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 A net
Vol.18 No.1 2014
虚 血 耐 性
松本 美志也 山口大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生・疼痛管理学分野 教授
Mishiya Matsumoto
1959年:山口県光市生まれ
1984年:山口大学医学部卒業
1988年:山口大学大学院修了
同 年:済生会下関総合病院麻酔科 医師
1990年:山口大学医学部附属病院集中治療部 医員
1991年:米国 California 大学 San Diego 校麻酔科 研究員
1992年:山口大学医学部附属病院麻酔科蘇生科 助手
1996年: 同 講師
2003年:山口大学医学部麻酔・蘇生学 助教授
2009年:山口大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生・疼痛管理学分野 教授
趣味:夏山歩きと星空観察
おそらくこの報告が、脳でのpreconditioningの最初の
はじめに
報告と思われる。彼らは preconditioningにより anti-
1986年にMurryら は、非侵襲的な短時間虚血を心
ischemic factorが放出されるか、あるいは虚血に対す
筋に加えるとその直後の侵襲的な虚血による心筋梗
る未知の保護機構が活性化されるのではないかと推測
塞が軽減される現象を報告し、preconditioning with
した3)。
1)
ischemiaと名付けた。一方、1990年にKitagawaら2)は、
そして前述のように、Shimojiら3)の報告と同じ1986
非侵襲的な短時間虚血を脳に加えるとその後の侵襲
年にMurryら 1)が心筋で、4 年後の1990年にKitagawa
的な虚血による脳傷害が軽減される現象を報告し、
ら 2)が脳で短時間虚血によりpreconditioningを行う方
ischemic tolerance( 虚血耐性)と名付けた。現在では
法、すなわちischemic preconditioning(IPC)を報告し
conditioningという言葉が主流となっているが、本稿
た。Murryら 1)はイヌの心筋虚血モデルで 5 分間の回
では何らかの方法で虚血に対する耐性を獲得するとい
旋枝遮断と 5 分間の再潅流を 4 回繰り返し、その直後
う意味で虚血耐性という言葉を使用することにする。
に40分間の回旋枝遮断を行うと、心筋梗塞範囲が有意
したがって、本稿で用いる虚血耐性という言葉は、
に減少することを見出した。一方、Kitagawaら2)は砂
preconditioning( 侵襲的虚血の前に何らかの処置で虚
ネズミの前脳虚血モデルで 2 分間の虚血を与え、1 ~
血耐性を獲得した状態)、postconditioning( 侵襲的虚
2 日後に 5 分間の虚血を与えると、脳梗塞体積が有意
血の後に何らかの処置で虚血耐性を獲得した状態)、
に減少することを報告した。ちなみに、前者のIPCの
perconditioning( 侵襲的虚血中に何らかの処置で虚血
ように短時間虚血負荷から数時間以内に虚血耐性が生
耐性を獲得した状態)を全て含んだ意味で用いている。
じるものをearly IPC(早期にpreconditioningが完了す
虚血耐性発見の歴史
マウスの脳に25ゲージの針を 4ヵ所刺入する比較的
るという意味)、24時間以降に虚血耐性が生じるもの
をdelayed IPC(遅れてpreconditioningが完了するとい
う意味)と呼んでいる。
弱い侵襲を加えると、7 日後に脳虚血侵襲を加えた後
続いて1993年には心筋で remote IPCが報告され
の生存率が改善することを当時の新潟大学麻酔科教授
た 。Remote IPCとはpreconditioningされた部位以外
の Shimojiら 3)が1986年に世界に先駆けて報告した。
に虚血侵襲を加えても傷害が軽減される現象をいう。
18
4)
基礎から学ぶ麻酔科学ノート
Przyklenkら4)は、イヌの心筋虚血モデルで、5 分間の
回旋枝虚血と 5 分間の再潅流を 4 回繰り返し、その後
㼍㻚㻌ᶆⓗ⮚ჾ䛻ᑐ䛩䜛㻌condiƟoning
に 1 時間の左前下行枝の虚血を行うと心筋梗塞の範囲
が有意に減少したと報告した。その後、小腸 5)や腎臓 6)
などの遠隔臓器の短時間虚血により心筋にIPCがもた
らされることも判明した。さらに2003年には心筋で
postconditioningが報告された7)。Zhaoら7)はイヌの心
筋虚血モデルで、再潅流時に30秒間の再潅流と30秒間
の虚血を 3 回繰り返すことで、心筋梗塞範囲が減少す
ることを報告している。中枢神経では2006年に脳で
postconditioningが報告され 、脊髄でremote IPCが報
ᙅ䛔⹫⾑౵く
ᙉ䛔⹫⾑౵く
Delayed IPC
Early IPC
Cross-tolerance Cross-tolerance
Ischemic PostcondiƟoning
b. Remote ischemic condiƟoning
ᶆⓗ⮚ჾ䠄⬻䞉⬨㧊䛺䛹䠅 ᙉ䛔⹫⾑౵く
㐲㝸⮚ჾ䠄ᅄ⫥䛺䛹䠅
Delayed RIPC
Early RIPC
RI PerRI Post
condiƟoning -condiƟoning
Delayed RI post
-condiƟoning
8)
告されている9)。
虚血耐性の歴史を振り返ると、まず心筋で報告され
た現象がその後に中枢神経で報告されるということを
繰り返していることに気づく。ただ、その中で気にな
Fig.1. Conditioningのための処置のタイミング
a.は保護する臓器に何らかの処置を行うことで conditioning を行
うもので、b.がremote ischemic conditioningである。
IPC:ischemic preconditioning、RIPC:remote IPC、
RI:remote ischemic (文献12を引用改変)
ることは IPCと postconditioningは心筋で報告されて
からそれぞれ 4 年と 3 年後に中枢神経で報告されてい
た保護効果があると考えられ、さらに、delayed pre-
るのに比較し、remote IPCは心筋での報告から脊髄
conditioningの中では、IPCの方が、cross-tolerance
での報告まで、10年以上の歳月が経過している。これ
より虚血耐性の効果が強いと考えられている。
は中枢神経ではremote IPCの効果が見出しにくいこ
とを意味しているかもしれない。
臨床への応用を考えた場合に、短時間虚血による
conditioningは倫理的にも安全面からも行うことは容
ところで、動物実験で報告された現象がヒトでも起
易ではない。その点、四肢を駆血することでcondition-
こる保証はない。特に脳に関しては、げっ歯類とヒト
ingを行うremote ischemic conditioningの場合は、倫理
では構造も発達速度も大きく異なるため注意が必要で
面、安全面の問題をクリアするのは容易と思われ、そ
ある。今のところ虚血耐性に関しては、脳梗塞前に一
の臨床応用に関心が高まっている。しかし、Remote
過性脳虚血発作(TIA)があった患者では、なかった患
IPCにおいて先行している心筋保護に関して、10を超
者より脳梗塞後の予後がよいという後ろ向き研究
える臨床研究が行われているが、その効果は一致して
10,11)
を根拠に、虚血耐性現象は条件設定がうまく合えばヒ
いない18)。その理由として、対象患者のばらつき、麻
トでも観察される現象ではないかと考えられている。
酔法、手術法、心筋保護評価の指標のばらつきなどが
考えられる。例えば、麻酔法に関しては、心筋に対し
Conditioningの分類
てpreconditioning効果が報告されている吸入麻酔薬で
Fig.1にconditioningのための処置のタイミングを図
あらかじめ麻酔をしている状態でremote IPCを行っ
示した 12)。上段は保護する臓器に何らかの処置を行
ても、吸入麻酔薬によるpreconditioning効果を上回る
うことで conditioningを行うもので、下段が remote
ことができるかは明らかではない 19)。また、remote
ischemic conditioningである。前述の Shimojiら の発
IPCの施行方法にもばらつきがある。四肢のうちどこ
3)
想のように、保護する臓器に短時間虚血以外の方法を
を駆血すべきか、どのタイミングで駆血すべきか、駆
用いてconditioningを行う方法はcross-tolerance(交差
血時間をどれくらいにするかなど多くの要素がある。
耐性)と呼ばれることもあり、高圧酸素13)、吸入麻酔
したがって、これらの条件を合わせて、多施設共同研
薬
、モルヒネ
14)
などによるconditioningの報告があ
15)
る。Remote ischemic conditioningでは、例えば、心筋
虚血や脳虚血の最中に大腿の駆血を行うことによる
conditioningが可能で、perconditioningと呼ばれてい
究を行わないと決着はつかないと思われる。
脊髄虚血におけるremote IPC
胸腹部大動脈瘤の治療では、人工血管置換術に代わ
る。ブタの心筋虚血モデル やラットの中大脳動脈閉
りステントグラフト内挿術が増加している。ステント
塞モデル17)で保護効果が報告されている。
グラフト内挿術では留置部位によっては脊髄への重要
16)
中枢神経系自体をconditioningする方法においては、
一般的にはearly IPCよりもdelayed IPCの方が安定し
な血管を塞いでしまう可能性があり、脊髄虚血に対す
る配慮が求められる。一般的には、脊髄血管のcollat-
19
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eral network concept20)に基づき、血圧を高目に維持
し、適応があれば脳脊髄液ドレナージを行い、脊髄潅
により脊髄を保護することができればより望ましい。
Preconditioningによる脊髄保護の臨床応用を考える
と、安全面から最も可能性が高いのは四肢駆血による
remote IPCである。
Dongら 21)は家兎の一過性脊髄虚血モデルで後肢駆
後肢運動機能スコア
流圧を維持することに努めるが、さらにremote IPC
(正常)4
**
*
**
IPC
RIPC
IPC+RIPC
3
2
1
血によるremote IPCで強力な脊髄保護効果を報告し
ている。その結果、remote IPCを行った群では 6 羽中
(対麻痺)0
6 羽とも跳躍が可能で、再潅流48時間後の腰部腹側脊
Control
髄の正常神経細胞数も対照群に比較し有意に多かった
21)
(Fig.2)
。これに対し、Gurcunら9)は家兎一過性脊髄
虚血モデルで左腎動脈遮断によるremote IPCの脊髄
保護効果を腹部大動脈遮断によるIPC効果と比較して
いる。腎動脈、大動脈、あるいは両者を 5 分間遮断し
15分間再潅流、続いて 2 回目の 5 分間遮断を行いその
後15分間の再潅流を行って40分間の大動脈遮断による
脊髄虚血侵襲を負荷している。48時間後の後肢運動機
能では、大動脈遮断による IPCと腎動脈遮断による
Fig.3. 脊髄虚血に対する大動脈遮断による IPCと 腎動脈遮断による remote IPCの保護効果
家兎一過性脊髄虚血モデルで大動脈遮断による IPC群(IPC)、腎
動脈遮断による remote IPC群(RIPC)、および両方を行い、40分
を比較。再潅流48時間後
間の腹部大動脈遮断した群(IPC+RIPC)
(4:正常、3:跳躍できるが正常ではない、
の後肢運動機能スコア
2:後肢はよく動くが後肢を体の下に引き込めない、1:後肢が少し
を示す。●は1羽の値を示す。**:control群と比較
動く、0:対麻痺)
(文献9を引用改変)
しP<0.01、*:control 群と比較しP<0.05 remote IPCの両者で脊髄保護効果が認められたが、前
9)
者の方が保護効果は強かった(Fig.3)
。また、腎動脈
よる脊髄保護効果が確認されたが、7 日の時点では保
遮断と大動脈遮断の両者併用には相加・相乗効果はな
護効果は消失し、著者らは大動脈遮断によるIPCの脊
かった9)。ところで、Kakimotoら22)は、家兎一過性脊
22)
髄保護効果は弱いと結論付けている(Fig.4)
。
髄虚血モデルで大動脈遮断によるIPCの効果を検討し
Dongら21)の結果だけを見ると、すぐにでも臨床応用
ている。5 分間の大動脈遮断を行い、30分間の再潅流
したくなるが、四肢駆血のremote IPCが、それよりも
を行った後に17分間の大動脈遮断による脊髄虚血侵襲
脊髄保護効果が強いと予想される大動脈遮断の IPC
を負荷した。その結果、再潅流 1 日の時点ではIPCに
の脊髄保護効果と比較してどの程度の保護効果がある
80
(正常)4
後肢運動機能スコア
正常神経細胞数
*
60
40
20
0
Control
RIPC
DMTU
RIPC+DMTU
Fig.2. 脊髄虚血に対するremote IPCの保護効果
家兎一過性脊髄虚血モデルで remote IPC後に20分間の腹部大動
脈遮断。再潅流48時間後の腰部脊髄(L5レベル)腹側灰白質の正
常神経細胞数を示す。●は1羽の値を示す。RIPC 群が control 群
に比較し、有意に正常神経細胞数が多かった
(P=0.002)。RIPC:
remote IPC、DMTU:dimethylthiourea
(free-radical scavenger)
(文献21を引用改変)
20
*
3
2
1
(対麻痺)0
対照1日後 IPC1日後 対照7日後 IPC7日後
Fig.4. 脊髄虚血に対する大動脈遮断によるIPCの保護効果
家兎一過性脊髄虚血モデルで大動脈遮断によるIPCを行い、17分
間の腹部大動脈遮断。再潅流1日後、7日後の後肢運動機能スコ
ア
(スコアは Fig.3と同様)を示す。●は1羽の値を示す。*:対照
群と比較しP<0.05 (文献22を引用改変)
基礎から学ぶ麻酔科学ノート
のか、さらにはその効果は 1 週間後でも観察されるの
かなど、まだ動物実験の段階で慎重に検討すべきこと
が残っている。
が生じていると考えられる21)。
まとめ
脳の虚血耐性がShimojiら3)により報告されてもうじ
中枢神経におけるIPCの機序
き30年になる。細胞自体に内因性の保護機構が存在す
中枢神経における虚血耐性現象に関しては、delayed
ることを明らかにした虚血耐性の発見は、虚血に対す
IPCの保護効果の報告が多く、機序も発見当初から検
る臓器保護のブレイクスルーであった。虚血耐性現象
討されてきた。保護機序はいまだに不明な点が多いが、
自体の臨床応用としては、remote IPCが最も可能性
その概略は、適度の虚血により、低酸素ストレス、酸
が高いと思われるが、安易に臨床応用するのではなく、
化ストレス、興奮性アミノ酸ストレスが起こり、それ
基礎研究の段階で多施設共同研究を行い、慎重に評価
により転写因子が活性化されて、何らかの神経細胞に
することも考慮すべきと思われる。
保護的に働くタンパク質が産生されるという機序であ
虚血耐性現象の発見は薬物による脳保護研究にも大
る23)。一方、DNAマイクロアレイ技術を用いて、遺伝
きなインパクトを与えた。薬物による脳保護に関して
子の変化をみると、マウスの中大脳動脈閉塞モデルで
は、膨大な基礎研究の成果にもかかわらず、世界的に
は、IPCのみでは変化した遺伝子のほとんどがアップ
認められた脳保護薬の開発には至っていない。その理
レギュレーションされるにもかかわらず、IPC後に致
由として、神経細胞の死に方を詳細に研究し、その死
死的虚血を行った場合は、変化した遺伝子のほとんど
のカスケードを薬物でブロックすることで神経細胞を
がダウンレギュレーションしていると報告されてい
保護するという従来の考え方に誤りがあったのではな
る24)。ダウンレギュレーションを生じた遺伝子は代謝
いかという指摘がある。現在、薬物による中枢神経保
やイオンチャネルや血液凝固に関するもので、著者ら
護の研究は、虚血耐性現象の発見により明らかとなっ
は虚血耐性を獲得した神経細胞が致死的虚血侵襲を受
た内因性の保護機構を何らかの薬物を用いて活性化
けた場合、冬眠と同じような状態になるのではないか
する方法へパラダイムシフトを起こしつつあると思
と推測している23)。魅力ある仮説であるが、蛋白レベ
われる。
ルでの解析等のさらなる検討が必要と考えられる。一
方、中枢神経におけるearly IPCの報告は少ない。保
護機序としてはラットの中大脳動脈閉塞モデルでアデ
ノシンA1 受容体の関与が報告されている 。
25)
Remote IPCの機序に関しては、①遠隔臓器の短時
間虚血刺激が自律神経系などを介して標的臓器に伝
引用文献
1 )Murry CE, Jennings RB, Reimer KA:Preconditioning with ischemia:A delay of lethal cell injury
in ischemic myocardium. Circulation 74:1124−
1136, 1986.
わる経路、②アデノシンなどの液性因子が遠隔臓器で
2 )Kitagawa K, Matsumoto M, Tagaya M, et al.:
放出されて、それ自身が標的臓器に運ばれることによ
Ischemic tolerance phenomenon found in the brain.
り何らかの作用を及ぼす経路、③遠隔臓器の短時間虚
血刺激により全身性の抗炎症反応などが起こり、イン
ターロイキン10の産生増加や TNFαの産生抑制など
により、間接的に標的臓器を保護する経路が考えられ
Brain Res 528:21−24, 1990.
3 )Takahata Y, Shimoji K:Brain injury improves
survival of mice following brain ischemia. Brain
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ている18)。前述のDongら21)の脊髄虚血におけるremote
4 )Przyklenk K, Bauer B, Ovize M, et al.:Regional
IPCの研究では、remote IPCの前にフリーラジカルス
ischemic 'preconditioning' protects remote virgin
カベンジャーのdimethylthioureaを投与するとremote
myocardium from subsequent sustained coronary
IPCの脊髄保護効果は消失したが、remote IPCの前
に交感神経遮断薬の hexamethoniumを投与しても、
occlusion. Circulation 87:893−899, 1993.
5 )Gho BC, Schoemaker RG, van den Doel MA, et
remote IPCの脊髄保護効果は消失しなかった。また、
al.:Myocardial protection by brief ischemia in non-
remote IPCによりスーパーオキシドディスムターゼや
cardiac tissue. Circulation 94:2193−2200, 1996.
カタラーゼの酵素活性が血漿でも脊髄組織でも上昇し
6 )Pell TJ, Baxter GF, Yellon DM, et al.:Renal
ている。すなわち、彼らのモデルでは、自律神経を介
ischemia preconditions myocardium:Role of adeno-
しての保護効果ではなく、remote IPCにより産生さ
sine receptors and ATP-sensitive potassium chan-
れたフリーラジカルがトリガーとなって脊髄保護効果
nels. Am J Physiol 275:H1542−H1547, 1998.
21
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