NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 九州西方海域産小型歯鯨類の研究―1 : 長崎県松浦市で捕獲されたハ ンドウイルカに就て Author(s) 水江, 一弘; 吉田, 主基 Citation 長崎大学水産学部研究報告, v.9, pp.33-41; 1960 Issue Date 1960-07-31 URL http://hdl.handle.net/10069/31783 Right This document is downloaded at: 2015-01-31T21:45:07Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 九州 西 方海 域 産小 型 歯鯨 類 の研 究―Ⅰ 長 崎 県 松 浦 市 で 捕 獲 さ れ た バ ン ドウ イ ル カ に 就 て 水 Studies on 江 the Tursiops A large number part T. gillii which color the the of front portion reported leogth there of the in Japan. is this ratio in this reported. From sp. Tarsiops these point, no striped of shows sp. it skull the is design from in the is than longer proportion, the skull part this of five Tarsiops shape Tursiops of larger, On too. the City of skull anchor the head and and it at part had mandible to has special Moreover, the number spp. which species. body which number new tooth, the the spp. in and the Tarsiops is of of body, is sp. Matuura T. truncatus view-point ratio skull. character from the length of pref. from the proportion special that Tobi-Island external to every Nagasaki is different dark different seems in sp. time tail snout the West YOSHIDA by this the and the of measurement Tursiops bertebrae Japan waist in the City, caught Tursiops About About smaller, in the is 基 Whales Kazumoto were in head. of the and This reported namely the sp. Pref. 主 at Matuura MIZUE Tursiops been rear body in had head, been teeth of 田 of Kyusyu—I sp. caught Nagasaki of the is smaller, characters of ・ 吉 Toothed Area Kazuhiro Northern 弘 Little Sea About 一 had of of been 34 う. 小川は今まで所謂イルカ類に就ての研究を割合多く報告しておりこの分野の究明における魁をなしている が,大体において三陸産の小型歯鯨類にその主力が向けられている・又昔から伊豆地方のイルカ類に就ては 注意が向けられているようであるが,各地の水族館が小型歯鯨類の飼育を始め当地をその補給源としている 現在においては特にその感が強い・しかし長崎県特に五島近海から男女群島を経て甑島附近の海域にかけて は小型歯法類が非常に豊富に生冠していて, この附近の沿岸を一寸航海しただけでもその量的な豊富さに先 づ気がつくし,どうもその種類においてもまた多彩であるようである. 筆者等は九州西方海域にどのような種類の小型二二類がどの誕生心しているか,そしてそれ等が魚類や軟 体動物等の他の有用水産動物に如何なる食害を与えているか,又小型歯鯨類相互間の油脂を比較研究する事 によって未だ確定されていない分類法に貢献できないだろうか,又それ等の生殖や索餌及び年令成長の生態 は如何であろうか等という事を明かにする目的を以て今後この研究を進める.そしてこの度は長崎県北松浦 郡松浦市にオキゴンドウ鯨らしきものと共に多数捕獲されたバンドウイルカに就て調査したので小川(6)(7), 西脇(24),中島(25)が調査測定した関東産(太平洋産)のものと比較しながら報告する.尚当地においては吻 の突出している小型歯鯨の事を有川地方では全部ハセイル二又は単にハセと呼び,三井楽地方又は本県北松 浦郡方面ではネズミイルカ又はネズミと呼んでいる・当地方におけるハンドウイルカもハセ又はネズミと一 括して呼ばれていて小川(6)がのべている如くハンドという呼称は未だ当地方においては著者等は耳にしな い・藤本報告の中で今後バンドウイルカとのべた場合はTursioPs sp.の事即ち 「バンドウイルカの類」 を意味する・ 本研究を行うに当り御指導下された長崎大学医学部解剖学教室佐藤教授瀬戸口助教授に感謝する.又種々 御便宜を与えて下された佐世保市西海橋水族園川添専務及び山口・上村両社員に感謝する. 料 2 材 1958年の末に五島福江島三井楽の砂浜に多数の小型歯鯨類があげられたという事を耳にしたので早速出か けたが,著者等が現場に到着した時には既に同漁村のイルカ組合の手によって漁獲物は村民に分配された後 であり,大体において浜はきれいに片づけられていた・その時幸にも死後直後のイルカの頭部写真を得る事 ができた.PLATE W, Fig.1に示したが,これによるとバンドウイルカによく似ていると思われる.こ の時にはこの種類と共にゴンドウ鯨の類も一緒に多くあげられたようであった.ユ959年夏にはハナゴンドウ 鯨(マツバイルカ)が三井楽及び有川の砂浜にそれぞれあげられた.これはそれ程多数ではなくその内の一 部を海上輸送して現在佐世保市西海橋水族園で飼育している.これ等の外にも度々五島では方々でこの種の ものを含んだ多くの種類の小型丸山類があげられているらしいが,地理的に筆者等の在住する九州とは遠隔 であるために五島において現場に行き合せる幸運には未だめぐまれていない. ユ960年2.月3日に長崎県北松浦郡松浦市今福対岸の飛島において同地の漁協が多数の小型歯鯨類を網で巻 く事に成功した.Fig.1はその位置及び附近の状態を示している・筆者等は2月5日にこの事を耳にする事 ができたので早速現場に急行した.そしてその高網の中に僅かに残っていた5頭を西海橋水族園に海上輸送 した.そしてこの度捕獲された小型二二類はこれから報告するバンドウイルカと沖ゴンドウ鯨らしきものと の二種類が一緒にあげられたようである・前記した如く,又五島の人達の話だとバンドウイルカがあげられ た時には必ずこの沖ゴンドウ鯨らしきものが一緒に捕獲されるそうであり,本年2月初旬に山口県仙崎にあ げられたバンドウイルカの場合もそうであるし, これら色々の点を綜合して当海域においてはバンドウイル カと沖ゴンドウ鯨らしきものとが常に一緒に游泳生棲しているように思われる・ 水族園において不幸にもバンドウイルカは次々に三頭死亡した。解剖した結果何れも肺臓に径3cm∼5 cm大の多くの膿腫嚢ができていてこれが致命症であったと考えられる.消化系やその他の器官には全く異状 が見られなかった.死亡したバンドウイルカは早速各種の外部測定がなされ解剖された後骨格の標本が作ら れた. 一 3 測 定 A 胎 児 筆者等が松浦市のイルカ捕獲現場に到着した時には殆んどのものは処理され出荷されていたが,前日又は 35 ある程度処理されたらし くて沖ゴンドウ鯨らしき ものの胎児と共にバンド Japan Sea ウイルカの胎児が大分こ M魂. 前々日に現場の砂浜でも ろがっていた.それ等の 内測定できるもののみ9 頭につき体長を測定した が64.Ocmから76.Ocmの 間に胎児の体長分布があ ︷ って,平均は68.4cmで あり,その体長範囲は非 常にせまい.多分三種で は天然の状態においては 交尾受精の時期は割合短 期間ではないかと推察さ れる. B 体 色 伊豆地方産のバンドウ イルカにはPLATE W, Fig.2に示した如く頭 部背面の噴気孔前部にイ カリ型の明白な黒味を帯 びた縞模様が存在してい る・江ノ島,熱海及び三 津の各水族館で飼育され ているバンドウイルカに は何れも皆この縞模様が Fig. 1 Locality of catch 存在していて,これがど うも伊豆地方産のバンドウイルカの体色の一つの特微のように思われる.小川(6)も塩釜市場で得たバンドウ イルカにおいて,この縞模様に就て記載している.しかしPLATE珊, Fig.ユ, Fig.3に示した如く五島 で捕獲されたもの,及びこの度長崎県北松浦郡で捕獲されたバンドウイルカにはこの縞模様は発見できな い. 体色は分類学的には貢献する所がそれ程大きくないといわれているが,しかし同じ種の内でのRaceを分 ける場合や系統を云々する場合には,大型髪鯨類においては度々使用されている事だし,分類の有効なる一 つの基準になるのではないかと考えられ,本種の系統及び分類を究明する上においても更に詳細なる体色の 記載を今後行って行きたい. C 外形プロポーション 外部的な体の測定部位はFig.2に示してあり,12)を除いて何れも三軸に平行な直線距離iで測定した.測 定頭数は5頭であり,その内雄2頭,雌3頭であり,測定頭数が多くないが将来機会を得て測定を重ねて行 きたいと思っている・これ等の内雌においては何れも卵巣に黄白体を持っていて性的に成熟している事が明 かであった雄においても精巣は大きく,多分生物学的最小体に達しているものと思われた. これ等の雌の 平均体長は301.フcm,雄のそれは3ユ6.5cmであった. 測定結果はTableユに示した.これまでバンドウイルカに就て測定されているデーターと比較して見 る・小川(6)はT.truncatusの雌及びT. gilliiの雄をそれぞれ一頭つつ測定しているが,測定部位の共 通しているものは1),3),4),6),9),ユ0),12)に就てである.又伊豆安良里産のバンドウイルカに就て西 36 ユ 脇(25)は7頭の計測値を示しているが7)を除き皆計 ︸,﹁−i 測部位は共通している。2)の値を比較すると九州西 志 54﹁一 ↑↑弓2− n 8 ”一””−ib.. ・ホi 方海域産のものの方が吻が短い事が分る・3)の値も また当地方のものの方が小さく噴気孔が前方に位置 していると思われる.安良四十の4)又は5)の値は他 M のものに比べて大きく特に当地方面のものはこれ等 6 の値が小さい.即ち2),3),4),5)の測定結果か 7 ら九州西方海域のバンドウイルカは太平洋岸産のも F;g. 2 proportions of external measurement のに比べて頭部が小さいという事がいえる.又6)の A・・・…Anus, B・・・…Blowhole, 値を他海域のものと比較するとやはり当海域のもの R一・・“Reproductive aperture が小さくなっていて,他の海域のものより立羽がよ l)体長(上顎吻端より尾鰭分岐点までの距離) り前方に位置しているのが分る・8)及びll)の値は 2)吻長(上顎吻端より下根まで) 各地のものが大体同じであり背鰭の位置は一定して 3)上顎吻端より噴気孔中央まで いる・次に9)の値は頭部の各部位とは反対で,当地 4)上顎吻端より目の中央まで 方のものの方が他海域よりも大きくなっており,又 5)上顎吻端より耳孔まで 10)の値においても雌雄共に当海域のものの方が大 6)上顎吻端より胸鰭底前端まで きく,又12)の値も同じ事がいえる.これ等の事か 7)上顎吻端より胸鰭突起端まで ら当海域のものが太平洋岸のハンドウイルカに比べ 8)上顎丁丁より背鰭突起端まで て,尾部が大きいという事がいえる.次に当海域産 9)尾鰭分岐点より肛門まで のものの雌雄による相異は生殖孔と肛門までの距離 10)尾鰭分岐点より生殖孔まで が異っている以外は差が認められない. しかし小 ユユ)尾鰭分岐点より背鰭突起端まで 川(6)が計測した塩釜産のものでは鰭は何れも雄の方 ユ2)尾鰭幅(両突起端間の長さ) が雌より大きくなっている・当海域産の12)の値も やはり雌より雄の方が大きい. Tabfe 1 Values of measurement in external proportins and its percentage to the body length No. No. 2 Sex 8 1 330.Ocm loo.oo/o L;・ Q 4 5 6 8 7 12S 一eOiO.1 一f2Lgi 一iilO−LP7191 l1710−i 19−5:9 3.78i 12.12 16.45i 20.30 12.72 35.45 59.09 i303.ocml g.o No. 4 3 sl i 30.5 3s.sl 3s.oi s6.o gg.sF ls2.o 9 10 11 ニ 102.O l28.σ ].35.O l l 12 77.0 30.90 38.78 40.91 23.33 1 sg.o! l12.oh21.ol 73.o l .一1““I loo.oo/oi 2.g7 IO.06 ll.711 12.54i 18.48i 32.83i 60.06 29.37i 36.96i 39.94i 24.09 + Mean i 3.371 ll・09i 12.211 13.991 19.39, 34.141・ 59.58i 30.131 37.871 40.421 23.71 No. 1 9 304.Ocm loo.oo/o IO.5 38.0 34.01 44.0 61.O IOO.O’ 178.0 90.0] IOO.Oi 126.0 3.45 12.50 11.18 14.4Z 20.06 1302・Ocm 13.01 40.0 lOO.0% 4.30j 13.24 ♀ No. 3 32.89 58.55 29.60[ 32.89! 41.45 69.0 22.69 武将黙認謡調瀦1膿 i l } } 1 伽 [ 2gg.ocml g.si 33.ol 36.o 45.5] 60.0 No. 5 9 1:驚1瓢:曝liil際: ±oo.oo/ol 3.vl’.u.03! i2.04 15.21i 20.06 Mean i 3・・41ユ2・25…93・5・・9・9・9gl 32・92158・56129・・61 32・5gi 4・・43i’ 22・5・ D 頭 骨 頭骨の測定部位はFig.3に示してあり,又測定結果はTable 2 に示してある.先ず頭骨全長が体長に 37 対する比を見ると小川(7)の提出しているバンドウイ ㌔竃∼﹂⋮ノ ルカの値は雄19。8,雌19.4であり,ここで取り扱っ たものの方が雌雄共断然小さい.前記した外形プロ ポーションにおいて二種の方が太平洋産のものに比 して頭部が小さいという結果が出ているが,頭骨 測定において明かにこの事を裏付けている.頭骨 u 2 t N が小さいという点では小川σ)がのべているT’ Ngs catalaniaに似ているようであるが,本種におい てはT.catalaniaの口蓋骨の如く前方に懸った それ程尖った突起は何れも有していないし,又四種 では左右の歯列後端を結ぶ線は何れも口蓋骨先端よ りもずっと前方に位置している・ g 4 ’ ユ2 次は測定部位②即ち戸長に就てであるが,両者を 比較すると三種の方が小川(7)の示した値よりも,雌 においては僅かに又雄においては格段の相違があ 〈一一 7 一 り,本門の方が吻が長い事を意味している.これは ‘F一一一一一一一 9 一一’一一一一一一一 測定部位〔7)即ち上顎歯型長においてもその事がいえ (3学び(6)は両者に就てそれ程の差がみとめられず吻 』〉巧I の巾に関しては両者同じであるという事を意味して i;絵 本四の方が吻が長い事を裏付けしている・測定部位 いる.所が闇顎骨の形態に関しては本四の方が細長 いといえる.即ち吻中部における下顎骨巾〔4)は本種 ・ の方が小さく,特に間顎骨最大巾(5)は本種の方が断 然小さい・次に(8吸び(9)を比較すると本種の方が雌 1 一 14 一一 雄共(8)が相当大きく,反対に(9>は四種の方が雌雄共 非常に小さい.これは本種の方が小川ハンドウィル 状骨口蓋部は前方に位置している事を意味してい る・(10)の値:に干ては本種の方が雄は大きいが雌は 殆んど変らない.次は働即ち側頭窩長であるが二種 の方が雄では大分小さいが雌では大体変らない.又 (11>即ち左右側頭窩後縁距離は雌においては殆んど相 違はないが,雌においては甲種の方が他よりも断然 小さい.Table 2を見ると本州における(12)の値が 雌雄によって相当異っていて雌雄による頭骨後部の 形態が相違している事を現わしている・即ち雄の側 頭窩が相当後方に偏して位置している・又Table2 ユ〆 カに比べて噴気孔がより後方に位置し,又反対に翼 6 Fig. 5 ユ) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) ユ0) に明かであるが(8汲び⑨においても下種では雌より 雄の方が値は何れも大きくなっている. 次に下顎骨の測定であるが,その値はTable 3 に示した.部位姻即ち下顎骨全長が体長に対する比 u) i2) 13) 14) ユ5) は小川(7)の場合よりも断然小さく,頭骨全長におい ユ6) て本種が他に比して小さかったのと同様である.又 ユ7) 他の下顎骨測定部位は小川の場合と差がそれ程みと められない. E 歯 の 数 Proportions of skull measurement 頭骨全長(上顎骨全長) 吻長 吻基底一 日中部における間顎骨幅 間顎骨最大幅 吻中部幅 上顎歯線長(左右平均) 吻端よめ噴気孔中央まで 吻端より翼状骨ロ蓋部後端まで 左右眼棄距離 左右側頭窩後縁距離 側頭窩長右(最大長)左(最大長) 下顎骨長 縫弓長 下顎歯線長(左右平均) 下顎角と鳥嫁突起先端との距離 歯槽数 右上 左上 右下 左下 歯の数は歯槽の数で表わした。測定の値はTable 4に示してある.Table 4によれば本種では歯の数はそ 38 anlill HO ]]. ド吋 @掛ドω.ω @ <9。ξΦω。h巳8ω葺①§三。hω巨=Ω。肝玉b。円8三潜σqΦω8ぴ。身♂凝導︵.︶雪男88畠=雪σq芸。hの巨=︵。∼、.︶ O ︵搬,鵡齪,漸,黒︶ ︵搬串彫塑距︶ u漸邑︵,懸魂,瞬,瀟,邑 ωoo・]− ﹄⊃q●α 鼠・心 掛 Hω.ω @ co﹄ 届・瞠 H㎝・蔭α q・⑩㎝ H県①幽 oDレ ド㎝●心切 oo.① H切●αN﹂ Φ●O H①●逡 ]■日・卜⊃ω O・へ⊃ ド9⑩蔭 ⑩●oo .]・QD・日○ O●O H①﹄ハ 鴇・癖 酷●oDω 亀・oooo 8﹄ 蔭oo﹄㎝ ヨ●① 幽㎝.Oω マ]− 亀●]■]− 心ρδ δ・お ω⑩.卜﹂ 置・]−⑩ ω“・O ①9qoo qO●・ω① q]−●Oω 心ρQoQo 心ραH S●“ ①oo●①Φ ネb ωoo・臥⊃ ω㎝・Qo ①㎝・⑩ω ωドQ ①卜﹂・刈oD 忠.、㎝① ソ・]− 戯日●①○ 蔭心・謡 S・㎝ “○.お 斜㎝・㎝① ωΦ﹄ ①①誌oo 早怫@oo ]■鼻・q @「 ↓幽幽①N oo 三⋮≡串⑩㎝ 蔭。﹂.ω ︻ 日 怐C串曄添,串,︶愈如齪,知拝,︶バ,盈,雄,瞬,漁,邑 @ @ ]− ェ,蹴,淑,滞,︶ ⑩●O HO﹄ ① ω。.、弓日一 Hoo・① ω㎝誌⑩ 日oob ωN●oDω ωω●O刈 財 ・卜﹂ ﹄﹂ド・O⑩ q曾 s①卜⊃ 卜﹂O●⑩ω 卜﹂ドO口 財 ドド・① 餅 旨﹄ 卜﹂ω●蔭q 卜﹂“﹂.ω卜﹂ 餅 ]卜⊃・ω 母 ド日●日 P⑩●9 財 日O●① μρ① 掛 ]O・① @﹄ド 掛 HH・“⊃ ①α●お 心qbα 濾●園. 卜⊃団●oo㎝ P㎝●心① ]−q●9 心8⑩ω 刈卜﹂・①oD oo●ooω 戯・“ @ @ 心 曄i ρO切 斜・⑩c口 O.]]■ 心●⑩ ⑩・ωcロ QO.oo斜 ]﹁日・卜⊃O @ ωΦ図 Hω・日 bぼi伊 査⑩ @ │, ヤ, αoO﹄ ωω・oD ]−c口●心 温i αco●O日 8●蔭① .ト日.①ω㎜ ωO冨 ヶレ.ooΩ @μω Pω.① c・O㎝ ﹁Hω・り @・O⑩ (, cロ ド切﹄○ へ」 ︵岸里,串︶、 @、晦,睡,漸鵠︶.︵搬頭臓,蜘,澤,︶ αω・]■ ㎝日﹄切 巴.①① ω]−・O ㎝q●8 n・○ αc目●ω心 ω○●oD ㎝㎝・c口O (ol釦i ⑩●]b 臥)1ω . : oo ト」1心 ω Nc日●co㎝ バ, Zo● 乞。●﹄⊃ 20.蔭 (, @ @ 卜⊃ 』」 冒●9 A: ト」:A 氏)): σ) (, 磨C の α①・OO σコ:・ Hq・ 田 ㎝全ω ]−日・oD① α﹄﹂・心 Pq●ω㎝ ㎝c弓﹄ ドco.認 H刈・⑩]− oo 1 . co 1 aD FI. 竃①鋤昌 Zo●ヒ柏 20●ω 20・㎝・約 ]≦09昌 σ):ト」 卜⊃ 卜」 . : ”ts一 尺11 “1 臥)’;ω . 1 K.J 』」 卜」 卜」 卜」 臥」 』」 “」 Nl N⊃ N」 卜⊃ 。う ㊥ 絶 39 Table 5 Values of measurement of mandible and its percentages to body length(i3) and to total length of mandibula (i5・ i6) Sex No. 8 No. 2 No. 4 13 50.]1 25.6 工0.3 …(偉”長…IEE)…”(〒顎膏学長比’ア (下顎骨全長比) 15.ユ8 51.09 20.55 44.7 23.3 9.6 ユ4.75 52.ユ2 21.47 ユ4.96 51.60 21.01 46.8i 26.0 iO.4 16.39 55.55 22.22 46.3i 24.9 ユ0.1 15.33 53.77 21.81 47.5 24.0 10.6 15.88 50.52 22。3工 15.53 53.28 22.U 6 Mean No. 1 No. 3 No. 6 16 15 9 9 9 Mean Table 4 Number of alveolus No. 4 No. 2 2ユ Left of upper 22 Right of lower 19 Left of lower ユ8 Total 80 4 ︻4 ∠︹ 2∠ 2 Right of upper No. 5 .No. 3 No. 1 24 24 23 23 24 24 22 23 22 22 23] 23 21 92i 92 94 90 れ程一定したものではない事がわかる.これ等を小川(7)の測定値と比較すると,子種No.2が大体小川の 測定と同じであるが他は何れも本種の方が相当多くなっている.尚三種のNo.2は最も体長の大なるもので ある. F 脊椎 骨 数 脊椎骨数の測定結果はTable 5に示した.小川(7)が報告しているバンドウイルカ(T. truncatus, T.gillii)は脊椎骨数は何れも合計65個になっているが,ここで著者等が取扱った材料では62個のものが1 体,64個のものが4体であり65個のものはない.小川(7)によればT.catalaniaは脊椎骨数は62個であり, ここで取り扱ったものの内No.4の個体はやはり62個の脊椎骨を有しているが,しかし前述した如く頭骨の形 態からT.catalaniaでない事が明かである.又T. abusalumは脊椎骨数が61であり,皆無の数も26/26 でここで取扱ったものとは全く異ると思われる.又T.Parvimanusは成程脊椎骨数は62個あるが,もと もとアドリや海産のものであり一種とは当然異っているものと思われる・ 尚本種はある狭い海域で一時に捕獲されたものであり,この度捕獲されたバンドウイルカは一種類であっ て,・他の種類のバンドウイルカが混在しているとは考えられない.しかるにこれ等の間においてさえ脊椎骨 数が一定でなく62個のもの,又は64個のものがあるという事は,脊椎骨数というものはこの種では確定した 数を示さずある巾を持っていると思われる・ 40 Table 5 Number of bertebrae No. Sex Cervical Dorsal Lumber Cauda1 Tota1 No. 2 8 7(2) ユ2 17 28 64 No. 4 8 7(2) 12 16 27 62 No. 1 9 7(2) ユ2 17 28 64 No. 3 9 7(2+2) 12 ユ6 29 64 No. 5 9 7(2) ユ2 ユ7 28 64 4 結 論 1960年2月に長崎県北松浦郡において捕獲されたバンドウイルカは今まで我が国で報告されている T.truncatUS及びT. gilliiに比べて体色が異っている。即ち頭部背面前方にイカリ型の黒味を帯びた 縞模様がない。国警まで報告されているものよりも頭の部分が小さく,尾部が大きい。又頭骨及び下顎骨の 体長比が小さく,吻の部分の頭長比が長いし,その外頭骨測定上色々特長を持っている。又歯の数も大体に おいて特長があり,その上脊椎骨数においては今まで報告されている5種類のバンドウイルカと異っていて 特長ある数を示している。即ち64個のものが4頭,62個のものが1頭である。以上によって三種は現在まで の記載にはないバンドウイルカであると思われる。 5 文 献 :L) OKADA Y:Studies of the Japanese Delphinidae (1), Science Report B.3,7, (ユ936) 2) 一:Do (ll) Sci. Rep. B. 5, 10, (1937) 3) 一:Do(皿)Sci. ReP. B.4,15,(1938) 4)岡田弥一郎・林良二:日本産イルカの研究(IV),イシイルカPhocaenoides da〃i(TRUE)の回 游及び胎仔に就て,日本水産学会誌,16,12,609∼611,(1951) 5)小川鼎三:本邦の歯鯨に関する研究(第1回),植物及び動物,4,7,1∼ユ3(ユ936) 6)一:Do(第1回),植物及び動物,4,8,ユ5∼22,(ユ936) 7)一:Do(第3回目,植物及び動物,4,9,1∼10,(1936) 8)一:Do(第4回),植物及び動物,4,10,19’》28,(1936) 9)一:Do(第5回),植物及び動物,4,11,1’》8,(1936) 10)一:Do(第6回),植物及び動物,4,12, ll《’ユ8,(1936) 11)一:Do(第7回),植物及び動物,5,1,25’》34,(ユ937) 12)一:Do(第8回),植物及び動物,5,2,9《’16,(1937) 13)一:Do(第9回),植物及び動物,5,3,19’》26,(1937) 14)一:歯鯨Cogia及びStenoに関する知見追加,植物及び動物,7,7,1∼8,(1939) 15)一一:歯鯨GramPusに就て,植物及び動物,8,3,・ユ3’》22,(1940) 16)一:本邦の歯鯨目録に加うべき4属(講演要旨),動物学雑誌,48,5,ユ75,(1936) 17)永沢六郎:日本産海豚類十一種の学名,動物学雑誌,28,327,35’》39,(19ユ6) ユ8)松浦義夫:日本近海産逆戟に就て,動物学雑誌,50,361’》364,(工938) 19) NisHiwAKi M and KAMiyA T: A Beaked Whale MesoPlodon stranded at OISQ Beach, ’Japan, The Scientific Report of the耳zhales Research Instisate 15, 53N84,(ユ958) 20) 一: MesoPlodon steinegeri from the coast of Japan, Sci. ReP, Wha. Res. lns., 14, 35.v48, (1959) 21) YAMADA M : Some Remarks on the Pygmy Sperm Whale, Kogia, Sci. ReP. Wha. Res. 41 1ns., 9, 37.v58, (1594) 22) : An Account of a rare Porpoise, Feress Gray from Japan, Sci. ReP. Wha. Res. Ins., 9, 59,v88, (1954) 23) OMuRA H and FuJiNo K : Beaked Whale Berardius bairdi of Japan, with Notes. on ZiPhius cavirostris, Sci. ReP. Wha. Res. lns., 10, 89,v132, (1955) 24) 西脇昌治:イルカ類の体形について,出面通信,第85号,1∼ll,(1958) 25) 中島将行∵バンドウイルカの成長に伴う体形の変化,動物園水族館雑誌,1,1,(ユ959) 26) 小川鼎三:鯨の話,中央公論社,東京,(1950) 27) eKADA Y and HANAoKA T : Study of Japanese DelPhinidae (II), SCIEIVCE REPORTS of the TOKYO BUNRIKA DAIGAKU, (lg40) 6 PLATES These figures are b6ne of No. 1. PLATE V∬ Fig. l Body・color at the rear of the head in No.2, Location of catch−Tobi−lsland’of Matuura City in northern part of Nagasaki Pref., Date of catch−Feb.1960 Fig.2 Body・color at the rear of the head in :No.3, Location of catch−Tobi−lsland of Matuura City in northern part of Nagasaki Pref., Date of catch−Feb.1960 Fig.3 Body・color at・the rear of the head, Location of.catch−Miiraku of Goto・lslands in Nagasaki Pref., Date of catch−Dec.1958 Fig.4 Body・color at the rear of the head of Tursiops sp. in Enoshims Marineland, Date.of the taking a photograph−9 Apr.ユ960 PLATE 珊: Fig.5 Dorsal view of skull Fig.6 Lateral view of skull Fig.7 Ventral vieW of skull Fig.8 Posterior view of skull PLATE IX Fig.9 Dorsal view of mandible Fig.ユO Lateral view of mandible Fig.ユ1 Lateral view.of vertebral column P:LATE、 X Fig.12 Cranial view of cervica.l vertebrae Fig.ユ3 Dorsal view of cervical.vertebrae Fig.14 Ventral view of cervical vertebrae ぢ Fig.15 Lateral view of cervical vertebrae PLATE V旺 K. MizuE and K. YosHiDA : Studies on the Little Toothed Whales P:LATE V皿 K. MizuE and K. YosHiDA : Studies on the Little Toothed Whales PLATE IX K. MizuE and K. YosHiDA : Studies on the Little Toothed Whales PLATE X K. MizuE and K:1,YosHJDi : Studies op the LittlesToothed Whales
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