DICOM WG28 - 日本画像医療システム工業会

線量管理システム規格の現状と今後
の動向
NEMA, IEC, DICOM, IHE と
DICOM WG28 の情報アップデート
日本医療画像システム工業会 (JIRA)
放射線・線量委員会
鈴木 真人
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
はじめに
• この資料は 線量管理に関する諸団体の現状と
今後の動向をご紹介するものです。
• この資料でカバーする範囲は
– 線量及び被ばく管理に関する背景
– 規格対応、自主規制、ガイドラインの現状
– 被ばく低減のための活動
です。
• 国際規格・業界規制・各国の法規制は常に変化
しています。
最新情報はそれぞれのHPを参照願います。
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
2
目次
1
2
3
4
5
6
被ばく線量管理を必要とする背景
被ばく低減のための標準化技術の必要性
DICOM RDSR について
IHE REM について
ACRの DIR (被ばく線量レジストリ)について
まとめ
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
3
被ばく線量管理を必要とする背景
放射線の利用は診療に貢献している
• 医療現場で必要な存在
医療現場において放射線検査や放射線治療は大きな役割を果たしている。
• 医学的な利益を享受
人体を透過する力を使うことで、医学的利益を最大限享受し、患者さんへの
適切な診断、治療を行っている
しかし
• 細胞損傷の可能性
放射線は人体を通過する際の影響で細胞を損傷する可能性がある。
• 管理して必要最小限に
放射線による人体への影響は、放射線量を管理することで必要最低限に抑
える必要がある。
放射線による 利益の最大化 と 副作用の最小化
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
4
被ばく線量管理を必要とする背景
人は間違える
・意識しない行動
勘違い、押し間違い、記憶違い、聞き間違い 他
・人の許容範囲外の行為
パニクる
装置は保守が必要
・装置故障の早期発見・回避
初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期(寿命)
・メンテナンスの欠如は装置寿命を短くする
適切なメンテナンスを怠ると、摩耗故障期が
早くきてしまう
機器や操作者による 偶発危険の回避 (Fool Proof)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
5
法規制
学
放射線による
利益の最大化 と
副作用の最小化
学会推奨値
現状調査
IHE 指針
DICOM規格
産
NEMA規格
官
各国法規制
IEC規格等
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
6
被ばく線量管理を必要とする背景
各国で 被ばくに関する いくつかの報道
 米国の CT Perfusion事例
 日本の治療装置での過剰照射事例
 東日本大震災での教訓
資料:GLOBAL NOTE 出典:OECD
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
7
被ばく線量管理を必要とする背景
リニアックにおける 国内過剰照射の事例
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
8
被ばく低減のための標準化技術の必要性
原因のまとめ(FDA資料)
1.使用者体制の不備

官
学
官
学
被ばく情報の標準記述と医学的推奨値の欠如
4.線量履歴の記録不在

産
ベンダによる使用者への装置機能と適切な操作の教育
3.検査基準の未確立

産
適切な被ばく線量の制御、検査の検査品質管理保守プロ
セス制定
2.教育体制の欠如

学
官
学
個人情報としての管理体制の必要性の認識
解決策のひとつとして 情報・技術・知識 の標準化 &普及
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
9
法規制(CRCPD)の例
カリフォルニア (SB1237)




電子線量記録。
放射線報告書に線量記録を含める。
線量表示の年次確認。
報告する出来事。(繰り返しのスキャン、意図しない部位のスキャン、特別
な線量制限で規定値を超えた場合)
テキサス (Title 25)




線量データの記録と管理
報告する出来事(プロトコル委員会の規定値を超えた場合)
プロトコル委員会の設立
トレーニング
マサチューセッツ、コロラド、ミシガン、ニュージャージーなどへ拡大中
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
10
国際規格等の制定状況
個別規格
線量指標
(RDSRの出力)
(ICRU推奨の
測定量)
CT
IEC60601-2-44
CTDI
(CTDI)
IVR,一般
透視・撮影
装置
IEC60601-2-43
IEC60601-2-54
(計画中)
基準空気カーマ DICOM Dose SR IEC 61910-1 ed.1
(面積線量,
Sup 94,CP1223 (2014-09発行)
入射表面線量)
CR/DR
IEC60601-2-54
(計画中)
Exposure Index
(面積線量,
入射表面線量)
乳房用X線
装置
IEC60601-2-45
(計画中)
平均乳腺線量 DICOM Dose SR IEC60601-2-45
(平均乳腺線量) CP-687
モダリティ
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
RDSRの内容
DICOM規格
IEC規格
DICOM Dose SR IEC60601-2-44
Sup 94
DICOM Dose SR IEC62494-1
CP-1077
11
被ばく低減に関わる米国NEMA規格 (業界)
主眼
規格名称
対象
オペレータ
への喚起
XR-25
CT
線量情報の表示機能 Dose Check
Notification Value(NV), Alert Value(AV)の表示
オペレータ
の管理
XR-26
CT
装置操作及び設定変更へのアクセス制御
アクセスログ管理
装置機能
の要求
XR-27
IVR
線量情報の外部出力機能
DICOM RDSR対応
校正係数の修正機能
装置機能
の要求
XR-28
CT
線量設定に関する情報の提供機能
操作者及び設定情報の提供
装置機能
の要求
XR-29
CT
線量情報の外部出力機能
DICOM RDSR対応
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
12
被ばく情報を扱う規格の標準化 (業界)
規格名称
対象
DICOM
PS3.16
CT
CR
IVR
NM
IHE REM
線量情報を定義 (タグ番号と内容)
出力手段を定義(画像ヘッダ内包 及び RDSR)
被ばく情報管理に関わる全てのシステムのデータ
フォーマットと連携方法を定義
(HL7 と DICOMを基礎としている)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
13
CT での NEMA XR-25 対応例
 注意表示の内容
 注意線量値と推定線量値
 続行、または条件再確認の選択
 警告表示の内容
 線量警告の表示
1
 警告線量値と推定線量値(mGy)
(装置初期設定は 1Gy (XR-28より))
 操作者氏名入力による続行
注 : CTDIvolによる警告線量値は2Gy以上には設定できない
(
(IEC60601-2-44 Ed3.1 SEP/2012 )
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
14
Notification Values & Alert Values
•
現在公開されている Notification Values, Alert Values の例
CT Scan Region
CTDIvol Notification
Value (mGy) *1
Adult Head
80
Adult Torso
50
Pediatric Head
<2 years old
2 – 5 years old
CTDIvol Alert
Value (mGy) *2
50
60
Pediatric Torso
<10 years old (16-cm phantom) a
<10 years old (32-cm phantom) b
25
10
Brain Perfusion
600
Cardiac Retrospectively gated (spiral)
Prospectively gated (sequential)
150
50
2000
a) As of January 2011, GE, Hitachi and Toshiba scanners use the 16-cm-diameter CTDI phantom
b) As of January 2011, Siemens and Philips scanners use the 32-cm-diameter CTDI phantom
*1 AAPM Dose Check Guidelines version 1.0 04/27/2011
*2 IEC60601-2-44 Ed3.1 SEP/2012
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
15
全モダリティに共通した規制の例
1. RDSR、Dose Check(CT)、使用者品質管理モード
(IVR)などの機能をそれ以外のモダリティでも導入
検討
2. 追加で要求されるRDSRで出力する要素(SSDE, EI,
etc) への対応
3. モダリティによる線量指標の違いの換算
4. 小児用プロトコルや診断参考レベル (DRL) の開発
サポート
5. RDSRで管理する指標の拡大を検討(臓器毎、部位
毎、など)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
16
検討中の標準化内容 例
現在検討中の 標準化項目
CT
• 新線量指標:Size Specific Dose Estimation(SSDE)の導
入検討
(IEC60601-2-44)
• プロトコル名の標準化 (NEMA-XRxx:線量最適化規格)
• 線量低減機能情報提示 (NEMA-XRxx:使用者情報規格)
CR/DR装置
• EIの精度管理規定の検討 (IEC62494-1)
• EI算出方法の統一
(IEC61267) (IEC62220-1)
• DICOM規格で定義されたEIをRDSRに出力する事をIEC
規格に盛り込む
(IEC61910-1: 2014)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
17
学 の協調
学
放射線による
利益の最大化 と
副作用の最小化
学会推奨値
現状調査
IHE 指針
DICOM規格
産
NEMA規格
官
各国法規制
IEC規格等
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
18
学会が発信している標準値 AAPM
AAPM Dose Check Guidelines version 1.0 04/27/2011
AAPM Recommendations Regarding Notification and Alert Values for CT
Scanners: Guidelines for Use of the NEMA XR 25 CT Dose-Check Standard1
AAPM(American Association of Physics in Medicine: 米国医学物理学会議)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
19
学会が発信している標準値 JART
X線単純撮影被ばくガイドライン2006
撮影部位
低減目標値
X線CT 成人ガイドライン 2006
IAEA G.L
検査部位
CTDIvol (mGy)
頭部(正面)
3 mGy
5 mGy
頭部
65
頭部(側面)
2
3
腹部
20
胸部(正面)
0.3
0.4
胸部(側面)
0.8
1.5
腰椎(側面)
15
30
装置 部位
乳房撮影
Grid有り
平均乳腺線量
2
3
上部消化管直接
乳房撮影
Grid無し
-
1
各種透視 ガイドライン 2006
血管 IVR
CT透視 胸部
検査単位 (mGy)
40
25 / 分
CTDIw 120
公益社団法人 日本診療放射線技師会医療被ばくガイドライン2006
http://www.jart.jp/activity/hibaku_guideline.html
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
20
線量計測における問題点
問題点 : 単位系がモダリティによって異なる
sievert = 100 rem
Gray = 100 rad
これらの相互関係は?
curie = 3.7x1010 becqurel
roentgen = 2.5x10-4 coulomb/Kg
問題点 : 測定値の合計が難しい
CR、XA、RF、DR:皮膚吸収線量、実効線量、E I
CT: CTDI 、 DLP、mAS
MG: 平均乳腺線量
合計するにはどうすれば?
NM: 投与量
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
21
放射能の人体に対する影響の計算根拠
単位
放射能の単位(放射能壊変率)
照射線量
放射線の量に関
する単位
吸収線量
線量当量
備考
Bq
放射性核種の崩壊数が1秒につき1個で
(ベクレル) あるときの放射能
C/Kg
エックス線またはガンマ線の照射により空
(クーロン毎 気1kgにつき1Cの電気量を有する正負の
キログラム) イオン群を生じさせる照射線量
Gy
放射線の照射により物質1kgにつき1Jの
(グレイ)
エネルギーが与えられるときの吸収線量
Sv
放射線の照射により物質1kgにつき1Jの
(シーベルト) エネルギーが与えられるときの線量当量
定義
単位
吸収線量
単位体積あたりの吸収エネルギー 空気カーマと同値 (=J/Kg)
Gy
実効線量
全身の健康影響を評価する量
(法律上の確率的影響の根拠)
Sv
等価線量
人体各組織への影響を表す量
(法律上の確定的影響の根拠)
Sv
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
22
放射能の人体に対する影響の計算根拠
等価線量(組織別) = (組織の吸収線量* 放射線種別荷重係数)
mSv
mGy
Sv/Gy
放射線種別
荷重係数
(ICRP Pub.60)
荷重係数
(ICRP Pub.103)
ガンマ線、 X線、 電子線、 μ粒子
1
1
陽子線
5
2
アルファ線、 重粒子線
20
20
5 ~ 20
カーブ表示(2-22)
中性子線
実効線量(全身) = ∑全組織 (各組織への等価線量*組織荷重係数)
mSv
mSv
組織・臓器
生殖腺
赤色脊髄、 結腸、 肺、 胃
乳房、 肝臓、 食道、 甲状腺、 膀胱
皮膚、 骨表面
その他の組織
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
組織荷重係数 (一例)
0.20
0.12
0.05
0.01
0.05
23
AAPMによる 用語の調査
問題点: ベンダによって 使用する単語が異なる (手技の標準化の一環)

AAPMがCTの臨床現場で使われている用語や各社装置の表示を調査した。
Generic description
GE
PHILIPS
SIEMENS
TOSHIBA
HITACHI
NEUSOFT
NEUROL
OGICA
CT localizer
radiograph
Scout
Surview
Topogram
Scanogram
Scanogram
Surview
Scout
Table moving scan
mode
Helical
Helical
Spiral
Helical
Volume
Helical
Helical
Interventional CT
SmartStep
Single CCT
Intervention
CT Fluoro
GuideShot
SingleCCT
CT Fluoro
AEC
AutomA
SmartmA
Automatic
Current
Select
CARE Dose
SURE
Exposure
IntelliEC
DoseRight
Window Width
Window
Width
Window
Width
Window
Width
Window
Width
Window
Width
Window
Width
Window
Width
Window Level
Window
Level
Window
Center
Window
Center
Window
Level
Window
Level
Window
Center
Window
Level
AAPM CT Lexicon version 1.3 04/20/2012
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
24
産 の協調
学
放射線による
利益の最大化 と
副作用の最小化
学会推奨値
現状調査
IHE 指針
DICOM規格
産
NEMA規格
官
各国法規制
IEC規格等
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
25
被ばく低減のための標準化技術の必要性
3工業会宣言
2010年
日米欧の工業会
JIRA+MITA+COCIR
キーワード
DICOM RDSRを利用
IHE REMで運用
ITソフト会社の協力必須
まずCTから
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
26
線量報告に関する DICOM規格
• モダリティ固有の線量情報にタグ番号を割り振り、共通情報として
定義した。
– 各モダリティが出力できる主要な物理量を採用
– 値の意味の定義は 既存規格や専門団体の定義を流用
•
モダリティからの出力方式を共通化し、通信を容易にした。
– ① 画像のヘッダに(他のタグと同様に)追加する
– ② 線量情報だけを集めた専用のオブジェクト(データ構造)を
新規に定義 RDSR
– ①、② ともに 従来のDICOMサービス(通信機能)に対応
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
27
画像ヘッダの一部としての 線量情報
画像ヘッダに線量情報を追加する方式
(0010,0010) PN [TEST^CTdose]
(0010,0020) LO [6666655555]
:
:
:
(0018,9309) FD [4.5E-01]
(0018,9311) FD [6.0E+00]
(0018,9324) FD [3.0E-01]
(0018,9345) FD [1.2345E-03]
:
(0020,000D) UI [1.2.9999.9999.999]
(0020,000E) UI [1.2.9999.9999.9999.1]
:
:
(7FE,0010) OW [ ・・・・・・・・・]
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
PatientsName
PatientID
Table Speed
Spiral Pitch Factor
Estimated Dose Saving
CTDIvol
Study Instance UID
Series Instance UID
Pixel Data
28
診断レポートとしての Structured Report (SR )
人間が読むことを目的とした
[胸部X線のレポート]
定形診断レポート
[撮影方式] 後方と側面 2面
(Human Readable Report)
[患者名]Jane Homer
[検査番号]123456
[記録者]Dr. John Smith
[所見] 直径が1.3cmの浸潤性の周辺部を持つ腫瘍を認める.
基底画像は 写真No1
[結論] 結論は、腫瘍の周辺部が浸潤している事、及び所見を適
切に裏付ける外観から推測すると、悪性である可能性が大きい。
特定の画像所見を最もよく説明する画像は写真No2
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
29
DICOM Structured Report (SR)
胸部XRレポート
context
context
context
context
container
TID 2000 BASIC DIAGNOSTIC IMAGING REPORT
撮影方向: PA and Lateral
TID 1003 PERSON OBSERVER
記録観察者: Smith^John^^Dr^
検査インスタンス: 1.2.3.4.5.6.7.100
Context ID 3423
DIAMETER
収集対象: Homer^Jane^^^
所見
腫瘍
直径: 1.3cm
周辺:浸潤性あり
container
container
container
TID 3320 CONCLUSIONS
基底画像
画像UID-1
結論
腫瘍の可能性大
特定画像
画像UID-2
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
30
SR の種類
RDSR(被ばく線量レポート) は 読影レポートのひとつとして DICOMに定義され
ている
SOP UID
SR Title
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.11
Basic Text SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.22
Enhanced SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.33
Comprehensive SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.40
Procedure Log Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.50
Mammography CAD SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.59
Key Object Selection Document Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.65
Chest CAD SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.67
X-Ray Radiation Dose SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.69
Colon CAD SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.88.70
Implantation Plan SR Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.104.1
Encapsulated PDF Storage
1.2.840.10008.5.1.4.1.1.104.2
Encapsulated CDA Storage
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
31
DICOM RDSR の構造
線量データ コンテナ
ばく射回数
線量(DLP Total)
抜粋 Radiation Dose Structured report
© David Clunie
32
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
DICOM RDSR の構造
RDSR ( Radiation Dose Structured Report) に記載する方式
これで一つの値が表現される
Line 500+
(fffe,e000) na (Item with explicit length #=4)
# 206, 1 Item
(0040,a010) CS [CONTAINS]
# 8, 1 RelationshipType
(0040,a040) CS [NUM]
# 4, 1 ValueType
(0040,a043) SQ (Sequence with explicit length #=1)
# 70, 1 ConceptNameCodeSequence
(fffe,e000) na (Item with explicit length #=3)
# 62, 1 Item
(0008,0100) SH [113813]
# 6, 1 CodeValue
(0008,0102) SH [DCM]
# 4, 1 CodingSchemeDesignator
(0008,0104) LO [CT Dose Length Product Total]
# 28, 1 CodeMeaning
(fffe,e00d) na (ItemDelimitationItem for re-encoding) # 0, 0 ItemDelimitationItem
(fffe,e0dd) na (SequenceDelimitationItem for re-encod.) # 0, 0 SequenceDelimitationItem
(0040,a300) SQ (Sequence with explicit length #=1)
# 84, 1 MeasuredValueSequence
(fffe,e000) na (Item with explicit length #=2)
# 76, 1 Item
(0040,08ea) SQ (Sequence with explicit length #=1)
# 48, 1 MeasurementUnitsCodeSequenc
(fffe,e000) na (Item with explicit length #=3)
# 40, 1 Item
(0008,0100) SH [mGycm]
# 6, 1 CodeValue
(0008,0102) SH [UCUM]
# 4, 1 CodingSchemeDesignator
(0008,0104) LO [mGycm]
# 6, 1 CodeMeaning
(fffe,e00d) na (ItemDelimitationItem for re-encoding) # 0, 0 ItemDelimitationItem
(fffe,e0dd) na (SequenceDelimitationItem for re-encod.) # 0, 0 SequenceDelimitationItem
(0040,a30a) DS [1001.50]
# 8, 1 NumericValue
(fffe,e00d) na (ItemDelimitationItem for re-encoding) # 0, 0 ItemDelimitationItem
(fffe,e0dd) na (SequenceDelimitationItem for re-encod.) # 0, 0 SequenceDelimitationItem
DLPを記入するSQを開始
DLPの単位は mGycm
データの値は 1001.50
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
33
各モダリティの線量関連タグ
モダリティ
CODE
DESIGNATOR
MEANING
Req’d
共通
113733
DCM
X-ray Tube KVP
Yes
113734
DCM
X-Ray Tube Current
Yes
113736
DCM
Exposure (current * Time)
Yes
113742
DCM
Irradiation Duration
113757
DCM
X-Ray Filter Material
113821
DCM
X-Ray Filter Aluminum Equivalent
113794
DCM
Dose Measurement Device
Yes
113824
DCM
Exposure Time
Yes C
113812
DCM
Total Number of Irradiation Events
Yes
113813
DCM
DLP Total
Yes
113811
DCM
CT Accumulated Dose Data
Yes
113829
DCM
CT Dose (General description)
Yes C
113830
DCM
CTDIvol
Yes
113814
DCM
CT Effective Dose Total
113835
DCM
CTDIw Phantom Type
Yes
113838
DCM
DLP
Yes
113839
DCM
Effective Dose
113840
DCM
Effective Dose Conversion Factor (mSv/mGy.cm)
CT
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
Yes C
34
各モダリティの線量関連タグ
モダリティ
CODE
DESIGNATOR
MEANING
Req’d
MAMMO
113738
DCM
DOSE(RP)
Yes C
111631
DCM
Average Glandular Dose
Yes C
111637
DCM
Glandular Dose Total
Yes
XA
122130
DCM
Dose Area Product
RF
113726
DCM
Fluoro DAP Total
Yes C
113728
DCM
Fluoro Dose Point(RP) Total
Yes C
113730
DCM
Total Fluoro Time
Yes C
113767
DCM
Average X-Ray Tube Current
113791
DCM
Pulse Rate
Yes C
113845
DCM
Exposure Index (IEC62494-1)
Yes C
113846
DCM
Target Exposure Index
Yes C
CR
Designator 用語や単位の定義団体
DCM: DICOM (=NEMA)
SRT : SNOMED Radiological Terminology
UCUM : Unified Code for Units of Measure
IEC : International Electrotechnical Commission
ISO : International Organization for Standardization
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
Yes C:
conditional
35
DICOM RDSR

DICOMオブジェクトとして容易に管理可能


検査単位に“irradiation event” を提供


DRSRは検査単位に発行され、検査・シリーズの Irradiation
event 情報を提供する
共通テンプレートで表現する


DICOMオブジェクト(レポート)の一つとして扱うことで、PACS
や専用サーバで保管・管理が可能
DRSRではテンプレート(標準書式)を提供する。
CT、IVR、MAMMO、Fluoro、DR/CR (NM :2014年)
RT(治療)は対象外
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
36
ご参考 HL7 ZEセグメントの標準データ
ご参考 HL7 ZEセグメントの標準データ
任意のデータをセグメントに記入することも可能である
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
37
RSDR関連の DICOMサービスの利用形態
HIS
HL7
広域DB
検査オーダ
ftp
RIS
RDSR*: 匿名化処理などあり
(院内)
線量管理DB
検査オーダ
DICOM MWM
RDSR*
検査結果
RDSR
DICOM PPS
モダリティ
DICOM
STORAGE
画像 と RDSR
(院内)
レポートDB
RDSR
HL7
DICOM Q/R
PACS
DICOM
Q/R
CDA
report
レポート
RDSR
画像 からRDSRを作成 (フリーソフト)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
38
PACS
画像ヘッダからRDSRを自動生成
RDSR
ACC # : 123-123
Pat Name : TEST PAT
Pat ID
: 22233344
Exam Date: 20090810
CTDIvol
: 10.20
DLP
: 555.72
Ref Phantom: Body 32cm
画像 からRDSRを作成 (フリーソフト)
・定期的に S.C を検索
・機種別に OCR 処理
・RSDRとして新規登録
PACS
CTコンソールの線量情報画面をS.C
(ハードコピー)にしてPACSに(画像として)送る
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
39
IHEのREMプロファイル
IHE : Integrating Healthcare Enterprise
ユーザとベンダのガイドライン構築&普及グループ
医療業務の標準化 と それに対応する医用機器の普及
放射線被ばく管理も ワークフローとデータの標準化を進
めている。
REM : Radiation Exposure Monitoring
扱うオブジェクトは DICOM RDSR
用いる通信手順は DICOM Storage & Q/R
2012年にTF(Technical Framework) として公開された。
すでに 米・欧・日本 のコネクタソンで 試験されている。
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
40
IHE REM が定義する アクタ と トランザクション
Data
Repository
施設外
※下図 日本で実施中のテスト範囲のみ
施設内
Dose Information の保存
Image
Image
Manager Archive
Dose Informationの取得・利用
←Rad-64:Query Dose Informations
←Rad-65: Retrieve Dose Informations
②
Dose Info
Consumer
↑ Rad-62: Store Dose
Informations
①
↑ Rad-10: Storage
Commitment
Acquisition
Modality
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
→ Rad-62: Store Dose Informations
③
Dose Informationの送信
41
ACR CT Dose Index Registry (DIR)
ACRは REM を利用して CT撮影条件と被ばく情報を広く収集する
インフラを構築し、ボランティアを募集している。
ユーザのメリット: 自施設の被ばくの客観的評価
ACRのメリット: 現実的な標準撮影条件の設定
http://www.acr.org/Quality-Safety/National-Radiology-Data-Registry/Dose-Index-Registry
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
42
ACR CT Dose Index Registry (DIR)
• ACRが CT Dose Registryを2011年5月に稼働した。
• 2013年8月時点で750施設が登録し、465施設がデータを提供した。
• 施設は費用を支払い、データを提供するとともに 自施設の評価レ
ポートを受け取る。
• 2013年8月時点で550万のCT検査情報(940万の条件)を収集した。
• 2013年1-8月で 150万の成人と80万の小児検査が登録された。
• 匿名化された収集情報は、年齢、部位(とSSDE)を元に分類され
CTDIvol、DLPが比較された。
• 現在の最大の問題点は 検査名称の統一が不完全で、検査名称
単位の集計が十分にできていないことである。
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
43
ACR CT Dose Index Registry (DIR)
2013年1-6月に 定期的に 成人CT検査情報をアップロードした施設
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
44
DIR が作成する ユーザレポート
• ユーザは自施設の検査の被ばく量を外部と比較できる
ACRが配布する
部位・手技別
線量レポート
CT ABDOMEN - DLP Boxplot
被ばく線量
あなたの
病院
病院種別 ( 地域 ・ 規模 ・ 公立私立 )
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
45
ACR CT Dose Index Registry (DIR) 問題点
現在の最大の問題点は 検査名称の統一が不完全で、検査名称単位の集計が
十分にできていないことである。

ACRでは 施設内の検査名称を RadLex Playbook ID (RPID) に対応させるツール
を提供し、DIRに情報をアップロードする前に 検査名称を統一することを依頼して
いる。 (現在は 施設の技師の負担になっている)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
46
ACR DIRにおける部位分類粒度
CT ABDOMEN
CT ABDOMEN
CT ABDOMEN
WO IVCON
CT ABDOMEN
CT ABDOMEN
CT ABDOMEN
W IVCON
CT ABDOMEN
PELVIS
PELVIS KIDNEY CALC
PELVIS W IVCON
PELVIS WO IVCON
PELVIS WO THEN
W IVCON
CT HEAD ( No SSDE)
CT HEAD BRAIN WO IVCON ( No SSDE)
CT HEAD MAXILLOFACIAL
WO IVCON ( No SSDE)
CT HEAD PARANASAL SINUSES
WO IVCON ( No SSDE)
CT HEAD WO IVCON ( No SSDE)
CT L SPINE WO IVCON
CT NECK W IVCON ( No SSDE)
CT C SPINE W IVCON ( No SSDE)
CT C SPINE WO IVCON ( No SSDE)
CT CHEST
CT CHEST ABDOMEN PELVIS W IVCON
CT CHEST ANGIO W IVCON
CT CHEST ANGIO WO THEN W IVCON
CT CHEST PULMONARY ARTERIES
W IVCON
CT CHEST W IVCON
CT CHEST WO IVCON
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
ACR DIRでは 複数のRadlex分類を
まとめて これらの分類に簡略化している。
(=ACR独自の分類である)
47
ACR DIR 参加費用
2014 annual fee for participation in NRDR:
Number of Radiologists (5 sites or fewer)
1-5
$ 500.00
6 - 15
$ 750.00
16 - 25
$ 1,000.00
26 - 35
$ 1,250.00
36 - 45
$ 1,500.00
46 - 55
$ 1,750.00
> 55
$ 2,000.00
ユーザのメリット: 自施設の被ばくの客観的評価
ACRのメリット: 現実的な標準撮影条件の設定
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
48
ACR の各種 National Radiology Data Registry (NRDR)
Dose Index Registry
The DIR allows facilities to compare their CT dose indices
to regional and national values.
CT Colonography Registry
Designed to promote quality of care for patients
undergoing CT colonography
General Radiology Improvement Database
The GRID collects information about imaging facilities
IV Contrast Extravasation
ICE is a practice quality improvement project focused
on CT IV contrast extravasation rates
National Mammography Database
The NMD leverages data by providing comparative information
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
49
普及
学
学会推奨値
放射線による 普及
利益の最大化 と
副作用の最小化
現状調査
IHE 指針
DICOM規格
産
NEMA規格
官
各国法規制
IEC規格等
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
50
成人向け 被ばく低減プロモーションサイト
Image Wisely http://imagewisely.org/
–
–
–
–
American College of Radiology (ACR)
Radiological Society of North America (RSNA)
American Society of Radiology Technologists (ASRT)
American Association of Physicists in Medicine (AAPM)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
51
小児向け 被ばく低減プロモーションサイト
Image Gently
http://imagegently.org/
- Society for Pediatric Radiology (SPR)
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
52
線量管理機能の導入における日本での現状と課題
被ばく管理に関する 国内状況
法規制、診療報酬、認定制度などDIRを導入する動機付けとなる
契機が今のところない。
IEC規格の一致規格であるJIS規格への適合の義務化も2015年
9月からである。
DIRのパイロットラン
放医研、CT検診学会、国立成育医療研究センターなどで開始
されている。
標準化
IEC, NEMA, DICOM規格のJIS規格化は一部のみである。
JIS規格が発行されない現状でも、グローバル製品であれば機
器はIEC, NEMA, DICOM規格に準拠している可能性が高い。
 官学産 の協調が必要である
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
53
まとめ
• 放射線検査機器は有用であるが、安全且つ適切
に運用するためには管理体制が重要である。
• 外部との情報のやりとり、集積情報の分析を行う
際はデータの共通化が不可欠で、標準化が必要
となる。
• DICOM RDSR は画像と共に被ばく線量を管理
するための標準化技術である。
• IHE REMは RDSR を用いた線量管理の標準的
な業務フローを定義したものである。
• 被ばく実データを解析して標準値とするには 母集
団の特性が正確に把握されることが必要である。
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
54
関連情報源
線量管理に関連する 団体のホームページ
AAPM Homepage
http://www.aapm.org/
JART Homepage
http://www.jart.jp/activity/hibaku_guideline.html
JSRT Homepage
http://www.jsrt.or.jp/data/bougo/
NEMA Homepage
http://www.nema.org/Products/Pages/Medical-Imaging.aspx
DICOM Homepage
http://medical.nema.org/
DICOM 日本
http://www.jira-net.or.jp/dicom/index.html
IHE Homepage
http://www.ihe.org/
IHE 日本
http://www.ihe-j.org/tf/
HL7 Homepage
http://www.hl7.org/
普及組織 (被ばく低減キャンペーン) http://www.imagegently.org/
http://www.imagewisely.org/
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
55
おわり
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
線量管理システム規格の現状と今後の動向
NEMA, IEC, DICOM, IHE と
DICOM WG28 の情報アップデート
ご清聴
ありがとうございました。
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
次の世代 が
きちんとしたデータを
持てるように
56
おわり
2014/10/24 JIRA 放射線・線量管理セミナー
57