アパタイト型ランタンシリケートの 電気伝導度に対するMn置換の効果 1 拓, 丸山 引間 2 和浩 , 岸本 3 治夫 , 堀田 3 照久 , 山地 3 克彦 , 山﨑 1,2 淳司 1. 早稲田大学大学院 2. 早稲田大学 3.産業技術総合研究所 e-mail : [email protected] Experimental Introduction アパタイト型ランタンシリケート(La9.33+xSi6O26+1.5x)[1] 作製手順 試料 ①酸化物イオン伝導体 プレス (uniaxial press,10kPa) LSO :La10Si6O27 LMSO :La9.9Mn0.1Si6O26.95 仮焼 (1400℃10h) ②温度依存性が小さい(Ea=0.5~0.7) La2O3 ③c軸へのイオン伝導性が高い 特 徴 ④x>0以上(La過剰)で,(1)式のように格子 La2O3 → + ′′ 𝟑𝐎𝒊 粉砕 (ball mill:250rpm 60min) MnO2 成型 (CIP:392MPa) 加熱 (800℃5h) 間酸素が発生し、O2aの伝導に関与 ●●● 𝟐𝐋𝐚𝒊(𝑳𝒂) SiO2 本焼 (1700℃10h) (1) 混合 (ball mill;250rpm 60min) Fig. crystal structure of apatite-type lanthanum silicate [2] ⇒700℃以下で作動するSOFC電解質材料へ の応用が期待 イオン伝導度測定 Laサイトへの部分置換の影響 遷移元素:置換例は少数だが、いずれも減少(Mnなど[4]) 約1㎜ Gas flow system ②1000℃,2時間で焼き付け 遷移元素置換時の伝導度への詳細な影響は未知 ③交流インピーダンス測定 ・温度条件 : 250~400℃ ・Airガス流量 : 50ml/min 目的:Mn部分置換時の相分析と低温時のインピーダンス測定を 行うことで、バルクと粒界の状態変化を調べる。 Result (3μ diamond slurry) 約8㎜ ①研磨面にPtペーストでPtメッシュ を接着 アルカリ土類元素:SrとBaを置換することで電気伝導度向上[3] 研磨 Air PC furnace out Versa stat 4 Sample Thermocouple thermometer FitResult ②電気伝導度と電気容量(250-400℃) ①粉末XRD測定結果 400℃ 350℃ : La2SiO5 -5000 250℃ LSO No mark : La10Si6O27 Intensity [cps] 300℃ frGB frbulk(Hz) Z'' -2500 : GB bulk 0 0 2500 5000 electrode 7500 10000 Z' LMSO LMSO 1700℃10h LSO 電気伝導度σE LSO 1700℃10h 15 20 25 30 35 40 2θ[°] MnをLaサイトに置換すると第二相 の回折ピークが消える σE = L/SRE L: 試料厚み S: 試料面積 RE: 抵抗 ③粒径 Discussion LSO ①バルクへの影響 LMSO バルクでは伝導度の低下が確認 された。 MnはLaサイトでMn2+として存在 する[5]。(2)式のようにMnをLaサイ トに置換すると,(1)式のLaだけのと きよりも格子間酸素が減少する。 10μm 10μm 粒径:LSO < LMSO 電気容量CE CE = σE/(2πfr) fr: 頂点周波数 図.バルクと粒界の電気伝導度 電気伝導度でのMn置換の効果 バルク伝導度:低下 粒界伝導度 :ほぼ同等 バルク容量:低下 粒界容量 :低下 ③容量への影響 粒界では、伝導度は変化が見られなかった。 Mn置換による格子間酸素の減少によって、粒界伝導度は低下する はずである。しかし、粒界に存在する第二相[6]の生成がMnの置換 によって抑制され、酸素イオンのブロッキング効果が減少した。それ が伝導度を向上させる効果をもたらし、結果として見かけ上の粒界 の伝導度に変化がなかったと考えられる。 La2SiO5 その結果キャリア密度が減り、伝導 度が低下したと推測される。 apatite Mn-apatite LSO Conclusion 1. MnをLaサイトに置換すると、第二相(La2SiO5)の生成が抑制された。 2. 相対的に低温での交流インピーダンス測定の結果より、バルクと粒界の成分に分離する ことに成功した。また、Mnを置換した場合、バルクと粒界の電気伝導度の変化に違いが見られ 第9回 新エネルギー技術シンポジウム (2014. 3. 5 - 7, 筑波大学) 電気容量でのMn置換の効果 ②粒界への影響 ●●● ′′ La2O3 → 𝟐𝐋𝐚𝒊(𝑳𝒂) + 𝟑𝐎𝒊 (1) ●● MnO → 𝐌𝐧𝒊(𝑳𝒂) + 𝐎′′ 𝒊 (2) た。 図. バルクと粒界の電気容量 C = εS/d の式から考える と、粒径が大きくなると、厚さ dの増加幅より断面積Sの 増加幅の方が大きくなる。そ のため、本来Mn置換後の 容量は増加するはずだが、 実験結果ではバルクと粒界 のどちらも低下した。そのた め、Mnが容量を減少させる 効果が与えたと考えられる が、今後さらなる検討が必 要である。 LMSO Reference [1] Susumu Nakayama, et al., Chemistry Letters, 1995, 24, 431-432 [2] Welcome to Apatite Ionic Conductivity Home Page [3] Lan Zhang, et al, international journal of hydrogen energy, 2011, 36, 6862-74 [4] E. Kendrick, et al., Materials Research Bulletin, 2009, 44, 1806–1809 [5] Julian R. Tolchard, et al.,Adv.Funct.Mater, 2007, 17, 2564-2571 [6] ] Pengfei Yan, et al., ACS Appl. Mater. Interfaces, 2013, 5, 5307−53
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