Document 673698

回路の勉強会
第3回 二端子対回路
回路の勉強会
Nicodimus R. @ 2014
受動2端子対回路
I1
a
Z3
Z1
I2
I1
I2
b
V1
Z2
Z4
a
V1
V2
2端子対回路
V2
b
(b)
(a)
電圧、電流信号に関係なく回路の入力または出力端子は必ず端子対である。
図(a)では a-a´ と b-b´ が端子対である。入力及び出力にそれぞれ一つの端子対と
なっているため図(a)の回路を2端子対回路と呼び、図(b)のように表す。
またZiは抵抗、容量、インダクタの何れかであり、これらの素子は受動素子とも言うので
図(a)の様な回路を受動2端子対回路と言う。
回路の勉強会
Nicodimus R. @ 2014
2
アドミタンス行列(Y行列)
I1
V1


I2
ここで電流と電圧の関係をアドミタンス(Y)で
表すと


2端子対回路
I  Y V
V2
となる。※アドミタンスはインピーダンスの逆数
従って、左の図の電流と電圧関係は
I1  Y11  V1  Y12  V2
I1
I 2  Y21  V1  Y22  V2
I2
上の図において、電流I1とI2はV1とV2を
使って表すと
ポイント
I1  V1に起因する分  V2に起因する分
I 2  V1に起因する分  V2に起因する分
と書くことが出来る。
回路の勉強会
 I1  Y11 Y12  V1 
 I   Y Y  V 
 2   21 22   2 
アドミタンス行列
Nicodimus R. @ 2014
3
Y行列の求め方
I1
V1


I2
I1
短
絡
2端子対回路
I1
V2を短絡した状態
I1  Y11V1
I2
短
絡
V1を短絡した状態
I1  Y12V2
2 0
I 2  Y21V1
I
Y21  2
V1


2端子対回路
I1
I1
Y11 
V1 V
I2
I 2  Y22V2
I2
I1
Y12 
V2
V1  0
I2
V2
V1  0
Y22 
V2  0
V2
端子を短絡して得られるためY行列は短絡アドミタンス行列とも言う
回路の勉強会
Nicodimus R. @ 2014
4
Y行列の用語
左の図において、Y11は
a
V1
I1


a
I2
Y11 
b
2端子対回路
I1
I2
b
Y行列のY11、Y12、Y21、Y22をアドミタンス
パラメータもしくはYパラメータと呼ぶ。
回路の勉強会
I1
V1
と求められ、関係する電流および電圧はい
ずれも電圧源のついている端子(駆動点)の
ものである。この場合、 Y11を端子a-a´の
短絡駆動点アドミタンスと呼ぶ。
また、Y21は
Y21 
I2
V1
と求められ、関係する電圧および電流は端
子a-a´(駆動点)と端子b-b´のものである。
この場合、 Y21を端子a-a´から端子b-b´へ
の短絡伝達アドミタンスと呼ぶ。
Nicodimus R. @ 2014
5
インピーダンス行列(Z行列)
ここで電流と電圧の関係をアドミタンス(Y)で
表すと
V
I1
V1
2端子対回路
V2
I2
Z I
となる。従って、左の図の電流と電圧関係
は
V1  Z11  I1  Z12  I 2
V2  Z 21  I1  Z 22  I 2
上の図において、電流V1とV2はI1とI2を
使って表すと
V1  I1に起因する分  I 2に起因する分
V2  I1に起因する分  I 2に起因する分
ポイント
V1   Z11 Z12   I1 
V    Z Z   I 
 2   21 22   2 
と書くことが出来る。
回路の勉強会
インピーダンス行列
Nicodimus R. @ 2014
6
Z行列の求め方
開 開
放 放
I1
V1
2端子対回路
V2
V1
I2を開放した状態
V1  Z11I1
V2  Z 21I1
V1
Z11 
I1
V2
Z 21 
I1
2端子対回路
V2
I2
I1を開放した状態
I 2 0
V1
Z12 
I2
I1  0
I 2 0
V2
Z 22 
I2
I1  0
V1  Z12I 2
V2  Z 22I 2
端子を開放して得られるためZ行列は開放駆動点インピーダンス行列とも言う
回路の勉強会
Nicodimus R. @ 2014
7
Z行列の用語
a
左の図において、Z11は
b
開
放
I1
V1
a
2端子対回路
V2
b
Z11 
V1
I1
と求められ、関係する電流および電圧はい
ずれも電圧源のついている端子(駆動点)の
ものである。この場合、 Z11を端子a-a´の
開放駆動点インピーダンスと呼ぶ。
また、Z21は
Z行列のZ11、Z12、Z21、Z22をインピーダ
ンスパラメータもしくはZパラメータと呼ぶ。
回路の勉強会
Z 21 
V2
I1
と求められ、関係する電圧および電流は端
子a-a´(駆動点)と端子b-b´のものである。
この場合、 Z21を端子a-a´から端子b-b´へ
の開放伝達インピーダンスと呼ぶ。
Nicodimus R. @ 2014
8
基本行列(F行列)
I1
I2
ここで電流と電圧の関係
V1  A  V2  B  ( I 2 )
V1
2端子対回路
V2
I1  C  V2  D  ( I 2 )
ポイント
上の図において、電流V1とI1はV2とI2を
使って表すと
V1  V2に起因する分  I 2に起因する分
I1  V2に起因する分  I 2に起因する分
V1   A B   V2 
 I   C D   I 
 2 
 1 
基本行列
と書くことが出来る。
回路の勉強会
Nicodimus R. @ 2014
9
F行列の求め方
a
I1
I2
b
つぎに、V2=0(端子b-b´を短絡)とすると
V1  B  ( I 2 )
V1
2端子対回路
2 0
V2
a
V1
B
I2 V
b
I1  D  ( I 2 )
I1
D
I2
V2  0
まず、I2=0(端子b-b´を開放)とすると
V1  A V2
I1  C V2
回路の勉強会
ポイント
V1
A
V2
I 2 0
I1
C
V2
I 2 0
F行列のパラメータ(A,B,C,D)は
出力側の端子(b-b´)を開放ま
たは短絡することで求めること
が出来る。
Nicodimus R. @ 2014
10
F行列の求め方一例
I1
I2
Z
V1


(2)端子b-b´を短絡すると
b


b
I1
I2
Z
V2
V1
b


(1)端子b-b´を開放すると
I1
I2
Z
V1


電流は流れないため
b
b
 I 2  I1
V1  Z  ( I 2 )
V2
従って、直列接続インピーダンスの
F行列は
b
I1  0, I 2  0
C 0
V2  V1
A 1
回路の勉強会
D 1
BZ
重要
Nicodimus R. @ 2014
直列

F 




11
F行列の求め方一例
I1
V1
I2
(2)端子b-b´を短絡すると
b




Z
b
I1
I2
b
V2
V1
Z
(1)端子b-b´を開放すると
I1
V1
I2


Z
V1
I1 
Z
V2  V1
回路の勉強会
b
b
V2
 I 2  I1
D 1
V1  0
B0
従って、並列接続インピーダンスの
F行列は
b
C1
Z
重要
A 1
Nicodimus R. @ 2014
並列

F 




12
F行列の使い方
I1 a
Z3
Z1
Z5
I2
b
V1


a
Z2
Z4
Z6
V2
b
問題:V2をV1やZiを使って表しなさい。
はしご型回路のそれぞれインピーダンスは従属接続されているため、a-a´とb-b´の間に
ある2端子対回路のF行列はそれぞれのインピーダンスのF行列の積になる。よって、
V1   A B  V2 
V2 
 I   C D  I   F1 F2 F3 F4 F5 F6  I 
 2 
 1 
 2
但し、
0
0
0
1
1
1
1 Z 3 
1 Z 5 
1 Z1 

, F3   , F4   1
, F5   , F6   1
F1   , F2   1
1
1
1
 Z 
 Z 
 Z 
0 1 
0 1 
0 1 
6 
2 
4 



回路の勉強会
Nicodimus R. @ 2014
13
(続き)
0 1 Z 3  1
0 1 Z 5  1
0 V2 
V1  1 Z1  1
 I   0 1   1  0 1   1  0 1   1   I 
 Z 4 1   2 
 1    Z 2 1    Z 4 1  

 Z1
  Z3
  Z5
1

Z
1

Z
1

Z
5  V2 
1
3 
Z6
Z4
  Z 2
 I 


 2
 Z 21
1   Z 41
1   Z 61
1 
 Z1  Z 3  Z1
1  1   
  Z 2  Z 4  Z 4

*

 Z

 Z1 
1   Z 3  Z1  1  5 Z 5  V2 
Z6
 Z2 

I 
 2

1
  Z 6

1
*


ここで、V1とV2の関係を表すのは赤線で囲った項のみであることに注目!
 Z1  Z 3  Z1  Z 5    Z1 
 1








V
1

1


1


1

Z

Z
 1  
1
1
 Z  Z  Z    Z  3

Z
Z
 I  
2 
4 
4 
6  
2 
6

 1 
*

よって、
回路の勉強会

* V2 
 I 
 2
*
1
 Z1  Z 3  Z1  Z 5    Z1 
 1 
V2  1  1    1     1   Z 3  Z1  1  V1
 Z 2  Z 4  Z 4  Z 6    Z 2 
 Z 6 
Nicodimus R. @ 2014
14
C1
v1


例題
L3
R2
伝達関数 T ( s) 
R4 v2
v2
を求めなさい。
v1
まずはF行列を求めると
 1  1 0 
1 0 
v1  1
v2 
1 sL3  




i    sC1   1 1 0 1   1 1 i 
 R  2 
 1  0 1   R  

 2 
 4 
1

1

v
sC1 R2
 1

i  
1
1  

R2


1  sL3 
1 




v1  1 
1  R   sC R v2
sC
R
1 2 
4 
1 4

 sC R  1  R  sL3 
1 
 
  1 2  4
v2
sC
R
R
sC
R
1 2
4
1 4



sC1R2  1R4  sL3   R2 v

2
sC1 R2 R4
T ( s) 

回路の勉強会
1   sL3

1

sL
3
sC1   R4
v 
 2 

 i
 1
1 
1  2 
  R4

Nicodimus R. @ 2014
v2
sC1 R2 R4

v1 sC1 R2  1R4  sL3   R2
sC1 R2 R4
s 2C1 L3 R2  s (C1 R2 R4  sL3 )  R2  R4
15