最終消費財メーカーである A 杜は、中国の現地法人で製造し た商品を日本に輸入して販売し ています。アジアの成長を取り 込むため、東南アジア諸国連合 (ASEAN) への事業展開の 検討を始めました。どこから着 手すべきか考えましょう。 A杜は当初、シンガ〉ポールやマレ ーシアといった 1人あたりの国内総 生産 (GDP) が大きな国への参入 を想定していました。我々が提案し たのはフィリビンです。人口が多く 有望な市場のフィリピン 埼玉りそな銀行法人部国際事業室長伊沢潔氏 平均年齢も 2 3 . 4歳と美しいピラミッ ド型の人口構成をしています。市場 の潜在力が大きいと判断しました。 「フィリビンは危険」というイメ ージを持つ人もいますが、アキノ政 権下でテロも激減し、政治的にも安 定しています。また、現地では大半 の人と英語で意思、疎通ができるとい う点からもビジネス展開の有望な地 域として見直されています。 外資導入の窓口としては PEZA (フィリビン経済区庁)という政府 機関があります。輸出加工を行う製 造業だけでなく、海外からの 1T( 情 報技術)業務の受託会社、物流・倉 庫機能を持つ貿易関連の企業にも一 定の税優遇をしています。近隣他国 ではあまり見られないユニークな政 海外で働く労働者) 策です。 OFW( からの給与送金が G D Pの 1割を超 えているのも特徴です。こうした資 金が国内の購買力を下支えしている ことも注目です。 視察から帰国した A杜の社長は、 製造拠点の開設も視野に、まず販売 而からアプローチすることを決めま した。地場企業の大型ショッピング モールの集客力、日本ブランドの飲 食!古や衣料品自の活況に刺激を受け たようです。 フ ィ リ ピ ン 経 済 区 庁 P E Z Aの 特 徴 登録 企業数 2, 734社(うち日系企業 843社 :2014 年 1月現在) 輸出型製 4年間の法人税免除/原 造業向け 材料、設備、スペア部品 の輸入関税免除など 4年間の法人税免除/現 1T企業 地購入品の付加価値税ゼ 向け ロなど P E Z A登録の輸出加工 物流サー 型製造業向け原材料・半 ビス企業 製品の輸入関税免除など 向け 現地購入品の付加価値税 ゼロ化 出典 : P E Z Aホームページより 抜粋
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