車載用高温低損失Mn-Zn 系フェライト材料 (PDF: )

新製品紹介
車載用高温低損失 Mn-Zn 系フェライト材料
Mn-Zn Ferrite with Low Loss at High Temperature for Vehicles
Ferrite material:MB20D
車載用磁性コアには Mn-Zn 系の
スの適正化(組織制御)を行い,高い
新材料
「MB20D」の 使 用 に よ り,
フェライト材が使われており,
小型・
飽和磁束密度と低損失化を両立する
トランスの小型軽量化・高効率化,
高性能で信頼性の高い材料が求めら
ことを可能とした(図 2)。
低消費電力化への寄与が期待でき
れている。中でも,より一層の信頼
1.特 長
る。
性向上のためには,高温特性の向上
新材料「MB20D」は,日立金属従
2.用 途
が必要である。
来の高飽和磁束密度低損失フェライ
車載用各種トランス,民生用各種
日立金属はこの課題に対し,車載
ト材
(民生用,車載用)と比べ,以下
トランス,チョークコイル等
トランス用のコア材として,高い飽
の特長を有する。
日立金属は車載用ですでに上市し
和磁束密度(Bs)を有し,かつ高温
(1)同等以上の飽和磁束密度(Bs)を
ている高飽和磁束密度高温低損失
側まで損失(Pcv)を低減したフェラ
有し,特に高温側での Bs 特性を
フェライト MB19D 材,広温度域低
イト材「MB20D」
を開発した
(図 1)
。
大 幅 に 改 善( 日 立 金 属 従 来 品
損失フェライト ML33D 材と併せ車
ML33D 対比 25%)
(図 3)。
載用材料の拡充を今後も継続してい
「MB20D」の開発には,主組成の
(2)高温側
(130℃近傍)
の損失
(Pcv)
微量成分の探索・適正化 ,並びに損
を大幅に改善
(ML33D 対比 30%)
失の原因となるヒステリシス損失と
し,高い信頼性を必要とする車載
渦電流損失の解析による焼成プロセ
用トランス用途に対応(図 4)。
20 mm
図 1 トランス用各種フェライトコア
Fig. 1 Ferrite cores for transformers
Saturation magnetic flux density (Bs)
at 130℃
配合と高温特性の改善を可能とする
く予定である。
(磁性材料カンパニー)
450
New material
Conventional materials
for consumers
400
350
300
Conventional materials
for vehicles
250
300
350
400
450
500
550
600
Core loss (Pcv) at 130℃
1,000
550
MB20D
New material
500
450
MB19D
Conventional material
400
350
ML33D
Conventional material
300
0
20
40
60
80
100 120 140 160
Temperature (℃)
図 3 飽和磁束密度の温度特性
Fig. 3 Temperature dependence of saturation magnetic flux
density (Bs)
58
日立金属技報 Vol. 30(2014)
Core loss, Pcv (kW/m3 )
Saturetion magnetic flux density, Bs (mT)
図 2 飽和磁束密度と磁心損失の関係
Fig. 2 Relationship between saturation magnetic flux density (Bs)
and core loss (Pcv)
MB19D
Conventional material
800
MB20D
New material
600
400
ML33D
Conventional material
200
0
20
40
60
80
100 120 140 160
Temperature (℃)
図 4 磁心損失の温度特性
Fig. 4 Temperature dependence of core loss (Pcv)