産総研 新技術説明会 (ライフサイエンス) 光を用いた細胞操作技術 独立行政法人産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター 医薬品アッセイデバイスチーム 金森 敏幸 2014年2月21日 JST東京本部 技術開発の背景 2 Melvin Henriksen Nature Methods 7, (2010) doi:10.1038/nmeth.f.302 Image CytometryからImaging Cell Sorting (ICS)へ Imaging cytometryの普及により、見てい る(in situで)細胞を生きたまま回収する技 術(imaging cell sorting)が必要となった。 3 ICSの優位性 オンプレート細胞培養 体細胞の大部分は足場依存性(接着性) 伸展状態の細胞の観察には好都合 細胞を分別するには・・・ 本技術 光照射 既存技術 剥離回収 分離 基材からの強制剥離 さっき見てた細胞はどこ? ノズルからの吐出 (FACS) 4 再播種 制御手段としての光 局所 µmスケールの制御 遠隔 透明な材料の利用が可能 即時 瞬時にon/offが可能 豊富で安価なIT機器が利用可能 PCとの相性が良い 5 pH、温度、光に応答する高分子を開発 x : y : z = 1 : 99 : 1 - 33 Thermoresponsive Photo- & pH-responsive O O O Photo-responsive m S N +H+ SH O O OH +N hv, Δ y MH z N O +N M Basic + -H+ OH +N O O O + HN Δ HN NH irrad. Δ hv O NH x n O -H+ Acidic O NH +H+ + λ max=530nm irrad. λ max=422nm 数十種類のラインナップ 用途により使い分け Sumaru T., et al.: Langmuir, 22, 4353 (2006) Satoh T., et al.: Soft Mater., 7,8030 (2011) 6 In situ光照射装置も独自開発 microscopic image CCD unit irradiating light projection unit projection image 7 2次元ICS 8 光細胞マニピュレーションのバリエーション 細胞接着領域作製 1 接着細胞回収 光応答性結合 細胞接着阻害物質 2 光照射 3 4 5 光照射 6 9 接着細胞殺傷 光細胞マニピュレーションの一例 精密共培養 細胞殺傷 照射前 標的細胞 (黄色:生細胞) 他の細胞 (緑:生細胞) 照射後 標的細胞 (赤:死細胞) MDCK CHO-K1 MDCK 照射中 照射領域 細胞回収 HepG2, 436nm, 250mW/cm2 2 min (30 J/cm2) 3 min (45 J/cm2) Kikuchi K., et al.: Biotech.Bioeng., 103, 552 (2009) Sumaru K., et al.: Biotech.Bioeng., 110, 348 (2013) 10 精密共培養の効果 Patterned co-culture on day20 10 X6.7 X3.7 x3.5 5 HepG2 Monolayer CYP1A2 HepG2/3T3 Co-culture CYP3A4 HepG2 Monolayer Glass plate HepG2/3T3 Co-culture HepG2 spheroid HepG2 Monolayer HepG2/3T3 Co-culture 3T3 Albumin Kikuchi K., et al.: Biotech.Bioeng., 103, 552 (2009) 11 光によるhiPS細胞コロニーの殺傷・選抜 光照射前 hiPSCコロニー 光照射 (1分程度) 緑:CalceinAM 赤:AiLec-S1 光照射・ピペット洗浄後 ピペット洗浄後 12 3次元ICS 13 活性エステル型光分解性架橋剤 NHS-PC-4armPEG 水中・常温にてアミノ基に結合 Amino-4armPEG Gelatin + + NHS-PC-4armPEG NHS-PC-4armPEG Mixing of two components Crosslinking 光により分解 Light irradiation hn + 14 Degradation 光照射によるゲル表面での構造形成 500 μm 500 μm 500 μm 500 μm ゲルの組成: 5 mM amino-4armPEG 5 mM NHS-PC-4armPEG ゲルの組成: 2.5% w/v gelatin 5 mM NHS-PC-4armPEG 光照射条件:365 nm, 30 mW/cm2, 300 sec Yanagawa et al.: submitted to Chem. Mater. 15 光照射条件と得られる構造 (Amino 4arm PEG) Bars=800μm Bars=400μm Yanagawa et al.: submitted to Chem. Mater. 16 光分解性ゲルを用いた3次元培養下での細胞選抜 モデル細胞播種 悪性細胞伸展 悪性細胞に光照射 細胞をピペットで回収後、 ディッシュにて1週間培養 田村, 他: 第65回日本生物工学会大会において発表 17 実用化に向けて 18 想定される用途 共培養による臓器特異的機能発現 細胞間相互作用の分子生物学的研究 例えば、医薬品候補化合物の細胞アッセイ技術 臓器・組織 例えば、理化学機器 リード化合物 O O O N H O 細胞選抜 灌流培養 精密共培養 アッセイ O O OH O 分散・懸濁 培養, 分析 ・・・・ アレイチップ 株化細胞 特定の細胞の回収 自動アッセイ装置 培養下での細胞選抜 例えば、がん細胞診断技術 三次元培養&形態解析 光照射による細胞選抜 浸潤性細胞 生検組織 光分解性架橋剤 抗がん剤 非感受性細胞 19 共同研究先募集 共同研究実績 企業様と29件の共同研究を実施 企業様と共同での外部資金の獲得多数 知的財産 紹介技術について、3件の特許を権利化、1件公開中、3件出願済み 外国(PCT)出願も実施(一部権利化済み) 問合せ先 独立行政法人産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター 医薬品アッセイデバイスチーム 研究チーム長 金森敏幸 E-mail:[email protected] Tel:029-861-6286 20 お問い合わせ先 産業技術総合研究所 ライフサイエンス分野研究企画室 TEL : 029-862-6032 FAX : 029-862-6048 e-mail : [email protected] 21
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