IBMお客様導入事例 パイオニア VC 株式会社 ビジュアル・コラボレーション・システム xSync Prime のインフラに IBM SoftLayerを採用し、 高品質データのスピーディーな共有を実現 お客様情報 パイオニア VC 株式会社(以下、パイオニア VC)は、ビジュアル・コラボレーショ ン・システム xSync Prime(バイシンク・プライム)のサービス提供インフラに IBM SoftLayer(以下、SoftLayer)を採用。xSync Prime は遠隔地の相手とアプリ ケーションの画面を共有できることが特長であり、詳細な画面操作を行いながら、 効率的なコラボレーションを実現します。xSync PrimeとSoftLayerを組み合わ せることにより、それまで課題であったネットワークや拠点追加などに関する、コス トとパフォーマンス、提供スピードの面での大幅な改善が実現し、グローバルでの 会議などにおける有効性が飛躍的に高まりました。 パイオニア VC 株式会社 ● 所在地 〒 153-0063 東京都目黒区目黒 2 丁目 10-11 目黒山手プレイスビル 3F http://pioneer.vcube.com/ パイオニア VC 株式会社は、パイオニア株式会社のグルー プ会社であるパイオニアソリューションズ株式会社が株式会 社ブイキューブと資本業務提携を行うことにより2014 年に 設立。ビジュアル・コミュニケーション・サービスの提供を軸 に、数々の企業や学校、教育機関における「共創・創発の場 づくり」をサポートしています。 高品質の画面情報を瞬時に共有するためにはネットワークの 課題解決が必要 パイオニア VC は、株式会社ブイキューブがパイオニア株式会社(以下、パイオニア)の 子会社であるパイオニアソリューションズ株式会社(以下、パイオニアソリューションズ) の株式譲渡を受け、 子会社として2014年に設立されました。 ビジュアル・コラボレーション・ サービスの提供を軸に、数々の企業や学校、教育機関における「共創・創発の場づくり」 をサポートしています。 同社 代表取締役副社長 間下 浩之氏は、同社が提供するビジュアル・コラボレーション・ サービスについて以下のように説明します。 「一般的なテレビ・Web 会議では、お互いの顔を見ながら会議を進めることを重視しま すが、 パイオニア VC ではコラボレーションを重視したサービスを提供しています。つまり、 アプリケーションの詳細な画面情報を共有し、それを操作しながら会議を進めることで、 効率の良い共同作業を実現するのです」 そして、パイオニア VC のビジネスを支える主力サービスが xSync Prime です。xSync Prime はパイオニア VC が開発したビジュアル・コラボレーション・システムで、会議参加 者の映像と音声だけではなく、アプリケーションの画面も共有することで、スムーズなコラ ボレーションを実現します。アプリケーションといってもさまざまなものがありますが、xSync Prime は設計図や地図といった緻密なデータを共有し、詳細な部分に及ぶ共同作業を 高画質の画面情報を通じてスムーズに行うことができます。製造業、文教を核にスタート しましたが、現在はその特性を生かして、 さまざまな業種(金融、公共など)で採用され、 業務品質・効率の向上に活用されています。 「xSync Prime は、2005 年にパイオニアソリューションズが開発したシステムがベースと なって発展してきました。ローカルの環境内でのコラボレーション・ツールがバージョンアッ プを重ねる中でネットワークを介して遠隔地同士でも使えるようになりました。当初は、お 客様環境に会議コントローラーを設置するオンプレミス型での提供から始まりましたが、 その後データセンター内で仮想サーバーを活用したプライベート・クラウド・サービスでの 提供も開始しました」(間下氏)。 オンプレミス、プライベート・クラウド・サービスの二通りの方式でサービス提供していまし たが、ネットワークなどに関して幾つかの課題を抱えていました。パイオニアグループは オーディオ関連ビジネスを展開していることから音声の再生においても高い品質を誇っ IBMお客様導入事例 ていますが、ソフトウェアでの高速処理もネットワークがボトルネックになってしまっては、 事例概要 xSync Prime のメリットを最大限に引き出すことができません。 「例えば、xSync Prime のユーザーであるパイオニアの場合、1日当たり約 160 回の会 【課題】 ● 遠隔地でのコラボレーションを実現するビジュアル・コラ ボレーション・システム xSync Primeを海外との会議 に活用する際、ネットワークが課題になっていた。 ● 個 別に専用線を設置するためには多大なコストがか かる。 【ソリューション】 ● IBM SoftLayer で xSync Primeを稼働させること で、パフォーマンスの課題を解決。 ● IBM SoftLayer の柔軟性により、ユーザーの多彩な ニーズに対応。 【メリット】 ● 海外との会議においてパフォーマンスが大幅に改善。 ● IBM SoftLayer の高速ネットワークは無償で使える ため、コスト削減を実現。 ●サ ービス申し込みから提供開始までの期間を大幅に 短縮。 議をxSync Prime 上で行っていますが、そのうち50% ほどが国をまたいだものになっ ています。グローバルでの会議になるとさらにネットワークの品質が問われることになるの ですが、これまではネットワークについてはお客様にご用意いただくという対応しかでき ませんでした」(間下氏)。 顧客側でネットワークを検討する際、インターネットの活用についてはセキュリティー上の 懸念から避けられるケースが多く、結果的に専用線を設置することになりますが、それ には多大なコストを要することになってしまいます。 xSync Prime のインフラに SoftLayer を採用し、優れた パフォーマンスによる高品質のサービス提供を実現 パイオニア VC ではネットワークの課題解決を図るため、本格的なクラウド・サービスの活 用の検討を開始しました。 「複数のクラウド・サービスを検討したのですが、すべてをテストしてから選ぶと時間 も手間も要してしまうので、優先順位を決めてからテストを行うという手順で検証を開 始しました。そしてスペックやサービス提供している会社の特長などを検討した結果、 SoftLayerを最初にテストすることにしました」(間下氏)。 最初にSoftLayerを選んだ評価ポイントについて、 パイオニア VC ソリューションセンター テクニカルソリューショングループ グループマネージャー 谷垣 聡一氏は次のように説明 します。 「他社のサービスと比べて一番評価が高かったのはフレキシブル性です。具体的には、 仮想サーバーやネットワーク・スイッチといったインフラ要素のサイズです。それらが最初 から決められてしまうと、実際の使用に当たって調整したい場合でも我慢するしかなく なってしまいますが、大きなサイズからミニマムなサイズまで必要性に応じて選べるとい IBM SoftLayer 上で稼働する xSync Prime の接続例 本社(国内) うのはありがたいです。また SoftLayer はグローバルの拠点に対してのサービス展開が 可能で、日本からワン・オペレーションでコントロールで 国内取引先 きるということも非常に魅力でした。お客様の利用状 況としては、日本と海外だけではなく、海外拠点同士 の会議でxSync Primeを活用することも多くなってい 大型ディスプレー USBカメラ ノートPC USBカメラ ます。SoftLayer であれば、そうしたニーズにも対応し つつ、日本から全体を管理してセキュリティーに配慮 することが可能になります。さらにグローバルの拠点間 デスクトップPC マイクスピーカー マイクスピーカー IBM SoftLayer を結ぶ高品質のネットワークを利用できるということも 評価ポイントとなっています」 SoftLayer上の会議システム を通じてグローバル拠点を高速 ネットワークで連携 その後 SoftLayer のテストを実施したところ、要件に 適合することが分かったため、SoftLayer の採用が 決定されました。テストにおける評価ポイントについて パイオニア VC ソリューションセンター テクニカルソ リューショングループ 五十嵐 陽氏は以下のように語り ます。 「まずは仮想サーバーを簡単に設定することができる 大型ディスプレー という点ですね。現在使用しているデータセンター内 USBカメラ では別の仮想ソフトウェアを活用していましたが、1 つ タブレット デスクトップPC スマートフォン デスクトップPC ノートPC 海外拠点A の仮想サーバーを設定するまでにはさまざまなステッ プが必要で、多くの手間が掛かっていました。一方、 マイクスピーカー 海外拠点B 海外拠点C SoftLayer では 30 分ほどで作業が完了します。また “ データセンターをグローバルで 40カ所に まで拡大するとの計画を聞いて、IBM の SoftLayerに対する本気度を感じました。 IBM であれば、パートナーとしてお互いに 協業していけるという手応えを得たので、 パイオニア VCとしてもクラウドの分野に 本格的に乗り出してみようという気持ちに なりました。” ファイアウオールやサーバー構成などを柔軟に設計できることから、コストや必要なパ フォーマンスに応じてシステムを組み上げることが可能になるという点も評価しました」 SoftLayer では、サポート・チケットを利用することにより、各種問い合わせを無料で行う ことができます。ポータル・サイトから問い合わせのチケットを発行すれば、回答を受ける ことができ、その履歴を残すことで複数のスタッフが問い合わせ内容を共有することも 可能です。 「チケットでの問い合わせは非常に便利で、頻繁に活用させていただいています。 SoftLayer のデータセンターのスタッフと直接やりとりができ、レスポンスも早いので、何 か疑問が生じても1日あれば解決することができます。このサポート・チケットによる問い 合わせもSoftLayer の優れた点といえるでしょう」(五十嵐氏)。 さらに間下氏は、SoftLayer 採用の後押しとなったのは、IBM の姿勢にあると言います。 「2014 年 1月の発表では、12 億ドル以上の投資を行い、SoftLayer のデータセンターを グローバルで 40カ所にまで拡大するとのことでした。これを聞いて、IBM の SoftLayer に対する本気度を感じました。IBM であれば、パートナーとしてお互いに協業していけ パイオニア VC 株式会社 代表取締役副社長 間下 浩之 氏 “ 一番評価が高かったのはフレキシブル 性です。具体的には、仮想サーバーや ネットワーク・スイッチといった構成要素 るという手応えを得たので、パイオニア VCとしてもクラウドの分野に本格的に乗り出し てみようと考えました。わたしとしては、それが一番大きな評価ポイントだと思っています」 SoftLayer の高速ネットワークにより、リアルタイムでの画面 情報共有と音声通信が実現 SoftLayer の採用により、xSync Prime のパフォーマンスは大幅に改善しました。例え ば、パイオニア VC 社内のモデル・ルームの場合、1 つの画面上で操作した情報が一旦 香港の SoftLayer 上のシステムを経由して、再度日本の同じ部屋に設置された別のモ ニターに反映されるようになっていますが、操作とほぼ同時に画面情報が伝わるので、 のサイズです。大きなサイズからミニマム まさにリアルタイムでの情報共有が実現しています。 なサイズまで必要性に応じて選べるとい 「最初にこのテストを行った際、あまりの早さに驚き、これなら本格的にSoftLayerを使う ことを検討できると思いました。音声についても同様に遅れなく伝わるので、画面の操作 うのはありがたいです。” と説明の音声がずれるということはありません」(谷垣氏)。 2014 年 7月には、パイオニアにおけるテストが開始されました。 「東南アジア地域でのネットワーク・テストでは、パイオニア VC 社内のモデル・ルームと パイオニア VC 株式会社 ソリューションセンター テクニカルソリューショングループ グループマネージャー 谷垣 聡一 氏 同等のパフォーマンスが実現しました。この点はパイオニアのスタッフからも大いに評 価されています。地域によっては大きな成果が出ていないケースもありますが、そこは SoftLayer の整備が進んでいない地域なので、今後整備が進んでいけば改善されて いくと期待しています」(谷垣氏)。 xSync Prime のサービス提供までのプロセスについても大幅に期間が短縮されました。 「オンプレミスでの提供の場合、申し込みがあってからサービス開始まで 1カ月ほどの期 間を要していました。現在使用しているデータセンターを使う場合でも3日ほどかかりま すが、SoftLayer であれば 1日で済みます」(五十嵐氏)。 また SoftLayer からサービスを提供することにより、ユーザーからのさまざまなニーズに 柔軟に対応できるようになったと五十嵐氏は言います。 「システム構成、スペック、ファイアウオール設定などさまざまな面で柔軟に対応できます。 また SoftLayer からのサービス提供は基本的に仮想サーバーを使いますが、もしお客 様が専用の物理マシンを希望されれば、それに応じてベアメタルでのサービス提供も可 能です。この点もSoftLayer のメリットだと思います」 世界中の市場に向かって xSync Prime のビジネスを展開 SoftLayerを活用したxSync Primeのサービス提供は2014 年 9月から始まりましたが、 パイオニア VC では xSync Primeとほかのサービスを組み合わせて提供していくことも 検討しています。 “ オンプレミスでの提供の場合、申し込み 「xSync Primeにはさまざまなコラボレーションを実現するためのモジュールが組み込ま れていますが、他社製のサービスや製品と連携することで、xSync Prime 上でそれを があってからサービス開始まで1カ月ほど 稼働させながら作業を行うことも可能です。こうした xSync Prime のアダプタビリティー の期間を要していました。現在のデータ を生かした提案をすることでお客様のニーズに対応していきたいと思います」 (間下氏)。 センターを使う場合でも3日ほどかかりま すが、SoftLayer であれば 1日で済み ます。” また xSync Prime の今後のビジネス展望について、間下氏は以下のように語ります。 「xSync PrimeとSoftLayerを組み合わせたことにより、海外を含めた会議でのコラボ レーション環境が実現しました。従って、ビジネス対象としては日本の企業に限らず、世 界中のお客様に拡大できるようになったと考えています。テレビ・Web 会議のサービスを 提供している企業は多数ありますが、xSync Prime のようにコラボレーションを実現でき る仕組みは現時点ではほかにはないと思いますので、市場として今後世界中に広がっ ていくでしょう」 パイオニア VC は画期的なコラボレーション環境の提供を通じて、世界中の市場に進出 パイオニア VC 株式会社 ソリューションセンター テクニカルソリューショングループ 五十嵐 陽 氏 し、人々のコミュニケーション促進、ビジネス環境改善などに貢献していくでしょう。 IBM SoftLayer についての詳細情報は下記の Web サイトでご覧ください。 ibm.com/cloud-computing/jp/ja/softlayer.html ■ 左の画面の操作情報が香港データセンター経由で 右画面に送られ、ほぼ同時に同じ動作を再現 ©Copyright IBM Japan, Ltd. 2014 〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町 19-21 Printed in Japan Sep 2014 All Rights Reserved このカタログの情報は 2014 年 9 月現在のものです。仕様は予告なく変更される場合があります。 記載の事例は特定のお客様に関するものであり、全ての場合において同等の効果が得られることを意味するものではありません。 効果はお客様の環境その他の要因によって異なります。 製品、サービスなどの詳細については、弊社もしくはビジネス・パートナーの営業担当員にご相談ください。 IBM、IBM ロゴ、ibm.com は、世界の多くの国で登録された International Business Machines Corp. の商標です。 他の製品名およびサービス名等は、それぞれ IBM または各社の商標である場合があります。 現時点での IBM 商標リストについては www.ibm.com/legal/copytrade.shtml をご覧ください。
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