Copyright (c) 2014 Makoto Minagawa All Rights Reserved ほ そ き こえ Small Voice 細き聲 聖書研究 大いなる強き風山を裂き岩石を砕きしが風の中にはエホバ在さざりき、風の後に地震ありしが地震の中にはエホバ在さざりき。 又地震の後に火ありしが、火の中にはエホバ在さざりき、火の後に静なる細微き声ありき。 列王記略上19:11、12 明治元訳聖書 日本学生宣教会 マタイによる福音書 3章12節 † 日本語訳聖書 【漢訳聖書】 Matt. 3:12 其手執箕、其將淨厥禾場、斂厥麥入倉、而燬糠以不滅之火。 【明治元訳】 Matt. 3:12 手(て)には箕(み)を持(もち)て其禾塲(うちば)を淨(きよ)め麥は斂(あつめ)て其倉(くら)にいれ糠(から) は熄(きえ)ざる火(ひ)にて燬(やく)べし○ 【大正文語訳】 Matt. 3:12 手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん』 【ラゲ訳】 Matt. 3:12 彼の手に箕ありて其禾場を浄め、麦は倉に納め、糠は消えざる火にて焼き給ふべし、と。 【口語訳】 Matt. 3:12 また、箕を手に持って、打ち場の麦をふるい分け、麦は倉に納め、からは消えない火で焼き捨てる であろう」 。 【新改訳改訂3】 Matt. 3:12 手に箕を持っておられ、ご自分の脱穀場をすみずみまできよめられます。麦を倉に納め、殻を消え ない火で焼き尽くされます。 」 【新共同訳】 Matt. 3:12 そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消え ることのない火で焼き払われる。 」 【バルバロ訳】 Matt. 3:12 その方は手に箕を持って麦打ち場を清め、麦を倉に納め、もみがらは消えぬ火焼き尽くされるだろ う」と言った。 【フランシスコ会訳】 Matt. 3:12 そのかたは手にみを持ち、麦打ち場の麦をふるい分け、麦は倉におさめ、もみがらは消えることの ない火で焼き尽くされるであろう」。 【日本正教会訳】 Matt. 3:12 其(その)箕(み)は其手に在り、彼は其(その)禾場(うちば)を淨(きよ)めて、其(その) 麥(むぎ)を倉に斂(をさ)め、糠(から)を滅(き)えざる火に燬(や)かん。 【塚本虎二訳】 Matt. 3:12 その手に箕をもっておられるので、(すぐ)脱穀場の掃除をされる。すなわち麦は集めて倉にいれ、 籾殻は消えぬ火で焼きすてられるであろう。 (聖霊と火の洗礼とはこれである。 ) 」 Copyright (c) 2014 Makoto Minagawa All Rights Reserved 【前田護郎訳】 Matt. 3:12 彼は箕(み)をその手にし、その脱穀場を清め、麦をその倉に納め、籾殻(もみから)を消えぬ火で焼き つくされよう」 。 【永井直治訳】 Matt. 3:12 彼はその手に箕(み)を[持ち]て、その禾場(うちば)を淨(きよ)めん。かくてその麥を集め て倉に納れ、また殻をば熄(き)えざる火にて焚(た)きつくし給ふべし。 【詳訳聖書】 Matt. 3:12 彼の箕<熊手>は彼のみ手にあり、彼はご自分の脱穀場を徹底的に掃除し<清め>、麦は納屋に集 め<たくわえ>、もみ殻は消えることのない火で燃やしてしまわれる」 。 † ギリシャ語聖書 Interlinear Matt. 3:12 ou- to. ptu,on evn th/| ceiri. auvtou/ kai. diakaqariei/ th.n a[lwna auvtou/ kai. suna,xei to.n si/ton auvtou/ eivj th.n avpoqh,khn( to. de. a;curon katakau,sei puri. avsbe,stw|Å ou- to. of whom kai. the ptu,on evn fan[is] in th/| diakaqariei/ and he will thoroughly cleanse kai. and to. the † suna,xei will gather de. but a;curon chaff to.n the ceiri. auvtou/ th.n a[lwna the si/ton wheat katakau,sei hand the of him, threshing-floor auvtou/ of him he will consume eivj into puri. with fire th.n the auvtou/ of him, avpoqh,khn( barn; avsbe,stw|Å unquenchable. 私訳(詳訳) 【私訳】 「この方はその手に箕を[持ち]、そして、脱穀場をすっかりきれいに(掃除)し、また、麦は穀倉 に集める、しかし、殻は消えない火で焼きつくされる」 † 新約聖書ギリシャ語語句研究 【この方は】 ou- o[j ホス hos {hos} (aprnn-s 関係代名詞・属男単) 1)この~ 【その】 auvtou/ auvto,j アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3) 1) 彼・それ(三人称の代名詞) 2)自身(強調用法) 3)同じ 4)まさに 【手】 ceiri. cei,r ケイル cheir {khire } (n-df-s 名詞・与女単) 1)手 2)行為、行動 3)人手 【に】 evn e;n エン en {en} (pd 前置詞・属) 1)中に、間に 2)で 3)よって 4)に 【箕をもって】 ptu,on ptu,on プツオン ptuon {ptoo‘-on } (n-nn-s 名詞・主中単) 1)箕 (木製の熊手のような農具。打った穀物を空中にほうり上げて風で穀粒と籾殻を吹き分けた) 【そして】 kai. kai, カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位) 1)そして 2)~さえ 3)しかし 4)しかも 5)それでは 6)そうすれば 【彼の】 auvtou/ auvto,j アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3) Copyright (c) 2014 Makoto Minagawa All Rights Reserved 1) 彼・それ(三人称の代名詞) 2)自身(強調用法) 3)同じ 4)まさに 【脱穀場を】 a[lwna a[lwn ハローン halōn {hal‘-ohn } (n-af-s 名詞・対女単) 1)打穀場 2)脱穀場 3)穀粒 【きれいにし】 diakaqariei/ diakaqari,zw デイアカサリゾー diakatharizō {dee-ak-ath-ar-id‘-zo} (vifa--3s 動詞・直・未来・能・3単) < dia, 強意 + kaqari,zw きれいにする、きよめる 1)すっかり掃除する、きれいにする 2)徹底的にきよめる、すっかり清める める 【そして】 kai. kai, カイ 3)すみずみまできよ (cc 接続詞・等位) 1)そして 2)~さえ 3)しかし 4)しかも 5)それでは 6)そうすれば 【彼の】 auvtou/ auvto,j アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3) 1) 彼・それ(三人称の代名詞) 2)自身(強調用法) 3)同じ 4)まさに 【麦を】 si/ton si/toj シトス sitos {see‘-tos } (n-am-s 名詞・対男単) 1)穀物、食物 2)麦 【倉】 avpoqh,khn avpoqh,kh アポテーケー apothēkē {ap-oth-ay‘-kay} (n-af-s 名詞・対女単) < avpoti,qhmi 取っておく、しまう 1)倉 2)倉庫 3)納屋 4)穀倉 【に】 eivj eivj エイス eis {ice} (pa 前置詞・対) 1)~の中へ2)へ 3)まで 4)のために 5)に対して 6)に向かって 【集めて入れる】 suna,xei suna,gw スナゴー sunagō {soon-ag‘-o} (vifa--3s 動詞・直・未来・能・3単) < su,n ~と一緒に + a;gw 行く、来る 1)運ぶ 2)集める、寄せ集める、一つところにもってくる3)まとめる、取り入れる 4)結び合わ せる、和解させる 5)招集する 【しかし】 de. de, デ de {deh} (cc/ch 接続詞・等位/完等) 1)ところで、しかし 2)そしてまた、 さて 3)次に、さらに 【殻は】 a;curon a;curon アクロン achuron {akh‘-oo-ron} (n-an-s 名詞・対中単) 1)籾殻、外殻 2)ふすま 3)わら 【消えない】 avsbe,stw| a;sbestoj アスベストス asbestos {as‘-bes-tos} (a-dn-s 形容詞・与中単) < a 否定 + sbe,nnumi 消える 1)消すことのできない、消えない、消し難い 2)不滅の、無限の (「a;sbestoj アスベストス」は英語「アスベスト asbestos 石綿」の語源) 【火で】 puri. pu/r プル pur {poor} (n-dn-s 名詞・与中単) 1)火 2)審判の火 3)火祭に積み重ねた薪、燃えさかる火、薪の台の上で犠牲の供物を焼く 【焼き払われる】 katakau,sei katakai,w カタカイオー katakaiō {kat-ak-ah‘ee-o } (vifa--3s 動詞・直・ 未来・能・3単) 1)焼き尽くす 2)焼きすてる 3)燃え尽くす † 英語訳聖書 Latin Vulgate 3:12 cuius ventilabrum in manu sua et permundabit aream suam et congregabit triticum suum in horreum paleas autem conburet igni inextinguibili King James Version 3:12 Whose fan [is] in his hand, and he will throughly purge his floor, and gather his wheat into the garner; but he will burn up the chaff with unquenchable fire. Copyright (c) 2014 Makoto Minagawa All Rights Reserved American Standard Version 3:12 whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his threshing-floor; and he will gather his wheat into the garner, but the chaff he will burn up with unquenchable fire. New International Version 3:12 His winnowing fork is in his hand, and he will clear his threshing floor, gathering his wheat into the barn and burning up the chaff with unquenchable fire." Bible in Basic English 3:12 In whose hand is the instrument with which he will make clean his grain; he will put the good grain in his store, but the waste will be burned up in the fire which will never be put out. Darby's English Translation 3:12 whose winnowing fan is in his hand, and he shall thoroughly purge his threshing-floor, and shall gather his wheat into the garner, but the chaff he will burn with fire unquenchable. Douay Rheims 3:12 Whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his floor and gather his wheat into the barn; but the chaff he will burn with unquenchable fire. Noah Webster Bible 3:12 Whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his floor, and gather his wheat into the granary; but he will burn the chaff with unquenchable fire. Weymouth New Testament 3:12 His winnowing-shovel is in His hand, and He will make a thorough clearance of His threshing-floor, gathering His wheat into the storehouse, but burning up the chaff in unquenchable fire.' World English Bible 3:12 His winnowing fork is in his hand, and he will thoroughly cleanse his threshing floor. He will gather his wheat into the barn, but the chaff he will burn up with unquenchable fire.' Young's Literal Translation 3:12 whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his floor, and will gather his wheat to the storehouse, but the chaff he will burn with fire unquenchable.' † 細き聲 聖書研究ノート <禾場 うちば> 「禾場 うちば」の「禾」は「穀物」を意味する。 「脱穀場」 (新改訳、新共同訳) 、 「麦打ち場」 (バルバロ訳、フ ランシスコ会訳)である。今は田でコンバインが刈り取った麦や稲を腹の中で穀粒と殻を吹き分け、殻は田に吐 き出し、穀粒は太いアームを伸ばして軽トラに移す。軽トラが一杯になれば、そのまま農協に運ぶだけである。 「禾場 うちば」の光景がなくなり、苦労のない時代をむかえたが、その分、収穫にともなう実と殻を「吹き分 ける」作業の意味が薄れたことは否めない。 <吹き分け> 農夫は「箕(熊手) ptu,on プツオン」で、打った穀物を空中に放り上げ、穀粒と籾殻を吹き分ける。人はたえ ず自らに属するものとそうでないものを「吹き分け」なければならない。吹分けは慎重になされる。 「実」と「殻」 はかつては分かちがたく一体のものであったが、時が来れば分けるべきものとなる。 <心のきよい者> Copyright (c) 2014 Makoto Minagawa All Rights Reserved 「心のきよい者は幸いである」(マタイ5:8) 心の「kaqaro,j カサロス きよい人」で、「心がすっかり掃 除された人」である。必要なものと不要なものが吹き分けられた人のことである。 <きよめ> 「きれいにし diakaqari,zw デイアカサリゾー」は「dia, 強意 + kaqari,zw きれいにする、きよめる」で「徹 底的にきよめる」こと。「きよめ」は隅々まで徹底的に行われる。 「焼き捨てられた katakai,w カタカイオー」ものを惜しむまい。 「きれいに diakaqari,zw デイアカサリゾー」 なるのに避けることはできない。 <神の倉> 天には「神の倉」がある。地で獲れたものがそこに納められる。 † 心のデボーション 「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ2:12 大 正文語訳聖書 人生は「神の脱穀場 a[lwn ハローン」である。収穫した穀物で充ちている。神は「箕 ptu,on プツオン」を 手に仕事をされる。「吹き分け」は過酷な作業ではなく、収穫の喜びになくてはならない仕事である。人生の後 半では、脱穀場における神の仕事を目の当たりにすることになる。「収穫の主」(マタイ9:38)と生きる。 † 心のデボーション 「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ2:12 大 正文語訳聖書 何が「麦」で、何が「殻」かは、神に尋ねなければならない。人の「麦」と「殻」は、しばしば、神の「麦」と 「殻」ではない。思わないものが「実」として神の倉に納められ、意外なものが「殻」として吹き分けられる。 そこで、人は自らに属するものをすべて価値あるものとして扱うべきである。価値なしとして捨てようとしたも のの中に宝が隠されている。「実」と考え大切にしたものが「殻」であり、「殻」として見捨てたものが取り入 れるべき「実」であることがある。 † 心のデボーション 「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ2:12 大 正文語訳聖書 「消えない火」の「消えない」はギリシャ語「a;sbestoj アスベストス 消えない」で、英語「アスベスト asbestos 石綿」は燃えにくいことから、名づけられた言葉である。 「私」について、神は「実と殻」を吹分け、「殻」は「消えない火」で焼かれる。人は何が「私」の「実」で、 何が「殻」かは、決めつけないがよい。それは神のなさることである。自分に属するすべてを大事に生きること Copyright (c) 2014 Makoto Minagawa All Rights Reserved である。しかし、神が吹分けられたら、それが「殻」である。遠くに吹き飛ばされるのでそれと分かる。不必要 な「殻」は神が焼かれる。 † 細き聲 説教
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