2014年度 川崎医科大学 生物 過去問 解説

2014 川崎医科大学医学部医学科 生物
▶内容としては基本的な問題が多いが、幅広い分野から出題されるので、教科書、図説、問
題集などで基本的知識をしっかり身に付けておくこと。
解答方式
時間
大問数
難易度
マークシート式
2 科目 120 分
2問
やや易~標準
■設問別分析
大問
内容
難易度
1
生物の体のしくみや生命現象、減数分裂と配偶子形成、心臓、
やや易~標準
DNA の複製、遺伝子の発現とホルモン、分類、個体群
2
DNA の抽出、細胞の構造、遺伝、酵素反応、生態系
やや易~標準
■ポイント解説
1
Ⅰ ア⑥ イ④ ウ② エ③ オ⊕ カ⓪ キ⑨ ク⑦ ケ⑧
Ⅱ コ③ サ⑦ シ⑥ ス②
Ⅲ セ⑤ ソ④⑤ タ②
Ⅳ チ⑦ ツ⑤ テ⊖ ト⑤⑦
Ⅴ ナ④
Ⅵ 二⑤ ヌ④ ネ②
Ⅶ ノ① ハ③ ヒ①
エ 春化 例)コムギなど
カ ハツカネズミの毛色は黒色に対し黄色が優性である。毛色が黄色(Yy)の個体同士を
交配させると、子は黄色:黒色=2:1 に現れる。これは黄色遺伝子(Y)は黒色遺伝子(y)
に対して優性であるが、YY になると致死作用を現して YY 個体は胎児のうちに死ぬからで
ある。遺伝子がホモになると致死作用を現す遺伝子を致死遺伝子という。
コ 事象 B の選択肢の中にあるが、第二分裂前に間期はないので注意。
サ 文中の遺伝子型で表すと、一次卵母細胞(Qq)は、減数分裂の第一分裂で第一極体(Q)
と二次卵母細胞(q)が出来る。二次卵母細胞は第二分裂を経て卵(q)になる。
チ~ト 1958 年、メセルソンとスタールの実験により、DNA の複製様式はは半保存的複
製であることが証明された。
第 1 代目 すべて 15N-15N 15N-15N
第 2 代目 (1 回分裂後) すべて
は重い
14N-15N 14N-15N
は中間の重さ
第 3 代目 (2 回分裂後) 14N-14N:14N-15N=1:1 14N-14N
第 4 代目 (3 回分裂後) 14N-14N:14N-15N=3:1
は軽い
となる。
n 回分裂後は全体で 2n 個になり、そのうち 2 個だけが中間の重さ、残りは軽いものになる
ので、5 回分裂後は
14N-14N:14N-15N:15N-15N=30:2:0 より、15:1:0 となる。
二 旧口動物―ミミズ が正しい。
ヌ 胞子で繁殖―ヒカゲノカズラ が正しい。
ネ ユーグレナ―クロロフィル a と b
ケイ藻―クロロフィル a と c
シャジクモ藻―クロロフィル a と b
褐藻―クロロフィル a と c 以上が正しい。
ノ 生存曲線 A…晩死型 例)哺乳類
生存曲線 B…平均型 例)鳥類、は虫類
生存曲線 C…早死型 例)魚類、昆虫類
ハ ①幼若型
②安定型
③老齢型
2
Ⅰ ア① イ⑤ ウ③ エ⑥ オ④ カ③⑧
Ⅱ キ④⑤ ク②④ Ⅲ ケ④
Ⅳ コ③ サ④ シ④ ス⑤ セ① ソ② タ② Ⅴ チ③ ツ④ テ③ ト② ナ③ ニ② ヌ④
キ 細胞呼吸…①解糖系(細胞質基質)②クエン酸回路(ミトコンドリアのマトリックス)
③電子伝達系(ミトコンドリアの内膜)の 3 つの反応段階からなる。
ク 細菌は原核生物であり、細胞壁と細胞質基質を持つ。
ケ 第二世代の発病していない両親 5、6 から生まれた第三世代の 6 は発病している。優性
遺伝であれば第二世代の 5 も発病していると考えられるので、この病気の原因となる遺伝
子は劣性である。
第二世代の男性 2 と 4 が発病していることから、原因となる遺伝子は X 染色体上にあり、
第一世代の発病している母親 2 からの由来によるものと考えられる。
コ、サ 過酸化水素水に二酸化マンガンを加えると、二酸化マンガンが触媒としてはたら
き、水と酸素に分解される。
シ 気泡の発生が見られないのは他に D、F、G、H の 4 本。
ソ 酵素の量が 2 倍になると基質を分解するのにかかる時間は半分になるが、基質量は同
じなので発生した気体の量も同じとなる。
タ 酵素分子は酵素-基質複合体をつくって、基質の分解反応を促進する。
チ 生態系の最初の主なエネルギーは、生産者である植物が光合成で取り込んだ光エネル
ギーである。
テ ピルビン酸の化学式は C3H4O3 N は含まない。
ト 草本→吸汁性のダニ→捕食性のダニ→小型の鳥類 が正しい。
二 雨力樹林…雨季と乾季がある熱帯・亜熱帯の樹林
照葉樹林…東アジアの暖温帯に多く分布
夏緑樹林…低い温度の温帯に広く分布
針葉樹林…亜熱帯から寒帯にかけて分布
ヌ プランクトンが多い湖より少ない湖では、透明度↑、一時生産力↓、単位容積当たり
の水中のリンや窒素の総量↓、となる。