徳川美術館 第2展示室 大 名 の 数 寄 -茶の湯- 平成27年 1月4日(日)~4月12日(日) A:1/4<土>~2/8<日> B:2/10<火>~3/17<火> C:3/18<水>~4/12<日> わ お す き や 桃山時代に武将の間でも流行した「侘び茶の湯」は、江戸時代には「御数寄屋」の接待として、 公式行事の一部に組み入れられた。こうして固定された茶の湯は、「侘び茶の湯」の持っていた、 ぶ け こ じつ その時々に美や新たな価値観をうち立てて行く自由な創造の精神を失って武家故実となり、格式行 お なり はれ 事と化した。大名は邸に茶室を設け、将軍の「御成」をはじめ、晴の行事に備えた。 じょうそ う ま ちしゅう す き しゃ 茶の湯道具もまた格式道具となった。桃山時代に武将や 上 層町 衆 や数寄者が持っていた道具の めいぶつ 大半は、江戸時代には将軍や大名の秘蔵品となり、「名物」の道具は、時に一国一城にもあたると され、その所持、非所持が家の格を表すとまで評された。 No. 名 称 時代 世紀(年紀) 展示期間 16-17 13 14 A B C 4 5 6 7 8 9 10 徳川家康筆 桃山 伝藤原定家筆 鎌倉 足利尊氏筆 南北朝 徳川宗春(尾張家7代)所用 伊賀耳付花生 岡谷家寄贈 桃山 竹茶杓 歌銘 むら雀 船越永景作 江戸 竹茶杓 銘 琴上 藤村庸軒作 江戸 瀬戸肩衝茶入 徳川光友(尾張家2代)所用 桃山-江戸 五角高台茶碗 銘 鶯宿 川島家寄贈 江戸 吉染付祥文手桶形水指 徳川斉荘(尾張家12代)所用 江戸 責紐釜 名越三昌(京名越家初代)作 江戸 11 七言二句「今日不知誰計会 17 A 17 17 19 17 17 14-15 B C A B C 猿面茶室 1 2 3 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 小倉色紙写「こひすてふ」 拾遺和歌集切「春たつと」 和歌懐紙「あつまちを」 春風春水一時来」 江戸 徳川家綱(4代将軍)筆 和歌詠草「君かへむ」 木下長嘯子筆 江戸 山水図 伝周文筆・希世霊彦ほか八僧賛 岡谷家寄贈 江戸 亀図 冷泉為泰賛・土佐光孚筆 大脇家寄贈 江戸 伊勢物語絵詞西ノ対 徳川家綱(4代将軍)筆 江戸 貝尽図 土佐光起筆 江戸 古銅砧形花生 銘 杵のをれ 名物 元-明 豊臣秀吉・石川貞清・徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所用 青磁吉祥文字文花生 明 鉄絵雲鶴兎文水指 明 唐物茶壺 銘 雄嶋 名物 南宋-元 漢作瓢箪茶入 銘 玉津島 茶屋宗古所用 中興名物 明 唐物文琳茶入 明 古瀬戸野田手茶入 銘 蓬生 室町 玳玻天目 南宋 井戸茶碗 銘 磯清水 岡谷家寄贈 朝鮮王朝 16-17 17 17 16-17 17 19 17 15-16 14-15 13-14 15 15 15-16 13 16 A BC No. 26 27 28 名 称 時代 志野山水文茶碗 銘 残雪 金襴手唐子文仙盞瓶 呉須赤絵魁文字花鳥文鉢 木下家寄贈 世紀(年紀) 江戸 明 江戸 展示期間 17 16 1/4~2/20 18-19 3/3~4/12 以 ― 竹茶杓 特別公開 銘 泪 千利休 千利休作 泪の茶杓 名物 上 ― 桃山時代 16世紀 2月21日(土) ~ 3月1日(日) 豊臣秀吉に切腹を命じられた千利休が自ら削り最期の茶会に用い、古田織部に与えた 茶杓である。その後、織部はこの茶杓用に、長方形の窓をあけた筒をつくり、その窓を 通してこの茶杓を位牌代わりに拝んだと伝えられる。 ※この茶杓は、毎年2月28日(利休忌)近くに、約10日間公開しています。 さるめんのちゃしつ 猿 面 茶 室 たいあん じょあん 待庵・如 庵と並んで茶室として最も古く注目すべき遺構で、 もと清須城内に営まれていたが、慶長15年(1610)、名古屋城内 じょうし に移築され、上 使の接待場にあてられていたと伝える。国宝にも 指定されていたが、昭和20年、戦災にあって亡失した。 かやぶき 茅葺屋根の素朴な外観を形成し、内部は四畳半台目、下座床で、 茶道口と給仕口を具え、中柱の隣の二枚障子の口の外には広縁を 付していた。四畳半に台目構えの点前座を添え加えた間取は、 古田織部や小堀遠州の好んだものである。この茶室の作者は織部 あるいは有楽と伝えられるが、詳らかでない。床柱の節の様態が 猿面に似ているというのでこの席名が付いた。
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