商標の国際登録制度(マドリッド制度)について 〔管理実務〕 大塚 正俊 世界知的所有権機関(WIPO) 平成26年度 知的財産権制度説明会 (実務者向け) 2 Table of Contents 1.マドリッド制度の概要 2.国際出願の手続(国際登録前) 3.指定国における審査(国際登録後) 4.国際登録の管理 5.オンラインサービス 3 1.マドリッド制度の概要 4 なぜマドリッド制度? 海外での商標管理支援 属地主義を採用する商標制度の下では、各国で出願手続や管理が必要になるため 権利者には負担感あり。マドリッド制度は加盟国への一括出願・管理を可能にする ことで、トータルコストや手続負担の軽減に寄与。 US US CN EM SG IR EM KR SG KR CN 5 直接出願とマドリッド制度の比較 マドリッド制度 直接出願 出願人 出願人 代理人(任意) 願書(MM2) 本国官庁 (JPO) A国 B国 C国 代理人 代理人 代理人 国際事務局 国際登録簿 願書(A国) 願書(B国) 願書(C国) 通報 A国 B国 C国 A国 B国 C国 特許庁 特許庁 特許庁 特許庁 特許庁 特許庁 6 日本からの海外出願件数及びマドリッドルートの利用率 日本から海外への商標出願件数は増加 (10年間で約2倍) 日本における海外出願中のマドリッドルートの利用率は、約1~2割 Madrid Share(%) 17% 15% 13% 8% 18% 17% 14% 17% 16% 17% 10% *日本からマドリッドルートによって出願された指定国数と海外出願の件数とを比較して数値を算出 WIPO統計 7 海外におけるマドリッドの利用率 マドリッド加盟国内における海外商標出願中のマドリッドルートの利用率: *マドリッドルートによる指定国数と海外出願の件数とを区分数より比較して数値を算出 WIPO統計 64% 8 国際出願件数の推移 2013年においては、史上最高の国際登録出願件数を記録 日本からの国際出願についても2006年と比較すると約2倍 徐々に直接出願からマドリッドルートにシフトし始めている WIPO統計 9 マドリッド制度の法体系 マドリッド協定 (1891) マドリッド議定書 (1989) 標章の国際登録に関する マドリッド制度 共通規則 (1996) 実施細則 (2002) 標章の国際登録に関するガイド 締約国の国内法及び規則 10 実務上のポイント:規則、ガイド等の原文及び日本語仮訳 規則、ガイドの原文及び日本語仮訳 WIPO日本事務所ウェブページの「専門化向け情報」に掲載しています。 ※条約(議定書)の条文解釈や実務の詳細などについては、規則やガイドに規定されていること が多いので、制度についてお調べになる際は、条約のみならず、規則やガイドもご覧ください。 11 マドリッド議定書の加盟国数の推移 90 80 70 62 60 49 50 71 77 84 84 54 56 40 40 34 30 20 66 67 74 81 87 91 22 12 10 0 1996 1999 2002 2005 2008 2011 12 マドリッド同盟国(世界地図) フィリピン チュニジア 2012.7.25- 2013.10.16メキシコ 2013.2.19インド コロンビア 2012.8.29- ルワンダ 2013.7.8- 2013.8.17ニュージーランド 1 協定のみ 36 議定書のみ (EU含) 55 協定+議定書 92 マドリッド同盟 2012.12.10- 13 マドリッド制度の骨子 国際出願・登録の手続を定めた制度 本国を通じた国際出願(基礎商標の要件) 一定期間(国際登録日より5年)の基礎商標への従属 保護が認められるか否かの判断は各指定締約国が行う 商標権の権利内容・権利行使は、各指定締約国の法律に基づく 国際登録の変更、更新等は国際事務局により一元的に管理される 14 直接出願のメリット 直接出願 国際登録 商標(見本) 国・地域ごと 基礎出願・登録と同一 商品・役務 国・地域ごと 基礎出願・登録の範囲 地理的範囲 国・地域ごと マドリッド加盟国のみ 権利の安定性 あらゆる出願から独立 基礎出願・登録に依存 (国際登録日から5年) 権利の融通性 何人にも譲渡可能 マドリッド加盟国のみ 15 マドリッド制度のメリット 直接出願 国際出願 出願費用 マドプロと比して高額 直接出願と比して低廉 出願言語 国・地域ごと 単一(英、仏又は西) 出願手続 国・地域ごと 単一(本国官庁) 審査期間 国・地域ごと 最大18ヶ月以内 変更・更新 国・地域ごと 単一(国際事務局) 16 料金比較(出願時) 直接出願 官庁への料金 マドリッドルート 官庁への料金 必須:官庁別 必須:WIPO+官庁別 仲介 仲介 仲介 国内代理人 任意:仲介手数料×国数 現地 現地 現地代理人 任意:国内代理人費用 現地 現地 現地代理人 必須:現地代理人費用×国数 必須:現地代理人費用(仲 介料含む。) 現地代理人の選任は必須。国内代理 人を通じて、依頼する場合は別途、仲 介手数料が発生。 国内代理人を通じて手続した場合においても 一般的に直接出願に比べて料金が低廉であ る傾向。また、暫定拒絶通報を回避すること により、コストメリットを最大限に享受すること が可能。 17 料金比較(更新時) 各国毎の商標権 官庁への料金 マドリッドによる国際登録 官庁への料金 必須:官庁別 必須:WIPO+官庁別 仲介 仲介 仲介 国内代理人 任意:仲介手数料×国数 現地 現地 任意:国内代理人費用 現地代理人 必須:現地代理人費用×国数 現地代理人の選任は必須。国内代理 人を通じて、依頼する場合は別途、仲 介手数料が発生。 現地代理代理人を選任する必要がないため、 大幅なコスト削減を図ることができる。国内代 理人の選任についても任意。 18 実務上のポイント:案件の選別 制度の特徴(基礎要件)を加味して案件選択が必要。マドリッドルートを原則利用して、未加盟 国のみ直接ルート採用が合理的。 同一商標で展開する商品 英語名のコーポレートブランド、ロゴマーク、ペットネーム等 将来的見通しも含めて数カ国以上に展開予定 中長期的な観点を踏まえると、2~3ヶ国以上でコストメリットあり。 事後指定の可能性も考慮すべき。 基礎商標に特段の問題がない案件 基礎商標の登録可能性には注意が必要。 19 2.国際出願の手続(国際登録前) 20 国際出願の手続フロー 指定国 A 基礎商標 出願人 出願人適格 本国官庁 国際出願 指定国 B 国際登録 = ①国民 国際事務局 ②住所 ③営業所 国内出願 A 国内出願 B 国内出願 C 本国官庁の審査 本国官庁は書誌的事項と基礎との同一性が確認できたら国際事務局へ送付 国際事務局の審査 欠陥理由 ・表示欠陥(第13規則:表示不明確) ・分類欠陥(第12規則:分類相違) ・その他の欠陥(第11規則)(料金不足など) 指定国 C 願書の作成 MM2の解説(MM2.inf) 願書の各項目や注意点をまとめている。日本語仮訳はこちら(www.wipo.int/japan)に掲載。 インフォメーションノーティス( Information Notice) 国際事務局や指定国からの注意事項はInformation NoticeやMadrid Highlightとして公表されて いる。最低でもアメリカからのNotice (MADRID/2009/4)ぐらいは把握しておくことが望ましい。日 本語仮訳はこちら(www.wipo.int/japan)に掲載。 21 22 実務上のポイント:様式の改正(2014年3月) <改正の主なポイント> 出願人(名義人)/代理人のE-mailアドレス記載欄 出願人/名義人又は代理人が様式においてeメールアドレスを記載した場合、国際出願及びそ の後の国際登録に関する国際事務局からの通信は、電子でのみ送信されます。 国際事務局の郵便口座への振り込み 国際事務局の郵便口座への振り込みが、ヨーロッパのみ利用可能である旨を明記しました。 MM6 (Limitation) の第5欄(商品及び役務)の取扱い 様式第5欄において減縮しない区分はそのまま記録されるよう、簡素化されました。 MM8 (Cancellation) の第4欄(商品及び役務)(ii)の記載 一部商品(役務)の取消しを行う場合、様式第4欄(ii)において、取消し後、国際登録簿に残る商 品(役務)を表示する旨を明確化しました。 23 国際事務局への送金手続 手数料支払い 手続に関連した手数料は、事前に支払う必要あり。必要額を計算の上、WIPOの口座にスイ スフラン建てで送金。銀行振込のときは、送金の照合のために、通信欄に送金目的、国際登 録番号、名義人名などを記載のこと。 銀行振込のほか、クレジットカード※1、WIPOの予納口座※2を利用した支払いも可能。 ※1 E-Payment, E-Renewalが利用できる場合のみ 振込先銀行名: Credit Suisse 銀行の所在地: CH-1211 Geneva 70 SWITZERLAND 受取人の名称: WIPO 受取人の住所: 34, chemin des Colombettes, 1211 Geneva 20 Switzerland 口座の番号 : CH51 0483 5048 7080 8100 0 SWIFT/BIC code*1: CRESCHZZ80A 24 実務上のポイント:送金における留意点 銀行振込の場合、国際事務局の会計担当者が支払い対象案件を特定するため に必要な情報を記入すること。 (記入例) 名義人名 手続コード(EN、EXなど) 案件番号 商標の名称 上記情報を依頼書に記載せず、出願人・代理人自身で付けたレファレンス番号 のみしか記載しない例があるが、当該情報のみでは願書と支払のマッチングが できません。 マッチングできない場合は、料金欠陥通報となりますので、ご注意ください。 25 本国官庁における審査 認証・署名 国際出願の受理 方式審査 方式不備 本国官庁における認証事項は以下のとおり(規則9(5)(D))。 願書の受理日(i) 基礎商標との関係 ・名義人(出願人)(ii) ・立体商標、団体商標(iii) ・標章(iv) ・色彩の主張(v) ・商品・役務(vi) 署名なし 26 国際事務局における審査 MM2受理 翻訳 通報・公報 欠陥通報 みなし取下げ 方式審査 国際事務局による方式審査 分類欠陥(本国官庁が是正すべき欠陥)(規則12(1)) 表示欠陥(本国官庁が是正すべき欠陥)(規則13(1)) その他の欠陥(主に料金欠陥) (規則11) 方式審査以降の過程 出願言語以外への翻訳、国際登録簿への記録(ROMARINにも記録) 指定国への通報、本国官庁への通知、名義人への登録証の送付(規則14(1)) WIPO公報への掲載(E-Gazette)(規則32(1)(a)(i)) 27 実務上のポイント:欠陥通報の応答についての留意点 国際事務局が、本国官庁から提出された分類に関する欠陥通報への意見書に 同意しない場合、国際事務局の意見が優先します(議定書3条(2))。 欠陥通報への意見を踏まえ、国際事務局が欠陥通報の撤回、一部撤回、維持の いずれかを選択し、国際事務局が正しいと判断する分類で登録されます(規則 12(9))。 なお、国際事務局は欠陥通報を維持する場合、本国官庁及び出願人にその旨通 報しますが(規則12(6))、意見書中に提案書が受け入れなかった場合の対応を 明記した方が良い。 追加料金の支払いの了承 追加料金が発生する区分の削除の了承 28 3.指定国における審査(国際登録後) 29 指定国における審査の過程 保護認容声明 通報の受理 国内登録 実体審査 暫定拒絶通報 拒絶確定声明 国際出願は指定国の国内法に基づき国内出願として審査(議定書4条(1)) 暫定拒絶通報は、通報期間内に限り送付可能(規則18(2)(a)) 保護認容声明は、通報期間内に拒絶理由がない場合に送付(規則18の3(1)) ※通報期間内にいずれの通報も送付されない場合、自動的に登録されたものとみな される(拒絶通報期限の約2ヶ月後にROMARINに表示)。 暫定拒絶通報が一部・全部撤回された場合、暫定拒絶通報後の保護認容声明を 送付 (規則18の3(2)) 拒絶通報を維持する場合、拒絶確定声明を送付(中国、マダガスカルを除く。)(規 則18の3(3)) 30 主要な加盟国の制度情報(特許庁提供) 特許庁ウェブサイトにおいて、各指定国の審査段階における各国の議定書に関する商標法制 度や議定書特有の手続、及び各国からの拒絶理由内容やその対応方法等に関する情報を提供 しています。各国の手続をお調べになるときは、是非ご活用ください。 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_shouhyou/kokusai/madopro_member_countries.htm 31 4.国際登録簿の管理 32 国際登録の存続期間と更新 国際登録の存続期間は国際登録日から10年。満了6月前には名義人及び 代理人に非公式の通報が送付されます。 更新 更新手続は満了日の3月前から満了日までの間にする(更新料のレートが 当該期間に確定)。満了日以降も6月までは割増料金の支払いによって更新 可能。リミテーションなどの記録のない案件であればE-Renewalを利用した更 新が便利。 更新は満了日に国際登録簿に記録され(早く手続しても早く更新されるこ とはない)、名義人に証明書が送付されます。 国際登録日 満了日 10年間 事後指定 3月 6月 (割増料金) 10年間 33 一定期間の基礎商標への従属 国際登録日から5年以内に基礎出願・登録が縮減、拒絶、無効などされた ときは、それに相当する範囲で国際登録の一部または全部が取り消されます (議定書6条(3))。 トランスフォーメーション 従属性に基づき国際登録が取り消されたとしても、取消日から3ヶ月以内 は国際登録日の利益を保持したまま各国出願に移行することが可能(議定書 9条の5)。具体的手続は各国の制度運用に委ねられております。 国際登録 取消 3月以内 CE 基礎登録 減 縮 〔マドリッド制度〕 出願 国際登録日の 利益は維持 〔指定国の国内法〕 34 実務上のポイント:従属性に関する留意点 基礎商標の登録可能性 5年間の基礎商標への従属の観点も踏まえると、基礎商標の登録可能性には注意 が必要。 基礎出願 or 基礎登録 ? 出願中の案件を基礎とする場合、審査の過程で基礎商標の一部又は全部が取り消 される場合も従属性の影響を受けることになります。 第三者からのセントラルアタックによる消滅 従属性の影響で基礎商標が消滅している大半は、出願中の商標を基礎としているケ ース。第三者からの異議、無効審判、不使用取消審判などにより消滅した確率は非常 に少なく、救済措置もあるため過大評価は不要。 35 5.オンラインサービス 36 WIPO日本事務所ウェブサイト www.wipo.int/japan マドリッド制度情報の最新情報やオンラインサービスの日本語マニュアルなどを掲載。 37 マドリッド制度に関するオンラインツール 願書作成支援 •Fee Calculator(手数料計算ツール) •Madrid Goods & Services Manager(商品やサービス表示のDB) 手続支援 • • • • • Madrid Real-time Status(国際事務局における手続の処理状況確認) Electronic Notification Service(電子メールでの通報の受領) Madrid Portfolio Manager(登録管理・手続ツール) E-Payment(欠陥通報に対するオンラインでの料金支払い) E-Subsequent Designation(オンライン事後指定) 登録管理支援 • • • • ROMARIN(国際登録のデータベース、ステータス確認) E-Renewal(オンライン更新) Madrid Electronic Alert(国際登録のステータス監視) WIPO Gazette(公報) 38 ROMARIN(1) 国際登録のステータス確認、及び情報検索を可能としたサービス。暫定拒絶通報の中身な ども確認可能。国際登録のステータス確認をするにはFull Detailsの情報を参照のこと。情報 は毎日更新。 国際登録番号 国際登録日 権利者 関連情報 国際登録の ステータス関 連情報 手続関連国 39 ROMARIN(2) ステータス確認のためには国際登録後のリミテーション情報などの確認も必要。 40 ROMARIN(3) 原則としてキーワードと一致する語を検索します。検索範囲を拡張するには以下の特殊符号を使 用することができます。 記号 解説 使用例 ? 1文字拡張 * 何文字でも拡 張 Appl* (applicationも検索) % あいまい検索 ba%nana (banana, banannaも検 索) Appl? (applyやappleも検索) 記号 解説 # 称呼検索 ~ 語尾の拡張 apply~(apply, applies, appliedも検 索) ~~ 数字の範囲 12~~24 (18も検索) & 類義語検索 fast& (quickも検索) 演算子を用いて検索条件の組み合わせができます。 (例) apple and pear apple or pear apple w/5 pear (pearの5語以内にapple) apple not w/5 pear (pearの5語以内にappleがない) apple and not pear (pearはなくappleのみ) 使用例 #smith (smith, smytheも検索) 41 Madrid Real-time Status (MRS) 特定の国際登録に関する個別手続の一覧が表示され、それぞれのStatus欄に現在の処理状況 が表示されます(記録済の場合は空欄)。Status欄の文字にカーソルを合わせると、当該手続の処 理段階が図示されます。 42 Madrid Goods & Services Manager (MGS) (1) Madrid Goods & Services Manager (MGS)は、 指定商品・役務リスト作成の支援のための無料 オンラインツール。 ニース分類、三極、USPTO、マドリッド頻出語等から抽出した4万語を超え る表示を収録。 言語選択 一覧表示 検索 リスト読み込み リスト出力 指定国での採択可能性 リスト編集 商品・役務リスト 43 Madrid Goods & Services Manager (MGS) (2) WIPOで採択可能な表記を検索・編集。 検索機能 とリンク 緑 採択可(収録表示) 赤 区分の誤り(異なる区分 で収録) 橙 不明(未収録表示) 44 Madrid Goods & Services Manager (MGS) (3) 指定国における採択可能性をチェック。 緑 採択可 赤 採択不可 無色 不明 45 Madrid Goods & Services Manager (MGS) (4) 日本語にて指定商品・役務の表示の採択可否をチェック 検索した指定商品・役務の表示を英語に翻訳 ※ 将来マドプロの利用を想定した基礎商標を日本において出願する際、予めWIPOや各国での 採択の可否も含めて、日本語の指定商品の表示を検討。 46 Fee Calculator (1) オンラインで国際出願手数料、更新手数料の額などを計算することができます。個別手数料の額 は変動しますので、手続の直前に再度チェックされることをお薦めします。 手続時に適用される日付を選択 本国官庁を選択 手続種別を選択 該当項目をチェック 指定国をチェックし て下さいカーソルを 合 わせ ると国名 が 表示される 料金計算 47 Fee Calculator (2) (例)商品・役務の区分を3区分,8カ国(AU, CN, EM, KR, RU, SG, US, VN)を指定する国際出願。 手数料の総額 がスイスフラン 建てで表示され ます 48 その他のオンラインツール(1) Madrid Electronic Alert - MEA 他人又は自分の国際登録のステータス情報の変更を監視するためのサービス。WIPO ユーザーアカウントを作成することで、監視を希望する国際登録のリストを作成することがで きる。登録した国際登録情報に変更がある度に、当該登録のROMARIN情報へのハイパー リンクを貼ったE-Mailを受信。 Madrid Portfolio Manager - MPM 自己の所有または代理する国際登録の管理及び変更手続を一括して行うためのウェブ サービス。利用にはE-Mailアドレスと関連付けたWIPOユーザーアカウントが必要。同じEMailアドレスに関連付けられた全ての国際登録を集中管理することができる。 49 その他のオンラインツール(2) E-Renewal オンラインで更新手続および料金支払いをするためのサービス。クレジットカードまたは Current Accountが必要。国毎に有効な区分の増減のない単純な国際登録のみ手続可。 E-Subsequent Designation オンラインで事後指定手続および料金支払いをするためのサービス。クレジットカードまた はCurrent Accountが必要。 E-Payment 料金不足又は未納に関する欠陥通報に関する応答に対して料金支払いをするためのサー ビス。クレジットカードまたはCurrent Accountが必要。 Current Account 定期的に手続をする者は、WIPOに口座開設請求をすることができる。当該口座から手続 毎に引き落とすことが可能となり、毎時の送金が不要になる。当初5,000スイスフランの入金 が必要。 http://www.wipo.int/resource/en/wipo_account.html 50 本日の講義のおさらい 出願コスト (短期) 管理コスト (中・長期) 透明性 • 複数国に一括出願 • 願書は一通(単一様式、単一言語) • 代理人は任意 • 更新の一括管理 • 名称変更などの一括手続 • 事後指定による柔軟な保護地域の拡張 • 各国での審査は一定期間内 • 根拠を明記した拒絶通報 • 統一言語での管理 51 注意<WIPO以外の者からの料金請求> マドリッド制度などのユーザーから、WIPO国際事務局以外の者からの手数料請求書を受 領した旨の報告が国際事務局に寄せられています。これらの請求書に記載されたいかなる 登録サービス(Registration, Database, Directory)も、WIPOとは全く無関係のものです。これら は法的な保護効果を生じるものではなく、 支払いはWIPOの制度上不必要です。 マドリッド制度に関しては、すべての国際出願は所定の審査のあとWIPO国際事務局に よって登録・公開され、 別途データベース登録などのための手数料の支払いは必要ありま せん。 マドリッド制度の料金は原則として全て前払い制であり、後で追加して料金を請求すること はありません(第二の個別手数料を除く)。また送金もスイスフラン建てでWIPOの口座に直 接支払うことになりますので、米ドル建ての送金や第三者の口座への振込みを求めることは ありません。 このような通知に関して疑わしいと思ったときは、WIPO日本事務所までお問合せください。 52 世界知的所有権機関(WIPO) 日本事務所 〒100-0013 東京都千代田区霞が関1丁目4-2 大同生命霞が関ビル7階 WIPO日本事務所 Tel: 03-5532-5030
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