ひろしまの森づくり廿日市市事業の成果について(PDF形式 1286KB)

ひろしまの森づくり廿日市市事業
の成果について
― 第1期(平成 19~23 年度)5ヵ年の成果 ―
ひろしまの森づくり廿日市市推進協議会
平成25年3月
目
次
1
はじめに -------------------------------------------------------------------- 1
2
本市の森林の現状 ------------------------------------------------------------ 1
3
林業を取り巻く環境 ---------------------------------------------------------- 1
4
事業実績(H19~23 年度) --------------------------------------------------- 2
5
事業の成果(第1期)と課題 -------------------------------------------------- 4
(1) 荒廃した森林の再生 ---------------------------------------------------- 4
ア
森林整備に関する経済的評価(費用対効果分析) ------------------------ 5
イ
森林整備に関する数量的評価 ------------------------------------------ 6
(2) 県民参加の森づくりの推進 ---------------------------------------------- 8
(3) 間伐材の利用促進 ------------------------------------------------------ 9
参考資料 ------------------------------------------------------------------------ 10
1
はじめに
廿日市市では,森林を適正に管理し,健全な森林を次の世代へ引き継いでいくため,平成19
年度から「ひろしまの森づくり県民税」を財源に「ひろしまの森づくり廿日市市事業」に取り組
んでいます。
この「ひろしまの森づくり県民税」の課税期間は,広島県の条例において5年間と定められて
おり,平成23年度に最終年度を迎えました。
最終年度である平成23年度,広島県において「ひろしまの森づくり県民税事業評価委員会」
が設置され,
「ひろしまの森づくり事業」の事業検証が行われ,平成23年12月広島県議会で平
成24年度以降の継続が議決されました。
(ひろしまの森づくり県民税条例:H28年度までの5ヵ年議決)
本市においても,この事業の第1期を終えて,
「ひろしまの森づくり廿日市市推進協議会」で,
「ひろしまの森づくり廿日市市事業」の平成19年度から23年度までの5カ年、第1期の成果
を取りまとめました。
2
本市の森林の現状
本県の森林面積は,市域全体の86%を占める約4万2千haで,この内,民有林面積が約
3万5千haと83%を占めています。
民有林面積を樹種別にみると,広葉樹とマツがほぼ同規模の割合で,あわせて68%を占め,
スギ・ヒノキの人工林が29%,その他(竹林,無立木地等)が3%を占めています。
また,地域別に見ると,佐伯・吉和地域ではスギ・ヒノキの人工林が,廿日市・大野地域はマ
ツの天然林が多く分布しています。このほか,佐伯地域にマツの人工林が分布していることや,
吉和地域ではスギの天然林が分布していることなどが他市町には無い特徴的な森林構成になって
います。
森林構成の特徴
民有林樹種別割合
その他
2.8%
吉和地域
スギ天然林
スギ人
17.4%
広葉樹
33.0%
佐伯・吉和地域
スギ・ヒノキ人工林
ヒノキ人
11.3%
マツ天
21.6%
佐伯地域
マツ人工林
マツ人
13.7%
廿日市・大野地域
マツ天然林
3 林業を取り巻く環境
林業を取り巻く環境は,長引く木材価格の低迷や山村地域の過疎化・高齢化の進行,さらには
ライフスタイルの変化などによって,次第に人と森林との係わり合いが薄れ,間伐されない人工
林や放置された天然林が増加し,森林の有する公益的機能の低下が懸念されています。
このまま手入れ不足の森林を放置すると,災害が多発するなど,その回復には膨大な時間と経
費がかかります。
このような中,平成19年度から「ひろしまの森づくり事業」が創設され,本市においても
公益的機能の低下した森林の再生を図ることを目的とした様々な取組みが進められました。
1
4
事業実績(H19~23 年度)
「ひろしまの森づくり廿日市市事業」は,荒廃した森林の再生を目的とした「ひろしまの森づ
くり県民税」創設の趣旨を踏まえ,
「人工林対策」,
「里山林対策」の2つの対策を柱に各種施策
を展開しています。
平成19年度以降の5年間では,240,800千円の県民税を財源に,スギ・ヒノキの人
工林の間伐や,里山林の手入れ,公共施設への間伐材利用などに取組みました。
○実績額(5ヵ年)の推移
区 分
H19
(単位:千円)
H20
H21
H22
H23
計
人工林対策
22,400
56,000
29,000
20,000
18,000
145,400
里山林対策
15,400
20,000
20,300
20,900
18,800
95,400
計
37,800
76,000
49,300
40,900
36,800
240,800
実績額
(千円)
事業量
○主な取組内容(5ヵ年)
区
分
主 な 取 組 内 容
人 対 環 境 貢 献 林 ○人家や主要道路周辺の危険渓流付近や河川周辺等
での間伐(間伐率 30%)
工
林 策 整 備 事 業 ○強度間伐(間伐率 40%)による針広混交林化
459ha
145,400 (0.16ha)
○集落周辺で放置された里山林の整備
里山林整備事業
○主要道路沿いにある松くい虫被害の激甚な区域の
被害木の処理
森林・林業体験 ○森林ボランティア団体が行う現地体験型森林・林
里対
活動支援事業
業体験活動の実施
山
林策
間 伐 材 利 用 ○地域の間伐材を利用した学校用机天板の導入
対 策 事 業 ○公共施設に間伐材を活用した木製ベンチ等を設置
事業推進費等 ○透明性の確保を図るための市町協議会運営費
計
2
60,639
94ha
6,672
26 件
27,672
70 ㎥
417
―
240,800
―
ひろしまの森づくり廿日市市事業の主な取組(H19~23年度)
人 工 林 対 策
吉和地域(安田林業)
H19~23年度
事業費: 145,400千円
面 積
○ 人工林整備
459ha
マツダスタジアム 200個分
整備前
整備後
長年手入がされないまま放置されてきたスギ・ヒノキのなど人工林は,木が過密状態となり日
光が当たらず森の働きが弱くなっています。これらを適度に間伐することにより,下草が生え
る元気な森林へと再生しました。
里 山 林 対 策
佐伯地域(佐伯森林組合)
H19~23年度
事業費: 95,400千円
面 積
○ 里山林整備
94ha
マツダスタジアム 40個分
整備前
整備後
○ 市民参加の森づくり
延べ7,600人,26件
漁民の森づくり(広島西部ロハスの会)
小学生を対象とした森林・林業体験学習
(太田川流域水源涵養推進協議会)
○ 間伐材の有効活用
70㎥
小学校机の天板に間伐材を利用
(廿日市小学校他)
児童会へ間伐材利用本棚を設置
(宮島工業高校製作)
マツや広葉樹などの里山林の手入れを行い,元気できれいな森へと再生しました。また,公共
施設への間伐材利用や森林ボランティア活動,森林・林業体験活動などを支援し,平成23年
度までの5年間に約7,600人の市民の皆さんが森づくり活動へ参加しました。
3
5
事業の成果(第1期)と課題
(1) 荒廃した森林の再生
人家や災害の危険性の高い渓流の上流域の森林などを対象に,市民の生活環境に与える影
響の高い地域から計画的にスギ・ヒノキの人工林の間伐や強度間伐による針広混交林化を行
うとともに,主要道路沿いにある松くい虫被害木の処理など,集落周辺で放置された里山林
の整備に取組みました。
【成果】 15年以上手入がされず放置されたスギ・ヒノキの人工林を対象に458.9ha
の間伐等により,荒廃した人工林を再生しました。
5カ年の人工林の整備の事業効果(費用対効果分析)を算定すると,森林整備に要
する費用に対し,約5.4倍の効果が見込まれました。
また,手入がされていない広葉樹やマツなどの里山林を対象に94.2haの除伐
や危険木処理を行い,生活環境や景観を改善しました。
【課題】
本事業により荒廃した森林の再生に取組んでいますが,手入れが不十分なスギ・
ヒノキの人工林が依然多く存在するとともに,山村地域の過疎化,高齢化の進行や
松くい虫被害の蔓延,新たにナラ枯れ被害の発生等により手入がされていない里山
林が増加する可能性もあり,荒廃した森林の再生が引き続き求められています。
○
人工林,里山林年度別整備量(単位:ha)
人工林
里山林
年度計
H19
64.7
32.9
97.6
H20
165.7
20.4
186.1
H21
89.5
12.5
102.0
H22
67.3
14.1
81.4
H23
71.7
14.3
86.0
94.2
553.1
計
458.9
森林整備箇所図
● 実施箇所
マツダスタジアム(2.3ha)
240個分を整備
○
森林の機能回復
間伐が行われた森林は,林内の光環境が改善され明るさを取り戻すとともに,下層植生
が徐々に回復するなど健全な状態となり,水源かん養機能など森林の有する公益的機能の
向上が図れました。
実施状況(佐伯地域)
間伐前
間伐後
4
ア
人工林整備に関する経済的評価(費用対効果分析)
平成19年度からの5年間で「ひろしまの森づくり廿日市市事業」で実施した森林整備
の効果をできるだけ分かりやすく示すため,経済林である『人工林』(459ha)について,
森林の有する機能のうち直接的効果の高い水源かん養便益,山地保全便益及び環境保全便
益の項目について,「林野庁公共事業における事前評価マニュアル(平成 22 年 5 月)」及
び広島県算定資料を参考に,代替法を用いて貨幣換算を行いました。
(P10参考資料参照)
5年間の事業実施による「評価額」を算出すると,約15億7,200万円となり,事業
に要した経費や維持管理経費などを加算した総費用約2億9,100万円と比較する『費
用対効果指数(B/C)』は5.4倍となり,事業実施による経済的な効果が見込まれま
す。
費用対効果分析結果
大 区 分
便 益 区 分
評 価 額
(千円)
洪 水 緩 和 便 益
547,575
水 資 源 貯 留 便 益
57,966
水 質 浄 化 便 益
340,654
山地保全便益
土
防
出
益
603,643
環境保全便益
二酸化炭素吸収便益
21,956
水源かん養便益
砂
止
便 益 計
流
便
(B)
整
総 費 用
備
1,571,794
費
145,400
維持管理費
145,760
(C)
291,160
費用対効果分析
1,571,794/291,160
= 【5.4】
【B / C】
(林野庁公共事業における事前評価マニュアル及び広島県算定資料参考)
※
1
評価額は,事業を実施した場合の効果について,森林の効果の発揮に応じて貨幣化し,現在価
値化(社会的割引率4%)を行い計測している。
2
総費用は,経済林である『人工林』を対象に、平成19~23年度の環境貢献林整備事業に要
した整備経費及び保育・維持管理(整備後10年目の間伐経費)に要する経費について,現在価
値化(社会的割引率4%)を行い計測している。
3
評価期間は,皆伐制限等の協定締結期間に合わせ20年とした。
4
貨幣化による費用対効果分析の結果B/Cは,計測された便益額と投資額(総費用)の比によ
り示す。
【算定式】
n
t
∑ Bt / (1+i)
B/C =
t=1
n
t
∑ Ct / (1+i)
B:便益(全ての評価対象便益の合計)
C:費用(初期投資+保育・維持管理に要する費用)
n:評価期間(20年)
i:社会的割引率(4%)
t:年数
t=1
5
イ
人工林整備に関する数量的評価
森林の持つ公益的機能には,洪水防止緩和機能や土砂流出防止機能,二酸化炭素吸収機
能など数量的に評価できるものと,生物多様性の保全機能や保健休養機能などのように数
量を把握することが困難なものがあります。
「ひろしまの森づくり廿日市市事業」で実施した森林機能の向上効果について,数量的
な評価が可能な,洪水防止効果,水資源貯蓄・水質浄化効果,土砂流出防止効果,二酸化
炭素吸収効果の評価をします。
(ア)
洪水緩和効果
小瀬川ダム0.08基分の洪水調節量に相当する水量が緩和されます。
降雨によって地表に達した雨水が流域の河川等へ流れ込む最大雨量について,整備前
と整備後を比較し,整備に伴う最大雨量減少分を推定し,減少量を治水ダム(小瀬川ダ
ム)に置き換え数量化しました。
最大流出量 =
(f1-f2)×α×A/360
f1:事業実施前の流出係数 = 0.55
f2:事業実施後の流出係数 = 0.45
α:100 年確率時雨量 = 80.22 ㎜/h
A:森林面積 = 人工林 459 ha
最大流出量 =(0.55 - 0.45)× 80.22 × 459 / 360 =10.23 m3/sec
緩和される雨量の差を小瀬川ダム(水調節量= 130 m3/sec)に置き換えると
10.23m3/sec ÷ 130 m3/sec ≒ 0.08 基分
(イ)
水資源貯蓄・水質浄化効果
1年間に3,250人の生活用水相当の水量を施業前よりも多く蓄え,水質も浄化します。
県年間平均降水量から,実施区域の森林整備による森林の貯水率の改善分を基に年間
降雨貯水量の上積み分を算出し,1年間に使用する生活用水に置き換え数量化しました。
森林の貯水量 =
(D2-D1)×A×P×k
D1:整備前の貯留率 = 0.51
D2:整備後の貯留率 = 0.56
A:森林面積 = 人工林 459 ha
P:年間降雨量 = 1,566 ㎜/年
k:単位あわせのための調整値(10)
年間当たり生活用水使用量 = 110,595 ㍑/人・年
森林の貯水量 =(0.56 - 0.51)× 459 × 1,566 ×10= 359,397 m3
整備前後の貯水量の差を 1 人当たりの生活用水使用量に置き換えると
359,397,000 ㍑/年 ÷ 110,595 ㍑/人・年
= 3,250 人/年
6
(ウ)
土砂流出防止効果
1年間に10tダンプトラック1,560台分の土砂の流出を防ぎます。
整備を実施する場合と実施しない場合の土砂表面の土砂流出量について,整備区域の年
間土砂量の差により推計し,10tダンプトラックの積載量に置き換え数量化しました。
流出土砂量 =
(V1-V2)×A
V1:整備前の流出土砂量 = 荒廃地等 20 m3/ha・年
V2:整備後の流出土砂量 = 整備済森林 1.3 m3/ha・年
A:森林面積 = 人工林 459 ha
10tダンプトラックの積載土量 = 5.5 m3/台
流出土砂量 =(20 - 1.3)× 459 = 8583.3 m3/年
整備前後で抑制できる土砂量を 10tダンプトラックで置き換えると
8,583.3 m3/年 ÷ 5.5 m3/台 = 1,560 台/年
土砂流出防止
(エ)
二酸化炭素吸収効果
1年間に116台の自家用車が排出する二酸化炭素量(年間)を固定します。
森林表面の土砂の流出量を整備の前後で推定し、その差(減少量)から土砂の含まれ
る炭素量の差を自動車の年間排出量に置き換えた。
(樹木が固定する二酸化炭素は、評価
期間が 20 年と短期間であって、また森林全体での蓄積量に明確な差が生じないと予測さ
れることから評価の対象外とした。)
固定量の差(CO‐t/年)=炭素量の差(A)×事業区域面積(B)×44/22(C)×0.3(D)
炭素量の差: 整備前 0.57 CO‐t/年
事業区域面積(B): 人工林 459 ha
44/22(C) :
0.3(D)
:
→
整備後 0.04 CO‐t/年
炭素から二酸化炭素への換算係数
流出土砂排出炭素係数
固定量の差(CO‐t/年)=
=
0.53×459×44/12×0.3
267.6 CO‐t/年
自家用乗用車1台から排出される二酸化炭素量 = 2.3 CO‐t/年
267.6 CO‐t/年÷ 2.3 CO‐t/年
= 116.3/年 ≒ 116台/年
7
=
0.53CO‐t/年
(2) 市民参加の森づくりの推進
森林ボランティア団体が実施する学習・体験活動,児童生徒に対する森林・林業教育など
市民が主体的に取組む活動を支援し,森林の有する機能や重要性等の理解の促進を図りまし
た。
【成果】
森林ボランティア団体や地域住民等が実施する森林・林業体験活動等の支援を実
施した結果,26件,約7,600人の市民の皆さんが森づくり活動に参画し,「市
民参加の森づくり」運動が着実に前進しました。
【課題】
市民参加の森づくりを一層推進するためには、自己資金の軽減などボランティア
団体等がより利用しやすくなるような制度設計の検討が必要であると思われます。
○ 森づくり活動参加状況(単位:件,人)
年度
件
数
人 数
H19
3
530
H20
6
910
H21
5
2,829
H22
7
1,761
H23
5
1,540
26
7,570
計
小学生を対象とした森林・林業体験活動
(太田川流域水源涵養推進協議会)
市民参加の漁民の森づくり
(広島西部ロハスの会)
参加者からの声(広島県森づくりアンケート調査結果)
・荒れた里山が利用できるようになり,今では住民が頻繁に森林を訪れるようになった。
・里山林の整備により,生活環境・景観が良くなった。
8
(3) 間伐材の利用促進
公共施設へ県産間伐材を使用したテーブル・ベンチ等の設置,学校施設の内装木質化など
間伐材利用を促進する取組を支援しました。
【成果】
林地残材等として放置されていた間伐材70㎥(製材ベース)が有効活用されま
した。
また,学校や公共施設で間伐材製品が利用されたことにより,木と触れ合う機会
を創出するとともに,間伐材利用の必要性を普及啓発することができました。
【課題】
ひろしまの森づくり廿日市市事業を契機に,間伐材利用の機運は徐々に高まって
いますが,コストが割高になることや,納期に時間を要することなど,発注者から
敬遠される問題もあるため,安定的かつ効率的な間伐材供給体制の構築が必要とな
ります。
○ 間伐材利用実績 (単位:千円,㎥)
年度
利用材積
H19
7.2
H20
16.4
H21
21.2
H22
13.3
H23
12.0
計
70.1
市農林水産課調べ
コミュニティセンターに間伐材を利用
したベンチを設置(宮内市民センター)
高校生が木製ベンチを制作し、保育園へ寄贈
(宮島工業高校)
利用者,設置者の声(広島県森づくり県民アンケートより)
・間伐材製品のベンチ等を利用することにより,木の温もりを感じることができた。
・間伐材製品を通して,県民や子どもたちに間伐材及び間伐に関してPRする機会が増えた。
9
参 考
資
料
(費用対効果分析の算出根拠)
10
森林機能評価算定表
事
業
名 :
施 行 箇 所 :
ひろしまの森づくり事業
(環境貢献林整備事業)
廿日市市全域(H19~H23年度)
森林機能区分
大区分
水源かん養
備 考
金 額
中区分
(千円)
洪水緩和
547,575
水資源貯留
57,966
水質浄化
340,654
土砂災害防止
表面浸食防止(土砂流出防止)
603,643
土壌保全
表層崩壊防止
落石防止,雪崩防止,防風等
地球環境保全
二酸化炭素吸収効果
21,956 森林土壌蓄積分のみ評価
化石燃料代替エネルギー
地球気候システムの安定化
生物多様性保全
遺伝子保全
生物種保全(植物,動物,菌類)
生態系保全(河川生態系,沿岸生態系)
快適環境形成
気候緩和(夏の気温低下,木陰等)
大気浄化(塵埃吸着等)
快適生活環境形成(騒音防止等)
保健・レクリエーション
療養(リハビリテーション)
保養(休養,散策,森林浴)
レクリエーション(行楽,スポーツ)
文化
景観・風致
学習・教育
芸術,伝統文化,風土形成等
物質生産
木材(燃料,建築,木製品原料等)
食料,肥料,飼料
薬品その他工業原料等
総 評 価 額 (B)
1,571,794
総 費 用 (C) 291,160 千円
B 費用対効果分析
1,571,794
- =
C =
5.40
291,160
※1 森林機能のうち,経済的効果の算定が可能な機能について,評価を行った。
2 評価期間が20年間と短期間であることから,表層崩壊防止効果及び二酸化炭素吸収効果(樹木固定分)に
ついては,評価額算定の対象から除いた。
11
1 水源かん養機能
( 1) 洪 水 緩 和
T-1
B=
Y
t
Σ
T×(1+i)
t = 1
t
+
1
Σ
(1+i)
t =T
(f1-f2)×α ×A×U
t
×
360
治水ダムの単位雨量流出量当たりの年間減価償却費(円/m3/sec)
事業実施前の流出係数
事業実施後、T年計画後の流出係数
事業実施後、流出係数が安定するのに必要な年数(年)
100年確率時雨量(mm/h)
事業対象区域面積(ha)
評価期間(年)
単位合わせのための調整値
社会的割引率(%)
U:
f1:
f2:
T:
α:
A:
Y:
360:
i:
4,400,000
0.550
0.450
4
80.22
459
20
4
効果額算出表
経 過 年
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
(単位:千円)
割引係数
①
1.00
0.96
0.92
0.89
0.85
0.82
0.79
0.76
0.73
0.70
0.68
0.65
0.62
0.60
0.58
0.56
0.53
0.51
0.49
0.47
0.46
0.44
0.42
0.41
0.39
0.38
0.36
0.35
0.33
0.32
0.31
0.30
0.29
0.27
0.26
0.25
0.24
0.23
0.23
0.22
0.21
0.20
0.19
0.19
0.18
0.17
0.16
0.16
0.15
0.15
0.14
合計(総効果額)
事業対象区域面積(ha)
年発生効果額
②
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
11,251
22,502
33,753
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
45,003
現在価値
③=①×②
10,801
20,702
30,040
38,253
36,902
35,552
34,202
32,852
31,502
30,602
29,252
27,902
27,002
26,102
25,202
23,852
22,952
22,051
21,151
20,701
547,575
12
数量的評価(m3/s)
(f1-f2)×α×A/360
2.6
5.1
7.7
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
10.2
備
考
1 水源かん養機能
( 2) 水 資 源 貯 留
T-1
B=
Y
t
Σ
T×(1+i)
t = 1
A:
P:
D1:
D2:
T:
U:
Y:
10:
365:
86400:
i:
t
+
1
Σ
(1+i)
t =T
(D2-D1)×A×P×U×10
t
×
365×86400
459
1,566
0.510
0.560
4
418,000,000
20
事業対象区域面積(ha)
年間平均降雨量(mm/年)
事業実施前の貯留率
事業実施後、T年経過後の貯留率
事業実施後、流出係数が安定するのに必要な年数(年)
開発流量当りの利水ダム年間減価償却費(円/m3/S)
評価期間(年)
単位合わせのための調整値
1年間の日数
1日の秒数
社会的割引率(%)
4
効果額算出表
経 過 年
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
(単位:千円)
割引係数
①
1.00
0.96
0.92
0.89
0.85
0.82
0.79
0.76
0.73
0.70
0.68
0.65
0.62
0.60
0.58
0.56
0.53
0.51
0.49
0.47
0.46
0.44
0.42
0.41
0.39
0.38
0.36
0.35
0.33
0.32
0.31
0.30
0.29
0.27
0.26
0.25
0.24
0.23
0.23
0.22
0.21
0.20
0.19
0.19
0.18
0.17
0.16
0.16
0.15
0.15
0.14
合計(総効果額)
事業対象区域面積(ha)
年発生効果額
②
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
1,191
2,382
3,573
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
4,764
現在価値
③=①×②
1,143
2,191
3,180
4,049
3,906
3,764
3,621
3,478
3,335
3,240
3,097
2,954
2,858
2,763
2,668
2,525
2,430
2,334
2,239
2,191
57,966
13
数量的評価(m3/年)
(D2-D1)×A×P×10
89,849.3
179,698.5
269,547.8
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
備
考
1 水源かん養機能
( 3) 水 質 浄 化
T-1
B=
Y
t
Σ
T×(1+i)
t = 1
+
t
1
Σ
(1+i)
t =T
t
×
(D2-D1)×A×P×u×10
Ux×Qx+Uy×Qy
u=
Qx+Qy
Qx:
Qy:
A:
P:
T:
D1:
D2:
Ux:
Uy:
u:
Y:
10:
i:
157.00 億
1,707.25 億
459
1,566
4
0.510
0.560
178.83
68.57
77.9
20
全貯留量のうち生活用水使用相当量(m3)
全貯留量-Qx(m3)
事業対象区域面積(ha)
年間平均降雨量(mm/年)
事業実施後、貯留率が安定するのに必要な年数(年)
事業実施前の貯留率
事業実施後、T年経過後の貯留率
単位当たりの上水道給水原価(円/m3)
単位当たりの雨水浄化費(円/m3)
単位当たりの水質浄化費(U x とU y を用いてQ x とQ yで比例按分して算出)(円/m3)
評価期間(年)
単位合わせのための調整値
社会的割引率(%)
4
効果額算出表
経 過 年
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
(単位:千円)
割引係数
①
1.00
0.96
0.92
0.89
0.85
0.82
0.79
0.76
0.73
0.70
0.68
0.65
0.62
0.60
0.58
0.56
0.53
0.51
0.49
0.47
0.46
0.44
0.42
0.41
0.39
0.38
0.36
0.35
0.33
0.32
0.31
0.30
0.29
0.27
0.26
0.25
0.24
0.23
0.23
0.22
0.21
0.20
0.19
0.19
0.18
0.17
0.16
0.16
0.15
0.15
0.14
合計(総効果額)
事業対象区域面積(ha)
年発生効果額
②
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
6,999
13,999
20,998
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
27,997
現在価値
③=①×②
6,719
12,879
18,688
23,797
22,958
22,118
21,278
20,438
19,598
19,038
18,198
17,358
16,798
16,238
15,678
14,838
14,278
13,719
13,159
12,879
340,654
14
数量的評価(m3/年)
(D2-D1)×A×P×10
89,849.3
179,698.5
269,547.8
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
359,397.0
備
考
2 山地保全機能
( 1) 表 面 浸 食 防 止 ( 土 砂 流 出 防 止 )
T-1
B=
Y
t
Σ
T×(1+i)
t = 1
t
+
1
Σ
(1+i)
t =T
×
t
(V1-V2)×A×U
1m3の土砂を保全するために要する単位当たりの砂防ダム建設コスト(円/m3)
事業実施前における1ha当りの年間浸食土砂量(m3)
事業実施後における1ha当りの年間浸食土砂量(m3)
事業対象区域面積(ha)
事業実施後、流出係数が安定するのに必要な年数(年)
評価期間(年)
社会的割引率(%)
U:
V1:
V2:
A:
T:
Y:
i:
5,780
20.00
1.30
459
4
20
4
効果額算出表
経 過 年
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
(単位:千円)
割引係数
①
1.00
0.96
0.92
0.89
0.85
0.82
0.79
0.76
0.73
0.70
0.68
0.65
0.62
0.60
0.58
0.56
0.53
0.51
0.49
0.47
0.46
0.44
0.42
0.41
0.39
0.38
0.36
0.35
0.33
0.32
0.31
0.30
0.29
0.27
0.26
0.25
0.24
0.23
0.23
0.22
0.21
0.20
0.19
0.19
0.18
0.17
0.16
0.16
0.15
0.15
0.14
合計(総効果額)
事業対象区域面積(ha)
年発生効果額
②
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
12,403
24,806
37,209
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
49,611
現在価値
③=①×②
11,907
22,822
33,116
42,169
40,681
39,193
37,704
36,216
34,728
33,735
32,247
30,759
29,767
28,774
27,782
26,294
25,302
24,309
23,317
22,821
603,643
15
数量的評価(m3/年)
(V1-V2)×A
2,145.8
4,291.7
6,437.5
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
8,583.3
備
考
3 環境保全機能
( 1) 二 酸 化 炭 素 吸 収 効 果
(森林土壌蓄積分)
Y
1
Σ
B=
(1+i)
t = 1
C1=
t
s×e1
30
×
(C1-C2)
C2=
×
A
×
0.3
×
44
12
s×e2
30
二酸化炭素に関する原単位(円/t-CO2)
事業を実施しない場合の年間流出土砂量に含まれる炭素量(t-C/ha)
事業を実施した場合の年間流出土砂量に含まれる炭素量(t-C/ha)
①浸食深が30cmに達するまでの年数(T) 又は
②評価期間内に浸食深が30cmに達しない場合は評価期間(年)
事業対象区域面積(ha)
単位面積あたりの土壌平均炭素蓄積量(t-C/h)
炭素から二酸化炭素への換算係数
事業を実施しない場合の侵食深(cm/年)
事業を実施した場合の侵食深(cm/年)
土壌炭素の測定深度(cm)
流出土壌排出炭素係数
社会的割引率(%)
U:
C1:
C2:
Y:
A :
s:
44/12:
e1:
e2:
30:
0.3:
i:
×U
6,046
0.57
0.04
20
②
459
84.95
0.2000
0.0130
4
効果額算出表
経 過 年
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
(単位:千円)
割引係数
①
1.00
0.96
0.92
0.89
0.85
0.82
0.79
0.76
0.73
0.70
0.68
0.65
0.62
0.60
0.58
0.56
0.53
0.51
0.49
0.47
0.46
0.44
0.42
0.41
0.39
0.38
0.36
0.35
0.33
0.32
0.31
0.30
0.29
0.27
0.26
0.25
0.24
0.23
0.23
0.22
0.21
0.20
0.19
0.19
0.18
0.17
0.16
0.16
0.15
0.15
0.14
合計(総効果額)
事業対象区域面積(ha)
年発生効果額
②
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
459
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
1,618
現在価値
③=①×②
1,553
1,489
1,440
1,375
1,327
1,278
1,230
1,181
1,133
1,100
1,052
1,003
971
938
906
858
825
793
760
744
21,956
16
数量的評価(CO2-t/年)
(C1-C2)×A×0.3×44/12
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
267.6
備
考
総 費 用 (C) 算 出 表
(単位:ha・千円)
経過年
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
合計
事業内容
-
間 伐
面積
費用
-
面積
費用計
面積
459
費用
145,400
459
214,353
214,353
359,753
359,753
割引係数
現在価
備考
費用
145,400
17
1.00
0.96
0.92
0.89
0.85
0.82
0.79
0.76
0.73
0.70
0.68
0.65
0.62
0.60
0.58
0.56
0.53
0.51
0.49
0.47
0.46
0.44
0.42
0.41
0.39
0.38
0.36
0.35
0.33
0.32
0.31
0.30
0.29
0.27
0.26
0.25
0.24
0.23
0.23
0.22
0.21
0.20
0.19
0.19
0.18
0.17
0.16
0.16
0.15
0.15
0.14
145,400
145,760 467千円/ha
291,160
ひろしまの森づくり廿日市市推進協議会
役
職
所
名簿
属
氏
名
会 長
吉和地域林業研究グループ
安
田
副会長
阿品の森サポータークラブ
井
上
年
光
委 員
廿日市市水産振興協議会
黒
田
勝
敏
〃
原地区市有林管理委員会
中
〃
広島西部木材同業組合
大
野
昌
治
〃
佐伯林研グループ
岩
見
宗
治
〃
もみのき森林公園協会
梅
田
斉
〃
広島県森林インストラクター連絡協議会
大
西
弘
〃
広島西部ロハスの会
永
本
清
三
〃
佐伯森林組合
阿
部
康
典
〃
建設部
監理課
新
田
幸
英
〃
建設部
都市計画課
清
水
俊
文
〃
教育部
教育指導課
荒 木 真 由 美
〃
環境産業部
観光課
橋
孝
田
本
武
知
明