熊本大学学術リポジトリ Kumamoto University Repository System Title リボソームタンパク質S19架橋化多量体の急性炎症消退に おける役割 Author(s) チョウ, 睿 Citation Issue date 2014-09-25 Type Thesis or Dissertation URL http://hdl.handle.net/2298/31349 Right 寺金イ立言命 3ζ 相〉室乗 リボソームタンパク質 91S (R elo fo lamosobir nietorp noitamalfni 架橋化多量体の急性炎症消退における役割 91S -sorc )noituloser delknoilsremogi ni etuca チョウ睿 熊本大学大学院医学教育部博士課程医学専攻分子病理学 指導教員 山本哲郎前教授 熊本大学大学院医学教育部博士課程医学専攻分子病理学 紹介准教授 今村隆寿准教授 熊本大学大学院医学教育部博士課程医学専攻分子病理学 学位論文抄録 的】リボソ ームタンパク質 91S 【 目 r( ibos ma l ietorp n 91S ,P R S19 ) は、アポ トー シスの過程で細 R 胞内トランスグ、ルタミナーゼの作用を受け、架橋化多量体として細胞外に遊離する。この P 5a 体は、アポト ー シス細胞自身の C 5a ファージの C 91S 多量 受容体に作用してアポト ー シスを促進させる一方で、単球/マクロ 受容体に作用して走化動員し、アポ トー シス細胞を貧食処理させる。ところで、急性炎 症の終駕過程では、浸潤した多核球がアポトーシスに陥り、単球/マクロファ ー ジに貧食処理されるこ とが知られている。そこで私は、急J性炎症治癒過程の分子機構が多核球から遊離した PR 91S 多量体の 受容体に対する二つの異なる作用 iこよって担われているという仮説を立て、マウスのカラゲ、ニン誘 C5a R 発性胸膜炎モテ、ルを用いてその仮説を検証した。実験には 、野性型マウスに加えて、機能的な P 多量体を形成できない l G731n 【 方 -u PR 91S ノックインマウスも用いた。 法]まず、ヒト末梢血から分離した多核球は、自動的にアポトーシスに陥ると共に 体を遊離することを確認した。胸膜炎は、 0.5% カラゲニン 1.0 91S 多量体の免疫学的な中和は、抗 a 5C Gln137 をコードしている n oxe 91S uPR 91S 5 に変更した Gln137u-RP /R P 結 [ 91S 多量 519 人工遺伝子を R CI マウスの応盤胞 /6 J マウスと掛け合わせて Gln137u-RP ノックインヘテロ接合マウス、さらにホモ接合マウスを調製した。 P R 91S C5a S19 ノックインマウスは、 遺伝子と相同組換えし、その細胞を野性型 RCI B75C に混入させて子宮に着床させてキメラマウスを得た後、 L PR lm を左胸腔内に注射して惹起した。 PR 抗体を用いて行った。 l G731n 5 を Gln137u-exo マウスの脹性幹細胞に挿入して RP 519 91S 多量体の代替能を有する は、大腸菌の発現系を用いて、組換えタンパク質として調製した。 果]野生型マウスのカラゲ、ニン胸膜炎では、 4 時間自には胸水貯留や白血球浸潤が明瞭になるが、 42 時間目には半減して治癒に向かった。組織学的にみると、肺実質には炎症はほとんど及ばなかった。 P ところが R 91S 多量体を中和する抗体をカラゲ、ニ ンとともに胸腔内に接種すると、 4 2 時間目の浸潤多 核球数は 30 倍に増加した。 さらに、肺実質においても 、肺根部を中心に、出血や多核球浸潤を伴う激 しい炎症於起きていた。G ln137 P だけで、野性型マウスに R ln137u-RP 起こされた。 G R カラゲ、ニンとともに P lu-R P 91S 91S S19 ノックインマウスの場合には、カラゲ、ニンを胸腔内投与する 多量体中和抗体を同時投与した場合と同等の胸膜炎と肺実質炎が引き ノックインマウスにおけるこの増悪し遷延化した胸膜炎と肺実質炎は、 S19 多量体の代替機能を持つ C5a/RP 91S を同時投与することで抑制することが できた。 【 考 P 91S 査】以上の結果より、 R 5a 単球/ マクロファ ー ジの C 多量体の持つ多核球の a 5C 受容体を介したアポト ー シス促進作用と 受容体を介した走化動員作用が、急性炎症の治癒をもたらす分子機構とし て重要であることが実証された。
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