環境 に お け る 農薬分析

埼玉県公害センター研究報告〔16〕27∼42(19呂9)
環境における農薬分析
(Ⅱ)有横リン系・カルバメート系・その他の農薬の分析
杉崎 三男 倉田 泰人 小林 進
2・1抽出法
1 はじめに
抽出は残留する農薬を試料から分離する重要な操作
最近,環境中に残留する化学物質について数多くの
である。抽出としては試料形態,抽出する媒体によっ
報告がみられ,これらの化学物質の残留形態や挙動な
どの消長について研究されている。これら化学物質の
て液一液(L工.E)・疲一国(LSE)・固一液(SLE)
中には殺菌剤・殺虫剤・除草剤・燻蒸剤等の農薬があ
れる。ここでは土壌・水質などの環境試料を扱うこと
り,環境中に放出され,生態系に与える影響等が研究
されているところである。
を考慮して,主に溶媒抽出法と固体吸着剤
・気一液(GLE)・気一国(GSE)抽出法が考えら
(SPE)による方法について考察した。
ところで,溶媒抽出や固体の吸着剤を用いない例と
さて,最近新聞等で報道されているように,ゴルフ
場で使用される農薬が話題になっており,水道水磨等
して水蒸気蒸留法の報告例20 ̄22)がある。
水中のトリアジン系除草剤を水蒸気蒸留法によって
の汚染が懸念されていることは記憶に新しい。
農薬の分析方法については数多くの成書1 ̄4),総
分離し,GC(検出器:PhotolOniza−tion)で定量
説卜16)がある。本総説では,有機リン系・カルバメー
を行った20)。その結果,プロパジン・タープチラジ
ンープロメテン・タープチリンtアトラジン・デスメ
ト系・除草剤等の農薬分析について扱い,分析機器の
ハードウエアに関しては次報(Ⅲ)に譲り,塩素系農
トリンは水蒸気蒸留によって回収できるが,シマジン
薬については前報(Ⅰ)で報告しているのでここでは
はほとんど回収されなかった。
Cookら2=は牛乳や植物試料からディアレート・ト
省略する。
また,有機リン17)・カルバメート系18)書除草
剤=)に関する分析方法の総説は1975年に報告されて
リアレートを水蒸気蓋留によって分離し,その回収率
は77【99タすと良好であったと報告した。
いるので,主に1975年以降に報告された研究について
2・1・1 液一液抽出法
扱うものとする。
液一夜溶媒抽出法は水試料などから目的化合物を分
離するために一般的に使用されている。水試料中の有
2 前処理
械リン薬殺虫剤の抽出溶媒としてはベンゼン・ヘキサ
農薬を分析を行う上で重要な位置を占める前処理は,
ン・ジクロロメタンなどを主に使用されている。
水中に微量に存在する有機汚染物質をDean−StaI克
分析榛器で測定できるように試料調製することである。
その中には,試料マトリックスから目的化合物を分離
・濃縮する操作や精製操作,分析する機器(例えばガ
蒸留法を用いて分離している報告例もある23)。比較
的沸点の低い有槙塩素系農薬では良好な回収率が得ら
スクロマトグラフィー(GC)や高遠液体クロマトグ
れる。しかし,有機リン系・カルバメート系農薬はほ
ラフィー(HPLC)など)で十分に感度を得られる
とんど回収できキかった。
GorderとDabm24)は土壌中に残留するカルポフ
ようにするための誘導体化操作が含まれる。
■暮
ランとアトラジンの抽出法を改良した。土壌(400g
まで)を振塵瓶にとり,水又は0.25N塩酸100打諺と酢
ー 27 −
表1水中の有機リン系農薬の様々な抽出方法に右ける回収率
単位:%
有機 リン農艶
持 出方法
笑 荒票
濃度 レ
ベル
液 一液抽 出
l
液 一団抽 出
液 一固抽 出
Benzene 天然水
XAD−
2 飲料水
GCBa 水溶水
0.5∼ tO 〃g/g lOng/g l 〃g/ゼ
AzlnPhosethyl(
Ethyl Gutino)
Az川Phosmethyl(
Guthin)
皿
Carbophenothion(
Trlthion)
Ch lorfenvinphos E(
CVP)
Ch lorFenvinphos Z(
CVP)
104
疲 一蔽抽出
Benzene 河川水
50 〟g/g
115 107 C・1〟g/虐
ぐ
C
86.
1 79.
7
96.6 82.3 92.1 91.
5 73.
7
75.
6
96.5 83.
3 86・
4 92.
9 93.
5 91・
5 78.
8
61.
9
80・
8
9王
.1 74.6
82.3 92.
8 85・
0 92.
2 0.0
0・0
78,3
122.9 86.
王
55・
6 97.8 83.9 80・0
62.9
82・7
84・9 89t7 67・3
84■6
95・3 89.2 85,3 83・4
83.
8
84.
8
94.0 0.
0
106
103.2 97 99.2
97.
5 34.2 D血ethoate
DlOXabenzofos(
Sa lithion)
DISulfoton(D卜SyStOn)
End lfcnphos(
EDDP)
国
103 Ethion
E Lhyl para th io□
Ethyl th10netOn
105 107 1陀 1 92.
2 95 98 97 67.
9
96.
4 Fen ltrOthlOn
FenthlOn(
如
IPP)
88,
5 Fe□th8ate
Formothiate
mldan
王
proFcnFos(柑P)
109
lsoxath lOn
九
!
alathlOn
MEP
1川
103.2 97 100.2 Met机da thlOn
眈 thyl chlorpyr lFos
Methyl de汀
把tOn
108 ん
Ietbyl pa「
a th 】
On
Methyl Trlth川n
Pbenthoate(
PAP)
PrlOrate(
Thl日
田et)
97.1 98,0 94.
7 135.
2 呂
6,
4 tlO 71.
6
62.
9
汎 5 140・
呂
弧 5
91.5
77
95 9と
.
2 阻 6
86.
8 77.∠
i
90・
6 90・6
91・
0 83■9 137■1
47・6
107
90.3
103
97.2 101.
6 〕
hosalone
Phosrnct(
PⅥP)
弧 0 85・0 39.
3
β−
Phospham ldo
Phoxlm
93.
7
jO8.2
Propaphos
PyrlPhentioB(pyrldaphentb io□)
Rり
nnel(
Trolene)
文
献
題
i+
hexa凸e
蒸留水
9J圭
.5 Cyanofenphos
Cyanophos(
CYAP)
DlaZlnOn
DlaZ inon oxon
DICh 10fenthlOn(
ECP)
DICh 10rVOS(
DDVP)
液 一波摘出
121
86.1 Ch ioryrlFos
Crufona te(Ruelene)
液 一般抽 出
trpxane巾aCetOne DCMb 河川水
蒸留水
号
93.5 1ロ
5 28)
96.1
35)
5い
a;GCR−GraphltizedCarbon Blach b;DCM=Dichloromethane C;,M−=不明
ー 28 脚
29)
30)
1 3l.
4
31)
酸エチルを加え,15分間水平振塗して抽出し,GC−
たが,80タ首以上の回収率は望めなかった。ジクロロメ
FTD(熱イオン化検出器)で測定を行った。従来の
タンを用いた場合には,ジスルフォトン(55%)以外
方法25)▲2G)と比較して,回収効率がよく,時間を短
は80%以上の回収率が得られた。有機リン系殺虫剤の
縮することができるという利点があると述べている。
一括分析にはジクロロメタンが適していると述べてい
Cognetら27)は飲料水中の残留農薬の分析をするた
る。
上記に述べた研究報告28嶋31)に掲載された有機リン
めに連続抽出法によるコンポジットサンプリングを行
い,抽出液をGC−MS法によって同定・定量を行っ
系農薬の回収率をまとめて表1に示した。
た。10−100ng/屈の濃度レベルの回収実験では,バッ
チ法の75%程度しか回収されなかった。
2・1・2 液一固抽出法
バッチ癌が瞬時的な水質状態しか示さないのに対して,
水試料などと固体の吸着剤を接触させることにより
他方,この方法では連続抽出法なので,ある一定時間
目的化合物を吸着させ,後に適当な溶離疲で分離する
の水質状態のモニタリングが可能となることを示した。
方法である。固体の吸着剤を用いた方法はSPE(固
R主pleyら28)は水中の14種の有機リン系農薬の抽出
溶媒としてベンゼンを用いた。エマルジョンができる
相抽出:Solld Phase Extraction)とtも呼ばれてい
る。これらの吸着剤は活性炭など用いられていた。
ような試料については撹幹抽出(試料1居で40分間)
最近,AmberliteXAD・TenaxGC及びシリカゲ
で行った。14種の回収率は95−115%で定量的に抽出
ルにC8(オクテル基)・C.8(オクタデシル塞)Q
されていることを示した。
CN(シアノアルキル基)・NH(アミノアルキル基)
中桐ら29)も水質試料の有桟リン系農薬の抽出にべ
ンゼンを用いている。抽出溶媒として,ヘキサンーア
を化学結合した吸着剤を用いた報告例が多くなった。
セトン(2:1)を用いた例もある30)。22種の有機
場からこれら吸着剤を用いた前処理法について総説し
リン系農薬のうちDDVP・DEP・チオメトンは回収
ている。
また,寺田32)は裁判化学における薬毒物分析の立
率が著しく低いので,残り17種の農薬について定量を
2・瑠・2・1 多孔質ポリマー樹脂
行っている。
(Amber=teXADなど)
土屋jl)はヘキサン・ジクロロメタン,それらの混
合溶媒を用いて28種の有機リン系農真について比較検
水中の有機化合物を分離濃縮の目的に使用されてい
討した。ヘキサンでは特に,ジタロルポス・ジメトエー
る多孔質ポリマー樹脂にほAmberllte XAD 2・4
トさホルモチオンは抽出されず,ビリダフェンチオン・
・7(Rohm & Haas),ChromosorblO2・105・
ホスメットの回収率は50タす以下であった。混合溶媒(ヘ
106,PorapakQ・N,Tenaxなどがある。それらの多
孔質ポリマー樹脂の物理的性状について表2に示した。
キサン:ジクロロメタン/85:15)では改善はみられ
蓑2 多孔質ポリマー樹脂の物撃的性質
メヲシュ酎ズ 比表面碩 孔直径 最高温度
吸 着 剤 材 質
rmesh) (ポ′/g) (A〕 〔Oc)
スチレンージ ビニルベンゼン
20−50 290−330
Åmberiiもe
スチレン甘ジ ビニルベンむ
20−50 750
Åmber=te XAD−7
メタ川レートポ四隅
20−50 450
Amberliモe XAD−8
メタク伸一ト椚マー
∬* 140
XAD−4
Porapak Q
エチjほこ舟ベンゼンージビニルベンゼン
80 150
250 −*
74.8 250−300
95 250
* 200
Chro皿OSOrblO2
スチレンージたプレベンゼン
ChromosorblO5
郎アロマティツタ
60−120 600−700
ChromosorblO6
糾スチレン
60−120 700胃800
椚2,6−ジ フェニルーp−7ェニレンオキバ
50 −*
50−120 630−840
60−120 300−400
Tenax
85−9
︵
〓
︶
AⅢberiite XAD−2
20−80 19−30
* 250
720 350
ー*;不明, これらのデータは軋Dresser33)及びカタログによる
−29−
AmberliteXAD 2・4,ChromosorblO2はスチ
Seninら42)はTSVK山11a.zeolite・Chromosorb
レンージビニルベンゼンの共重合体であり,構造的に
は多孔質である。これら樹脂の使用についての総説が
lO2を用いて排水・天然水中の微量有機化合物の濃縮
を行った。尿素系除草剤の濃縮にはCbromosorblO2
報告されている33)▲34)。
を用いた。アセトニトリル/水を蕃離液に用いたRP
Daignaultら34)はⅩAD樹脂を水中の変異原生物
−HP工」C(UVD,測定波長254nn)で数10ppbまで
測定を可能にした。
質の濃縮のために使用する目的で総説している。その
中でⅩAD樹脂の洗浄方法,吸着支配因子などについ
水中のトリアジン類の分離濃播にSeparonSE50/
て詳しく言己載されている。
50とシリカゲルを混合した吸着剤を用い,アセトンを
Lebelら35)はⅩAD2樹脂を用いてng/E濃度レ
溶離液として用いた場合,数ppbレベルでの回収率は
定量的であった43)。
ベルで飲料水に含まれる有機リン系農薬の分離濃縮を
行った。試された16種類を100−200ゼの飲料水に添加
また水中の有機化合物をTerlaX GCカートリッジ
し回収実験を行った。その結果,90%以上の回収率を
で抽出を行った研究では,2連のカートリッジを用い
得た(表1)。
て!非極性化合物の抽出をすれば,75−85%の範囲で
同様に足立ら36)は水道水200ゼをⅩAD 2カラムに
回収されることを示した44)。溶離液としてヘキサン
適して,農薬,有機Iノン酸エステル等を吸着・摘集し
た。エーテルで回収し,定量を行い,オキサジアゾン
農薬は最もよく回収された。また,共存するPCBの
■ブタクロールなどppt濃度レベルで検出することが
できた。
ジエチルエーテル(1:1)を用いた場合,試された
回収率が低い(30−40%)ので,PCBによる妨害を
軽減することができた。
ClarkとQazi37)は水中に残留するマラチオンをⅩ
AD 2カラムを用いて濃縮を行い,平均95%のマラ
2・1・2・2 CN.C8′C18基を結合したシリ
チオンの回収率を得た。
カを充填したカートリッジ(S PE
Malletら38)はフユニトロチオンとその代謝物につ
カートリッジ)
いてⅩAD2による濃縮分離と通常の溶媒抽出法との
最近,SepMPak・BondElut・Spelcleanと云う商
比較を行った。それによるとⅩAD2法の回収率は溶
品名で市販化されており,残留農薬への数多くの適用
媒抽出法に比べて若干低いが,あまり差はない。また,
例が報告されている。これら吸着剤の多くはカート
試料をⅩA]コ2樹脂で処理した場合には,6日間は分
リッジ型になっている。注射簡で加圧したり,減圧に
解せずに貯蔵できることが分かった。同様にⅩA工〕4
して吸引することにより試料から目的化台物を分離・
を用いてフユニトロチオンの分離濃縮についても研究
を行っている39)。ⅩAD 4法ではⅩAD 2法に比べ
濃縮するためにに用いられる。これらカートリッジほ
て迅速で(1ゼの試料を2分以内で)定量的に回収す
物を溶出させることができるという特徴がある。
再生利用が可能であり,少ない溶離慮で吸着した化合
ることができた。フユニトロチオンとその代謝物の分
これらの特徴自勺な使用方法の例として,第Ⅰ章で記
観についてほⅩAD4を用いた方法が優れていること
が示された。
述されているが,JunkとRich昆rd45)は1〟g/忍の
濃度レベルの農薬・多環芳香族化合物について,水試
Pascbelら40)は続出水中のエチルー・メチルパラ
料1−100死gをC18SPEカートリッジに適し,60−100
チオンの抽出にⅩA工)2を使用し,回収率は99タすで定
〃ゼの酢酸エチルで溶出させた。その結果,回収率が
量的に抽出され,100倍濃縮が可能であった。
85%以上であり,試料量が少なく,抽出時間も短くて
またIsb主basbiとSuzuk主41)は水試料中の塩素を含
む除草剤(オキサジアゾンiタロメトキシニル・CN
済むことを明らかにした。
P・ブタクロール・ビフユノックス)をキャピラリー
て海水・河川水・飲料水中のカルバリルとその代謝物
カラムGC(検出器:EC工りで定量するために,前処
理にⅩAD2樹脂で濃縮分離を行った。それぞれの除
である1】ナフトールの濃縮に使用し,カルバーjルで
草剤25−1000ng/ゼの濃度レベルになるように試料
2ゼに添加し,回収業験を行った結果,試めされた除
草剤すべてが90%以上で回収された。
Busbw・ay46)はC‖Sep−Pakカートリッジを用い
0.1ppb,1−ナフトールで0.5ppbまで測定が可能で
あった。
LocontoとGaiIld47)は有機リン系農薬の分離・濃
縮にBondEh止カートリッジを用いた。C18タイプの
− 30 −
場合,12種のうち8種が90%以上,ジクロルポス・フォ
的にクリーンアップをすることができた。
レートートクチオンは60−70%の回収率を示したが,
Loresら54)は有機リン系農薬のクリーンアップに
ジメトエートは5%程度しか回収されなかった。この
ついて報告し,シリカゲルを1%酢酸水溶液で処理す
効率の差についてはジアルキルリン酸エステル部の極
ることによって11種の有機リン系農薬を定量的に回収
性と関係があると述べている。
することができた。
他に農薬曝露用パッド抽出物からジフルベンズロン
今中と松永55)は42種の有械リン系農薬についてシ
とカルバリルを分離・濃縮するのにSep−Pa五C18を
リカゲル及びフロリジルカラムクリーンアップを行っ
使用した例48),フエノキシ系除草剤の濃縮に用いた
た場合,どの分画に溶出するかについて基礎的な検討
例49),尿中のメソミルの抽出に用いた例50)などが報
を行った。
告されている。
玉川ら56)はSepPakカートリッジを用いてジフェ
ニルエーテル系除草剤の分析法について報告している。
2・1・2・3 その他の吸着剤
魚介類試料では硝酸銀で被覆したSepPakフロリジル
Bacaloniら51)は水中の有機化合物の抽出にグラ
を,また河川底質試料の場合にはSepPakフロ7)ジル
ファイトカーボンブラック(GCB)を用いフェノー
を用いてクリーンアップし,GC−ECDで定量を行っ
ル頬(4種)・エーテル類(3種)・芳香族炭化水素(4
た。通常行われているガラスカラム法に比べて,簡単・
種)・有機リン系農薬(4種)・塩素系農薬(11種)が
迅速で定量的にクリーンアップできることを示した。
定量的に保持されるが,アルコール類tエステル類■
Hacheら57)は複雑な試料(土壌・鳥の肝臓・尿・員・
脂肪族炭化水素の場合には,保持されないか又は定量
松の葉)中のフェニトロチオンとその関連物質のク
リーンアップについて報告した。ホモジェネートされ
的ではないことを示した。
EosbimaとOnisbi52)は水溶液からGCBを吸着剤
た試料からアセトニトリルまたはメタノールで抽出し,
として用いて6種の有機リン系農薬を分離・濃縮を
水で希釈して,ⅩAD7カラムに通してクリーンアッ
行った。4〟g/gの濃度レベルでの回収率は94−97
%(蓑1)であり,よい再現性を示した。GCBの吸
エチルによって!どの書式料からも定量的に回収された。
プを行った。フェニトロチオンとその関連物質は酢酸
着能はⅩAD 7とⅩAD 4の中間に位置しているこ
多量の油脂を含む抽出物から油脂と農薬を分離する
とを示した。
手段として自動化したゲルバーミューションクロマト
2㌧2クリーンアップ
S文一3で化学物質や有機塩素系・有機リン系農薬の
グラフ法(GPC)で行った例がある58)。BlO Beads
クリーンアップは,目的イヒ合物の測定時に妨害とな
分離を行い,溶離液として塩化メテレンーヘキサンを
る共抽出されるマトリックスと目的化合物を,測定前
用いた場合最初の60取gで油脂の98タ古が溶出し,目的化
に分離一分画する操作である。クリHンアップ操作に
台物が溶出する60【140刀適の画分には1%以下しか溶
は吸着剤(フロリジル・シリカゲルiアルミナ〕を充
出しないことを示した。
Guln主vanら59)はグリホサートとその代謝物の定量
填したガラスカラム法・ゲルバーミューションタロマ
トグラフ法事酸一塩基分配法などが使用されている。
するために,BlO−GelP【2(GPC〕を用いて糖類
また,最近ではガラスカラム法で用いられる吸着剤
・色素を除去し,ついで(2−クロロエチル)N∴ペ
をカートリッジにし,市販されているものもある。カ
ンタフルオロブチリル誘導体としてGC−ECD定量を
ラム充填操作がなく,活性化,コンディショニングが
行った。
容易で,外部からの汚染の恐れも少なくなるという利
2・3 誘導体化
点があり,適用例が増加している。
AコユbrtlSら53)は残留農薬の一括分析におけるク
誘導体化法はGCやHヂLC法での適用範囲を拡大す
リーンアップの条件について検討した。その結果,ク
る目的で行われる。その目的としてクロマトグラム上
ロロフィル含有量の多い試料については混合吸着剤
の分離性,熱的安定性,検出の選択性や感度の向上,
(活性炭:マグネシア:珪藻土=1:2:4)を,脂
検出確認などが挙げられる。数多く行われている農薬
質の多い試料についてはアルミナ単独に用いるか,ア
の誘導体化にはおもにエステル化■アルキル化60)・
ルミナのあとシリカゲルで処理することによって効果
過ハロゲン化61)・光化学法などがある。
ー 31−
De許adla七主on
農薬の誘導体化に関する総説はCocbraIle62【63),
CH3Metabolism
ついて成書65J及び総説6ら)が報告されている。
Singbら67)はng量の6種の有桟リン系農薬を中性
次亜塩素酸ナトリウムで酸化し,この酸化体をGC−
N−C−N
Ⅹ偏㌢ぎ
定量した。試料(尿など)をBioRadAG50W−Ⅹ8
化した後,GC−FPDで定量を行った。その検出限界
は2p皿01以下であった。
Eorden69)はメチルカルバメート系殺虫剤を1−
C
(C3F7CO)2
CH′NⅧ
Ⅹ
トリアジンのアセトン溶液で還流し,ベンジル誘導体
Nす
︻
■
■
−
爪
︰
l
l
㌧
.
㌧
l
J
I
V
い
′
■
叫
い
■
(H十)樹脂に通すことによって有機リン化合物とマ
0叩CO
−1−
ト
Daughtonら68〉は1又は2水素置換体の有機リン
系農薬の代謝物17種類をベンジル誘導体としてGCで
賢母
Hydrolysi
PbenylureaHerbicldes
FPDで確認した。
トリックスを分離し,3−ベンジルー1−p一トリル
ヽR
=∴∵丈∵㌔■∴
金沢6d)によってなされている。一般的な誘導体化に
)
Ån山nes
甲9
N−C−C3F7
YHFB_藍ci。es Y’HF去讐‡mldes
図1 フェニル尿素系除草剤の無水ヘブタフロロ酪酸
による誘導体化反応
フルオロー 2,4一ジニトロベンゼンでジニトロフェ
ニルエーテル化し,GC−ECDで定量を行った。共存
するフェノール類はあらかじめアルカリ性による分画
力ラム法が一般的である。カルバメート系。尿素系農
操作で取り除き直接誘導体化を行った。その効率は
薬のクロマト分離後,ポストカラム法によって加水分
100%′であった。
解した後,生成したジメチルアミンを0−ブタルアル
Maltlen70)は10種のカルバメート系農薬を塩化メ
デヒド/2−メルカプトエタノールで反応させ蛍光光
タンスルホニルで,メシレート化し,GC−FFD(S
度検出器で定量する方法などが報告されている。詳細
モード)で検出した。
については後述する。
LeeとCbau71)は底質中のフエノキシ系除草剤をペ
ンタフルオロベンジルエステルに誘導体化しGC−E
CDで定量を行い,回収率は80タ古以上,定量限界は10
−25ppbを得た。同掛こ,プエノキシ系除草剤とその
関連化合物の定量について,2劇シアノエチルジメチ
ル(ジュチノい アミノシランを用いて誘導体化し72),
3 定量方法
定量方法としてはさまぎまなクロマトグラフィー
(GC・HPLC・TLC)によって分離された成分を検
出蓋で検出する。
検出はGC勇HPI.Cで利用される一般的な検出器を
GC−NPDで高感度,高選択的に定量を行うことが
用いて行われる。例えば,GC法でほ電子捕獲型(E
できた73)。
また,フユニル尿素系除草剤を定量するためにで無
CD)・発光光度検出器(FPD)・水素糞イオン化検出
水へブタフロロ酪酸を用いた誘導体化についてDe
器(FH})・H五11電解伝導度検出器(HECD〕さ質量
Kok74),Brlnkman75)が報告している(図1)。
分析装置(MS)などで,HPLC法では紫外部分光光
両者の誘導体化注が異なり,前者はフユニル尿素(Ⅰ)
度検出器(UVD)・蛍光光度検出器(FLD)・電気化
をそれに対応するアニリン類(Ⅱ〕に加水分解した後,
芋的検出器(ECD)・M呂などである。
ここでは分析機器のハードウエア(例えばカラムの
アミド類(Ⅲ)に誘導体化しているのに対して,後者
は直接ベンゼン環に結合している窒素原子と反応させ!
種類など〕について省略した。
アクリル化(Ⅳ)を行っている。前者は誘導体化の容
いう利点があり,また後者は工業原料でもあり,カル
3。1 一括分析
一括分析の項では有横川ン系・有機塩素系・カルバ
バメート系・尿素系の代謝産物でもあるアニリン類を
メート・除草剤などを一括して測定している方法につ
分離する必要がないとしている。
いて記述する。
易さ,過剰試薬の除去が不要,誘導体の熱的安定性と
BPLCでの誘導体化法はプレラベル化又はポスト
− 32 岬
Ltlkeら76)は食品中の有械塩素系(9種)・有機リ
ン系(15種)・有機窒素系(5種)・炭化水素系(2
器はUVD,分光光度検出器が一般白勺である。
種〕農薬の一括抽出を試みた。その結果従来のAOA
流水中のエチルー・メチルーパラチオンを蓬量=)
C法では回収が定量的に行われなかった農薬について
するのに,裔離液として50タ岩アセトニトリルー水を用
も80%以上回月文することができた。
いて逆相(PartisilODS)系でロVD(測定波長:
さらに後の報告で食品中の残留農薬の多成分分析法
について適用できる農薬の数を増やした了了)。GC−
270nm)で検出した。最少検出量として約3flgであっ
た。
Priebeとfiowel189)はHPLCでクロマト分離後,
F‡〕Dで有械リン系を,HECI〕で有機塩素系・有機窒
素系・有機イオウ系農薬の測定を行い,78種の農薬に
Ⅹeランプで光分解し生成した有機リン酸を還元ヘテ
ついて80%以上の回収率を示した。
ロポリモリブデン酸で呈色させ,測定を行っに。
Ambrusら58)も植物,土壌,水質中の257種の有
機リン系・有機塩素系・カルバメート系・チオカルバ
GCで使用されているFPD・NPD検出器を用いた
報告例もある。
メート系・尿素系・トリアジン系の残留農薬の一括分
McGuffinら90)はHPLCの検出器としてのFPD,
析を行い,143種の残留農薬に適していることを明ら
FTDを開発し,マイクロカラムを用いることによっ
かにした。
て溶離液流量を少なくし,FPD■FTDで検出できる
RipleyとBraun78)は194種の農薬(有機塩素系・
ようにした。これによってリンに対して選択性,感炭
有梯リン系・有機窒素系)についてSE−30キャピラ
リーカラムでの保持時間を示し,玉CD,NPDの検出
の向上がなされた。
器を用いて残留農薬の分析を行った。
る。分離カラムとしてナローポアカラムに5〟Inの
Lichrosorb RP18を詰めたものを用いて分離を行っ
HヂLC法では新しい検出器を用いた一括分析法が
報告されている78)。「Ⅳal七ersは有機リン系・カルバ
同様の試みがGluckmanら91)によってなされてい
た。
メート系・S−トリアジン系・尿素系・有機塩素系農
また,比色法が若干報告されている。比色法として
薬22種についてRP−HPLC(分離カラム:Zorbax
Clar立とQaz137)はマラチオンを加水分解して,ジメ
チルジチオホスフェートとし,Bl(Ⅱ〕イオンと錯
CN,溶離疲:メタノール/水)で分離後,PCD
(Photoconductivity Detector)で検出した。この
検出器は紫外線(例えば,254nm,214nm)を照射
形成させたものを325nmで吸光光度定量を行った。
することでイオン化する様な化合物に応答する。基礎
濃縮率を上げることによってppbレベルのマラチオン
の定量を可能にした。
的な検討を行った結果,UVDと比べてほとんどの化
角田92)は高相クロマトグラフィー〔TLC)による
合物で感度が若干高く,選択性が高いことがわかった。
45種の有機リン系農薬の一斉分析を行い,順相,逆栢
系のTLCを組み合わせて分離検出を行った。その結
器・望 有韓リン轟農薬
有機リン系農薬の検出は発光光度検出器(FFD)
果,分離識別能はG,93と高い分解能を得た。
や熱イオン検出器(FTD又はNPD)を用いたGC症
3・3 カルハメート系農薬
カルバメ騨卜系農薬を直接GC分析する場台には分
によって行われることが多い29 ̄31)・80−84),。最近
ではキャピラリカラムGC−MS法85 ̄87)や日宇LC法,
Hf)LC−MS法8鋸を用いた分析法が報告されるよう
解等によって測定が困穀となる場合が多い。
になった。
17を用いて,カラム温度180℃で測定した結果,12種
Lebelら35)はng/gレベルの飲料水中の16撞の有
機リン系農薬をGC−NアD・F王Dで検出した。
のN∴メチルカルバメート系農薬の4−66%一が分解す
WheelerとStrother93)はカラム液相として0V−
ることを報告している。
Loc【)ntOとGalnd47)はワイドポアキャピラリーカ
酸分解した菜種中のCaTbofuranとその代謝物の分
ラム2種類を並列に用いて2検出器(TSD・FFD)
析をGC−NPDを用いて行った。分離カラムの液相
で検出した。カラムと検出器をそれぞれ2種類用いる
ことによって,化合物の定性分析を確実にすることが
として,最も分離の良かったApleZOnLを使用した。
それらの化合物の回収率は平均85%であった94 ̄g5)。
できる。
カルバメート系農薬をGC分析するには誘導体化する
HfLCで有機リン系農薬の分析に使用される検出
方法が多く行われてきた。誘導体化の手法としてアセ
− 33 p
テル化・シリル化・アルキル化・過フルオロ化が一般
トエタノールで蛍光体を生成し,ポストカラム法で検
出した。この方法は選択性が高く,感度がよいという
的に使用される66)。
最近ではGCでの分解性の為に日PLCによる分析
利点があるが,反面加水分解によってメチルアミンを
例が多い。検出器としてUVD46)・48)▲96)・97)・蛍
生成しないカルバメートは定量できない。この方法に
光光度検出器98 ̄1Ql)・ECD(毒気化学的検出器)な
感度を持たない182種の農薬が示されている。また,
Krause99−100)がこの手法を用いてN−メチルカルバ
どが用いた報告例がある。
また,質量分析のインターフェースの開発によって
質量分析(MSD)と組み合わされて定量を行ってい
メート殺虫剤の分析について共同実験を行い,その結
果を報告している。
NondekらiOl))はKrauseと同様のポストカラム
る例もある。
UVDは比較的選択性のない検出器で,目的化合物
ラベル化法でN−メチルカルバメート系農薬を定量し
が紫外部に吸収を持つことで検出され,一括分析に多
ているが,加水分解触媒にAmin由A−28(テトラ
く用いられている。
アルキルアンモニウムアニオン交換体)を100−1200c
SparaclnOとHines96)はUVD(測定波長‥190−
220nm)を用いて,順相,逆相の溶離様式で30種の
で用いて加水分解を完全にし,再現性を上げる工夫を
した。
電気化学的検出器(ECD)は,目的化合物の電極
カルバメート系農薬の分離,検出について検討した。
分離カラムはSト10・CN∴10・NIi2−10(順相)・
での酸化還元反応に関与するもののみに応答する高感
〃−Bondapak C18・ETH(逆相)を,溶離液とし
てはイソプロパノール/ヘブタン(憶相),アセトニ
鼠 高選択性を有した検出器であり,芳香族アミン類
・フェノール類・カルポニル化合物を選択的に検出す
トリル/水(逆相)を用い,分離カラムと溶離液組成
ることができる。
の評価を行った。
AndersonとChesneylO3−104)は水中の特定のカルバ
Gr。uら97)は水,土壌中のカルバメート系農薬を
メート系農薬の定量にHPLC−ECDを用いて行った。
抽出した後!最終的にメタノール溶液としてLト
Chrosorb RP−18カラムを溶離液としてメタノー
ECDは定電圧アンペロメトリモードで行い,2−7
ルー水を用いて分離し,UVD(254nm)で測定した。
ppbに相当する40−150pg(S/N=2)の検出限界を
得た。
Bushway46)ほUVD(測定波長 222nm)を用い,
Gordonら105)はEel訂正電解電極を用いて試料前
分離カラムとして〃一Bondapa.kC18を使用し,カル
バリルと1−ナフトールを定量した。14種の農薬につ
処理なしでカルバメート系・尿素系農薬について62−
いても試みたが,アトラジンがカルバ】jルの,ペンタ
410〃g/ゼを検出した。
ThomasとSturrocklO6)はECDを一部改良したパ
クロロベンゼン・デューロン・チウラムが1一ナフ
ルス電圧を用いた電極洗浄方式によりカルバメート系
トールの定量を妨害する。
農薬の定量を行った。
Bogusら・18】はUVD(測定波長‥220nm),ODS
系カラム巷用いてアセトニトリル/水によって溶離し
るインタフェースの開発によって残留農薬の分析定量
カルバリルを定量した。
に用いられるようになった。そのインターフェースは
KirkbrightとMullinslO2)は水溶性で極性が大き
く熱的に不安定なジチオカルバメート塩左臭化セチル
ムービングベルト・Frit一貫AB・サーモスプレーな
トリメチルアンモニウムを含んだミセル移動相を用い
WrigitはHPLCでカルバメート系農薬を分離後,
ムービングベルトインターフェースを用いて化学イオ
た逆相HPLC(分離カラム:p−BondapakCN)で
また最近ではHPLCと質量分析装置とを結び付け
どである107)。
ン化(CI)法による質量分析(SIM)を行ってい
分離し,UVD(波長:253n‡n)で定量した。
蛍光光度検出器を用いた定量法は本来蛍光を有しな
る108)。それによると蓑3に示したようにUVDに比
い化合物を誘導体化した後に高選択・高感度に測定す
較して感度の低いものもあるが,UVDでは検出され
る方法である。
Krause98)はZorbaxC−8・CNカラムを用いて,
ない化合物をサブngオーダーで検出することができ
アセトニトリルー水溶離液で分離し,メチルアミンに
る。またStampらはHPLC−MS(CI〕法でのカル
バメート系農薬の開裂様式について考察している109)。
加水分解の後,0−フクルアルデヒドと2−メルカプ
これらの文献に掲載されたカルバメート系農薬の感度
岬 34−
表3 HPLCによるカルバメート系農薬の最少検出量(MDQ)の比較
農 薬 名 分 離 カラム
検 出 器 ##
溶 離 液 錮 #
A ldicarb
A l d i c a r b s u lf o n e
A l d i c a r b s u lf o x id e
Am inocarb
A s u I am
Ba r ba n
B e n d i o ca r b
Bu f e n c a r b (M e t a lk am a t e )
Bu t y l a t e
C a p ta f o l
C a r ba r y (NA C )
C a r b en da z im
C a r b o f ur a n
C b l o r o pr o ph am (C I P C )
C y c I oa te
D e sm e d ip h a
D 卜 a l l a t e (A v a d e x )
D ic b lo ra n
D im e th oa t e
D im e t i la n
E P T C (E p t乱m )
F e n o b ⅥC a rb (B I湖 C )
Feban
3 −H y d r o x y c a rb o f u r an
is o la n
Is o p r o c a r b (M IP C )
K a r b u t i la te
L a n d r in
M aneb
M e ta −S O d iけm
M e th ic a r b s u lf o n e
M e th io c a r b s u lh x id e
M e th io c a r b (M e s u r o l)
m e tb 8 1且C b lo r
M e th om y l
e lr am
M e t o Ic a r b (M TM C )
M e x a c a r b (Z e c tr a n )
M e x a c 且r b am a te
M o b am
N且b a m
α 一対a p h t h o l
P e b Ⅵ1 a t e
Ph e nm e d i pb am
P i c l o r am
P i r im i c且r b
P r o m ec a r b
P r o p a n oc a r b (Ba n o l )
P アロP b 且血
P r o p o 肌 r (B a y 那 柑 )
P y r o la n
Swep
T わio b e n c a r b (B e n th i o ca r b〕
T r i−a l ia te (A 渦 d e x B W )
V e r n o la.
te
Ⅹy ly lc a r b (M e o b a l)
Z in e b
Z ir am
文 献 番 号
1 E C D 0 .1 4 ○ **
2 2 (C N ,C 8 ) E C D F L C B 4 F L B 3 3 U V D U V D (2 5 4 n m ) B B 0 .1++ ○ ** 0 .1 0 .1 十十 ○ **
0 .1++ ○ **
0 .0 2 単位:ng
2 (C N )
S IM (C I) U V D
D
2 .0 5 .7 1 4 .3
2 5 .0 ○ ** 1 .8
○ *
∴
* 4 .5 9 .5
3 .6 0 .5 *
0 .1 ++
○ ** 0 ,0 4
○ ** 0 .1 2 0 .1 ++ 0 .4 0 2 5 0 3 7 .0
4 9 .5 4 .5
2 .5 ○ *:
* 1 1 7 .0 *
○ ** 1.0 1 .0
0 .1 ++ 0 .1 ++
9 .5 *
2 5 .0 1 .1
5 9 .0 *
6 0 .5 9 .5
0 .2
0 .1 ++
(
⊃ **
5 .1 5 .0
5 .0
* 9 .5
○ ** ○ *■
* 5.0
2.5 *
○ 雫
∵
*
*
半
(
⊃ヰ
∵
*
○ ♯
■
*
(
⊃ ** 0 .8 5
0,1 ++
0.1 ++ ⊂)#堵 0 .3 0 *
1 8 .2 0 .2 2 5 .0 1乱 2
2 5 .0 1 1 .0
2 8 .3 5 9 .0
10
1 1 .0
半 1 1 .7
(
⊃ *辛 0 .0 6 ○ 幸*
(
⊃ **
○ *嚢
2 7 .2 6 .0
⊂〕掌♯ 3 .3 ⊂)寧
=
* 0 .2 5 7 .0 (〕 辛*
(
⊃ 専*
○ ♯*
2 2 .5
10 6 ) 98 ) 1 0 1 ) 9 6 〕 5 .5 3 ,3
2 5 .0 1 3 .6
5 2 .5 2 2 .5
2 7 .0 10 .9
2 5.5 *
辛 *
1 0 3 ) 9 7 ) 10 8 )
2:Zorbax 3:LiChrosorb
書芸主産要義ラム重責髭群数欝皇軍遇警幣検出器昌調策脇光度検出器
###:溶離液 A:アセトニト肌/水 B:メタノー舟/水 C:アセトニト柑/アセトン/水 D:2一プ醐ノール/ヘキサン
○**:検出可能, *:検出不可,0.1++:詳細な検討を行っていないが,0.1叩程度
− 35 −
*
の比較について衰3に示した。
トニトリル/水)一ポストカラム法で定量を行った。
すなわち,UV照射による光分解を行い,0−ブタル
3・4 除草剤
アルデヒト、/2−メルカプトエタノールでポストカラ
ここではフエノキシ系・尿素系・トリアジン系除草
ム誘導体化法で蛍光体を生成し,蛍光光度検出器で定
量した。その宿果,光分解は効率がよく,N,N−ジ
剤についてに限定することにした。
メチル基を持つ尿素系除草剤はN−メチル・N−メトキ
3・4・1 フエノキシ乗除葦剤
シ基を持つものよりも感寛が高いことが分かった。
フエノキシ系除草剤は極性が大きい。このためには
N一ジメチルカルバメート系農薬も検出できることか
一般的には誘導体化した後に,GC分析70 ̄71)やHPL
ら,同時分析を行っている研究例がある日5)。他に土
Cによって行われる110)。
壌中のフルオメツロン117),クロルトルロン118ノの分
GC分析における誘導体化については2・3で述べ
析例が報告されている。
たが,メシレート化70)・ペンタフルオロベンジルエ
ステル化71)などの操作によって誘導体を生成し,G
3・4・3 トリアジン系除草剤
トリアジン系除草剤の分析はGC・HPLC法で行わ
C分析における分離・感度・選択性を向上させている。
HP工.Cの適用例111 ̄ ̄112)として,次のようなもの
がある。フエノキシ系除草剤9種について溶媒抽出し
れている。GC分析で直接定量する場合は主にNPD
(FTD)を検出器として用いる。
た抽出物をオンライン濃縮カラム付きHPLC(分離
Poplら43)はGCとfIPLCの両方を用いてトリアジ
カラム:LiChrosorb RP18,検出器:UVD,測定
ン系除草剤の分離について研究を行った。GC分析で
はCarbowax20M!Sllar5CPの液相を用いて分離
波長:280・230nm)で定量を行った110),20pptに
なるように添加した試料を用いて実験を行った結果,
し,NPDで検出した。検出限界はS/N=2で50pg程
80−100%の回収率が得られた。
度であった。またHPLC(UVD,254nm)ではカラ
3・4・2 尿素系除草剤
ム液相としてSeparon SIC18を用いた。GCよりも
感度は劣るが,溶出時間が短く相互の分離性がよい。
尿素系除草剤の分析t定量はGC,HPLCによって
Parkerら119)は21種のトリアジン系除草剤をHPL
行われている。GCでは通常誘導体イヒ操作74【75)を
C(使用カラム:RP−8,溶離液:アセトニトリル/
行っている場合が多く,HPLCでは直接定量したり,
水)で分離後,直接導入方式で質量分析装置に導入し
誘導体化操作を行っている。
定量を行った。その結果トリアジン類のほとんどがN
HPLCを用いて直接定量する場合,UVD・ECD(電
子描獲型検出器)113)中電気化学的検出器114)を検出
CI法よりPC三溝で高感度に測定できることが分かっ
た。
器が用いられている。
Goew主eら115)は代謝物のアニリン類の存在下で水
中のプユニル尿素系除草剤の自動定量を行った。アニ
轟 ま 皇 め
おもに1975年以降に報告された有機リン系,カルバ
リン類を除去するための白金処理したプレカラムに尿
素類を濃縮するためにC18を充填したプレカラムとを
メート系,除草剤の分析・定量法について総説Lた。
前処理法では従来の溶媒抽出法と共に新しい吸着剤
直列に接続し,自動的に分離カラム(CP【SpberC
18)に導入される尿素系除草剤をUVD(241王Im)で
の開発により固相吸着法が利用されるようになった。
定量法では従来のさまざまな検出器を使用したGC
検出した。環境試料中の14種の除草剤をppb濃度レベ
ルで検出することができる。
法ばかりでなく,キャピラリーGC法⇒HPLC法。
Cb主avariとBerga皿ini114)はRf)一HP工.C(分離
カラム:ErbasilC18,溶離液:水/メタノール)で
GC−MS法。EPLC−GC旗などを利用し,ppbレベ
ル以下の環境中に残留する農薬の定量が可能になった。
尿素頸を分離後,ダラッシーカーボン電極を備えた電
気化学的検出器でpmol程度の除草剤を定量できる。
Luchtefeld116)は14種の尿素系除草剤をR王〕qHP
LC(分離カラム:Perisorb RP−18,溶離液:アセ
− 36 −
文 献
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