Hybrid--TType XOR-I

Hybrid-Type XOR-I
この適正使用ガイドでは、
トピロリック®錠を適正に使用していただくため、投与患者
の選択、投与方法、注意を要する副作用とその対策について解説しています。
熟読のうえ、
トピロリック®錠の適正かつ安全な投与を行うためにご活用ください。
はじめに
高尿酸血症は尿酸塩沈着症(痛風関節炎、腎障害など)の病因であり、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるものと定義
されています1)。
無症候性高尿酸血症(痛風関節炎や痛風結節を認めないが、持続的に血清尿酸値が7.0mg/dLを超える)も含め、
高尿酸血症が持続した結果として、痛風関節炎や痛風結節の発症リスクが増加することは広く知られていますが、
近年では腎障害との関連性が指摘されており、高尿酸血症は一般集団において腎不全の危険因子とされています1∼8)。
また、高尿酸血症が脳卒中の発症、死亡、冠動脈性心疾患イベントに対する有意な危険因子であることも系統的
レビューの中で報告されています9、10)。
痛風、高尿酸血症の最終的な治療目標は、心血管イベントのリスクが高い高尿酸血症・痛風の生命予後の改善を図る
ことですが、狭義の治療目標は、体組織への尿酸塩沈着を抑制し、それに基づく諸症状(痛風関節炎や腎障害等)の
発現を回避することです。
したがって、血清尿酸値に対する治療目標は、尿酸の体液中での溶解限界と考えられる
6.4mg/dLよりも低い6.0mg/dL以下と定められています1)。
トピロリック®錠は、キサンチン酸化還元酵素を選択的かつ可逆的に阻害することによって尿酸の生成を抑制し、血清
尿酸値を低下させることができます。
国内で実施された患者対象二重盲検試験において、投与終了時における血清尿酸値6.0mg/dL以下の達成率は、
初期投与2段階漸増及び維持量120mg/日で73.7%
(101/137例、
2試験合計)
、
160mg/日で85.0%
(85/100例、
2試験合計)
でした。
高尿酸血症の治療指針1)
高尿酸血症
血清尿酸値>7.0mg/dL
痛風関節炎 または 痛風結節
あり
なし
血清尿酸値<8.0mg/dL
血清尿酸値≧8.0mg/dL
合併症*
なし
あり
血清尿酸値<9.0mg/dL
血清尿酸値≧9.0mg/dL
生 活 指 導
薬物治療
薬物治療
薬物治療
*:腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、
メタボリックシンドロームなど
(腎障害と尿路結石以外は血清尿酸値を低下させてイベント減少
を検討した介入試験は未施行)
1)日本痛風・核酸代謝学会, ガイドライン改訂委員会編:高尿酸血症・痛風の治療
ガイドライン
(第2版)
. メディカルレビュー社, 2010
2)Campion EW, et al:Am J Med 82(3)
:421-426, 1987
3)Lin KC, et al:J Rheumatol 27(6)
:1501-1505, 2000
4)Iseki K, et al:Hypertens Res 24(6)
:691-697, 2001
5)Chonchol M, et al:Am J Kidney Dis 50(2)
:239-247, 2007
2
6)Weiner DE, et al:J Am Soc Nephrol 19(6)
:1204-1211, 2008
7)Iseki K, et al:Am J Kidney Dis 44(4)
:642-650, 2004
8)Tomita M, et al:J Epidemiol 10(6)
:403-409, 2000
9)Kim SY, et al:Arthritis Rheum 61(7)
:885-892, 2009
10)Kim SY, et al:Arthritis Care Res 62(2)
:170-180, 2010
トピロリック® 錠は、用法・用量及び使用上の注意を遵守して、適正に使用してください。
投 与 前の確 認 事 項
投与前にご確認ください。
効能・効果
痛風、高尿酸血症
痛風、高尿酸血症に関する最新の治療指針等を参考に、薬物治療が必要とされる患者様にトピロリック®錠を投与して
ください。
[ご注意]
投与開始前に痛風関節炎が認められた場合は、症状がおさまるまでトピロリック®錠の投与を開始
しないでください。
禁忌、
併用禁忌、
併用注意、
慎重投与
禁 忌(次の患者には投与しないこと)
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)
メルカプトプリン水和物又はアザチオプリンを投与中の患者
併用禁忌
メルカプトプリン水和物(ロイケリン)、
アザチオプリン
(イムラン、
アザニン)
[骨髄抑制等の副作用を増強する可能性があります。
]
ワルファリン
[ワルファリンの作用を増強させる可能性があります。]
ビダラビン
[幻覚、振戦、神経障害等のビダラビンの副作用を増強する可能性があります。]
併用注意
キサンチン系薬剤(テオフィリン等)
[キサンチン系薬剤(テオフィリン等)の血中濃度が上昇する可能性があります。
本剤と併用する場合は、キサンチン系薬剤の投与量に注意してください。]
ジダノシン
[ジダノシンの血中濃度が上昇する可能性があります。本剤と併用する場合は、
ジダノシンの投与量に注意してください。]
重度の腎機能障害のある患者 [使用経験がなく安全性が確立していません。]
慎重投与
肝機能障害のある患者 [使用経験が少なく安全性が確立していません。]
3
トピロリック® 錠の投 与方 法
投与前にご確認ください。
痛風関節炎は、血中尿酸値の急激な低下によって発現すること、
また痛風関節炎発作時には血中尿酸値の変動により
症状が悪化することが知られています。
尿酸降下薬はその薬効
(尿酸低下作用)
により尿酸値を低下させますが、
急激な尿酸値の低下は痛風関節炎を誘発したり、
痛風関節炎の症状を悪化させることがあります。
トピロリック®錠は低用量(1回20mg、1日2回朝夕)から投与開始し、
その後は血中尿酸値を確認し
ながら必要に応じて徐々に維持用量(通常は1回60mg、1日2回朝夕)
まで漸増してください。
トピロリック®錠の用法・用量に関連する使用上の注意
低用量から徐々に漸増し、1日2回投与することで、ゆっくり確実に血中尿酸値を下げ、痛風関節炎の発現を抑えます。
投与開始
2週間以降
6週間以降
時 期
120mg/日
(1回60mg、1日2回)
投与量
40mg/日
(1回20mg、
1日2回)
80mg/日
(1回40mg、1日2回)
適宜増減、最大160mg/日
(1回80mg、1日2回)
初期用量①
初期用量②
維持用量
初期用量の漸増法と痛風関節炎発現率(患者対象二重盲検試験5試験による併合解析)
(%)
20
痛風関節炎発現率
18
トピロリック®錠は、低用量から開始し徐々に増量すること
によって、血中尿酸値の急激な低下を避け、痛風関節炎
の発現を抑えると考えられます。
16.1
16
14
トピロリック® 錠は、初期用量から維持用量への増量を
40mg/日からの1段階とするより、80mg/日を経て
2段階とする方が、痛風関節炎の発現率が減少しました。
10.4
12
10
8
注1)初期用量:40mg/日(2週間)の後、維持用量:120又は160mg/日へ
増量(6∼10週間)
注2)初期用量:40mg/日(2週間)→80mg/日(4週間)の後、 維持用量:
120又は160mg/日、
あるいは120mg/日→160mg/日へ増量
(10∼
16週間)
6
4
2
0
1段階注1)
(n=87)
2段階注2)
(n=241)
(株)
富士薬品 社内資料
1日あたりの投与回数と尿酸値の推移
(mg/dL)
8.0
血漿中尿酸濃度
トピロリック® 錠は1日2回投与とすることで、尿酸値の
日内変動が小さくなることが確認されています。
7.0
健康成人男子にトピロリック® 錠80mg/日を7日間反復
投与したところ、1日2回投与では1日1回投与と比較して、
血漿中尿酸濃度の日内変動が小さく、かつ強い血漿中
尿酸濃度低下作用を示しました。
6.0
5.0
4.0
プラセボ群(n=8)
トピロリック®錠80mg/日群(1日1回投与)
(n=6)
トピロリック®錠80mg/日群(1日2回投与)
(n=6)
3.0
平均値±標準偏差
2.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9(日)
(株)
富士薬品 社内資料
投与開始後日数
4
投 与中の留 意 点
投与中にご注意ください。
肝機能障害
肝機能障害の発現に注意し、異常が認められた場合は適切な処置をお願いします。
トピロリック®錠の投与中は、患者様の状態を十分に観察し、
自他覚症状注)の発現に注意してください。
注)
食欲不振、嘔気、 怠感、
易疲労感、
黄疸など
肝機能検査値の異常、
自他覚症状の発現等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
多形紅斑
臨床試験において多形紅斑が1例認められています。
また類薬で重篤な皮膚障害が報告されています。
異常が認められた
場合には本剤の投与を中止し、適切な処置をお願いします。
トピロリック®錠の投与中に痛風関節炎が発現した場合の治療
血清尿酸値の変動による症状の悪化を避けるため、
用量は変更せず、
そのまま投与を継続します。
約2週間
痛風関節炎
の症状
あり
なし
(間欠期)
❹血清尿酸値6.0mg/dL以下に
寛解
安定する用量で継続
❸(血清尿酸値が目標域に達していない場合)
投与量
痛風関節炎
の治療
❶用量変更しない
徐々に増量
(最大160mg/日まで)
❷NSAIDパルス療法等
❶ トピロリック® 錠の用量を変更することなく、投与を継続してください。
❷ 症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、副腎皮質ステロイド等を併用してください。
❸ 血清尿酸値が目標域に達していない場合、寛解約2週間後から徐々に増量してください。
❹ 血清尿酸値が6.0mg/dL以下に安定する用量で、投与を継続してください。
日本痛風・核酸代謝学会, ガイドライン改訂委員会編:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン
(第2版). メディカルレビュー社, 2010より作図
■用法・用量■
通常、成人にはトピロキソスタットとして1回20mgより開始し、1日2回朝夕に経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて
徐々に増量する。維持量は通常1回60mgを1日2回とし、
患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1回80mgを1日2回とする。
■使用上の注意■ ― 一部抜粋 ― 2. 重要な基本的注意
本剤は尿酸降下薬であり、痛風関節炎(痛風発作)発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎(痛風発作)
を増悪させるおそれがあるため、
本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。
また、本剤投与中に痛風
関節炎
(痛風発作)
が発現した場合には、
本剤の用量を変更することなく投与を継続し、
症状によりコルヒチン、
非ステロイド性抗炎症剤、
副腎皮質
ステロイド等を併用すること。
4. 副作用 (1)
重大な副作用
1)肝機能障害(2.9%)
:AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害(重篤な肝機能障害は0.2%)があらわれることがあるので、
本剤投与中は定期的に検査を行うなど、
患者の状態を十分に観察し、
異常が認められた場合には投与を中止するなど、
適切な処置を行うこと。
2)多形紅斑(0.5%未満)
:多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置
を行うこと。
5
副作用
副作用発現状況
国内で実施された臨床試験において、826例中292例(35.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。
主な副作用は痛風関節炎83例(10.0%)、ALT(GPT)増加62例(7.5%)、β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加
58例(7.0%)、α1ミクログロブリン増加49例(5.9%)、AST(GOT)増加42例(5.1%)等でした。
[承認時]
副作用の種類
【心臓障害】
発現例数(%)
副作用の種類
肝障害
2(0.2)
1(0.1)
うっ血性心不全
1(0.1)
冠動脈狭窄
1(0.1)
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
62(7.5)
【内分泌障害】
1(0.1)
β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加
58(7.0)
1(0.1)
α1ミクログロブリン増加
49(5.9)
2(0.2)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
42(5.1)
結膜出血
1(0.1)
尿中β2ミクログロブリン増加
37(4.5)
眼瞼浮腫
1(0.1)
β2ミクログロブリン増加
22(2.7)
【胃腸障害】
12(1.5)
γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加
22(2.7)
12(1.5)
甲状腺腫
【眼障害】
【臨床検査】
発現例数(%)
195(23.6)
口内炎
2(0.2)
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
腹部不快感
1(0.1)
血中トリグリセリド増加
9(1.1)
上腹部痛
1(0.1)
尿中アルブミン陽性
8(1.0)
口唇炎
1(0.1)
血中クレアチニン増加
8(1.0)
大腸炎
1(0.1)
血中乳酸脱水素酵素増加
8(1.0)
下 痢
1(0.1)
尿中血陽性
7(0.8)
消化不良
1(0.1)
血中アミラーゼ増加
6(0.7)
鼓 腸
1(0.1)
血中ビリルビン増加
6(0.7)
胃 炎
1(0.1)
血中アルカリホスファターゼ増加
5(0.6)
歯肉出血
1(0.1)
単球百分率増加
5(0.6)
舌 炎
1(0.1)
血中クレアチンホスホキナーゼ減少
3(0.4)
口腔内痛
1(0.1)
血中リン増加
3(0.4)
歯周炎
1(0.1)
血中カリウム増加
3(0.4)
7(0.8)
血圧上昇
3(0.4)
口 渇
4(0.5)
尿中蛋白陽性
3(0.4)
異常感
3(0.4)
尿中赤血球陽性
3(0.4)
悪 寒
1(0.1)
白血球数減少
3(0.4)
顔面浮腫
1(0.1)
白血球数増加
3(0.4)
怠感
1(0.1)
血中尿素増加
2(0.2)
【肝胆道系障害】
3(0.4)
尿中結晶陽性
2(0.2)
胆石症
1(0.1)
好酸球数増加
2(0.2)
肝機能異常
1(0.1)
好塩基球百分率増加
1(0.1)
【一般・全身障害及び投与部位の状態】
6
副作用
副作用の種類
発現例数(%)
副作用の種類
発現例数(%)
血中クロール減少
1(0.1)
多発性関節炎
1(0.1)
血中コレステロール増加
1(0.1)
関節リウマチ
1(0.1)
血中クレアチニン減少
1(0.1)
腱 痛
1(0.1)
血中リン減少
1(0.1)
【神経系障害】
6(0.7)
血圧低下
1(0.1)
錯感覚
2(0.2)
血中ナトリウム減少
1(0.1)
浮動性めまい
1(0.1)
血中トリグリセリド減少
1(0.1)
頭 痛
1(0.1)
C-反応性蛋白増加
1(0.1)
感覚鈍麻
1(0.1)
尿中ブドウ糖陽性
1(0.1)
傾 眠
1(0.1)
ヘマトクリット減少
1(0.1)
ヘモグロビン減少
1(0.1)
頻 尿
4(0.5)
リンパ球百分率減少
1(0.1)
尿管結石
1(0.1)
リンパ球百分率増加
1(0.1)
腎結石症
1(0.1)
単球百分率減少
1(0.1)
好中球百分率減少
1(0.1)
血小板数増加
1(0.1)
赤血球数減少
1(0.1)
発 疹
4(0.5)
尿中白血球陽性
1(0.1)
薬 疹
2(0.2)
1(0.1)
湿 疹
2(0.2)
1(0.1)
蕁麻疹
2(0.2)
105(12.7)
冷 汗
1(0.1)
83(10.0)
皮膚炎
1(0.1)
四肢不快感
10(1.2)
紅 斑
1(0.1)
四肢痛
10(1.2)
多形紅斑
1(0.1)
関節痛
6(0.7)
コリン性蕁麻疹
1(0.1)
関節炎
4(0.5)
【血管障害】
2(0.2)
痛風結節
1(0.1)
大動脈瘤
1(0.1)
椎間板変性症
1(0.1)
高血圧
1(0.1)
関節腫脹
1(0.1)
筋骨格不快感
1(0.1)
筋肉痛
1(0.1)
【代謝及び栄養障害】
高脂血症
【筋骨格系及び結合組織障害】
痛風性関節炎
【腎及び尿路障害】
【呼吸器、胸郭及び縦隔障害】
口腔咽頭不快感
【皮膚及び皮下組織障害】
6(0.7)
1(0.1)
1(0.1)
13(1.6)
副作用名は、ICH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J Ver.14.1)の
器官別大分類(SOC)
及び基本語
(PT)
で集計しました。
7
「禁忌を含む使用上の注意」
の改訂に十分ご留意ください。
日本標準商品分類番号
承認番号
873949
薬価収載
2013年8月
錠20mg
22500AMX00987000
販売開始
2013年9月
錠40mg
22500AMX00988000
再審査期間
2021年6月
錠60mg
22500AMX00989000
貯法:気密容器・室温保存 使用期限:製造後3年
(外装に表示の使用期限内に使用すること)
禁 忌
薬剤名等
(次の患者には投与しないこと)
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)
メルカプトプリン水和物又はアザチオプリンを投与中の患者[「相互
作用」の項参照]
組成・性状
1. 組成
トピロリック錠は、下記の成分・分量を含有する製剤である。
商品名
トピロリック錠20mg
トピロリック錠40mg
トピロリック錠60mg
添加物として乳糖水和物、結晶セルロース、クロスカルメロースNa、ヒドロキシプロピルセルロース、
ステアリン酸Mgを含有する。
2. 製剤の性状
(1)
トピロリック錠20mgは、白色∼淡黄白色の素錠である。
表
裏
側面
キサンチン系薬剤
テオフィリン等
キサンチン系薬剤(テオフィリ
ン等)
の血中濃度が上昇する
可能性がある。本剤と併用す
る場合は、キサンチン系薬剤
の投与量に注意すること。
テオフィリンの代謝酵素であるキサ
ンチンオキシダーゼの阻害により、
テオフィリンの血中濃度が上昇する
ことがアロプリノール(類薬)
で知ら
れている。本剤もキサンチンオキ
シダーゼ阻害作用をもつことから、
同様の可能性がある。
ジダノシン
ジダノシンの血中濃度が上昇
する可能性がある。
本剤と併用する場合は、ジダノ
シンの投与量に注意すること。
ジダノシンの代謝酵素であるキサ
ンチンオキシダーゼの阻害により、
健康成人及びHIV患者において
ジダノシンのCmax及びAUCが上昇
することがアロプリノール(類薬)
で
知られている。本剤もキサンチンオ
キシダーゼ阻害作用をもつことから、
同様の可能性がある。
直径
(mm)
約6
厚さ
(mm)
約2.4
重量
(mg)
約70
外形
識別コード
FY311
4. 副作用
国内で実施された臨床試験において、826例中292例
(35.4%)
に臨床検査値異常を含む副作用
が認められた。主な副作用は痛風関節炎83例(10.0%)、ALT(GPT)増加62例(7.5%)、
β-N
アセチルDグルコサミニダーゼ増加58例
(7.0%)
、
α1ミクログロブリン増加49例
(5.9%)
、AST
(GOT)
増加42例
(5.1%)
等であった。
[承認時]
(1)重大な副作用
1)肝機能障害(2.9%)
:AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害(重篤な肝機能
障害は0.2%)があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に検査を行うなど、
患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な
処置を行うこと。
2)多形紅斑(0.5%未満)
:多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常
が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2)
その他の副作用
(2)
トピロリック錠40mgは、片面に割線を有する白色∼淡黄白色の素錠である。
表
裏
側面
直径
(mm)
約7
厚さ
(mm)
約3.2
重量
(mg)
約140
外形
識別コード
FY312
(3)
トピロリック錠60mgは、片面に割線を有する白色∼淡黄白色の素錠である。
表
裏
側面
5%以上
1∼5%未満
胃腸
外形
直径
(mm)
約8
厚さ
(mm)
約3.7
重量
(mg)
約210
ALT
(GPT)
増加、
AST
(GOT)
増加
代謝
効能・効果
痛風、高尿酸血症
<効能・効果に関連する使用上の注意>
本剤の適用にあたっては、最新の治療指針等を参考に、薬物治療が必要とされる患者を対象とする
こと。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発
されることがあるので、本剤の投与は1回20mgを1日2回から開始し、投与開始から2週間以降に
1回40mgを1日2回、投与開始から6週間以降に1回60mgを1日2回投与とするなど、徐々に
増量すること
(「臨床成績」の項参照)。なお、増量後は経過を十分に観察すること。
使用上の注意
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
骨髄抑制等の副作用を増強 アザチオプリンの代謝物メルカプト
する可能性がある。
プリンの代謝酵素であるキサンチ
ンオキシダーゼの阻害により、メル
カプトプリンの血中濃度が上昇する
ことがアロプリノール(類薬)
で知ら
れている。本剤もキサンチンオキシ
ダーゼ阻 害 作 用をもつことから、
同様の可能性がある。
(2)
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
ワルファリン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
ワ ルファリン の 作 用 を 増 強 本剤による肝代謝酵素の阻害作用
させる可能性がある。
[「薬物 により、ワルファリンの代謝を抑制
動態」
の項参照]
し、ワルファリンの血中濃度が上昇
する可能性がある。
LDH増加、血中ビリルビ
ン増加、Al-P増加
血中トリグリセリ
ド増加
血中アミラーゼ増加、血
中K増加、血中リン増加
痛風関節炎注)
腎及び
泌尿器系
β-Nア セ チ ルDグ ル 尿中β2ミクログロブ 尿中アルブミン陽性、血
コサミニダーゼ増加、 リン増加、β2ミクロ 中クレアチニン増加、尿
α1ミクログロブリン グロブリン増加
中血陽性、頻尿、尿中赤
増加
血球陽性、尿中蛋白陽性
四肢痛、四肢不快感、 関節痛、関節炎、血中CK
血中CK
(CPK)増加 (CPK)減少
皮膚
発疹
血液
白血球数増加、白血球数
減少、単球百分率増加
その他
口渇、血圧上昇、異常感
注)
「重要な基本的注意」
の項参照
5. 高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、経過を十分に観察し、慎重に投与すること。
6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断
された場合にのみ投与を考慮すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
また、動物実験(ラット)
で胎児への移行が報告されている。]
(2)授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
[動物実験(ラット)
で乳汁中への
移行が報告されている。]
7. 小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
(使用経験がない)
8. 適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
(PTPシート
の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な
合併症を併発することが報告されている)
9. その他の注意
(1)2年間のがん原性試験において、ラットではヒトに1回80mg、1日2回投与時の血漿中曝露量
(AUC)の1倍未満で膀胱の移行上皮乳頭腫、約1.2倍で移行上皮がん、約5倍で腎臓の移行
上皮乳頭腫/がん、腎細胞がん及び乳頭部血管肉腫、尿管の移行上皮がん、甲状腺の濾胞
細胞腺腫、マウスでは約1.7倍で乳腺の腺がんが認められ、これらの腫瘍発生は尿中キサン
チン結晶の析出に起因した尿路の障害に伴っていた。なお、ラットの52週間投与試験では
キサンチン結晶の析出を生じない条件下で、尿路における増殖性病変は認められなかった。
(2)
女性患者に対する使用経験は少ない。
[
「臨床成績」
の項参照]
1. 慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
(1)重度の腎機能障害のある患者[使用経験がなく安全性が確立していない。
]
(2)肝機能障害のある患者
[使用経験が少なく安全性が確立していない。
]
2. 重要な基本的注意
本剤は尿酸降下薬であり、痛風関節炎
(痛風発作)
発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎
(痛風発作)を増悪させるおそれがあるため、本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認めら
れた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。また、本剤投与中に痛風関節炎
(痛風発作)が発現した場合には、本剤の用量を変更することなく投与を継続し、症状により
コルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用すること。
3. 相互作用
(1)併用禁忌
(併用しないこと)
メルカプトプリン水和物
ロイケリン
アザチオプリン
イムラン、アザニン
γ-GTP増加
筋及び骨格系
用法・用量
通常、成人にはトピロキソスタットとして1回20mgより開始し、1日2回朝夕に経口投与する。その後
は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1回60mgを1日2回とし、
患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1回80mgを1日2回とする。
1%未満
口内炎
肝及び胆道系
識別コード
FY313
機序・危険因子
幻 覚、振 戦、神 経 障 害 等 の ビダラビンの代謝酵素であるキサ
ビダラビンの 副 作 用を増 強 ンチンオキシダーゼの阻害により、
する可能性がある。
ビダラビンの代謝を抑制し、作用を
増強させることがアロプリノール
(類薬)
で知られている。本剤もキサ
ンチンオキシダーゼ阻害作用をも
つことから、同様の可能性がある。
トピロキソスタット
20mg
40mg
60mg
1錠中
1錠中
1錠中
臨床症状・措置方法
ビダラビン
包 装
トピロリック錠 20mg:100錠(PTP10錠×10)
、500錠(PTP10錠×50)
トピロリック錠 40mg:100錠(PTP10錠×10)
、500錠
(PTP10錠×50、バラ)
トピロリック錠 60mg:100錠(PTP10錠×10)
● 詳細は添付文書をご参照ください。
2014年9月改訂
(第3版)
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2014年 9月改訂
TPR20005C