胸部CT読影レポートの作成(第15回スキルアップカンファレンス)

第15回スキルアップカンファレンス
5分で終わるミニレクチャー
胸部CT読影レポートの作成
仙台厚生病院 放射線部
荒井 剛
第15回スキルアップカンファレンス
胸部CT画像所見の用語
コンソリデーション
スリガラス様陰影
空洞
小葉中心性陰影
スピキュラ
CT halo sign
Crazy-paving-pattern
Mozaic perfusion
Tree-in-bud pattern
線状影
気管支拡張
蜂窩肺
(small)nodule
mass
air creascent sign
galaxy sign
ノッチ
air bronchogram
胸膜陥入像
境界明瞭、不明瞭
粒状影
網状影
胸壁浸潤
CT angiogram sign
第15回スキルアップカンファレンス
・大動脈解離
・胸部大動脈瘤
第15回スキルアップカンファレンス
・大動脈解離
大動脈解離とは “大動脈壁が中膜のレベルで
二層に剥離し、動脈走行に沿ってある長さ持ち二腔に
なった状態“ で、大動脈壁内に血流もしくは血腫が
存在する動的な病態である
第15回スキルアップカンファレンス
・大動脈解離の画像診断
・解離の存在診断
・解離の形態および進展範囲
・真腔から偽腔への血液流入部(entry/re-entry)の同定
・合併症(破裂、心タンポナーゼ、大動脈の主要分岐閉塞による臓器虚血)
第15回スキルアップカンファレンス
解離の存在診断
・剥離したflapの有無
・石灰化が生じている部位
第15回スキルアップカンファレンス
剥離したflapの有無
・CTAの施行
造影(ー)
造影(+)
第15回スキルアップカンファレンス
剥離したflapの有無
・WW、WLを調節して観察する
第15回スキルアップカンファレンス
剥離したflapの有無
・WW、WLを調節して観察する
第15回スキルアップカンファレンス
剥離したflapの有無
・心電同期撮影
ECG-gate(-)
ECG-gate(+)
第15回スキルアップカンファレンス
石灰化が生じている部位
・大動脈壁の石灰化は内膜に生じるため、中膜で剥離
する大動脈解離では内膜石灰化が内腔側へ偏移して
観察される。
第15回スキルアップカンファレンス
・大動脈解離の画像診断
・解離の存在診断
・解離の形態および進展範囲
・真腔から義腔への血液流入部(entry/re-entry)の同定
・合併症(破裂、心タンポナーゼ、大動脈の主要分岐閉塞による臓器虚血)
第15回スキルアップカンファレンス
解離の進展範囲
第15回スキルアップカンファレンス
解離の進展範囲(Debakey分類)
第15回スキルアップカンファレンス
・大動脈解離の画像診断
・解離の存在診断
・解離の形態および進展範囲
・真腔から偽腔への血液流入部(entry/re-entry)の同定
・合併症(破裂、心タンポナーゼ、大動脈の主要分岐閉塞による臓器虚血)
第15回スキルアップカンファレンス
血液流入部(entry/re-entry)の同定
第15回スキルアップカンファレンス
偽腔開存型解離の真腔と偽腔の判別法
真腔
偽腔
狭小化していることが多い
拡大していることが多い
動脈壁の石灰化を有する
壁在血栓を有する
(例外:慢性解離例で偽腔壁に
石灰化を来すことがある)
Dynamic studyで先に造影される
遅れて造影される
aortic cobweb所見が認められる
第15回スキルアップカンファレンス
aortic cobwebの所見
大動脈が剥離する時に不完全にはがれた中膜
の一部が索状の構造として偽腔内に観察できる。
第15回スキルアップカンファレンス
合併症
縦隔血腫や血胸の有無
偽腔からの血流で支配される
主要分岐血管を同定
第15回スキルアップカンファレンス
胸部大動脈瘤
・大動脈瘤は、“大動脈壁一部の全周または局所が
拡張した状態“と定義
・胸部大動脈の正常径は一般に3cmとされているが、
直径が正常径の1.5倍(4.5cm)を超えた場合、または
壁の一部が局所的に拡張して瘤状に変化している
場合に“大動脈瘤(aneurysm)”と称する。
第15回スキルアップカンファレンス
胸部大動脈瘤の画像所見
・瘤の存在診断
・瘤の大きさと部位、進展範囲
・切迫破裂の兆候
・瘤と周辺臓器との関係
・瘤と主要大動脈分岐との位置関係
第15回スキルアップカンファレンス
瘤の存在診断
ー診断基準ー
病変の局在
外径の正常値
動脈瘤
上行大動脈
≦3cm
≧5cm
下行大動脈
≦2.5cm
≧4cm
第15回スキルアップカンファレンス
瘤の形状と進展範囲、瘤の大きさ
第15回スキルアップカンファレンス
瘤の形状と進展範囲、瘤の大きさ
嚢状瘤
紡錐状瘤
第15回スキルアップカンファレンス
*紡錐状瘤
胸部で6cm以上の場合、半年間で5mm以上
の拡大傾向を認める場合、手術適応となる。
瘤径の評価には“最大短径”を用いる。
長径
短径
最大短径のシェーマ
第15回スキルアップカンファレンス
瘤の進展範囲
大動脈弓部3分枝との
位置関係が重要!
第15回スキルアップカンファレンス
切迫破裂(impending rapture)の兆候
瘤壁や壁在血栓内に三日月型の高吸収域
(crescent sign)がしばしば見られる。