高タンパク食が減量後の除脂肪体重と筋タンパク 合成に及ぼす影響:無作為化対照試験 ! Pasiakos SM et al. FASEB J. 2013;27:3837-47 ! ! 本研究の目的はエネルギー不足時の体組 成と筋タンパク合成に対して、食餌タンパ ク質レベルを変えた時の影響を調べること であった。39人の成人を対象にした無作 為化試験で、0.8(食事推奨量 RDA)、 1.6 (2 -RDA)、あるいは2.4 (3 -RDA) g/ kg体重のタンパク質を含む食事を31日間 摂取させた。10日間の体重維持期間 (weight-maintenance, WM)に続いて21 日間、エネルギーを40%不足させた (energy deficit, ED)。体組成及び絶食 時と摂食後の筋タンパク合成をWM(9日 目と10日目)とED(30日目と31日目)で 評価した。対象者の体重は食餌タンパクレ ベルに関わりなくED期間中に3.2 0.2kg 減少した(P<0.05)。RDAにくらべて2 RDAと3 -RDAは、体重減少に占める除脂 肪体重の減少割合が小さく(P<0.05)脂 肪重量の割合が大きかった(P<0.05)。ED 期間中の高タンパク食に対する筋の同化反 応は、2 -RDAと3 -RDAではWM期間中 と差がなかった(P>0.05)が、RDAのレ ベルのタンパク質を摂取した対象者ではED 期間中がWM期間中よりも低かった(エネ ルギーと食餌タンパクレベルの交互作用、 P<0.05)。タンパク質の摂取量の違いに 対する、ED期間中の筋タンパクの代謝反 応を評価ではRDAを対照群とした。まと めとして、RDAよりも多くのタンパク質を 摂取することによって、短期間の体重減少 期間中の除脂肪体重が維持される。(2014 年5月29日 岡村浩嗣) ! 減量時には除脂肪体重の減少を防ぐため にタンパク質を多めに摂取したほうがよい と考えられている。本研究は推奨量の2倍 の1.6g/kg体重/日が目安となり、これ以上 に増やしても効果は高まらないことを示し ている。(岡村浩嗣)
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