2014 年 1 月 22 日 制定 Code.No 16004181 中空ーリポソーム抗体ラベリングキット [はじめに] リポソームは、様々な物質を内包させることができ、生体内の標的 部位に物質を送達することのできるキャリアーとして知られています。近年、 リポソーム表面に認識プローブを結合させて標的部位をアクティブにター ゲティングする技術は、特にライフサイエンス分野やドラッグ・デリバリー・シ ステム(DDS)の分野で活発に開発されています 1~5) 。 中空リポソーム 抗体ラベリングキットは、脂質二重膜から構成されるリ ポソームの表面に架橋剤を介して、抗体を結合させることのできるキット です。 別売のアドリアマイシン-リポソーム抗体ラベリングキット (Code.No16004141)、オキザリプラチン-リポソーム抗体ラベリングキッ ト (Code.No.16004131)、クルクミン-リポソーム抗体ラベリングキット (Code.No.16004151)、シスプラチン-リポソーム抗体ラベリングキット (Code.No.16004121)、金コロイド-リポソーム抗体ラベリングキット (Code.No.16004161)を用いた薬効評価の際、リポソームの脂質成 分の影響を確認する為のコントロールとして、ご使用頂けます6~7)。 [抗体のラベリング方法:リポソーム溶液 (1mL)] 1. 粉体Aに精製水を 500μL 添加して溶解する(①液)。(用時調製) 2. リポソーム溶液 1mL に①液 50μL を添加して、室温で 2 時間撹拌 する。 3. 遠心限外濾過フィルター (NMWL,Da: 30,000)を用いて脱塩を行 う。100~200μL に濃縮し、溶液Aを加えて 1 mL とする。この操 作をもう一度繰り返す。 4. リポソーム 1 mL に対し 2 mg/mL の抗体溶液(*1)を 50μL 添加 して室温で2時間反応させる。抗体結合反応時の抗体濃度は約 0.1mg/mL(*2)となる。 5. 溶液Bを 40μL 添加し、室温で 2 時間撹拌する。 6. 遠心限外濾過フィルター(NMWL,Da: 300,000)を用いて、 [特徴] 100~200μL に濃縮し、溶液Cを加えて 1 mL とする。この操作を 1. 5種類の脂質成分(DPPC/DPPE/DCP/Cholesterol/GM3)で もう一度繰り返す。 構成されています。 2. リポソームの平均粒子径は約 80~150nm です。 3. リポソームへの抗体付加を容易に行うことができます。 7. 0.45μm 濾過フィルターで濾過をする。使用まで冷凍を避けて遮光 下、冷蔵保管する。 4. リポソーム表面は負電荷を帯びています。そのため、血管壁や血中の 各種タンパク質との非特異的な吸着を抑える効果が期待できます。 5. リポソーム表面は親水性化処理を施しています。免疫系細胞の貪 食を抑える効果が期待できます。 6. 1 年間の保管が可能です。 (*1) 抗体をご準備頂く際、抗体溶液中に1級アミノ基を有する物質 を含有しないことを確認下さい。1級アミノ基が存在するとリポソームと抗 体の反応が阻害される可能性があります。抗体の溶解液は、生理食塩 水、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液等をお奨めします。 [キットの内容] リポソーム溶液 : 1 mL ×2 (*2) 抗体の終濃度は、0.1~0.4mg/mL の範囲でご検討下さい。 粉体A : 10 mg ×2 溶液A : 2 mL ×2 溶液B : 2 mL [注意事項] 1. 粉体 A は必ず使用直前に精製水で溶解して使用して下さい。 溶液C : 2 mL ×2 2. 長時間保管する場合は、容器キャップをしっかりと閉めてください。 * 遠心式限外濾過フィルター(NMWL,Da: 30,000)および(NMWL, Da: 300,000)をご準備下さい。 推奨製品 ・Amicon Ultra-4 (NMWL, Da: 30,000) 3. 凍結を避けて保管して下さい。 4. 濾過滅菌を行っております。防腐剤等は添加していません。 MILLIPORE : 型番 UFC8 030 08 : 8 本入り ・Centricon YM-30 (NMWL, Da: 30,000) MILLIPORE : 型番 4242AM : 8 本入り ・Microcon YM-30 (NMWL, Da: 30,000) MILLIPORE : 型番 42422 : 8 本入り ・VIVASPIN (NMWL, Da: 300,000) Sartorius : 型番 US2052 : 48 本入り [保管] 遮光下、2~10℃で保管 [参考文献] 1. M. Hirai, H. Minematu, N. Kondo, K. Oie, K. Igarashi, N. Yamazaki, Accumulation of liposome with Sialyl Lewis X to inflammation and tumor region: Application to in vivo Bio-Imaging, BBRC 353 (2007) 553-558. 2. M. Hirai, K. Oie, K. Igarashi, In vivo imaging reagent using liposome with sugar chain, MSD 33 (2007) 826-828 3. N. Hashida, N. Ohguro, N. Yamazaki, Y. Arakawa, Eiji Oiki, H. Mashimo, N. Kurokawa, Y.Tano, High-efficacy site-directed drug delivery system using sialyl-Lewis X conjugated liposome, Experimental Eye Research 86 (2008) 138-149. 4. J. Minaguchi, T. Oohashi, K. Inagawa, A. Ohtsuka, and Y. Ninomiya, Transvascular accumulation of Sialyl Lewis X conjugated liposome in inflamed joints of collagen antibody-induced arthritic (CAIA) mice, Arch Histol Cytol 71(3) (2008) 195-203. 5. C. Inokuchi, H. Ueda, T. Hamaguchi, J. Miyagawa, M. Shinohara, H. Okamura, and M. Namba, Role of Macrophages in the development of pancreatic islet injury in spontaneously diabetic Torii rats, Exp. Anim 58(4) (2009) 383-394. 6. M.Hirai, Y. Hiramatsu, S. Iwashita, T. Otani, L. Chen, Y. Li, M. Okada, K. Oie, K. Igarashi, H. Wakita and M. Seno, E-selectin targeting to visualize tumors in vivo, Contrast Media Mol. Imaging 5 (2010) 70-77. 7. M. Hirai, H. Minematsu, Y. Hiramatsu, H. Kitagawa, T. Otani, S. Iwashita, T. Kudoh, L. Chen, Y. Li, M. Okada, D. S. Salomon, K. Igarashi, M. Chikuma, M. Seno, Novel and simple loading procedure of cisplatin into liposomes and targeting tumor endothelial cells, International Journal of Pharmaceutics 391 (2010) 274-283. [製造元] 大阪府箕面市稲4丁目1番7号 TEL: 072-749-3020
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