7.5.2 RC造柱梁接合部の検討

7.5 部材ランクの解析後検討
7.5.2 RC 柱梁接合部の検討
7.5.2 RC柱梁接合部の検討
INDEX: 検討対象部材・柱梁接合部の終局せん断強度・柱梁接合部のせん断力・検定比
本システムでの崩壊メカニズム時の柱梁接合部の検討は以下による。
(1)検討対象部材
・ RC 柱に RC 造の大梁が取り付く場合、柱梁接合部のせん断耐力を検討する。RC 造以外の大梁が 1
本でも取り付く場合は検討しない。また 2 方向入力に対する検討もしない。なお、耐力壁の周辺大
梁が接続する方向は接合部の検討を行わない。
・ 検討対象となる大梁は柱の部材座標系y、z方向に対して±15°の範囲の梁とし、y、z方向に最
も近い角度の梁を上下または左右最大 2 本採用する。なお±15°の範囲は、当システムの独自規則
である。
z
y
矢印の梁が採用される
図-7.5.2.1 柱梁接合部の検討時に考慮する大梁
・
柱梁接合部の断面は上下の柱を包絡する形状とする
上柱
▽FL
下柱
柱梁接合部断面
図-7.5.2.2 柱梁接合部の平面形状
・ 梁の取り付き位置は柱中心と接合面の交点から左右に梁幅の 1/2 を取った位置とする。ただし梁幅が
柱幅より大きい場合など、接合面からはみ出す場合はその部分を無視する。
B-7.5.2-1
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7.5.2 RC 柱梁接合部の検討
梁幅
図-7.5.2.3 梁の取り付き位置
・ 左右の取り付く梁幅・梁位置が異なる場合は包絡した形状を梁幅b bとする。
梁幅b b
図-7.5.2.4 梁幅
・ 柱梁接合部は柱の柱頭にあるものとする。左右に取り付く梁のレベルが大きく異なり、梁成の 1/2
以上が重ならない場合は├形、┌形として検討する(詳細は②のκ参照)
。
(2)柱梁接合部の終局せん断強度
柱梁接合部の建物の崩壊メカニズム時の終局せん断強度は、日本建築学会「鉄筋コンクリート造建物
の靭性保証型耐震設計指針・同解説」に従い、下式による。
V ju      F j  b j  D j
ここで
V ju
:柱梁接合部の終局せん断強度(N)

:柱梁接合部の形状による係数
┼字形接合部
=1.0
├形および┬形接合部
=0.7
┌形接合部
=0.4
B-7.5.2-2
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※κを決定する方法は下記による。対象大梁が左右に取り付く
場合(右図)を示す。下記の判定方法は、左右の梁に段差が
▽FL
ある場合と左右の梁成が大きく異なる場合を考慮した当シス
L
大梁
テムで定めたルールである。よって軸組図上、左右に梁と上
下に柱が存在し、一見+字の形状であっても、梁レベルや梁
柱
成によってはト形と判定する場合がある。
ⅰ)左右の梁天端のz座標の小さい方と左右の梁下端のz座標の
大きい方の間の距離 L を算定する。
ⅱ)左側の梁成の 1/2 と L の長さを比較して形状を決める。
(梁成/2 < L)かつ(直上階に柱あり)⇒ ┼字形
(梁成/2 < L)かつ(直上階に柱なし)⇒ ┬形
(梁成/2 ≧ L)かつ(直上階に柱あり)⇒ ├形

:直交梁の有無による補正係数
両側に直交梁がある柱梁接合部
=1.0
上記以外の柱梁接合部
=0.85
F j :柱梁接合部のせん断強度基準値(N/mm2)
F j  0 . 8   B 0 .7
 B :コンクリートの圧縮応力度
D j :柱せいまたは 90 度折り曲げ梁主筋定着水平投影長さ
┼字および┬形接合部
D j = D(柱せい)
├形および└形接合部
D j = 3/4×D
(= 90 度折曲げ筋水平投影長さ)
b j  b b  ba 1  ba 2
b j :柱梁接合部有効幅
Dj
b 1 /2
D j /4
b
b 1 /2
柱水平断面
梁
Bb
b 2 /2
D j /4
(b b +b a1 +b a2 )
b 2 /2
b a2
図-7.5.2.5 柱梁接合部の有効幅
※丸柱の場合は丸柱を内接する正方形柱に置き換えて bj、D の値を計算する。
B-7.5.2-3
D b1
,
)
4 2
D b
 min( , 2 )
4 2
b a 1  min(
大梁
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(3)柱梁接合部のせん断力
検討用応力は、両端ヒンジを仮定して計算される次のV j と、せん断設計指定ステップにおける存在応力
によって計算される設計用せん断力Qd'の小なるものを採用する。
V j  T  T ' Vc
Vc  2( Mb  Mb' )
1
Lc  Lc'
ここで、Mb,Mb'は左右の梁のせん断設計指定ステップの節点モーメントとする。
Qd   T  T   Qc
Qc は柱梁接合部の上下柱のせん断設計指定ステップのせん断力の平均値である。
梁主筋の引張力 T(左大梁終端)および T'(右大梁始端)は下式による。
①
梁端部に塑性ヒンジを形成している場合
T( T ' )  by  bat  sy  sat
②
b at
:梁の引張側の主筋断面積
b σy
:梁の主筋の実強度
s at
:スラブの引張側の主筋断面積
s σy
:スラブの主筋の実強度
梁端部に塑性ヒンジを形成していない場合
T( T ) 
j
M
j
7
d
8
M
:指定ステップの端部フェース位置モーメント
ただし、この値は①の梁端部に塑性ヒンジを形成している場合の T(T')の値以下とする。
なお、大梁の T、T'および柱の Vc,Qc の値には存在応力の符号を考慮し、接合部にせん断力が入らない
ような応力状態となる場合には、
(T+T')×Vc<0 の場合 → Vj=0
(T+T')×Qc<0 の場合 → Qd'=0
とする。
(4)検定比
検定比は柱梁接合部耐力と検討用せん断力の比である。
検定比 =
jQd
Vju
jQd=α×min(Vj , Qd’)
α :柱梁接合部の設計用割増し係数(1.1 未満の入力不可)
B-7.5.2-4