人材育成のタネ有効求人倍率から考える職場の人材育成 厚生労働省が5月2日に発表した 3月の有効求人倍率は、前月比00 .2 ポイント上昇の1.07倍と2007年6 月に並ぶ高い水準でした。岡山県の 有効求人倍率も前月比00 . 6ポイント 上昇の14 . 7倍となっており、前月比、 3月の有効求人倍率ともに全国比を 大きく上回る数値です。前年の3月 と比較しても、全国は0.2ポイント 上昇、岡山県はなんと03 . 3ポイント も上昇しています。もちろん、この 数値だけで経済の良しあしは判断で きませんし、有効求人数、業種別推 移なども踏まえ冷静に判断しなけれ ばなりません。では、この状況が企 業にどういった影響を与えるのかを 人材育成の観点から考察してみまし ょう。 最近、「A社がパート・アルバイ ト社員を契約社員に」「B社が契約 社員を正社員(準正社員)化」とい った雇用形態に関する報道がよく聞 かれます。これは何を意味するので しょうか。もちろん、株価上昇、円 安影響、企業努力によって利益を拡 大した企業が賃金ベースアップを含 め、契約内容自体を見直しているこ ともありますが、大きな要素として は、有効求 人倍率など の上昇によ り働き手の 確保が難し くなってい るというこ とが考えら 竹本幸史氏 れます。こ れは新卒、既卒、中途などのレイヤ ーに限ったことではありません。こ うなると企業はどう人材を採用して いくかということに注目しがちです が、改めて考えてもらいたいのは、 現在働いている社員です。雇用形態 自体を見直すことも重要ですが、働 きがいのある職場にすることも必要 です。働きがいのある職場とは、成 長実感のある職場であり、正当に評 価される職場ということです。そう することで、人材の定着率も改善さ れますし、こんな職場で働いてみた いなどの声が人材採用の場面でも数 多く集まり、より恩恵を得られるは ずです。 人材採用環境は、これからまだま だ採用できない環境が続くと思われ ます。少し先の視点をもって人材の 育成、採用について考えることが大 切だと思います。 竹本 幸史 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主 としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ 奔走中。くらしき作陽大の非常勤講師も務める。またリーダー 養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講 ご感想・ご質問はメールアドレスまで [email protected]
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