1 目次 1.1 集合論2 Levy 階層と反映定理 Mostowski 同型定理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 1.2 Levy 階層 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 1.3 1.4 絶対性の概念 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ZFC のモデル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11 14 第 章 3 第½章 集合論2 Levy 階層と反映定理 Mostowski 同型定理 A R B が存在し x y A xRy f xS f y が成り立つとき、 f この2つの構造は同型であるといい、f を同型写像という.このとき A R B S あるいは A R B S と表す. 2つの構造 B S に対して、全単射 f : A ¼ ¼ A R は x y A z A zRx zRy x y を満たすとき外延的であるという. 定義 5.1 構造 ω 例 A 1 2 4 A は 外 延 的 な 定 礎 的 構 造 に な る が 、A のとき A は外延的でない1 . 定理 5.1 < Mostowski 同型定理> ZF A R P 11 2 1 2 ω のとき M が外延 的な定礎的構 造であるとき 、 A R を満たす推移的クラス M がただ1つ存在する.しかも、同型写像もただ1つである. u Rng u u u V に対して、x A F x G x F pred A x を満たすクラ ス関数 F が一意的に存在し (定理 4.36)、F は F x F y y predR A x を満たす — .そこで M Rng F とすれば、 F M — となる. □ M は推移的で A R ¼ <証明>クラス関数 G ¼ 問 上記 定理 5.1 の証明中の <解> ( の確認) 一般に R が成り立つことを確認せよ. x y x y y だから F x G x F predR A x Rng x F predR A x x F ( の確認) x y A x y とすると、R が外延的だから z A ¼ ¼ ¼ ¼ Rng F pred A x F y y predR A x zRx zRy z A zRx zRy zRx zRy predR A x R ¼ A F z F x F z F y F z F x F z F y F x F y よって F は単射.また明らかに F は全射. 次に x y A xRy とすれば x predR A y F x F y.また x y A F x F y とすれば z predR A yF x F z. F は単射だから x z x predR A y xRy よって x y A xRy F x F y □ z ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ 定 義 5.2 ZF ¼ ¼ ¼ u が 外 延 的 定 礎 的 構 造 の と き Mostowski 同 型 定 理 を 適 用 し て P ¼ u f v と なったとする.このとき推移的集合 v を u の推移的つぶし、同型写像 f をつぶし同型写像という. u は外延的定礎的構造だが推移的ではない.u に対するつぶし同型写像は f 2 0 1 f 4 0 1 2 で定まる関数 f だから、0 1 2 3 が u の 推移的つぶし である. 例 u 1 2 4 のとき ¼ f 1 0 ¼ ¼ 補題 5.1 ZF P f : u ば f w は恒等写像である.(当然 像は f 0 0 f 1 1 例 u 0 1 4 のとき ¼ ¼ ¼ v を つ ぶ し 同 型 写 像 と す る .こ の と き w が u の 推 移 的 部 分 集 合 な ら u は外延的定礎的であるとする.) u は外延的定礎的構造で w 0 1 はその推移的部分集合となる.つぶし同型写 f 4 2 なる関数 f であり、 f w は確かに恒等写像である. 1 z A z 1 z 2 が成り立っているが 1 2 ではない. 4 第 1 章 集合論2 Levy 階層と反映定理 問 補題 5.1 が成り立つことを確認せよ。 <解> u が定礎的だから w も定礎的である.さて w u Trans w とし x を w の任意の元とする.このとき Trans w から y x y w および pred w x x 2 の成立がいえる.このとき y pred w x f ¾ f w x f x f y y pred u x f y y pred w x f ¼ ¼ ¼ ¼ ¾ ¾ ¼ w ¾ y y と仮定すれば w y y pred w x y y x x □ ¼ ¾ Levy 階層 ここでは、集合論言語 の論理式に階層を導入する.これは論理式の複雑さのバロメータとなる. y ϕ および x x y ϕ をそれぞれ x yϕ 、x yϕ と略記した.このとき、x y および x y 形 は有界であるという.論理式 ϕ は、限定作用素を含まないかあるいは有界な限定作用素しか含まないと 論理式 x x の限定作用素 き、有界であるという.このとき、 に対し、 定義 5.3 n 0 1 2 有界な論理式を Δ0 -論理式とよび、このとき、その論理式は Δ0 であるという. また、Π0 -論理式および Σ0 -論理式は Δ0 -論理式を意味するとする. Πn -論理式 ϕ に対し、xϕ なる形をした論理式を Σn1 -論理式といい、 Σn -論理式 ϕ に対し、xϕ なる形をした論理式を Πn1 -論理式という. の論理式 ϕ に対して Σn の論理式 ψ が存在し、Ω ϕ ψ が成り立つとき、ϕ は Ω Ω Ω についても同様である.また、ϕ が Σn かつ Πn であるとき、ϕ は Δn であるという. 定義 5.4 Ω は論理式の集合とする. ΣΩ n であるという.ΠΩ n 定義 5.5 クラス A x ϕ x に対し、 y y A ただし、y は ϕ x に現れない変数 Ω Ω が証明されるならば、A は ϕ により定義された集合3 であるという.また、論理式 y A が ΣΩ n Πn Δn であるとき、集合 Ω Ω A はそれぞれ ΣΩ n Πn Δn であるという. ZF P In f 補題 5.2 次の論理式と定義可能集合は Δ0 x y 0/ a b a b <証明>次のように、ZF である. P x y z x z y In f の下4 、それぞれ Δ0 論理式と同値になることが判る. x 0/ z x z x 5 x a b z x z a z b a x b x x a b y xz x y a a z a b x y z □ 以下の議論においても、補題 5.2 と同様、Ω は ZF の公理すべてを含む必要はない.最低限 ZF た議論をしておけば十分である.よって、以下 Ω としては ZF 2 3 4 5 P In f または ZF P In f までに絞っ P、ZF 、ZF の何れかをとるとする. (注意) Trans A x A pred¾ A x x が成立する. このような集合のことを定義可能集合という. ここでは、外延公理・対公理・空集合存在公理だけで十分であるが。 外延公理により空集合存在公理 x z z x を満たす集合 x は一意に存在する.その集合を 0 / と表す訳だから、0/ の定義論理式は z z 0 / .ところ x z xz x だから、 z x z x z z x となる. で、 z x z 1.2 Levy 階層 5 補題 5.3 ( ZF P In f ) n m 0 のとき、 Ω Ω Ω Ω ϕ ψ で ψ が ΣΩ n ならば ϕ も Σn であり、ψ が Πn ならば ϕ も Πn である. Ω Ω Ω Ω ϕ が Σn ならば xϕ は Πn1 であり、ϕ が Πn ならば xϕ は Σn1 である. Ω Ω n ならば ΣΩ m -論理式(集合)および Πm -論理式(集合)は Δn である. m Ω Ω Ω ϕ が ΣΩ m ならば ϕ は Πm である.また、ϕ が Πm ならば ϕ は Σm である. <証明> 明らか. ここでは、直感的に理解しやすい形で説明しておく. Ω i k 0 1 2 とするとき、ΔΩ k -論理式 は Δk1 -論理式 であること. Ω Ω ϕ を ΔΩ k とし、z を ϕ に現れない変数とすれば、2) から zϕ は Σk1 であり zϕ は Πk1 となる. Ω Ω ここで ϕ zϕ かつ ϕ zϕ だから ϕ は ΣΩ k1 かつ Πk1 すなわち Δk1 である. Ω Ω Ω ii k 0 1 2 とするとき、Σk -論理式は Σk1 -論理式であり、Πk -論理式は ΠΩ k1 -論理式であること. ・ k 0 の場合は i から明らか. ・ k 2m 1 m 0 1 2 の場合 ϕ を ΣΩ 2m1 -論理式とすれば、ある Δ0 -論理式 θ が存在して Ω ϕ x2m1 x2m x1 θ ここで、x0 を θ に含まれない変数とすれば θ x0 θ だから Ω ϕ x2m1 x2m x1 x0θ ところで、x2m1 x2m x1 x0θ は Σ2m11 だから ϕ は ΣΩ である. 2m11 ϕ が ΠΩ 論理式の場合も上と同様に証明される. 2m1 ・ k 2m 2 m 0 1 2 の場合 ϕ を ΣΩ 2m2 -論理式とすれば、ある Δ0 -論理式 θ が存在して Ω ϕ x2m2 x2m1 x1 θ ここで、x0 を θ に含まれない変数とすれば θ x0 θ だから Ω ϕ x2m2 x2m1 x1x0 θ ところで、x2m2 x2m1 x1 x0 θ は Σ2m21 だから ϕ は ΣΩ である. 2m21 ϕ が ΠΩ 論理式の場合も上と同様に証明される. 2m2 Ω Ω Ω iii k 0 1 2 とするとき、ΣΩ k -論理式は Πk1 -論理式であり、Πk -論理式は Σk1 -論理式であること. Ω ϕ を Σk -論理式とすれば、ある Σk -論理式 ψ が存在して Ω ϕ ψ .ここで z を ψ に含まれない変数とすれ ば ψ zψ だから Ω ϕ zψ . zψ は Πk1 だから ϕ は ΠΩ k1 である. Ω ϕ が Πk -論理式の場合も上と同様に証明される. 以上の i ii iii から、3) が言える. m 0 のときは、明らか.m k のとき成り立つと仮定すると、m k 1 のとき、 ϕ が ΣΩ k1 ならば、ある Σk1 -論理式 ψ が存在して Ω ϕ ψ .ここで ψ xθ θ は Πk とすれば ψ xθ . Ω Ω Ω θ θ だから θ は ΠΩ k .帰納法の仮定から θ は Σk .よって、xθ は Πk1 となり、Ω ϕ xθ だから Ω ϕ は Πk1 であることが判る.後半についても同様である. □ 補題 5.4 < Collection Principle > ( ZF ) 6 xy u x vϕ u v v yϕ u v vϕ u v、chu def x Cu z Cu ρ x ρ z とすると chu は集合と <証明> x を任意の集合とする.u x なり、chu が成り立つ.そこで、与えられた x に対し、y Cu Cu 0/ chu 0/ def に対し Cu chu を取ってくればよい. □ u¾x 補題 5.4 は脚注の意味で ZF P In f 下でも適用可能である.以下の議論について同様の意味において ZF P In f 下で成立する場合には、 ZF £ のように表すことにする. 系 ZF £ yzϕ wx yz wϕ x <証明>論理式 ϕ は w を自由変数として含まないとするとき、補題 5.4 から wx y zϕ x z z wϕ x z 6 補題 5.4 の証明では集合の階級関数を使っている.よって補題 5.4 は定礎的集合の世界 W F 内で成り立つ命題である.公理として ZF をとれば、正 則性公理により V W F がいえるので、補題 5.4 は宇宙 V 全体で成り立つ.しかし、第4章で触れたとおり、正則性公理とべき集合公理の成立を 仮定せずに W F の世界は展開可能だから、そのようにして展開された W F の世界内に限定すれば 補題 5.4 は ZF P In f の下で成立する命題と なる. 6 第 1 章 集合論2 Levy 階層と反映定理 が成り立つ.このとき、 wx y zϕ x z z wϕ x z w x yzϕ x z x yz wϕ x z x yzϕ x z wx yz wϕ x z 7 8 逆は、明らかである. □ 補題 5.5 ZF £ n 0 のとき、 x yϕ x yϕ は、ϕ が ΣΩn ならばともに ΣΩn であり、ϕ が ΠΩn ならばともに ΠΩn である. <証明> n に関する数学的帰納法による. (1) n 0 のとき、明らか. (2) n 0 のとき、n k で与題が成立すれば、n k 1 のとき、 ϕ が ΣΩ k1 ならば、ある Πk -論理式 ψ と変数 z が存在して Ω ϕ zψ .このとき、t を x y ψ に現れない変数と すれば、Ω の下で x yϕ x yzψ z x y i x x y t ψ t x y xt x y ψ t x y t x x y ψ t x y t x yψ t x y x yϕ x yzψ wx yz wψ yψ t x y、x yz wψ ともに ΠΩk である. 9 ψ は ΠΩ -論理式でもあるから、帰納法の仮定により x を得る. k yϕ x yϕ ともに したがって、 x ii ΣΩ k1 となる. ϕ が ΠΩ k1 のときは、ある Σk -論理式 ψ と変数 z が存在して Ω ϕ zψ .このとき、Ω の下で x yϕ x yzψ x x y zψ x x y zψ x x y zψ x yzψ x yϕ x yzψ x yzψ zψ は ΣΩk 1 x yzψ は ΣΩk 1 が判る. 再び補題 5.3 により x yzψ は ΠΩ k 1 となる. x yzψ についても同様だから、x yϕ x yϕ は 10 ここで、補題 5.3 および上記 i により ψ は ΠΩ が成立つ. k ともに ΠΩ k1 となる. □ 0 とする.このとき、 Ω Ω Ω n 1 ならば、ϕ が ΣΩ n のとき xϕ は Σn であり、ϕ が Πn のとき xϕ は Πn である. Ω Ω Ω ϕ ψ と ϕ ψ は、ϕ ψ がともに Σn ならば Σn であり、ϕ ψ がともに Πn ならば ΠΩ n である. Ω ならば、ϕ ψ とϕ ψ はともに ΔΩ であり、ϕ ψ は ΠΩ 、ψ ϕ は ΣΩ である. ϕ が ΣΩ で ψ が Π n n n n n 1 補題 5.6 ZF £ n どの論理式もある n に対して ΔΩ n である. <証明> 7 8 9 10 p q r p q p r および x A x B x xA x xB x を用いる. w C D w C wD w を用いる.ただし、C は w を自由変数として含まない. xA x yA y、x C B x C xB x、xyA x y yxA x y、補題 5.4 の系を用いる. p p、xA x xA x、 p q p q、 p q p q を用いる. 1.2 Levy 階層 7 1 -論理式 ψ と変数 y が存在して Ω ϕ yψ で、ψ は zn 1 zn 2 Qz1 θ θ はΔ0 または ).このとき zn 1 zn 2 z1 は w x y に含まれないとして良いので、Ω の下で xϕ xyψ wx wy w w x y ψ wx wy w w x yzn 1 zn 2 Qz1 θ wx wy wzn 1zn 2 Qz1 w x y θ i ϕ が ΣΩ n ならば、ある Πn と表せる(ただし Q は θ は ΔΩ0 だから zn 1zn 2 Qz1 w x y θ は ΠΩn 1 となり、よって補題 5.5 Ω により x wy wzn 1 zn 2 Qz1 w x y θ も ΠΩ n 1 となる.したがって xϕ は Σn である. Ω ii ϕ が Πn の場合は、Ω ϕ yψ ψ は Σn 1 として xϕ xyψ だから、上記と補題 5.3 による. が成り立つ.ここで、w x y ϕ ψ が ΣΩ n ならば、ある Πn 1 -論理式 ϕ1 ψ1 と変数 x y が存在し Ω ϕ xϕ1 かつ Ω ψ yψ1 が成り立ち、 ϕ ψ が ΠΩ ならば、ある Σn 1 -論理式 ϕ1 ψ1 と変数 x y が存在し Ω ϕ xϕ1 かつ Ω ψ yψ1 が成り立つ. n ϕ ϕ ψ ψ ϕ ψ ϕ ψ ϕ ψ ϕ ψ ϕ ψ が ΣΩ Ω ϕ ψ xϕ1 yψ1 ϕ ψ xϕ1 yψ1 n のとき Ω ϕ ψ が Πn のとき Ω ϕ ψ xϕ1 yψ1 ϕ ψ xϕ1 yψ1 Ω となる.よって、xϕ1 yψ1 と xϕ1 yψ1 がともに ΣΩ n 、あるいは xϕ1 yψ1 と xϕ1 yψ1 がともに Πn とな 一般に ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ だから ることを、それぞれの場合について示せばよい. i n 0 のときは明らか. ii n 0 のとき、n 1 までは成立しているとする.このとき、x は ψ1 に、y は ϕ1 に現れないとして良いので、 xϕ1 yψ1 xy ϕ1 ψ1 かつ xϕ1 yψ1 xy ϕ1 ψ1 xϕ1 yψ1 xy ϕ1 ψ1 かつ xϕ1 yψ1 xy ϕ1 ψ1 帰納法の仮定から ϕ ψ が ΣΩ ϕ1 ψ1 と ϕ1 ψ1 はともに ΠΩ n のとき n 1 Ω ϕ ψ が ΠΩ のとき ϕ ψ と ϕ ψ はともに Σ 1 1 1 1 n n 1 だから、補題 36 および 上記 1) を適用して ϕ ψ が ΣΩ n のとき xy ϕ1 ψ1 と xy ϕ1 ψ1 はともに ΣΩn ϕ ψ が ΠΩ xy ϕ1 ψ1 と xy ϕ1 ψ1 はともに ΠΩn n のとき であることが判る.したがって、それぞれの場合について xϕ1 yψ1 と xϕ1 yψ1 はともに ΣΩ n であり、 xϕ1 yψ1 と xϕ1 yψ1 はともに ΠΩn となる. ψ ϕ ψ 、 補題 5.3、上記 2) および ϕ 論理式の構成に関する帰納法による. ψ ϕ ψ ϕ から明らか. y は ΔΩ0 である. ψ1 ψ2 ψ1 ψ2 ψ1 ψ2 の場合 Ω 帰納法の仮定から、ある整数 n1 n2 が存在し ψ1 は ΔΩ n かつ ψ2 は Δn となる.そこで n maxn1 n2 とすれば Ω 補題 5.3 から ψ1 ψ2 は Δn となり、よって 上記 2) 3) により ψ1 ψ2 ψ1 ψ2 ψ1 ψ2 はすべて ΔΩ n である. ψ xψ xψ の場合 帰納法の仮定から、ある整数 n が存在し ψ は ΔΩ n となる.このとき補題 5.3 および上記 1) により ψ xψ xψ 素論理式 x y および x 1 2 はすべて ΔΩ n1 である. □ 1 とし ϕ x を ΔΩn -論理式とするとき、次が成り立つことを証明せよ. xϕ x が集合ならば、xϕ x は ΠΩn 集合である. x zϕ x は ΔΩn 集合である. 補題 5.7 <証明> ZF £ n 8 第 1 章 集合論2 Levy 階層と反映定理 y xϕ x x yϕ x x ϕ x x y だが、ϕ x が ΔΩ n だから 補題 5.5 と補題 5.6 により x yϕ x と Ω Ω Ω ϕ x x y はともに ΔΩ n .さらに 補題 5.3 と 補題 5.6 により x ϕ x x y は Πn1 かつ Πn Πn .よって x yϕ x x ϕ x x y は ΠΩn . y x zϕ x x y x z ϕ x x x zϕ x x y x y x z ϕ x x x z ϕ x x y x y x z ϕ x x x z ϕ x x y x y x z ϕ x x x z ϕ x x y x y x z ϕ x x x z ϕ x x y x y x z ϕ x x z ϕ x x y (1) と同様にして x y x z ϕ x x z ϕ x x y がともに ΔΩ n となるから、与題が成立する. □ ここで、いくつか重要な論理式や集合の Levy 階層について 命題 5.1, 5.2, 5.3, 5.4 としてまとめておこう.その際 ΔΩ 0 -論 理式 については次が成り立つことに注意しよう。 補題 5.8 (ZF P In f ) ϕ ψ が ΔΩ 0 ならば ϕ ϕ ψ ϕ ψ ϕ ψ 命題 5.1 次の論理式および集合は Δ0ZF P x yϕ x yϕ はすべて ΔΩ0 である. である. Trans x Conn x x y1 x x x y x y 0/ z xy Dom f Rng f Func f x f x f x ¼ f ¼¼ x is a partial linear ordering o f y x is an inductive set f is a one to one f unction o f x into y <証明> x y y 0/ y a b y a b は Δ0ZF P 、ϕ が Δ0ZF P のとき ϕ x yϕ x yϕ は Δ0ZF P 、ϕ ψ が Δ0ZF P ならば ϕ ψ ϕ ψ ϕ ψ は Δ0ZF P だから、以下により Δ0ZF P であることが判る. Trans x y x y x Conn x y x z x y z y z z y x y 1 t x t y t y y x y x y x t y z x t z z x z y y x t y t x x z t y v x w v t w v x w v w y z x y w z s x t y w s t s x t y w z w s t x y 0/ z x z y z y z x z x y t z t x t y x z y z y Dom f t y t Dom f t Dom f t y t y s t s f w f t w s w w t s t y t y w f v w s v w t s t y w f v w t v s v w t s t y y Rng f t y w f v w s v w s t t y w f v w t v s v w s t t y Func f w f v f x y z w x y v x z y z w f v f x w y x z v w x y v x z y z w f v f q w p v x q y q z p w x y v x z y z 1.2 Levy 階層 9 !z x z f x y f !z x z f y 0/ z x z f s Rng f t Rng f x s f x t f s t x y f z x z f s Rng f t Rng f x s f x t f s t y 0/ w f v w z v w x z w1 f w2 f v1 w1 v2 w2 s v1 t v2 w1 x s w2 x t s t w x y ϕ y 0/ y f x z y w x z f w w x z y z f w y f x z ys xw f v wt v z s t s xw f v wt v w s t w y x is a partial ordering o f y x y y p y p p x p y q y r y p q x q r x p r x x is a linear ordering o f y x is a partial ordering o f y p y q y p q x q p x p q ここで、x y y z x p y q y z p q α β x z x z α β だから、上記右辺は ¼ y f x ¼¼ Δ0ZF P ¼ ¼ である. x is an inductive set 0/ x z x z 1 x z x z 0/ z x w x w z 1 f is a one to one f unction o f x into y Func f Dom f x Rng f y s x t x f s f t s t ここで、Rng f y w f v w s v t v w s t t y は Δ0ZF P s t x f s f t s t s x t x u y u f s u f t s t も Δ0ZF ¼ ¼ ¼ ZF P だから、与式は Δ0 ϕ ただし、 である. ¼ ¼ ¼ P である. □ w f v w z v w x z w1 f w2 f v1 w1 v2 w2 s v1 t v2 w1 x s w2 x t s t def 命題 5.2 n が自然数ならば n は Δ0ZF P ZF P <証明> n 0 の場合、x 0 は Δ0 0 y はともに Δ0ZF P である. □ である. 、また 0 y z y z 0 だから 0 y も Δ0ZF P である.故に y 0 および n 0 の場合、(有限個の)論理式 x 0 x 1 x n 1、 0 y 1 y n 1 y が Δ0ZF P であるとすれば、 y n x y x 0 x 1 x n 1 0 y 1 y n 1 y だから y n も Δ0ZF P になる.よって、ま たn y z y z n だから n y も Δ0ZF P となる. □ 命題 5.3 次の論理式は Δ0ZF P である. ON x x y Suc x Lim x ω n ω <証明> ON x x y Suc x Lim x yω nω Trans x Conn x 命題 4 ON x ON y x y ON x x 0/ y x x y 1 ON x Suc x t ySuc t Lim y t nSuc t n 0/ t n n t 1 命題 5.4 TC x は Δ1ZF P である. <証明> ここでは、上にまとめた補題および命題に基づき y TC x が Π1ZF P かつ Σ1ZF P であることを示す. y TC x x y Trans y z x z Trans z y z y, Trans y, x z, Trans z, y z がすべて Δ0ZF P だから、上式右辺は Π1ZF P である.また、 y TC x f Func f Dom f ω f 0 x n ω f n 1 f n y Rng f において、x ¼ ¼ ¼ 10 第 1 章 集合論2 Levy 階層と反映定理 においては、以下の Func f , z Dom f , z ω , z 0, x f ¼ z, w1 v1 f n, v2 v1 y z z Rng f がすべて ¼ Dom f ω z z Dom f z ω f 0 x z z 0 x f z Σ1ZF ¼ Δ0ZF P s1 v1 , w 2 s2 v2 , m n 1, v2 f m, ¼ であることから、 Σ1ZF P P ¼ n ω f n 1 f n z z ω n zm zv1 Rng f v2 Rng f m n 1 v2 f m v1 f n v2 v1 z z ω n zm zw1 f w2 f b1 w1 b2 w2s1 b1 v1 b1 s2 b2 v2 b2 w1 s1 v1 w2 s2 v2 m n 1 v2 f m v1 f n v2 v1 Σ1ZF P ZF P y Rng f z y z z Rng f Σ1 ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ したがって、y TC x は Σ1ZF P でもある.故に、Δ1ZF P である. □ 1 とする.集合 a および論理式 ϕ x が ΔΩn ならば、x aϕ x と x aϕ x は ΔΩn である. <証明> x aϕ x y y a x yϕ x y y a x yϕ x で、y a x yϕ x、y a x yϕ x はと Ω Ω もに ΔΩ n だから、それぞれ Σn 、Πn .よって、補題 5.6 から y y a x yϕ x 、y y a x yϕ x はそれぞれ Ω Ω Σn 、Πn .したがって x aϕ x は ΔΩ n である. □ 補題 5.9 n aϕ x y y a x yϕ x y y a x yϕ x は直感的には明白であるが、論理計算の復 上記証明中の x 習も兼ねて、ここで少し詳しい証明を与えておこう. x aϕ x y y a x yϕ x について a a x aϕ x a a x aϕ x ( 右) a a x aϕ x y y a x yϕ x 右) a a x aϕ x y y a x yϕ x ( LK a a x aϕ x y y a x yϕ x a a x aϕ x y y a x yϕ x x x x a a x aϕ x a a x aϕ x x aϕ x y y a x yϕ x 補題 1 xy x y ψ x ψ y から z a x zϕ x x aϕ x LK z a x zϕ x x aϕ x z a x zϕ x x aϕ x y y a x yϕ x x aϕ x 右 y y a x yϕ x x aϕ x (2) x aϕ x y y a x yϕ x についても同様である. □ (1) Ω Ω Ω Ω Ω 定義 5.6 クラス関数 F は、y F ¼ x が ΔΩ n Σn Πn -論理式で書けるとき Δn Σn Πn であるという. 定理 5.2 n 1 とする.クラ ス関数 G が ΔnZF P ならば、順 序数に関する 帰納法によ り F ¼ α G¼ F α で定め られる ON 上のクラス関数 F は ΔnZF P である. def Func f ON α Dom <証明>定理 4.20 の証明から、ϕ f α f α β α f β ¼ G¼ f β とするとき、問題 の x y f α ϕ f α x y f で与えられる.G は ΔnZF P のクラス関数だから、f β G f β も ΔnZF P であり11 、よって ϕ f α は ΔnZF P となる.また、x Dom f z z Dom f x z z z Dom f x z から、x Dom f が Δ0ZF P であることが判る. 関数 F は F 11 f ¼β G¼ f β y x y y x y f ¼ β x f β y G¼ x f ¼ β x f β y G ¼ x ¼ ¼ 1.3 絶対性の概念 11 さて、F はクラス関数で y F ¼ x で、F は ΔnZF P である. x y F y 0/ だが、次式により x y F x y F が ΔnZF P であることが判るの f α ϕ f α x Dom f y f x f α ϕ f α x Dom f y f x 残るは、この関係式の証明である.最初の については明らか.よって、2番目の について示す. 最初に上記の ϕ については、ϕ f α ϕ g β ならば Dom f Dom g 上で f g が成り立つことに注意しておこう. ϕ f0 α0 x Dom f0 y f0 x であるとし、ϕ f α x Dom f とすれば x Dom f0 Dom f y f 0 x f x f α ϕ f α x Dom f y f x f α ϕ f α x Dom f y f x f α ϕ f α x Dom f y f x とすれば f α ϕ f α x Dom f y f x すなわち、 f α ϕ f α x Dom f y f x f α ϕ f α x Dom f y f x □ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ ¼ 絶対性の概念 v r を集合論言語 に対する構造といい、v をこの構造の領域、 r を同じく関係と呼ぶ.同様に一般のクラスに対しても、R がクラス A 上の2項関係のとき、 A R を集合論言語 に 集合 v 上に2項関係 r が定義されているとき、集合 対する構造と呼んだ. 定義 5.7 <相対化> クラス A に対し、論理式 ϕ の A への相対化 ϕ A を論理式の構成に関する帰納法により定める. (1) x y A xy xy def ψ A def ψ1A ψ2A def x x A ψ A def def x yA (2) (3) ψ A ψ 1 ψ 2 A xψ A ψ1 ψ2A ψ1 ψ2 xψ A A ψ1A ψ2A ψ1A ψ2A def x x A ψ A def def A に、x を x A に、すべて置き換えて得られる論理式に等しい. 論理式 ϕ A は ϕ に現れる x を x を集合 論言語 に対 する構 造と し、ϕ x1 xn を x1 xn 以外の 自由 変 数を含まない論理式とする.このとき、a1 an A に対して論理式 ϕ a1 an を次のように帰納的に定義する. (1) ϕ が x1 x2 x1 x2 のとき def a1 a2 a1 Ra2 すなわち a1 a2 R def a1 a2 a1 a2 (2) ϕ が ψ のとき、 def ψ a1 an ψ a1 an (3) ϕ が ψ1 ψ2 のとき、 ψ1 a1 an ψ2 a1 an def ψ1 a1 an ψ2 a1 an (4) ϕ が ψ1 ψ2 のとき、 ψ1 a1 an ψ2 a1 an def ψ1 a1 an ψ2 a1 an (5) ϕ が ψ1 ψ2 のとき、 ψ1 a1 an ψ2 a1 an def ψ1 a1 an ψ2 a1 an (6) ϕ が xψ x のとき、 def xψ x a1 an x x A ψ x a1 an (7) ϕ が xψ x のとき、 def xψ x a1 an x x A ψ x a1 an さて A R が ϕ を満たすとき、 を ϕ の R モデルという.混乱の心配がない場合には、R を省略し、単に 定義 5.8 <モデ ル> A R 12 第 1 章 集合論2 Levy 階層と反映定理 が Ω のすべての論理式のモデルであるならば、 は Ω モデルで の領域が推移的ならば、 は Ω 推移的モデルであるという. モデルという.また、Ω を論理式の集合とするとき、 あるという.さらに、 xn を任意の論理式とする.任意の 構造 A と a1 an A に対して ϕ a1 an A ϕ a1 an である.ただし、ϕ x1 xn は x1 xn 以外に自由変数を含まないとする. 補題 5.10 ϕ x1 <証明>論理式 ϕ の構成に関する帰納法による. (1) ϕ が x1 x2 x1 x2 の場合 ϕ a1 an A a1 a2 A a1 a2 a1 a2 ϕ a1 an ϕ a1 an A a1 a2 A a1 a2 a1 a2 ϕ a1 an (2) ϕ が ψ x1 xn の場合 ψ a1 an A ψ a1 an A ψ a1 an ψ a1 an ϕ が ψ1 ψ2 ψ1 ψ2 ψ1 ψ2 の場合も同様である. (3) ϕ が xψ x x1 xn の場合 xψ x a1 an A x x A ψ x a1 an A x x A ψ x a1 an xψ x a1 an ϕ が xψ x x1 xn の場合も同様である. □ 定義 5.9 <絶対性> 2つの構造 A B に対し、x1 x2 xn のみを自由変数として持つ論 xn が a1 an A ϕ a1 an ϕ a1 an を満たすとき、ϕ は に関し絶対的であるという. 上記において、特に、 V の場合には、ϕ は に関し絶対的であるという. 理式 ϕ x1 A B また、定義可能集合 T については論理式 y T が絶対的なとき T は絶対的であるという. このとき明らかに、ϕ ψ が に関して絶対的ならば ϕ ϕ ψ ϕ ψ ϕ ψ もそうである. A B る.このとき、x yϕ および x yϕ も 定理 5.3 <証明> ϕ ϕ x1 A B は 構 造 で 、 は 推 移 的 、ϕ は に関し絶対的である. に関し絶対的であるとす xn とする.Trans A x a a A x A.故に、a a1 an A に対して x aϕ a1 an x A x a ϕ a1 an x A x a ϕ a1 an x B x a ϕ a1 an x aϕ a1 an 1.3 絶対性の概念 13 yϕ も に関し絶対的である.x yϕ については x yϕ x yϕ から明らか.□ よって、 x 系 が Ω 推移的モデルならば、ΔΩ0 -論理式(集合)は に関し絶対的である. 定理 5.4 は Ω の 推 移 的 モ デル で と す る .こ のと き 、す べ ての ΔΩ1 -論 理 式( 集 合)は に 関し絶対的である. <証明> ϕ を ΔΩ 1 -論理式とし、Ω だから、 関し絶対的で ϕ xψ1 かつ Ω ϕ xψ1 x A ψ1 x B ψ1 xψ1 ϕ ϕ ϕ □ 系 ϕ xψ2 ψ1 ψ2 は Δ0 とする.このとき ψ1 ψ2 は に ϕ xψ2 x B ψ2 x A ψ2 xψ2 ϕ が Ω 推移的モデルならば、すべての ΔΩ1 -論理式(集合)は に関して絶対的である. 論理式(集合)α が任意の Ω 推移的モデルに関して絶対的なとき、α は Ω 絶対的であるということにする.このとき、 上記の系を言い直せば、次の定理を得る. 定理 5.5 ΔΩ 1 -論理式(集合)は Ω 絶対的である. 14 第 1 章 集合論2 Levy 階層と反映定理 ZFC のモデル 定理 5.6 ZFC A を領域 A が空ではない推移的 構造 とする.このとき、次が成り立つ. は外延公理( )、空集合存在公理( )、正則性公理( 対公理( ) x y A x y A 和集合公理( ) x A x A 巾集合公理( ) x A x A A ω A 無限集合存在公理( ) )のモデルである. x A y y は A で定義可能なクラス12 y x y A 分出公理( ) x y A x y A x A f f は A で定義可能なクラス f : x A Rng f A 置換公理( x x A A 選択公理( ) ¼ ) <証明> x y z z x z y x y、 θ def xy y x、 ψ def x y y x z z x w w z w x と 13 おく.このとき、3つの論理式 τ A θ A ψ A が成り立つことを示せばよい. i τ A の成立: x y A とする.z A z x z y とすれば Trans A から x A y A z A z x z y z z x z y よって、z z x z y.V における外延公理から x y. ii θ A の成立: V における正則性公理および定理 4.31、4.32 から A は 極小元 をもつ.すなわち、x Ay A y x. τ def ( こ れ に よ っ て 存 在 保 証 さ れ る 集 合 は 、A に お け る 外 延 公 理 か ら 一 意 に 定 ま る .そ れ を 0A で 表 わ せ ば 、 0A A y y A y 0A .また Trans A から y y 0A y A y y A y 0A .よって、 y y 0A . A が言える.) iii ψ A の成立: x を A の任意の元とし、y A y x が成り立っているとする.このとき、V における正則性公理か ら z z x w w z w x.Trans A x A だから、これから z A z x w A w z w x が言え したがって、0A 0/ すなわち、0/ る. したがって、 x y z t t z t x t y(対公理)とする.このとき、Trans A から x y A x y A x y A z A z x y x y A z A t t z t x t y x y A z A t A t z t x t y ϕA ϕ xyz z y w z w w x(和集合公理)とする.このときも同じく Trans A から、 x A x A x Ay A y x x Ay Az z y z x x Ay Az z y w z w w x x Ay Az A z y w A z w w x ϕA ϕ xyz z y z x(巾集合公理)とする.このときも同じく Trans A から、 x A x A A x Ay A y x A x Ay Az z y z x z A x Ay Az A z y z x ϕA ϕ 12 A をクラス ϕ を論理式として、y x A ϕ xA であるクラス y を A で定義可能なクラスという. 13 τ A x y A z A z x z y x y θ A x A y A y x ψ A x A y A y x z A z x w A w z w x 1.4 ZFC のモデル ϕ 15 x 0/ x y y x y y x(無限集合存在公理)とする.ω は 0/ ω y y ω y y ω を満 A y ω y y A が成り立つから14 ω A x A 0/ x y A y x y y x x A 0/ x y A y x y y xA ϕA たす.さらに Trans A から ω x y z z y z x ψ z(分出公理)とする.x A y y は A で定義可能なクラス y x y A が成立するとき、任意の集合 x A と任意の論理式 ψ z に対して y z A z x ψ zA は A で定義可能なクラス (集合)で y x だから y A x A y A z A z y z x ψ zA ϕ A ϕ ϕ x y z ψ x y ψ x z y z x y z z y w x ψ w z とする. x y A x y A x A f f は A で定義可能なクラス f : x A Rng f A が成り立つとするとき、 任意の集合 x A と x y z A ψ x y A ψ x zA y z を満たす任意の論理式 ψ に対して、 f w z A w x z A ψ w zA は(w z A w z A が成り立つから)A で定義可能なクラスで f : x A を満たす.よって Rng f A.そこで y Rng f とすれば、z y w xψ w z A が成り立つ. x A y A z A z y w x ψ w z A ϕ A ϕ z x x z x 0/ x y x y z x y x y 0/ u x t x z u x t とする. x x A A とし、任意の z A に対して、x A x z x 0/ x y A x y z x y x y 0/ が 成り立っているとすれば、V における選択公理から u x t x z u x t ここで u u z とおけば、u x x A u A.また x z のとき u x t だから、u たす. u A x A t A x z u x t ϕ A □ ¼ ¼ ¼ ¼ 以後、 定理 5.7 ¼ は (1.1 ) を満 ¼ A ϕ を簡単に A ϕ と表すことにする. (ZFC) Lim α ならば Vα ZFC .さらに α Vβ β <証明> Lim α とし、x y は Vα の任意の元、β は x y ω であれば Vα も成り立つ. α を満たす順序数とする.証明は定理 5.6 による. α Trans Vα Vα であること. Lim α β 1 α x y Vβ Vβ 1 Vα x y Vα x y Vα Vα であること. x Vβ x Vβ x Vβ x Vα x Vα Vα であること. x Vβ x Vβ Vβ 1 x Vα x Vβ 2 Vα x Vα x Vα Vα Vα であること. Lim α α ω ならば ω 1 α ω Vω 1 Vα Vα であること. t x x Vα とすれば β α x Vβ t x Vβ t Vα x x Vα Vα □ Vα 補題 5.11 (ZFC) Vω Vω (1.1) ¼ ¾ Vω ω ¾ Vω ω ¼ 14 0/ A と x y x A y A x yA x y が成り立っていることに注意せよ. 16 第 1 章 集合論2 Levy 階層と反映定理 定理 5.8 1. 無限集合存在公理は ZFC の他の公理から導くことは出来ない. 2. 置換公理は ZFC の他の公理から導くことは出来ない. 3. Vω ω は選択公理を持つ Zermelo 集合論 ZC のモデルである.
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