Hirosaki University Repository for Academic Resources Title Author(s) Citation Issue Date URL ヤリン文書 : 14世紀初頭のウイグル文供出命令文書 6件 松井, 太 人文社会論叢. 人文科学篇. 10, 2003, p.51-72 2003-08-31 http://hdl.handle.net/10129/2322 Rights Text version publisher http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/ ヤ リン文書 14世紀初頭のウイグル文供出命令文書 6件 松 井 太 Abs t r ac t s :Thi spa erl p nV e S t l ga t eSS i xUi gu ra dmi ni s t r a t i v eor de r sf orde l i v e r ybr oughtf r omt heTur f a nr egl On. Ont hes i xor de r swef i ndt ha ts eve r a lofi c i a ls ea l sa ndp er s ona l na m esa pp ea rmor et ha nonc e.I ti sc l ea rt ha t t heor de r sf ordel i v e r ywe r ei s s ue df r om as l ngl egr oupofof f i c i a l st oac e r t a i ngr oupofUi guri nha bi t a nt s .We ma yca l lt hes eor der sf ordel l i v e r yt he" Ya l ' l ' nt ext s "a f t eroneoft hep er s ona lna mest ha ta pp ea r sf r e que nt l y. Mor e ove r , ont heba s i soft heda t i ngs t a t eme ntont wooft heor de r s ,t hea ut horha sde t e mi ne dt ha tt hes i xor de r s a r emos tpr oba bl yf r om t heea r l yf our t e e nt hc e nt ur y.I nc ompa is r onwi t ht hes e ve nt e e nUi gura dmi ni s t r a t i ve or de r sf orde l i v e r yl S S ue dunde rCa y a t a i ul usi nt hemi df ou r t e e nt hc e nt u r y, hea t ut horc onc l udest ha tt hes ys t em ofa dmi ni s t r a t i onwi 仙nwhi c ht heor de r sf わrde l i v e r yf unc t i one dwa sa l mos tunc ha nge dt h r ought hef わur t e e nt h c e nt ur y.Fi na ll yt heRoma ni z e dt e xt swhi c ha r et heba s i sf ora b ov ea r gume nta r epr e s ent e dwi t hf ul l ya nnot a t e d J a pa nes et r a ns l a t i ona ndphot or e pr oduc t i ons . は じめに トウルフアン盆地を中心 とす る東 トルキスタンか ら発掘将来 されたいわゆる古 ウイ グル語文書の なかには,供 出命令文書すなわち物件 ( 金銭 ・人的労働力を も含む)の供出を命令す る公文書が多 数存在す る. これ らウイ グル文供 出命令文書が, 1 3- 1 4世紀のモ ンゴル支配下での ウイ グ リス タ er p s . Uy豆白r is t 豆 n.「ウイグルの地」を意味 し. トウルフアン盆地を中心 とする東部天山地方をさす) ン ( の歴史研究において重要な史料 となることは,すでに拙稿 [ 松井 1 998 a;松井 1 998 b;松井 2002] で明 らかに してきた通 りである. ウイグル文供出命令文書の歴史学的利用のためには,年代比定および文献学的テキス ト校訂が重要 な基礎作業 となる. 筆者はかねてか ら世界各国に所蔵されるウイグル文供出命令文書のテキス ト集成 ・ 校訂作業を進めている .その過程 で,筆者 は,本稿で扱 う 6件のウイグル文供 出命令文書が,い `1' 4世紀初頭に年代比定 され,また作成者 ・発行責任者や作成時期 といった歴史的背景を共通 ずれ も 1 に してお り,「 ヤ リン文書」 と総称 し得 るものであることを発見 した. 1 4世紀以降のウイグ リスタン に関する情報がベルシア語 ・漢文の編纂史料群には乏 しく,また個 々のウイグル文書に残された情報 がきわめて断片的 ・孤立的であることがウイグル文書の歴史学的利用を困難に してきた点を考慮する 1 ' cf . Be r l i n Br a n d e n b u r g i s c h eAk a d e mi ed e rWi s s e n s c h a f t e n( e d. ) , Tu T f a n f o r s c h u n g, Be r l i n , 2 02,p.1 6. ' 51 と,当該のウイグル文供出命令文書 6件の史料的価値は大きいといえる. そこで本稿では,これ らの文書の歴史的背景について基礎的な考察を行なうとともに,校訂テキス ト ・訳註 ・写真複製を提示 して史料的利用の条件を整えることとする `2'. 1 .ヤ リン文書 Te xt sAF)が共通の歴史的背景を有することを論証する. まず,本稿で扱 う6件の供出命令文書 ( Te xt sA・ Fの うち,Te xt sA,t lはいずれ も ' 1 ' ty T lya nabi 蓋 i nea yyg r mi ka「 犬年再 ( -閏)五月二十 E ] に」 とい う同一の年月 日記載をもつ.また供出命令によって便宜を供与 される公権力者 ' 3 'である万戸 長( t i i ma nno y ' 1 n<mO. t t i me nno ya n)・ビュリュンギュティ ( BO r 血gi i t 溢y)・キタイ-ダルガ ( Q' l ' t a yt a uY r a ) や,供出負担者 となるヤ リン ( Ya l T n)・オグリュンチ ( Ogr 血e )・ブルハン-オグ リ ( Bu r xa nl 0r l ' l ' )ら, x t sA,t lが共通の歴史的背景のもとで発行 文書に登場する人物も完全に一致する.以上の点から,Te されたことは明白である. 次に, Te x t sCEの 3件には, 計 3種類の印章が共通 して捺されている.以下に図示 しつつ説明する. 印文は纂字の可能性もあるが不明.縦 1. 7-1. 8x横 1. 6c m のほぼ方形. 印章 A: 印章 B: 印面は図像学的.縦 1 . 2-1 . 3x横 1 . 9c m.Te xt sCEのうちでは Te x tC のみにみえる. 印文は漢字で 「 劉記」 (「 劉」は俗字 「 則」 ) と解読できる.縦 2. 3x横 1. 4-1 . 5c m.常に 印章 ⊂: 9 0度左回転されて捺される. 層 印章B匿 国 印章 澗 印 この 3種類のE I l 章の うち,印章 Aは Te xt sCI E のすべてに ( ただ し Te xtC では 9 0度左回転され xt sD,E の両方にみえ,印章 Aに続けて捺されている.従 って て)捺されている.また印章 Cも Te Te xt sCE の 3件は同一の公権力者によって作成 ・発行 されたもの と考 えられる.また Te x t sC,D には,いずれ もケルシン ( Ka r s i n)・ヤ リン ( Ya l ' l l n)とい う人物 が供出負担者 として一緒 に登場 し, Te x tE でも供出負担者 としてケルシンを推補 し得 る [ 語註 E2b参照].以上の点から Te xt sCEの 3 件 も,捺印着 ( すなわち文書発行に関わる公権力者)や供出負担者など,歴史的背景を同 じくして作 成 ・発行されたものといえる. さらに Te x tFにも供出負担者 としてケルシンが現れ またヤ リンを推補できる.Te xtFには印鑑 ' 2 '本稿におけるウイグル語転写は翻字 と標準的発音表記 とを折衷 した sUK 2の方式におおむね準拠 し,その他の 諸言語については慣用の方式に従 う.原文書の破損映落や和訳に関 しては拙稿 [ 松井 1 998b, p.1 3] の凡例に従 う. BBAW) および国立ベル リ なお,貴重な史料の公刊を許可されたベル リン-ブランデンブルク科学アカデミー ( MI K)に深甚の謝意を表する. ン-イン ド美術館 ( i "モンゴル時代ウイグリスタンの公権力者層については梅村 [ 1 977]の所論を参照. 5 2 が残されていないので断定はできないものの,彼 らも Te x tC,D にみえるケルシン ・ヤ リンと同一人 x tF も Te x t sCE と歴史的背景を共通にする可能性が高い と筆者は考える. 物であ り,従 って Te さて Te x t sAF について,上記 3種類の印章の有無,またケルシン ・ヤ リンとい う 2名の供出負 担者の有無を整理すると,右表のようになる. Te xt 印章 A 印章 8 印章 ⊂ K盆r s i n Ya] I ' n ここで注 目すべ きは,Te x tC に捺されている ○ A x tA に も捺 されてい る ことであ 印章 Bが Te B る ( ただ し,印鑑の向きは Te x tC とは 1 8 0度 C 回転 している).つ ま り, この印章 Bによって D E Te xt sA,B と Te xt sCI F とを結びつけることが ○ ○ ○ F 可能 となる.従って Te xt sA,Bに供出負担者 と ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ して現れるヤ リンという人物 も,Te x t sC,D,F にケルシンとともに現れる者 と同一人物 とみなす こと ができる.また,文書の料紙 ・作成過程にも注 目すると,Te xt sAE の 5件はいずれも漢文仏典の紙 背を二次利用 している点で共通する. なお, これ らの文書の うち,出土地番号 ( TI IT1 3 30)をもつ Te xtC は トヨク ( Toy oq)遺跡出土, Te x tF( TIα)は高昌故城内の寺院虻 α [ Gr 血we d e l1 905, f i g. 5 6]出土であることが判明 し,また Te xtA ( TM 7 0)はもっぱら高昌故城を中心 として発掘調査を行なった第 1次 ドイツ隊の将来にかかる. これ 以外の Te x t sB,D,E については具体的な出土地を知 り得ないが,いずれも ドイツ探検隊によ り将来 されたものであ り,広義の トウルフアン地域から出土 したことは確実である.文書の出土地は本来の 作成地域 と近接すると考えられるので,この点でも Te xt sAFはほぼ共通するといえる. x t sAF の 6件が同一の歴史的背景のもとで作成 ・発行されたことは明瞭であ 以上の諸点か ら,Te る.そこで筆者は, この 6件の供出命令文書を,頻出する供出負担者名にちなんで 「 ヤ リン文書」 と 総称することを提案する. 2.文書の年代 6件のヤ リン文書 はいずれ も草書体で書かれ また n oy ' l ' n( <mO.n Oya n),t a u† r a( <mO.da u† r a ), a r e a( <mo. a r e a )な どのモンゴル語起源の借用語 [ 語註 Al b;A4;E3]か らも確実にモンゴル時代に比定 できる `4'. さらに,Te xt sA,Bの ' l ' ty ' 1 1ya nabi 邑 i n ea y「 犬年再 ( -閏)五月」 とい う年月表記は,より具体的に 至治 2年壬成 ( 1 3 22)閏 5月に比定することができる [ 語註 Al a]. これを基準 とすれば,Te x tE の 「 猿 xt sFの 「 羊年」についても,最 も近接する年代 として延祐 7年庚申 ( 1 320)・延祐 6年己末 年」・Te ( 1 31 9) をそれぞれ提示できる ( ただし,1 2年周期の誤差を考慮する必要は残る).Te xt sC, Dは年月 x t sA,B,E と同一の公権力者集団によって発 日記載が破損映落 しているものの,上述 したように Te 行されている以上,その年代が大き く離れる可能性は低い.すなわち,ヤ リン文書は全体 として西暦 1 3 2 0年前後に比定されるべきものと筆者は考える. -ゥィグル文書の時代判定の指標については森安 [ 1 994, pp. 6383 ]を参照. t 4 53 3.歴史学的考寮 - チャガタイ=ウルス支配期文書との比較検討さきに筆者は,漢文 ・ベルシア語編纂史料に基づ く諸先学の成果を整理 し,また トウルフアン地域 ea † a t ai ul us )発行モンゴル語文書の年代を勘案 して,チャガタイ-ウルス 発現のチ ャガタイ-ウルス ( によるウイグリス タン実効支配の開始時期を西暦 1 320年代後半から 1 330年前後に設定 した.その上 で,チャガタイ-ウルスの権威を奉 じる共通の公権力者集団により発行された 1 5件のウイグル文供出 命令文書群を 「ク トルグ印文書」 と総称 し,その発行年代を西暦 1 357年を中心 として 1 4世紀中葉に 比定 した [ 松井 1 998b,pp.711 ].. また,やは りチャガタイ-ウルス支配下で発行されたウイグル文供 3 49年に比定 した [ 松井 20 2,Tex【 sA,B]. 出命令文書 2件にも検討を加え.その年代を西暦 1 一方,本稿での考察の結果,ヤ リン文書 6件は 1 320年前後に比定 された.すなわち,ヤ リン文書は, 7件の供出命令文書よ りも,時間的に先行す 明らかにチャガタイ-ウルス支配期に属する既公刊の計 1 ることとなる.そこで本節では,これ ら両文書群について比較検討 し,歴史学的な考察を加える. (1)形態的特徴の比較検討 まず,文書に捺された印章の形態的特徴 ・捺印方法 ・個数に着 目すると,両文書群には下記のよう な対照的な相違が看取できる. ◎チャガタイ-ウルス支配期の供出命令文書 印の形状 :方印ない し円印. 5-3. 0cm 四方,また円印であれば直径 3. 0cm 前後. 印寸 :方印であれば約 2. 即文 :バクパ字 ・ウイグル字やブラーフミ一字で解読できるもの,またはこれ らの文字を変形 ・図 案化 したものが多い 5 ' .さ らに,双葉状の 「 チャガタイ紋章」 も頻繁に用い られる [ 松井 1 998b,p.れ 個 数 :1,2個 の場合 もあ るが, 3個以上捺 され る例 が 1 7件 中 8例 ( 松井 1 9 98 b, Te xt s1 , 7, 9,1 0,ll ,1 3,1 4, 松井 2( 氾2, Te xtB) あ り,最大では 6個 998b, Te xt s9,1 4). にのぼる例がある ( 松井 1 捺印位置 :文書末尾の行頭か ら捺される ( 右模式図 A参照).また捺印者が複 998b,pp.56]. 数の場合,しば しば彼 ら相互の序列が意識される [ 松井 1 模式図 A ◎ヤ リン文書 印の形状 :方印もあるが,長方形印ない し楕円形印もみ られる. 印寸 :方印では 1 . 7-2. 0cm 四方,長方形 ・楕円形印では短辺 1 . 2-1 . 5cm に長辺 2. 0cm 前後.す なわち,チャガタイ-ウルス期の供出命令文書に捺される印章よりも小寸である. 9 98 b ,pp.3 4; 松井 2 0 02,pp.1 0 7 1 08.なお.クトルグ印Eのバクパ字銘文で筆者がe i T Lと靭字した部分は, し 5 )松井 1 吉池孝一 r 2 0 Wa ,pp.1 1 3 1 1 6; 2 0Wb ,p.1 481に従ってj i nと訂正すべきである.また,吉池はクトルグ印Dの印文 をバクパ字 ge i<c hi n.吉 と解読する案を提示している [ 吉池 2 ( XX ) a , p p.1 1 1 1 11 2] . 54 印文 :漢字印文をもつ印章 Cは例外的で,単なる図像的 ・幾何学的紋様が多い. また 「 チャガタイ紋章」はみ られない. 個数 :すべて 2個. 3個以上捺される例はない. 捺E l l 位置 :文書末尾の bi r zi h「与えよ.供出せよ」 という命令文言に重なる形 で捺印される ( 右模式図 B参照).すなわち命令文言が文書末尾行頭に くれば行頭に,文書下端に くれば下端に捺される 佃'. さらに,チャガタイ=ウルス期の供出命令文書には,「 聖なる語」を行頭に配 し続 く 2-3行の行頭 998 b,pp.67;上掲模式図 A,l i n es を下げて敬意を示す 「 チャガタイ式敬意表現」が散見 した [ 松井 1 3 5を参照]. しか し,ヤ リン文書の Te xtt I( l i ne5 )では,有力な将相 と思われる t umかトnOy' l n「 万戸長」 b]に対 して,「 チャガタイ式敬意表現」ではな く, 他の行頭よりも高い位置に配すること ( 拍 [ 語註 Al 頭)で敬意を表現 している.すなわち,チャガタイ-ウルス支配期文書 とヤ リン文書の間には,敬意 表現に代表される書写上の体例にも相違がみ られるのである. (2)書式の比較検討 すでに筆者は,チャガタイ-ウルス支配期文書 も含めたウイグル文供出命令文書について,( 1 ) 十二 支獣紀年 ・月 日,( 2) 物件供出の理由 ・目的,( 3) 供出物件 とその数量,( 4) 供出負担者,末尾の( 5) 命令文 松井 1 998a,p.032;松井 1 998 b,pp.l l 1 3;松 言,の 5項 目を共通する定型的書式 として抽出 している [ 1 0].そこで,ヤ リン文書 6件についても,和訳を記載項 目ごとに分解 して提示 し, 井 20 2,pp.94- 上述の書式 との整合性を検証する.丸数字は原テキス トの行数を示す. Te x tA ①犬年再 ( -閏)五月二十 日に. 万戸長に与えるべき 6 ( 着の)②騎乗用上着,万戸長の文書によって ビュリュンギ ュティに与えるべき 3 ( 着の)③騎乗用上着, 合計 これだけの うち, ヤ リン,オ グリュンチ,ブルハン-オグリが 1( 着の)④騎乗用上着を 調達 して,キタイ-ダルガに供出せよ. Te xtB ( 2) 供出目的 ・( 3) 供出物件 と数量 ( 総量) ( 4) 供出負担者 ( 3 ) 実際の供出物件 と数量 ( 5) 命令文言 ( 1 ) 年月 日 ①犬年再 (-閏)五月二十 日に. ○ 'ただしTe x tC では,l ne4の命令文言 b i i r z i i n「 供出せよ」に重ねる形でE r ] 毒が捺されるものの,l i n e6の命令文 言 bi r z i i n「 供出せよ」には捺印がない.L in e4の a r ] mt a以降のテキス トは.行間もやや狭くなっており.捺印 された後に追加された可能性がある.このような捺印後の追記の例は 「 クトルグ印文書」にもみられる [ 松井 ( 1 9 98 b, p p . 23 , 3 435 ] . 55 ②キタイ-ダルガ,ビュリュンギュティ使臣たち③への,駅砧通行用の 8( 頭の)駅伝④馬, 1 ( 人の)馬夫 (となる)人,また⑤万戸長に与えるべき 3[ 石の]⑥麺粉,キタイ-ダルガに与えるべきロ⑦石の麺粉, ビュリュンギュティが受領 [して]⑧行 くべき 3 ( 着の)騎乗用上着, 合計 これ [ だけのうち] ⑨ヤ リン,オグリュンチ,ブルハン-オグリが, ( 2) 供出目的 ・ ( 3) 供出物件 と数量 ( 総量) ( 4) 供出負担者 ロ ( 頭の)⑩駅伝馬 ・5斗の麺粉, 騎乗用上着の⑪代価 ( である) 4幅広棉布を ⑫あわせて調達 して供出せよ. ( 3 ) 実際の供出物件 と数量 ( 5) 命令文言 Te x tC ( ∋----------・ -・1 0・ --・ ②斤の棉糸のうち, ケルシン,--,③ヤ リンが 1斤の糸を, ( 3) 供出物件 と数量 ( 総量) ( 4) 供出負担者 ( 3) 実際の供出物件 と数量 調達 して④巻き取 らせて ( ? )供出せよ. ( 5) 命令文言 アリム税 として( 9至った (-賦課された) ( 2 ) 供出目的 3斤の棉花のうち, ⑥ 1斤の棉花もまた供出せよ. ( 3) 供出物件 と数量 ( 総量) ( 3) 実際の供出物件 と数量 ・( 5) 命令文言 Te x tD ① [ ロ年第口月□日]に. ( 1 ) 年月日 テミュル-ブカの,染色用の リュクチュング ( aHHH------染色用の 2棉布のうち ケルシン,ヤ リン @・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・日日・ ・ ・ ・ ・ ・ 供出せよ. ( 3) 供出物件 と数量( 総量) ( 4) 供出負担者 [ ( 3) 供出物件 と数量] ( 5) 命令文言 Te xtE ( ∋猿年第七月初 ( 旬の)二 日に.‥日. 日日. ----②旅行用食糧のための 2斗の麺粉を, ケル [ シン] --( 参1 0斤の トショウも供出せよ. 1・--・ ・ ---・ ---- 5 6 ( 1 ) 年月日 ( 2) 供出目的 ・( 3) 供出物件 と数量 ( 総量) ( 4) 供出負担者 ( 3) 供出物件 と数量 ・( 5) 命令文言 Te x tF ①羊年第九月二十八 日に.. ‥‥‥.‥ ( 1 ) 年月 日 ----②マチャル使 臣に与えるべき ( 2) 供出目的 7厚手綿布のうち ( 3) 供出物件 と数量( 総量) ケルシン,ヤ リ [ ン] --・ -・ ( 参[ 調達 して]供出せよ. ( 4) 供出負担者 ( 5) 命令文言 x l sCEをも含め,ヤ リン文書 6件も,①冒頭に年月 日記載 テキス トが大きく破損映落 している Te t t i m盆 nnoyh)・ダルガ ( t a u† r a )・使臣 ( i l e i )な どの が記され 末尾に命令文言が記される,②万戸長 ( a l T m)な どの公的賦課が供出目的 として言及される,③物件の供出先 となる人 公権力者やアリム税 ( 名や供出物件の用途が詳細に記される,④実際の負担額以外に必要総額な どまで記されるなど,その 他の供出命令文書 と共通する特徴をそなえていることが判明する [ c f .松井 20 2,pp.9798] .すなわち, 文書の書式の上では,チャガタイ-ウルス支配期の供出命令文書 とヤ リン文書 との間に相違はない と いえる. (3)小結 本節 (1)項での検討か らは,ヤ リン文書 6件にはチャガタイ-ウルス支配の影響を示す特徴が全 く看取されない といえる. この事実は,ヤ リン文書が作成 ・発行された西暦 1 320年前後の段階では チャガタイ-ウルスの権威 ・影響力がウイグリスタンの公権力者集団に全面的には及んでいなかった 320年代後半か ら 1 33 0年 ことを示 してお り,チャガタイ-ウルスのウイグリスタン実効支配が西暦 1 998 b,pp.91 0 ]を補強するものである. 前後に本格化 したとする筆者の所論 [ 松井 1 一方,(2)項での検討か らは,チャガタイ-ウルス期文書群 とヤ リン文書 とは共通の定型的書式を 有 していることが確認された.一般に,行政命令文書 ・公文書における定型的な書式は,文書を作成 し機能させている文書行政システムの体系性を反映するものとみなせる.筆者は前稿 [ 松井 20 2,pp. 941 06] で,供出命令文書の書式の共通性に依拠 しつつ,ウイグル文供出命令文書をめ ぐる行政末端 の物件供出-徴税 システムの再構成を試みた.ただ し前稿ではモンゴル時代 ( 1 3- 1 4世紀) とい う 時間枠を設定 したのみで,ウイグリスタンをめ ぐる政治史的変動の影響を考慮に入れなかった. しか し,チャガタイ-ウルス支配の確立 とい う政治史的画期を隔てる複数の文書群の間で書式の共通性が 確認されることは,前稿で再構成 したような供出命令文書による徴税システムがモンゴル時代を通 じ てほとんど変更な く踏襲されたことを示す.換言すれば,本稿の考察により,前稿の分析結果はモン ゴル時代を通 じて有効であることが確認されるのである. おわ リに 本稿では,管見のウイグル文供出命令文書のうち,ごく限られた数の文書群を対象に したものでは あるが,筆者のこれまでの分析結果 と,そのモンゴル時代を通 じての有効性を再検証 ・再確認するこ とができたと考える.文書の包括的な校訂テキス ト公刊作業 とともに,個々の文書 ・文書群の相違点 57 を歴史学的に考察することは,今後 とも重要な課題であ り,果たすべき責め としたい. テキス ト・訳註 Te xtA U52 83V( TM 70日BBAW] [ 解説]犬年 (1 3 22) 閏 5月 20日付,騎乗用上着 ( ol pa q)供出命令. [ 研究 ]m v 【 1 78 / 29] ; Zi e me1 975, p. 33 3, n. 9. [ 備考]26. 5x6. 5c m.Oc r e∼Oc r ef o nc 6. 完.渡き縞のない均質な上質の紙.現在は台紙に貼付 ( サン ドイ ッチ)保存.公印 Bの下に長方形印 1個 (1 . 2x 1 . 8c m).漢文仏典 『 大般浬紫綬』 ( 『 大正新情 .1 2, No.3 75,p. 72l a, 7ll )紙背の二次利用. 大蔵経』vol l l ty ' l lya nabi 邑 i nea yyg mi r k畠t dmannoyl nqabi r g 由a l t ' 1 ' 1 ' 2 0l pa qt Oma nn oyl nn ' l l ngbi t i g ibi r l ab由 r hg叫畠 yk畠b i r gO臼C 3 ol pa qbi r はmu neat aya l ' l ' nog r h eb u r xa noYl l ' bi rol p a q 4 dむむpq ' 1 ' da yt ru a Y a qabi r z 由 n bt i l 犬年再 (-閏)五月二十 日に.万戸長に与えるべき 6 ( 着の) 2 騎乗用上着,万戸長の文書によってビュリュンギュティに与えるべき 3 ( 着の) 3 騎乗用上着,合計 これだけの うち,ヤ リン,オ グリユンチ,ブルハ ン-オグリが 1 ( 着 4 調達 して,キタイ-ダルガに供出せよ, の)騎乗用上着を [ 語註] Al a,l ' ty i ly anabi 差 i neay:Y' N' =ya na「 再 び」 は一見す る と具格助詞 ' l ' n ともみ えるが,ya l ' l ' n( l i ne 3)の語末の YN と比較すると字間がやや大 き く,また後半部の字間は ol pa q( l i n es2,3),t a r u y a( l i ne 4)の語末 の ' X∼X'とほぼ等 しい.文脈 か ら,本処 の ya naは ui g.乏血 ( <c hi n.閏) [ 松井 1 998 b, pp.1 41 5;松井 2 0 2,p.1 07] と同 じく閏月を示す もの とみな し得 る `7'.モ ンゴル時代の ウイグリス タンの暦 は,原則的には政府発行の暦 -授時暦に従 っていた と考 え られる 【 Ba z i n1 991 ,pp.2452 46, 3 063 07,31 331 5,3 22;c f .松井 2 002,p.1 07] . そこで 1 3- 1 4世紀の中国暦および授時暦中に 「 犬年間 五月」を求めると,至治 2年壬成 (1 3 22) 閏 5月が対応する. Alb,t 由m岳nnoy ' l ' n:<mO. 拍me nnoya n「 万戸長,万人隊長」.Mo.noya n>ui g. noy ' l ' nの借用については 拙稿 [ 松井 1 998 b,p p. 3 233] を参照.Te x tB( l i ne5 )にも現れ この両者は明 らかに同一人物である. Mo.抽me n∼t t i .t i i ma n( >p er s .t Qm豆 n)は本来 「 万, 1 0M 」 を示す数詞であ り,転 じて 1万人の兵士 を供出する遊牧民の軍事編成単位を意味 し,さらに定住地域にも行政単位 ・税役徴発単位 として導入 された.最近,川本正知は,1 4世紀以降の西 トルキス タンだけでな くイラン ・雲南 ・チベ ッ ト ・ロ 後八月」 「 後五月」 「 後三月」など, 「 閏」ではなく 「 後」を用いて閏月 ( 7 'ちなみに吐蕃期の教壇漢文文献にも,「 9 9 0 ,Nos .1 02 4,1 025,1 03 2,1 046]. を示した例がある [ 池田 1 5 8 シアの諸地域の状況をも通観 して.定住民徴発単位 としての mo.帖me n∼p er s .t Qm豆 n「 万戸」が第 4代 皇帝モ ンケ ( M6ngke,r .1 251 1 259)治世に帝国各地に設定されたとしたが [ 川本 2( X札 pp.381 56].東 トルキスタン∼ウイグリスタン地域に関 しては史料に基づ く検証を充分に加えなかった. しか し.モ ンケ治世の ウイ グ リスタンでも,その他のモ ンゴル支配下地域 と同様,戸口調査 と十進法的住民組 織 ( 千戸 ・百戸)の編成が施行 されているか ら [ 松井 20 2,pp.8792],千戸の上位の単位 として万 戸が設定された可能性がある.また,本処および TextB の 佃m益 nnoy ' 1 ' n「 万戸長」の他にも,世襲職 hl a nb益 i ∼佃ma g nb盗 gi「 万戸長」 とい う称号がすでにウイ グル語文献 中に確認 されている としての t 【 BTrXI I I ,Te xt49;Zi e me1 992,pp.5456;c f .松井 20 2,p.112] . 同様に,BBAW 所蔵のウイグル語文 書断片 chJ U7353V( TI I1 48 0)にも,莱 ( 日( …) ti n)・プンニヤシリ ( punya 芭 i i <s r kt .puDya 孟 r i )・ウ トパ ラム ( Udpa l -a m<s kt .ut pa l ? )とい う 3名の万戸長 ( 佃ma nba gi )がみえ,支出 リス ト様文書 U4845( ≡ 松井 20 2,TextD,l i n e4)には 佃m益 na qa「 万戸長殿」 とい う表現 もみえる.周知の通 り t o.ba g( >ba gi ∼ba gi )と mo.noya n とは しば しば互用されるか ら 【 e. g.TMEN I I ,p.399] ,以上のモ ンゴル時代のウイ グル語文献中にみえる 仙m盆 nnoy' l ' nと 佃ma nb盆 giは明 らかに同一の称号 ・官職をさす.さらに 1 4世紀 末∼ 1 5世紀初頭のウイグリスタンには,カラホ-ジャ ( Qa r a Qoe o>c hi n.吟刺火州)・トウルフアン ( Tur f a n>chi n.吐魯番)・リュクチュング ( L此 ehg∼L比 ei n>c hi n.柳城∼柳陳)の土着 ウイグル人 3 勢力が割拠 してお り,その うち トウルフアン ・リュクチュングの支配者はそれぞれ 「 万戸」 と称 して いた 仰 . 『 明史』巻 329・西域伝 ・土魯番 ( Tu血 n)の条によれば トウルフアン万戸はモンゴル支配下 で設置されたとい うか ら, リュクチュング万戸の設置 も同時期 と推測される.以上か ら,筆者は,川 本【 200 ]の指摘を敷宿 して,モ ンゴル支配下のウイ グリスタンにも定住民徴発単位 としての万戸が ' n∼仙ma nba giは,この万 編成されていた蓋然性が高い と考える.ウイグル語文献にみえる 仙m盗nnoyl 戸( t om盆 n)を管轄する長官であろう. BO r t i ng叫畠 y)とい う人物への物件供 ところで,本処の文言か らは.後続するビュ リュンギュティ ( 出が 「 万戸長の文書によって ( 拍mannoy . l ' nn ' 1 ' ngbi t i gibi r l a )」命令されていたことが うかがえる.ウイ グル文供出命令文書の書式の大きな特徴 として,文書の作成 ・発行者や命令権者が書式上では明記さ れない ことがあげ られる `9).本処の記述は,供出命令文書の作成 ・発行過程,さ らには文書行政 シ ステムの構造を解明する上で重要であ り,別稿であ らためて詳論する予定である. A2a,ol paq:>mo. ol bu †-p er s . ul pa q. Te xtB( l i nes8,1 0)および BBAW 所蔵の収支 リス ト様文書 chN 7345( l i ne9)[ c f . Ra s c hma nn1 995,Nr . 66]にも在証される.Do e r f e rはモ ンゴル語 ・テユルク語 ・ベルシ ア語の諸例を 「 冬季の騎馬用の丈の短い棉入 りの上着 ( ku r z ewa t t i e r t eJ a c kef i i rWi nt e r r ei s e nz uPf e r de)」 と総括す る 【 TMEN I I ,pp.111 11 2,Nr .527] . しか し本文書は閏 5月付であるか ら,冬季用 と限定す ' 『明太宗実録』永楽 5年 ( 1 4 0 7 ) 4月丁酉 「 吟剰火州王噴散 ( Ha s a n )・吐魯番寓戸要因帖木見 ( s a y . I . n T畠 m山・ )・ va j r a )等,倶遣人員玉嘆等物,悉賜砂 ・寓 ・襲衣」;永楽 11年 ( 1 41 3 )1 1月辛丑 「 別失八 柳陳城寓戸瓦赤刺 ( 里( Bi 昌 一 Ba l ' 1 ' q)王烏合麻 ( M巾a mma d)・吐魯番寓戸案囲帖木児 ・柳陳寓戸観音奴 ( Qa n' 1 ' md u )等,倶遣使従給事中 1 43 0 )1 2月丁亥 「 柳城寓戸阿黒把失 ( * AqBa y s ) 博安等貢名馬 ・ 海青,賜棄其使有差」;『明宣宗実録』宣徳 5年 ( 等十六人来朝」 . これ ら 1 5世紀初頭 トウルフアン地域のウイグル人士着勢力については,間野 [ 1 9 6 4, p p .8 1 2 1 および堀 [ 1 9 7 5 , p p .3 2 2 1を参照. '現時点で知 られているウイグル文供出命令文書で発行責任者が明記されるのは 3 Kr 2 9 b( =US p1 2 3 )のみである (8 1 '9 [ c f .松井 2 02,p.1 041 . 59 る必要はない.本処では mo.ol bu†の H ha bi l e me ntqu' onFor t es eul eme ntac hev a ll or s q' onvae nv oya ge; ,p. 4 07]という解釈に従い 「 騎乗用上着」 と訳す. c a mi s ol e' '[ Kowa lews kiI A2b,b血r t i ng叫 ay:buyr gud ' 1 ' -bOr t gBdiという解読案を提示 しつつ官職名 ・称号 と考えた zi emel 1 975, p.333]には従えない ` 1 0) . T e xtB ( l i ne2)では i l e i「 使臣」の称号を伴 うから人名 とみなすべきである. ベルシア語史料で Bur unki t a y∼BQr hkt 豆y∼BQr B( n) kt ay,漢文史料で不憐吉夢∼ 卜憐吉 夢∼ 卜鄭吉帯∼ 卜鄭吉台 と表記されるもの と同 じ人名であろう. A4,q印a y! ruγa:ql a ' da y∼q' l ' t a y>p er S .bit a y∼c hi n.契丹∼乞台.q' l ' t a yは地域名称 としての 「 キタイ, 漢地 ( 北中国)」 さらには 「 キタイ人 ( の),漢人 ( の) 」 を表わす場合 もあるが 【 sUK 2,p.276] ,本 処では漢文史料で乞台 ・ 乞帯 ・ 乞夕 と転写される人名 とみる.l a u† r a/t a r uy a e' 1 ' <mO. da r u † a/da u† r a e iは, 周知の通 り,モンゴル権力が占領地域に派遣する 「 総督,代官, 目付,監視官」である. Ch凡J7370V( TI I1 035)l BBAW ] Te xtB [ 解説]某犬年 (1 322)閏 5月 20 日付, 駅伝馬 ・麺粉 ・棉布供出命令.Ras c hma m【 1 995,p.1 45]が 「 旅 行許可証 ( Rei s e t xgl ei t s c hr e i t xn)」 とするのは訂正すべき. s c hma m 1 995,p.1 45,Nr . 67( l i nesll 1 2). [ 転写]Ra [ 研究]zi e me1 975,p.333, n. 9;Ra s c hma nn1 995,pp. 47,861 8 7;松井 1 997,p.11 3. [ 備考] 1 5. 5x1 6. 0c m.Oc r ef bnc e一Oc r e.上端完,左 ・下一部映.漉き縞のない上質の紙.現在はガ ラス保存.方印 ( 2. Oxl . 7c m) 1個,長方形印 ( 1 . 2xl . 8c m) 1個.漢文印刷仏典 『 大般若波羅蜜多 経』 ( 『 大正新傾大蔵経』vol .5, No. 220,p. 782C ,91 6) 紙背の二次利用. 1 ' l ' ty' 1 ' lya nabi 芭 i nea yygr mi k畠 2 qi da yt a r uY ab山' 臼ng叫畠 yi l E i 1 a r l 3 k畠ya mqaba r y us 畠 ki za t 4 ul a †bi rul a †一 己' l l ki 芭 iya na 5 t Oma nnoy' l ' nqabi r gi iOe芭 i y 6 7 mi nq' l ' da yt a u† r a qabi r g臼( . ) 【] s l †mi nbOr u ng叫a yal J ' p 8 ba r y uuEo l pa qbi l amune at a 9 ya l ' l ' n6gr 也nebu r xa no†1 ' l '[ 1 0 a tul a †bi 芭kOr imi nol pa q 11 ya nt u dt ar ty批i zl 泊z l 2 bi l abudO r upbi r z 臼n ] ( 1 0 ) zi e meL J 1 9 7 5 ]が本処 の bu r hg 由 d i yと関 連 づ け た ウイ グル 文 書 断 片 U 6 02 6の bu y r g u d . l ' -b d r t g O diは,後に p u r o k i di( <s k t . p u r o hi t a )「 帝師 ;近臣」 と改め られている 【 Ku da r a& Zi e me1 9 95 , p p. 6 7 6 9 ] . 60 1 犬年再 ( -閏)五月二十 日に. 2 キタイ-ダルガ,ビュリュンギュティ使臣たち 3 への,駅砧通行用の 8 ( 頭の)駅伝 4 馬, 1 ( 人の)馬夫 (となる)人,また 5 万戸長に与えるべき 3 [ 石の] 6 麺粉,キタイ-ダルガに与えるべき□ 7 石の麺粉,ビュリュンギュティが受領 [して] 8 行 くべき 3 ( 着の)騎乗用上着,合計 これ [ だけのうち] 9 ヤ リン,オグリュンチ,ブルハン-オグリが,□ ( 頭の) 1 0 駅伝馬 ・5斗の麺粉,騎乗用上着の 11 代価 ( である) 4幅広棉布を 1 2 あわせて調達 して供出せよ. [ 語註] Bl , i ty ' I lyanabi 差 i n∼ayygr i k畠:語註 Al m aを参照. B3,yam:∼mo. j a m「 駅砧」 .明代の 『 高昌館訳語』には ui g.ya mqa>眼喰 ( <p er s .y豆 m ba na )/c hi n. 駅砧 という対訳例があったが,ウイグル語世俗文書の在証例はこれまで確認されていなかった [ Li g e t i 07V( l i n e5)にも在証される. 1 96 6, p. 27 9; ED, p. 933 ] .筆者が知 り得た限 りでは BBAW 所蔵の Ch〃 61 B34, S 独i za tul a Y: Ra s c hma nnl 1 9 95, pp. 8 687]は本処を s a ki zo nul a γ「 8 0頭の駅伝馬」 としたが,辛 WN-onではなく =Tである [ 松井 1 9 97, p.11 3 ]. 形は明らかに ' b参照.なお,本処では明らかに拍頭による敬意表現が加えられている. B5,t dm盆nnoy ' I ' n:語註 Al B6:文脈からみて,行末の映落部には数詞があったものと推測される. 878, ar t pbat Yu: a l l ' pはその他の在証例 ( e . g. U5288=松井 1998b,Text4,l i n e3 )から補 う. B8,mun∼ at a: 行末映落部は Te xtA ( l i n e3)との比較から補 う. B9:文脈か らみて, 行末の映落部には次行頭の a tu l a γ「 駅伝馬」の頭数が記されていたと推測される. B1 0ll ,01 paqy ant uqt ar tya t i zb62:ya t i z( -yi t i z )b6Z「 幅広棉布」は,通貨的に使用される棉布の c f .Ra s c hma nn1 995,p.47] .Li ne9以降に記載される実際の供出物件の 規格を示す表現 と考えられる [ うち,本処の ol pa q「 騎乗用上着」については具体的な数量が記載されていないので,おそ らく t 6r t yi t ib6Z「4幅広棉布」により ol pa q「 騎乗用上着」が代納されるものと思われる `11㌧ol p a qに後続する ya nt ud∼y a nt u t( -ya nut )は … S o me t hi nggi v e ni nr e t u mf oro ri npl a c eof "の意 [ ED,p. 946]であるが,ここ では 「 代価」 と試訳 してお く.なお,ya nt u t-ya nu tについては別稿を準備中である. '本文書全体の内容を 「 使節 ( i l E i )たち ・所要の 80頭の駅伝馬 ・馬夫 に支払われる料金が記 される. まさに支 i t i( s i c ! )y i t i zb 6 zF7 [4の誤 り]幅広棉布』 とい う額がそれに関係するかは明瞭でない.単に, 払われるべ き y この額は返済 ( y ant u t )に関 して支払われると言及されている」 とする Ra s c h ma n nl 1 995,pp.8 6 8 7 ]の解釈 も改め られるべきである. t1 1 61 Ch/ U6954V( TI IT1 33 0)【 BBAW ] Te xtC [ 解説]年月 日不明,棉糸 ・棉花供出命令. [ 研究]Ya ma daXI I ,p.498. [ 備考] トヨク出土. 1 3. 6x8. 6c m.Cha moi sα-Cha moi sc l a i r .左端映.漉き縞のない中上質の紙.覗 在はガラス保存.印章 A ・印章 Bあ り.漢文仏典 ( 内容未同定)紙背の二次利用. 【 mi s s i ng] 1 【 ]on【 2 ba dmanb 6zy ' l ' p' 1 ' nt ak注 r s i nl 3 ya l ' 1 ' nbi rba dma ny' l ' pbi i t i i r Op 4 t i i r 喜 di pbi r z i na i l 1 ' mqa 5 t gmi 喜臼eba qma nka pa zt a 6 bi rba dma nka pa zm一 abi r z i i n [ 前 映] 1 ---------- - - 1 0- - - 2 斤の棉糸のうち,ケルシン, - - - - 3 ヤ リンが 1斤の糸を,調達 して 4 巻き取 らせて ( ? )供出せよ.アリム税 として 5 至った ( -賦課された) 3斤の棉花のうち, 6 1斤の棉花もまた供出せよ. [ 語註] C2a:ba qman:c hi n.斤に相当する重量単位 [ 松井 2002,pp.111 11 2]. C2b,b6zyi p:周知のように t ki zは 「 棉布」,y' 1 ' pは 「 糸,紐」を意味するが,本処では t ki z y' 1 ' pと熟 して 「 棉糸」を意味 している. C2C:行末の映落部には供出負担者名が書かれていたものと推測される. C4a,t dr 善 di p:字形 は TYWRSDYP∼TYWRXDYPであ り,文脈か らは動詞の連用形 と推定される i i r 喜 di pの誤記 とみな し,V.* t i i r 蓋 d-は が,適当な動詞語幹を見出せない. ここでは TWYRSDYP=t V.t or -… t or ol lupHの協同形 V.t i i r t i 喜 一【 ED,pp.530,55 4;CTD2,p.1 2]にさらに使役助動詞 d-が接続 した ものとみて 「( 棉糸を)巻き取 らせる」 と試訳するが,疑問が残る.専家の示教を乞 う. C4・ 5,aHmqat gm i差 :a l 1 ' m の原義は 「 負債」であ り,契約文書では bi im a r l ' 1 ' m と熟 して 「 税,租税」 ED,pp.1 451 46;UW 1 ,pp.9293;SUK2,p.239] .本処では a l ' 1 1 m 単独で 「 ア を意味する例が頻出する 【 アリ リム税」 と訳 してお く.本処で 「 アリム税に至った」 というのは,後続する 「3斤の棉花」が 「 6)も参照. ム税 として賦課された」 ことを示すものと解釈する.また,本稿脚注 ( 62 Ch / U691 0V( TI I14 08)【 BBAW 】 Te x tD [ 解説]年月 日不明,棉布供出命令. [ 転写]Ras c hma nn1 995, p.1 40, Nr . 59. [ 研究]Ras c hma nn1 995, p.39. [ 備考]13. 5x7. 0c m.Be i g e-Cha moi sα.上端映,下端 ・ 右端完,左端完 ?漉き縞のない中上質の紙. 俳説未曾有因縁経』 ( 『 大正新傾大蔵経』vol . 現在はガラス保存.印章 A ・印章 Cあ り.漢文仏典 『 1 7, No. 75 4,p.583a ,1 61 8) 紙背の二次利用. 1 2 っ J ︻ ー 1 1 [ □年第 □月□ 日]に,テミュル-ブカの,染色用の リュクチュング 2 ------・ --・ 染色用の 2棉布のうち,ケルシン,ヤ リン 3 ・ -----・---供出せよ. ] qat m臼 rbu qa n ' l ' ngt x) du y ul O ke ぷng ]bodu yui kit Wz t ak益 r s i nya J . l ' n ]bL . r Z 臼n [ 語註] Dl a:オモテの漢文仏典の残存状態か ら,本文書の本来の縦寸はおそらく現存の 2倍程度 と推測さ れるから,冒頭の映落部に年月日が記載されていたと考えてよい. 0; Ra s c hma nn1 995,p.3 9]. Dlb,boduyu:t xxl u-は 「 染色する」の意 【 DTS,p.1 07;ED, p.3 DI c ,l i i k∼t i ng:<c hi n.柳中.唐代以来の トウルフアン盆地の主要城市の 1つ.語註 Albも参照. Ch/ U7213vl BBAW 】 Te xtE [ 解説]猿年 (1320?) 7月 2日付,麺粉 ・トショウ供出命令. [ 研究]B TTXI V,p.58. [ 備考] 13. 4x5. 0c m.Cha moi sα-Be i g e.下端映.漉き縞のない均質な中上質の紙.現在はガラス保存. 妙法蓮華経』( 『 大正新傾大蔵経』vol .9, No.262, p. 57C ,ト3)紙背 印章 A ・印章 Cあ り.漢文仏典 『 の二次利用. 1 bi e i ny' 1 1yi t i nea yi kiya ng ' l ' qaYYl 2 yola z u q1 u qi kik由 imi r nka r s i nl 3 onba dma na r e am一 畠bi r z i i nbi r( . ) [ 1 猿年第七月初 ( 旬の)二 日に.--・ ----・ - ・-2 旅行用食糧のための 2斗の麺粉を,ケル [ シン] -- ・ 3 1 0斤の トショウも供出せよ. 1-・ ---・ --・ --・ - 63 [ 語註] E2a,yolaz uq・ I uq:a z uqだけでも 「( 旅行用の)食糧,携帯食料」を意味するが 【 ATG,p.323;TMEN I I ,pp.5 657,Nr .475;DTS,p.73;ED,p.283;UW 5,p.327] ,本処では yol「 道 ;旅行」【 ED,p.91 7】と熟 l u q/1 Okは 「 ∼用の,∼のための ;∼に予定さ して明確に 「 旅行用の食糧」を示 している.接尾辞 l れた,配分された」を意味する 【 oTWF,pp.1 21 1 31 ;森安 1 992, p. 47】 . R Lか残されていないものの,Te xt sC,D との関係か ら, E2b,k岳r s i n:文書の破損のため前半の K' この供出負担者名を復元する. E3,a ri a:「トシ ョウ,相真」 .本処では薬用品 としての供出を命 じたもの と推測 される.本来の 古テユル ク語で 「トシ ョウ」を意味す るのは artueであ り, この形式 は 11世紀のカー シュガ リー ( Ma b mQda l K云 三 ga r i )の 『 テユルク語辞典 ( DL wa nl u iL i tal l ur k ) 』にまで遡って在証され,ウイグル語 文献にも散見 し,明代の 『 高昌館訳語』にも ui g.a r due/c hi n.楢 とい う対訳例がみえる 【 CTDI ,p.1 27; ED,p.204;Li ge t i1 966,p.1 31 ] .一方,現代テユル ク諸語には a r e aの形式が頻見するが [ wbI ,p.323; TMEN I I ,pp.2829,Nr .4 48;Sc hwa r z ,p.22] ,ウイグル語文献では本処が初例 となる.ただしテユルク 諸語の a r e aは mo.a r e a「トショウ,相真」の借用 と考えられてお り 【 ED,p. 204・ , TMENI I ,pp.2829,Nr . 4 48;c f . Kowa l ews kiI ,p.1 61 ;L es s i ng,p.5 0】 ,すでに 『 元朝秘史』 巻 3 ・葉 22裏 ( §11 6)にも mo.a r ea> 阿舌児察 /chi n.栢木 とい う対訳例が在証される.なお 『 至元訳語』草木門にも c hi n.栢樹 /mo.阿刺孫 r al 1 99 0,p.283]はこの阿刺孫を阿刺察 ( <mo.a r e a )の誤記 とみな している. とい う対訳例がみえ,Ka Te xtF MI KI I I6972( b+C)( TIα)【 MI K] [ 解説]某羊年 (1 31 97 ) 9月 28 日付,棉布供出命令. [ 備考]高昌故城内の寺院祉 α出土.b断片は 7. 5x2. 7c m,C断片は 6. Ox1 . 8cm. Cha moi sc l a i r .上端 ・ 左端完.樹皮利用.現在はガラス保存 .b断片の下に C 断片がほとん ど隙間な く接合する.現存部 には公印な し. 1 qoyny ' 1 ' lt o qu z unea ys 盃 ki zot uz qal 2 ma ea ri l e k盆bi r g臼yi t iqal 1 ' nb ( ヲ Z ほka r s i nya 血 【 3 bdt 血r Opbi r z 血nl 1 羊年第九月二十八 日に. ---・ -------------・ ----- 2 マチャル使臣に与えるべき 7厚手棉布のうち,ケルシン,ヤ リ [ ン] -- 3 [ 調達 して]供出せよ. [ 語註] F2a,maモ ar:∼p er s .ma 皇a r… A Ma gya r ,aHu nga ia r nM【 St ei nga s s ,p.11 74] .この 人 名 は BBAW 所 蔵 の ch〃 7 41l v( l i ne5)にも在証される. F2b,qahlbdZ:Ras c hma nnl 1 995, p. 53]に従 って 「 厚手棉布」 と考える. 64 F2 C , yal ' ) ' n:文書の破損のため前半の Y' LLか 残 され て い な い が , 推 補 す る. 語曇索引 al ' l ' m a ト lt a i a r e a a t a y a zu q b a r 一 bat ma n bi e i n bi l a b i r b i r 一 舶 bi b i 葺 bi 喜 i ne bi t i gi t xxl u一 6Z b bu qa bur x a n bi i r i i ngi i t 豆y bi i t i i r 一 da u† r a ' l ' t i ki i l e i kap 孟 Z k岳 r s i n ki 言 i ki i r i 1 i i ke i i ng 負債 ;ア リム税 ( 税 目名称)C( M 取 る,受領す る al T pBO7 6,六 AOl トシ ョウ,相真 EO3 ma c a r 馬 BO3,BI O 月 AOl ,BOl ,EOl ,FOl 食糧 EO2 行 く ba r yuBO3,BO8 斤 (重 量 単 位 )badmanCO2,CO3,CO5, Cu ,EO3 猿, 申 EOl =birla noy血 1, - AO3,BO4,CO3,C( 泊,EO3 与える,供 出す る bi r gi iAOl ,AO2,BO5, B( 泊,FO2;bi r z i i nAO4,B1 2,C( 叫,C( 泊,DO3, EO3,FO3 ∼ と共 に,∼ によって ;あわせて AO2, AO3・ ,bi l aBO8,B1 2 5, 五 BI O 第五の AOl,BOl 文書,証文 bi t i giAO2 染色する t x xl u yuDOl , DO2 棉布 Bll ,CO2, DO2,FO2 ( 人名)DOl ( 人名)AO3,BO9 ( 人名)bti血 I g叫a yAO2,BO2,BO7 調 達 す る, 満 た す bi i t i i r i i pCO3,FO3; bi i di i r i i pAO4,B1 2 ダル ガ, 総 督, 代 官 tar uY aA04,BO2, Bu 犬,成 AOl ,BOl 2, 二 DO2,EOl ,EO2 使臣,使節 BO2,FO2 棉花 CO5, C( 泊 ( 人名)CO2, DO2,EO2,FO2 人 BO4 斗 ( 容量単位)BI O,EO2 ( 地名)DOl m盆 ml n mu nc a 071 ' 1 ' ol pa q on ot uz og r u nc qa l ' l ' n ql ' t ay qoyn s a ki z ; ' 1 ' Y t ag一 t am ii r t oquz u ne t 6r t t i i ma n t i i r 葺 d一 ul a † ul a †e ' 1 i i e ya l ' L ' n y a m y a n a y a ng' l ' y a n t ut y 益 t i z ygrm1 y ' 1 1 1 y T p y i t i yi t i ne y ol ( 人名) FO2 また m益CO6,EO3 麺粉 B( 泊,BO7,BI O,EO2 このような AO3,BOB 長 官 ;ノ ヤ ン, 遊 牧 貴 族 BO5 AOl ,AO2, ( ^%)AO3,BO9 騎乗用上着 AO2, AO3, AO3,BOB,BI O 1 0,十 COl ,EO3 3 0,三十 FOI ( ^%)AO3,BO9 厚い,厚手の FO2 (人 名 );キ タイ, 北 中 国 ql ' da yAO4, BO2,Bu 羊,末 FOI 8, 八 BO3,FOl 石 ( 容量単位)BO5,BO7 至る t gmi 喜CO5 ( 人名)t ii m rDOl 第九の FOl 4,四 Bll 1 ( カ( カ,万 ;万戸 AOl , AO2,BO5 巻き取 らせ る ( ? )t i i r g di pC( M 駅伝馬,駄獣 BO4,BO4,BI O 馬夫 B( M 三 AO2,BO5,BO8,CO5 3, ( 人名)AO3,BO9,CO3, DO2,FO2 駅砧 BO3 また,再び ;閏 AOl ,BOl ,B( M ( 月の初旬を示す語)yang' 1 ' qaEOl 返済,返報 ;代価 yant udBll 幅広の Bll 20,二十 ygr mi k益AOl ,BOl * AOl ,BOl ,EOl ,FOl 糸 co2,CO∃ 7, 七 FO2 第七の EOl 道 ;旅行 EO2 暗号表 ・参考文献 目録 AOH: Ac t aOr i e nt aE i aAc ade mi aeSc i e nt i ar u mHu ngar i c ae. Ar a t , R. R.1 937:Uygur c ayaz l l a ra r a s l n da.Ti l ' r kTar i h, Ar k e oE og y av eEt no gr a j y aDe r gi s i3( 1 936) ,pp.l ol l 11 2,+1pl . ATG:A.YonGab ai n, AE t t L j r k i s c heGr ammat i k( 3. Auf la ge) . Wi e s ba de n,1 974. Baz i n, L.1 991 : L pss y s t ∼ me sc hr onoL o gi q〟e sd amsL emon det u r canc i e n. Bu da es p t/Pa r i s . BBAW:Ber l ni Br a nde nbu r is g c heAka de mi ede rWi s s e ns c ha f t e n,Aka demi envor hat 光nTur f a nf or s c hu ng. BTTXI I I :P.Zi e me, Bu ddhi s t i s c heSt abr e i mdi c ht u nge nde rUi gur e n.Be r l i n,1 985. 65 BTTXI V: T. Thi l o( e d. ) , Kat aL o gc hi ne s L ' s c he rb〟 ddhL ' s t L ' s c he rTe x qr agme nt e , I I ,Be r l i n,1 985. CTD:Ma l1 m由 da l K云 岩 † a r i , Compe n di u mo ft heTu r k L cDL ' aL e c t s( DL wa nL〟pIat Tu r k ) ,I I I I . Tr .良e d.R.Da nkof f&J・ Ke l l y. Ha r v a r dUni v. DTS:B.M.Ha J l e J l n e Be ta l .( e ds . ) . Hpe q Ne m叫 I k C 〟滋C. 4 0 8 a Pb .J T eHHHT Pa J l ,1 9 69・ ED:G. CI a us on, AnEt y moL ogL c olDi c t L ' O n ar yo fPr e Thi r t e e nt hCe nt ur yTu r k L ' C . Oxf or d,1 972. ETHV:R.R.Ar a t ,Es kiTt i r khuku kve s i ka l a n, Jo〟 maLdeL aSoc L ' e ' t e 'FL ' nnOOugr L e nne651 1 ,1 96 4, pp・111 7 7, 6pl s ・ ,A.1 905: Be r E c hti l ' be rar c hL i ' o L o g, ' s c heAr be l ' t e nL e nI di k 〟 t s c h ar i〟 n dUmge b〟 ngL ' mWl ' nt e r1 902] 9 03. Mi i nc h e n. Gr i i nwe del 堀直 1 975:「 明代の トウルファー ンについて」 F 待兼山論叢 ( 史学篇) 』8,pp.1 33 7. 池田温 1 990:『 中国古代写本識語集録』東京大学東洋文化研究所. Ka r a , G・19 9 0: Zhi y 〟anYi y u. hde xa l p ha b it i qu ede smot smongol . AOH443,pp. 2793 4 4. 川本正知 2( 氾0:「 中央アジアのテユメンなる地域区分について」F 西南アジア研究』53, pp. 246 0. Kowa l e ws ki , J . 丘, : DL ' c l L ' onn ai r emo ngol -r〟ssef r anf ai s ,I I I I . Ka s a n,1 8 4 41 49. Ku da r a ,K. & P. Zi e me1 995:Ui gu is r c heÅga maFr a g me nt e( 3) .『 仏教文化研究所紀要 』3 4, pp. 2383. es L s i ng, F・ D・ :( eta l・ e ds ・ )Mon gol i anEI Z gL i s hDi c t i on ar y ・Be r ke l e y/LosAng el s ,1 96 0・ ,L.1 9 66:Unv ∝a bu l a i r es i n °0ul g Ourde sMi ng.L e Kaot c h' an gk o〟 anyi c hoL JduBu r e a ud e sTr a du c t e ur s ・AOH 1 9, Li g e t i pp.11 71 99, 25 731 6. 間野英二 1 96 4:「1 5世紀初頭のモグー リスターン」F 東洋史研究」231 ,pp.1 27. 松井太 1 9 97:( 評)Ra s c hma nn1 9 95.F内陸アジア言語の研究」 1 2, pp. 9911 6. - 1 998 a:「 モ ンゴル時代ウイグリスタン税役制度 とその淵源」 F 東洋学報』794,pp. 026055. - 1 9 98b:「 ウイグル文ク トルグ印文書」『 内陸アジア言語の研究』 1 3, pp.1 62, +1 5pl s . 2 ( 氾2:「 モ ンゴル時代 ウイグ リスタンの税役制度 と徴税 システム」F 碑刻等史料の総合的分析によるモ ンゴ ル帝 国 ・元朝の政治 ・経済 システ ムの基礎的研究』科学研究費補助金研究成果報告書 ( 課題番号 ( 1 241X伽 )pp. 871 1 27. n, i Da hl e m) . MI K:Mus eu mf i i rl ndi s c heKuns t( Be r l 森安孝夫 1 9 92:「 ウイグル文書節記 ( その三) 」F内陸アジア言語の研究」7( 1 991 ) , pp. 435 4. - 1 9 94:「ウイグル文書節記 ( その四)」F 内陸アジア言語の研究」9, pp. 639 4. OTWF:M.Er da l , ol dTu r k i cWo r dFor mat L ' on,I I I . Wi e s ba de n,1 991 . Ra s c hma nn, S. l Ch.1 995: Ba〟mwoL L ei mt L j r k i s c he nZe t nr a/ a s i e n. Wi es b a d e n. : AnUy ghu r Engl i s hDi c l L ' on ar y. Be l l i ng ha m( WA) ,1 9 92. Sc hwa r z , H・ St ei nga s s , F・ : ACompr e he ns i v ePe r s i anEng/ i s hDi c t i on ar y・ Londo n,1 892. e me・梅 村 坦 ・森 安孝 夫 ( 編) Fウイ グル 文 契 約 文 書集 成 ( sammL 〟 ng SUK:山 田信 夫 (著),小 田需典 ・p.zi ui g〟r i s c he rKont r ak t e ) _ AI 3.大阪大学出版会,1 993. TMEN: G. Do er f e r , Ti l ' r k L ' s c he〟 ndmongoL i s c heE/ e me nt ei mNe L L Pe r S L ' s c he n,I I V. Wi e s b a de n,1 9 631 1 975. 梅村坦 1 977:「1 3世紀ウイグリスタンの公権力」F 東洋学報」5 91 / 2, pp. 01 031. UW:K. R6h r bo m,UL ' g〟 r i s c he sW∂r t e r b〟c h,1 1 6+. Wi es b a de n,1 9771 1 998+. Wb:W. W. Ra dl of f ,Ve r s 〟c he i ne sW∂r t e r b〟 c h e sde r7 Ⅵr kDi aL e c t e ,I I I V. St . Pe r s bur g,1 8 931 91 1 . 【e Ya ma da ,N・XI I :FourNot e sonSe v e r a lNa me sf orWei ht g sa ndMe a s ur e si nUi h urDocume g nts・I n:L.L ig e i( t e d. ) ,St u di o Tu r c L ' c a,Bu da es p t ,1 971 , p p. 4 91 498.( Rpt . i nSUK1l XI I ] ) 吉池孝- 2( 氾Oa‥「ウイグル文書のパ スパ文字漢語印」F日本モ ンゴル学会紀要』3 0,pp.I ( 対1 11 8. 2( 伯ob:「ウイ グル文書のパスパ文字チ ュル ク語 印について」 『 東洋哲 学研究所紀要』 1 6, pp .1 491 3 3 . - nui g u is r c h e rTe xtt i b e rdi eWi r t s c ha f tma ni c hA i s c he rK1 6S t e ri mu i gu is r c he nRe i c h.I n:L.Li g e t i( e d. ) , Zi e me ,P.1 975:Ei Re s e ar c h e si nAL t ai cL m gu a ge s ,Bu d a es p t , p p. 331 1 3 3 8. - 1 9 92: Re L L ' gi o n〟 n dGe s e L L s c h a J ii mUL ' g〟 r i s c h e l Z K∂ nL . gr e i c hv o nQoc v o. Opl a d e n. 付記 6 6 5年度科学研究費 ( 若手研究 ( B)・基盤研究 ( B)( 1 ) ) による研究成果の一部である. 本稿は平成 1 r ㌢ 〇 一 .} 三 三 二 ー′ .チ .JI-ト ー エ ー・ト ト 三 / 二 乱 ・・・ Z .. ]一 l三 三 7 し .∼ 二三 \ p . ) 一 O t U 頼 上目 N t針 U 目 し 「 冬 と ト . ∼ _ 1 .且 へ 7 T E f t . > .j V J 「 ' √ ■ ■ i r l _J t T l h J L了 = 三 三 _ ; 1 .. = (・ . . A. . . 二 1 lL ,F . . i.3 三 ' : 妄 こ や .1 [ 1 . I 20 ・ 1 t ・∵ 」一 E. 1 ■ .i '1 ..:. .. . 7 7′ , .ド .t . r ▲ iT r ≡ .5 Ve r s o Te x tA U5 2 8 3 Depos L t umde rBe T l l nBr ar l de nbur gL S Ch e nAka deml ederWi s s ens c ha f t en l nderS【 a a l S bl bl i ot he kzuBer l i nPr eus s I S Ch erKul l ur be s l t Z. Or J ent a bE ei L ung 6 7 -. L t - Te x tB Ch / U7 3 7 0 Depos ) I -1derBer l i nBr andenbur gi s c he nAka demi ede rWi s s e 1 S Cha f t e n l nde rSt a a t s t ) ) b] L Ol he kzuBe r l ] nPr eus s L S Che rKul t ur b es l t ' L, Or i ent a bt e l l ung, 6 8 V e rso Te xtC Ch/ U6954 De pos l 【 un lde rBe r l l nBr a ndenbur gl S C henAka demi ederWi s s ens c har t en Ch e rKul t ur b e s ) L Z. Or i e nt abt el l ung. l nderSt a a t s bi bl 1 0L he kzuBe r l i nPT euS S I S 69 V e rso Te x tD Ch/ U6910 D ep os i l umderBer l i nBr an de nbur gi s c henAka deml ederWi s s e ns c ha f t e n l nderSI a a t s bi bJ I Ol he kz uBer l i nPr e us s i s ch e rKul t ur b es i l z,Or l ent a bt ei l ung. 7 0 V e rso Iヽ Al l Te xtE Ch/ U721 3 Depos l t um derBer l 】 l 1 Br a1 denbur gl S ChenAka de ml ederWI S S e一 一 S Chaf l en l nderSt a at s bl bl ) ot hekzuBer l l nPr eus s I S C l l erKul t uT bes i t z.Onent abl ei l ur l g. 71 ( C o∃ posi t e lヨ age) n F Te xtF MI KI I I6 9 7 2( b+C ) Re pr oduc e dbype r ml S S L OnOfMus eumf url ndi s c heKuns t( Be r Hn, Da hl em) 72
© Copyright 2024