Title Metabolic Engineering of Aspergillus oryzae by Polyol Dehydrogenase Gene Mutants for Increased Xylitol Production( 内容と審査の要旨(Summary) ) Author(s) ASIF MAHMUD Report No.(Doctoral Degree) 博士(農学) 甲第604号 Issue Date 2013-03-13 Type 博士論文 Version none URL http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/47987 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。 氏 名(本(国)籍) (バングラデシュ人民共和国) ASIFMAHMUD 学 位 の 種 類 博士(農学) 学 位 記 番 号 農博甲第604号 日 平成25年3月13日 学位授与年月 学位授与の要件 学位規則第3条第1項該当 研究科及び専攻 連合農学研究科 生物資源科学専攻 研究指導を受けた大学 岐阜大学 学 MetabolicEngineeringofA申eZgiL[zLSαJ:ア詔eby 位 論 文 題 目 PolyoIDehydrogenaseGeneMutantsfor IncreasedXylitoIProduction (キシリトール生産増強のためのポリオールデヒ ドロゲナーゼ遺伝子変異による麹菌A甲印画批β 審 査 委 貞 会 文 授 鈴 木 徹 裕 副査 岐阜大学 教 授 高見澤 副査 静岡大学 教 授 小 川 一直 論 以y詔eの代謝工学) 主査 岐阜大学 教 人 副査 愛知県産業労働部 北 本 則 行 の 内 容 の 要 旨 キシリトールは5つの炭素からなる糖アルコールで、フルーツや野菜にたくさん存在 する。そして甘味度が高いけれども低カロリーであるため糖尿病患者の甘味料として適 している。また、抗う食性でもあるため、食品工業での利用価値が多い。現在、年間約 30000トンが世界で生産されており、主としてD・キシロースに水素添加して製造され ている。しかし、キシロース.に富んだヘミセルロースの加水分解物を得るために農業廃 棄物やワラを利用して生物的に生産することは潜在的に低コストと考えられるため魅 力的である。そして、キシリトール生産のために3種類の酵母が研究されている。すな わち、キシロース資化性の野生酵母、キシロースレダクターゼ組換え励α血御 仁eJ℃血ねe、キシリトールをペントースリン酸経路に導入する1次代肘もしくは2次代 鮒に関連する酵素をコードする辻伝子を破壊した変異株である。キシロース発酵酵母で は、NAD(P)Ⅱ依存性キシロースレダクターゼ(Ⅹ郎によって基質であるキシロースは直 接キシリトールに還元される。他の炭素源がない場合は、キシリトールはNAD+依存性 キシリトールデハロゲナーゼ(ⅩDH)によってDヰシルロースに酸化される。結果とし て、大部分のキシロースは代射されるので、キシリトールの生産性を最適化するには高 いⅩRⅨDH比が必要となると仮定できる。これまでの研究例では、C白月血由卸由血 のⅩDH破♯株が最も高いキシリトール生産収率を示し、グリセロールを生育と NA刀ゼH再生の共基質として利用することによってキシロースからキシリトールヘほ -70- ぼ100%変換している。 Cお刀血由加画血のようなキシロース変化性酵母はD一キシロースからキシリトー ルへの代鮒に関する一連の酵素を持っているが、ほとんどの酵母はキシラナーゼやキシ ロシダーゼのようなキシラン分解に関与する酵素群は保有していない。そこで、リグノ セルロースからキシリトール生産に関する適切な酵素群を保有しているA群喝血玩 αり切eを選んだ。A甲印画払臥呵四郎は、日本やアジア諸国で歴史的に古くから食品の 発酵に使われ一般的に安全と認められている。 A.御e はキシランをD-キシロースにそしてキシリトールに代謝できる。しかし、 キシリトールの蓄耕はキシリトールデハロゲナーゼとアラビトールデヒドロゲナーゼ (IAD)のようなデヒドロゲナーゼで制御され、その後ベントースリン酸経路に入る。 A.叩e では、ⅩDHとLADは各々、新仏A遺伝子と血d4遺伝子にコードされてい る。A.以:搾沼eの都肋Aと血d4を破壊した変異株では、ⅩdhA2-1株が最も高いキシリ トール生産性を示した。すなわち、D・キシロースと大麦キシランをそれぞれ基質とした 場合のキシリトール生産性は親株であるEBN616株と比較して各々4借と10倍であっ た。血d4破凍株である1adA2・1株は親株よりも低い生産性であった。血d4破♯株には、 ⅩdbAが存在しているためキシロース代酎に大きな影響を与えず、その結果キシリトー ル生産性は増加しなかった。血d4のキシリトール蓄積への影響を評価するためには、 ⅩDHとⅠ.ADAの両方を欠損した二重破凛株の取得が必要である。 次に、劇仏A遺伝子と血d4辻伝子を別々にもしくは一緒に削除した。血削除株は 最大のキシリトール生産性を示した。親株と比較して収率が3倍増加した。血慮4削除 株は通A削除株と同様の結果を示した。2重削除株はキシロースの消費と増殖が著し く低下したが、親株の2倍のキシリトール生産性であった。劇劫A削除株、血d4削除 株そして2重削除株のキシロースからのキシリトール収率は、共基質なし、通気制御な しのバッチ培養で25-33%であった。 都仏A削除株と血d4削除株のⅩR活性は親株と比較して増大したが2圭削除株の ⅩR活性は192時間目の培養から低下した。劇仏A削除株、血dA削除株そして2圭削除 株のⅩDH活性は親株より明らかに減少し、特に2圭削除株の活性低下が顕著であった。 しかし、ある程度のⅩDH活性が各変異株で測定された。これは、他のⅩDHの相同辻 伝子がA.御e に存在することを示唆した。A.α耶甘e のゲノムを相同性検索した 結果、ズ戯Aについては5つの相同辻伝子が、血d4では3つの相同辻伝子が見つかっ た。その他のペンティトールデヒドロゲナーゼ辻伝子は劇蕗Cとして我々の研究室から すでに、報告している。そこで、キシリトール生産へのこれらの辻伝子の影響を調べる ために一つずつ辻伝子破♯を行って変異株を取得した。 劇蕗A相同辻伝子破壊株であるAOO900200006635株とAOO90701000411株は高い キシリトール生産力と最高のⅩRⅨDH比を240時間の培養で示した。血d4相同辻伝子 破♯株であるAOO90009000575株は親株よりも高いキシリトール生産を示した。さら に、∬dかC相同辻伝子破♯株であるAOO90012000211株も親株よりも高いキシリトー ル生産を示した。これらの結果から、キシリトール蓄積の向上には、劇蕗A相同辻伝子 と血d4相同遺伝子の両者の破壊株が必要であることが示唆された。 -71- 審 査 結 果 の 要 旨 ASIFMAHMUDは、農産廃棄物から1種類の微生物でキシリトールを生産するこ とを目的とし、A卑旭呼びぴg御eを選んだ。A.α:叩招eは、リグノセルロースから キシリトール生産に関する適切な酵素群(キシラナーゼ、キシロシダーゼ、キシリト ールリダクターゼ(ⅩR))を保有している。キシリトールの蓄積はキシリトールデ ハロゲナーゼ(ⅩDH)とアラビトールデヒドロゲナーゼ(皿)のようなデヒドロゲ ナーゼで制御されている。A.叩e では、ⅩDHと皿は各々、劇肋A遺伝子と 血d4遺伝子にコードされている。そこで、これらの遺伝子を破壊ないし削除した変 異株を取得し、キシリトール生産の向上を目指した。 A.叩甘eの劇と血d姐を破壊した変異株では、ⅩdhA2-1株が最も高いキシリ トール生産性を示した。すなわち、D-キシロースと大麦キシランをそれぞれ基質と した場合のキシリトール生産性は親株であるⅩBN616株と比較して各々4倍と10倍 であった。血dA破壊株である1adA2-1株は親株よりも低い生産性であった。 血d4破♯株には、ⅩdhAが存在しているためキシロース代謝に大きな影響を与えず、 その結果キシリトール生産性は増加しなかった。 次に、劇払4遺伝子と血必達伝子を別々にもしくな一緒に削除した。戯蕗A削除 株は最大のキシリトール生産性を示した。親株と比較して収率が3倍増加した。血d4 削除株は都肋A削除株と同様の結果を示した。2重削除株はキシロースの消費と増殖 が著しく低下したが、親株の2倍のキシリトール生産性であった。劇削除株、血舶 削除株そして2重削除株のキシロースからのキシリトール収率は、共基質なし、通 気制御なしのバッチ培養で25-33%であった。以前のC蜜月血由加如由血を用いた 我々の研究でキシリトール生産性の向上方法を示している。それは、通気因子の選 定・調整、グルコースの共基質としての流加、と細胞の固定化である。これらの方法 を応用すればズd良d削除株、血d4削除株そして2圭削除株のキシリトール生産性は 一層向上すると考えられる。 劇脆A削除株と血d4削除株のⅩR活性は親株と比較して増大したが2重削除株 のⅩR活性は192時間目の培養から低下した。戯娩A削除株、血dA削除株そして2 重削除株のⅩDH活性は親株より明らかに減少し、特に2重削除株の活性低下が顕著 であった。しかし、ある線度のⅩDH活性が各変異株で測定された。これは、他の のゲノム に存在することを示唆した。A.御e ⅩDHの相同遺伝子がA.αり懲e を相同性検索した結果、劇蕗Aについては5つの相同遭伝子が、血dAでは3つの相 同遺伝子が見つかった。その他のペンティトールデヒドロゲナーゼ遭伝子は∬dかCと して我々の研究室から報告している。そこで、キシリトール生産へのこれらの遺伝子 の影響を調べるために一つずつ連伝子破壊を行って変異株を取得した。劇劫A相同辻 伝子破♯株であるAOO900200006635株とAOO90701000411株は高いキシリトール 生産力と最高のⅩR/ⅩDH比を240時間の培養で示した。鬼慮4相同辻伝子破♯株で あるAOO9000?000575株は親株よりも高いキシリトール生産を示した。さらに、 劇血C相同遺伝子破壊株であるAOO90012000211株も親株よりも高いキシリトール 生産を示した。これらの結果から、キシリトール蓄積の向上には、都仏A相同遭伝子 と血d4相同辻伝子の両者の破壊株が必要であることが示唆された。 ー72- 以上について、審査員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文 として十分価値あるものと認めた。 これらの研究は以下の雑誌に発表している。 by 1.Xylitolproduction NAD+-dependent L-Arabito卜4-dehydrogenase(]ad4)-disrupted Nakamura,and of mutants A5peZgIllus Hongwen,NL)riyukiKitamoto,Tohru Mahmud,Koji日attori,Chen Xazuhiro Takamizava,Journalof and xylitoldehydrogenase(x肋4)omae.Asif Suzuki,Kohei Bioscience Bioengineering,in and preSS 2.NAD†-dependent L-arabito卜4-dehydrogenase xylitoldehydrogenase(xau)and (]ad4)deletionmutantsofA5PeZYl]]usoz7mefori皿prOVedxylitolproduction.Asif Mah皿ud,ⅩojiHattori,Chen Naka皿ura,and Kazuhiro Hongven,NoriyukiKita皿OtO,Tohru Takamizawa,Bioteclm0logy -73- Letters,in Suzuki,Kohei press
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