不飽和酸金属塩モノマー - 浅田化学工業株式会社

不飽和酸金属塩モノマー
(アクリル酸塩、メタクリル酸塩)
1.はじめに
不飽和酸金属塩モノマーを弊社では含金属モノマーと称し、水溶性タイプと粉末タイプを
一般品とし、油溶性タイプを特殊品と位置づけ製造・販売しています。
これらは用途により使い分けられ、水溶性タイプではMg(AA) 2 30%水溶液で顕著に表れる
如く粘弾性のホモゲル形成とか、水溶性ポリマーの強度アップ、硬さ付与等の物性値改善又は
水不溶化剤として使用する事が出来ます。粉末タイプはモノマー又はポリマーに分散させ て
架橋させポリマーを改質する事が出来ます。特にゴムでは練り込み分散後、過酸化物等で
加硫時、共架橋剤及び硬化剤として使用される事はよく知られているところです。この結果、
耐油性・耐熱性・耐候性・接着性の改善のほか、各種物性の改良等の用途に使用されます 。
油溶性タイプは非水溶性モノマー又は非水溶性ポリマーに混合し架橋させ、耐熱性・耐候 性
の改善及び硬さ付与等の用途に使用されます。このように含金属モノマーは広い分野で用 途
が開発されています。
2.含金属モノマーの種類
2-(1)水溶性タイプ
商品名
一般式
P H (20 ℃ )
化審法番号
CAS No.
30% 水 溶 液
Zn(AA) 2
4.0 ~ 6.0
2-985
14643-87-9
アクリル酸マグネシウム 30%水溶液
Mg(AA) 2
5.0 ~ 6.0
2-985
5698-98-6
アクリル酸カルシウム 25%水溶液
Ca(AA) 2
6.0 ~ 7.0
2-985
6292-01-9
Al(AA) 3 - x X x
1.0 ~ 2.0
2-985
15743-20-1
アクリル酸亜鉛
アクリル酸アルミニウム水溶液
2-(2)粉末タイプ
①アクリル酸塩
商品名
一般式
金属分
アクリル酸分
化審法番号
CAS No.
アクリル酸ナトリウム
Na- AA
20~ 24%
60~ 75%
2-985
7446-81-3
アクリル酸カリウム
K- AA
31~ 36%
60~ 64%
2-3448
10192-85-5
2-985
14643-87-9
アクリル酸亜鉛
cp
Zn(AA) 2
31% 以 上
65% 以 上
アクリル酸亜鉛
RS S
Zn(AA) 2
27% 以 上
56% 以 上
アクリル酸マグネシウム
Mg(AA) 2
12~ 15%
70~ 85%
2-985
5698-98-6
アクリル酸カルシウム
Ca(AA) 2
18~ 22%
60~ 75%
2-985
6292-01-9
代表的物質の構造式
アクリル酸カリウム
2-985
アクリル酸亜鉛
14643-87-9
②メタクリル酸塩
商品名
一般式
金属分
メタクリル酸分
化審法番号
CAS No.
Na-mAA
19~ 21%
75~ 80%
2-1027
5536-61-8
K-mAA
27~ 31%
66~ 70%
2-1027
6900-35-2
Zn(mAA) 2
26% 以 上
65% 以 上
2-1028
13189-00-9
メタクリル酸亜鉛 R-20S
Zn(mAA) 2
25~ 27%
60~ 64%
2-1028
13189-00-9
メタクリル酸マグネシウム
Mg(mAA) 2
12~ 15%
78~ 82%
2-2593
7095-16-1
メタクリル酸カルシウム
Ca(mAA) 2
15% 以 上
65% 以 上
2-1027
16809-88-4
メタクリル酸ネオジウム
Nd(mAA) 3
36~ 37%
57.5~63.8%
2-3441
79718-22-2
メタクリル酸ナトリウム
メタクリル酸カリウム
メタクリル酸亜鉛
cp
代表的物質の構造式
メタクリル酸ナトリウム
メタクリル酸亜鉛
2-(3)油溶性タイプ
商品名
一般式
ZNMA5
Zn(mAA) x X
y
Zn-60MA
Zn(mAA) x X
y
金属分
重合性有機酸分
備考.
18%以上
38%以 上
メタノール液
11.5~12.5%
23.5 ~ 24.5 %
PGM液
3.使用例
3-(1)粉末タイプ金属塩モノマーのゴムへの応用例
(A )N R 配 合
品
名
NR
H AF カ ー ボ ン ブ ラ ッ ク
ナフテン酸プロセスオイル
ステアリン酸
亜鉛華
サンセラーDM
硫黄
共架橋剤
配合量
100 重 量 部
75 重 量 部
15 重 量 部
2 重量部
5 重量部
1 重量部
別記
別記
<共架橋剤>
商品名
R-20S
サ ン エ ス テ ル TMP
サンフェル
BM
化学名
メタクリル酸亜鉛
トリメチロールプロパントリメタクリレート
N,N’-フェニレンビスマレイミド
<加硫促進剤>
商品名
化学名
サ ン セ ラ ー DM
ジベンゾチアジルジスルフィド
試験条件:キュラストメーターⅤ(140℃)
①硫黄 2.5 部 固定時の共架橋剤 添加効果(加硫挙動/トルク値)
<R-20S変量>
1.6
トルク値(N・m)
1.4
1.2
1
R-20S 0部
R-20S 1.0部
R-20S 2.0部
0.8
0.6
0.4
0.2
0
10
<TMP変量>
20
30
40
加硫時間(分)
50
60
1.6
トルク値(N・m)
1.4
1.2
1
TMP 0部
TMP 1.0部
TMP 2.0部
0.8
0.6
0.4
0.2
0
10
<BM変量>
20
30
40
加硫時間(分)
50
60
1.6
トルク値(N・m)
1.4
1.2
1
BM 0部
BM 1.0部
BM 2.0部
0.8
0.6
0.4
0.2
0
10
②共架橋剤 2 部
20
30
40
加硫時間(分)
50
60
固定時の硫黄変量効果(加硫挙動/トルク値)
1.6
S8変量時の
「R-20S」
加硫特性
トルク値(N・m)
1.4
1.2
1
S8 1.5部
S8 2.0部
S8 2.5部
0.8
0.6
0.4
0.2
0
10
20
30
40
加硫時間(分)
50
60
1.6
1.4
トルク値(N・m)
S8変量時の
BM
加硫特性
1.2
1
S8 1.5部
S8 2.0部
S8 2.5部
0.8
0.6
0.4
0.2
0
10
20
30
40
加硫時間(分)
50
60
(B )E P D M 配 合
配合量
<共架橋剤>
100 重 量 部
商品名
化学名
50 重 量 部
R-20S
メタクリル酸亜鉛
ナフテン酸プロセスオイル
サ ン エ ス テ ル TMP
トリメチロールプロパントリメタクリレート
5 重量部
EG
エチレングリコールジメタクリレート
ステアリン酸
1 重量部
亜鉛華3号
5 重量部
有 機 過 酸 化 物 D-40
5.4 重 量 部
共架橋剤
別記
レオメーター試験(Rheometer Test):θ=±1°, 100cpm , 170℃
t S1
t 90- t 10
品 名
ENB 系 EPDM ( ヨ ウ 素 価 1 2 )
H AF カ ー ボ ン ブ ラ ッ ク
1.5
9
8
1
7
(min)
(min)
R-20S
TMP
EG
0.5
R-20S
TMP
EG
6
5
4
0
0
2.5
5
10
3
20
0
共架橋剤添加量(phr)
2.5
5
10
20
共架橋剤添加量(phr)
引張試験(Tensile Test):170℃プレス加硫
EB
TB
20
450
400
18
R-20S
TMP
EG
(%)
300
250
(MPa)
350
16
R-20S
TMP
EG
14
200
12
150
10
100
0
2.5
5
10
0
20
2.5
5
10
20
共架橋剤添加量(phr)
共加硫剤添加量(phr)
M 100
5
(MPa)
4
R-20S
TMP
EG
3
2
1
0
2.5
5
10
20
共架橋剤添加量(phr)
3-(2)水溶性金属塩モノマーのホモゲル形成
ア ク リ ル 酸 マ グ ネ シ ウ ム 30% 水 溶 液
w
50 g
5 /v % 過 硫 酸 ア ン モ ニ ウ ム
1㎖
5 w /v % ℓ- ア ス コ ル ビ ン 酸
1㎖
全量添加
約 30 秒でゲル化し
粘弾性ゲルとなる
※ゲル化速度は触媒(過硫酸アンモニウム,ℓ-アスコルビン酸)の量により加減出来ます。
また、ゲル強度は添加前に加水する事により弱める事が出来ます。
4.注意事項
ご 使 用 前 に 安 全 デ ー タ シ ー ト (SDS)を 必 ず お 読 み 下 さ い 。
5.応急処置
(メタクリル酸亜鉛 R-20Sの場合)
吸入した場合
:空気の新鮮な場所に移し、呼吸のしやすい姿勢で休息させる。
気分が悪い時は、医師に連絡する。
皮膚に付着した場合: 多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断/手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合
:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて
容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
: 直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。
飲み込んだ場合
6.保管上の注意
・粉末品は吸水性が有り、特に1価金属塩は強い為、湿度の高い場所での保管は避けて下さい。
また、一度開封した物は早目に使用するか、または密封して保管して下さい。
・直射日光の当たる場所とか高温場所での保管を避けて下さい。
7.包
装
液体品;20kg詰-バッグインボックス,18kg 詰-ポリ缶,200kg詰-ドラム缶
粉末品;10.5kg詰-紙袋,420kg詰-フレコンバック
浅田化学工業株式会社
TEL
TEL
TEL
TEL
TEL
TEL
672- 8055
0 7 9 )2 3 5 - 1 9 1 1
541- 0056
0 6 )6 2 6 2 - 3 9 1 4
101- 0038
0 3 )3 2 5 6 - 4 9 3 1
538- 0052
0 6 )6 9 1 2 - 5 4 3 8
739- 0443
0 8 2 9 )3 0 - 6 9 6 9
300- 2521
0 2 9 7 )2 4 - 1 1 0 0
F A X (0 7 9 )2 3 5 - 1 9 1 5
F A X (0 6 )6 2 6 2 - 3 9 0 0
F A X (0 3 )3 2 5 2 - 0 1 6 8
F A X (0 6 )6 9 1 1 - 4 1 6 2
F A X (0 8 2 9 )3 0 - 8 3 8 3
F A X (0 2 9 7 )2 4 - 1 1 0 1
2014 年 4月 1日 作 成