◆このシナリオについて 今シナリオは5~6人向けの現代シナリオです。 複数回探索を経験した探索者向けになっておりますので、そうでない場合は都度調整が必 要かもしれません。 ◆あらすじ 舞台は東京。季節は 10 月。冬の風が吹き始めた東京湾に面した青海埠頭、品川区近辺で ある。 品川区ではここ一ヶ月ほど通り魔による殺人事件が多発している。 その被害者は全て 「ナゴッド貿易」と呼ばれる海外企業の関係者であった。 警察は会社に対する怨恨の線で捜査を行っているが未だ犯人に繋がる決定的な証拠は掴 めていない。 襲撃者はハスターの化身である≪名状しがたき者の憑依体≫であり、また「ナゴッド貿 易」は≪ダゴン秘密教団≫が隠れ蓑としている企業である。 ≪憑依体≫とそれを裏で操 る者が襲っているのは全てクトゥルフの眷属である≪深きものども≫の血を引く者たちで あり、自らの主神に仇なす神の眷属を生贄に、ハスターの顕現を実現させようとしている。 また、顕現のために必要な知識は「ネクロノミコン」に記されており、現在その英訳本 がナゴッド貿易日本支社にて保管されている。 ◆NPC 一覧 イエローガーデン関係 語部涼子(35 歳):ハスターを祀る精神病院の長 STR 7 CON 8 SIZ 11 INT 17 POW 17 DEX 10 APP 12 EDU 20 正気度 0 耐久力 8 ダメージボーナス:0 攻撃:拳 35% 1d3+db 技能:<回避>20% 、<信用>60%、<精神分析>75%、<心理学>90%、<母国語>60%、<英語>60%、 <ドイツ語>50%、<ラテン語>60%、<クトゥルフ神話>40% 呪文:≪ハスターの印≫≪肉体の保護≫≪ヨグソトースの拳≫≪ビヤーキーの召還≫≪名 状し難き契約≫ イエローガーデン院長を勤める聡明で穏やかな印象を与える女性。 元は優秀な精神科医であったが、夫であるキングスの自殺により人の心を救うことに絶 望してしまう。 そして彼の遺品である「黄衣の王」を見つけ、神話存在に心を囚われる。 結果、患者たちを持ち前の心理学、精神鑑定の知識、そして信奉する神話存在の力で狂信 者としていき、現在では精神医療施設「イエローガーデン」の院長として君臨している。 1 今回、娘を《名状しがたき契約》によりハスターの化身「名状しがたき者の憑依体」と し、クトゥルフの眷属の殺人と完全な形のネクロノミコンを手に入れハスターを復活させ るために暗躍する。 夫が死んだ現在は旧姓を名乗っている。 キングス・K・ヤマニシ:今は亡き心理学者 涼子の夫でソニアの義理の父で日系アメリカ人。故人。 教え子であった涼子と結婚。 別人の子供であるソニアを自らの娘として育てる。 彼も涼子と同じく精神医学の権威であったが、ふとしたときに探索者として神話存在と 関わることとなりその結果精神を病み首を吊って自殺してしまう。 その原因となった神 話存在こそがハスターなのであるが、涼子はそのことを知らない。 語部ソニア=「黄色い雨合羽の殺人鬼」(13 歳):邪神に捧げられた少女 ※()内は憑依体状態のステータス STR 8(24) CON 10(30) SIZ 8 INT 14 POW 15 DEX 10(20) APP 16(7) EDU 11 正気度 12 耐久力 16 ダメージボーナス:0(+1d6) 攻撃:<拳> 25% 1d3+db <触手を伸ばす> 射程 3 50% <組み付き>(次ターンから 1d6+db) 技能:<回避>20%(50%)、<母国語>55%、<目星>35%、<精神鑑定>30%、<心理学>35%、(<登攀 >85%)、(<跳躍>85%)、(<投擲>65%) 装甲:4 ポイントの硬い皮膚 語部涼子の娘。 父が日系アメリカ人であるためクォーターである。色素の薄い肌をしている美少女。 大人しく誰にでも丁寧に接することのできる性格。 涼子によりハスターと<<名状し難き契約>>を結ばされ<<名状しがたき者の憑依体>>にさ れてしまう。 しかし彼女が「深きもの」の血を受け継いでいたことにより結果として憑 依は不完全に終わり、体の変形は左上半身のみにとどまっている。 憑依されたソニアの意思と、憑依体の意思が入り混じってしまったため暴走し巷を騒が せる「黄色い雨合羽の殺人鬼」として、主神ハスターに仇名す「深きものども」を狩り立 てる。星の出ていない日中、雨の日はソニアの意識が表に出てくる。 彼女の実の父はマオ・ワイルダーである。彼女はキングスが義理の父親という事は知っ ているが、マオが実の父である事は知らない。 自らが「ハスターの眷族」であり「深きもの」の血を引く存在であるため、ハスターと クトゥルフどちらの召喚の生贄にもなれてしまう。 見たときに減る SAN 値:0/1d6 2 仁戸 勇次(28 歳):寡黙な秘書 STR 16 CON 16 SIZ 14 INT 11 POW 9 DEX 13 APP 11 EDU 14 正気度 22 耐久力 16 ダメージボーナス:1d4 攻撃:<拳> 75% 1d3+db <キック> 65% 1d6+db <組み付き> 60% 特殊 技能:<回避>26%、<マーシャルアーツ>60%、<目星>25%、<剣道>55%、<運転>65%、<隠す>60%、 <跳躍>60%、<登攀>60%、<母国語>55%、<クトゥルフ神話>5%、<拳銃>60%、<ライフル>50% 装甲:軽防刃チョッキ 刃に対して 5 ポイント、それ以外に 2 ポイントの装甲 耐久 10 語部涼子の秘書を勤める男。 元自衛隊員で神話存在の遭遇したことがある。 そのせ いで一時精神を病み狂気にさいなまれていたところを、まだハスターに触れる前の語部涼 子に治療を受け回復することができた。 そのため涼子に強い恩を感じており、自ら進ん で秘書兼ボディーガードを引き受けている。 それは涼子が狂気に走り始めてからも変わ らなかったが、変わっていく彼女に一人苦悩している。 できるのであれば、語部親子が元の仲のよい家族に戻れることを望んでいる。 精神を病んだ原因である「深きものども」に関しては徹底した排除姿勢をとる。 代々家に伝わる「古き印」が刻まれたペンダントを儀式直前のソニアにプレゼントして いる。 ナゴッド貿易関係 マオ・ワイルダー(35 歳):ナゴッド貿易の若き支社長 STR 12 CON 11 SIZ 14 INT 16 POW 21 DEX 9 APP 15 EDU 18 正気度 ?? 耐久力 11 ダメージボーナス:1d4 攻撃:拳 25% 1d3+db ショゴスの使役 特殊 技能:<母国語(英語)>70%、<日本語>65%、<説得>60%、<信用>60%、<心理学>60%、<目星>65%、 <回避>22%、<クトゥルフ神話>22% 呪文:≪クトゥルフの鷲掴み≫≪深きものどもとの接触≫≪ショゴスの使役≫ ナゴッド貿易の日本支社を預かる若き支社長。 黒髪でスマートな顔立ちの日系アメリカ人で物腰は非常に柔らかい。 実態はクトゥルフ復活をもくろむダゴン秘密教団の一員であり、彼自身も「深きものど も」の血が流れている。 しかし彼自身はクトゥルフの復活に関してはクトゥルフ自身が 自ら目を覚ますまで静観すべきであるというスタンスを取っている。 今回社の者が次々 襲われ、さらに社で保管し本国へ移送予定であった「ネクロノミコン」も奪われてしまう。 それを秘密裏に奪還するため、探索者に調査と捜索を依頼することになる。 3 学生時代、語部涼子ともにキングスに学び、語部と恋に落ち間にソニアをもうけている。 しかし<<ダゴン秘密教団>>の者として彼女たちを自らの世界に引き込むことを良しとせず、 二人の前から黙って消えたという経緯がある。 コポール・D・ジャクソン(39 歳):マオの腹心 STR 13 CON 10 SIZ 15 INT 14 POW 12 DEX 10 APP 5 EDU 17 正気度 0 耐久力 11 ダメージボーナス:1d4 攻撃:H&K-P7 1d10 8 発 40% 3 回 技能:<母国語(英語)>65%、<日本語>30%、<博物学>60%、<目星>30%、<回避>20%、<クトゥ ルフ神話>20% 呪文:≪深きものどもとの接触≫≪ナクア=ティトの障壁≫ ナゴッド貿易日本支社副社長。 髪をオールバックにしたギョロリとした目つきの人物。 社の者以外には排他的な態度で接してくる。 マオの側近として仕えるが思想としてはタカ派寄りで、チャンスがあるのであればクト ゥルフの復活のための儀式を進めるべきだと考えている。 すでに深きものどもの特徴が現れ始めており、首には常にスカーフを巻いてえらを隠し ている。 その他 有馬 祥子(26 歳):孤独な女刑事 STR 9 CON 11 SIZ 11 INT 13 POW 11 DEX 15 APP 13 EDU 15 正気度 55 耐久力 10 ダメージボーナス:0 攻撃:<キック> 35% 1d6+db <組みつき> 30% <拳銃> 60% 1d10 技能:<回避>30%、<母国語>65%、<目星>35%、<追跡>55%、<運転>25%、<マーシャルアーツ >30%、<英語>50% 探索者の知人である刑事。巷を騒がす連続通り魔事件を追っている中探索者とつかの間 の会食ののち、ビヤーキーに探索者共々襲われる。 「黄色い雨合羽の殺人鬼」の被害者の中に恋人(深きものの一人)がおり、半年後に結婚 し二人でアメリカへ渡米する予定であった。 上記の理由で捜査からははずされていたのだが、一向に捜査を進めない捜査本部に業を 煮やし個人的に調査を続けていた。 坂場 仙次郎(40 歳):"元"探索者 4 STR 14 CON 12 SIZ 13 INT 14 POW 10 DEX 5 APP 9 EDU 14 正気度 31 耐久力 13 ダメージボーナス:1D4 攻撃:<拳> 45% 1d3+db <組みつき> 55% <木刀> 80% 1d4+スタン 技能:<回避>10%、<母国語>60%、<目星>80%、<追跡>55%、<説得>60%、<運転>60%、<信 用>65%、<剣道>60%、<クトゥルフ神話>16% とあるさびれた BAR を経営する元刑事の男性。 刑事時代は有能な捜査官で、 「見抜きの仙」と呼ばれるほど所内でも名を知らない人はい なかった。 過去に探索者としてキングスと共に神話的事件に巻き込まれた事があり、その事件がト ラウマとなっているため、できることなら二度と神話存在に関わりたくないと考えている。 さらにその事件で左足を失っている。 生前のキングスとは犯人のプロファイリングなどで協力関係であり、ソニアとも顔見知 りである。 また、祥子も彼の名を知っている。 敵ステータス ハスター信者 STR12 CON10 SIZ10 INT11 POW9 DEX12 HP:10 MP:9 装甲:0 速度:12 DB:0 回避:24% 攻撃 鉄パイプ:30% 1d6+db 耐久 10 コンバットナイフ:25% 1d4+2+db 耐久 15 スタンガン:35% スタン 拳銃:25% 1d10 2 回 ビヤーキー STR17 CON11 SIZ18 INT11 POW11 DEX14 HP:15 MP:11 装甲:2 速度:14 DB:1d6 回避:28% 攻撃 かぎ爪:35% 1d6+db 噛みつき:35% 1d6+組みつき(毎ラウンド 1d6) ビヤーキーライダー STR11 CON9 SIZ11 INT10 POW9 DEX12 HP:10 MP:10 装甲:0 速度:12 攻撃 パイプ爆弾投擲 4d6 DB:0 回避:24% 20% ※落下地点から 1 マス離れるごとに-1d6。爆発は 1 順後 5 コンバットナイフ:25% 1d4+2+db 耐久 15 語部涼子 STR11 CON9 SIZ11 INT10 POW9 DEX12 HP:10 MP:10 装甲:0 速度:12 DB:0 回避:24% 呪文 ハスターの召喚 ビヤーキーの召喚 ヨグソトースの拳 ナゴッド貿易黒服 STR12 CON13 SIZ12 INT9 POW8 DEX11 HP:12 MP:8 装甲:0 速度:11 DB:1d4 回避:22% 攻撃 警棒:35% 1d6+db 耐久 H&K-P7 40% 1d10 8 発 3 回 深きもの STR14 CON11 SIZ16 INT13 POW10 DEX10 HP:13 MP:10 装甲:1 速度:10 DB:1d4 回避:20% 攻撃 ハンティングスピア:25% 1d6+db かぎ爪:25% 1d6+db コポール・ジャクソン STR13 CON10 SIZ13 INT14 POW12 DEX10 回避:20% HP:11 MP:12 装甲:0 速度:10 DB:1d4 攻撃 H&K-P7 1d10 8 発 40% 3 回 拳 1d3+db 30% 呪文 ナーク=ティトの障壁 クトゥルフの召喚 導入について 6 本シナリオの導入は主に二つに分かれる。 探索者達は合流するまでそれぞれの陣営に依頼・襲撃される形でシナリオを進めていく ことになる。 それぞれの導入例 ◆ナゴッド貿易側 1-a.導入 場所は東京都青海埠頭に近い「ナゴッド貿易」の日本支社ビル。 探索者が警備の仕事をしている場合、1F の警備員詰め所につめている。 テレビからニュースが流れている 「品川区近辺で発生している連続通り魔殺人事件ですが、いまだ犯人に繋がる手がかり は発見されていません。警察では怨恨による犯行ではないかと見て、調べを進めています。 次は明日以降の天気です。明日から一週間ほどは季節はずれの大雨となるでしょう・・・。 」 その夜、探索者はこのビルにて「黄色い雨合羽の殺人鬼」に遭遇する。 ”そこには、雨も降っていないのに黄色い雨合羽を纏った、子供ぐらいの背丈の人物が立 っていた。 ずるりと音を立ててコートから何かが伸びる。 人間であれば左手に値する部位、そこか ら、ぬめりとした光沢を放つ触手が顔を出していたのだ。 そしてそれは、フードに隠さ れた闇の中から赤く煌く双眸を君達に向けていた” その名状しがたい化け物の姿を見た探索者は 0/1d6 の SAN 値チェックを行う。 「殺人鬼」は探索者を無視して触手をビルの 3 階の縁に伸ばしそのまま跳躍、ガラスを 粉砕して中に入っていってしまう。 ①警備員をしていて 襲撃の多発するナゴット貿易に派遣された警備員として施設の警備をしていたところ 「黄色い雨合羽の殺人鬼」の襲撃に遭遇する。 そこから③に派生する。 ②古書の鑑定を依頼されて 社に保管されている古書(ネクロノミコン)の調査・鑑定を依頼されて来社している時に 「黄色い雨合羽の殺人鬼」の襲撃に遭遇する。 そこから③に派生する。 ③奪われた物の捜索・奪還を依頼されて 7 ①,②から派生、もしくは探偵としてネクロノミコンの奪還を依頼される。ネクロノミコ ンはあまり世に出したくない物なので警察等に頼らず内々に処理したいとの事。 詳しく は「2-a.依頼」を参照。 2-a.依頼 導入の次の日、探索者はナゴッド貿易日本支社ビルに呼ばれる。青海埠頭に程近い、6 階 建てのビルである。 社長室に通されると、そこには支社長であるマオと副社長のジャクソンがいる。 マオは柔和そうな顔立ちで若い印象をうける。 ジャクソンについてはぎょろりとした 目つきで首元にスカーフを巻いている。 マオが流暢な日本語で話しかけてくる。 「ようこそ○○さん、私はナゴッド貿易の支社長を勤めておりますマオ・ワイルダーと 申します。 こちらは副社長のコポール・ジャクソン」 依頼内容について あまり表に出したくない古美術品である「とある古書」(ネクロノミコン)の奪還。 色々 といわく付きの品であり、警察には盗難届け等は出せない。 よって内々に取り返したい。 条件 ・報酬は前金で 50 万、奪還できればそのさらにその倍を支払う。別途経費(金額は自由 に)。 ・定期的に調査結果をマオへ報告すること。 ・期限はネクロノミコンを輸送予定のコンテナ船「NAGOD ハーディ号」が出港する 6 日 後の夜まで。 マオやジャクソンに話を聞くと以下のことを教えてくれる。 ・襲撃者は他の美術品には目もくれずネクロノミコンだけを奪っていった。 ・特徴から襲撃者は最近当社の社員を狙った通り魔事件を起こしている犯人かもしれな い。 ・ナゴッド貿易について アメリカ西海岸に本社をおく貿易企業。主に雑貨、食品、古美術品などの輸出入を取り 扱っている。しかしそれは表向きの姿でその実態は≪ダゴン秘密教団≫の出資するアーテ ィファクトの収集、優秀な人員の教団への取り込みを目的とした企業である。 構成員のほとんどが≪深きものども≫の血脈を持つ者たちで≪インスマス顔≫が発現し ていない者たちが表の業務に付いている。 8 そのため会社の平均年齢はかなり若い。 現 在日本支部には≪ネクロノミコン≫の英訳版が保管されており、近日中に本国へ輸送され る予定であった。 ・マオ・ワイルダーについて 35 歳 元は本社役員であったが日系人で日本経済に精通しているということで日本支社 長に就任している。 ≪ダゴン秘密教団≫司祭と拉致された日本人女性との間に生まれた 次期司祭候補の一人である。 しかし本人は積極的な活動を良しとしておらず、主神クト ゥルフが星辰に則って自然なる目覚めに達するまで見守るのが自分達の定めであると考え ている。 探索者に対しては非常に柔和な態度で接してくる。 る。 これは演技ではなく彼の人柄であ だが教団としての義務もないがしろにしているわけではなく、不必要な事は決して 口にはしない。 これは<心理学>では看破することはできない。 学生時代、語部涼子と恋に落ち二人の間にソニアをもうけている。 しかし<<ダゴン秘 密教団>>の人間として彼女たちを自らの世界に引き込むことを良しとせず、二人の前から 黙って姿を消した。 ・ハーディ号について ナゴッド貿易が所有する大型コンテナ船。 全長約 300.0m、分類はセミ・コンテナ船に 属しさまざまな種類の荷物を運搬することができる。 船員は全てナゴッド貿易の社員で構成されている。 普段、深きものどもはこの船内に潜伏している。 3-a.現場検証 頼めば襲撃場所を見せてくれる。 保管庫はナゴッド貿易ビルの 3 階の希少輸入美術品保管庫。窓ガラスが割られ、部屋に は荒らされた跡と破壊された壁埋め込み型金庫がある。 つもない力で無理やりこじ開けられたことが分かる。 金庫を<目星>すると、何かとて また割られた窓は現在目隠しされ 外からは見えないようにされており、ガラスの破片にに小さな黄色い布切れが引っかかっ ていることが分かる。 PL 資料「現場に残された布切れ」を提示する。 プレイヤー資料 「現場に残された布切れ」 9 この布切れは水を弾く材質のようで、何か文字が印刷されていることがわかるが破けて しまっているので全ては読み取れない。 ◆イエローガーデン側 1-b.導入 探索者の一人は有馬祥子の信頼の置ける友人、もしくは親族とする。 ある日彼女と久々 に会い会食をすることになる。 祥子は最近東京一円で発生している連続通り魔事件を担 当している刑事で、この会食で探索者は世間話がてらそのことを耳にすることになる。 また彼女に通り魔事件の詳細を聞くと以下のことを教えてくれる。 ・事件は約 1 ヶ月前から発生している。 ・被害者は青海埠頭近辺の会社の社員で、少なくともこの 1 ヶ月間で 4 人が犠牲となっ ている。 また彼女はぼそりとこうつぶやく 「こんな大きなヤマなのになぜか上層部は捜査に前向きではないし・・・このヤマはど うも怪しくて・・・でも、絶対に私が犯人を挙げてやる」 <心理学>で彼女が犯人逮捕に並々ならぬ執念を燃やしていることがわかる。 2-b.襲撃 会食の後、探索者と有馬は人通りのない暗い道で謎の怪物に襲われる ”君達が人気のない、暗い路地に差し掛かったとき、頭上の雑居ビルから突如何かがバ サッという羽音と共に目の前に降りてきた。 それは、赤く煌く双眸、人体に近い構成だ が虫のような節だった体、そして蝙蝠のような羽を纏った巨躯の化け物であった。 それ は明確に、意思をもって君達の行く手を阻んでいた” その名状しがたい化け物の姿を見た探索者は 0/1d6 の SAN 値チェックを行う。 この怪物はビヤーキー。後述する語部涼子が放った奉仕種族である。 語部は警察上層部にいるシンパに働きかけ通り魔事件の捜査を停滞させ、さらにイエロ ーガーデンの関与に気づき始めた有馬を消してしまおうとビヤーキーを差し向けたのであ る。 ”その化け物は突然その細長く巨大な腕を伸ばし、有馬と君達に掴みかかろうとしてき た。” 10 探索者は<回避>に成功すれば回避することができるが、有馬は捕まってしまう。 締め上げられてしまった時点で、色々試行錯誤させてやきもきさせてもよい。 ぎりぎりと締め上げられだんだんと意識が遠くなっていく。 このときに通りがかった 別の探索者に加勢させる導入を行なってもよい。 "その時パァンという破裂音が木霊する。 一回、二回三回、その音に驚くように束縛が緩 み探索者はその拘束から解放される、そして化け物はその巨大な体躯を巨大な羽で飛翔さ せ、驚くべき速度で速度で飛び去っていってしまった" 有馬のほうを見てみると彼は頭部から血を流し倒れている。<目星>に成功すると、彼女 の持っている拳銃から煙が上がっていることに気づく。 また先ほど腕から逃れたときに 運悪く振り飛ばされ後頭部をコンクリートブロックに強打してしまったようだとわかる。 彼女は薄れ行く意識の中で探索者に手帳を渡す。 「これを・・・お願い、他の警察の連中には、渡さない・・・で・・・」 そういって手帳を渡した後彼女は気絶してしまう。 手帳の内容は以下の様な事が記載されている。 PL 資料「有馬祥子の手帳」を提示する。 PL 資料「有馬祥子の手帳」 11 <目星>または<医学×2>に成功した場合、出血が激しく病院にて適切な処置をしなければ 命の危険性があることがわかる。 またさらに<医療><応急処置>が成功することで、彼女 が病院で目を覚ますタイミングが変化する。 3-b.病院へ 救急車で病院に搬送される有馬に付き添うと、医師から命に別状はないがいつ目を覚ま すかはまだわからないという話を聞ける。 キーパーはこの時点で、この事件に遭遇した探索者が他の探索者へ連絡し集まってもら うことにしてよい(探索者同士が知り合いでない場合は別導入を考える必要がある)。 しばらくすると有馬の同僚である警察官が探索者を訪ねてくる。 君達のところに、つかつかと二人の男性が歩いてくる。 「あなたたちが有馬祥子刑事と一緒にいた方たちですね。 我々は警視庁の者です。 二 三、お聞きしたいことがあります」そういって警察手帳を見せてくる。 彼らは先ほどの襲撃ついて聞いてくる。 と憤慨する。 探索者が正直に答えれば馬鹿にしているのか たとえ<信用>に成功したとしても荒唐無稽な話では聞く耳を持ってくれな い。 しばらく話をすると彼らは的を得ない内容にあきらめて去っていってしまう。 もしここで手帳を渡してしまいそうになった場合、<アイデア>で有馬の最後の台詞を思 い出させること(渡してしまうと今後の進行に影響があるため)。 4.イエローガーデン 探索者がイエローガーデンについて調べた場合、以下の情報を提示する。 =========================================================== 医療法人イエローガーデン 1993 年設立の精神病患者療養施設。 所在地:足立区 院長は語部涼子(かたりべ りょうこ)女史。 精神疾患患者の入院治療を目的とした施設である。 多くの治療実績を持ち、患者を社会復帰させている実績がある。 =========================================================== イエローガーデンは京急蒲田駅の近くにある。 12 3 階建てで外観は病院とホテルを足して二で割ったよう。壁に蔦が這い周囲は緑で囲まれ さながら外国の古洋館のような趣である。 1階 待合室/受付 受付には職員と思われる女性が笑顔で出迎えてくれる。「いらっしゃいませ当院へ。本日 はどういったご用件ですか?」 よほど怪しい行動をしなければ職員は院内を案内したり、<信用><説得>に成功すれば院 長に話を通してくれる。 案内してもらえるところは限られており、全てを見られるわけではない。 また、施設からの帰り際、受付の<聞き耳>で以下のような話を聞くことができる。 受付の奥から君の耳に小さい話し声が聞こえてきた。「・・・セキュリティが」「はやく 業者を呼んで修理を・・・」 「修理まで 5 日はかかると・・・」 これは施設のセキュリティ装置が故障してしまっており、夜間は侵入が容易になってい るということである。 中庭 中庭は花と緑に囲まれ非常に開放的である。何人かの患者がお茶をしたり花の手入れな どをしている。<心理学>で患者達が非常にリラックスした状態にあることが分かる。 レクリエーションルーム 患者達が集まりレクリエーションや集団治療を行ったりする部屋。 PC が一台と複数のテーブルとイス、テレビが設置されている。 <目星>に成功すると壁に黄色い雨合羽がかけられていることが分かる。詳しく調べると 裏地に「イエローガーデン」と縫い付けられていることがわかる。 食堂 患者が食事をとるスペース。患者達が当番制で食事を作るシステムのようだ。 病室 どの部屋もベッドと机があるだけで変わり映えがほとんどしない。 中にいる患者たちは皆頬笑みを受けべている。 <心理学>に成功するとここの患者たちは非常に個性というものが希薄であることが分か る。 患者たちは皆口をそろえてこの施設の素晴らしさ、院長である語部良子の偉大さを教え 13 てくる。 ここに入所している患者たちは例外なくハスターの信者となっており、語部の 指示に盲目的に従う。 二階に上がる前に<目星>で、地下室があることを知ることができる。 2階 病室 1 階の内容と変わらない。 3階 院長室 院長室は広々としており、接客用の机と椅子、院長用のデスク、資料を収めた棚がある。 <目星>に成功すると部屋に額に納められた男性の写真があることが分かる。その額には 「初代院長 キングス・K・ヤマニシ博士」と書かれている。 その写真について涼子は「この施設を設立した初代院長のキングス博士ですわ。患者の 事を第一に考える素晴らしい先生でした」と教えてくれる。 語部涼子については「5.語部涼子」を参照。 「イエローガーデン」MAP 14 5.語部涼子 受付の職員に案内され院長室に案内される。 そこにはデスクで仕事をする白衣姿の女性と、その脇にはスーツ姿の男性が控えている。 女性の方はイエローガーデンの院長「語部涼子」 、男性の方は彼女の秘書「仁戸勇次」で ある。 「あら、ようこそいらっしゃいました。私は当院の院長を務めております語部涼子と申 します。 こちらは私の秘書の仁戸」 そういって仁戸は探索者に名刺を渡してくる。 「秘書の仁戸勇次と申します」と軽く一礼する。 この名刺には院の電話番号と彼の携帯電話の番号が記されている。 「さて、本日はどういったご用件でしょうか?」 彼女との会話では、以下の内容を知ることができる。 ・イエローガーデンについて 「初代院長であるキングス・K・ヤマニシ博士が設立した精神治療を目的とした施設で すわ。 」 あとはネットなどで調べた内容にそった内容を話してくれる。 ・ 「雨合羽の殺人鬼」について ニュースでやっていた事件のあらまし程度は知っていると話す。 「恐ろしい事ですわね・・・」 ここでナゴッド貿易で見つけた布切れと、院にあった雨合羽の関連性を指摘すると彼女 は以下のようなことを話す。 「・・・実は、これはまだ伏せてられていることなのですが件の通り魔事件の犯人は当 院の患者であった方かもしれないのです。」 警察にはすでに入院歴のある人間の情報を渡しているとのこと。 しかし探索者にはプ ライバシーの問題として見せてくれない。 「皆さん、あまりご無理をなさらぬよう・・・」 ・キングス博士について 「すばらしい方でしたわ。 患者のことを第一に考え、治療法の研究にもご熱心でした。 その知識を買われて警察のプロファイリングなどにも協力していらっしゃいました。 」 <心理学>でキングス博士を語っている彼女は心なしか憂いを帯びているように感じる。 現在のキングス博士について聞くと「残念ながら数年前に他界しております」とだけ教 えてくれる。詳しい死因などについては教えてくれない。 15 基本的に、この時点では雨合羽の出所程度しか事件のヒントになるような情報は手に入 らない。 語部涼子について 元は優秀な精神科医であったが、夫であるキングス博士が神話存在の関わる事件に触れ 精神に異常をきたして自殺してしまったことにより、人の心を救うことの困難さに絶望し てしまう。 そんなとき、彼の遺品の中にあった後述する「黄衣の王」の台本を発見して しまい神話存在に心を囚われる。 結果、患者たちを持ち前の心理学、精神鑑定の知識、 そして信奉する神話存在の力で虜としていき、現在では「イエローガーデン」をハスター を祀る狂信者の巣窟とさせてしまった。 元患者だった者の中には経済界、警察の者もおり、そういった者達が彼女のシンパとし て暗躍することもあり今回通り魔事件の捜査が進展しないのはそういった背景がある。 一ヶ月前にハスターを顕現させるため娘であるソニアをハスターの化身<<名状しがたき 者の憑依体>>へと変貌させたのも彼女である。 彼女の目的は「ハスターの顕現」唯一つだけであり、表では常人を装っているが完全な 「狂人」である。 6.電話 イエローガーデンを出た後、キーパーは任意のタイミングで以下のイベントを起こすこ と。 有馬の病院からの電話 もし有馬への<応急手当><医学>が成功していた場合、イエローガーデンを出てすぐ発生 させてもよい。失敗していた場合は情報に窮したぐらいのタイミングに発生させること。 電話は病院の医師からで、有馬が目を覚ましたこと、彼女が探索者を呼んでいることを 教えてくれる。 病院に向かった場合は「7.有馬祥子の想い」を参照 ジャクソンからの電話 ジャクソンから依頼された探索者に電話がかかってくる。ジャクソンは調査進捗を聞い てくる。 一通り会話を済ますと、彼はこう伝えてくる。 「そのまま調査を続けなさイ、ソれと今後報告ハ社長ではなく私に行いなさイ。もし社 長から連絡が来たら当たり障りないことだけ話して詳細は伝えイようニ。わかりました 16 ネ?」 そういって一方的に電話を切ってしまう。 7.有馬祥子の想い 有馬が入院している病院へ向かうと有馬は頭に包帯を巻かれた状態で通常の病室に移さ れている。 まだ動くことはできそうにないが意識ははっきりしているようだ。 彼女はか細い声で 探索者に問いかけてくる。 「手帳は・・・持ってて、くれた・・・?」 探索者が手帳を見せると少し安心したような表情になる。 「ありがとう・・・それは私が独自に調べた事件の情報なの・・・どうも今の署内の人 達は信用できなくて」 その後彼女はあらましを教えてくれる。 元々通り魔事件の担当であったが、二人目の犠牲者が彼女の婚約者であったため捜査か らはずされてしまったこと。 その後捜査がまったく進展しないことを不審に思い探りを 入れたところなぜか上層部がこの事件の捜査をしたがっていない、むしろ捜査を中断しよ うとしていることがわかり、独自に捜査を始めたことを教えてくれる。 また探索者の質問については以下のように答えてくれる。 ・イエローガーデンについて 捜査線上に早くから上がっていた。しかしその後まったく施設に関する情報が入ってこ なくなった。 患者のカルテというのも捜査資料の中にはなかった。 ・ナゴッド貿易について 捜査の被害者側ではあるがなぜか捜査にはあまり協力的ではない。 警察では暴力団な どとのつながりがあるのではないかと見ている。 ・婚約者について ナゴッド貿易に勤める男性で、半年後に結婚を予定していたこと。結婚後はアメリカへ 移住する予定だったことを教えてくれる。 「あの人は、ずっと一緒にいようといてくれたわ。永遠に、海の底までもずっと一緒に・・・ と」 そういって彼女はぽろぽろと涙を流す。 親しい探索者も、彼女が涙するところははじ めて見ることになる。 ちなみにこの婚約者は<深きものども>の眷属である。 17 ある程度質問が終わると「あなた達・・・もしかしてこのヤマを調べようなんて思って るんじゃないでしょうね・・・?」といってくる。 そうだと応えると「素人が事件に関わるものじゃないわ。 私が復帰するまでその手帳 を預かっててくれればいいから」と険しい表情をする。 それでも調べるというと彼女は少しだけ考えてから 「・・・わかったわ、それなら坂場仙次郎という人を訪ねてみて・・・元警察官で、そ の人ならイエローガーデンについて何か知っているかもしれないの。 長さんと親しい知り合いだって話なの。 なんでも、前の院 でも無茶はしないでね。 それと、何かわかっ しかし探索者が去った直後に彼女は警察病院に移されてしまう。 そのためこれ以後連 たら必ず私に伝えにきて。 いいわね?」 絡を取ることはできなくなる。 これは探索者が再びこの病院にやってきたときに伝える こと。 8.坂場仙次郎 有馬に教えてもらった住所に行くと、そこは川沿いの寂れた BAR で看板には「BAR 無礼」 と書かれている。 時間が 18 時以降でない場合は店は開いていない。 店の中は薄暗く、カウンターでグラスを磨く中年の男性が一人いる以外客の姿は見えな い。 彼が坂場仙次郎、元警官であり元探索者の男性である。 「いらっしゃい、何をお飲みで」 有馬の紹介でやってきたことを話すと、途端に機嫌悪そうな顔になり「あんたら、警察 のもんか?」と警戒してくる。 イエローガーデンについて聞いても「知りませんな」とそっけない返事しか返ってこな い。 しかし<心理学>に成功するとイエローガーデンという言葉に一瞬表情がこわばった ことがわかる。 <信用><説得><言いくるめ>等で成功すればしぶしぶ質問には答えてくれる。 「・・・はあ、 店があるんだ、手短に済ませてくれよ」 イエローガーデンについて 「キングスさんが創設した精神病院だ。 今は妻だった涼子さんが院長をやってるんだ ったか・・・」 キングスについて 「あの人は俺の盟友だ。 いや、盟友だった。今はもう死んじまったよ・・・」 18 彼の精神医学を元にした犯人のプロファイリングにより解決した事件は数知れなかった という。 <心理学>で彼がキングスに非常に信頼を寄せていたことが分かる。 但し以下の条件の事について触れると彼の心証が悪くなる。 ・ビヤーキーに襲われたこと ・イエローガーデンにあった魔道書 ・盗まれたネクロノミコン ・その他クトゥルフ神話に関すること。 上記の内容を絡めて話をすると、彼は以下のような態度をとる。 坂場は急に声を荒げてこう言った。 「・・・やめろ! もうたくさんだ!! 俺はもう、いやなんだ、 「何かを知ってしまう」 ことなんて」と、悲鳴にも似た声を上げる。 しばらく沈黙が支配する。 「・・・それ以外のことなら答えてやる。聞いたらさっさと出てってくれ」とぼそりと つぶやく 上記の話をした後、探索者が店を出ようとすると彼は一言だけボソリとつぶやく。<聞き耳 >に成功した場合、以下の事が分かる。 「・・・どうしても手がかりが欲しいというなら、天王洲のプレアデス劇場へ行ってみ ろ。 どうなっても知らんがな」とつぶやき、奥へはいって行ってしまう。 <知識>に成功すると、プレアデス劇場について思い出すことができる。 プレアデス劇場について プレアデス劇場は東京都品川区に存在した劇場である。 3 年前、演目の最中に地下のガス管が大爆発し多数の死傷者を出す大惨事となった。 また、その惨状にのせいか重度の PTSD にかかる生存者が続出した。 現在も付近は閉鎖されたままとなっている。 <オカルト>に成功すると、事件現場は厳重な封鎖がしかれ一説にはテロだったのではな いかと言われているが真相は定かではないことがわかる。 坂場仙次郎について 刑事時代は有能な捜査官で、 「見抜きの仙」と呼ばれるほど所内でも名を知らない人はい なかった。 19 生前のキングスとは犯人のプロファイリングなどで協力関係であり、キングスの妻の涼 子、娘であるソニアとも顔見知りである。 過去に探索者として「プレアデス劇場」で起きた神話的事件にキングスと共に巻き込ま れ、それがトラウマとなっており二度と神話存在に関わりたくないと考えている。 9.監視スル者 店を出たら全員で<アイデア>ロールを行う。 成功したものは近くの川の中から除く双 眸に気づく。 "ふと見やった雨で視界が悪い川の中、黒い影がこちらを見ている気がした。チャポンと いう音だけが、君の耳の残った" 気づいてしまった者はなぜだか強い不安に駆られ 0/1d3 の SAN チェック。 これは、探索者達の動向を監視しているジャクソン配下の「深きもの」である。 その直後ナゴット貿易から依頼を受けた探索者に電話が入る。 「こんばんは、ナゴッドのマオです。調査の進捗具合は如何ですか?」 ここで嘘の報告をするか本当の報告をするかで後半の展開が変化する。 嘘の報告をした場合。 「・・・そうですか、ではまた何か分かりましたらご連絡ください・・・それでは」 本当の報告をした場合 イエローガーデンについて話した場合 「なるほど・・・わかりました。その施設については私どもの方でも調べさせて頂きま す」 ジャクソンの電話について話した場合 「ジャクソンが・・・? いします。 そうですか。大変申し訳ありませんがこのことは内密にお願 それと、今後情報交換はこちらから連絡をしますのでそれを待っていただく という形でお願いします」 プレアデス劇場の話をした場合 「プレアデス劇場・・・数年前に事故のあった場所ですね。 い」 <心理学>で何か彼の言い方に含みが感じられることが分かる。 20 行くならお気を付け下さ 10.プレアデス劇場跡 プレアデス劇場は東京都品川区天王洲に存在する大型劇場である。 劇場とその周りの施設は 3 年前の事故が原因で完全に封鎖されている。 劇場と併設されたビル郡は現在閉鎖されているがその周りの人通りは決して少なくはな いので昼間に忍び込むのは得策ではない。 る。 行う場合は<隠れる>などで入り込む必要があ 失敗した探索者はキーパーがさらに<幸運>を隠れてロールし失敗した場合は通行人 に見られてしまったことになる。 キーパーの裁量に応じて警察などが来てしまうことな どにしてもよい。 劇場の外観は、まるで内側から大きな衝撃があったかのように全てのガラスが吹き飛ん でしまっている。 中に入ると玄関ホールは真っ暗でライトなどがないと見通せそうにない。 功すると古びたポスターが張られているのがわかる。 と記されている。 <目星>に成 ポスターの演目には「黄衣の王」 <オカルト>に成功すると、この戯曲は「呪われた戯曲」として長らく 封印されていたらしい。3 年前日本で始めて公演されることになったということがわかる。 <クトゥルフ神話>に成功すると、この戯曲はとある邪神の化身「黄衣の王」を讃え招来 させる悪夢の戯曲であることがわかる。 奥の劇場内に入ると下記を読み上げること。 "劇場内に入ると、多くの瓦礫、無残になぎ倒された客席、崩れ落ちた舞台装置・・・そう いったものが 5 年前の惨劇のままに残されていた" <目星>に成功すると、そこかしこに黒い染みがあることがわかる。<アイデア>に成功し た者はそれが長い時間で乾いた血痕であることがわかる。 わかった者はここで起きた惨状の欠片を理解してしまい、0/1d3 の SAN チェックをおこな う。 舞台のほうを見てみるとまるでそこを中心として何か大きな衝撃が発生したと思われる 形跡がわかる。 <化学><電気修理>など適切な技能で成功した場合、これが地下のガス管が爆発したこと が原因ではないとがわかる。 しばらく探索をさせた後以下のイベントを起こすこと。 21 "不意に、舞台の方で何かがカタンと倒れる音がした。 君達が舞台の上を調べると、上 手の舞台袖にうずくまる人影を見つけた。それは黄色い雨合羽姿の小柄な人物だった" 探索者たちの存在に気付くとその人物は慌てた様子で立ち上がり逃げるそぶりを見せる。 しかし奥の瓦礫に躓きその場に倒れこんでてしまう。 "被っていたフードがはだけ、その姿があらわになる。それは少女だった。 ・・・「だったも の」だった。左腕にあたる部分にはまるで烏賊のような触手が幾重にも絡まったように収 まっておりぐねぐねとのたうちまわり、本来はあどけない笑顔を浮かべるであろうその顔 は左半分が膨れ、つぶれ、鱗のようなものが生え、およそ人とは思えぬ姿になり果ててし まっていた" この少女の姿を見てしまった探索者は 1/1d6 の SAN 値チェック(ただし彼女をすでに見て チェック済みの者は 6 以上減ることはない) 彼女は慌ててフードをかぶり直しその場にうずくまってしまった。 <目星>で彼女が震えているのが分かる。 彼女に声をかけると 「・・・あ、あの・・・私、これ、どうなってるか全然わからなくて・・・その・・・ あの・・・」 と要領を得ない返事が返って来る。 落ち着かせるには<精神分析>か 1d3 時間使って落ち着かせる必要がある。 落ち着くと、彼女は自分の事を話してくれる。 「私は語部ソニアといいます・・・。その、あまり、見られたくないです・・・。 」 <目星>に成功すると彼女はぶかぶかのレインコート以外何も身につけていない事が分か る。 <心理学>で、彼女が年相応の精神を持った少女であることが分かる。 その姿について 一ヶ月くらい前に母親に連れられて施設に連れて行かれ、気づいたときにはこの場所に いてこの姿になっていたとこと。 母親とは語部涼子のことである。 <医学>で左腕には骨が無いこと、<生物学>で軟体動物のような作りをしていることが分 22 かる。 <クトゥルフ神話>で彼女の状態が邪神ハスターに憑依された状態に似通っているが、そ れにしてはその症状が軽いように思えることがわかる。 通常の憑依者であれば全身が膨らみ鱗のような者に覆われ手足の骨がなくなりまるで触 手のようになってしまうといわれている。 この体になってから、全く空腹も渇きも覚えなくなってしまったとのこと。 さらにこう続ける。 「時々、夜に記憶がなくなるんです・・・。」 これは晴れた日の夜、アルデバラン星が天頂に輝いているときのみ《ハスターの憑依体》 としての本性が表に現れるからである。 その間彼女はナゴッド貿易の社員を殺し、ネク ロノミコンを奪うなどの動きをしていた。 「それに、日の光を浴びるとまるで火傷したみたいにつらくって・・・」 日の光は憑依体を殺す。 イエローガーデンについて 「お父様が建てた病院です。 心の病気を治す病院なんです」 彼女は施設の裏の顔については全くの無知である。 地下も行ったことはないという。 語部涼子について 「お母様はすごい心のお医者様なんです。 今は秘書をしている二戸さんも元々はお母 様の治療で治った人なんです」 <心理学>で彼女が母親に対して尊敬の念を強く抱いていることがわかる。 彼女は母の裏の顔についても全く知らない。 キングスについて 「私のお父様です。 お父様にはアメリカ人の血が流れていて、私はクォーターって言 うんだそうです。 ・・・あ、でも本当のお父様ではないそうなんですが」 そのことについて聞くと、 「私の本当のお父様は、私が生まれる前に死んでしまったとお 母様が言っていました」と言ってくる。 キングスの死因について聞いた場合彼女は言いよどむ。 <説得><信用><言いくるめ>な どに成功すれば教えてくれる。 「お父様は、自殺してしまいました・・・首を吊って・・・」 詳しい話を聞くと、キングスは 2 年前、イエローガーデン内で首吊り自殺を図ったとい うことが聞ける。遺書などがあったかなどはわからないらしい。 23 仁戸勇次について 「仁戸さんはお母さんの秘書をしている方です。 あまり喋らないけど本当はすごく優 しい人なんですよ。 私にもこんなペンダントもくれて・・・」 そういって彼女は自分の首にかかっていたペンダントを見せてくれる。 プレイヤー資 料「ソニアのペンダント」を提示する ペンダントは木製で中央に薄肉彫りで不思議な星の形をした模様が刻まれている。ただ、 印が刻まれた部分にはひびが入ってしまっている。 「どこかにぶつけたのかいつの間にかひびが入って壊れてしまいました・・・」 <オカルト>でこの印が呪術的な意味合いを持っているとわかる。 <クトゥルフ神話>でこれは「旧き印」と呼ばれる<邪神>に対抗する<旧き神々>を示した 印であることに気付く。さらにこのペンダントには魔力の残滓として、MP5 ポイント分の力 を宿すアーティファクトであることも知ることができる。 さらに仁戸について聞くと、 「4 年位前のお母様の患者さんで、退院した後に病院で働くようになったみたいです。 お 父様とも仲がよかったです」と話す。 プレイヤー資料「ソニアのペンダント」 24 坂場仙次郎について 「お父様がお仕事のお手伝いをしてた人です。 べてたりしてました。 時々私たちの家に来てご飯を一緒に食 よく面白いお話をしてくれるおじさまでした。 ただ、お父様が 死んでから私たちに謝りに来て以来、会っていません・・・。」 ネクロノミコンについて 事件の次の日の朝気づいたら持っていたらしい。 中身は英語で、何となく持っていな くてはいけないと感じ、肌身離さず持っていたとのこと。 通り魔事件について 「通り魔事件・・・?」 本人は全く身に覚えが無いらしい。 3 年前の事件について 「お父様、あの場所にいたんです。坂場のおじさまと一緒に・・・。 そのあと心の病 気にかかってしまって・・・」 この後は口をつぐんでしまう。 なぜそこにいたかという事を聞くと、 「わかりません、坂場のおじさまと調べごとをした ので、もしかしたらそれと関係があるのかもしれません」 11.探索 ここからセッションは後半戦に入る。 ここまでの話の中で探索者達は大まかに下記の ような行動をとることが予想される。 この選択は雨が降り続いている 3 日間とその次の 日の昼までとなる。 1.ネクロノミコンの解読 2.イエローガーデンの再調査・潜入 3.坂場仙次郎への接触・協力要請 4.仁戸勇次への接触・協力要請 5.マオへの接触 6.ジャクソンとの接触 7.ソニアの保護 8.有馬へ連絡 9.各陣営へソニア/ネクロノミコンを引き渡す 下記ではそれぞれを行った際のイベントを記載する。 25 11-1.ネクロノミコンの解読 探索者は恐らく彼女を戻す方法、もしくはハスターについての記述を探すだろう。 しかしこの本は非常の膨大な情報量を持つため、指定した内容についてしっかりとした 情報を手に入れるには<英語>に成功して 1d20 時間消費する必要がある。 <英語>に失敗した場合は断片的な情報、もしくは曲解した情報しか手に入らない。 彼女の症状について 読み解き成功の場合 =============================================================== <<名状し難い契約>> この呪文は「名付けざられしもの」と呼ばれる存在から恩恵を得るための呪文であり、契 約を結んだものにはこの神から様々な恩寵がもたらされるという。しかしかわりに契約を 結んだものは神に見染められ、その眷族に身をやつすことになってしまう事があるという。 その者は「名状し難き者の憑依者」と呼ばれ皮膚には灰緑色の鱗のような模様が浮き上が り、全身が滑稽な形に膨らみ四肢の骨がなくなりまるで触手のような形となってしまうと いう。その者は破壊こそが最も重要であるかの様に殺人を犯すようになる。 アルデバラ ンの星の影響を受け、天頂に輝いているときのみその本性を現す。 この者を殺すには、日の光を浴びせればよい。不完全な憑依体は光を浴び脆くも崩れ去る だろう。 =============================================================== 読み解き失敗の場合 =============================================================== <<定義不可能な契約>> これらの呪文(")それは、存在から利益を得るための呪文です、どの名前、また共通のれを 実行し、呼ばれる、もの「また、様々な恩寵がこの神から引き起こされることは、契約を したものに話されます。 しかしながら、契約を代わりにしたものは、非常に例外的に見られ染められた神です。ま た、それは家族として変装されるかもしれないと言われています。 それは「定義不可能な人の憑依人」およびパターンと呼ばれます、灰の目盛りが好きであ る、緑、皮膚と身に浮かんで、来る、ユーモアのある全身を備えた形式および人で増大す る、四肢の彼の骨を失い、彼がちょうど触角のような形式になるだろうと言う。 人はちょうど最も重要な破壊を備えたその外観への殺人を犯すために来ます。 それは真実の特徴を示しています、の、アル提婆ランで星の影響に応じて頂点で光ってい る間だけ。 必要なことはこの人を殺すために一日の光をちょうどにわか雨でぬらすことです。 26 不完全な憑依オブジェクトは光およびさらに容易に意志崩壊を遠方にあびます。 =============================================================== 成功した場合は 1d3/1d6 の SAN 値チェック 彼女が完全な憑依体になっていない理由 恐らく探索者は彼女が身に着けていた「旧き印」の記されたペンダントのせいだと思う だろうがそうではない。 彼女は「深きもの」であるマオの血を受け継いでいるためクト ゥルフの眷属でもある。 そのため「名状しがたき契約」に何らかの障害が発生し憑依が 中途半端なものになったのである。 ハスター・黄衣の王について 読み解き成功の場合 =============================================================== 「名状し難き者」 「名付けざられし者」などと呼ばれる忌まわしき神性。 雄牛座の中のアルデバラン星の神秘的なハリ湖にビヤーキと呼ばれる有翼の奉仕種族にか いがいしく奉仕されながら棲んでいるとも、封印されているとも言われている。 異兄弟と言われる神性「クトゥルー」と遥か悠久の昔から争っており、言い伝えでは互い の血を分けた者をそれぞれの生贄に捧げることにより、神は褒美をとらせるため現世に顕 現するという。 その儀式は、必要な魔法陣を描き敵対する神のしもべの血肉を中央に据え主を称える呪詛 を唱える。 ハスターの召喚 ふんぐるい むぐるうなふ はすたぁ はり すこるふぃお うが=なぐる ふたぐん クトゥルフの召喚 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅる る=りえぃ すこるふぃお うが=なぐる ふ たぐん =============================================================== 後述する「イエローガーデンの写し」とは異なり、召喚の儀式の方法が記されている。 涼子はこの儀式の手順を欲するためにソニアを「憑依者」に変え深き者どもを襲いネク ロノミコンを奪ったのである。 27 読み解き失敗の場合 =============================================================== 「定義不可能な人」--「--胸の悪くなるような神性、どの名前、また共通のれを実行し、 呼ばれる、人"など、の価値で、あり、雄牛中のアル提婆ラン星の神秘的なハリの湖へビヤ ーキと呼ばれる、翼のあるサービス・レースで広がる、はまる--貢献して、生きていても それは密閉されると言われています。 悠久の古代以来遠くに異なる兄弟と呼ばれる神性"クトゥルー"で戦ったこと、そして渡す、 を下って--現われること(相互の血液を分割した人々)各々--それは、神がそれに賞をとら せるためにそれ自体世界で明示する学生贄の提示により言われています。 式が要求されたメンバーを引くジン、マジック、また中心にべの生身の人間をセットし、 神を賞賛する呪詛に反対する(さらに実行して)暗唱されます。 ふんぐるい むぐるうなふ はすたぁ はり すこるふぃお うが=なぐる ふたぐん ふんぐるい むぐるうなふ くとぅる る=りえぃ すこるふぃお うが=なぐる ふ たぐん =============================================================== 成功、失敗に関わらず、儀式に必要な魔法陣、を発見することができる。 成功した場合は 1d3/1d6 の SAN 値チェック 11-2.イエローガーデン潜入 夜間のイエローガーデンはセキュリティーが故障しているため侵入が容易くなっている。 しかし入院患者や当直の人 間はいるので注意して潜入する必要がある。 探索者に<隠れる>で定期的に振らせ、失敗した場合は患者や当直<聞き耳><目星>で確認 させる。成功されたら探索者は発見されてしまうだろう。 当直&患者の目星・聞き耳 <目星>⇒25% <聞き耳>⇒20% また、秘書のニ戸に協力を仰ぐことができれば上記の問題を心配することなく侵入する ことができる。 28 1階 待合室/受付 奥に明かりがついている。当直の職員が一名つめている。 診察室 診察室は病院にあるような診察台、医師用のデスクなどがある。 <医学><心理学>でデ スクにはかなりの数の精神病患者のカルテがあることが分かる。 中庭 昼と異なり不気味な雰囲気を醸し出している。 レクリエーションルーム 患者達が集まりレクリエーションや集団治療を行ったりする部屋。 PC が一台と複数のテーブルとイス、テレビが設置されている。 特に目ぼしいものはない。 食堂 患者が食事をとるスペース。患者達が当番制で食事を作るシステムのようだ。 病室 入院患者が眠っている。近くで<隠れる>に失敗するなどした場合目を覚ますかもしれな い。 2階 病室 1 階の内容と変わらない。 浴室 大浴場。 時間を分けて男女の患者が入るようで、現在は水が抜かれている。 3階 院長室 院長室は広々としており、接客用の机と椅子、院長用のデスク、資料を収めた棚がある。 <目星>に成功すると部屋に額に納められた男性の写真があることが分かる。その額には 「初代院長 キングス・K・ヤマニシ博士」と書かれている。 机の引き出しの中には涼子、キングス、そしてソニアの三人で写った写真が見つかる。 29 <目星>でこの写真は適当に引き出しに突っ込まれておりあまり大事にしまわれていなかっ たことがわかる。 またさらに奥にもう一枚写真が入っている。 男性が写っている。 古びた写真で若い男女と白衣姿の初老の この写真に写っているのは学生時代の涼子とマオ、そしてその教師 をしていたキングスである。 そのほか棚にはカルテが多くまとめられている。 その中には財界人・警察官僚など VIP の名前も散見していることがわかる。 書庫 鍵がかかっている。 中には心理学の学術書、論文、そして多くのカルテ等が保管されている。 奥には金庫があり開けるには 4 桁のパスワードが必要がある(パスワードはソニアや涼子 の誕生日など、探索者が思いつきそうなものでよい)。 中には二つの魔道書が収められて いる。 一つは古びた薄くて黒い 8 つ折判で「黄衣の王」と書かれた芝居の台本である。 表紙 には不思議な紋様が浮き出ており、これを見た探索者は 0/1d6 の SAN 値チェックを行う。 さらに<幸運>に失敗すると、眠る度に悪夢を見るようになり、 そのたびに正気度を 0/1 失うようになる。 <クトゥルフ神話>でこの印が<<黄色の印>>と呼ばれる、とある邪神を示した物であるこ とが分かる。 この台本には「王の招来と帰還」という項目が存在し、そこにはハスターを退散させる 呪文が記載されている。 詳しくは「12.セーフハウス」を参照すること。 この写しを研究するには<英語>に成功して 1 週間、SAN 値消費は 1D3/1D6+1、<クトゥル フ神話>に+5%する。 覚えられる呪文は《ハスターの退散》 。 さらにもうひとつ非常に古ぼけた羊皮紙をひとまとめにした書類を発見する。何箇所か に付箋が付けられているようだ。これはラテン語版「ネクロノミコン」のごく一部の写し である。 内容は英語版ネクロノミコンの内容と一緒であるが、重要なハスター召喚に関 する記述が欠落しているため、語部はその欠落部分を求め英語版を手に入れようと画策し ていた。 この写しを研究するには<ラテン語>に成功して 4 週間、SAN 値消費は 1D5/1D10、<クトゥル フ神話>に+5%する。 覚えられる呪文は<<黄金の蜂蜜酒の精製>><<ビヤーキの召喚>><<名 状しがたき契約>> 付箋がつけられた内容を斜め読みする場合、<ラテン語>に成功しなければならない。 < アイデア>で、記された図形や挿絵などが英語版のものと似通っているが、かすれてまった く読めない部分が多々存在することに気付くことができる。 30 斜め読みが成功した場合 =============================================================== 「名状し難き者」 「名付けざられし者」などと呼ばれる忌まわしき神性。 雄牛座の中のアルデバラン星の神秘的なハリ湖にビヤーキと呼ばれる有翼の奉仕種族にか いがいしく奉仕されながら棲んでいるとも、封印されているとも言われている。 異兄弟と言われる神性「クトゥルー」と遥か悠久の昔から争っており、言い伝えでは互い の血を分けた者をそれぞれ生贄に捧げることにより、神は褒美をとらせるため現世に顕現 するという。 =============================================================== 失敗した場合 =============================================================== 彼女/それを「洗礼の人「記述するのは難しい人々」と呼んだためにうんざりさせる神の自 然 ...... you/he/she が訪問した有翼のサービスの家族に奉仕する間たとえ私が生きるとして も、 ...。 勤勉に湖から、雄牛の代わりにアルデバランの不可解なハリは、言われます‖ 私が、それである you/he/she 封をします。 私は、神の自然と張り合います」 ...… 「存在を言います... 古い永遠の日遠くから、そ して、それは言われます‖その神、各々伝説から犠牲に互いの肉と血の人に去らせている この世界の見た目のものは、彼女/それに報酬を持っていきます。 =============================================================== 成功した場合 1/1d6、<クトゥルフ神話>に+3% 地下 儀式の間 探索者が中に入った場合、以下の文章を読み上げる 「20 畳ほどのじめじめとした暗い部屋、中央には赤い何かで描かれた魔法陣のようなも のが床を覆い、その周りにはまるで生贄のようにバラバラに引き裂かれた小動物の死骸が 散乱していた。クラクラとするような腐臭が、君たちを包んでいる。 」 この現状を目の当たりにした者は 0/1d3 の SAN 値チェック。 <オカルト>に成功した場合、この魔法陣は悪魔か何かをここに呼び出して何か契約を結 ぶ物なのではないか、という事が分かる。 <クトゥルフ神話>に成功した場合、この魔法陣が邪なる神との<名状しがたき契約>を結 ぶためのものであることが分かる。 さらに脇には何か実験器具のようなものが置かれている。<化学><薬学>でなにか薬品を 精製するための機器であることがわかる。 31 牢屋 二畳ほどの部屋に鉄格子がついている。現在鍵はかかっていない。 鍵のかかった部屋 <鍵開け>に成功すれば内部に侵入することができる。 中は倉庫で、医療用の機材、日用品などが収められている。 <目星>等に成功すると、複数の黄色い雨合羽が収められていることが分かる。 <薬学>で、精神病用の薬ではない薬剤が複数納められていることが分かる。 さらに奥には棚が置かれ、短くカットされたパイプのようなものが無数に置かれている。 <知識>でこれがパイプ爆弾がであることがわかる。 また、密造銃がかなりの数見つかる(数は KP の裁量で)。 密造銃(トカレフ TT-33) 基本命中 20% 威力 1d8 攻撃回数 2 回 装弾数 8 耐久力 6 ※粗悪な模造品であるため、85%以上の目を出してしまうと壊れる。 イエローガーデン地下MAP イエローガーデンMAP2 32 11-3.坂場仙次郎への協力要請 仙次郎を最訪問すると「また来たのか。もう話すことはねぇぞ」とぶっきらぼうに言っ てくる。 彼にソニアの置かれている状況を話すと、彼の態度は途端に豹変する。 「・・・な、なんてこった・・・ソニアちゃんまで・・・」 そういって彼はうなだれてしまう。 <説得><言いくるめ><信用>に成功することで 「・・・わかった・・・俺が知ってることを話そう・・・」 彼から得られるの 3 年前のプレアデス劇場爆発事件の詳細である。 3 年前、彼とキングスはとある事件の犯人を追っていた。 その犯人が、プレアデス劇場 で行われる劇の初回公演でテロを起こすと予告していたからだ。 その犯人は色々謎が多い存在だった。追っていくうちにまるで人が墜落していく様を見 るのが楽しくてしょうがないというような、そんな邪悪な意思を感じられたそうだ。 犯 人が計画するテロ計画の対抗策を見つけた二人は舞台当日ついに犯人を追い詰めた。 しかし、結局テロの実行を止めることはできなかった。 舞台が最高潮を迎えた瞬間、化け物が突如出現し、その無数の触手で人々を手当たり次 第に貪り食いだしたのだ。 「あれは・・・黄色い・・・悪魔だった・・・劇場の観客や役者を手当たり次第に飲み 込んで食い殺して・・・ああ、くそう!!」 キングス氏の機転により、用意していた対抗手段でその怪物をかき消すことには成功し た。しかしそこに残されたのはとても口では形容できないような惨状と、精神を崩壊させ た二人の男だった。 「キングスさんはこの事件のせいで気がふれて自殺しちまったんだろう・・・おれが、 ふがいないばっかりに・・・」 この話を聞いた者は 0/1d2 の SAN チェック しばらくの沈黙のあと彼は続ける。 「昔話はこれくらいにしておこう・・・。 多分、あのイエローガーデンにまた 3 年前 と同じことを引き起こそうとしている奴らがいる」 ここでキーパーは探索者達の<聞き耳>を隠れて行う。成功した場合は店に近づく複数の 33 忍び足に気づくことができる。 そのことを仙次郎に話すと 「・・・こっちに来い、裏口から出してやる。 」といってこの場の戦闘を回避することが できる。 もちろん、探索者達の戦闘能力を鑑みて戦闘を行ってもよい。 聞き耳に誰も成功しなかった場合はドアを蹴破って 4 人の覆面にレインコート姿の男達が 入ってくる。 この者達はイエローガーデンの狂信者達である。 「男達はぼそぼそと「いあ・・・いあ・・・」とつぶやきながら、手にした凶器を君達に 向け振りかぶった!」 戦闘に勝利した場合、彼らから情報を引き出そうとしてもただひたすらに「いあ・・い あ・・はすたぁ・・・」つぶやくのみである。 「ハスター・・・? こいつら・・・やっぱり・・・」と仙次郎はつぶやく。 「お前ら、この住所に行ってみろ。 ここに解決の糸口があるかもしれない」そういっ て住所の書かれた紙を手渡してくる。 「早く行け、こいつらの仲間が来る前に」一緒に行こうとしても彼は首を横に振る。 「俺はもう、捜査はごめんだ。 それに、この体じゃあ足手まといにしかならないしな・・・」 そういって左足をさする。よく見ると、彼の左足は義足であることがわかる。 「さあ行け。 ソニアちゃんだけは、救ってやってくれ」 この後については「12.セーフハウス」を参照。 11-4.仁戸勇次との接触 彼と連絡を取るのに一番手っ取り早いのは名刺に書かれた携帯番号に電話をかけること である。 その他、院での仕事を終え一人でいるところを捕まえてもよい。 彼はハスターの信者ではない。 むしろ神話存在を嫌悪する立場の人間である。 しか し自らを治療してくれた涼子に恩義を感じておりその恩に報いることと時々見え隠れする 彼女の裏の顔との間で板挟みになっている状態である。 おり儀式や神話存在への接触はさせずに利用している。 彼にソニアについての話をすると 「! お嬢さんは無事なのか!?」 と、驚いた様子になる。 34 涼子も彼のその心情を察知して 詳細を話すなどすると 「一度詳しく話がしたい。 どこかで会うことはできないか」と聞いてくる。 もし会う事になった場合は「13.仁戸勇次」を参照。 仁戸勇次の思惑 彼は涼子が神話存在に関わっているのではと疑っている。 そしてできることなら涼子 が裏で進めている事をやめさせたいと考えている。 11-5.マオとの接触 キーパーの任意のタイミングでマオから探索者へ連絡をさせる。 「ナゴッドのマオです。 その後、何か手掛かりはつかめましたか?」 前回の電話でジャクソンのこと、もしくはイエローガーデンについて話していると「イ エローガーデンについて私のほうで色々調べてみました。 ・・・できれば直接お会いし てお話をしたいのですが」そういって集合場所の指定は探索者に任せると伝えてくる。 もし今回も嘘、はぐらかしを行った場合 「・・・そうですか。 ではもう結構。 お疲れ様でした」と言われ電話を切られてし まう。 以後マオから連絡は入らなくなる。 マオの思惑 マオは現在ナゴッド貿易内で孤立した立場にある。 それは副社長であるジャクソンが意図的に彼への情報を遮断しているためである。 こ れは彼とジャクソンの思想の相違が関係している。 マオはダゴン秘密教団でも穏健派に属し、主神の自然な目覚めを待つべきというスタン スをとっている。 一方のジャクソンは急進派でチャンスがあるのであれば主神の復活を すぐにでも行うべきと考えている。 さらにマオは教団に反することでない限り周りの人々に大きな被害が加わるのは良しと していない。 この後の展開は「14.マオ・ワイルダー」を参考のこと。 11-6.ジャクソンからのプレッシャー ソニアとの会話が一段落したタイミングでジャクソンから連絡が入る。 「ジャクソンでス。 その後調査に進展はアりましたカ?」 ここでもし情報を渡さない/嘘をつく場合で、かつ坂場の店に行ったことを言わなかった 35 場合 「・・・アなた、何か隠しているでしょウ」 ジャクソンは坂場の店へ行ったことは深きものの報告で知っている。 「本当のことを話しなさイ。 そのほうが身のためでス・・・」 事前に店に行ったことを話すか店に行ったことを白状して、怪しくないと判断されれば 「・・・ふん、まあいいでしょウ。 あまり我々を苛立たせないことでス。 また連絡 しまス。 それと何度も言いまスが社長には何も伝えるないヨうに」 もし逆鱗に触れるようなことを行ってしまったとキーパーが判断すれば 「ホう、我々を敵に回しマスか。いいデしょウ・・・覚悟しておくことデす」といって 電話は切れてしまう。 こうなった場合、夜間海沿いでは深きものからの襲撃が発生するようになる。 ジャクソンの思惑 彼はマオとは違い主神復活を急ぐ急進派に属している。 そのため古の復活儀式が記載 されたネクロノミコンをなんとしても奪取したいと考えている。 そのため穏健派であり現地トップであるマオは邪魔な存在ではあるが、彼は決してマオ に負の感情を持っているわけではない。 むしろその人柄を尊敬しており、できることな ら穏便にすませようとできうる限りマオへの情報を遮断するという方法をとりつつ探索者 達に探索を行わせている。 しかし彼は人間に対して微塵の情けも持っていないのでいざとなれば協力関係にある 「深きものども」を投入することもいとわないだろう。 11-7.ソニアの保護 ソニアは昼間や雨天など、空に星が見えていない限り無害である。 こかへ行こうという事はない。 また、自分からど 探索者が彼女を保護するように勤めた場合、以下のよう なイベントを起こすこと。 ソニアの不安 彼女は自分が元に戻れるのか、さらに記憶が無い時にいったい自分は何をやっていたの かという事などに強い不安を持っている。 彼女はその不安を探索者達に質問という形で ぶつけてくる。 「わたし・・・本当に元の姿に戻れるんでしょうか・・・」など。 この不安についてポイントで表す。下記の内容について合計ポイントが-4 以下になって しまった場合、彼女は心を閉ざしてしまう。 36 ・元に戻れるかどうか 「無理だろう」等悲観的な返事をした場合場合-1 ・記憶のない時何をしていたのか 「人殺しをしていた」と言ったニュアンスの返事をした場合-2 ・容姿について 否定的な言動をとった場合-1 ・母親について 彼女が黒幕であることを伝えてしまうと-1 彼女がソニアをその姿に変えたという事を知ってしまうと-2 もし探索者が彼女に対して「希望の持てる」返事を帰したとキーパーが判断した場合は 逆に+1 する。 11-8.有馬へ連絡 探索者は有馬へ報告に向かうかもしれない。 しかし病院にいってみると病室には彼女の姿はない。 んのお知り合いの方ですか? 通りすがった看護師が「有馬さ 有馬さんでしたら警察病院の方にお移りになられましたよ」 と教えてくれる。 帰ろうとすると二人の男性が探索者の前に立ちはだかる。 <アイデア>でそれが 1 日目 に病院で事情聴取をしてきた刑事だったことがわかる。 「少々よろしいですか? あなた、有馬刑事とどういった関係で?」 <心理学>で彼らが探索者の何らかの疑いの念を持っていることがわかる。 「あなた、何か隠し事をしてませんか?」ここで POW×5 で判定を行い、失敗した場合は 動揺してしまうことになる。 「あなた、有馬刑事から何か聞いていたりしませんかねぇ? ・・・たとえば通り魔事 件の話とか」 <信用><言いくるめ>などで成功すれば「・・・まあいいでしょう。 とにかく有馬刑事 は絶対安静ですので今後面会謝絶となります。 何か伝言があれば承りますよ・・・」 そういって刑事たちは去っていく。 これは「警察には頼れない」という事を探索者達 にわからせるためのイベントである。 彼女は涼子の息のかかった警察上層部の意向で警察病院に軟禁されることになってしま っている。 さらに彼女となにやら話をしていた探索者を怪しみ、マークしていたのであ る。 37 11-9.各陣営へソニアとネクロノミコンを引き渡す このイベントは自動的にクトゥルーENDor ハスターEND に直結する。 どちらかの神が召喚され、全員 1d10/1d100 の SAN チェック。即ちゲームオーバー。 12.セーフハウス 坂場に教えられた住所に行くと、そこは山間に建てられたこじんまりとした別荘のよう なところであった。 周りは人家も人通りもなく静寂に包まれている。 <聞き耳><目星>で中に誰もいないことが分かる。 ドアには鍵が掛っているため<鍵開け>に成功するかこじ開ける必要がある。 中は埃が積もっており、長い間人の出入りが無かったことが分かる。 ベッド・大きな本棚・ロッカー・クローゼット・乱雑に本や書類が積まれている机など がある。 また、地下に降りるためと思われる梯子が見つかる。 本棚 犯罪心理学・プロファイリングなどに関する書籍が収められている。 ベッド シングルベッド。 埃をかぶっている。 ロッカー <鍵開け>が必要。中には猟銃と 12 ゲージ弾 12 発が収められている。 12 ゲージ・ショットガン(二連式) 基本命中 30% 威力 1 マス:4d6/2~3 マス:2d6/それ以上:1d6 攻撃回数 2 装弾数 2 耐 久力:12 クローゼット 中にはいくつかの男ものの着替えが入っている程度である。 机 さまざまな資料や本等が雑多に積み上げられている。 めぼしい資料を見つけるには<図書館>に成功する必要がある。 成功すると「キングスの日記」を発見する。 くには 1d3 時間と<英語>に成功する必要がある 38 この日記は英語で書かれている。読み解 成功の場合 =============================================================== 3 年前の日記 7/4 センジローからプロファイリングの依頼が来たのでまたここに籠ることにした。 YG に ついてはリョウコに任せている。 ユージも頑張ってくれているからそう問題はないだろ う。 今回は劇場へのテロ予告をしてきた者のプロファイリングを依頼された。 警察の上層 部はそこまで重要視していないそうだがセンジローは何か嫌な予感がするのだそうだ。 まったく、お仲間が頼りにならないからといって私を推理小説の探偵のごとく扱うのは勘 弁してもらいたいものだ。 7/6 どうもこの犯人はプロファイリングがしづらい。 つかみどころがないというか、コロ コロと人格が変わるような、そんな感覚を覚える。 私もセンジローと同じく薄ら寒い感 覚を覚えた。 7/8 この犯人のテロ計画は件の劇場で行われる演目「黄衣の王」をなぞったものではないか という推論に至る。 報がないようだ。 日本では初の公演となる演目だそうだがネット等を見てもあまり情 今日からセンジローと共にこの「黄衣の王」について調べることにす る。 7/11 「黄衣の王」はいわくの多い演目であるという事程度しかつかむことができなかった。 なんでも過去一度だけ海外にて行われた公演では公演後精神を病む者が続出した、という 噂があるといった程度だ。 7/19 今日私宛に小包が届いた。 内容を確かめてみたところ中身は何と「黄衣の王」の台本 だった。 しかもこの古びた薄く黒い 8 つ折判は原本なのではないだろうか。 7/20 私はこの台本を解読することにした。 劇の内容はまるで意味の曖昧な夢のような芝居 で、人間を狂気に誘っているような、そんな感覚を覚える。 でにしておこう。 39 気分が悪い。今日はここま 7/21 酷い悪夢をみた。 まるで私が件の舞台の役者になったような夢だった。 悪い冗談だ。 今日も解読を行ったがやはり犯人の意図が読めない。 明日以降も解読を進めることにな るだろう。 7/22 また悪夢を見たためか頭痛がひどい。これでは私が精神病患者のようだ。 この台本に は「王の招来と帰還」と呼ばれる項目があり、何故かその部分だけ他とは違い精密な描写 がなされている。 内容はまるで儀式のようだ。 7/25 酷い夢は連日のように続いている。 公演が行われる日は近い。 解読せねば。この戯 曲の全てを理解せねば。そこには真実があるはずだ真理があるはずだ。 7/27 わかった やっとわかった そうか私がここにいる理由 そういうことか 今日はセン ジローと共に舞台へ向かおう そう わたしは黄衣の王を 迎え、還さなければならない いあ! いあ! はすたぁ! =============================================================== 40 失敗の場合 =============================================================== 3 年前の日記 7/4 プロファイリングのリクエストがセンジローから来たので、それは再びここで満たされ ることを決定しました。 YG に関して、彼はリョウコにそれを残しました。 ユージがさらによく最善を尽くしているので、それはそのように満足でしょう。 劇場へテロリズム予告を行った人々のプロファイリングは今回要求されました。 警察の上位はひどくとらないかもしれないが彼はあるセンジローのための嫌な予告を持 っていると言われています、に、そこに。 探偵小説の探偵のように私を扱うことは完全に許すべきです、警察が信頼性の低いだけ で。 7/6 プロファイリングはこの犯罪者としてなんとかして働くのが難しい。 それが曖昧か、変更表現が絶えずそのように記憶される、と言うような感覚。 センジローと同様に私も寒い感じ(薄ら)を記憶しました。 7/8 この犯罪者のテロ計画は、それが事柄の劇場で行なわれたプログラム「黄色の衣服の王」 を追跡したものでも推論することに帰着します。 情報はないように見えます、ない、それは日本で最初の興行物として使用されるプログ ラムであると言われていますが、それがネットワークなどを見ても、非常に。 それは、今日からのセンジローを持ったこの「黄色の衣服の王」に関して調査するでし ょう。 7/11 「黄色の衣服の王」は、それがそうであるもの等級だけを保持しました、多くの理由を 備えたプログラム。 興行物において病気の興行物の後に魂を得る人々が、一度だけ行なったという噂がある のは等級です[を過ぎて]何でも海外へ次々に生じました。 7/19 小包は今日私に届きました。 ここのアドレスは誰に知らせられるべきではありません。 41 内容が確認された時、内容はそうでした、何、また「黄色の衣服の王」のスクリプト。 また、この古くなった薄い黒いオクタボ判はオリジナルではありませんか。 7/20 私は、このスクリプトを解読することに決めました。 内容は、意味の曖昧な夢のようなプレーに似ていて、人を精神異常に完全に招待したよ うな感覚を記憶します。 それは病気です。 私は今日ここまで実行しましょう。 7/21 厳しい悪夢が見られました。 それは、私が完全に事柄の段階のプレーヤーになった夢でした。 それは悪い冗談です。 さらに今日解読されましたが、犯罪者の意図はまた読むことができません。 明日あるいは後のものは翻訳を進めるでしょう。 7/22 恐らくそれが悪夢を見たので、頭痛は厳しい。 さて、私は、精神病患者であるように見えます。 このスクリプト中の「王の招待およびリターン」と呼ばれる文があります、他のものは 異なります、の中でのみ、なぜ、あるいは、その部分と正確なの描写が作られます。 内容は、儀式であるように見えます。 7/24 厳しい夢は毎日のように継続します。 興行物が行なわれる場合、その日は近くあります。 それが解読しない場合。 これらのすべてのドラマを理解するとは限らない場合。 そこで、それは真実であるに違いありません -- 真実があるに違いありません。 7/27 私は理解します。 私はついに理解します。 会うか、ここで私がここで行くようなものである理由、センジローを備えた段階、今日。 したがって、私は黄色の衣服の王です。 42 挨拶しなければなりません。 いあ! いあ! はすたぁ! =============================================================== 解読に成功した場合、この人が狂気にいたるまでに経緯が記された日記に目を通した者は 0/1d5 の SAN チェックを行う。 この日記に記されている「王の招来と帰還」はハスターを退散させる儀式呪文である。 これはイエローガーデンで保管されている「黄衣の王」に記載されている。 この呪文を覚えるには 1d5 時間かけ<英語>に成功する必要がある。 覚えた探索者は 1/1d5 の SAN チェック、<クトゥルフ神話>に+3%する。 この呪文は、顕現したハスターに対して帰還を促すことができる。 ハスターの MP35 と対抗ロールを行い勝てばハスターは退散する。 この儀式には、この 儀式を覚えた者全員が参加でき、対抗ロールはその全員が消費した MP で行う事ができる。 儀式のはじめ方は一人が覚えれば 1 時間をかけて一人に教えることができる。 呪文は以下の通りとなる。 ふんぐるい むぐるうなふ はすたぁ はり うが=なぐる ふたぐん また一部を以下のように変更することによりクトゥルフを退散させることができる。 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うが=なぐる ふたぐん 地下 地上階と同程度の広さの倉庫になっている。 中には固形燃料や非常食が積まれている。 キーパーは探索者が望むものがあれば<幸運>×適当な数でロールさせ成功すればあったこ とにしてもよい。 13.仁戸勇次 集合場所に向かうと彼はすでにやってきている。 「単刀直入に聞く。 ソニアお嬢さんはどこにいる」 かなりドスの利いた声で彼はそう言ってくる。 <心理学>で彼はかなり警戒心を持っていることがわかる。 43 もし彼をソニアに合わせた場合、彼は驚愕し崩れ落ちることになる。 「ああ・・・なんてことだ・・・涼子さん・・・なんてことを・・・」 どうにかして彼の信用を勝ち得れば、彼は情報提供などを行ってくれるようになる。 「・・・俺は、俺を救ってくれた語部院長を尊敬している。 だからこそ、こんなこと はやめさせないといけない」 以下、質問に答えてくれるようになる。 イエローガーデンについて 現在、院のセキュリティが故障していることを教えてくれる。 語部涼子について 「聡明な心理学者だ・・・。そう信じたい」 詳しく聞けばここ数年の彼女の不振な行動などについて教えてくれる。 内容としては、 ・夜、獣のものともつかない奇怪な鳴き声が聞こえたことがある。 ・患者達の涼子に対する信奉の仕方が異常。まるで宗教のようである。 などである。 キングスについて 「高名で優秀な心理学者だった」 <心理学>で涼子ほどではないがキングスのことも恩義を感じていることがわかる。 彼はキングスがプレアデス劇場事件の 1 ヶ月ほど前からどこかに出かけていたことを知 っている。 ペンダントについて 「それは 5 年前、俺の命を救ってくれたお守りみたいなものだ」 このペンダントは二戸の家に代々伝わっていたものだそうで、5 年前彼が自衛隊員として 「深きものども」の討伐作戦に参加した際、強力な化け物「クトゥルフの落とし子」に襲 撃された彼の所属小隊は全滅してしまった。しかしなぜか化け物は二戸だけは襲うことが できずに退散していった。二戸はこのペンダントは何か不思議な力で持ち主を守ってくれ るのではないかと確信し、ソニアに渡した。 ソニアについて 「仲のいい親子だった・・・キングス先生も実の子ではなくてもソニアお嬢さんを非常 にかわいがっていたよ・・・」 「それと、君達はナゴッド貿易について調べていたよね。 44 ・・・あそこの社長は恐ら くソニアお嬢さんの実の父親だ」 彼はそれを知った経緯を教えてくれる。 涼子がネクロノミコンの在り処をナゴッド貿 易と踏んで二戸に詳細な調査を依頼した際、社長であるマオ・ワイルダーについて経歴を 調べた結果、彼が涼子の大学時代の学友であったこと、また親しい間柄であったこと、ソ ニアの誕生と前後してマオが消息不明になっていることなどから伺えるとの事。 それ以 外にもそれらしい証拠がいくつか見つかったそうだ。 「大それたまねだとは思ったけど、キングス先生を失ったソニアお嬢さんに、本当の父 親について教えてあげられればと思っていたんだ・・・」 これは探索者がナゴッド貿易について聞いてきても教えてくれる。 精神を病んだ理由 <信用>に成功すれば彼は教えてくれる。 成功したら以下の文章を読み上げる。 「5 年前、俺は自衛隊に所属していてな。俺の部隊はある極秘の任務に就くことになった んだ」 彼は 5 年前に起こったある漁村での事件を大まかに話してくれた。その村は古くから周 りとの交流を断絶し、住民調査へ向かった役人などが行方不明になる事件が多発していた。 あるとき、村に入りこんだバックパッカーから驚愕の事実を知らされた。 はその全て化け物であるというのだ。 その村の住民 本来であればこの程度の情報で自衛隊が動くこと などはないはずなのだがそのときはなぜか違った。 極秘任務として陸自の 1 部隊が派遣 され村の調査が行われることになった。 結果は、そのバックパッカーの言うとおりだった。錯乱した部隊員が発砲し、まさにそ れが火蓋かというように村側も反撃に出てきた。 特の魚臭さを放っていた。 住民はまるで半漁人のような風体で独 二戸の所属する小隊が村民の逃げ込んだ村の奥に洞穴に突入 すると、そこにはその半漁人よりもおぞましい、化け物が巣食っていた。 うな触手がびっしりと生えた化け物は隊員たちを蹂躙していった。 顔から蛸のよ しかしなぜか二戸だ けは襲わず、そのまま洞窟の闇に消えていった。 彼は急ぎ洞穴の入り口に爆薬を設置し、 爆破。洞穴を封鎖した。 「そうして俺は仲間を置いて洞穴を崩落させたとして除隊。これが 5 年前の顛末さ・・・」 この話を聞いた者は 1/1d3 の SAN 値チェック 「黄衣の王」について 彼に「黄衣の王」の外観について説明すると「確か、語部院長がそんなものを眺めてい たことがあったような・・・。 普段は隣の書庫にある金庫に保管されているはずだ」と 教えてくれる。 45 <説得><言いくるめ>に成功した場合、彼に「黄衣の王」のコピーをとってもらうことが できる。 「わかった。ではそれをコピーして君達に送付しよう。」 但し、その場合彼は涼子たちに捕らえられてしまう。 二戸勇次について 元自衛隊士官。5 年前、とある漁村での「深きものども」討伐作戦に派遣され、それが原 因となり精神を病んでしまう。 入院したイエローガーデンでの語部涼子の親身な治療に より、彼はどうにか立ち直ることができ、そのままイエローガーデンの職員として彼女の 恩に報いるため働いていた。 しかし院長であったキングスが自殺したあたりから徐々に 変化する涼子の様子に気づいてはいたが、彼女への恩義の感情からそれを問い質すことが できずにいた。 涼子の言動から、ソニアが巻き込まれるのではないかと考え 5 年前に自 分の命を守ってくれた不思議なペンダントをソニアに託していた。 14.マオ・ワイルダー 待ち合わせ場所に、マオはやや遅れてやってくる。彼以外に連れなどはいない。 「お待たせしました。 では、お互いの持っている情報を交換しましょうか」 彼は自分は「深きもの」 「ダゴン秘密教団」であるということは決して言わない。 たとえそういった単語が出てきたとしてもさらりとかわしてしまう。 イエローガーデンについて 「院内については大体のことを把握しています。 噂話の類も含めて・・・ね」 ネクロノミコンについて 持っていることを伝えた場合、すぐに返して欲しいといってくる。もし拒否した場合は 「そうですか・・・返していただけないというのであれば、それ相応の対応をせざるを 得ませんが・・・」と静かな口調で語りかけてくる。 もしこのあと何の策も講じなかっ た場合、マオ直下の深きものどもによる襲撃が行われるようになる。 ソニアについて 彼女がマオの実の娘である可能性を突きつけると彼はやや沈黙する。 「ええ、そのことは存じています。ですがその件と今回の件は関係がないのでは?」 <心理学>で心の奥底でわずかに動揺していることがわかる。 もしソノアの身に起きていることを話した場合 「・・・もし、それが本当なのであれば、我々は防衛手段を講じざるを得ません。社員 46 にこれ以上の犠牲を出すわけにはいきませんので」 彼の去り際に<聞き耳>に成功すると、下記の呟きを耳にすることができる。 「雨のやんだ日の夜、彼女は再び殺人鬼へと豹変するのでしょう。 恐らく、喰らった 血肉のにおいを元に、すぐに でも我々の居場所を見つけて・・・ね」 ジャクソンについて 「彼はどうやら社のためを思って独断での行動に走っているようです・・・」 <心理学>で彼がやや憂いを帯びた表情を浮かべていることがわかる。 「彼についてはご心配なさらず。 すでに手は講じておりますので」 この時点で、ジャクソンからの襲撃・連絡は行われなくなる。 15.終わりの序曲 もしソニアをセーフハウスに移していない場合や探索者が各陣営に拠点の場所を特定さ れるような行動をしていた場合、最終日前日夜にイエローガーデン・ナゴッド貿易マオ派・ ジャクソン派に強襲されることになる。 ・セーフハウス セーフハウスに拠点を移している場合、どの勢力にも見つかることはない。 最終日時 点でソノアの絶望値が-3 以下になってしまっていた場合、「17-1.ごめんなさい」へ。 彼女が絶望していない場合、彼女は最終日の夜再び「憑依者」へと変貌しネクロノミコ ンを奪いどこかへと飛び去ってしまう。 ・イエローガーデンの襲撃 セーフハウス以外にソニアがおり、かつ二戸、もしくは探索者の誰かがイエローガーデ ンに捕らえられている場合発生。 最終日前日の夜に涼子に率いられた信者達が襲撃してくる。 抵抗の意思を見せた場合、 涼子はビヤーキーを召還してくる。 「ふふふ、さあ見つけましたわ・・・たっぷりと敵神の眷属の血肉を食らったでしょう・・・ 最後に奴等の船を襲えば神の招来は達成される・・・さあ連れて行きなさい」 そういってその場にいる探索者とソニアは捕らえられてしまう。 ・マオ派の襲撃 セーフハウス以外にソニアがおり、マオにネクロノミコンの所在を告げていた場合発生。 その場にどやどやと黒服姿の男達が殺到し、探索者達を包囲する。その全員が拳銃を構 47 えている。 その後ろから、マオ・ワイルダーが現れる。 「このようなことになって残念です。 さあ、ネクロノミコンを渡してください」 持っていない場合はその場の探索者を人質にするという。 彼はソニアを見ると驚いたような表情をする。 「さあそこのあなたも・・・君は・・・」 しばらく呆然としながら、彼は部下に指示を出す。 「この子も連れて行きなさい」 ・ジャクソン派の襲撃 セーフハウス以外にソニアがおり、マオに一切情報を渡していない、または深きものど もに探索者が拉致されている場合。 ジャクソンが「深きものども」を引きつれ襲撃して くる。 気づけば、君達は「何か」に包囲されていた。 いく。 それらはじわりじわりと包囲を狭めて そしてついに君達がそれがなんなのかを把握してしまった。ぬめぬめとした粘液 を纏った鱗付きの肌。 両脇に離れた魚類のような瞳・・・この世の者とは思えない多量 の化け物が君達を取り囲んでいた・・・。 大量の「深きもの」に囲まれたため、その場に居合わせた探索者は 1d3/1d10 の SAN 値チ ェック。 その化け物の中から一人の男が歩み出る。 それはナゴッド貿易副社長ジャクソンだっ た。 「まったク手間を掛けさせてくれましタね・・・。 アなた方全員我等が神の生贄にし てくれまショウ。 連れて行ケ」 そういってソニアとその場にいた探索者は連れ去られてしまう。 「はっ! ちょうどいイ、ハスターの眷属までいるではないですカ! これでわが主神 ノ復活は間違いなく達成させられル・・・」 キーパーの裁量によって、 「ソニアと一緒にいる探索者」と「ネクロノミコンを持ち歩い ている探索者」が分かれている場合、それぞれを別勢力に襲わせて最終決戦に巻き込むと いうのもありである。 もしも探索者がマオや語部、ジャクソンの元に直接出向いて先手を打とうとした場合も 同様に囲まれ捕縛されてしまうだろう。 48 16.細かいイベント 深きものの襲撃 ジャクソン・マオに敵対的な発言・行動を行うと発生。 探索中に深きものどもが襲撃 してくる。 イエローガーデン信者の襲撃 坂場との二度目の会話以降発生する可能性あり。 探索中にハスター信者が襲撃してく る。 カーチェイス 探索者が車を多用して移動している場合起こしてもよい。 ※カーチェイスルールに関してはひまつぶし卓ブロマガを参照。 ヒャッハー! 拷問ダーッ! 襲撃などで敗北するなどした場合、探索者に待っているのは拉致と拷問である。 拷問を受けた場合、黙秘を貫くには現在の POW×5 の値でロールし成功しなければならな い。受けた際のダメージは 1d6、SAN 値チェックは 1/1d10 である。 お情け。 もし探索者があまりにも情報を集められていない場合、途中退場した坂場、有馬などを 使って助言を与えてもよい。 坂場 BAR への襲撃の後、独自に行動して情報を集めていた、など。 有馬 警察病院を抜け出して独自に情報を集めていた、など。 17.ごめんなさい ソニアの絶値が-4 以上であった場合、彼女は自殺を図る。 そのままエンディングへ入る。 朝が来た。 空は快晴だ。 ここからなら西から上る朝日がはっきりと見える。 周りを見るとソニアの姿がない。 ふと 君達が彼女を探して外に出てみると、彼女はそこにい た。 優しい陽光にその身を焼かれながら・・・。 「もう・・・こんな姿じゃ・・・生きていけません・・・・ごめん、な・・・さい・・・ 49 おかあ・・・さま・・・」 そういって彼女は灰と化していった。 そこに残されたのは、彼女が羽織っていた黄色 いレインコートだけだった・・・ 彼女は己が身に起きたことにたえらず、その身を陽光に晒した。 だがこれでよかったのかも知れない。 彼女は少なくとも、もう苦しむことはない。 その後、ネクロノミコンはナゴッド貿易に渡り海を渡ったろう。 変わらず精神病患者を受け入れているだろう。 何の変わりもないのだ・・・。 イエローガーデンは そう、何も変わらない。 我々の日常は ただひとりの、ごめんなさいとつぶやきながら去ってい ったあの少女を除いて・・・。 FIN D-ED「明けない夜明け」 この ED でのボーナスは 邪神の招来を未然に防いだ SAN 値+1d5 18.二大邪神招来の危機 ソニアが誰に捕まっているかによってルートが分岐する。 決戦の舞台はナゴッド貿易 の所有する大型コンテナ船「NAGOD ハーディ号」である。 そこに収束するよう仕向ける。 イエローガーデン 涼子は招来儀式の最後の仕上げに、深きものどもを一掃しハスターへの生贄を増やそう と考えている。 そのためソニアを再び解き放ち、深きものどもの集結しているハーディ 号を急襲する。 捕まった探索者は、イエローガーデンの地下へ監禁される。 もし二戸が捕まっていな ければしばらくして彼が鍵を開けにやってくる。 「院長は何かを始める気だ。 患者達を屋上に集めてる」 屋上へ向かった場合、以下の描写はすること。 屋上には施設中の患者達が集められていた。 皆がめいめいに呪文のような、名状しが たい声を発している。 いあ! いあ! はすたあ! はすたあ くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ あい! あい! はすたあ! すると空から何かが舞い降りてくる。 それも一つではない。複数の、翼と細長い四肢 50 を持つ巨躯の化け物が、患者達の前に舞い降りた。 その情景を見たものは 0/1d10 の SAN 値チェック。 患者達は次々その化け物の背に飛び乗りそのまま飛び立っていった。 その中には、語部涼子とソニアの姿もあった。 <聞き耳>で涼子の声が聞こえる 「ソニア・・・私の可愛い神の写し身・・・。さあ、供物を捧げに参りましょう。 忌 まわしき者どもが巣くうあの船へ・・・」 彼らはハーディ号を襲撃するために向かっている。 ナゴッド貿易 捕まった探索者は、ハーディ号の一室に監禁される。 突如爆音と共に船が激しく振動する。しばらくすると突如部屋のドアが開き、マオが入 ってくる。 マオはわき腹から血を滴らせている。<目星>で銃弾を受けたことがわかる。 「・・・イエローガーデンが攻撃を仕掛けてきました。 それにジャクソンは我等が神 を顕現させようとしています。 さあ、あなたたちは早くお逃げなさい」 マオはどうするのかを問い質すと 「私には・・・まだやることがあります・・・あの子を、迎えに行かねば・・・」 そういってマオは部屋を出て行く。 マオ 彼はネクロノミコンをハーディ号で本国へ輸送するため船に向かう。 しかしこの場合、船でジャクソンがマオを闇討ちする。 ネクロノミコンとソニアの身 柄はジャクソンに奪われ、クトゥルフを召還しようとする。 マオはとらわれた探索者を解放したあと、ソニアを儀式から救おうとする。 ジャクソン 彼は深きものどもが集まっているハーディ号でクトゥルフ召還の儀式を行おうとする。 マオが静止しようとするがジャクソンは聞く耳を持たない。 フ復活のことしかないのである。 彼の頭にはもうクトゥル ジャクソンはマオを撃ってしまう。その後はマオのル ートと同じ。 捕まっていない セーフハウスに移動している場合。 51 ソニアは最終日の夜に再び「憑依者」に豹変しネクロノミコンを奪って最後の仕上げの ためにハーディ号に集まっている深きものどもを襲撃する。 日が落ちた。 その光に遮られていたアルデバラン星が空に瞬く。 ソニアが蹲りうめ きだす。 「ああ、いや・・・ぃ、ァ、イア! ハスタァ!!!」 彼女は彼女でなくなった。 今の彼女を動かすもの、それは「殺す」という衝動。 そ れだけだった。 彼女はネクロノミコンを持っている者の元へ向かいそれを奪い去る。 そしてその足で 深きものどもの巣窟であるハーディ号へ向かう。 この場合、ソニアが単身ハーディ号に突入し、遅れてイエローガーデン側が急襲してく る。 19.決戦、青海埠頭戦争 18.の内容を踏まえ、最終局面に入っていく。 それぞれの陣営はソニアの生贄とし互いの神を召還しようとする。 探索者達はその渦中に飛び込み互いの召還を阻止しなければならない。 もし、二戸が一緒である場合、船に入る前に空からの爆撃で負傷してしまう。 「くそ・・・腕をやられた・・・すまん、先に行ってくれ」 もし、探索者の中に<ライフル>の技能を持つものがいれば彼は持ってきていたライフル を貸してくれる。 「この中にライフルを使ったことがある奴はいるか?」 「狩猟用の大口径ライフルだ。長距離スコープもつけてある。 」 「あそこのガントリークレーンからなら、船全体を見渡せるんじゃないか」 豊和 M1500 基本命中 25% 威力 2d6+4 攻撃回数 1/2 回 装弾数 5 耐久力 12 7.56mm ライフル弾 36 発 探索者達の力量をみて、船首に行くまで数回の戦闘を行わせてもよい。 探索者達が隠れて行動を行う場合は、できるだけそれに合わせてあげてよい。 52 情景描写文の例 「船が、赤く染まっている。甲板が赤い炎に焼かれているのだ。船の上空をあの化け物 たちが旋回している。 その背に乗った者達が何かを投下していく。それが船に落ちた瞬 間、閃光と轟音が響き、また新たな炎が生まれた」 この惨状を垣間見た者は 0/1d5 の SAN チェック 「船では空飛ぶ化け物とそれを操る狂信者達、黒スーツ姿の男達と半漁人たちがあちら こちらで殺し合いをしていた。響き渡る怒号と悲鳴と爆発と発砲音には、殺意のみしか読 み取ることはできない」 この化け物同士の戦場に足を踏み入れたことにより、0/1d6 の SAN チェック 「それは、ソニアだった。だったもの、というのが正しいのだろうか。次々にあの半漁 人たちを締め上げ、潰し、その血肉を啜っている。 黄色のレインコートは、その返り血 でどす黒く染まっていた。 」 このおぞましい光景を目にしてしまったものは 0/1d5 の SAN チェック ジャクソンがネクロノミコンを持っている場合 船首についたら以下の描写を説明する。 船首に向かうと、ソニアとジャクソン達が対峙していた。 もに気をとられている。 ソニアは周りの深きものど ジャクソンが何かを唱え、その手をソニアに向ける。 すると 光る半透明の球体が出現し、彼女を閉じ込めてしまった。 <クトゥルフ神話>で今のが≪ナァク・ティトの障壁≫と呼ばれる、身を守る壁にも、相 手を捕らえる檻にもできる呪文であることがわかる。 「ふふ、ふはははははははは!! これで準備はできタ! 今こソ!! 我等ガ神!! クトゥルフの復活のとキっ!!!!」 周りの半魚人たちが魔方陣を描き、ジャクソンがネクロノミコンを片手に詠唱を始める。 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅる る=りえぃ すこるふぃお うが=なぐる たぐん・・・ このままでは、神と呼ばれる存在が召還されてしまうであろう・・・。 53 ふ ここではジャクソン、深きものども×3 とのバトルとなる。 ジャクソンは狙撃ポイントからは影になってしまい攻撃することができない(それ以外 の敵に対しては狙撃可能) 。 戦闘中、任意のタイミングで仁戸勇次を乱入させる。 「死ねぇええっ! 半魚人どもぉ!! 殺してやる! 殺してやる!!!」 突入時に、深きものを一体倒したことにしてよい。 「やれ! 奴を止めるんだ!!」 この戦闘ではジャクソンを 2+1d6 ラウンド以内に倒せば勝利である。 それ以上経って しまった場合はクトゥルフが召還されてしまう。 ジャクソンを撃破した場合、以下の描写を説明する。 「ぐ・・・ニ、ン、ゲン、メ・・・」呪詛の言葉を吐きながら、ジャクソンは崩れ落ち る。 気づけば、東の地平線が白み始めている。 魔方陣の中央に置かれていたソニアは、その場に倒れている。近寄ってみるとまるで深 い眠りに落ちているようにも見える。 「ふふふ・・・まだ、チャンスはありますわ・・・」 フラフラと、涼子が君達のほうに歩いてくる。 よく見ると腹部に銃弾を受けているよ うだった。 「涼子さん、もうやめてください・・・」二戸が言う。 「何を言っているのですか? さあ、夜が明けきる前に召還の儀を」 二戸が彼女に向け手にした拳銃を向ける。 「すいません涼子さん。 あなたは、もうそっち側から帰ってくることはないんですね」 そういって引き金を引いた。涼子の体はまるでばねのように跳ね、そして、動かなくな った。 一瞬の静寂が辺り包まれる。ひときわ大きな爆発が起きた。 一間置いて、君達がいる 地面、船が傾きだす。 恐らくこのままでは爆発と沈没に巻き込まれてしまうだろう。 脱出の最中、君達は遠くにマオの姿を捉えた。 マオは君たちの事を眺めている。 <心理学>その表情には、安堵と後悔が入り混じったような複雑な感情が見受けられた。 炎が一段と強くなり、それ以降、彼の姿を見つけることはできなかった。 54 君達は安全圏に脱出し、東の空が明るくなる頃には、傾きは修復不能なものとなり、業 火と大爆発の中あっという間にハーディ号は東京湾に沈んでいった。 涼子がネクロノミコンを持っている場合 船中央についたら以下の描写を説明する。 血だまりの中、語部涼子とソニアが佇んでいる。 まるで、仲の良い親子のように手を つないで。 「さあソニア、十分に血と肉は集まりました。 今こそ、我らが希求する神を、現世に 招来するのです・・・」 静かに言う涼子の声に反応するように、ソニアが描かれた魔法陣の中央に歩み出る。 涼子の、名状しがたい呪文の声があたりに響き渡る。 ふんぐるい むぐるうなふ はすたぁ はり すこるふぃお うが=なぐる ふたぐ ん・・・ ここでは涼子、騎乗ビヤーキ×2 とのバトルとなる。 涼子は狙撃ポイントからは影になってしまい攻撃することができない(それ以外の敵に 対しては狙撃可能) 。 戦闘中、任意のタイミングでマオ・ワイルダーを乱入させてよい。 "突如玉虫色の粘液質の物体が化け物に纏わりついた。 そしてそれはそのまま化け物と 乗り手の男を締め付け、ベキベキという嫌な音と共に沈黙させた。あたりに「てけ・り ・ てけ・り」という鈴のような音が響く" その奥にいたのは、マオ・ワイルダーであった。 マオの腕の動きに合わせるようにその 粘着質の物体は彼の元へ戻る。 「涼子・・・あなたはなんという事を・・・」 涼子は彼の方を一瞥し、笑みを浮かべたまま詠唱を続けている。 「・・・あなたたちは涼子をお願いします。 他の者は私が」 この戦闘では涼子を 2+1d6 ラウンド以内に倒せば勝利である。 それ以上経ってしまっ た場合はハスターが召還されてしまう。 涼子を撃破した場合、以下の描写を説明する。 「ああ、私の・・・神よ」といって崩れ落ちる。 55 気づけば、東の地平線が白み始めている。 魔方陣の中央に置かれていたソニアは、その場に倒れている。 近寄ってみると深い眠 りに落ちているようにも見える。 「全員動くナ」そういってジャクソンが君達に対して銃を付きつけている。 彼の顔は 爆発の影響か半分が黒く焼け焦げ、ぼろぼろになっている。 「くく、その女も死ニましタか・・・今こソ! わが主クトゥルフの復活のとキ!!」 「やめなさい、ジャクソン。 もう、終わったのです。 ナゴッド貿易は、壊滅しまし た」マオが彼に言う。 「やめませんヨ社長。 神ハ、神ハ今スデニ我々のスぐ近くにマで来ていルのでス!! そレを!! 何人たりとモ邪魔するこトはできナいいいいいいいいいいいい!!」 マオが手を伸ばすのと、ジャクソンの発砲は同時だった。 マオのわき腹を抉った。 ジャクソンの放った弾丸は ジャクソンは笑みを浮かべたまま、即死していた。 あの粘液 質の物体がまるで硬質化したかのように鋭い針の形を成し、彼の心臓を貫いていた。 マオがソニアの元へ歩み寄る。 その背は、子をいたわる父、そのものであったように 思えた。 一瞬の静寂が辺り包まれる。 ひときわ大きな爆発が起きた。 一間置いて、君達がい る地面、船が傾きだす。恐らくこのままでは爆発と沈没に巻き込まれてしまうだろう。 君達とマオたちの間にあの粘着質の塊が広がり壁を作った。 その向こうからマオの声 が聞こえる。 「もうすぐこの船は沈没します。 君達は早く逃げなさい」 探索者がソニアを取り戻そうとした場合、 「彼女を巻き込んだ責任は、私がとります・・・他の人に譲ることはできない」 炎が一段と強くなり、それ以降、彼らの姿を見つけることはできなかった。 君達は安全圏に脱出し、東の空が明るくなる頃には、傾きは修復不能なものとなり、業 火と大爆発の中あっという間に東京湾に沈んでいった。 56 ソニアがネクロノミコンを持っている場合 船中央についたら以下の描写を説明する。 彼女は血で描かれた魔方陣の上で踊っていた。 聞くに堪えがたい呪文を唱えながら。 ふんぐるい むぐるうなふ はすたぁ はり すこるふぃお うが=なぐる ふたぐん ふんぐるい むぐるうなふ くとぅる る=りえぃ すこるふぃお うが=なぐる ふ たぐん・・・ 魔法陣を挟んで涼子とジャクソンがその場に現れる。 「ソニア! 何をしているのです! なぜ敵対する神まで!」 「あの娘・・・両方の神を同時に呼び出す気か・・・!!」 このままでは、神と呼ばれる存在が召還されてしまうであろう・・・。 魔方陣の中央で詠唱を行っている彼女を止めるには彼女自身を撃つしかない。 近寄ろ うとしてもその左腕の触手を振り回し近づけないのだ。 この役目は、もっとも彼女と親しくなった探索者に選択させよう。 もし銃を持っていない場合、争いで誰かが落とした拳銃が落ちていることにしてよい。 もし探索者が躊躇してしまっていたら、マオに背を押させること。 「それしか召還を止める手段はありません! あなたが! 世界の帰趨を握っているの です!!」 撃った場合、以下の描写を説明する 世界がスローモーションで動いている。撃鉄が引かれ、炸薬が閃光を放つ。世界を救う べく放たれた弾丸は、少女へ向かって暴力的な初速を維持したまま、彼女を貫いた。 彼女は詠唱をやめ、赤い霧を散らしながら、その場に崩れ落ちた。 一瞬の静寂が辺り包まれる。ひときわ大きな爆発が起きた。一間置いて、君達がいる地 面、船が傾きだす。 恐らくこのままでは爆発と沈没に巻き込まれてしまうだろう。 狂乱が再開された。涼子はなりふり構わず空飛ぶ化け物を繰り、ジャクソンは狂気じみ た笑いを浮かべながら半漁人たちに突撃の命を出している。 その様は、お互いがお互い を滅ぼすことしか、考えられない狂気に陥っているようだった。 57 一人、マオだけが動かなくなった少女の元へゆっくりと歩み寄る。その背は、子をいた わる父、そのものであったように思えた。 ひときわ大きな爆発が起きた。 一間置いて、君達がいる地面、船が傾きだす。 恐ら くこのままでは爆発と沈没に巻き込まれてしまうだろう。 君達は安全圏に脱出し、東の空が明るくなる頃には、傾きは修復不能なものとなり、業 火と大爆発の中あっという間に東京湾に沈んでいった。 20.招来 クトゥルフが顕現してしまった場合 召還されてしまった場合、以下の描写を説明する。 「召還ハ、果たさレり!!!」ジャクソンが叫ぶ。 船を挟み海面が盛り上がる。 遥か遠方の深海に在るルルイエと、今繋がったのだ。 荒波を立てて、巨大なシルエットが立ち上がる。蛸のような頭部に巨大な翼。 凶悪な 鉤爪を備えた腕。 邪悪の集合体とも形容できそうな醜悪な神が今、顕現した。 このクトゥルフの顕現を目にしたものは 1d10/1d100 の SAN チェック ハスターが召還されてしまった場合 召還されてしまった場合、以下の描写を説明する。 「今こそ、その御身をお顕しください! ハスターよ!」涼子が叫ぶ 船を挟み海面が盛り上がる。 天頂に輝くアルデバラン星にあるハリ湖と、今繋がったのだ。 荒波を立てて、巨大なシルエットが浮かび上がる。無数の触手の巨大な塊、その名状し がたき恐怖の御身が今、顕現した。 このハスターの顕現を目にしたものは 1d10/1d100 の SAN チェック 両方が召還されてしまった場合 ソニアはクトゥルフ・ハスター両方の眷属という特異な存在となっている。 その彼女 が招来を行った場合、両方の神が同時に顕現してしまう。 もし顕現を防げなかった場合、 船をはさんでハスターとクトゥルフの一部が顕現を果たす。 以下の描写を説明する。 58 船を挟み海面が盛り上がる。 遥か遠方の深海に在るルルイエと、天頂に輝くアルデバラン星にあるハリ湖が今繋がっ たのだ。 荒波を立てて、この世の邪悪全てを凝縮したような、多数の巨大な触手がまるで天を突 き崩すような勢いで伸びた。 一方は細長く鋭く、もう一方は太く強大だった。 この船 は今、二つの神に囲われていた。 この神の顕現を見てしまった場合は 1d10/1d100 の SAN 値チェックとなる。 互いの触手は、互いに相手の眷属をその触手で捕らえはじめた。 捕らえられたものは 振り回されその勢いで絶命していくそれは、先ほどの争いの比ではない凄惨な光景であっ た。 ジャクソンと涼子もその例外ではなかった。 この世のものとは思えない悲鳴と絶叫を上 げながら、二人は互いが憎む敵なる神に捕らえられ、引きちぎられ、絶命した。 対策 このまま逃げ出してしまえば BADEND。 もし「黄衣の王」に記された退散の呪文を使用 する場合はそれぞれ神の MP と探索者達が集めた MP による対抗ロールが発生する。 この 呪文は、ハスターの兄弟であるクトゥルフにも呪文に多少の変更を加えれば適用できる。 対抗する MP は以下の通り。 両方 :37(まだ全体が出ていないため両方の半分の値の合計) クトゥルフ:40 ハスター :35 22.エンディング 共通の文章は以下の通り テレビのニュースが流れている 「ナゴッド貿易の大型コンテナ船「ハーディ号」が爆発炎上し周辺施設に甚大な被害が 出た事故から一ヶ月、青梅埠頭は現在も封鎖されたままです。 爆発の詳しい原因は今も わかっていませんが、事故の夜謎の航空機と思しき物体が青梅埠頭上空で確認されており、 警察関係者は小型航空機を用いたテロではないかとの見方を強めて捜査に当たっています」 「次のニュースです。精神医療施設イエローガーデンの集団失踪事件の続報です。 視庁の幹部に対し、任意で事情聴取が行われています。 59 警 当幹部は患者と共に失踪したイ エローガーデン院長、語部涼子氏と懇意にしていたとされており、また、先月起こった通 り魔殺人事件に関してもイエローガーデンが関わっていたと取れる供述をしており、警察 は概要究明に向け取調べを続けています。 それでは明日の天気です・・・」 脱出時の条件によりエンディングが変化する。 二戸と共にソニアを救出した場合 探索者の一人に電話が入る。 「やあ、二戸だ。久しぶりだな。 とりあえず、これからのことについて連絡しておこ うと思ってな」 「彼女のことだよな。 ・・・ああ、やはりあれから一度も目を覚ましていない。 結 局、体の変形もそのままだ。 」 「・・・なあ、俺が彼女に渡していたペンダントがあったろう? あれは俺の家に代々 伝わるものなんだが、よく調べてみたらうちの家系は俗に言う「魔術師」の家系だったそ うなんだ」 「普通だったらただのオカルトと吐いて捨てるが、彼女を戻すためならどんなものにで も縋ろうと思う。 それが、彼女の母親と父親を殺してしまった俺のできる唯一の贖罪だ からな・・・」 「それじゃあまた何かあったら連絡する。 じゃあ、元気で・・・さよなら」 B-ED「勇者は闇を征く」 マオがソニアを保護、もしくは探索者がソニアを撃った場合 ナゴッド貿易に依頼された探索者に電話が入ってくる。 「どうもお久しぶりです、ナゴッド貿易のマオです。 ・・・いや、もうその肩書きも なくなってしまいましたが」 「最後に、あなた達には挨拶をしておこうと思いまして」 「ええ、彼女は私と一緒にいます。 まだ、目は覚ましていません。 ですが私も彼女 も悠久の時を生きる身、彼女が目覚めるまで、私はいつまでも待ち続けます」 「軽蔑してくれて結構です。私達とあなた達では、きっと相容れないのでしょう」 「それではお元気で・・・さようなら」 C-ED「魔王は悠久を待つ」 ソニアを撃たなかった場合 60 「呪文に反応するように、二柱の神はゆっくりとその身を元の棲家へと戻していった」 彼女は魔方陣を中心に崩れ落ちている。 探索者は彼女の顔の膨れや鱗が少しの面影を残して直っていることがわかる。 だが、 左腕は失われてしまっている。 一瞬の静寂の後、ひときわ大きな爆発が起きた。一間置いて、君達がいる地面、船が大 きな音を立てて傾きだす。 恐らくこのままでは爆発と沈没に巻き込まれてしまうだろう。 探索者が脱出の選択をするとすでに回りに火の手が廻ってしまっていることがわかる。 すると君達をあの玉虫色の粘液体が囲った。 その半透明の物体の向こうにマオの姿が あった。 「その子はその身の半身、深きものの血とハスターの眷属である証をハスターとクトゥ ルフに捧げました。 もう、彼女は人間です」 「私は、君たちのことがうらやましかったのかも知れない。 ・・・どうか、その子の ことを頼みます」 ひときわ大きい爆発が起きる。 粘液体は完全に君達を包み込み。そして、闇が訪れた・・・。 テレビのニュースが流れている 「ナゴッド貿易の大型コンテナ船「ハーディ号」が爆発炎上し周辺施設に甚大な被害が 出た事故から一ヶ月、被害の全容は未だ判明せず、青梅埠頭は現在も厳重に封鎖されたま まです。 爆発の詳しい原因は今もわかっていませんが、事故当日、周辺住民が一斉に幻 覚を見るなどの異常を訴えており、ハーディ号の当時の積載物内容に搭載された化学物質 が原因ではないかと警察では調査を進めています。 次のニュースです。 精神医療施設イエローガーデンの集団失踪事件の続報です。 視庁の幹部に対し、任意で事情聴取が行われていることが判明しました。 警 当幹部は患者 と共に失踪したイエローガーデン院長 語部涼子氏と懇意にしていたとされており、また、 先月起こった通り魔殺人事件に関してもイエローガーデンが関わっていたと取れる供述を しており、警察は事件解明に向け取調べを続けていくとのことです。 それでは明日の天気です・・・」 君達は病室にいる。あの後、青海埠頭近辺で救助隊に発見され病院に搬送されたそうだ。 警察に色々と事情聴取をされているが、今のところ警察が真相にたどり着くことはなさそ 61 うだ。 君達はとなりの病室へ向かう。 そこにはベッドにたたずむソニアの姿があった。 腕になってしまったその体は、見ていて痛々しい。その横には二戸が座っている。 君達に気づいた彼女が笑顔を浮かべた。 少女らしい、まぶしい笑顔を。 A-ED「闇の先に」 FIN ソニアを人間に戻すことができた探索者達は 1d10 の SAN 値を得る 邪神の復活を防いだ探索者達は 1d10 の SAN 値を得る 邪神を退散させることに成功した探索者達は 1d5 の SAN 値を得る ソニアの信頼を最も得た探索者は 1d10 の SAN 値を得る イエローガーデンへの侵入を誰にも見つからず達成した探索者は<隠れる>に+1d10 狙撃で突入援護を行った探索者は<ライフル>に+1d10 シナリオを生還した探索者は<クトゥルフ神話>に+5 62 隻
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