脳卒中における適切な抗栓療法

脳卒中における適切な抗⾎栓療法
A)抗凝固薬
B)抗⾎⼩板薬
おもな傷病の総患者数(万⼈)
厚⽣労働省 平成23年
1)⾼⾎圧症 906.7
2)⻭⾁炎/⻭槽膿漏/う蝕 460.2
3)糖尿病 270
4)⾼脂⾎症 188.6
5)⼼疾患 161.2
6)悪性新⽣物 152.6
7)⾷道、胃、⼗⼆指腸疾患 124.6
8)脳⾎管疾患 123.5
9)喘息 104.5
アルツハイマー病 36.6
⾎管性認知症など 14.6
パーキンソン病 14.1
運動ニューロン疾患 0.9
統合失調症 71.3
気分障害(うつ病含む)
95.8
LBS, TBU 2
国⺠医療費の概況
厚⽣労働省 平成23年
総医療費 38.5兆円
1)循環器系の疾患 5.79 4)精神及び⾏動の疾患 1.91
⾎管性認知症等 0.18
⾼⾎圧疾患 1.91
脳⾎管疾患 1.79
統合失調症 1.03
虚⾎性⼼疾患 0.75
気分障害(躁鬱病含む)
0.3
2)悪性新⽣物 3.18
3)呼吸器系の疾患 2.17 5)神経系の疾患 1.19
AD 0.21
肺炎 0.35
6)糖尿病 1.22
COPD 0.14
喘息 0.36
LBS, TBU 3
要介護になった主な原因(%)
厚⽣労働省 平成22年
1)脳⾎管疾患(脳卒中) 24.1
2)認知症 20.5
3)⾼齢による衰弱 13.1
4)⾻折・転倒 9.3
5)関節疾患 7.4
6)パーキンソン病 3.6 (単独疾患としては1位)
7)⼼疾患 3.2
8)糖尿病 2.8
LBS, TBU 4
頭蓋内出⾎
総患者数は137万⼈(癌142万⼈)
死亡者数年間で約13万⼈
(75%)
33.9%
31.9%
27%
脳卒中は予後が悪い
脳卒中の危険因⼦
⽣活習慣では
1. ⼤量飲酒・・・1⽇に1合を
越えてお酒を飲む⼈
2. たばこ・・・1⽇平均40本
のたばこを吸う⼈4倍⾼い
3. 運動不⾜・・・肥満につな
がり、かつ糖尿病や脂質
異常症、⾼⾎圧も引き起
こす
4. 肥満・・間接的危険因⼦
症状・病気では
1. ⾼⾎圧
2. 脂質異常症・・・脳梗塞に
なりやすい
3. 糖尿病・・・死亡する率が、
正常な⼈の2〜3倍
4. ⼼臓病・・・⼼房細動は脳
塞栓症を発症しやすい
厚⽣労働省HPより
健康⽇本21では
⾷塩摂取量の減少を⽬指しています。
 1⽇あたりの平均摂取量 基準値13.5g→⽬標値10g未満
カリウム摂取量の増加を⽬指しています。
 1⽇あたりの平均摂取量 基準値2.5g→⽬標値3.5g以上
⾼⾎圧の改善を⽬指しています。
 推計値 平均最⼤⾎圧約4.2mmHgの低下
脂質異常症や糖尿病の⼈の減少を⽬指しています。
 脂質異常症:男性 10.5%→⽬標値5.2%以下
⼥性 17.4%→⽬標値8.7%以下
 糖尿病:推計値1,080万⼈→⽬標値1,000万⼈以下
厚⽣労働省HPより
脳卒中前触れチェック
 からだの⽚側がしびれたり、⼿⾜に⼒が⼊らない
 ⾜がもつれて歩けない
 話したいのに、急に⾔葉が出なくなる
 ろれつがまわらない
 ⼈のいうことが⼀時的に理解できない
 ものが⼆重に⾒える
 ⽚眼が⾒えなくなったり、視界の半分が⾒えない
 ⾷べ物が⼀時的に飲み込めない
厚⽣労働省HPより
脳卒中で倒れたときの対処
 はじめに次のことを確認
1. 意識があるかどうか
2. 呼吸をしているかどうか
3. 吐いていないかどうか
吐きそうだったら→横向きに寝かせる
 まずは患者さんの⾐服をゆるめる
 救急⾞を呼ぶ
 救急隊の⼈が来たら→発作から今までのようすを伝える
厚⽣労働省HPより
脳卒中の治療
リハビリも⼤変重要
薬物治療
薬物治療
厚⽣労働省HPより
NVAFは脳梗塞の危険因⼦である。NVAF患者の脳梗塞発症率は平均
5 %/年であり、.⼼房細動のない⼈々の 2 ~ 7 倍⾼い
冠動脈硬化症、⾼⾎圧、⼼不全などに起因する
⾮弁膜症性⼼房細動(NVAF)
7.2%
31.9%
27%
33.9%
原則:
⾮⼼原性脳梗塞→抗⾎⼩板薬
⼼原性脳梗塞→抗凝固薬
脳梗塞(超)急性期治療
 ⾎栓溶解療法
(超)急性脳梗塞に対する遺伝⼦組み換え組織型rtPAの静脈内投与
 使⽤時には
画像診断上、頭蓋内出⾎を必ず除外する
CT→MCA領域の1/3以上のearly CT sign
→出⾎性脳梗塞を合併しやすいので治療⾮適合
MRI→信号強度上昇
症例 70歳代の⼥性
•
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•
•
•
トイレで倒れているところを発⾒される
以前から⾼⾎圧症で治療を受けていた
⾝体所⾒
⾎圧92/88/mmHg 体温36.6度、Sat 96% ⼼
⾳亢進減弱なし 呼吸⾳静⾳
神経学的所⾒
JCSII-20~30 瞳孔径4mm/4mm 右上下肢脱
⼒ 運動⿇痺
⾎液学的検査
WBC1500/mm3 RBC270万/mm3 Hb 8.0g/dl、
凝固系 PT91秒 APTT30.5秒 Fbg 335mg/dl
症例 70歳代の⼥性
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トイレで倒れているところを発⾒される
以前から⾼⾎圧症で治療を受けていた
⾝体所⾒
⾎圧92/88/mmHg 体温36.6度、Sat 96% ⼼
⾳亢進減弱なし 呼吸⾳静⾳
神経学的所⾒
JCSII-20~30 瞳孔径4mm/4mm 右上下肢脱
⼒ 運動⿇痺
⾎液学的検査
WBC1500/mm3 RBC270万/mm3 Hb 8.0g/dl、
凝固系 PT91秒 APTT30.5秒 Fbg 335mg/dl
⾎栓溶解療法でのCT、MRI撮像の意義
発症後約2時間
CT
発症後2⽇
発症後約4時間
T2WI
FLAIR
DWI
組織プラスミノゲンアクチベーター
(t-PA)製剤について
⼀般名:アルテプラーゼ
 虚⾎性脳⾎管障害急性期に伴う機能障害の改善
(発症後〜4.5時間以内)
0.6 mg/kg(34.8万国際単位/kg)を、投与⽅法と
して 10%を 1〜2分かけて急速投与し、残りを 1時間
で持続静注
 急性⼼筋梗塞における
冠動脈⾎栓の溶解
(発症後6時間以内)
線溶系
急性期抗凝固療法
発症48時間以内で病変最⼤径が1.5cmを超すような
脳梗塞(⼼原性脳塞栓症を除く)
選択的トロンビン阻害薬のアルガトロバン(注射剤)
アルガトロバンは、発症48時間以内の脳⾎栓症(特に⽪質梗塞)に
有⽤であり、出⾎性合併症が少ないとの報告
ワルファリン
アルガドロバン
リバロキサバン
アビキサバン
エドキサバン
ダビガドラン
急性期抗⾎⼩板療法
急性期(発症5⽇以内)の脳⾎栓症(⼼原性脳塞
栓症を除く脳梗塞)患者の治療法
オザグレルナトリウム(TAX2合成阻害薬)160mg/
⽇の点滴投与
発症早期(48時間以内)の脳梗塞患者の治療法
アスピリン 160〜300mg/⽇の経⼝投与
その他
脳保護薬
脳梗塞(⾎栓症・塞栓症)患者の治療法として推奨
 エダラボン
脳浮腫管理
⼼原性脳塞栓症、アテローム⾎栓性梗塞のような頭蓋
内圧亢進を伴う⼤きな脳梗塞の急性期に推奨
 ⾼張グリセロール(10%)静脈内投与
グリセロールの静脈内投与は脳浮腫を改善し、脳⾎流量を増
加させ、脳代謝を改善させる。グリセロールは頭蓋内圧亢進を
伴う⼤きな脳梗塞での救命に有効であるが機能予後に対して
は不明。
⼀過性脳虚⾎発作(TIA)
脳梗塞の"前触れ"「TIA」=transient[⼀過性の]ischemic[⾎流が乏しくなる]attack[発作]
⾼⾎圧、糖尿病で薬を服⽤しているAさん(70
歳、男性)
ある⼣⽅、⾷事中に突然、持っていた箸を落とし
てしまい、右⼿に⼒が⼊らないことに気づきました。
あわてて⽴ち上がろうとすると右⾜にも⼒が⼊らず、
うまく⽴ち上がれませんでした。不安になり、どうな
るのかと座って様⼦をみているうちに10分ほどで右
の⼿⾜は元通りに動くようになりました。症状が⼀
時的ですぐにおさまったので安⼼し、そのまま⾵呂
に⼊り、就寝しました。
Aさんのこの⾏動は正しかったのでしょうか。あなた
国⽴循環器病研究センター
ならどうしますか?
• 脳の⼀部の⾎液の流れが⼀時的に悪くなることで、半⾝の運動まひなどの症状が
現れ、24時間以内(多くは数分から数⼗分)に完全に消えてしまう
• ⼀過性脳虚⾎発作を治療しないで放っておくと、3か⽉以内に15〜20%の⽅が
脳梗塞を発症し、そのうち半数は⼀過性脳虚⾎発作を起こしてから数⽇以内
(特に48時間以内が危ない)に脳梗塞になる
• ⼀過性脳虚⾎発作は脳梗塞の重要な「前触れ発作」「警告発作」であり、早期
受診、早期治療が必要な緊急疾患である
国⽴循環器病研究センター
疑われる症状とABCD2 スコア
ABCD2 スコア3〜4点以上は要注意
国⽴循環器病研究センター
検査
⼼電図
経胸壁⼼臓超⾳波検査と
経⾷道⼼臓超⾳波検査
TIAの急性期治療と脳梗塞発症防⽌
頸動脈や頭の中の動脈の動脈硬化が原因→抗⾎⼩板薬
⼼房細動など⼼臓に由来している場合→抗凝固薬
 ⼀過性脳虚⾎発作(TIA)を疑えば、可及的速やかに発症機序を確定し、脳梗
塞発症予防のための治療を直ちに開始しなくてはならない
 TIAの急性期(発症48時間以内)の再発防⽌
 アスピリン 160〜300mg/⽇の投与
 ⾮⼼原性TIAの脳梗塞発症予防→抗⾎⼩板療法
 アスピリン 75〜150mg/⽇、クロピドグレル75mg/⽇(グレードA)
 シロスタゾール 200mg/⽇、チクロピジン200mg/⽇(グレードB)
 必要に応じて降圧薬(ARBなど)、スタチンの投与(グレードA)。
 ⾮弁膜症性⼼房細動(NVAF)を中⼼とする⼼原性TIAの再発防⽌
 第⼀選択薬はワルファリン(⽬標INR:70歳未満では2.0〜3.0、70歳以上で
は1.6〜2.6)である。
 TIAおよび脳卒中発症予防
 禁煙(グレードA)、適切な体重維持と運動の励⾏が推奨される(グレード
C1)。飲酒は適量であれば良い(グレードC1)。
⼼原性脳梗塞→抗凝固薬
⼼房細動罹患者数の変動
志半ばで脳塞栓に倒れた・・・
Devastating (破壊的)
アスピリン
アスピリン+
チクロピジン
ワルファリン
ワルファリン
+抗凝固薬
⼆律背反(Trade off) → ⼗分な降圧+低⽤量ワルファリン療法
CHADS2スコアー
⽌⾎
抗凝固薬開発の歴史
ワルファリン
アルガドロバン
ダビガドラン
リバロキサバン
アビキサバン
エドキサバン
⾎液凝固カスケード 2次⾎栓
PT(組織因⼦による凝固、外因系)とAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間、
異物による凝固、内因系)で⾎液は凝固
⾎管内損傷
組織損傷 III因⼦
⾎⼩板凝集
1次⾎栓
IV因⼦
VK依存的
APTT 内因系凝固
(活性化部分トロンボプラスチン時間)
内因系凝固活性化機序を反映 基準値『約20〜40秒』
凝固XII、XI、IX、VIII、X、V、II(プロトロンビンと同
義)、I(フィブリノゲンと同義)因⼦の活性低下
→APTT延⻑
『⾎友病』のスクリーニング検査(IX、VIII異常)
 凝固第X、V因⼦、プロトロンビン、フィブリノゲンの)凝固
因⼦に対するインヒビター(この場合は、PT延⻑)
 ヘパリン投与時
 ワーファリン(ビタミンK拮抗薬)内服中
 肝機能の障害(肝炎・肝硬変)
 ビタミンK⽋乏症
PTとPT-INR 外因系凝固
PT(prothrombin time):プロトロンビン時間
外因系凝固活性化機序(組織III因⼦による凝固)を反映する
【凝固VII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)因⼦
の活性低下→PT延⻑(=INR上昇)】
PT-INR(prothrombin time-international normalized ratio):
プロトロンビン時間国際標準⽐(正常値:1.0)
1)ワーファリン内服中:VK拮抗薬のワーファリンはVII、IX、X、
IIの順番で凝固因⼦活性が低下。
2)VII因⼦が最も半減期が短いので、最初に低下。ビタミンK⽋
乏症では、APTTよりもPTの⽅が先に延⻑
3)肝不全(肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎など):肝臓でで
きる凝固因⼦は、肝不全ではPTやAPTTが延⻑。特に、半
減期の短い第VII因⼦に反映するPTは敏感に延⻑。
4)凝固第VII、X、V因⼦、プロトロンビン(=凝固第II因⼦)、
フィブリノゲン(=凝固第I因⼦)に対するインヒビター
Novel Oral Anticoagulants
(NOAC)
抗トロンビン薬
抗Xa薬
VK依存的
主軸は新規抗凝固薬
抗凝固薬4剤をどう使い分ける?
エドキサバン追加
⼼房細動における抗⾎栓療法(⽇本循環器学会「⼼房細動(治療)ガイドライ
ン(2013年改訂版)」)
同等レベルの適応がある場合、新規経⼝抗凝固薬がワルファリンよりも望ましい
*1:⾎管疾患とは⼼筋梗塞の既往、⼤動脈プラーク、および末梢動脈疾患などをさす
*2:⼈⼯弁は機械弁、⽣体弁をともに含む
主軸は新規抗凝固薬、腎機能に注意
抗凝固薬4剤をどう使い分ける?
薬剤選択は腎機能に注意
新規抗凝固薬の主な相互作⽤
ワルファリンの主な相互作⽤の機序
経⼝抗凝固薬の選択に当たっての考え⽅
• 服薬コンプライアンスの維持が不可
⽋(NOACはいずれも⾎中半減
期が短い)
↓
1⽇1回服⽤の⽅が有利
• 患者にすれば服⽤しやすさやコス
トも無視できない
• よく説明して、患者に選択しても
らうことが⼤切
ワルファリンとNOACの選択の場合、下の条件を考える必要がある
1. NOACの薬剤費負担に耐えられるか
2. ワルファリンで必須な⾷事制限を守れるか
乾燥⼈⾎液凝固第Ⅸ因⼦複合体(PCC)
NOAC
⾮⼼原性脳梗塞→抗⾎⼩板薬
脳卒中治療ガイドラインは2015に改訂
脳梗塞に⽤いられる抗⾎⼩板薬
COX阻害作⽤
• アスピリン
ADP受容体遮断作⽤
• クロピドグレル
• チクロピジン
PDE3阻害作⽤
• シロスタゾール
⽌⾎
cAMP濃度減少で⾎⼩板凝集:
• 遊離Ca2+濃度を上昇
• TXA2の⽣成も亢進
• GPIIb/IIIa受容体の活性化
P2Y1(Gq):⾎⼩板の形状変化(⼀次凝集)
P2Y12(Gi):⾎⼩板のADP放出
⾎⼩板の凝集維持(⼆次凝集)
cAMP濃度上昇で⾎⼩板凝集を抑制:
P2Y1:⾎⼩板の形状変化(⼀次凝集)
遊離Ca2+濃度を減少
P2Y12:⾎⼩板のADP放出
TXA2の⽣成も抑制
⾎⼩板の凝集維持(⼆次凝集)
GPIIb/IIIa受容体の活性化も抑制
cAMP
低⽤量
アスピリン
肥満細胞などの⽩⾎球で合成
⾎⼩板凝集抑制
⽌⾎
アスピリンジレンマ
⾎⼩板凝集反応
シロスタゾール
⾎⼩板から5-HT,ADP放出→⾎⼩板活性化
副作⽤軽減投与法
⾎管拡張、⾎流増加による循環器系の副作⽤のためドロップアウトが出る
【投与開始2ヶ⽉間】2週間に1回程度⾎液検査
薬薬連携
【薬局】受診勧奨
ハイリスク薬
脳卒中10か条
抗⾎⼩板薬の⼿術前休薬期間の⽬安
抗凝固薬の⼿術前休薬期間の⽬安
その他の薬の⼿術前休薬期間の⽬安
第 97 回⼀般問題 (薬学理論問題)
問218
50歳男性。脳梗塞後の再発予防のため、以下の薬剤が処⽅された。
(処⽅)
シロスタゾール錠 100 mg
1回1錠(1⽇2錠)
1⽇2回 朝⼣⾷後 7⽇分
(実務)
この患者に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 脳梗塞の発症には、⾼⾎圧、糖尿病、脂質異常症、⼼房細動、喫煙、多量の飲酒などが危険因⼦となる。
2 患者に、通常よりも出⾎しやすくなることを説明し、異常な出⾎が認められた場合には医師に連絡するよう注意を促す。
3 他院(他科)を受診する際には、本剤を服⽤していることを医師に必ず伝えるよう患者に注意を促す。
4 プロスタグランジンE1製剤の併⽤は、出⾎を助⻑することがある。
5 オメプラゾールの併⽤は、シロスタゾールの作⽤を減弱することがある。
問219
50歳男性。脳梗塞後の再発予防のため、以下の薬剤が処⽅された。
(処⽅)
シロスタゾール錠 100 mg
1回1錠(1⽇2錠)
1⽇2回 朝⼣⾷後 7⽇分
(物理・化学・⽣物)
脳梗塞の発症には、⽣体の⽌⾎機構が関わっている。⽌⾎機構に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 ⾎⼩板から放出されるトロンボキサンA2により、⾎管平滑筋が収縮する。
2 ⾎⼩板内のサイクリックAMP (cAMP) 量が増加すると、⾎⼩板凝集が促進される。
3 ⾎⼩板が活性化されると、主な⽣理活性物質としてヒスタミン及び⾎⼩板活性化因⼦ (PAF) が放出される。
4 ⾎管内⽪細胞で産⽣されたプロスタグランジンI2の作⽤により、強固な⾎⼩板⾎栓が形成される。
5 ⾎⼩板⾎栓の周囲でフィブリノーゲンからフィブリンが形成され、⾎液凝固が進⾏する。
主軸は新規抗凝固薬、腎機能に注意
抗凝固薬4剤をどう使い分ける?
主軸は新規抗凝固薬、腎機能に注意
抗凝固薬4剤をどう使い分ける?