京都大学原子炉実験所 BNCT推進室 田中浩基、櫻井良憲、鈴木実、増永慎一郎、 木梨友子、近藤夏子、楢林正流、仲川洋介、 藤本望、高田卓志、渡邉翼、代谷誠治、高橋千太郎、 丸橋晃、小野公二 平成27年1月16日京大炉におけるビーム利用のための次期中性子源検討WS3 中性子捕捉療法 Boron Neutron Caputure Therapy 悪性黒色腫 Collaboration research with dept. of radiation oncology of Kawasaki Medical College KURのBNCT症例 世界のBNCT施設 FiR-1フィンランド研究炉(1999~2012)311例 R2-0スウェーデン研究炉(2001~2005)52例 LVR-15チェコ研究炉(2000~)2例 JRR-2日本原子力研究開発機構33例 JRR-4日本原子力研究開発機構 107例 HFRPペッテン研究炉(1997~)22例 HTR日立炉(1968~1974)13例 イタリア研究炉(2002~)2例 BMRR ブルックヘブン医学研 究炉(1951~1961、 1994~1999)99例 MuITR武蔵工業大学原子炉(1977~1989)108例 KUR京都大学原子炉 511(+53例) MITR マサチューセッツ工科大学 (1959~1961、1994~ THOR台湾研究炉 37例 (2010~) 1999)42例 アルゼンチン研究炉(2003~)7例 Copyright (C) 2000-2008 ZENRIN DataCom CO.,LTD. All Rights Reserved. Copyright (C) 2001-2008 ZENRIN CO., LTD. All Rights Reserved. 原子炉中性子源 重水設備 加速器中性子源 加速器 減速体系 照射台 ビーム輸送系 加速器中性子源 減速体系 加速器 ビーム電流 ビーム強度 IAEA-TECDOC-1223推奨値 熱外中性子束>1×109 cm-2s-1 ターゲットの熱除去 高速中性子線量含有< 2×10-13Gy cm-2(現状4-10×10-13Gy cm-2) ガンマ線線量含有< 2×10-13Gy cm-2 加速器中性子源 Proton Energy Accelerator Ep<3MeV 静電型加速器、高周波型加速器 3MeV<Ep<8MeV 直線加速器、サイクロトロン 8MeV<Ep<100MeV サイクロトロン、FFAG Ep>100MeV シンクロトロン、サイクロトロン、FFAG Reaction Proton Energy Ep Yield (Neutron/ Proton) Melting Conductivity Neutron (W/m/K) Energy Moderator Size 7Li(p,n)7Be 2.5 1.46x10-4 180 84.7 0.1~0.5MeV 小 9Be(p, n)9B 4 1.6x10-4 1278 201 陽子エネル ギーに依存 大 9Be(p, n)9B 30 3.0x10-2 1278 201 陽子エネル ギーに依存 大 7.0x10-2 3017 57.5 陽子エネル ギーに依存 大 Ta(p,xn) 50 ビーム電流 トレードオフ 減速体系のサイズ ターゲットの熱除去 減速体系後の中性子強度 加速器中性子源考慮すべき項目 ①ターゲットでの熱除去 ②ターゲットのブリスタリング ③放射化 ④生成中性子量 ⑤減速体系の設計 ⑥加速器電流、電源、冷却水 ①ターゲットでの熱除去 1kWの熱負荷を、毎分1リットルの水で冷却するときの 陽子エネルギー2.5MeV×20mA 水温の上昇は14.4℃=1kWx60secx0.24/1000 =50kW 熱負荷密度が均一に2MW/m2 (50kW/250cm2)よりも大 きい場合は核沸騰領域での熱伝達にしなければならず、 ヒートシンクの冷却水配管内部の温度は100℃以下にで きない。 陽子 沸騰を継続的に起こすために流速を高速にする必要 あり(水圧を数気圧)→沸点上昇(5atmで150℃) バッキング材での温度勾配を考えるとさらに高くなる ・陽子ビームを均一に照射する技術 ・熱勾配による熱応力発生 陽子 ・液体Liを用いたプロジェクト 核沸騰領域 拡大図 ②ターゲットのブリスタリング ブリスタリング:ターゲット内に荷電粒子が留まり、 バッキング材と 気泡が発生、剥離する原因 冷却水路 ブリスタリング 陽子 ベリリウムターゲット ターゲット 10 MeV 陽子 1uA 2 hours. ブリスタリングを起こしに くいバッキング材の開発 が必須。 陽子 陽子の飛程0.8 mm 10MeV in Be 陽子の飛程0.23mm 2.5MeV in Li 飛程の2~3%が飛程ストラグリングで ばらつきを生じる ベリリウム厚さ5.5 mm (陽子の飛程5.8 mm 30MeV) 冷却水中に陽子を放出 ③放射化 中性子エネルギーを上げると 反応チャンネルが開く 熱中性子による放射化 27Al(n,) 0.2 barn 約2分の半減期 ③ターゲットの放射化 Irradiation Period Cooling Period メインテナンス ④生成中性子量 4MeVの場合に比べて 30MeVは約50倍高い 9MeVの場合に比べて 30MeVは約10倍高い 2.5MeV入射Liの場合に比 べて30MeVBeは約125倍 平均エネルギーが326keV と低い ⑤減速体系の設計 単色の中性子を水ファントム中に入射した際の線量分布 Tumor dose = (Dn + Dh) × RBEn + D × RBE + D10B × CBEt × Ct Normal dose = (Dn + Dh) × RBEn + D × RBE + D10B × CBEn × Cn 10 keV付近の中性 子が深部まで線量を 付与する事ができる。 RBE,CBE Normal Tumor 10B 1.35 3.8 N 3 3 H 3 3 G 1 1 Normal Tumor 13 ppm 45.5 ppm J.C.Yanch et al.,Radiation Research 126, 1-20, 1991.)は~40keVまでが有効 加速器中性子源 リチウム ベリリウム ・低融点(180℃) ・トリチウム発生 ・高融点 陽子エネルギー小 ・低中性子発生量 タンタル ・高融点 陽子エネルギー大 ・高中性子発生量 ・トリチウム発生 ・放射化しにくい ・放射化しやすい (熱中性子には放射化) ・発生中性子エネルギー高い ・減速体系が小 ・減速体系が大 ・ブリスタリング有 ・ブリスタリング無 ・大電流(熱負荷) ・小電流 世界における加速器BNCTプロジェクト by A. Kleiner@ICNCT16 Institute Accelerator(Status) Target reaction Beam Beam energy(MeV) current(mA) Budker Vacuum insulated Institute Russia Tandem(Ready) Solid 7Li(p,n) P:2.0 N:<1 2 Birmingham University UK Dynamitron(Ready) Solid 7Li(p,n) P:2.8 N:<1 1-2 KURRI Japan Cyclotron(Completed, Clinical trials started) Be(p,n) P:30 N:up to 28 1 SARAF Israel RFQ-DTL(Ready) Liq. 7Li(p,n) P:up tp 4 N:<1 1-2 Legnaro INFN Italy RFQ(Under construction) Be(p,n) P:4-5 N:up tp 2-3 30 Be(p,n) P:8 N:up to 6 10 P:1.4 N:up to 6 P:1.9-2.3 N:<1 30 Tsukuba Japan RFQ-DTL(Under construction) Be(d,n), CNEA Buenos Single ended Tandem Aires Argentina Electrostatic Solid 7Li(p,n) Quadrupole(TESQ)(Unde r construction) NCC-CICS Japan RFQ(Under development) Solid 7Li(p,n) P:2.5 N:<1 30 20 日本における加速器BNCTプロジェクト SouthernTOHOKU-SHI SouthernTOHOKU-SHI Tsukuba-MHI Osaka-SC Nagoya CICS-NCC KURRI-SHI KURRI-FFAG Tsukuba-MHI Okinawa KURRI-FFAG Osaka-SC KURRI-SHI CICS-NCC Cyclotron Based Epithermal Neutron Source(C-BENS) 2007年 8月 京大炉と住友重機械工業と共同研究開始 2008年12月 2009年3月 2012年10月 2014年4月 C-BENSインストール 中性子発生試験開始、施設検査合格 再発悪性神経膠腫に対する治験開始 頭頸部がんに対する治験開始 イノベーションリサーチラボ医療棟 加速器室 Kyoto University Research Reactor Institute@KUMATORI 3F 2F KUR イノベーション リサーチラボ 1F 照射室 KUCA Cyclotron Based epi-thermal Neutron Source(C-BENS) 住友重機械工業社製:HM30 加速粒子: 水素負イオン(-H) 最大エネルギー:30MeV 電流値: 1mA (Maximum ~2mA) 最大出力 : 30kW 1620 mm 3030 mm 1724 mm 減速体系 Pb : 高速中性子に対するブリーダーと減速材 Fe : 高速中性子に対する減速材 減速体系 Al and CaF2 : 熱外中性子を生成するためのフィルター Polyethylene : 高速中性子の遮蔽 減速過程 Pb、Feにより高速中性子を 減速 Calculation using MCNPX D AlとFを用いて熱外中性子 の生成 C B A C-BENSとKURとの比較 1.22E09 総合南東北病院 2013年3月 センター起工 2014年4月 機器搬入 2014年9-10月 中性子発生試験開始、 施設検査 2015年夏 頭頸部がん治験開始予定 JAPANHealth Facilities: 70 General Hospitals : 6 http://www.minamitohoku.or.jp/index.ph 今後 2015年~2017年 中性子が出れば日本各地で治験が開始される。 原子炉実験所の役割 ・KURにおける臨床研究の推進,適応拡大, 共同利用推進 ・C-BENSにおける治験の推進 ・BNCTに関わる人材育成 ・BNCT国際拠点 ・C-BENSの高強度化 ・新規薬剤の開発には細胞・動物照射が必須 →基礎研究用照射場の整備、共同利用への展開 →病院には設置困難 ありがとうございました
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