汚泥地・水中探査ロボット ㈱ハイボット 取締役CTO 東京工業大学 名誉教授 広瀬茂男 提案システムの概要 現場までの搬送時には小さく格納でき、水中 においては中性浮力を有する構造であるため 長く伸展でき、多くの作業を実施できるロボット アームと、汚泥地などの探索作業を行うロボッ トの推進ユニットとして、一つの軸の回転運動 によって、その軸の周辺に軸に沿った進行波 を生成出来る完全防水機構を紹介する。 (1)ロボットアーム装置 3 従来技術とその問題点 福島第一原発事故では、 漏洩・滞留した冷却水や使用済燃料プールなどの水中探査が必要 →高い放射線量で人が近づけず、水中探査は難航 事故現場の水中を探査する遠隔装置の整備が求められる 4 新技術の特徴・従来技術との比較 • 完全防水で中性浮力を有し、各節が能動的に駆動する 長大な水中用ヘビ型ロボットアーム トーラス室 建屋1F床の穴から アームを下ろす 格納装置 (ドラム) 空中ではアーム は垂らすだけ ・微小流れセンサで 漏えい箇所特定 ・水ガラスによる 補修作業 5 単位節モデル Harmonic Drive® specification D.O.F 2 Weight 14[kg] Torque of joint (Max) 17[Nm] Speed of joint (Max) 17[deg/s] Minimum Size 938x321x100[mm] pitch joint (±180°) 15W Brushless DC motor 0.9m oil seal roll joint (±180°) 6 プールでの動作実験 • 水深2m、約2時間の水中動作で防水を確認 • 中性浮力になるようにおもり(約4.5kg)をアーム内 に入れた 手で端を固定して動作 何も固定せずに動作 7 アームの展開・格納装置 • 複数のアームを地上で持ち上げることが難しいため 展開・格納装置が必要 →ドラムに巻き取る方式を提案 コンパクトな 巻き方を考える 8 ドラムへの密な巻きつけ方 ݔൌ ܽܿ ݔ ߠݏൌ ܽܿߠݏ ൝ ݕൌ ܽ ߠ݊݅ݏ൝ ݕൌ ܽߠ݊݅ݏ ݖൌ ܾߠ ܿ ݖൌ ܾߠ オフセット Neutra‐Iのリンク構成 二重螺旋の方程式 ドラムの直径 ピッチ角、ロール角 E C B D A 9 想定される用途 水中探査の対象とする場所 原子炉建屋 使用済み燃料 プール トーラス室 10 www.nrc.gov/reading‐rm/basic‐ref/teachers/03.pdf トーラス室で要求されている作業 • 汚染水がトーラス室を経由し流出 →漏えい箇所の特定、補修が必要 補修材:水ガラス • 機器が重い • 連続供給装置が必要 遠隔操作型水中探査 ロボットで補修作業は困難 圧力抑制室 1号機 トーラス室 漏えい 11 実用化に向けた課題 • 現在、基本となる一関節のみを開発済み。 今後、多関節化することが不可欠。 • 実用化に向けて、実環境に合わせたサイズ の選定、先端作業器の導入などを行う必要 がある。 企業への期待 • 基本的な構成法は確立したので、福島第一 原発の廃炉作業用ロボット、あるいはそれに 類似した水中作業ロボットの開発を進めたい 企業との共同開発を希望している。 本技術に関する知的財産権 • • • • • 発明の名称 出願番号 公開番号 出願人 発明者 :ロボットアーム装置 :特願2012‐192227 :特開2014‐46421 :国立大学法人 東京工業大学 :広瀬 茂男 (2)回転波動機構 15 従来技術と その問題点 Skin Drive Robot (McKenna et al., 2008) •Driven by a toroidal skin skin worm gear worm motor Mishima, Aoki, Hirose: Development of Pneumatically Controlled Expandable Arm for Rescue Seearches in Tight Spaces, Int. J. of Robotics Research, 25,1,pp.103‐109,2003 17 Related Research Active Scope Camera ZineDyn (Isaki et al., 2006) (Koh et al., 2010) •Ciliary vibration mechanism •Inspired by centipede •One actuator + flexible shaft •Max. speed: 0.25m/s 新技術の構成 Rotary Surface Wave Mechanism Propulsion motion in all direction Prototype model of Rotary Surface Wave Mechanism 円筒形表面波機構 Rotary Surface Wave Mechanism 新技術の特徴 • 完全防塵防水機構である。 • 単一の回転駆動装置で、円筒全体に進行波 を生成できる。 • 揺動角生成機構に弾性体を組み込むことで、 負荷に感応した推進運動を生成できるように も改造できる。 想定される用途 • 原発事故作業用ロボットアーム • 管路の清掃 実用化に向けた課題 企業への期待 • 現在、機構の最適な構成法などは開発済み。 しかし、この機構の特性を生かせる応用分野 を探している。 本技術に関する知的財産権 • • • • • 発明の名称 出願番号 公開番号 出願人 発明者 :回転波動機構 :特願2011‐112321 :特開2012‐240158 :国立大学法人 東京工業大学 :広瀬 茂男 お問い合わせ先 国立大学法人 東京工業大学 産学連携コーディネーター 三谷 明男 TEL 03-5734 - 7634 FAX 03-5734 - 7694 e-mail mitani@sangaku.titech.ac.jp
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