医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。 2014 年 2 月 高砂薬業株式会社 大杉製薬株式会社 使用上の注意改訂のお知らせ オースギ抑肝散料エキス TG (SG-54) この度、医療用漢方製剤「オースギ抑肝散料エキス TG」(製造販売元:高砂薬業株式会社、発売元:大杉製薬株式会社) について、使用上の注意を改訂致しましたのでお知らせ申し上げます。 本改訂は、厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知に伴う改訂で、「使用上の注意」の副作用項目「重大な副作用」の 追加記載です。本剤のご使用に際しましては、その旨ご留意いただきたく宜しくお願い申し上げます。 尚、改訂添付文書を封入致しました製品をお届けするのに若干の日時を要しますので、上記の製剤のご使用に際しまし ては、該当する改訂内容をご参照下さいますようお願い申し上げます。 記 1. 改訂の概要 副作用の「重大な副作用」の項に、「心不全」と「横紋筋融解症」を追記致しました。 2. 措置内容(下線 追記箇所) 重大な副作用 ③心不全:心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状・ 徴候(息切れ、心胸比拡大、胸水等)が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 ④ミオパチー、横紋筋融解症:低カリウム血症の結果として、ミオパチー、横紋筋融解症があらわれることがあるので、 観察を十分に行い、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇、血中及び尿中のミオグロビン上 昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 3. 改訂理由 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知に伴う改訂(平成 26 年 2 月 18 日発出) 企業報告の集積により、「心不全」と「横紋筋融解症」の注意喚起が必要と判断されました。 4. お問い合わせ先 大杉製薬株式会社 医薬情報部 〒546−0035 大阪市東住吉区山坂 1-8-6 TEL:06-6629-9058 FAX:06-6629-9070 1 5. 【使用上の注意】の「副作用」項目の新旧対照表(下線 追記箇所) 新(改訂) 旧(現行) (3)副作用 (3)副作用 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確とな 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確とな る調査を実施していないため、発現頻度は不明である。 る調査を実施していないため、発現頻度は不明である。 1)重大な副作用 1)重大な副作用 ①間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常等が ①〈現行①と同様の記載〉 あらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに 胸部 X 線、胸部 CT 等の検査を実施するとともに副腎 皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 ②偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、ナ ②〈現行②と同様の記載〉 トリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドス テロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリ ウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場 合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処 置を行うこと。 ③心不全:心不全があらわれることがあるので、観察を 十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症 状・徴候(息切れ、心胸比拡大、胸水等)が認められた 場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 ④ミオパチー、横紋筋融解症:低カリウム血症の結果と ③ミオパシー:低カリウム血症の結果としてミオパシーが して、ミオパチー、横紋筋融解症があらわれることが あらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力 あるので、観察を十分に行い、脱力感、筋力低下、筋 感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には 肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇、血中及び尿中 投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中 行うこと。 止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 ④肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、 ⑤〈現行④と同様の記載〉 γ-GTP 等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があ らわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が 認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う こと。 2)その他の副作用 2)その他の副作用 〈現行と同様の記載〉 頻度不明 過敏症 注 1) 消化器 発疹、発赤、瘙痒等 食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等 注 1)このような症状があらわれた場合には投与を中止 すること。 注意:【使用上の注意】項目の「副作用」以外の「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「高齢者への投与」、「妊 婦、産婦、授乳婦等への投与」及び「小児等への投与」については、文言に変更、追加記載はなく、現行の記載と同様です が、ご使用の際は記載内容を当該製品の添付文書にてご確認下さい。 2 6. 症例の概要(日本漢方生薬製剤協会) 1)低カリウム血症に伴う心不全 患者 No 1 性・ 使用理由 年齢 (合併症) 女 80 代 副作用 1 日投与量 投与期間 備考 経過及び処置 易怒性 7.5g 低カリウム血症に伴う心不全 企業 (大腿骨骨 85 日間 (既往歴:高血圧、脳梗塞、心不全) 報告 折、アルツハ 投与開始日 易怒性に対し、本剤投与開始。 イマー型認 投与 6 日目 血清カリウム値 3.0mEq/L 知症) 投与 60 日目 血清カリウム値 2.0mEq/L 投与 85 日目 急性循環不全となり、昇圧剤、酸素、利尿剤、 カリウム剤投与。 (投与中止日) 本剤投与中止。 心不全による急性期は脱した(軽快)が、以降も 中止 27 日後 利尿剤、カリウム剤投与継続。 臨床検査値 投与 30 日前 投与 6 日目 投与 32 日目 投与 60 日目 中止 24 日後 中止 39 日後 K(mEq/L) 3.4 3.0 2.4 2.0 2.8 3.7 Na(mEq/L) 149 151 151 155 142 141 Cl(mEq/L) 105 110 104 100 102 104 併用薬:チアプリド塩酸塩、ランソプラゾール 2)高CPK血症、偽アルドステロン症、低カルシウム血症 患者 No. 性・ 2 使用理由 副作用 1 日投与量 投与期間 経過及び処置 備考 年齢 (合併症) 男 BPSD 7.5g 高CPK血症、偽アルドステロン症、低カルシウム血症 企業 70 代 (高脂血症、 175 日間 投与開始日 BPSDに対し、本剤投与開始。 報告 高血圧症、 投与約 5 ヵ月目 徐々に四肢筋力の低下あり。 糖尿病、 投与中止 9 日前頃 発熱、食欲不振、下痢等出現。 前立腺肥大 投与 175 日目 トイレで急に立ち上がれなくなり近医受診、 症、うつ病、 (投与中止日) ○○病院救急搬送される。 不眠症、 低カリウム血症:1.9 mEq/L パーキンソン 高CPK血症:10492 IU/L 病) 本剤および併用薬(ドネペジル塩酸塩、ブロチゾラ ム以外)の投与中止。 塩化カリウム内服、3号液輸液開始。 筋力低下、食欲不振徐々に改善。 3 中止 6 日後 △△病院転院 血清カリウム値:1.9 mEq/L、 CPK 8464 IU/L。低レニン活性、低アルドステロン、 代謝性アルカローシスを認め、本剤による偽性アルド ステロン症と診断し、治療開始。ブロチゾラム中止。 中止 7 日後 塩化カリウム 600mg 2錠、スピロノラクトン25mg 1錠 内服開始。 中止 8 日後 塩化カリウム 600mg 4錠に増量。 中止 13 日後 血清カリウム値正常化、食欲不振改善。 中止 28 日後 臨床検査値安定、筋力低下改善。 中止 32 日後 退院。 中止 74 日後 回復。 臨床検査値 中止 6 日後 中止 13 日後 中止 28 日後 中止 74 日後 K(mEq/L) 1.9 3.8 4.1 4.2 Na(mEq/L) 139 140 140 144 Cl(mEq/L) 92 106 105 110 Ca(mg/dL) 5.4 6.6 8.3 8.1 CPK(IU/L) 8464 688 46 170 血中ミオグロビン(ng/mL) 1600 ― 49 ― 尿中ミオグロビン(ng/mL) 3000 以上 ― 10 以下 ― クレアチニン(mg/dL) 1.03 1.00 1.21 1.27 血清アルドステロン(pg/mL) 16.5 ― 55.5 ― レニン活性(ng/mL/h) 0.2 ― 0.1 以下 ― 血液ガス 中止 6 日後 pH 7.649 PaO2(mmHg) 133 PaCO2(mmHg) 32 [HCO3-](mmoL/L) 36.7 併用薬:レボドパ・カルビドパ水和物、アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物、アゾセミド、ドネペジル塩酸 塩、塩酸セルトラリン、フルニトラゼパム、ブロチゾラム、デュタステリド、アログリプチン安息香酸塩、メトホルミン塩酸塩、ナフト ピジル、コハク酸ソリフェナシン 4
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