2014.2 デフレ脱却は、内部留保を活用し大幅賃上げ 不況でも増える 大企業の内部留保 バ ブ (兆円) ル 200 崩 壊 米国発金融危 272 機 241 205 172 124 100 92 00 05 08 12(年度) この十数年で主要国のうち、GDP(国内総 生産)と賃金が下がったのは日本だけです。 賃下げや非正規を増やしつづけた結果、 2012年民間給与実態統計調査は、2002年と 比べて給与所得者数は165万人増えました が、企業が支払った給与総額は16兆8千億 円も減少しまた。また平均賃金は年間60万 円減の408万円、所得税も1兆余も減ってい ます。 このようなデフレ状況を克服するためには 賃上げが必要なことは政府も認めています。 財源は十分にあります。大企業だけで27 2兆円(NTTは9兆7千億円)の内部留保(貯 め込んだ利益)の数%で大幅賃上げや正社 員化は可能です。 資本側が狙う、賃上げの政労使協定 (日本総研・山田久チーフエコノミストの提言と同様) デフレ脱却のカギを握る賃金の上昇に向け、政府、経済界、労働組 合の3者で協定を結ぶ構想が官民で浮上している。企業が賃上げする 代わりに労働者は雇用の流動化を受け入れ、政府が財政面で後押し する。 政府の産業競争力会議は、再就職支援金の支払いを条件に従業員 の解雇を認めるといった解雇ルールの見直しや、勤務地や職種を限っ た正規と非正規の中間的な雇用形態の導入を議論している。賃上げを 確約する代わりに、こうした労働者の移動を促す改革を進める。 (2013/3/24 日本経済新聞 ) 2 安倍の賃上げ論と一体の雇用破壊案 労働者派遣の事実上の自由=春闘後国会審議入りか? 「臨時的・一時的業務」に限定し、常用雇用の代替にしてはなら ないという大原則の見直しを提起。 人を入れ替えればいつまでも派遣を使い続けられることになり、 使い捨て労働が急増する危険。 すでに、厚生労働省の労働政策審議会部会より、昨年12月骨 子案が示されている。 「限定正社員」のルールづくり 日本の正社員は「無限定」な過酷な働き方だとして、勤務地や職 務を限定した「限定正社員」のルールづくりを提起。 しかし、「限定」の代わりに賃金等は引き下げで、その仕事や勤 務地(店舗)がなくなれば解雇という仕掛け。また、「無限定正社 員」で残りたければ、文句もいえずいっそうの長時間労働が強いら れる。 経団連会長が復興増税の早期打ち切りを歓迎 賃上げ方向は容認(13.9.24 産経新聞) 経団連の米倉弘昌会長は24日の会見で、政府 が「復興特別法人税」の実施期間を1年前倒しし て今年度で打ち切る方針を示していることに「法人 税引き下げの第一歩だ。非常に歓迎する」と評価 した。 消費税を上げて法人税を下げるのは企業優遇と の批判にも「企業業績が高まれば雇用も上がり賃 金水準も上がってくる」として消費増税分の家計負 担は賃上げでカバーできると強調した。 労働政策も労働移動型に大転換 「企業から人が動く」を促進するために、雇用維持の予算を半減 させ、労働移動型に雇用政策も大転換。 そのため、民間人材ビジネスを重用して、ピンハネと非正規化を 促進。 また、「特区」を使って、一定の地域や会社によっては、残業代ゼ ロのホワイトカラー・エグゼンプションを導入しようという動き。 3 大幅賃上げと暮らしを守るたたかいをセットに 4月以降値上げラッシュか? 4月には消費税増税が控える。BNPパリバ証券の河野龍太郎 氏は「企業は増税に伴い商品の価格を改定する際、これまで控え ていた(仕入れ価格アップなどの)コスト増の転嫁を一気に行う可 能性がある」と指摘。増税に合わせて「本体」の価格そのものが値 上げされる製品が増えると予想している。(14.2.1 東京新聞) 新生銀行:サラリーマン2000人調査 表1:2013年に比べての負担増額 単位:円 2014年 2015年 年間収入 消費税8% 厚生年金保 消費税10% 負担増 険料負担増 負担増 ∼300万 57,529 4,189 95,882 ∼400万 70,887 6,176 118,146 ∼500万 78,869 7,892 131,448 ∼600万 87,590 9,653 145,984 ∼700万 95,561 11,419 159,269 ∼800万 101,222 13,177 168,704 ∼900万 110,225 14,939 183,709 ∼1000万 115,128 16,691 191,880 1000万∼ 142,147 24,639 236,911 高齢無職世帯 78,382 *21859 130,636 みずほ総研の試算 *は年金減少額 4 労働条件維持・向上にまわす財源は十分にある 表2:Comの財務状況 (億円) 表3:東の財務状況 (億円) 当期 利益 配当金 当期 利益 配当金 年度 年度 純利益 剰余金 支払い 純利益 剰余金 支払い 00 422 590 0 00 200 796 0 01 -4,107 -3,825 0 01 -1,867 -1,867 0 02 136 136 0 02 303 3,035 0 03 241 254 0 03 579 579 30 04 246 412 0 04 581 835 324 05 314 639 0 05 512 1,012 335 06 303 855 87 06 843 1,520 335 07 627 1,392 90 07 968 2,154 335 08 890 2,133 150 08 775 2,594 335 09 606 2,590 150 09 505 2,765 335 10 689 3,130 150 10 523 2,953 335 11 583 3,563 150 11 321 2,939 335 図1:つみあがるNTTの巨額利益 2000年度 2012年度 内部留保 8兆8800億円 9兆7600億円 株主配当金 5,000円 16,000円 自社株買い ゼ ロ 1兆9100億円 (累計金額) 14春闘一次要求書 1項より 2014年度の特別手当を基準内賃金の6か月分を支給すること。理由は以下のとおりである。 NTT東日本の売上高は、2000年度のピーク時と比べて2012年度は約1兆円減となっている。 しかし、利益剰余金は2000年度約800億円に対して2012年度は約3,100億円と4倍近く増え ている。 加えて、持ち株会社への配当金支払い累計額は、コミュニケーションズが約1,000億円に 対して東日本は約3,000億円と極めて多い。これらの利益の余剰金は社員全体で生み出し たものであるが、この10年余前と比べて一般職一級の年収は100万円前後減額のまま推移 している。よって、2014年度の特別手当を基準内賃金の6か月分を支給すること。なお、資格 賃金の引上げ等については別途要求とする。 5 春闘アンケート集約、単純平均4万円の賃上げ要求 賃上げ額 14春闘 回答数 0円 1万円 2万円 3万円 4万円 5万円 7万円 10万円 その他 無回答 小計 単純平均 13春闘 率(%) 1 9 14 33 3 20 0 12 0 2 94 回答数 1.1 9.6 14.9 35.1 3.2 21.3 0.0 12.8 0.0 2.1 100 40,000円 年 賃金減額の推移 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 ベアゼロはじまる 0 7 10 34 1 35 5 26 1 3 122 料金等の業務委託先の変更 成果主義賃金の再改悪 新賃金制度導入 率(%) 回答数 0.0 5.7 8.2 27.9 0.8 28.7 4.1 21.3 0.8 2.5 100.0 49,426円 年度末手当廃止、成果主義導入 退職・再雇用導入 退職手当に成果主義の導入 企業年金の改悪 賃貸の住宅補助費の廃止 成果主義賃金の改悪 12春闘 0 8 12 38 1 43 6 26 0 1 134 10年余の年収推移の組合員の感想 率(%) 0.0 6.0 9.0 28.4 0.7 32.1 4.5 19.4 0.0 0.7 100 ・10年間で1500万円から1800万円の賃 下げに愕然とする(茨城支部 退職・再雇 用)。 ・賃金が全く上がっていない(千葉支部 満 了型)。 49,776円 茨城地域 ME・東京 61才 60歳 684万 691万 629万 524万 481万 487万 484万 487万 479万 478万 478万 479万 509万 契約社員 807万 不明 778万 755万 672万 635万 642万 638万 636万 632万 640万 637万 637万 649万 NTT東 63歳 823万 777万 730万 725万 726万 726万 716万 711万 711万 711万 710万 ・2000年以降賃上げが無く、また夏季手 当・年末手当も毎年のように所得税などが 増え差し引き現金支給額が減っています。 妻は病気で働いていません。 長男は就職し寮暮らし、次男は今年大学 受験です。入学するまでに200万円かかる。 後2年で退職だが働かないと生活できな い。5万円の賃上げを要求します (千葉支部 満了型)。 定年退職 ----- 6 新賃金制度の要旨 表1:NTTの人事・賃金制度の比較 賃金制度 現行制度 1級普通評価の昇給額 賃 下 げ 額 年間5,240円上昇 ①50歳退職・再雇用で月額15∼30%減額 52歳で昇給ストップ 総額で1,000万円∼1,900万円減 ②NTTに残れば賃金減額なし 全員が30歳代からの減額 総額1,500万円減 (減額分が60歳超の財源となる) 年間2,460円上昇 新制度 50歳で昇給ストップ(現行の 41歳水準で昇給ストップ) 配 転 等 都道府県域 限定 東日本全域 東日本全域 以上のような広域業務集約には、もはや退職・再雇用制度は不要です。 従って、NTTは、65歳雇用義務化を口実に51歳以下の労働者には、表1のとおり、自らは支 出増にならないような、新たな人事・賃金制度を創設しました。 13年12月の交渉より (組合) 新賃金は採用から60歳までに、約1500万円を減額し、その分を60歳から65歳までの 賃金原資に充てるとしているが、60歳以降の年収300万円、400万円は担保されるのか。 (会社) 60歳からの年収額300万円、400万円は努力はするが、経営環境の変化もあり、10年後、20 年後、年収300万円、400万円を支給するとは確約できない。 経営側へ当然の責務として60歳超え賃金財源の別会計化を要求 7 2012年11月8日鵜浦NTT持ち株会社社長の記者会見の骨子 働く者から搾りとった資金でグローバル化を目指す コスト削減1,000億円プラス 1兆9千億円の自社株すべてパー 2014年2月6日鵜浦社長記者会見 当初計画で掲げた4,000億円の削減目標を第2四半期決算会見でご説明したとおり1,000億円プラスし 5,000億円の目標にしました。その5,000億円に対しても順調に進捗しており、第2四半期で4,000億円に 対して70%の進捗と申し上げましたが、第3四半期で5,000億円に対して70%の進捗になっています。 株主還元については、11月に1億8,700万株の金庫株の消却も実施しました。 8 グローバル企業を目指すNTTのリスク NTTはどこへ行くのか 新中期経営計画を読み解く=小池良次 米国のインターネット、通信業界を専門とするジャーナリスト= 現在、米国や日本では活発なモバイル・ブロードバンド整備競 争が展開されていますが、欧州のモバイル・ブロードバンド整備 は難航しており、その状況は目を覆うばかりです。欧州経済危機 の影響もありますが、マーケットが成熟し経済成長率が低下した 欧州のテレコミュニケーション・ビジネスは、水道やガス、電気な どと同じ公共サービスへと向かっています。 正直なところ、欧州のような公共サービス型の安定経営という 選択肢もNTTグループにはあったと思います。しかし、同グルー プはグローバル路線を狙っています。米国と比較しても、これほ ど先鋭に構造改革を明言し、走っている通信事業者はないでしょ う。逆に言えば、これからのNTTグループには間違いなく多くの 試練が待ち受けています。 NTTグループは積極的なM&A(合併・買収) で情報システム構築会社やクラウド会社を傘下 におさめており、NTTコムのデータ回線網と組み 合わせて世界のグローバル企業にサービスを売 り込む。 NTTはグループをあげてIT(情報技術)サービス 事業の拡大に取り組んでおり、クラウドを軸に12 年度からの5年間でグループの海外売上高を 200億ドルに倍増させる目標を掲げる。 (2013/10/28 日経新聞) 正しい経営判断をしても数千億円から一兆円程度の損失が出 ることはあり、そうした覚悟がなければ、このグローバル路線を走 れないと思います。たぶん、マスコミや投資家からの反発も多い ことでしょう。しかし、いま挑戦しなければ、NTTは成長の機会を 失います。幸い、欧州の通信事業者に比べ、NTTグループはい まだ、そうした試練を乗り越える知力と企業体力を持っているの ですから。 (注)2000年初頭、ITバブル期にNTTは海外進出に 失敗し、多額の損失を出しています。 9 10 NTT東日本の新リストラ計画:業務運営体制の見直し ①東日本会社は、全国を6つの ブロック事 業部に再編し、この事業部ごとに業務を集 約。 ②各県ごとの総合会社は4つの新会社と6 つのブロック事業部に再編。 ③管理・企画・戦略業務は東日本会社と新 総合会社等と兼任し、事実上は総合会社は 東日本に吸収されたように見えます(別紙 2-1∼4)。 ④113業務集約は、南関東会社に業務を集 約し、17(H29)年には東日本エリア全体のラ ンダム受付。職場統廃合はフリーハンドとな ります(別紙3) 。 ⑤フロント系業務(116業務)会社の、全国1 社化も113業務と同様の狙いと考えます(別 紙4)。 13.5.27NTT東日本提案(別紙1ご参照) ⑥相互接続受付業務(別紙5)や共通系業 務(別紙6)の集約 11 ネットワーク設備の大幅削減 図2:ネットワーク設備の大幅削減計画 《2012年末》 専 LD-SLT/XC 8,400架 用 CNE/SLM 7,700架 70%減 系 DSM/DSM-L 4,400架 《2017年末》 CNE,SLM,LD-SLT/XCの DSMへの巻き取りにより 総設備数6,700架 伝 NNI系 送 (TCM,XCM等) 系 リング系 13,400架 80%減 NNI系,ADM10Gの PTMへの巻き取りにより 総設備数3,000架 D60/改良D60 交 D70/改良D70 換 系 MHN-S(IC) MHN-S 80ユニット 500ユニット 70%減 80ユニット 680ユニット D70/D60の新ノードへの 更改、新ノードの統合 によるスリム化により 総設備数340ユニット 2,400架 MEの事業計画では、①東日本の売上高の漸減によ る利益減。②利益確保のため設備の除却(廃棄)をす すめ、300億円の利益を確保する。設備を廃棄すれ ば固定資産や電気代、保守委託料が減少する、と説 明しています。 具体的には、2012年末に比べ、2017年末で伝送設備 80%減、交換や専用設備70%減を目標に、新設備網 建設に1年半、現行設備から新設備への移行(巻き取 り)に1年半の、合計3年間で行うと、職場で周知され ています。 広域の業務集約で広域配転や非正規の切捨て 都道県域を超えて業務の広域集約をすすめ、職種 転換をして地元に残るか、あるいは月額2万円にも 満たない手当を条件に各都道県域を超えての配転 か、などを「本人同意」を前提に迫られます 。 なお、13年6月3日のME提案では「60歳超え契約社員となっ た後に、60歳時に選択した県等域と異なる県等域への雇用 替えは実施しない」 14年1月15日東日本提示資料「業務運営体制見直しに伴う 人員移行の同意確認について(案)」では、 「雇用替え(60超・有期契約社員)、面談等を利用し、個別の 同意確認を実施」 12 欠陥だらけの成果・業績主義賃金制度 N関労東の春闘アンケート 単位:% 成果主義制度アンケートの設問 14春闘 13春闘 12春闘 11春闘 10春闘 評価基準が不透明 18.9 18.4 18.8 18.5 18.6 賃金切り下げのための制度 16.7 18.9 18.3 18.1 19.0 やる気が失われる 15.2 15.1 15.7 14.9 14.6 面談前から評価が決っている 14.1 15.3 13.5 13.1 12.3 どんなに頑張ってもⅡ(旧C)評価 11.2 11.0 10.1 10.5 10.4 評価が非公開 9.4 9.9 10.4 10.0 10.4 人間関係の悪化 9.8 7.4 9.9 10.1 9.6 理由なき低い評価を受けた 1.4 2.7 1.9 2.9 2.7 その他 0.7 0.8 0.7 1.1 1.7 よい制度、このまま継続すべき 2.1 0.5 0.7 0.8 0.8 成果主義賃金制度とは、第一に賃金の原資を削減したうえで全体の 賃金を抑えようとするものです。賃金原資に一定枠がある以上、 どんなに成果・業績をあげても厚遇されるのは一部の人に限られ るという修復しがたい制度上の欠陥をかかえています。 第二には、成果主義は、賃金・労働条件は集団的労資関係(労資の 力関係)で決定することを否定し、事業所の片隅で行われる「管 理者と立場の弱い社員との面談」で賃金が決定されていきます。 以上の理由から、私たちは成果主義賃金制度に断固反対していきま す。 「成果・業績主義賃金」制度についての N関労東の要求 (1)「成果・業績主義賃金」制度を廃止し、年齢 賃金を設け60歳まで定期昇給を行うこと。 (2)月例賃金、特別手当そして退職手当をD 評価の対象としないこと。 (3)休職中及び、病気休暇中は評価の対象と しないこと。 (4)納得がいかない評価には苦情処理委員会 的制度の創設すること。 (5)評価は公平性・透明性・納得性を担保する ために、口頭説明でなく文書をもって行うこと。 (6)評価結果は各評価の分布数、率を明らか にすること。 (7)「人事・給与制度見直し」について ① 新一般資格1級への入学基準の導入を 撤回し標準的年数による自動昇格とすること。 ② 現在の退職手当の水準を低下させない こと。 13 60歳超え契約社員の病気休業の創設について 60歳超え契約社員全員に、3年間を超えない範囲で病気休業(無給)が創設されました。 (注)例えば、59歳のとき病気休職となり、ひきつづき60歳超え契約社員となって以降も病気休業と なる場合は、59歳からの病気休職の期間も通算して3年間を超えない範囲となります。 無給の間は、1日につき標準比例報酬日額の3分の2相当額が、傷病手当金とNTT健保組合より が最長3年間支給されます。 週4日勤務以上の方は、病気休業中(無給中)も厚生年金保険への加入が継続されます。 厚生年金44年加入特例 図1:厚生年金の支給開始年齢 厚生年金に44年間(528か月)加入すれば、報酬比例部分の支給 のときから、定額部分・基礎年金も前倒しで受給できる制度です。 受給には次の3つの条件を満たす必要があります。 1、昭和36年4月1日以前に生まれた男性」と「昭和41年4月1日 以前に生まれた女性」が対象です。 2、60歳以降も週4日勤務以上で働きつづけ、厚生年金加入が44 年(528か月)以上になった後に退職するか、あるいは週3日勤務 で契約社員をつづけると、厚生年金保険に未加入の状態となり 定額部分・基礎年金の支給対象となります。 3、報酬比例部分が支給されるときから、定額部分・基礎年金約 79万円も一緒に支給されます。 つまり、18歳4月採用ならば、男性では昭和34年4月1日以前に 生まれた方は、おおよそ63歳の年度から、昭和34年4月2日以降 に生まれた方は、おおよそ64歳の年度から、週3日勤務か退職 すれば定額部分約79万円も前倒しで受給できます。 65歳 生年月日・男 報酬比例部分 老齢厚生年金 老齢基礎年金 生年月日・女 S24年4月2日∼ S29年4月2日∼ S28年4月1日 S33年4月1日 60歳 65歳 年金なし 報酬比例部分 老齢厚生年金 老齢基礎年金 生年月日・男 生年月日・女 S28年4月2日∼ S33年4月2日∼ S30年4月1日 S35年4月1日 60歳 61歳 報酬比例部分を 2年ごとに引き上げ 65歳 年金なし 60歳 老齢厚生年金 老齢基礎年金 S34年4月2日∼ S39年4月2日∼ S36年4月1日 S41年4月1日 64歳 14 60歳超え契約社員の ライフプラン休暇の持ち込みについて ・対象:月給制契約社員としての雇用期間のみ、社員と同様に取得できます。 (注1) なお、60歳超え契約社員になってから、月給制から時給制契約社員に変更した場合のライフ プラン休暇は、消滅します。 (注2)60歳超え契約社員になってからのライフプラン休暇への新たな積み増しはできません。 ・実施時期:2014年4月1日 無年金世代の60歳超え契約社員 への手当の創設 ・対象:フルタイム勤務者(週4日勤務以下は対象外) ・支給期間:老齢厚生年金(いわゆる2階建て部分、報酬比例部分)が支給されない期間 男性は1953年4月2日生まれ∼1962年4月1日生まれ ・支給額は下記の通り ①年金特別措置(対象は1953年4月2日生まれ∼1962年4月1日生まれ) 東京:月額6,167円(年間7万4千円)、 神奈川:6,333円(年間7万6千円)、 千葉・埼玉:月額6,917円(年間8万3千円)、その他の県:月額7,500円(年間9万円) ②年金特別措置加算(対象は1956年4月2日生まれ∼1962年4月1日生まれ) 千葉・埼玉:月額6,833円(年間8万2千円)、その他の県:月額14,917円(年間17万9千円) (注)女性は、いずれも5年を足した年月日 ・実施時期:2013年10月1日 15 60歳超え契約社員の不均等な労働条件について 60歳超え契約社員の労働条件比較 賃金(円) 週休変更手当 夏季・忌引休暇 多項目検診 ライフプラン休暇の持込 昼食補助 年金特別措置 年金特別措置加算 外勤手当 フルタイム 週4日 月給制 時給制 勤務以下 *月額 時給 時給 173,250 885 875 ○ × × ○ × × ○ × × ○ × × ○ ○ × ○ ○ × ○ ○ × ○ ○ × *月額173,250円は、シニアエキスパートの賃金 14春闘二次要求(案) 60歳超え契約社員及び派遣社員の労働条件について(地 域会社) (1)フルタイム・隔日勤務者の賃金を月給制にすること。 (2)各種休暇、手当は社員と同等にすること。 (3)労安法に基づき、60歳超え契約社員及び派遣社員は 均等待遇とする事。 (4)人間ドック、カフェテリアプラン利用、食事補助制度、健 康診断の内容を社員と同等・同額すること。 (5)団体交渉参加など勤務時間内の組合活動や組合休暇 の扱いについて、社員就業規同様 に契約社員就業規則に明記すること。 16 NTT労組は妥結、日帰り日当の事実上の廃止 表2:おかしいぞ 500円などの日帰り日当廃止理由 会社側の廃止理由 交通手段の発達で移動時間が短 縮されている。 外食産業における価格競争に伴い 食事料の低廉化など必要経費に変 化が生じている。 携帯電話の普及で連絡費用もかか らなくなった。 N関労の反論 移動時間の短縮は実作業時間が増え過 酷になる。廃止理由とはいえない。 価安の外食産業の進出エリアと、各作業 現場とは一致していない。社員食堂や茶 器設備の廃止で経費は増えている。 公社時代から連絡には着信無料電話等 を利用している職場が多い。 「N関労東」14.2号 17 企業年金制度の改悪 NTTの企業年金の改悪案 元本保障型から自己 責任で運用する日本 版401Kに移行 3階部分 独自給 付部分 2階部分 働く人の 年金 1階部分 国民年金 基金 個人型 確定拠出 年金 規約型 企業年金 社員掛け金を年間2万円 から4万2千円に引き上 げは、会社負担 企業年金 基金 共済年金 (公務員等) (代行部分) 国民年金基金 会社案では想定利回りが2%とされてお り、定期預金などの「元本確保型」の金融商 品で運用したら、とても当初想定した年金額 には到達しません。そのほかのデメリットは 下記の通りです。 ①運用リスクを自分自身が負う。 厚生年金(報酬比例) 国民年金・基礎年金(全国民の共通の年金) 1号被保険者 自営業・学生 退職金の28%を原資としたNTT企業年金は、 元本保障型から自己責任で運用する日本版 401Kに改悪されます。 2号被保険者 NTTの年金制度 2号被 保険者 1号被保険者 (専業主婦) 想定利回りとは:機関紙13年7月号より 例えば20年間で300万円を積み立てようとする場合、想定利回り を考えなければ、年間の掛金は15万円になりますが、①想定利回 りが2%の場合では、年間約12万円を、②想定利回りが4%では、 年間約9万6千円を、それぞれ個々人に拠出することになります。 NTTは、この想定利回りを2%で提案しています。したがって、定 期預金などの「元本確保型」の金融商品で運用したら、とても当初 想定した年金額には到達しません。 ②将来の年金受取額が不確定。運用が不 調であれば年金給付額が減ることも承知 しておく必要がある。運用するためには 一定の知識が不可欠。 ③支給開始年齢まで原則として脱退や資 産の現金化ができない。積み立てている のだが、貯蓄ではなく年金なので引き出 せない。 ④手数料がかかる。口座開設時に加え、 毎月加入者手数料が差し引かれる。掛け 金の少ない契約の場合、運用実績よりも 手数料が上回り元本割れになることがあ る。 (注)各種手数料は個人負担、との東日本本 社回答(14.1.8) 18 プロが多額の年金運用損失 なぜ、社員に年金運用を任せるのか 2013年12月東日本交渉 2013/5/23 日経新聞 (組合) 確定拠出型年金(日本版401K)への移行理由に、「ここ数年年金資産運用が 大きく悪化、3,720億円の積立不足が発生」とある。プロが多額の運用損失をだし ている。社員に年金運用を任せるのは無責任だ。 (会社) 年金を将来に渡って継続させていくために、確定拠出型に変える。確定拠出型 は自己責任で運用するという冷たいイメージがあるが、①会社が倒産しても資金 が保護される、②税金が免除されるなどのメリットがある。 (組合) 会社提案の年利2%運用では、元本保証型の金融商品では目標の年金額に 達しない。ハイリスク・ハイリターンでは損失がさらに膨らむ可能性がある。 (会社) 長期で考えれば年利2%の利回りは適正な水準だ。 (組合) そうした確信・自信があるなら会社が年金運用をつづければいいのではないか。 14春闘一次要求書(14.1.16)より 確定拠出年金制度において、加入期間が10年未満の場合 は最大65歳まで給付が繰り延べられ、極めて不合理である。 例えば、マッチング拠出で年金原資の積み増しができるなど の利点があるとしても、「無年金世代」としてのデメリットがは るかに大きいと言わざるをえない。 従って、加入期間が10年未満の社員は、確定拠出年金制度 の対象外とすること。 表2:確定拠出年金の支給開始年齢 確定拠出年金 確定拠出年金 2013年度末 通算加入期間 支給開始年齢 での年齢 10年以上 8年以上∼ 10年未満 6年以上∼ 8年未満 4年以上∼ 6年未満 2年以上∼ 4年未満 1月以上∼ 2年未満 60歳 50歳以下 61歳 51∼52歳 62歳 53∼54歳 63歳 55∼56歳 64歳 57∼58歳 65歳 59歳以上 注:来年度より確定拠出年金が実施されたとき 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