アブストラクト

ウラムの螺旋を用いたペル方程式の解の視覚化
横浜サイエンスフロンティア高校(3 期生)→東京工業大学第1類
増田卓斗
Ⅰ.用語解説
13 12 11 10 25
14 3 2 9 24
15 4 1 8 23
16 5 6 7 22
17 18 19 20 21
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Twitter: ウラムの螺旋(@ulamspiral317)
1.ウラムの螺旋(Ulam spiral)とは
ウラムの螺旋とは、左図のように正方形のマスに自然数を 1 から順に螺旋状に並
べたものである。これは、20 世紀の数学者スタニスワフ・ウラム(Stanisław
Marcin Ulam)がある会議中の暇つぶしで紙に書いたものなので、ウラムの螺旋
と呼ばれている。左図は 1 から 25 まで書いたウラムの螺旋である。
2.ペル方程式(Pell's equation)とは
ペル方程式とは平方数でない自然数 D に対して、方程式 x
2
 Dy2  1 の整数解を求める問題である。ペ
ル方程式は必ず自明な解 x = 1, y = 0 以外の整数解を持つことが知られている。
また 1 つの解 x, y  を得たとすれば、


k
xk  yk D  x  y D (k ℕ )
となるはすべてペル方程式の解になることも知られている。また x k , y k  は
れる D の最良近似分数の中から見つかり、逆に
D の連分数展開から得ら
xk
は D の最良近似分数になる。
yk
Ⅱ.発表要約
ウラムの螺旋において素数を塗りつぶすと、特徴的な図が出来ることは比較的有名であると思われる(下図、左)。
今回の発表では、素数でなく三角数(1,3,6,10,…)を塗りつぶした時にできる図(下図、右側2つ)が、ペル方程式
x 2  8 y 2  1 の解を視覚化していることを示す。(点列の数が解 x になる。)
2
2
そして、一般のペル方程式 x  Dy  1 の解を視覚化するために、ウラムの螺旋の拡張を行う。
下の図では、数字を直交座標上の格子点で置き換えて表示していて、点の大きさは強調のために調節してある。
ウラムの螺旋を 1~38809 まで
ウラムの螺旋を 1~1225 まで
ウラムの螺旋を 1~38809 まで
書き、そこから素数を表示
書き、そこから三角数を表示
書き、そこから三角数を表示
斜め方向に直線があるように
点列が 3 本見え、 x, y   (3,1)
点列が 17 本見え、 x, y   (17,6)
見える。
はx
2
 8 y  1 の解。
2
はx
2
 8 y 2  1 の解。