Document 662961

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卒研説明会 (小池研究室)
2014 年 1 月 25 日
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目次
. ゼミを行う曜日および時間帯 & 使用する教科書等
2. ゼミで研究する内容
1
. 平均曲率流・リッチ流の研究へと · · ·
(リッチ流は 3 次元ポアンカレ予想の証明に用いられた)
3
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1. ゼミを行う曜日および時間帯
& 使用する教科書等
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ゼミを行う曜日および時間帯 & 使用する教科書等
ゼミを行う曜日および時間帯 & 使用する教科書等
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ゼミを行う曜日および時間帯
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金曜日 14:30∼17:30
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教科書
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幾何学的変分問題 (西川青季著, 岩波書店)
第 1,2 章 曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
第3章
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
第4章
熱流の方法による (自由ホモトピー類内での)
調和写像の存在性証明
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ゼミを行う曜日および時間帯 & 使用する教科書等
ゼミを行う曜日および時間帯 & 使用する教科書等
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ゼミの進め方
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毎週、1 人か 2 人の方に発表をしてもらいます。
前後期、各々、2 度、簡単な試験 (30 分程度) を
行います。
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2. ゼミで研究する内容
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
Ωp.s. (M ; p, q) : リーマン多様体 (M, g) 上の点 p から q への
区分的に C ∞ 級の ([0, 1] を定義域とする)
曲線の全体
.
定義
.
L : Ωp.s. (M ; p, q) → R
∫ 1√
⇐⇒ L(c) :=
g(c0 (t), c0 (t))dt (c ∈ Ωp.s. (M ; p, q))
def
.
0
E : Ωp.s. (M ; p, q) → R
∫ 1
⇐⇒ E(c) :=
g(c0 (t), c0 (t))dt (c ∈ Ωp.s. (M ; p, q))
def
0
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
c ∈ Ωp.s. (M ; p, q) を固定する。
cs (−ε < s < ε) : c0 = c となる Ωp.s. (M ; p, q) 上の
C ∞ 級の曲線
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
R
cε/2
V
p
(M, g)
c c−ε/2
q
E のグラフ
E(c)
V
c
cs
Ωp.s. (M ; p, q)
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
c が滑らかであるとする。
.
L の第 1 変分公式
.
∫ 1
dL(cs ) 1
dLc (V ) =
=−
g((∇c0 c0 )t , Vt )dt
ds s=0
L(c0 ) 0 (
)
dcs V :=
ds s=0
.
.
E の第 1 変分公式
.
∫ 1
dE(cs ) dEc (V ) =
=−
g((∇c0 c0 )t , Vt )dt
ds
0 (
s=0
)
dcs V :=
ds s=0
.
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
注意
Ωp.s. (M ; p, q) : 無限次元フレシェ多様体
E : Ωp.s. (M ; p, q) −→ R
dEc : Tc Ωp.s. (M ; p, q) −→ TE(c) R = R
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
.
定義
.
c : L の臨界点 ⇐⇒
def
dL(cs ) ds = 0 (∀cs s.t. c0 = c)
s=0
dE(cs ) c : E の臨界点 ⇐⇒
= 0 (∀cs s.t. c0 = c)
def
ds s=0
.
.
定理
.
c : L の臨界点 ⇐⇒
.
c : E の臨界点 ⇐⇒ ∇c0 c0 = 0
(c : 測地線)
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ゼミで研究する内容
R
E のグラフ
∞ 次元
有限次元 (r)
c1
c2 c3
Ωp.s. (M ; p, q)
c1 , c2 , c3 : E の臨界点 (つまり、測地線)
r は臨界点 c2 の指数とよばれる。
臨界点 c1 , c2 の指数は 0 である。
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
c が測地線であるとする。
.
E の第 2 変分公式
.
.
d2 E(cs ) (∇dE)c (V, V ) =
ds2 s=0 )
∫ 1 ( 2
D V
=−
g
+ R(V, c0 )c0 , V dt
dt2
0
(
)
dcs V :=
ds s=0
(R : (M, g) の曲率テンソル場)
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ゼミで研究する内容
曲線のエネルギーと第 1,2 変分公式
Xc (M ) : c に沿うベクトル場の全体
Jc : Xc (M ) → Xc (M )
D2 V
⇐⇒ Jc (V ) :=
+ R(V, c0 )c0 (V ∈ Xc (M ))
def
dt2
この作用素 Jc は、測地線 c におけるヤコビ作用素とよばれる。
Jc を調べることにより、E の臨界点 c における指数を調べること
ができる。
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ゼミで研究する内容
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
(M, g) : コンパクトリーマン多様体
(N, ge) : リーマン多様体
C ∞ (M, N ) : M から N への C ∞ 写像の全体
(これは、無限次元フレシェ多様体)
.
定義
.
E : C ∞ (M, N )∫ → R
⇐⇒ E(f ) :=
.
def
p∈M
||dfp ||2gp ,egf (p) dvg (f ∈ C ∞ (M, N ))
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ゼミで研究する内容
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
f ∈ C ∞ (M, N ) を固定する。
fs (−ε < s < ε) : f0 = f となる C ∞ (M, N ) 上の
C ∞ 級の曲線
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ゼミで研究する内容
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
f が滑らかであるとする。
.
E の第 1 変分公式
.
dE(fs ) dEf (V ) =
ds .
∫
=−
s=0
g(τ (f ), V )dVg
)
dfs V :=
ds s=0
M
(
注意 τ (f ) は、τ (f ) := 4g f によって定義される f に沿うベ
クトル場で、f のテンション場とよばれるものである。
特に、f が等長はめ込みのとき、f の平均曲率ベクトル場と一致
する。
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ゼミで研究する内容
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
注意
E : C ∞ (M, N ) −→ R
dEf : Tf C ∞ (M, N ) −→ TE(f ) R = R
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ゼミで研究する内容
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
.
定理
.
. f : E の臨界点 ⇐⇒ τ (f ) = 0 (つまり、f : 調和写像)
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ゼミで研究する内容
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
f が調和写像であるとする。
.
E の第 2 変分公式
.
.
d2 E(fs ) (∇dE)f (V, V ) =
ds2 s=0
∫
(
)
e
=−
g 4g V + Trg R(V,
df )df , V dvg
M
(
)
dfs V :=
ds s=0
e : (N, ge) の曲率テンソル場)
(R
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ゼミで研究する内容
写像のエネルギーと第 1,2 変分公式
Xf (M, N ) : f に沿うベクトル場の全体
Jf : Xf (M, N ) → Xf (M, N )
e
⇐⇒ Jf (V ) := 4g V + Trg R(V,
df )df (V ∈ Xf (M, N ))
def
この作用素 Jf は、調和写像 f におけるヤコビ作用素とよばれる。
Jf を調べることにより、E の臨界点 f における指数を調べるこ
とができる。
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ゼミで研究する内容
熱流の方法による自由ホモトピー類内での調和写像の存在性証明
.
定理 (Eells-Sampson)
.
(M, g) をコンパクトリーマン多様体,(N, ge) を非正曲率をもつ
リーマン多様体とする。このとき、各 f ∈ C ∞ (M, N ) に対し、
f
. と自由ホモトープな調和写像が存在する。
証明方法 無限次元多様体上のモース理論を参考に、熱流の方法
(heat flow method) とよばれる方法を用いて示される。
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ゼミで研究する内容

 ∂fs
= τ (fs )(= 4g fs )
∂s
 f =f
0
R
f
E
τ (•) = −(grad E)•
s 7→ fs
C ∞ (M, N )
f∞
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ゼミで研究する内容
熱流の方法による自由ホモトピー類内での調和写像の存在性証明
f∞
(i)
f
(N, ge)
(M, g)
(N, ge)
(ii)
(M, g)
f = f∞
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ゼミで研究する内容
熱流の方法による自由ホモトピー類内での調和写像の存在性証明
熱方程式
∂ft
= 4g ft
∂t
は、非線形放物型偏微分方程式であり、任意の滑らかな初期デー
タに対し、短時間における解の一意存在性が示される。
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ゼミで研究する内容
平均曲率流
大学院進学希望者のために、発展的内容について紹介します。
M : m 次元コンパクト多様体
(N, ge) : n(> m) 次元リーマン多様体
Imm∞ (M, N ) : M から N への C ∞ はめ込みの全体
ft (0 ≤ t < T ) : Imm∞ (M, N ) 上の C ∞ 級の曲線
(1)
∂ft
∂t
= Ht
(Ht : ft の平均曲率ベクトル場) が成り立つとき、
ft (0 ≤ t < T ) を平均曲率流とよぶ。
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ゼミで研究する内容
平均曲率流
注意
(N, ge) がユークリッド空間のとき、Ht = 4gt ft (gt := ft∗ ge)
となり、それゆえ、(1) は、
∂ft
∂t
= 4gt ft
となる。これは、非線形放物型偏微分方程式であり、任意の滑ら
かな初期データに対し、短時間における解の一意存在性が示さ
れる。
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ゼミで研究する内容
リッチ流
M : コンパクト多様体
RM∞ (M ) : M の C ∞ リーマン計量の全体
gt (0 ≤ t < T ) : RM∞ (M ) 上の C ∞ 級の曲線
(2)
∂gt
∂t
= Rict
(Rict : gt のリッチテンソル) が成り立つとき、gt (0 ≤ t < T )
をリッチ流とよぶ。
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ゼミで研究する内容
リッチ流
3 次元ポアンカレ予想は、リッチ流を用いて次のように証明さ
れた。
Σ3 を 3 次元ホモトピー球面とする。
Σ3 のリーマン計量 g を任意にとり、g0 = g となるリッチ流 gt
を考える。
gt は、有限時間 (これを T とする) で爆発をしてしまう。
爆発をする寸前に手術をする。
そして、その手術をして得られるリーマン計量を g1 とする。
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ゼミで研究する内容
リッチ流
g1 を発するリッチ流 (g1 )t を考える。
(g1 )t は、再び有限時間 (これを T1 とする) で爆発をしてしまう。
爆発をする寸前に、再び手術をする。
そして、その手術をして得られるリーマン計量を g2 とする。
この操作を有限回繰り返すことにより、良いリーマン計量に到達
する。
Σ3 がその良いリーマン計量を許容することから、3 次元球面 S 3
と同相であることが示される。