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Home > 緑化製品 > Ask Dr.Green 芝草管理のお悩みに > 2014年 芝草ニュース > やっかいな日本芝病害​～ETRI病～
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※ETRI病; Ecto Trophic Root Infecting Fungi（外着生根部感染菌）による病気の略
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主に芝の根に寄生する病原菌による病害であり、病名としては以下の7種が知られています。（米国の病名含む）
ゾイシアデクライン（日本芝立枯病）
テイクオールパッチ（ベントグラス立枯病）
スプリングデッドスポット
ネクロティックリングスポット
サマーパッチ
バミューダグラスデクライン
デッドスポット
ETRI菌の特徴は主に芝の根に感染することにあり、若い根では組織の表面に付着（外着）し、古い根になると水分や養分の移
動路である維管束にまで侵入して植物組織が破壊します。
結果として水分、養分の移動が妨げられた芝は、乾燥に弱く、生育不良となり、春には典型的なしずみ症状を示します。
※病原菌が特定されたETRI病は、いわゆる「しずみ症」とは区別されています。
「しずみ症」とは、原因不明の芝の生育不良の総称です。
ETRI病による春の緑化や夏の回復遅延等のしずみ症状は、毎年同じ場所に発病しやすいという特徴もあります。
以下の4菌が単独あるいは混合感染しています。
菌の学名
主な病名
ゴウマノマイセス
(Gaeumannomyces
spp.)
マグナポルテ
(Magnaporthe
poae)
オフィオスフェレラ
(Ophiosphaerella spp.)
フィアロフォラ
(Phialophora sp.)
ゾイシアデクライン
テークオールパッチ
サマーパッチ
ネクロティックリングス
ポット
スプリングデッドスポット
デッドスポット
ゾイシアデクライン
スプリングデッドス
ポット
昨年度の日本芝病害診断では、全体の40％がゾイシアデクラインと診断されました。
また、混合感染が認められた10件のうち、7件でゾイシアデクラインの関与が確認されています。
それでは、適切な殺菌剤とはどのようなものでしょうか。バイエルは基礎試験を実施しました。
下の写真は、PDA培地上での菌糸伸長阻害活性試験です。
培地の中央に各病原菌を接種、周辺4か所に薬剤を処理し、菌糸伸長程度を観察しました（白く綿のように見えるものが菌糸です）。
ゴウマノマイセス菌、オフィオスフェレラ菌は各4菌株、フィアロフォラ菌は2菌株を供試し総合判定した結果、クルセイダーフロアブルは各
ETRI菌に高い阻害活性を有することが確認されました。
一方、作用性の異なるQoI剤やSDHI剤については、オフィオスフェレラ菌には高い効果を示すがゴウマノマイセス菌には低活性であるなど、
ETRI菌の種によって効果に振れが認められました。
また、同じETRI菌でも採取地の異なる菌株間で感受性に差が認められました。
薬剤
クルセイダーフロアブル
DMI（EBI）剤A
QoI剤A
SDHI剤A
SDHI剤B
作用機作
グループ名
ゴウマノマイセス菌
（ZD､SDS）
オフィオスフェレラ菌
（NRS､SDS）
フィアロフォラ菌
（ZD、SDS）
DMI
(EBI)
○
○
○
○
○
△～○
QoI
×
×～△
×～△
×
×
×
×
×～○
×
SDHI
活性の強さ　○: >75%､　△: 40-75%､　×: <40%
ZD：ゾイシアデクライン、SDS：スプリングデッドスポット、NRS：ネクロティックリングスポット
高活性であるクルセイダーフロアブルを使用する
混合感染しているケースが多々あるため、幅広いスペクトラムのクルセイダーフロアブルは特に安心である
秋の散布が効果的なため、秋散布を優先させる
水量を多めに散布する（500ml/m2以上推奨）
芝の根に薬液を到達させるように適切な散布を心がける（更新作業後の散布、高圧散布、降雨前散布、刈込後散布等）
浸透剤を併用する
2～4年かけてじっくり治療する（秋⇒春の体系）
適切な施肥を実施する
虫害と誤らないように気を付ける（特にチガヤシロオカイガラムシ、防除にはタフバリアフロアブル）
「タフバリアフロアブル」カタログ（PDF）
9月1日号
11月1日号
2014年 芝草ニュース一覧
Last updated:July 18,2013
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