Part 被写体別 ボケ の 魅 せ 方 5 ▲ 撮影データ SONY α77 100mm F2.8 Macro SAL100M28 100mm (150mm/35mm判換算) 絞り優先 F6.3 1/6秒 +2.3EV ISO100 WB太陽光 後 ボケ 玉 ボケ シンメトリー 構図 日の丸 構図 串刺し写真にならないように注意 木のような直線的なものを背景にする場合に気をつけたいのは、被写体に被らないよ うにすること。作例の場合、ヒガンバナの真後ろに木がくるように構図すると、花が串刺 しされたような写真になります。串刺しを避けて、さらにシンメトリー構図にすることでま とまりのある写真になりました。 後 ボケ 玉 ボケ くの字 構図 WBを調節して 怪しい雰囲気に ホワイトバランスを「白熱電球」 などの3000Kくらいに設定し、ピ ンク色の花に青味をプラスして ▲ 撮影データ SONY αNEX-6 E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LE SEL18200LE 200mm (300mm/ 35mm判換算) 絞り優先 F6.3 1/320秒 +2.3EV ISO1000 WB太陽光 妖美なイメージにしました。また、 くの字構図にバランスよく配置し ました。あいた空間に脇役として bjec Su 後ボケで造形に こだわった 1 枚を撮る 玉ボケを入れたことで、ローキー な画面に光が感じられます。 ▲ 撮影データ SONY α77 DT 18-250mm F3.5-6.3 SAL18250 250mm(375mm/35mm判換算) 絞り優先 F6.3 1/400秒 +0.7EV ISO100 WB電球 4 花④ 花はアップで撮ると、特徴的な造形に気づきます。 後 ボケ 形をしっかり捉えたい時は後ボケを活用するとよいでしょう。 くの字 構図 類似色 花の造形を強調したい場合 は、後ボケを活用するとよい でしょう。形がわからないく らいまで大きく背景をボカせ ば、主役の花だけが浮かび上 がり、少し残るぐらいにボカ せば周囲の花との関係性を残 した構図になります。 上の作例のヒマワリは造形 にこだわりたかったので、レ ンズの望遠側を使って背景の つの被写体 3 形が消えるほど後ボケにして 撮影しました。 を作例のように「く」の形に 配置する構図を「くの字構図」 と呼び、バランスのよい構図 といわれています。ポイント は、それぞれが重なりすぎず、 92-93 並びすぎない配置にすること 093 角度のあるローアン グルで撮影した 1 枚 です。夕暮れの雲は 濃い陰影がついてい るので立体的です。 です。 ンズの開放F 値でほんのりボカすのがおすすめです。 また、作例のように主役が 切れている時は、脇役も切れ たいならば、立体感に気をつけます。明るい日中の白い雲は平坦 になりがちです。夕方ころの陰影を感じる立体的な雲を、標準レ て写るようにしないと、主役 空をボカす時は立体感を意識して 空をフレーミングする時はローアングルで撮りましょう。雲をボカし が負けてしまうので気をつけ ましょう。 Column t 開花した花を主役に、つぼみを 092 14/11/25 2:10 Part 被写体別 ボケ の 魅 せ 方 5 前ボケの花はこのようにアシスタントの人 に持ってもらいながら撮影しています。ボケ の大きさや割合は、花とレンズの距離や 画面の中への入れ込み方によって変化し ます。何度かテストしながら効果的な配置 を探ってみましょう。 前 ボケ 対角線 構図 樹木の葉を使い 気軽に前ボケを演出する 屋外ポートレートでは樹木の葉は前ボ ケとして扱いやすい被写体。うまく活用 しましょう。ここでは加えて画面を斜め に傾け背景で斜線を作り、動きのある 描写に。ちなみに利用する枝葉はあま り密集していないものがおすすめ。 間 がないと重たい雰囲気に仕上がります。 ▲ 撮影データ Canon EOS 5D Mark Ⅲ EF50mmF1.4 USM 50mm(50mm/35mm 判換算) 絞り優先 F1.4 1/1250秒 +1.3EV ISO200 WBオート 前 ボケ トンネル 構図 撮 影デ ータ Canon EOS 5D Mark Ⅲ EF85mmF1.2L USM 85mm (85mm/35mm判換算) マニュアル F1.2 1/125秒 ISO200 WBオート ▲ 扉の枠で前ボケを作り存在感を高める で女性の存在感が増し、メリハリのある描写になり カラフルな花を前ボケに 幻想的に女性を切り取る ました。ここでは扉のボケ具合も大事な要素。被写 体と扉の距離が縮まるほどボケは弱まります。適度 なボケ具合を演出するため、被写体の立ち位置を 細かく調整しています。 撮影データ Canon EOS 5D Mark Ⅲ EF85mmF1.2L USM 85mm (85mm/35mm判換算) マニュアル F1.2 1/500秒 ISO200 WBオート ▲ 前 ボケ 日の丸 構図 多色 前ボケは奥行き感を演出し ながら主役の存在感を強調で き る の が 大 き な 特 徴 で す が、 これは当然ながらポートレー ト で も 例 外 で は あ り ま せ ん。 覗き見るような視点とともに、 前ボケをアクセントにドラマ チックなポートレートが撮影 できます。 例えば、上の作例は手前に 花々を前ボケとして意図的に 入れ込み、華やかさを演出し ています。右上と左下にそれ ぞれ異なるビビッドな色の花 を配置することで、ポップで やわらかい仕上がりになって います。画面構成はストレー トな日の丸構図ですが、女性 のこちらを見つめる視線がボ ケの影響でより印象的に見え ます。 なお、この作例では前ボケ の要素を自分で用意しました が、左ページの作例のように 106-107 日常的なモチーフからも、数 107 多くの前ボケが作れます。う わるからです。さまざまな距離感で効果の違いを確認してみましょう。 まく演出してポートレートの 分好みの前ボケを作るための格好の練習題材になります。カメラと 手の距離、そして手とモデルの顔の距離によって微妙にボケ味が変 標準レンズの 50mm を使い F1.4 で撮影。 前ボケになったトン ネル構図が印象的 です。距 離 感を意 識しながら撮影して みましょう。 表現の幅を広げてみましょう。 ょう。元気な雰囲気でかわいらしく撮れます。この撮影は、実は自 ② 画面構成に迷った場合にも、前ボケを主眼に添えることで新しい視点が開けます。 手で前ボケを作るキュートなポートレート ポートレートの撮影で気軽に前ボケを作りたければ、モデルに両 11 ポートレート 前ボケはポートレートでも格好のアクセントとして広く活用できます。 Column 手でハートなどの形を作ってもらい、指の間から表情を狙ってみまし bjec Su t 扉の枠でトンネル構図を作り撮影。周囲を囲うこと 106 14/11/25 2:13 Part 被写体別 ボケ の 魅 せ 方 5 ▲ 撮影データ Nikon1 J3 1 NIKKOR 18.5mm f/1.8 18mm (49mm/35mm 判換算) 絞り優先 F1.8 1/80秒 +1.7EV ISO200 WBオート 前後 ボケ 対角線 構図 類似色 構図と色を意識してよりエレガントに 対角線構図で左奥に主役のリボンを置き、ネックレスの流れも斜めにスタイリングして います。対する手前の右半分は同じリボンで前ボケにしました。類似色のグラデーショ ンでまとめるとエレガントな雰囲気を感じさせます。また、露出を明るめにするとかわいら しい印象になります。 前 ボケ 玉 ボケ 曲線 構図 対角線 構図 グルにし、画面下には明るい光の弧を入れることで 指輪と同じ曲線のラインをアクセントにしています。 対角となる右上の半分はレンズの前にアクセサリー をかざして玉ボケの前ボケを入れました。 bjec Su 前後ボケと背景作りで テーブルフォトをかわいく演出 ▲ 撮影データ OLYMPUS PEN Lite E-PL6 M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R 31mm (62mm/35mm判 換算) マニュアル F5.6 1/320秒 ISO800 WB晴天 16 テーブル フォト t ェーンで曲線構図を作りました。光が反射するアン 撮影データ FUJIFILM X-A1 フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macro 60mm (92mm/35mm 判換算) 絞り優先 F4.0 1/60秒 +1.7EV ISO200 WBオート ▲ 玉ボケの前ボケを入れてキラキラ感を 左下の丸い影の中に主役のアクセサリーを置き、チ 雑貨やアクセサリーなどを対角線構図×ボケのパターンを使い、 バランスよくまとめておしゃれなテーブルフォトにします。 ボケ 対角線 構図 暖色 雑 貨 や ア ク セ サ リ ー、 ス イーツなどおしゃれなものを テーブルに並べるだけではす て き な 写 真 に な ら な い の で、 スタイリングと構図でバラン スよく整理して撮るのがテー ブルフォトのコツです。 ファインダー越しに対角線 構図でどちらか半分の空間に 主 役 に な る 雑 貨 を 置 き ま す。 被写体が複数ある場合はS字 構図で並べます。ローアング ルにするとテーブル面以外の 背 景 が 構 図 に 入 っ て き ま す。 後ボケを利用して目立たせな いようにするか、上の写真の ように脇役を置いて背景をカ 116-117 バーします。 117 主役をいかすカラフルな色 と、脇役の雑貨を程よい後ボ 正をプラスに、シックな雰囲気にしたい時はマイナスにと、イメージ に合わせて露出補正値を選びます。 色あせたドライフラ ワーも写真の仕上が りでビビッドになる設 定を選ぶと、色鮮や かに復活します。 ケにして色調を合わせるとお すすめです。逆光で撮ると背景が明るくなるので後ろが重くならず ヌケ感も生まれます。主役をかわいい雰囲気にしたい時は露出補 しゃれな写真になります。光 ると構図を決めやすくなります。また、光を選べる場合は逆光がお や影も同じようにボカすこと 逆光と露出補正でイメージを変える テーブルフォトでは対角線のラインを基準にしてボケを合わせて撮 で、写真にやわらかさが感じ られます。 Column 前後 116 14/11/25 2:15
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