスの生産量(1990~)
trillion cubic feet
2012
40.00
実績
予測
35.00
30.00
25.00
非在来型
天然ガス
シェールガス
20.00
15.00
タイトガス
米国の石油・ガスの生産量
10.00
陸上ガス田
5.00
非在来型ガス
0.00
1990
海上ガス田
CBM
アラスカ
2000
2010
2020
2030
2040
在来型ガス
非在来型石油
在来型石油
http://www.energyandcapital.com/articles/oil-shales-real-enemy/2791
Source: Natural gas production by source in the Reference
case, 1990-2040: History: U.S. Energy Information
Administration, Natural Gas Annual 2012, DOE/EIA0131(2012) (Washington, DC, December 2013).
Projections: AEO2014 National Energy Modeling System,
run REF2014.D102413A.
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これまでに実施した非在来型石油・ガス資源の研究
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
EOR, CCSに関わるPALSAR
差分干渉利用の研究
オイルサンド
インドネシア共和国カリマンタン
島東部の衛星画像解析とコール
ベッドメタン探鉱への応用
コールベッドメタン
(CBM)
オーストラリア・ボーウェン盆地
北部の衛星画像解析とコール
ベッドメタン探鉱への応用
オーストラリア・スラット盆地
の衛星画像解析とコール
ベッドメタン探鉱への応用
アメリカ合衆国ユタ州東部の衛
星画像解析とシェールガス探鉱
への応用
シェールガス
カナダ・ブリティッシュコロンビ
ア州北東部の衛星画像解析
とシェールガス探鉱への応用
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研究事例の紹介
引き続き,委託先から
研究事例を報告
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平成25年度成果報告会
衛星画像データの非在来型
石油・ガス資源探鉱・開発への利用
平成26年7月9日
株式会社 地球科学総合研究所
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報告概要
非在来型資源
「石油資源遠隔探知技術の研究開発」で対象とし
た地域・資源と成果
–
–
–
–
–
–
カナダ・AB州ハンギングストーン(Hangingstone)(オイルサンド)
インドネシア・カリマンタン島東部(CBM)
米国・ユタ州ユインタ(Uinta)盆地(シェールガス)
カナダ・BC州モントニー(Montney)トレンド(シェールガス)
豪州・QL州ボーウェン(Bowen)盆地(CBM)
豪州・QL州スラット(Surat)盆地(CBM)
 まとめ
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非在来型資源
http://www.jogmec.go.jp/library/contents3_02.html
「石油資源遠隔探知技
術の研究開発」で対象
とした地域
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4778/1210_motomura.pdf
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CBM 平成22年度 カリマンタン島東部
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CBM 平成22年度 カリマンタン島東部
炭層内のガスの流れ
http://www.uow.edu.au/eng/outburst/html/Factors/fract
uring.html
• クリートは水で飽和⇒水を抜いて減圧
• ガスが遊離⇒水と共にガスを生産
典型的なCBM
生産プロファイル
http://energy-alaska.wdfiles.com/local--files/critical-factors-forcoalbed-methane-production/COALBED_METHANE_218.jpg
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4705/201207_059_t.pdf
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CBM 平成22年度 カリマンタン島東部
CBM開発に有利な地質条件 (インフラ・マーケット以外の諸条件)
•
•
•
•
•
•
十分に厚い石炭層の存在
CBM開発に適した石炭層の深度(概ね300m~1,000m)
石炭の適度な熟成、十分なガス包蔵力(上昇、削剥)
地質構造の安定 (急傾斜帯ではなく、断層の発達が少ない)
砂岩層が卓越しない (炭層の排水効率に影響)
良好な生産性 (背斜軸上が好ましい)
• 炭鉱(露天掘り・坑道掘り)が稼動していない (将来的にも!)
• 急峻な地形、湿地、海岸部では不可
×
× ×
×
○
×
○
地表面
○
△
石炭層
発達層準
開発好適地
断層帯
石炭鉱山
-1,000m
×
-2,000m
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CBM 平成22年度 カリマンタン島東部
•密な植生被覆⇒主に構造判読
•PALSAR利用(DEM作成,地形解析)
•炭層分布の追跡
•CBM開発好適地の抽出
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CBM 平成24年度 オーストラリア・ボーウェン盆地北部
平成25年度 オーストラリア・スラット盆地
N. Bowen
Basin
Surat
Basin
Terra ASTER VNIRモザイク画像
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CBM 平成24年度 オーストラリア・ボーウェン盆地北部
17
CBM 平成24年度 オーストラリア・ボーウェン盆地北部
既存開発地域の特徴,岩相・地質構造の変化を衛
星画像解析で識別することにより,CBM開発に適し
た地域を選定できることが確認された。CBM開発の
可能性がある層準を対象に,障害となる地質条件
等を考慮してフェアウェイマップを作成した。
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CBM 平成25年度 オーストラリア・スラット盆地
• 開発対象層準はカオリナイトに
富む
• 地表分布の追跡にはKaolinite
Indexが効果的
開発対象
Kaolinite
Montmorillonite
Hyloggerによる測定
QLD地質調査所(2012)
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CBM 平成25年度 オーストラリア・スラット盆地
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CBM 平成25年度 オーストラリア・スラット盆地
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CBM
項目
カリマンタン島東部
ボーウェン盆地北部
スラット盆地
炭層の時代
新第三紀(中新世)
二畳紀後期
ジュラ紀後期
構造変動の影響
著しい;衝上断層褶曲帯
中程度;盆地縁辺部に衝上断層の影響
弱い;既存断層の再活動
石炭の熟成度
高~中
高~低(地域性あり)
低品位炭
CBMターゲットの深さ
~1,000m
<500m
100m~600m
植生被覆
密
中~疎
中~疎
衛星画像解析(手法)
地形解析,地質・構造判読
主な成果
海進相~海退相に着目することにより
炭層の分布が把握可能
→CBM開発ターゲットの選定が可能
地形・構造判読,粘土鉱物を対象とするス
地形・構造判読,粘土鉱物・石英を対象と
ペクトル解析(風化殻[silcrete]の存在のた
するスペクトル解析
め石英は対象としない)
主開発ターゲットはカオリナイトに富む
主構造トレンドに高角で交わる,開いた
→カオリナイト指標により開発対象層の地
褶曲の翼部が主開発ターゲット
表分布を把握,地下浅部の分布把握に繋
→詳細構造判読の精度が鍵
がる
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シェールガス 平成24年度 米国・ユタ盆地
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シェールガス 平成24年度 米国・ユタ盆地
Mancos Shale(BlueGate Member下部)の鉱物組成の傾向
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シェールガス 平成24年度 米国・ユタ盆地
Quartz-Clay-Carbonateの3成
分で着色した衛星画像にお
ける色調と鉱物組成の検討
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シェールガス 平成24年度 米国・ユタ盆地
Mineral Composition
Maturity
Clay rich = 割れにくい(フラクチャリングの観点)
-> ASTER 3成分図上では赤丸より左上or 左がbetter
-> Qz richよりはCarb. Richが良い(根源岩性状が良好) -> 東部
熟成を考慮すると...図上の矢印のトレンド
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シェールガス 平成24年度 米国・ユインタ盆地
• ASTER画像解析から推定された鉱物組成と、XRDによる鉱物分析結果の間には、
概ね相関があることが認められた。
• Bluegate部層の下部について頁岩の鉱物組成を比較したところ、調査地域の中央
部・西部で石英(シリカ鉱物)含有率が高く、南西部で採取した試料では粘土鉱物
の含有量が高くなる傾向が認められた。また、炭酸塩鉱物については、東部と南西
部において含有量が高くなる傾向が認められた。
• 鉱物組成分布と岩石物性試験および有機炭素含有量、熟成度分布などの情報を
踏まえ、調査地域内におけるシェールガス探鉱に適した場所の抽出を行った。
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まとめ
 非在来型資源:アプローチ手法は在来型と同じ
 岩質分布と構造の組合せによる地質解釈
 CBMターゲット=減圧効果が大きい場所
 石炭層と粘土鉱物:解析の鍵->HISUIの適用対象
 シェールガス,フラクチャリング,割れ易さ
 石英・粘土鉱物・炭酸塩鉱物インデックス
 植生被覆が密な地域➡地形・構造・リニアメント
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御静聴,有難うございました。
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