発表資料 - コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡

YOKOHAMA Na*onal University
カーボン系物質及び強誘電体におけるコヒー
レントフォノン実時間計測
武田 淳1 片山郁文1,南 康夫2,北島正弘1,2,3 横浜国立大学工学研究院1 防衛大学校2,(株)ルクスレイ3 公募研究「A02:グラフェン関連物質の電子・格子結合ダイナミクスとナノ空間フォノン波束の高感度検出」 第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
公募研究の目標
YOKOHAMA A02:「グラフェン関連物質の電子・格子結合ダイナミクス Na*onal University
とナノ空間フォノン波束の高感度検出」
超短パルスレーザーを用い、グラフェンやCNTのコヒーレン
トフォノンを広帯域・高感度で計測する。
波長(スペクトル)分解を行うことで、Dirac点近傍のバンド分散に由来した電
子・格子相互作用のダイナミクスやvan-Hove特異点に対する共鳴効果を調べる。
ゲート電圧を変えてフェルミエネルギーを変調することにより、カーボン系ナ
ノ物質の電子・格子結合ダイナミクスを明らかにする。
フォノン波束伝播の可視化(分光手法の開発)と光パルス列
による量子制御
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
今年度の成果
YOKOHAMA Na*onal University
1.  金属型CNTのコヒーレントフォノンの共鳴効果・ゲート電
圧依存性
→ P37 片山郁文 「カーボンナノチューブにおけるコヒーレントフォノ
ン発生検出過程の共鳴効果」
2.  Bi薄膜の非線形THz応答
→ P38 南 康夫 「半金属ビスマス内ディラック様バンドのキャリアダイ
ナミクスの相対論的効果」
3.  強誘電体フォノンポラリトン波束伝播の量子制御と2次元
相関ラマン分光
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
金属型CNTのコヒーレントフォノン
YOKOHAMA Na*onal University G
3.0x10
6
1000
2.0
!T/T (a.u.)
Intensity (a.u)
400
1.0
0.5
0
400
-200
200
0
75
-400
×103
FFT
2G
80
85
90
95
30
G-
2D
40
60
Frequency (THz)
80
20
100
10
-600
40
CNT (@1.4 nm) G+
40
600
0.2
0.0
2D
3
800
200
1.5
HOPG
Intensity (a.u.)
600
2.5
(b)
50x10
50
0.4 0.6 0.8
Delay TIme (ps)
60
70
80
Frequency (THz)
D
RBM
1.0
90
100
0
0
20
  RBM、D、G(G-、G+)、2DといったCNT特有の振動モードを観測
  コヒーレントフォンは差周波によって発生
→ 高周波数側になるほど強度が弱くなる?
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
G−
G+
。図 7.5(a)
YOKOHAMA G-mode Intensity (a.u.)
Na*onal University
12
6
4
周波数
検出波長依存性
−
+
G
G
低周波数側 強 強度
コヒーレントフォノンの共鳴効果
(a)
10
8
強度
2D
G+
GE2D
EvH
Elaser
2
2D-mode Intensity (a.u.)
図 7.5
5 (b)
4
3
2
1
( E11M = 1.73 eV, E22M = 1.81 eV; (13,7) @1.4 nm )
47.0
2D frequency (THz)
-mode Frequency (THz)
0
700 750 800 850 900 950
700 750 800 850 900 950
wavelength (nm)
wavelength (nm)
EvH=Elaser
+E2D (共鳴ラマン効果)
49.0
80.0
(c)
(d)
G+
EvH:1.72
eV )
48.5 1.77 eV [1], E2D = 0.32
G-eV ( EG=0.1979.5
共鳴効果によって78THzという
79.0
Elaser = 48.0
830 880 nm (1.40 1.45 eV)
高周波フォノンを初めて観測
78.5
の光と共鳴を起こす
47.5
[1] K. Yanagi et al., Adv. Mater. 23, 2811 (2011).
78.0
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
46.5
77.5
強誘電体フォノンポラリトン波束伝播の量子制御
と2次元相関ラマン分光
YOKOHAMA 研究背景
Na*onal University
コヒーレント制御 [3]
2次元分光 [4]
2つの時間相関を持つ 振動モードの解析
有機分子の振動モード間 の相関を可視化
パルス列によるフォノン
の振幅制御・選択励起
対角項:自己相関
非対角項:振動 準位のカップリン
グ
化学反応の制御や 新しい物性の発現
[3] T. Feurer et al., Science 299, 374 (2003).
[4] N. T. Hunt, Chem. Soc. Rev. 38, 1825 (2009).
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
反射型エシェロンを用いた時間・周波数2次元シ
ングルショットイメージング分光 YOKOHAMA Na*onal University
Photos of echelon mirror (Ni block) step width :20 um
step height:5 um (~ 34 fs/step)
number of steps:500 (~ 17 ps)
Δx ≈
mf 1
Δλ = ~ 0.5 mm
d cos β
* laser microscope
自在に設計
分光器+2次元CCD検出器
H. Sakaibara, Y. Ikegaya, I. Katayama and J. Takeda , Opt. Lett., 37, 1118 (2012); Y. Minami, Y. Hayashi, J. Takeda
and I. Katayama, Appl. Phys. Lett. 103, 051103 (2013); Y. Minami, H. Yamaki, I. Katayama and J. Takeda, Appl.
Phys. Exp. 7, 022402 (2014).
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
強誘電体LiNbO3のフォノンポラリトン波束
YOKOHAMA Pump Process
Na*onal University
Impulsive Stimulated Raman Process (ISRS)
ne < no
femtosecond
laser pulses
Two Phase Match Conditions
n
n
(o → e) : k + = o ω 1 − e (ω1 − Ω+ )
c
c
n
n
(e → o) : k − = e ω 1 − o (ω1 − Ω− )
c
c
波数が正・負
⇒進行・後退するフォノンポラ
リトンが発生
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
Optical Setup
YOKOHAMA Na*onal University
Pump
Polariton
Single & Double
Pump Schemes
光ヘテロダイン検出:位相敏感な検出
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
実験結果 I
YOKOHAMA Na*onal University
波長ごと切り出し
フォノンポラリトン波束の伝播
前進
後退
ダブルパルスの時間間隔 を変え200枚の画像を取得
波長-実時間イメージ
Pump-Probe光間の遅延時間(Delay Time)と
ダブルパルス間の時間間隔(Time Interval)との
2つの時間相関を持つ2次元イメージを取得
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
2次元フーリエ変換
YOKOHAMA Na*onal University
対角項(自己相関)が出現
f1 : Time Intervalに対してフーリエ変換
f2 : Delay Timeに対してフーリエ変換
直線 : f1=f2
ラマン過程において2次元のフーリ
エ変換マップを作ることができた
2次元相関ラマン分光
励起密度を強くすることによって
非調和な振動(非対角項)が発
現?
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
ま と め YOKOHAMA Na*onal University
1.  金属型CNTのコヒーレントフォノンの共鳴効果・ゲート電圧依
存性
→ van Hove特異性による共鳴効果(高周波フォノンの観測)
→ Gモードフォノンのフェルミエネルギー依存性
2.  Bi薄膜の非線形THz応答
→ 高強度THz波によりキャリアの有効質量の増大
3.  強誘電体フォノンポラリトン波束伝播の量子制御と2次元相関
ラマン分光
→ フォノンポラリトン伝播の可視化とコヒーレント制御
→ 振動モード間の量子相関の可視化(2次元相関ラマン分光)
第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
Acknowledgements
YOKOHAMA Na*onal University
研究全般
片山 郁文 准教授
南 康夫 博士 北島 正弘 先生
金属型CNTのコヒーレントフォノンの共鳴効果
佐藤健次(横浜国大 M2 → 東大(物工)中村・宇佐見研究室) Bi薄膜の非線形THz応答
荒木光太郎(横浜国大 M1)
強誘電体フォノンポラリトン波束伝播の量子制御と2次元相関
ラマン分光
塩沢優(横浜国大 B4→ 東大(物工)古澤研究室) 第2回研究会 平成26年3月11日 コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス