竹内公太 個展「Re:手の目」

PRESS RELEASE
SNOW Contemporary
2015/1/5
竹内公太 個展「Re:手の目」
「手の目」習作
会期:2015 年 3 月 7 日(土) ‒ 22 日(日) 13:00 ‒ 20:00
*月曜休廊
オープニングレセプション: 3 月 7 日(土) 18:00 ‒ 20:00
会場:SNOW Contemporary(XYZ collective) /東京都世田谷区弦巻 2-30-20 1F
■ 竹内公太 展覧会のご案内
SNOW Contemporary では 2015 年 3 月 7 日(土)から 22 日(日)まで、竹内公太の個展を開催いたします。
これまで竹内は、ふくいちライブカメラのモニターに突如現れた指差し作業員の代理人として、災害を見
る人の意識を浮き彫りにした「公然の秘密」(2012/SNOW Contemporary、東京)や、遺物を中心に刻ま
れた記憶を辿った「影を食う光」(2013/森美術館、福島)の個展を開催し、公的なものに対する人の視
線と意識を追った作品を発表し続けてきました。それらの作品は現代社会がもつ普遍的な特性を内包して
おり、国内のみならず海外の様々な都市で展示され、いずれも高い評価をうけてきました。
左:指差し作業員「ふくいちライブカメラを指差す」映像 24min50sec
右:「三凾座の解体」2013 プロジェクター2 台に映像 33min23sec、カメラ、銀幕、椅子
3回目となるこの度の個展ではタイトルを「Re:手の目」とし、インスタレーションや映像などの新作を発
表いたします。
手のひらに目玉を持つ日本の妖怪「手の目」。
さまざまな情報をうつす携帯機器を片手に生きる我々は現在、その掌からどのような風景をとらえている
のでしょうか。本展で竹内はこれまでの問題意識をさらに発展させ、私たちが生きる現代社会における記
憶や想像力について再考します。竹内がみせる「Re:手の目」の世界にどうぞご期待ください。
■ お問い合わせ
本展の広報にご協力賜りたくお願い申し上げます。
SNOW Contemporary
〒154-0016 東京都世田谷区弦巻 2-30-20 1F
tel : 050-1148-7964
mobile : 090-1303-8983
mail : [email protected]
HP : http://officekubota.com/snowcontemporary
アクセス:*電車 東急田園都市線・駒沢大学駅(西口)から徒歩 15 分。
*バス JR 渋谷駅から東急バス「渋 05」で「向天神橋」停留所下車(約 30 分)。徒歩 30 秒。
担当:石水美冬(いしみず みふゆ)
■ 竹内公太 - アーティストステートメント
本展のタイトルである「Re:手の目」は、座頭の格好をした手のひらに目玉を持つ日本の妖怪の一種である
「手の目」を召喚しようというものです。記憶のために 目で触ろうと する人がテーマです。【注】
モニター付きの携帯機器を持ってうろうろ徘徊する人はさながら「手の目」のようです。手を使って見え
ないものを見る装置は、目の機能を一部手に移す、触覚的な装置です。レンズやモニターを通して世界を
見るのは、明るい昼間に懐中電灯を使うような、盲目的なふるまいかもしれません。
ツールとして写真/映像を見ること、わずかな光を求め測定器を手に透明な空間を徘徊するような、対象に
目で触ろう とする人の姿。彼らは痕跡の捉えづらい技術と世界において、物体的な実感を補うかのよう
に、 目で触ろう としているのではないでしょうか。透明、映像的、数値、光を求める体験。
一方でフィルムや印画紙の技術での、被写体への視線・光線・熱線の痕跡と、紙の表面の痕跡とを、実際
に"焼き付けた"ものとして重ね合わせた想起。光に晒された被写体が、光による痕跡のリレーを経て、焼
き付けられた紙という形で 目に触れる に至る。不透明、物体的、皮膚(フィルム)、光を受ける体験。
しかし写真/映像を単に 目に触れる もの、受け入れるもの、証拠らしきものを人の目に与えるものとして
だけ捉えれば、何が可視化されるか、ということが価値になり、真贋論争にもなます。私は、どのような
視線を誘うのか、撮影者/編集者のいかなる欲望の発露であるかということ、例えば物体的な痕跡の乏しい、
透明な世界と技術において、いかに触覚を求めた手探りなのかというような、視線と手のありようを含め
て、イメージとか、記憶と呼びたいと思います。
本展では、ツールとしての写真/映像を大げさに手作業により再現します。作品をもって現実の証拠などと
はしません。そのかわりに、「手の目」としての再現を通じて、鑑賞者の視線へ介入し、痕跡と記憶の関
係(あるいは「歴史と想像の関係」)の再提案を目論みます。昔の写真を手に、未来の技術を待ちながら。
2014年12月22日
【注】放射線測定器とカメラを持って徘徊する人々、歩きスマホでのトラブルのニュースなどを見つつ、
浪江や南相馬でフロッタージュを制作する岡部昌生さんの取り組みなどに感銘を受けながら構想した。
■竹内公太
略歴
2008 東京芸術大学美術学部先端芸術表現科
卒業
【個展】
2013「影を食う光」森美術館(福島)
2012「公然の秘密」SNOW Contemporary(東京)
【主なグループ展】
2014「The Fifth Season」 James Cohan Gallery (ニューヨーク / アメリカ)
2013「Media / Art Kitchen", Bangkok Art & Culture Centre(バンコク / タイ)
「Art/Domestic:未来の体温after Takashi Azumaya」ARATANIURANO¦YAMAMOTO GENDAI(東京)
「MOT コレクション After images of tomorrow", 東京都現代美術館(東京)
「サイドコア―Body / Media / Graffiti」Terratoria(東京)
「第42回いわき市民美術展」いわき市立美術館(福島)
2012「Kashiwa City Jack(アートラインかしわ2012)), カラdeガナール(千葉)
「明日は、はじめてみる今日」, Snow Contemporary(東京)
「Daegue Photo Biennale 2012」, Center for Developing Culture(大邱/韓国)
「ひっくり返る」ワタリウム美術館(東京)
2011「ソーシャルダイブ­探検する想像」3331 Arts Chiyoda(東京)
2010「Eun Hyung Kim, Emilija Skarnulyte, Kota Takeuchi」RM Gallery(オークランド/ニュージーランド)
「群馬青年ビエンナーレ2010」群馬県立近代美術館(群馬)
「京都オープンスタジオ2010」兼文堂スタジオ(京都)
2009「101TOKYO Contemporary Art Fair 2009
「101 DISCOVERIES」アキバ・スクウェア(東京)
「FRESH SELECTION」ARTZONE(京都)
2008「FRESH」URBAN BACK-SIDE LABORATORY R2(千葉)
【レジデンス・プログラム】
2010「Wongok-dong Recipe」Litmus Community Space(安山市/韓国)
【受賞】
2013「第42回いわき市美術展」入賞
2010「群馬青年ビエンナーレ2010」奨励賞
【収蔵】
東京都現代美術館