(1) 維管束植物

(1) 維管束植物
〔概要〕
シダ植物と種子植物の維管束植物で、絶滅のおそれのある種類は769種類である。その内訳は絶滅(EX)17
Ⅱ類(VU)196種類、準絶滅危惧(NT)108種類、情報不足(DD)54種類、地域個体群(LP)1種類で、
史前帰化植物を含めた県産在来自生種2,300種類の33.4%、およそ3種に1種が絶滅の危険性に脅かされているこ
とになる。
維 管束 植 物
種類、野生絶滅(EW)4種類、絶滅危惧ⅠA類(CR)184種類、絶滅危惧ⅠB類(EN)205種類、絶滅危惧
栽培状態で県内産の個体の存続が確認されている野生絶滅と絶滅を合わせた数は21種類と、県産在来自生種の
いない種類であることを考慮すると、少なくともこの倍に近い数がすでに絶滅しているものと思われる。旧版植
分類群別に県産在来自生種に占めるレッドリスト掲載種の割合をみると、被子植物の合弁花類が最も高く39.7
類
で絶滅していっていると考えられる。
苔
物誌で「絶滅」と判断されていたのがコシガヤホシクサ1種であったことを考慮すると、1年に1種を超す速度
蘚
わずか1%に満たないが、情報不足の54種類が過去に記録がありながら今回の調査を含め近年生育が確認されて
%、以下シダ植物39.4%、裸子植物38.5%、被子植物単子葉類35.6%、被子植物離弁花類26.2%の順である。科
はじめ、山野草として人気の高いラン科(98.5%)もあと一歩で100%に達する。
藻
別では水生植物や湿性植物のスイレン科、モウセンゴケ科、ミツガシワ科、タヌキモ科が100%に達しているのを
絶滅または野生絶滅と判断されたのは以下の21種類である。
コイヌワラビ(イワデンダ科)、クリハラン(ウラボシ科)、ジュンサイ(スイレン科)、アカモノ(ツツジ科)、
類
絶滅はヤチスギラン(ヒカゲノカズラ科)、ヤツガタケシノブ(ホウライシダ科)、イナデンダ(オシダ科)、ミヤ
ルリソウ(ムラサキ科)、ノタヌキモ、ミミカキグサ、コタヌキモ(以上タヌキモ科)、チシマギキョウ(キキョ
地
ウ科)、クサノオウバノギク(キク科)、コシガヤホシクサ(ホシクサ科)、サルメンエビネ(ラン科)、アツモリ
ソウ、ハクウンラン(ムライラン、イセラン)(以上ラン科)の17種類。野生絶滅はムジナモ(モウセンゴケ科)、
類
かつて、沼の埋め立てにより一旦は絶滅したオニバスが、農業用水路の改修工事を機に40年余の休眠を破って
衣
キンロバイ(バラ科)、ムラサキ(ムラサキ科)、キクガラクサ(ゴマノハグサ科)の4種類。
発芽してきた例もあり、これらの絶滅種が何かのきっかけで再び復活してくれることを願うばかりである。
生育地別にレッドリスト掲載種の数と旧版レッドデータブックと比較した増加率、及び在来自生種の数を比較
菌
してみた(表4)。カテゴリー毎に横に集計してみると実数を上回るが、これは複数の生育地に生育している種が
あるためで、例えばチャセンシダ科のオクタマシダは林内の岩場や樹幹に着生することから[森林]と[着生]
の2つの生育地で記録され、またラン科のアツモリソウは草原や疎林に生育することから[草原]と[森林]の
類
2つの生育地で記録されるなどである。
増加率が高かったのは農耕地や河原に生育する種で、150%上回っている。また路傍に生育する種も141%と高
い値である。これは身近な自然の中にも絶滅の危険が迫っていることを示しているものであると同時に、水中や
着生・岩れき地など以前よりレッドリスト掲載種の率が高かった生育地では、一般的な種類を除いて既に限界に
達しつつあることを物語っている。
水中に生育する種類は、農地拡大のための池沼の埋め立てなど生育空間の喪失という直接的な要因のほかに、
陸上で散布された除草剤の流入による農薬汚染、土砂や雑排水の流入による水質汚濁、ため池や水路の管理放棄
による有機物の堆積、地下水の汲み上げによる湧水の枯渇、草食性魚類の放流や外来水生生物の増加による食害、
水辺植生の遷移による被陰など生育環境の変化による影響を受け、在来自生種52種類中およそ8割にあたる42種
類が絶滅の危険性にさらされている。なかでも、バイカモ・ジュンサイ・ムジナモ・ノタヌキモ・コタヌキモの
5種類は、羽生市の宝蔵寺沼における自生地の復原などの努力がされているものの、厳密な意味での自生を見る
ことは既にできない。
次に絶滅のおそれのある種類の多いのは、岩壁や樹幹に着生するものである。ひとくちに「着生」と言っても
さまざまな形態があり、単に岩上に生育するものから樹幹内に根を下ろすもの(通常はこれを「寄生」と呼ぶ)
まである。ここでは岩壁や樹幹の表面に根を張り茎を伸ばして生育する、狭い意味での「着生」を指す。着生し
て生育する種類は乾燥に強く、園芸的にも管理が楽なことから園芸採取の的となってきた。また樹幹に着生植物
を宿らせるのは古樹・老木に多いことから、近年進行の著しい温暖化や小雨化による着生母樹の枯死や、酸性雨
に代表される大気汚染の進行などによって、急速にその生育環境が悪化している。在来自生種38種類中すでに6
割弱の22種類が絶滅の危機にさらされていて、ノキシノブなどの一般的な種を除けば、いずれも減少の傾向にある。
― 53 ―
生育地別の目録掲載種と在来自生種に占める率
生育地
維 管束 植 物
草原
湿地
海岸
河原
農耕地
森林
路傍
水中
着生
岩礫地
カテゴリー
EX
*
2
3
6
3
4
1
1
1
蘚
苔
EW
1
CR
40
36
1
8
4
81
7
7
12
27
EN
45
35
2
10
4
88
4
15
6
29
VU
58
32
2
9
5
88
9
7
3
23
NT
24
20
10
3
57
9
3
DD
16
13
20
2
6
1
3
類
LP
11
1
1
9
1
藻
小計
186
139
6
40
16
342
31
42
22
105
旧版
159
112
6
24
9
266
22
31
22
84
増加率
1.17
1.24
0
1.67
1.78
1.29
1.41
1.35
0
1.25
自生種
615
354
47
151
151
1153
325
52
38
206
類
*
カテゴリーはそれぞれ
VU=絶滅危惧Ⅱ類
EX=絶滅
EW=野生絶滅
NT=準絶滅危惧
地
表4
CR=絶滅危惧ⅠA類
DD=情報不足
LP=地域個体群
EN=絶滅危惧ⅠB類
である。
生育地別の目録掲載種と在来自生種に占める率
衣
れ き ち
類
3番目に絶滅のおそれのある種類の多いのは、岩・礫地に生育するものである。岩・礫地は森林や草原と異な
り、植物の生育にとってはきわめて条件の厳しい場所である。とりわけ石灰岩地や蛇紋岩地などアルカリ性の強
い基盤上には、腐食の堆積した酸性土壌を好む種は生育できない。このように競争が物理的に排除された場所で
菌
は、他種との競合から本来の生育地を追われた種類や気候の変動により行き場を失った種類、そして特殊な環境
の下で新たに分化または特殊化してきた種類など他では見られない種類が生育する。岩・礫地に生育する植物は
根が発達していて乾燥に強く、林内や草原に生育する近縁種より小形で花も目立つものが多いことから、園芸採
類
取の格好な的となっている。場所柄もあって開発の手からは逃れているが、石灰の採掘や登山者による踏みつけ、
さらには酸性雨による土壌の中和作用が遷移の進行を助けて、森林の形成による生育環境の破壊なども想定され
る。在来自生種206種類中5割にあたる105種類が絶滅の危機にさらされていて、すでに絶滅または野生絶滅の種
類はヤツガタケシノブ、イナデンダ、キンロバイ、チシマギキョウの4種類で、いずれも亜高山帯や石灰岩地の
岩場に生育する種類である。
最後に触れておきたいのは、湿地に生育するものである。湿地と一口に呼んでもさまざまなタイプのものがあ
る。「加須の浮野」に代表される高層湿原タイプのものは、貧栄養で未発達の土壌が大形抽水植物の侵入を妨げ、
湿原に特有の植物群落が形成されている。蓮田市の黒浜沼に代表される池沼タイプのものは、かつては県東部の
各地に点在していたが戦中から戦後にかけて埋め立てられたものが多い。行田市の小針沼で、埋め立てによりオ
ニバスをはじめ多くの浮葉植物や抽水植物・浮遊植物が失われたのはその一例である。所沢の三ヶ島湿原に代表
される湧水と谷津の複合したものは、外秩父の山裾から丘陵・台地の谷間に点在し谷津田を形成していたが、減
反の最初の標的となって休耕田からヨシ原へと遷移しつつある。八丁湖周辺の湿地に代表されるため池起源のも
のは、ハンノキの侵入も見られるようになり遷移も進んできたが、ため池自体の利用目的の変化により周囲の植
生は必ずしも安定したものではない。日高市の仙女ヶ池の食虫植物群落が水没によって失われたのはその一例で
ある。河川の旧流路や河川敷に形成された湿地は、河川改修や埋め立てにより失われやすい。渡良瀬遊水地では
大規模な河川改修により広大な面積の湿地が失われたし、朝霞水門の建設によりトダスゲをはじめとする湿地の
植物がその本来の生育地を追われたのは記憶に新しいところである。湿地に生育する在来自生種354種類中約39
%にあたる139種類が絶滅の危機にさらされている。既に絶滅したものはヤチスギラン、ミミカキグサ、コシガヤ
ホシクサの3種類である。
― 54 ―
〔マツバラン科〕
〔和名〕マツバラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Psilotum nudum (L.) Beauv.
緑色無毛で、二叉分岐を繰り返す。分岐面は一回毎に
琉球、小笠原。国外では東アジア~東南アジア、南ア
90°ずつ変化し、植物体は立体的になる。古くから園
ジア、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オセアニ
芸植物として多数の品種が作られている。胞子は二面
ア。亜熱帯から暖温帯にかけて生育する。暖地では樹
体型。
幹などに着生するが、本県では秩父地域の岩壁の割れ
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
目に少数個体が生育する。
【減少の要因】園芸採取。
【形態の特徴】葉と根を欠く原始的な植物である。茎は
維 管束 植 物
【摘要】本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島・種子島、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
蘚
全国カテゴリー
類
〔和名〕アスヒカズラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
苔
〔ヒカゲノカズラ科〕
〔学名〕Lycopodium complanatum L.
ほうしのうすい
で裏面は淡緑色をなし、4列に並ぶ。胞子嚢穂は1~
国外では北アジア、東アジア、ヨーロッパ、北アメリ
5個つく。胞子は四面体型で、晩夏~秋に熟す。和名
カ。中間温帯から冷温帯に広く分布し、向陽地に生じ
る。本県では秩父山地の高所に見られる。
は小枝がアスナロの小枝に似ることによる。
藻
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島。
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
ほふくけい
らに分岐する。直立茎は高さ10~30cmで斜上または直
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
【形態の特徴】匍匐茎は地中または地表を長くはい、疎
立し、扇状に分岐することが多い。葉は表面は鮮緑色
地
〔和名〕スギラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Lycopodium cryptomerinum Maxim.
国外では東アジア、インド。中間温帯に分布し、多く
生し、長さ1~2cmで、中央部が最も長く2mm以内で
は樹上に着生するがときに岩上にややまれに生じる。
ある。胞子嚢穂はつくらない。
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
本県では秩父山地にまれに見られる。
【形態の特徴】茎は1~3回ほど分岐し斜上するが、大
〔ヒカゲノカズラ科〕
〔和名〕ヤチスギラン
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Lycopodium inundatum L.
胞子は四面体型で、夏に熟す。
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。国外では北半球の温
【生活形】多年草で地表植物。
帯。寒地、高地の湿地に生育する。
【形態の特徴】匍匐茎は湿地の地表をはい、疎らに分枝
【減少の要因】情報不足。
し、冬には匍匐茎の先端部を除いてほとんどの部分が
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。そ
枯死する。
胞子嚢穂は直立茎の頂端部に1~2個つく。
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
〔ヒカゲノカズラ科〕
〔和名〕マンネンスギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Lycopodium obscurum L.
葉を密生し、枝の先端に胞子嚢穂を多数つける。胞子
【摘要】
沖縄を除く日本各地の温帯を中心に広く分布し、
は四面体型で、晩夏~秋に熟す。
向陽地の地上に生じ、岩上にも生じる。本県では奥秩
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
父の山地にややまれに見られる。
【形態の特徴】茎の主軸は地中を長くはい、疎らに分岐
する。側枝は直立茎となり地上に伸び、上半部で多数
【減少の要因】森林伐採、踏みつけ。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
分岐して高さ10~30cmの樹木状になる。線形の小さな
― 55 ―
録がある。
類
型のものでは上部は反転して下垂することがある。線
菌
状披針形~狭被針形の葉が開出または斜上して茎に密
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島。
衣
〔ヒカゲノカズラ科〕
〔イワヒバ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕エゾノヒメクラマゴケ
全国カテゴリー
〔学名〕Selaginella helvetica (L.) Link
でないことがある。胞子は四面体で、夏に熟す。
【摘要】北海道、本州。ユーラシア大陸の温帯。高山の
維 管束 植 物
【生活形】常緑性の多年草で半地中植物。
草原に生える。
【形態の特徴】主茎と側枝の区別が明瞭でなく、もつれ
合ってマット状になる。腹葉は卵状で鈍頭。背葉は斜
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録があるが、
同定ミスの可能性が高い。
上してつき、狭卵形で微鋸歯がある。胞子嚢穂は明瞭
蘚
〔イワヒバ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
苔
〔和名〕タチクラマゴケ
全国カテゴリー
〔学名〕Selaginella nipponica Franch. et Sav.
類
はほぼ左右相称で、直立した茎につく。匍匐した茎だ
【摘要】本州(東北地方南部以西)
、四国、九州、屋久島
けが越冬する。
・種子島。国外では東アジア~東南アジア。暖温帯に
藻
分布し、
山麓や路傍の日の当たる斜面や石垣に生じる。
【生活形】多年草で半地中植物。
本県では入間・北足立北部地域に見られる。
【減少の要因】不明。
【形態の特徴】茎は匍匐して、マット状になることが多
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。しかしその後発見されていない。
い。栄養葉は二形をなし、腹葉は左右不整な広卵形で、
類
背葉はやや不整な狭卵形でややまばらにつく。胞子葉
〔イワヒバ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
衣
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。国外では東アジア、
い線状披針形で長さ1mmほど。胞子嚢穂は小枝の先端
北アメリカ中北部~グリーンランド。中間温帯の森林
に一つずつ生じる。胞子は四面体型で大胞子、小胞子
に分布し、やや湿った岩上や岩隙に着生する。本県で
の二形がある。
類
地
〔和名〕ヒモカズラ
〔学名〕Selaginella shakotanensis (Franch. ex Takeda) Miyabe et Kudo
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
は秩父地域の山地に見られる。
菌
【形態の特徴】茎は短くはい、多数分岐し、重なり合っ
類
〔イワヒバ科〕
てマット状になる。濃緑色の葉は全て同形で、やや硬
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヤマクラマゴケ
全国カテゴリー
〔学名〕Selaginella tama-montana Serizawa
瞭でない。胞子葉も二形をなすが、両者ともに左右相
【摘要】関東地方の石灰岩上に固有で、本県では秩父地
称である。胞子は四面体型で、大胞子、小胞子の二形
域の石灰岩上にまれに生じる。
がある。
【形態の特徴】タチクラマゴケによく似ている。主茎は
匍匐して疎らに分岐し、ところどころに担根体を生じ
【生活形】多年草で半地中植物。
る。葉は二形をなし、腹葉は歪んだ卵形で鋭頭、背葉
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
はより小さな卵形で鋭尖頭である。胞子嚢穂は一見明
〔ミズニラ科〕
〔和名〕ミズニラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Isoetes japonica A. Braun
四面体型で、大胞子、小胞子の二形があり、秋に熟す。
【摘要】北海道、本州(関東以西)、四国、九州。国外で
は東アジア。暖温帯の池沼、川底、まれに湿地に生育
【生活形】多年草で水湿植物。
する。本県では、比企・入間地域の谷地の湧水地、お
【減少の要因】池沼開発、湿地開発、農薬汚染、自然遷
移。
よび東部地域の湿地に生育する。
【形態の特徴】塊茎は径2~3cmほどで、中心から放射
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・比企郡市に記
状にでる3本の溝で三分される。葉はニラに似た円柱
状で、長さは水深などにより大きく変化する。胞子は
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録がある。
〔ハナヤスリ科〕
〔和名〕ヒメハナワラビ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Botrychium lunaria (L.) Sw.
に熟す。
【摘要】北海道、本州の高山帯。国外では北半球の温帯、
【生活形】多年草で地中植物。
日のよく当たる高山の草原や岩場にまれに生育する。
【減少の要因】不明。
【形態の特徴】1年に1枚の小型の葉を出す。栄養葉は
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。生
単羽状。扇形でほとんど無柄の羽片が3~5対ある。
育地として、秩父山地亜高山帯より上部の石灰岩上・
胞子葉は穂状~円錐状で小さい。胞子は四面体で、夏
岩壁があげられている。
全国カテゴリー
苔
〔和名〕アカハナワラビ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Botrychium nipponicum Makino
枯死する。胞子は球形の四面体型で、冬から初春に熟
見られる。
す。和名は栄養葉が冬に紅葉することによる。
養葉の葉身は三出的に3回羽状に裂ける。胞子葉は栄
【生活形】多年草で地中植物。
藻
養葉よりもはるかに長く突出し、胞子を放出した後に
はややまれである。本県では比企・入間地域の山地に
類
【摘要】東北地方中部から九州まで分布するが、暖地で
【形態の特徴】根茎は直立し、年に1枚の葉を出す。栄
蘚
〔ハナヤスリ科〕
維 管束 植 物
オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン。
【減少の要因】森林伐採。動物食害。
類
〔ハナヤスリ科〕
〔和名〕トネハナヤスリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕0phiog1ossum namegatae Nishida et Kurita
でも生育が確認された。
胞子葉は長さ6~15cm、穂の長さは1.5~3.5cm。コヒ
ロハハナヤスリに非常によく似ている。
【形態の特徴】4月から5月くらいまで葉を出している
【生活形】多年草で地中植物。
高さの葉をまばらに出す。栄養葉は広披針形から卵状
【減少の要因】河川開発、埋め立て。
三角形で鋭頭から円頭、長さ2.5~11cm、幅1~4cm、
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕コヒロハハナヤスリ(フジハナヤスリ)
全国カテゴリー
〔学名〕Ophioglossum petiolatum Hook.
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州、琉球、小笠原。
円形~広卵形で先端は鋭~鈍頭で基部は切形で短い柄
国外では東アジア、南アジア、東南アジア、アフリカ、
をもつ。葉質は薄い紙質~草質。胞子葉は栄養葉より
北アメリカ、南アメリカ、オセアニア。暖温帯に分布
も細長い。胞子嚢穂の長さは2~4.5cm。胞子は球形の
し、草原、山野の路傍にしばしば群生し、人里近くに
四面体型で、初夏に熟す。
も生じる。本県では児玉、北足立地域にまれに見られ
【生活形】多年草で地中植物。
る。
【減少の要因】ゴルフ場、自然遷移。
【形態の特徴】年に1~3枚の葉を出す。栄養葉は長楕
〔ハナヤスリ科〕
〔和名〕コハナヤスリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Ophioglossum thermale Komarov var. nipponicum (Miyabe et Kudo) Nishida
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球、小笠原。国
先端は鋭頭をなし、最広部が基部寄りであることなど
外では東アジア。暖温帯から中間温帯にかけての内陸
で区別されるが、中間形が多く、これらの形質だけで
のやや乾燥した草地および路傍に生育する。本県では
の明瞭な区別は困難な場合が多い。胞子は球形の四面
体型で、初夏に熟す。
まれな植物である。
【形態の特徴】母種と比べて生育地の違いの他に、典型
的なものでは栄養葉はやや大型の長楕円形~卵形で、
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】自然遷移。
― 57 ―
類
〔ハナヤスリ科〕
菌
が、夏には枯れる。根茎は地面を這って、8~25cmの
類
脈は細かい網目をつくり、
二次脈もはっきりしている。
衣
利根川の氾濫原に群生する小形の草本で、最近、本県
地
基部はくさび形で長さ1~3cmの葉柄に流れ込む。葉
【摘要】利根川流域で希に見られる関東地方の固有種。
【特記事項】旧版植物誌には南埼玉郡市に記録がある。
〔ハナヤスリ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
維 管束 植 物
〔和名〕ヒロハハナヤスリ
全国カテゴリー
〔学名〕0phiog1ossum vulgatum L.
【摘要】北海道から九州までの各地に分布。国外では北
広披針形から広卵形。基部は切形から心形で胞子葉の
半球の温帯に広く分布する。山地の林床や林縁、山麓
柄を包む。葉脈は細かい網目をつくり、二次脈もはっ
の原野などにしばしば群生する小形の草本。
きりしている。胞子葉は長さ10~20cm、穂の長さは3
cmをこえることもある。
【形態の特徴】4月ごろから葉をだし、6月には胞子が
蘚
苔
成熟して夏には枯れる。根茎はあまり発達せず短い円
【生活形】多年草で地中植物。
柱状。直立して根をまばらに生じ、高さ10~30cmの葉
【減少の要因】埋め立て、踏みつけ。
を年に1枚出す。
栄養葉は長さ6~12cm、
幅2.5~7cm、
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
類
〔ゼンマイ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヤマドリゼンマイ
全国カテゴリー
〔学名〕Osmunda cinnamomea L.
藻
類
【摘要】北海道から屋久島まで分布し、山地の湿原に群
先に出る。栄養葉は2回羽状に深裂し、長さ30~80cm
生することが多い。本県では秩父・児玉・比企地域の
に達する。胞子はゼンマイと同じで、晩春~初夏に熟
山地林下に見られる。
す。
【形態の特徴】一見するとゼンマイの仲間には似ていな
【生活形】多年草で地中植物。
地
い。根茎は短くはい、相接して葉を出すので叢生のよ
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
うに見える。芽立ちは赤褐色の綿毛に包まれているが、
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉郡市に記録があ
る。
成葉はほとんど裸出する。葉は二形をなし、胞子葉が
衣
類
〔ゼンマイ科〕
〔和名〕ヤシャゼンマイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Osmunda lancea Thunb.
菌
基部は左右相称で短い柄がつくことが多い。胞子は前
【摘要】日本固有のシダで、北海道から九州東部に分布
種と同じ。
し、渓流沿いの水しぶきのかかるような場所の崖や岩
類
上に生育する。典型的な渓流沿い植物である。本県で
【生活形】多年草で地中植物。
は秩父・児玉・比企・入間地域に見られ、場所によっ
【減少の要因】河川開発、動物食害。
ては、渓流中の岩上にも生じる。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・入間郡市に記
録がある。
【形態の特徴】ゼンマイよりも小型で、栄養葉はやや厚
く、小羽片は狭披針形で、先端部も基部も鋭尖形で、
〔キジノオシダ科〕
〔和名〕オオキジノオ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Plagiogyria euphlebia (Kunze) Mett.
は鋸歯があり、他の部分は波状縁。下部の羽片は有柄。
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島、
胞子は四面体型で、夏に熟す。
奄美大島。国外では東アジア、南アジア、東南アジア。
暖温帯の山地林下に生育し、前種よりもやや寒い所ま
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
で生じる。
本県では比企地域に極めてまれに見られる。
【減少の要因】森林伐採、その他(標本採取)。
【形態の特徴】葉は二形をなし、胞子葉は細くて長い。
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間郡市に記録があ
る。
栄養葉の大きなものは2mに達する。
羽片は革質で先端
〔キジノオシダ科〕
〔和名〕キジノオシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Plagiogyria japonica Nakai
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、奄美大島。
国外では東アジア。暖温帯の山地林下に生育し、暖地
ほど多い。
本県では比企地域に極めてまれに見られる。
【形態の特徴】葉は二形をなし、胞子葉は栄養葉よりも
― 58 ―
ずっと細くて長い。栄養葉は長さ20~80cmで、単羽状
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
に裂ける。葉柄と中軸の背面は丸い。羽片は無柄で、
【減少の要因】森林伐採、その他(標本採取)。
鎌形には曲がらない。上部の羽片は徐々に狭まり、頂
【特記事項】旧版植物誌には比企郡市に記録がある。
羽片は明瞭である。胞子は四面体型で、夏に熟す。
〔和名〕コシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Dicranopteris linearis (Burm. f.) Underw.
外では東アジア、東南アジア、インド。亜熱帯から暖
葉裏に生じ、包膜を欠き、数~15個の胞子嚢が集まっ
温帯にかけての草原、路傍および山麓や山地の日当た
ている。胞子は白黄色の四面体型で、晩夏から初秋に
りのよい場所に群生する。本県では、比企・入間地域
熟す。茎は細工物の材料にされる。
他の中軸枝の副枝は葉状になり、羽状に深裂する。裏
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
類
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
に極めてまれに見られる。
【形態の特徴】葉はほぼ等分に分岐し、最終の中軸枝と
苔
面は白色で、赤褐色の毛がまばらにある。胞子嚢群は
蘚
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、琉球。国
維 管束 植 物
〔ウラジロ科〕
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
藻
〔ウラジロ科〕
〔和名〕ウラジロ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Gleichenia japonica Spring
外では東アジア、南アジア、東南アジア。亜熱帯から
する。胞子は黄色の四面体型で、夏に熟す。一対の羽
暖温帯の草原、路傍および山麓や山地の日当たりのよ
片を正月の鏡餅などの内飾りに用いる。細工物の材料
にされる。
い場所に群生する。本県では大里・比企・入間地域に
地面への日光を遮断するので、植物群落の遷移を妨げ
【減少の要因】山林開発。
類
【形態の特徴】九州などでは森林代採の跡地にはびこり
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
衣
ややまれに見られる。
地
伸ばし、それより上の羽片は芽の形で次の年まで休眠
類
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、琉球。国
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
ている場所が多く見られる。1年に一対の羽片だけを
菌
〔コケシノブ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Crepidomanes latealatum (Bosch) Copel.
類
〔和名〕アオホラゴケ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
胞子嚢群は裂片に頂生する。包膜の基部は釣鐘形だが
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、琉球。国
上半部は二弁状。胞子は四面体型で、ほぼ1年中次々
外では東アジア、南アジア、東南アジア、ポリネシア。
と熟す。
亜熱帯から暖温帯にかけての低山の林下の湿った岩上
やコケの生えた樹幹に着生する。本県では秩父・比企
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
地域にややまれに見られる。
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
【形態の特徴】根茎は長くはい、黒色毛を密生する。葉
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
る。
身は卵状長楕円形~三角状楕円形で2~3回羽状に裂
ける。裂片には偽脈がある。葉柄には狭い翼がある。
〔コケシノブ科〕
〔和名〕ハイホラゴケ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Crepidomanes birmanicum (Bedd.) K. Iwats.
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島、
嚢群は裂片に頂生し、包膜はコップ状で、縁はわずか
琉球、小笠原。国外では東アジア、東南アジア。暖温
に反転する。胞子は四面体型で、ほば1年中次々と熟
す。
帯の陰湿な林下の川沿いや崖などに生じる。本県では
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
比企・入間地域にややまれに見られる。
【形態の特徴】根茎は長くはい、黒色毛を密生する。葉
身は卵状披針形~倒長楕円形で2~3回羽状に細かく
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
裂ける。葉柄には翼がある。葉質は非常に薄い。胞子
― 59 ―
る。
〔コケシノブ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕チチブホラゴケ
全国カテゴリー
〔学名〕Crepidomanes schmidtianum (Zenker ex Tasch.) K. Iwats.
維 管束 植 物
【摘要】東北南部から九州中部まで分布し、深山の陰湿
葉質は非常に薄い。胞子嚢群は葉身基部付近の羽片に
な岩上に着生する。本県では秩父・児玉・入間地域に
頂生し、包膜はコップ状。胞子は四面体型で、ほぼ1
年中次々と熟す。
見られる。
【形態の特徴】根茎は長くはい、褐色毛を密生する。葉
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
身は長さ1.5~7cmで2回羽状に深裂し、
大きさや形は
【減少の要因】森林伐採、自然遷移。
変異が大きい。裂片は互いに重なり合うことが多い。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
蘚
〔コケシノブ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
苔
〔和名〕キヨスミコケシノブ
全国カテゴリー
〔学名〕Hymenophyllum oligosorum Makino
類
藻
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島。
~5.7cmで非常に薄く、卵状長楕円形~卵状披針形で、
国外では東アジア。暖温帯から中間温帯にかけての林
裏面の軸上には淡褐色の多細胞毛がある。葉柄に翼は
下の樹幹上、まれに岩上に着生する。本県では入間地
ない。胞子嚢群は裂片に頂生し、包膜は二弁状。胞子
は四面体型で、1年中次々と熟す。
域にまれに見られる。
【形態の特徴】マット状に密生することが多い。根茎は
類
細い針金状で長くはい、密に葉を出す。葉身は長さ2.8
〔コバノイシカグマ科〕
【生活形】多年草で着生植物。
【減少の要因】森林伐採、その他(標本採取、湿度低下)
。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
地
〔和名〕コバノイシカグマ
衣
【摘要】東北地方南部から九州まで分布し、山地林下に
全国カテゴリー
〔学名〕Dennstaedtia scabra (Wall. ex Hook.) Moore
生。最下の羽片は最大で三角状をなす。中軸は赤褐色。
類
群生することが多い。本県では比企・入間地域にやや
胞子嚢群は葉縁につき、包膜はコップ状。胞子は四面
まれに見られる。
体型で、夏に熟す。
【形態の特徴】植物体全体に粗い毛があり、毛が脱落し
【生活形】常緑または夏緑の半地中植物
菌
た跡はざらつく。根茎は長くはい、1cmほどの間隔で
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
葉を生じる。葉身は三角状長楕円形で3~4回羽状複
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
類
〔コバノイシカグマ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔和名〕オオフジシダ
〔学名〕Monachosorum flagellare (Maxim. ex Makino) Hayata
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
表面は無毛で、裏面は毛があることがある。葉先が伸
ア。暖温帯から中間温帯にかけての林下の地上、岩上
びて芽(不定芽)をつけることがある。胞子嚢群は円
に群生することが多い。本県では秩父地域に極めてま
形。胞子は四面体型で、夏に熟す。
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
れに見られる。
【形態の特徴】根茎は斜上し、葉をら旋状につける。葉
【減少の要因】産地極限。
身は三角状広披針形の薄い草質。2~3回羽状複生。
〔コバノイシカグマ科〕
〔和名〕フジシダ
埼玉カテゴリー 地域個体群
全国カテゴリー
〔学名〕Monachosorum maximowiczii (Baker) Hayata
緑色だが、乾燥標本では黒味を帯びる。胞子嚢群は小
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島。
型の円形。胞子は四面体型で、夏に熟す。
国外では東アジア。暖温帯から中間温帯にかけての、
やや空中湿度が高い山地林下の地上または岩上に群生
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
する。本県では秩父・入間地域にまれに見られる。
【減少の要因】産地極限、動物食害。
【形態の特徴】根茎は斜上し、微細な毛がある。葉身は
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
単羽状複生し、線状披針形で、葉先きはつる状に長く
のびて先端部に芽(不定芽)を生じる。葉は生時は濃
― 60 ―
録がある。
〔ホングウシダ科〕
〔和名〕ホラシノブ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Sphenomeris chinensis (L.) Maxon
色もある。葉柄基部は褐色又は赤色。本県では冬に紅
琉球、小笠原。国外では東アジア、東南アジア、イン
葉する。胞膜の長さは胞子嚢群の長さに応じて変化す
ド、ポリネシア、アフリカ。暖温帯の林下の日当たり
る。胞子嚢群は裂片の縁に生じる。胞子は二面体型で、
のよいやや乾燥した場所に生じる。本県では比企・入
夏に熟す。
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
間・埼葛地域にややまれに見られる。
【形態の特徴】根茎は短くはい、葉を叢生状につける。
葉身は革質で厚く、3~4回羽状複葉で長楕円状披針
維 管束 植 物
【摘要】本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島・種子島、
【減少の要因】山林開発。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
蘚
録がある。
形をなし、表面は黄緑~緑色のものが多いが、帯紅紫
苔
〔和名〕ミズワラビ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
類
〔ホウライシダ科〕
〔学名〕Ceratopteris thalictroides (L.) Brongn.
鹿の角状の葉になる。胞子は四面体型で、晩秋から初
東アジア、南アジア、東南アジア、オセアニア、南米
冬に熟す。東南アジアではサラダとして生食する。熱
北部、北米南部~中央アメリカ、アフリカ。亜熱帯か
帯魚の水槽に入れるのは南米産の別種である。
【生活形】1年草で水湿植物。
地ほど多い。本県では東部、東北部を中心に見られ
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、水質汚濁、農薬汚
類
ら暖温帯にかけての水田、水路、沼地などに生じ、暖
藻
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、琉球。国外では
染。
る。
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・入間・北足立
・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
夏に出て、2~3回羽状に深裂し、暖地のものほど大
地
【形態の特徴】葉質は薄い。葉は二形をなし、栄養葉は
衣
型で細かく切れ込む傾向がある。胞子葉は秋に出て、
類
〔ホウライシダ科〕
〔和名〕ヒメウラジロ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Cheilanthes argentea (S. G. Gmel.) Kunze
胞子嚢群は長く合着し偽胞膜に包まれる。胞子は四面
にかけての山地のやや乾燥した岩上に生じる。低地の
体型で、夏から秋に熟す。
路傍の石垣などにも生じる。本県では秩父・児玉・大
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
里・入間地域に見られる。
【減少の要因】園芸採取。
【形態の特徴】葉身は五角形状で、最下の羽片は羽状に
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企郡
市に記録がある。
深裂し、特に後側が大きくなる。その他の羽片は中軸
〔ホウライシダ科〕
〔和名〕イワウラジロ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Cheilanthes krameri Franch. et Sav.
長い。包膜は胞子嚢群毎に切れ、連続しない。胞子は
【摘要】本州(関東)
。中間温帯の山地の日の当たる石灰
四面体型で、夏に熟す。
岩上にまれに生じる。本県では秩父地域にまれに見ら
れるが、主な生育地が石灰岩採掘により破壊されてい
【生活形】多年草で半地中植物。
る。
【減少の要因】石灰採掘、踏みつけ。
【形態の特徴】日本固有のシダ。ミヤマウラジロに似る
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
が、より小型であり、葉身は卵状三角形で、葉柄より
― 61 ―
類
東アジア、南アジア、東南アジア。暖温帯から冷温帯
菌
と合着し、狭い翼となる。裏面には粉白毛があり白い。
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では北アジア、
〔ホウライシダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅
〔和名〕ヤツガタケシノブ
全国カテゴリー
〔学名〕Cryptogramma stelleri (S. G. Gmel.) Prantl
した葉縁で包まれる。胞子は四面体型で、夏に熟す。
【摘要】本州中部の高山帯。国外ではシベリア~中国、
維 管束 植 物
ヒマラヤ、台湾の高山、北アメリカ、ヨーロッパ。高
【生活形】多年草で着生植物。
山帯の湿った岩上にコケに混じって生える。
【減少の要因】情報不足。
【形態の特徴】葉は二形をなし、胞子葉は細長い。栄養
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。そ
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
葉の下部の羽片は三出状に分岐する。胞子嚢群は反転
蘚
〔シシラン科〕
苔
〔和名〕シシラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Vittaria flexuosa Fee
類
【摘要】関東地方から沖縄県まで分布し、山地の岩上、
革質。胞子嚢群は先端部を除く上半部の葉縁近くの溝
樹幹、崖などに垂れ下がって生じ、暖地に多い。本県
に沿って長く生じる。胞子は四面体型で、夏に熟す。
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
では秩父・比企・入間地域にややまれに見られる。
藻
【形態の特徴】根茎は短くはい、線状の長い単葉を込み
合ってつける。葉は長さ15~45cm、幅4~8cmで先端
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、産地極限。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉郡市に記録があ
る。
は細く尖り、基部は翼となって葉柄に流れる。葉質は
類
〔イノモトソウ科〕
〔和名〕アマクサシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Pteris dispar Kunze
地
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
の裂片は小さい。葉柄は赤褐色で光沢がある。胞子嚢
衣
島・種子島、琉球。国外では東アジア。暖温帯の山麓
群は裂片の両側に長い線状につく。裂片の縁が内側へ
類
や集落近くのやや乾燥した場所に多く、暖地では普通
折れ曲がり偽包膜となる。胞子は四面体型で、夏に熟
す。
である。本県では入間地域に極めてまれに見られる。
【形態の特徴】葉は3~6対の側羽片と頂羽片からなり、
菌
頂羽片は羽状に全裂する。側羽片は全裂するが、前側
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採、その他(採取)
。
類
〔イノモトソウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕オオバノハチジョウシダ
〔学名〕Pteris excelsa Gaudich.
全国カテゴリー
【摘要】本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島・種子島。
全裂。
胞子嚢群がつかない部分の葉縁には鋸歯がある。
国外では東アジア、南アジア、東南アジア、オセアニ
小羽片は線状三角形でやや鎌形になる。胞子嚢群は裂
ア。暖温帯の山地林下の空中湿度のやや高い陰湿な場
片の両側に長い線状につく。胞子は四面体型で、夏に
熟す。
所に生じ、群生することが多い。本県では入間地域に
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
極めてまれに見られる。
【形態の特徴】折ると青臭い臭いがする。葉は2回羽状
〔チャセンシダ科〕
〔和名〕ヒメイワトラノオ
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Asplenium capillipes Makino
部には疎らな突起がある。胞子は二面体型で、夏に熟
【摘要】北海道、本州(近畿以北)、四国、九州。国外で
す。
は東アジア、ヒマラヤ。温帯上部から亜高山帯を中心
に、山地の湿った石灰岩上にまれに生じる。本県では
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
秩父地域にややまれに見られる。
【減少の要因】森林伐採、河川開発、道路工事、動物食
害。
【形態の特徴】葉は地面に接して叢生し、葉身と葉柄は
ほば同長で、中軸には不定芽がつくことで区別される。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
胞子嚢群は楕円形で、裂片に1~3個つく。鱗片の基
― 62 ―
る。
〔チャセンシダ科〕
〔和名〕トキワトラノオ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Asplenium pekinense Hance
葉柄はより短いことなどで区別される。しかし、鱗片
琉球。国外では北アジア、東アジア。暖温帯から中間
は褐色であり、付着点に褐色の毛が密生すること以外
には明瞭な区別はできない。
温帯にかけての、山地のやや日の当たる路傍の岩上や
石垣に生じる。本県では児玉地域にまれに見られる。
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
【形態の特徴】典型的なものでは、葉身はより厚めでや
【減少の要因】土地造成、道路工事。
や光沢があり、幅がより広くて、最下羽片が短くなり、
埼玉カテゴリー 情報不足
〔学名〕Asplenium prolongatum Hook.
部、九州、屋久島・種子島。国外では東アジア、東南
【生活形】常緑の多年草で着生植物。つるを伸ばして無
複生。中軸の先端は2~6cmほど伸び、先端に不定芽
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。し
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
地
〔学名〕Asplenium pseudo-wilfordii Tagawa
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
に生育する。
【形態の特徴】アオガネシダに似るが、葉質はより厚く、
【減少の要因】情報不足。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
ので両側はほぼ平行し、胞子嚢群がやや長いことなど
〔和名〕クモノスシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Asplenium ruprechtii Kurata
~5mmほどで、やや不規則に葉裏に散在する。胞子は
【摘要】北海道から九州まで広く分布し、通常石灰岩上
二面体型で、夏の早い時期に熟す。
に生じるが、安山岩や時に地上にも生じる。本県では
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
秩父・児玉・比企地域に見られる。
【形態の特徴】葉身は単葉で、先端は徐々に狭まり、つ
る状に長く伸び、その先端近くに不定芽を生じる。葉
【減少の要因】石灰採掘、自然遷移、踏みつけ。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉、比企、入間郡
市に記録がある。
脈は疎らに結合して網目を生じる。胞子嚢群は長さ1
〔チャセンシダ科〕
〔和名〕イチョウシダ
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Asplenium ruta-muraria L.
子嚢群は長さ1~3mmの線形で、裂片の中央部に集ま
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
る。胞子は二面体型で、夏の早い時期に熟す。
東アジア、ヒマラヤ、ヨーロッパ。暖温帯から中間温
帯にかけての林中、またはやや裸出した石灰岩の隙間
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
に生じる。本県では秩父地域に見られる。
【減少の要因】石灰採掘、踏みつけ、動物食害。
【形態の特徴】根茎は短くはい、数枚の葉をつける。葉
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。生
は厚く、通常2回羽状に分岐するが、小さな葉は単羽
育地として、秩父山地の石灰岩地があげられている。
状である。裂片は菱形~倒卵形で基部はくさび形。胞
― 63 ―
類
〔チャセンシダ科〕
菌
葉身は広披針形~狭五角形をなし、基部が狭まらない
類
す。
外では中国。山地林下の陰地の岩上や樹幹にややまれ
衣
で区別される。胞子は二面体型で、夏の早い時期に熟
【摘要】本州(東北地方南部以南)
、四国南部、九州。国
類
かしその後発見されていない。
をつける。胞子嚢群は各裂片に1個ずつつき、包膜葉
〔チャセンシダ科〕
藻
性生殖をする。
アジア。山地林下の陰湿な岩上に群生する。
【形態の特徴】葉身は狭長楕円形~披針形で、2回羽状
類
線形。胞子は二面体型で、夏に熟す。
【摘要】本州(伊豆半島・紀伊半島)
、伊豆諸島、四国南
〔和名〕オクタマシダ
全国カテゴリー
苔
〔和名〕ヒノキシダ
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
蘚
〔チャセンシダ科〕
維 管束 植 物
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島、
〔チャセンシダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕アオチャセンシダ
全国カテゴリー
〔学名〕Asplenium viride Huds.
維 管束 植 物
【摘要】北海道、本州(関東・中部)
。国外では北アジア、
で単羽状に分岐し、10~17対の羽片をつける。葉柄は
東アジア、ヒマラヤ、ヨーロッパ、北アメリカ。北半
基部を除いて緑色である。胞子嚢群は羽片の中肋寄り
に1~6個つく。胞子は二面体型で、夏に熟す。
球の温帯に広く分布し、亜高山帯の林中の通常石灰岩
の裂け目にややまれに生じる。本県では秩父地域の高
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
所で見られる。
【減少の要因】石灰採掘。
【形態の特徴】葉はやや厚く、葉身は緑色の線状披針形
蘚
〔チャセンシダ科〕
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 情報不足
苔
〔和名〕アオガネシダ
全国カテゴリー
〔学名〕Asplenium wilfordii Mett. ex Kuhn
類
~3個が接近してつく。胞子は二面体型で、夏の早い
【摘要】本州の暖地、四国、九州、屋久島・種子島、琉
時期に熟す。
球。国外では朝鮮、中国、台湾。山地林下の樹幹や岩
藻
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
上に生える。
【形態の特徴】葉身は広披針形~狭楕円形で、2~4回
羽状に細かく裂け、8~10対の羽片をつける。葉柄の
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。し
類
かしその後発見されていない。
表側は暗緑色で裏側は黒褐色を呈する。胞子嚢群は2
〔シシガシラ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
衣
【摘要】本州(東北地方南部以南)
、四国、九州、屋久島
ので“子持シダ’と呼ばれる。不定芽は自然状態では
・種子島、琉球、小笠原。国外では東アジア、ヒマラ
自力で殖えるのかも知れぬが、培養条件下ではほとん
ヤ。暖温帯の山地、山麓、海岸近くの崖や岩壁などに
ど全てが枯死する。胞子の形質は前種に同じ。
類
地
〔和名〕コモチシダ
〔学名〕Woodwardia orientalis Sw.
菌
垂れ下がって生じる。本県では比企・埼葛地域にまれ
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
に見られる。
【減少の要因】生育地の乾燥。
【形態の特徴】根茎や葉の基部には褐色でやや光沢のあ
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
る鱗片をつける。葉の表面には多数の不定芽をつける
類
〔オシダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔和名〕オオカナワラビ(カナワラビ)
〔学名〕Arachniodes amabilis (Blume) Tindale var. fimbriata K. Iwats.
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島、
のが多い。下部の羽片の最下小羽片は全裂することが
琉球。国外では東アジア、東南アジア、南アジア。暖
多く、最下羽片では特に著しい。包膜は円腎形で縁に
温帯の山地林下のやや湿った場所に生じる。本県では
は突起があり、ときに毛や腺毛がある。胞子は二面体
型で、夏に熟す。
比企・入間地域にまれに見られる。
【形態の特徴】葉身は2回羽状複生し、頂羽片は側羽片
とほば同形で、側羽片は5~10対で基部が最も広いも
〔オシダ科〕
〔和名〕ホソバカナワラビ
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA
全国カテゴリー
〔学名〕Arachniodes aristata (G. Forst.) Tindale
る。
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
島・種子島、琉球。国外では東アジア、東南アジア、
【形態の特徴】葉は二形をなし、胞子葉の方が長い。葉
南アジア、オセアニア。暖温帯の海岸近くから内陸ま
身は3回羽状に裂け(小さい葉では2回羽状)、先端部
でのやや乾燥した山地の林床や林縁に生じ、群生する
は急に細くなり頂羽片状になる。最下羽片の後側の小
ことが多い。本県では比企地域に極めてまれに見られ
羽片は著しく長く伸びる。胞子嚢群は円腎形で全縁。
― 64 ―
胞子は二面体型で、夏の早い時期に熟す。
【減少の要因】森林伐採。
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕オニカナワラビ
全国カテゴリー
〔学名〕Arachniodes simplicior (Makino) Ohwi var. major (Tagawa) Ohwi
型で、通常夏に熟すが、遅れて出た葉では晩秋~初冬
【摘要】本州(新潟県・関東以西)、四国、九州。低山地
に熟すことがある。
のやや乾燥した林下に生育する。
【形態の特徴】母種ハカタシダに比べて、葉はやや大型
維 管束 植 物
〔オシダ科〕
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
【生活形】常緑性の草本。
【減少の要因】種々の開発行為による生育地の破壊。
面に白斑を生じないことで区別される。胞子は二面体
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
蘚
で、側羽片の数が多く、頂羽片が明瞭でなく、葉の表
苔
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕キヨスミヒメワラビ
全国カテゴリー
〔学名〕Ctenitis maximowicziana (Miq.) Ching
状長楕円形で3回羽状に中裂~全裂する。胞子嚢群は
陰湿な林下に生じる。本県では児玉・大里・比企・入
小さい円形で、裂片の縁近くにつく。包膜は円腎形。
藻
【摘要】関東地方から九州まで広く分布し、暖地のやや
胞子は二面体型で、夏に熟す。
間地域にまれに見られる。
いときは白色で、古くなると褐色になる。葉身は広卵
【減少の要因】自然遷移、土地造成。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
や石灰岩質の土上や岩壁に生じる。本県では児玉・比
心がやや暗褐色になることがある。
胞子は二面体型で、
企・入間地域にまれに見られる。
初夏~秋に熟す。無融合生殖。
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
に光沢がなく、頂羽片が大きく、2~6対の側羽片を
【減少の要因】森林伐採。
つけ、羽片の辺縁に多数の鋭鋸歯があるなどがこの種
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
菌
【形態の特徴】本県産のヤブソテツの仲間としては、葉
類
の特徴である。胞子嚢群は円形で、包膜は白色だが中
【摘要】関東地方から九州まで分布し、山地の石灰岩地
衣
〔学名〕Cyrtomium caryotideum (Wall. ex Hook. et Grev. ) Presl
地
〔オシダ科〕
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
類
【形態の特徴】葉柄は太めで鱗片を密生する。鱗片は若
〔和名〕メヤブソテツ
類
〔オシダ科〕
類
〔オシダ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔和名〕ツクシヤブソテツ
〔学名〕Cyrtomium macrophyllum (Makino) Tagawa var. tukusicola (Tagawa) Tagawa
【摘要】関東地方以西の本州、四国、九州に分布し、山
徐々に小さくなり、羽片の基部はくさび形で、包膜に
地林下のやや湿った場所に生じる。本県では比企地域
は鈍鋸歯があり、中心部はやや色が濃いことで区別さ
に極めてまれに見られる。
れる。胞子は二面体型で、初夏~秋に熟す。
【形態の特徴】母種のヒロハヤブソテツに比べて、頂羽
片は小さく、側羽片は6~10対ほどで、上部の羽片は
〔オシダ科〕
〔和名〕イワヘゴ
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
【減少の要因】森林伐採。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Dryopteris atrata (Wall. ex Kunze) Ching
群は羽片全体に散らばり、包膜は円腎形で全縁、胞子
【摘要】本州(東北地方南部以南)
、四国、九州。国外で
は二面体型で、初夏~夏に熟す。
は東アジア、南アジア。暖地の山地渓流沿いの林床に
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
生育する。
【形態の特徴】葉柄は光沢のある黒褐色~黒色の鱗片を
密生する。ときに茶色の鱗片をつける個体がある。葉
【減少の要因】観光開発による生育地の破壊。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
身は倒披針形~長楕円状披針形の単羽状複生。胞子嚢
― 65 ―
〔オシダ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕サイゴクベニシダ
全国カテゴリー
〔学名〕Dryopteris championii (Benth.) C. Chr. ex Ching
維 管束 植 物
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
や厚い。胞子嚢群は小羽片の縁寄りか中肋との中間に
ア。暖温帯の低山林下や人里近くに生じるが、暖地ほ
つく。包膜はほば全縁。胞子は二面体型で大きさはば
ど多い。本県では秩父・比企地域にまれに見られる。
らつき、夏に熟す。無融合生殖。
【形態の特徴】葉柄や中軸には赤褐色~濃褐色でやや光
沢のある鱗片が密生する。葉身は2回羽状複生し、卵
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採。
形~卵状長楕円形でやや幅が広い。葉質は深緑色でや
蘚
〔オシダ科〕
苔
〔和名〕ナチクジャク
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Dryopteris decipiens (Hook.) O. Ktze.
類
藻
【摘要】本州(関東地方南部以西の暖地)、四国、九州に
葉身は単羽状複生、披針形から長楕円状披針形で長さ
分布。国外では中国に分布している。低山地の林床や
20~40cm、幅10~18cm、中軸には披針形で黒褐色の小
山麓近くの林縁などに生育するやや小形の草本。本県
さい鱗片がある。羽片は披針形で幅1~2cm、基部は心
では最近、県南の温暖な地域において、植林地の林床
形で短い柄があり、
辺縁は波状に大きな鈍鋸歯があり、
に群生するのが発見された。
まれに深裂するものもある。葉質は硬く、やや白っぽ
類
い。
【形態の特徴】根茎は斜上して小さい塊状、葉を叢生し、
鱗片がある。葉柄は長さ10~30cm、淡褐色。葉柄の鱗
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
片は密生し、
線状披針形で長さ8mm以下、
褐色から褐色。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
地
衣
〔オシダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
〔和名〕オオクジャクシダ
全国カテゴリー
〔学名〕Dryopteris dickinsii (Franch. et Sav.) C. Chr.
菌
【摘要】北海道(西南部)、本州、四国、九州、屋久島・
で、20~30対の三角状線形の羽片をつける。羽片は短
種子島。国外では東アジア。暖温帯から中間温帯にか
い柄があるか無柄。胞子嚢群は中肋の両側を除いて羽
けての、山地のやや湿った林下に生じる。本県では秩
片の縁寄りにつく。包膜は円腎形。胞子は二面体型で、
父・大里地域にまれに見られる。
夏に熟す。無融合生殖。
【形態の特徴】葉柄は10~20cmで赤褐色~褐色の鱗片を
類
基部には密に上部には疎らにつける。葉身は倒披針形
〔オシダ科〕
〔和名〕マルバベニシダ
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
【減少の要因】森林伐採。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Dryopteris fuscipes C. Chr.
ってつく。包膜は全縁。胞子は二面体型で大きさはば
【摘要】関東地方以西の本州、四国、九州に分布し、暖
らつき、夏に熟す。無融合生殖。
地の低山のやや乾いた林床に生じる。本県では大里・
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
比企・入間地域に見られる。
【形態の特徴】葉柄の鱗片は赤褐色~濃褐色で、基部を
除き脱落しやすい。小羽片の先端は円頭~鈍頭で、基
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
部の両側は耳状になる。胞子嚢群は小羽片の中肋に沿
〔オシダ科〕
〔和名〕サクライカグマ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Dryopteris gymnophylla (Bak.) C. Chr.
【摘要】東北地方南部から九州北部まで分布し、低山の
広卵形で、最下の羽片は大きくて長い柄をもつので、
林下や斜面にややまれに生じる。本県では秩父・児玉
三出葉のように見える。胞子嚢群は裂片と中肋の中間
・比企地域にまれに見られる。
につき、包膜はほぼ全縁か微少な鋸歯がある。胞子は
二面体型で、晩夏~秋に熟す。
【形態の特徴】葉柄は淡緑色またはわら色で細く、基部
には茶褐色で全縁の鱗片が疎らにつく。葉身は五角状
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
― 66 ―
【減少の要因】森林伐採
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔オシダ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Dryopteris gymnosora (Makino) C. Chr.
【摘要】関東地方以西の本州から九州まで分布し、低山
いときには紅紫色を帯びる。葉身は卵状長楕円形~卵
地のやや乾燥した岩上や崖下に生じる。本県では比企
形で、先端部はやや急に狭まる。胞子は二面体型で大
きさはばらつき、夏に熟す。無融合生殖。
地域に極めてまれに見られる。
【形態の特徴】包膜がないのが特徴であり、種小名の
【減少の要因】森林伐採。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Dryopteris indusiata (Makino) Makino et Yamam. ex Yamam.
葉身は広卵状三角形で長さ20~40cm、幅15~30cmで2
布。国外では台湾に分布する。暖地の低山地の林床に
回羽状複生。羽片は対生し柄はない、中軸と羽軸は直
生育しする。
交し、羽軸は弓形に曲がる。葉質はかたい草質で淡緑
藻
【摘要】本州(静岡県以西)、四国、九州、沖縄本島に分
類
〔和名〕ヌカイタチシダモドキ
全国カテゴリー
苔
〔オシダ科〕
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
蘚
gymnosora は‘裸の胞子嚢群’の意味である。葉は若
維 管束 植 物
〔和名〕ヌカイタチシダ
全国カテゴリー
色ないし緑色。
【形態の特徴】根茎は短く斜上し、塊状となって葉を叢
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
さ20~30cm。葉柄下部の鱗片は線状披針形で全縁、長
【減少の要因】森林伐採。
類
生する。葉柄は淡褐色で暗色をおびることもあり、長
さ1~1.5cmで黒褐色。上部の鱗片は早くから落ちる。
地
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ギフベニシダ
全国カテゴリー
類
〔学名〕Dryopteris kinkiensis Koidz. ex Tagawa
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州。国外では東ア
葉柄や中軸の鱗片は汚れた感じの暗褐色であり、胞子
ジア。東北地方中部からの報告もある。暖温帯の山麓
嚢群のつく位置は小羽片の縁寄り~中肋寄りまで変異
菌
するなどで区別される。胞子は二面体型で、夏に熟す。
の林縁、人里の路傍石垣などに生じる。本県では秩父
衣
〔オシダ科〕
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
・比企地域にまれに見られる。
【形態の特徴】前種によく似るが、葉身はやや細長く、
【減少の要因】道路工事。
類
〔オシダ科〕
〔和名〕タニヘゴ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Dryopteris tokyoensis (Matsum. ex Makino) C. Chr.
密につける。胞子嚢群は羽片の中肋寄りにつく。胞膜
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
は円腎形で全縁。胞子は二面体型で、夏に熟す。
暖温帯にかけての明るい湿地に生じる。本県では秩父
【生活形】多年草で水湿植物。
地域にまれに見られる。
【形態の特徴】根茎は太く、短くて数枚の葉を叢生する。
【減少の要因】森林伐採、湿地開発、草地開発、ゴルフ
場、土地造成、その他(採取)
。
葉身は単羽状複生で、下部の羽片は短くなる。葉柄は
葉身よりも短くて膜質の暗褐色~淡褐色の鱗片をやや
〔オシダ科〕
〔和名〕チャボイノデ
全国カテゴリー
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Polystichum igaense Tagawa
胞子嚢群は小羽片の縁近くにつくことなどで区別され
【摘要】関東地方から近畿地方までの本州、四国、九州
る。胞子の性質は前種と同じ。
の太平洋岸に分布し、山地の林床に生じる。本県では
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
秩父・大里・比企・入間地域に見られる。
【形態の特徴】前種によく似るが、葉身は長さ40cm、幅
10cm以下と小型であり、表面は濃緑色であること、葉
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
柄の鱗片は全て褐色であり、
乾燥するとねじれること、
― 67 ―
〔オシダ科〕
〔和名〕イナデンダ
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Polystichum inaense (Tagawa) Tagawa
面体型で、夏に熟す。
【摘要】本州(奥秩父~南アルプス)
。亜高山帯のやや湿
維 管束 植 物
【生活形】多年草で着生植物。
った石灰岩上にまれに生育する。
【形態の特徴】日本固有のシダ。根茎は短くてほぼ直立
【減少の要因】情報不足。
する。葉身は単羽状深裂~2回羽状複生。葉の下部は
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。そ
徐々に細くなり、羽片の間隔も広くなる。葉質はやや
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
厚い紙質。胞子嚢群は裂片の中央部につく。胞子は二
蘚
〔オシダ科〕
苔
〔和名〕カタイノデ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Polystichum makinoi (Tagawa) Tagawa
類
は硬く、黒褐色で光沢がある。胞子嚢群は小羽片の中
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
藻
ア。暖温帯の山地の林下に生じる。本県では秩父地域
肋と縁の中間につく。
包膜には不規則な突起があるが、
に極めてまれに見られる。
全縁のこともある。胞子は二面体型で、初夏に熟す。
【形態の特徴】葉は硬紙質で、表面は暗緑色でやや光沢
がある。葉身の方が葉柄よりも長い。葉柄下部の鱗片
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
【減少の要因】産地極限。
類
〔オシダ科〕
〔和名〕サイゴクイノデ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Polystichum pseudo-makinoi Tagawa
地
つくことが多い。包膜は全縁。胞子は二面体型で、初
【摘要】関東地方から九州まで広く分布し、山地の林床
衣
夏に熟す。
に生じ、暖地ほど多い。本県では秩父・入間地域にや
類
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
やまれに見られる。
【形態の特徴】葉は硬い草質で、表面は黄色味がかった
薄緑色で光沢はない。葉柄下部の鱗片の黒褐色部分に
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
菌
る。
光沢はなく、縁には茶色の部分が目立つ。胞子嚢群は
小羽片の縁寄りにつき、下部の小羽片では耳片のみに
類
〔オシダ科〕
〔和名〕ヒメカナワラビ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Polystichum tsus-simense (Hook.) J. Sm.
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
く。包膜は円形で中心部は濃褐色であり、縁は全縁~
ア、東南アジア。暖温帯の山地の林下や斜面に生じ、
波状縁。胞子は二面体型で、大きさはばらつき、初夏
時に崖にも生える。本県では比企・入間地域にややま
~秋に熟す。無融合生殖。
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
れに見られる。
【形態の特徴】葉は硬く、黒緑色でやや光沢がある。葉
身は2回羽状複生で、小羽片の先端は刺状になる。胞
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間郡市に記録があ
る。
子嚢群は葉身の下部の中軸近くから外側へ向かってつ
〔オシダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕オオキヨズミシダ
〔学名〕Polystichum tsus-simense (Hook.) J. Sm. var. mayebarae (Tagawa) Sa. Kurata
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
なること、胞子嚢群は小羽片の中肋と縁の中間または
ア。暖温帯の山地林下の斜面や岩場、とくに川沿いに
やや中肋寄りにつくこと、包膜はより大きいことなど
で区別される。胞子の形質は母種と同じ。無融合生殖。
生じる。本県では大里地域にまれに見られる。
【形態の特徴】母種と比べて、葉はより大型でより硬く、
羽軸の先端に近い部分では小羽片の基部が流れて翼と
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
【減少の要因】道路工事、自然遷移。
― 68 ―
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
〔ヒメシダ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Thelypteris quelpaertensis (Christ) Ching
【摘要】北海道、本州、四国、屋久島・種子島。国外で
り、最下羽片は耳状になる。胞子嚢群は裂片の縁近く
は北アジア、東アジア。中間温帯から冷温帯にかけて
につき、包膜は円腎形。胞子は二面体型で、晩夏~初
秋に熟す。
の森林に分布し、
林床の腐植土がやや厚い場所に生じ、
ときに群生する。
本県では秩父地域の高所に見られる。
る。葉身は倒披針形で、下部の羽片は徐々に小さくな
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】動物食害、その他(標本採取)。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
蘚
【形態の特徴】葉柄はわら色で黄褐色の鱗片と毛をつけ
維 管束 植 物
〔和名〕オオバショリマ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
苔
〔和名〕タチヒメワラビ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
類
〔ヒメシダ科〕
〔学名〕Thelypteris bukoensis (Tagawa) Ching
包膜はない。胞子は二面体型で夏~初秋に熟す。武甲
帯の山地林床の腐植土が厚い場所にややまれに生じ
山で発見されたのでこの学名がつけられたが、原産地
藻
【摘要】本州(関東・中部)
。国外では東アジア。中間温
では最近は著しく減少している。
る。本県では秩父地域にまれに見られる。
【生活形】多年草で半地中植物。
は長楕円状披針形で2回羽状全裂し、下部の羽片は次
【減少の要因】森林伐採、石灰採掘、動物食害。
第に狭くなる。
胞子嚢群は円形で裂片の縁寄りにつき、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
【形態の特徴】葉の表面を除き、毛や鱗片が多い。葉身
地
全国カテゴリー
〔学名〕Thelypteris angustifrons (Miq.) Ching
類
〔和名〕コハシゴシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
る。胞子嚢群は馬蹄形~半月形。胞子は二面体型で、
【摘要】本州(新潟県・関東地方南部以西)
、四国、九州、
夏に熟す。
屋久島・種子島、琉球。国外では朝鮮、中国、台湾。
が多い。全体に小型で、羽片に短い柄がつくことがあ
菌
【生活形】常緑性の草本。
暖地の林縁や路傍、人家の石垣などに生育する。
【形態の特徴】ハシゴシダに似るが、区別が困難な場合
衣
〔ヒメシダ科〕
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には北葛飾郡市に記録がある。
類
〔ヒメシダ科〕
〔和名〕ニッコウシダ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Thelypteris nipponica (Franch. et Sav.) Ching
胞子は二面体型で、晩夏~初秋に熟す。
【摘要】北海道、本州(中部地方以北)
。国外では朝鮮、
中国。林下およびやや明るい草原の湿地に群生する。
【形態の特徴】葉は二形をなし、胞子葉のほうが細長い。
一見ヒメシダに似るが、葉裏は緑色であり、羽片はね
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
じれてほぼ水平になる傾向がある。胞子嚢群は裂片の
やや中肋寄りにつく。包膜は全縁で毛と腺毛をもつ。
〔ヒメシダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕メニッコウシダ(ケヒメシダ)
〔学名〕Thelypteris nipponica (Fr. et Sav.) Ching var. borealis (Hara) Hara
だけで毛がない型である。胞子の形質は母種と同じ。
【摘要】北海道及び中部以北の本州に分布。中間温帯の
【生活形】多年草で半地中植物。
草原・湿地および路傍に生育する。
【形態の特徴】母種のニッコウシダと同じ範囲に生じる
【減少の要因】森林伐採、湿地開発。
が、分布域の北方よりに多く見られる。包膜には腺毛
― 69 ―
〔イワデンダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ウスヒメワラビ
全国カテゴリー
〔学名〕Acystopteris japonica (Luerss.) Nakai
維 管束 植 物
【摘要】北海道から屋久島まで分布し、山地林下の空中
卵形で3回羽状に裂ける。羽片は両面に白色毛を疎ら
湿度が高い場所に生じ、しばしば群生する。暖地ほど
につけ、ほとんど無柄。胞子嚢群は卵円形~卵形で、
裂片の縁近くにつく。胞子は二面体型で、夏に熟す。
多い。本県では秩父・児玉・入間地域にまれに見られ
【生活形】多年草で地中植物。
る。
【形態の特徴】葉柄は暗褐色~紫褐色で、もろくて折れ
やすく、膜質の白い鱗片を多数つける。葉身は三角状
蘚
〔イワデンダ科〕
苔
〔和名〕テバコワラビ
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Athyrium atkinsonii Bedd.
類
藻
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
子嚢群はほぼ円形で小さく、裂片の中肋寄りにつく。
ア、ヒマラヤ。暖温帯の山地の林下にややまれに生じ
包膜は円腎形~三日月形で、薄い膜質。胞子は二面体
る。本県では奥秩父の高所にまれに見られる。
型で、夏に熟す。
【形態の特徴】葉身は広卵形~卵状三角形で、3~4回
【生活形】多年草で地中植物。
類
羽状複生に細かく裂ける。羽片、小羽片ともに有柄。
【減少の要因】産地極限、動物食害。
裂片の表面は無毛で、裏面の脈上には腺毛がある。胞
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔イワデンダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅
地
〔和名〕ミヤコイヌワラビ
衣
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。山地の川沿いの
全国カテゴリー
〔学名〕Athyrium frangulum Tagawa
縁。胞子は二面体型で、晩夏~秋に熟す。
類
【生活形】多年草で地表植物。
ような多湿な林床に生育する。
【形態の特徴】日本固有のシダ。葉柄は緑色か紫色を帯
【減少の要因】情報不足。
菌
びる。葉質はやや厚いが軟らかい。葉は3回羽状に全
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。そ
裂~複生。胞子嚢群は中肋近くにつき、鉤形が多く、
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
背中合わせのものが混じる。包膜の縁は不規則な鋸歯
類
〔イワデンダ科〕
〔和名〕ミヤマメシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Athyrium melanolepis (Franch. et Sav.) Christ
る。胞子嚢群は裂片の中肋寄りにつき、包膜は半月形
【摘要】北海道、本州。国外では北アジア、東アジア。
~鉤形。胞子は二面体型で、夏に熟す。
亜高山帯から高山帯の林下や草原に生じ、しばしば群
【生活形】多年草で地表植物。
生する。本県では奥秩父の高所に見られる。
【形態の特徴】葉は叢生し、葉身は長楕円状披針形で細
長い。葉柄は通常わら色でときに紅色を帯びる。葉柄
【減少の要因】動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
の鱗片は黒褐色~暗褐色で光沢があり、硬くてねじれ
〔イワデンダ科〕
〔和名〕イワイヌワラビ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Athyrium nikkoense Makino
の縁近くに1列につくこと、包膜は楕円形または鉤形
【摘要】北海道、本州(中部以北)。中間温帯から冷温帯
にかけての山地林下の岩上に垂れ下がって生じる。本
で、
縁には不規則な鋸歯があることなどで区別される。
県では秩父地域の高所に見られる。
胞子は二面体型で、夏に熟す。
【形態の特徴】日本固有のシダ。ヘビノネゴザによく似
【生活形】多年草で地表植物。
るが、全体に小型で、葉身の幅が狭くて下部の羽片は
【減少の要因】不明。
短くなり、葉柄が短いこと、胞子嚢群は大きめで裂片
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
― 70 ―
〔イワデンダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕カラフトミヤマシダ(ミヤマイヌワラビ)
全国カテゴリー
〔学名〕Athyrium spinulosum (Maxim.) Milde
く。包膜は楕円形~馬蹄形で、縁は細かく裂ける。胞
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
【生活形】多年草で地中植物。
じる。本県では秩父地域の高所にまれに見られる。
【形態の特徴】葉身は広三角形で3回羽状複生し、長さ
よりも幅の方が長い。
小羽片の軸上には狭い翼がある。
【減少の要因】踏みつけ、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
維 管束 植 物
子は二面体型で、夏の早い時期に熟す。
東アジア、ヒマラヤ。亜高山帯の林床にややまれに生
胞子嚢群は小さな円形~楕円形で裂片の中肋寄りにつ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
苔
〔和名〕タカオシケチシダ
類
〔学名〕Cornopteris decurrenti-a1ata (Hook.) Nakai var. pi1ose1la H. Ito
円形、鋭頭~鋭尖頭、長さ25~50cm、幅12~35cm、2
国外では済州島にも分布する。低地の山林内のやや湿
回羽状に中裂~複生し、切れ込みの深いものでは小羽
った地上に生育する。
片が羽状に中裂する。葉質は薄い草質で表面はやや光
沢のある緑色。シケチシダにも多細胞の毛を付けるも
【形態の特徴】シケチシダの葉の各節に、節のある多細
【生活形】多年草で地中植物。
緑色で、紫紅色をおびることがあり、淡褐色で披針形
【減少の要因】森林伐採。
の鱗片をまばらにつける。葉身は広披針形からほぼ楕
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
全国カテゴリー
類
〔学名〕Cystopteris fragilis (L.) Bernh.
で無毛。裂片の葉脈は分岐しない。胞子嚢群は円形で
アジア、東アジア、南アジア、ヨーロッパ、北アメリ
裂片の縁寄りにつく。包膜は披針形~円形で腺毛はな
カ。山地帯から高山帯の岩上や石垣に生じる。本県で
い。胞子は二面体型で、夏に熟す。
【生活形】多年草で半地中植物。
は奥秩父の高所に見られる。
楕円状卵形~長楕円形で、2回羽状に裂ける。下部の
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
羽片は短い柄をもつ。葉質は薄く、淡緑色~淡黄緑色
〔イワデンダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Deparia okuboana (Makino) M. Kato
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
形やJ字形のものもある。包膜は円腎形、馬蹄形、鉤
ア、東南アジア。暖温帯から中間温帯にかけての陽の
形などになる。胞子は二面体型で、夏に熟す。無融合
生殖。
さす林中や林縁に生育し、やや撹乱された環境にも生
【生活形】多年草で地中植物。
じる。本県では秩父・比企・入間地域に見られる。
【形態の特徴】葉身は三角状卵形~卵状披針形で3回羽
状に深裂する。下部の羽片は短い柄をもつ。胞子嚢群
【減少の要因】自然遷移、動物食害、その他。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・北足立
・北埼玉・南埼玉郡市に記録がある。
は裂片の中間につき、円形~長楕円形が多いが、円腎
〔イワデンダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Deparia viridifrons (Makino) M. Kato
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
【形態の特徴】前種に似るが、葉は濃緑色で、小羽片の
ア。暖温帯の低山林下にまれに生じる。
裂片は鈍鋸歯縁で葉脈は分岐し、胞子嚢群はU~J形
― 71 ―
類
【形態の特徴】根茎は短くて、葉を叢生する。葉身は長
〔和名〕ミドリワラビ
菌
【摘要】北海道、本州(関東・中部)
、四国。国外では北
〔和名〕オオヒメワラビ
衣
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
地
合ってつけ、鱗片がある。葉柄は長さ45cm以上に達し、
類
のがあって見分けは難しい。
胞の毛が生じる形のもの。根茎は横に走り、葉をこみ
〔イワデンダ科〕
藻
【摘要】関東から西の本州、四国、九州、屋久島に分布。
〔和名〕ナヨシダ
蘚
〔イワデンダ科〕
が多く、裂片の中肋寄りにつき、長楕円形のものでは
【減少の要因】不明。
二個が葉脈の両側につくことなどで区別される。胞
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
【生活形】多年草で半地中植物。
維 管束 植 物
〔イワデンダ科〕
〔和名〕ヒカゲワラビ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Diplazium chinense (Baker) C. Chr.
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島、
草質。下部の羽片には長い柄がある。胞子嚢群は短い
琉球。国外では東アジア、東南アジア。暖温帯の山地
線形で裂片の中肋寄りにつく。包膜は全縁で薄い。胞
蘚
子は二面体型で、夏の早い時期に熟す。
林下のやや陰湿な場所に生じる。
【形態の特徴】根茎は短くはい、葉を混み合ってつける。
苔
葉柄は緑色で、基部には膜質で細長い黒褐色の鱗片が
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】生育環境の破壊。
類
ある。葉身は三角形で3回羽状に裂ける。葉質は薄い
〔イワデンダ科〕
藻
〔和名〕ヘラシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Diplazium subsinuatum (Wall. ex Hook. et Grev.) Tagawa
類
【摘要】本州(関東地方西・南部以西)
、四国、九州、屋
脈に沿って長くつき、背中合わせのものが混じる。包
久島・種子島、琉球。国外では朝鮮、中国、台湾~東
膜は全縁。胞子は二面体型で、夏の早い時期に熟す。
南アジア、インド、ネパール、スリランカ。山地の林
【生活形】常緑性の草本で半地中植物。
下や渓流沿いのやや陰湿な場所に生育する。
【減少の要因】不明。
地
【形態の特徴】根茎は長くはい、披針形、線形の葉をつ
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
ける。葉は濃緑色で光沢がある。胞子嚢群は線形で、
衣
類
〔イワデンダ科〕
〔和名〕ノコギリシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Diplazium wichurae (Mett.) Diels
菌
【摘要】本州(東北地方南部以南)、四国、九州、琉球、
曲がり、鋭鋸歯縁。羽片の基部前側は耳状に突出する。
小笠原。国外では朝鮮南部、中国、台湾。山地林下の
胞子嚢群は長い線形。胞子は二面体型で、夏の早い時
陰湿な斜面の地上や岩上に群生する。
期に熟す。
類
【形態の特徴】葉身は広披針形で単羽状に裂ける。葉の
【生活形】常緑性の草本で半地中植物。
表面は暗緑色で光沢があり、葉質は硬く、表面で葉脈
【減少の要因】開発行為による生育環境の破壊。
の部分が凹む。側羽片は12~18対あり、有柄で鎌形に
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
〔イワデンダ科〕
〔和名〕ウサギシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Gymnocarpium dryopteris (L.) Newman
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
るので、三出葉の様に見える。胞子嚢群は円形で、裂
東アジア、南アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。中間
片の縁近くにつき、包膜はない。胞子は二面体型で、
温帯の山地林下のやや湿った場所に生じ、蛇紋岩地帯
夏に熟す。
に多い。本県では秩父・児玉・入間地域にまれに見ら
【生活形】多年草で半地中植物。
れる。
【減少の要因】生育環境の破壊。
【形態の特徴】葉身は五角形で、最下の羽片は大きくて
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
長い柄があり、その他の羽片全体とほば同形同大であ
― 72 ―
〔イワデンダ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔和名〕アオキガハラウサギシダ
〔学名〕Gymnocarpium dryopteris (L.) Newman var. aokigaharaense Nakaike
ことがあり、明らかな差とはいえない場合がある。
生じる。本県では奥秩父の高所にまれに見られる。
【形態の特徴】母種と比べて、典型的な個体では葉身は
やや縦長で、下から2番目の羽片も有柄であることで
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Gymnocarpium oyamense (Baker) Ching
苔
〔和名〕エビラシダ
【減少の要因】森林伐採。
形~長楕円形で、包膜はない。胞子は二面体型で、夏
【摘要】本州(関東~近畿)
。国外では東アジア、南アジ
【生活形】多年草で半地中植物。
企地域に見られる。
【減少の要因】生育環境の破壊、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
角状卵形の単羽状深裂で無毛。羽状に浅~中裂し、最
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Gymnocarpium jessoense (Koidz.) Koidz.
ほば円形で、包膜はない。胞子は二面体型で、夏に熟
岩地帯や石灰岩地帯の、山地の林下や岩上に生じる。
す。
【生活形】多年草で半地中植物。
本県では秩父・大里地域にまれに見られる。
葉身は三角状長卵形で、最下羽片は最大であるが、ウ
【減少の要因】生育環境の破壊、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕キンモウワラビ
〔学名〕Hypodematium crenatum (Forsk.) Kuhn subsp. fauriei (Kodama) K. Iwats.
【摘要】本州(関東・中部)
、四国、屋久島・種子島。暖
毛を密生する。胞子は二面体型で、夏に熟す。和名は
温帯から中間温帯にかけて分布し、石灰岩の割れ目に
葉柄や根茎の美しい鱗片による。道路の拡張工事の影
響で絶滅した場所が増えた。
生じる。本県では西部地域にややまれに見られる。
【形態の特徴】植物体全体に尖った毛が密生する。葉は
鮮緑色で硬く、中軸の表面には溝がある。胞子嚢群は
【生活形】多年草で着生植物。
【減少の要因】石灰採掘、道路工事、観光開発による生
育環境の破壊、動物食害。
裂片の中肋近くに生じる。包膜は円腎形~馬蹄形で、
〔イワデンダ科〕
〔和名〕トガクシデンダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Woodsia glabella R. Br. ex Rich.
3個集まってつく。包膜は小皿状で胞子を放出した後
【摘要】北海道から本州中部までと、四国の高山にまれ
は、細く裂けて毛の束のようになる。胞子は二面体型
に生じる。
本県では秩父地域の高所にまれに見られる。
で、夏に熟す。
【形態の特徴】小型の葉を叢生し、薄い黄褐色の鱗片を
つける。葉身は線状披針形~卵状披針形で、下部の羽
【生活形】多年草で着生植物。
片は短い。羽片は無柄で、上部の羽片の基部は中軸に
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、自然遷移。
流れる。胞子嚢群は小さく、裂片の切込み付近に1~
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
― 73 ―
類
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
菌
【形態の特徴】
、葉柄は全体に無柄の腺毛があり、
もろい。
〔イワデンダ科〕
類
サギシダのように三出葉的にはならない。胞子嚢群は
東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。中間温帯の蛇紋
衣
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。国外では北アジア、
地
〔和名〕イワウサギシダ
類
下裂片は多少とも後方へ反曲する。胞子嚢群はほば円
〔イワデンダ科〕
藻
陰湿な岩上や林下の岩壁に生じる。本県では秩父・比
類
の早い時期に熟す。
ア、東南アジア。暖温帯から中間温帯にかけて分布し、
【形態の特徴】葉柄は淡緑色~わら色で無毛。葉身は三
蘚
〔イワデンダ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
維 管束 植 物
区別されるが、同一の根茎上に母種の型も同時に出る
【摘要】本州(中部以北)
。山地林下のやや湿った場所に
〔イワデンダ科〕
〔和名〕コガネシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Woodsia macrochlaena Mett. ex Kuhn
嚢群は裂片の縁近くにつき、コップ状の包膜に包まれ
【摘要】本州(関東・中部)
、四国、九州。国外では北ア
維 管束 植 物
る。胞子は二面体型で、夏に熟す。
ジア、東アジア。温帯的な山地の林下や林縁の岩上に
ややまれに生じる。本県では秩父地域にややまれに見
【生活形】多年草で着生植物。
られる。
【減少の要因】園芸採取。
【形態の特徴】小型の葉を叢生し、葉柄の頂端部には関
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
る。
節がある。葉身は単羽状複葉で、中軸には毛のみがあ
る。羽片は卵形~卵状長楕円形で中~深裂する。胞子
蘚
苔
〔ウラボシ科〕
類
〔和名〕ホテイシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Lepisorus annuifrons (Makino) Ching
多数ある。和名はノキシノブの仲間では葉の幅が広い
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
藻
ことによる。
暖温帯上部から冷温帯の明るい森林の樹幹や岩上に着
【生活形】多年草で着生植物。
生する。本県では秩父・児玉地域に見られる。
【形態の特徴】根茎は長くはい、鱗片をやや密につける。
類
葉身は淡黄緑色の披針形の単葉で、縁は不規則な波状
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
をなす。葉質は薄めである。胞子嚢群は小さい円形で、
中肋寄りにつく。胞子嚢群中には傘形の鱗片(側糸)が
地
衣
〔ウラボシ科〕
〔和名〕サジラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Loxogramme duclouxii Christ
類
い線形で、葉の上半部に並ぶ。葉柄は短くて、下部の
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島。国外では
鱗片は紫褐色~黒褐色で光沢がある。
東アジア、東南アジア。暖温帯上部のやや湿った山地
菌
林下の岩上や樹幹に着生する。本県では秩父地域にま
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
れに見られる。
【減少の要因】園芸採取。
【形態の特徴】、根茎は長くはい、暗褐色で膜質の鱗片を
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
類
る。
つける。葉身は倒披針形の単葉で、基部は徐々に狭ま
り葉柄に流れる。葉質はやや厚い革質。胞子嚢群は長
〔ウラボシ科〕
〔和名〕ヒメサジラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Loxogramme grammitoides (Baker) C. Chr.
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島。
頭~鈍頭。基部は次第に狭まり、根茎のすぐ上まで翼
国外では東アジア。暖温帯から中間温帯にかけて分布
状に流れる。胞子嚢群は長楕円形~線形で、葉身の上
し、
林下の陰湿な場所の岩上にコケに混じって生じる。
半部に中肋にほば平行につく。
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
本県では秩父地域に極めてまれに見られる。
【形態の特徴】根茎は長くはう。葉身は倒卵形(へら形)
【減少の要因】元来個体数が少ない。
で、長さは最大でも10cmほどである。葉の先端は鋭
〔ウラボシ科〕
〔和名〕クリハラン
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Neocheiropteris ensata (Thunb.) Ching
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、琉球。国
~卵状披針形で縁に不規則な突起のある鱗片をつけ
外では東アジア、東南アジア。暖温帯の森林に生育す
る。葉身は広披針形の単葉で通常中央部が最も広い。
る。
鋭尖頭で基部はくさび形。主脈と側脈は両面共に明瞭
【形態の特徴】根茎は長くはい、径は3~5mmで、卵形
― 74 ―
で、その間に網状の葉脈が見える。胞子嚢群は円形~
楕円形で、
中肋の両側に2~4列にやや不規則に並ぶ。
【減少の要因】森林伐採。
胞子は二面体型で、夏に熟す。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。そ
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
【生活形】常緑の多年草で地表植物。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕オシャグジデンダ
全国カテゴリー
〔学名〕Polypodium fauriei Christ
ほぼ円形、
裂片の中肋と縁の中間又は中肋寄りにつく。
【摘要】北海道、本州(関東以西)、四国、九州。国外で
胞子は二面体型で夏に熟す。和名は最初の発見地の地
は北アジア、東アジア。暖温帯から中間温帯に分布し、
【生活形】冬緑の多年草で着生植物。
状に深裂する。葉は乾燥するとぜんまい状に巻く。表
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
面は無毛で裏面に疎らに多細胞毛がある。胞子嚢群は
〔和名〕アオネカズラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
藻
〔ウラボシ科〕
類
【減少の要因】森林伐採。
苔
にやや密に鱗片がある。葉身は狭卵形~広披針形で羽
蘚
名にちなむ。
深山の樹幹や岩上に着生する。
【形態の特徴】根茎は長くはい、先端部と葉のでる部分
維 管束 植 物
〔ウラボシ科〕
〔学名〕Polypodium niponicum Mett.
で、側羽片は15~25対。胞子嚢群は円形で、裂片の中
暖温帯に分布し、低山の樹幹や岩上に着生する。本県
肋近くにつく。和名の青根葛は根茎の色にもとづく。
【生活形】冬緑性の多年草で着生植物。
定され保護されている。
【減少の要因】園芸採取、元来個体数が少なく、観光開
発による影響が強い。
【形態の特徴】白緑色の根茎は肉質で太く、基物上を長
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
衣
くはい分岐を繰り返す。葉身は広卵形~卵状長楕円形
地
では入間地域に極めてまれに見られ、天然記念物に指
類
【摘要】本州(関東・中部)
、四国。国外では東アジア。
類
〔ウラボシ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Polypodium someyae Yatabe
菌
〔和名〕ミョウギシダ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
【摘要】本州(関東・中部)
、四国。暖温帯から中間温帯
れる。羽片の縁には不規則な大きい鋸歯がある。上面
にかけての、山地林下の岩上にややまれに生じる。本
の脈上には短い毛がある。胞子嚢群はほぼ円形で、中
【生活形】多年草で着生植物。
身は狭卵形~卵形の単羽状で、側羽片は7~15対。羽
【減少の要因】石灰採掘、開発による生育環境の破壊。
片は線状披針形で多少鎌形に曲がり、基部は中軸に流
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ウラボシ科〕
〔和名〕イワオモダカ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Pyrrosia hastata (Thunb. ex Houtt.) Ching
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
胞子嚢群は主脈の間に3~7列に並んで密につく。包
暖温帯から中間温帯にかけての深山の岩上や樹幹に着
膜はない。古くから園芸用に栽培され、多量に採集さ
れたために、最近はめっきり少なくなった。
生し、まれに地上にも生じる。本県では秩父地域にま
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
れに見られる。
【形態の特徴】葉質は厚い。葉身は掌状に3~5裂し、
裏面には灰褐色~赤褐色の星状毛が密生する。葉柄は
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
淡褐色で硬く、若い間は淡褐色の星状毛を密生する。
― 75 ―
類
肋と縁の中間につく。
県では秩父地域でまれに見られる。
【形態の特徴】日本固有のシダで、根茎は長くはう。葉
〔ヒメウラボシ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕キレハオオクボシダ
〔学名〕Ctenopteris sakaguchiana (Koidz.) H. Ito
は外からはっきりと見える。胞子嚢群は円形~楕円形
【摘要】本州(関東~近畿)
、九州。暖温帯山地の森林の
維 管束 植 物
で、側脈に背生し、裸出している。
樹幹や岩上にコケに混じって生じる。本県では秩父地
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
域に極めてまれに見られる。
【形態の特徴】オオクボシダに似るが、より小型で、葉
身は線状披針形~線形で、羽状にほぼ全裂する。葉脈
蘚
〔ヒメウラボシ科〕
【減少の要因】森林伐採、産地極限。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
〔和名〕オオクボシダ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Xiphopteris okuboi (Yatabe) Copel.
類
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州、屋久島・種子
は狭披針形~線形で羽状に深裂する。側裂片は鈍頭~
島。国外では東アジア。暖温帯の山地林下の樹幹や岩
円頭。葉脈は外からは見えにくい。胞子嚢群は楕円形
上にまれに着生する。本県では秩父・入間地域にまれ
で、側裂片の基部近くに1個ずつ並ぶ。
藻
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
に見られる。
【形態の特徴】根茎は短く斜上して葉を数枚叢生する。
植物体全体に赤褐色~暗褐色の開出毛を生じる。葉身
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
〔デンジソウ科〕
〔和名〕デンジソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Marsilea quadrifolia L.
地
衣
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球。国外では東
和名は葉の形が漢字の“田”の字に似ることによる。
アジア、東南アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。暖温
水田で除草剤を使用し始めてから、急に姿が消えてし
類
まい、現在では絶滅危惧種である。
帯から中間温帯にかけての水田や沼地の泥に根を下ろ
して生育し、暖地ほど多い。本県では児玉・埼葛地域
【生活形】多年草で水湿植物。
に極めてまれに見られる。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、農薬汚染。
菌
【形態の特徴】根茎は泥の中を長くはう。葉身は4個の
類
〔サンショウモ科〕
【特記事項】旧版植物誌には秩父・北葛飾郡市に記録が
ある。
小葉からなる。
胞子嚢果は葉柄の下方に1~3個つく。
〔和名〕サンショウモ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Salvinia natans (L.) All.
【摘要】本州(中部以西)、四国、九州。国外では北アジ
態と機能をもつ。胞子嚢群は球形で、水中葉の基部に
ア、東アジア、南アジア、東南アジア、ヨーロッパ、
集まってつく。農薬の影響を受けて一時少なくなった
北アメリカ。暖温帯から中間温帯にかけての水田や湖
が、最近やや増えてきている。
【生活形】1年草、2年草ないし多年性の水湿植物。
沼の水面に生じる。本県ではほぼ全域に見られる。
【形態の特徴】根を欠く。茎は分岐し、葉を3列につけ
る。対生する浮葉の表面には小突起が密生し、裏面に
【減少の要因】農薬汚染、池沼開発、土地造成。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
は多細胞の軟毛がある。水中葉は細く、根と同様な形
〔アカウキクサ科〕
〔和名〕オオアカウキクサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Azolla japonica Franch. et Sav.
除いて枯れる。胞子嚢群は水中に生じ、葉の間につく。
【摘要】本州(中部以西)、四国、九州。水田や湖沼の水
面に生じ、群生する。本県では大里地域に極めてまれ
胞子は四面体型で、初夏~夏に熟す。かつてはやや普
に見られる。
通な田んぼの雑草であったが、
農薬の影響で激減した。
【形態の特徴】日本固有のシダで、根には根毛がない。
【生活形】常緑の多年草で水湿植物。
茎は密に羽状に分岐して、2mmほどの小さな葉を覆瓦
【減少の要因】農業汚染、池沼開発、土地造成。
状に密生する。冬は植物全体が紅色になり、先端部を
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・北足立・南埼
― 76 ―
玉郡市に記録がある。
〔マツ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Abies homolepis Siebold et Zucc. var. umbellata (Mayr) E.H.
でヘソモミともよばれる。モミとウラジロモミとの雑
【摘要】本州(関東・中部)
。冷温帯の森林に生育する。
種とも考えられる。
県内では三峰神社の境内および周辺に生育する。
【形態の特徴】県指定の天然記念物。形状はウラジロモ
きゅうか
【生活形】常緑の針葉の高木。
【減少の要因】産地極限。
ジロモミの若い毬果は帯紫色)
。
毬果は円柱形で丸みが
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
あり、先端がへそのように著しくへこむことが多いの
蘚
ミに似るが、若い毬果の色はモミに似て黄緑色(ウラ
維 管束 植 物
〔和名〕ミツミネモミ
全国カテゴリー
苔
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕イラモミ(マツハダ)
全国カテゴリー
〔学名〕Picea bicolor (Maxim.) Mayr
【生活形】常緑の針葉の高木。
内では冷温帯上部から亜高山帯に自生する。
【形態の特徴】樹皮は灰から灰褐色、若い枝は赤褐色か
【減少の要因】その他。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
形。成熟した毬果は下垂、黄緑色で細長く長さ6~
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
樹脂道は葉肉中にある(ゴヨウマツの樹脂道は表皮に
接する)
。
若い枝には軟毛が密生する。
種子に翼はない。
冷温帯の森林に生育する。県内では山地の森林にまれ
【生活形】常緑の針葉の高木。
に自生する。
~11cm、断面は三角形、維管束は1本、樹脂道は3本。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ゴヨウマツ(ヒメコマツ)
全国カテゴリー
〔学名〕Pinus parviflora Siebold et Zucc.
脂道は表皮に接して2本。種子は長さ1cm、翼は種子
【摘要】本州、四国、九州、対馬に分布。冷温帯~亜寒
の長さより短い。盆栽に作られる。
帯の森林に生育する。
【形態の特徴】幹は直立し、5本の針状葉が短枝につく。
葉の長さ3~6cm、断面は三角形、維管束は1本、樹
【生活形】常緑の針葉の高木。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、自然遷移。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Pinus pumi1a (Pa11as) Rege1
【摘要】北海道、本州(中北部、南限は南アルブス光岳)
年秋に成熟し、卵形~卵状長楕円形で長さ3~5cm、
の高山に分布。国外では千島、樺太、カムチャッカ、
熟してもあまり開かない。種子は3角状倒卵形で長さ
東シベリア、朝鮮半島、中国東北部に分布する。高山
8mm内外、翼はない。奥秩父山地にはヒメコマツ(ゴ
帯の岩れき地に群生し、本県では奥秩父山地の岩塊斜
ヨウマツ)Pinus parviflora Sieb.et Zucc.も分布し、
面で、最近になって確実な標本が得られた。
立地条件によっては酷似の生育型となるので、慎重に
【形態の特徴】幹はよく分枝し、長く地を這って高さは
見分けなくてはならない。
ふつう1~2m、樹皮は暗褐色で薄くはがれる。葉は
【生活形】常緑で針葉の低木。
短枝上に5本束生し、針形で長さ2.5~5cm。毬果は翌
【減少の要因】動物食害、産地極限
― 77 ―
類
〔マツ科〕
【減少の要因】産地極限。
菌
【形態の特徴】5本の針状葉が短枝につく。葉は長さ6
〔和名〕ハイマツ
衣
〔学名〕Pinus koraiensis Siebold et Zucc.
【摘要】本州(関東・中部)
、四国。国外では東アジア。
〔マツ科〕
全国カテゴリー
地
〔マツ科〕
類
ら褐色。葉枕はほとんど突出しない。葉の断面はひし
藻
12cm。種子鱗片はやや歯があり反り返る。
【摘要】本州(関東・中部)
。冷温帯上部に生育する。県
〔和名〕チョウセンゴヨウ
類
〔マツ科〕
〔ヒノキ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ミヤマビャクシン(カイヅカイブキ)
全国カテゴリー
〔学名〕Juniperus chinensis L. var. sargentii Henry
に適応した結果、
本種が生じたものと考えられている。
【摘要】南千島、北海道、本州、四国、九州(屋久島ま
維 管束 植 物
本種を園芸的に改良したのがカイズカイブキである
で)に分布。国外では樺太や朝鮮半島にも分布する。
が、自生のミヤマビャクシンは貴重である。
海岸や高山の岩場に生育する。
【形態の特徴】常緑針葉の低木で、幹は横に伏して著し
【生活形】常緑で針葉の低木。
く屈曲し、枝は斜上する。母種のビャクシンと同様に
【減少の要因】森林伐採、産地極限。
鱗片状と針形状の2型の葉を付けるが、老木では鱗片
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
葉を付けるものが多い。ビャクシンがより厳しい環境
蘚
苔
〔ヒノキ科〕
類
〔和名〕ネズミサシ(ネズ)
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Juniperus rigida Siebold et Zucc.
の溝は白色の気孔帯で、その幅は両縁の緑帯の幅より
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、北アジ
藻
狭い。葉の樹脂道は1本。
ア。日当たりのよい丘陵地および花崗岩地の森林に生
育する。県内では低地から山地丘陵のやせ地に自生す
【生活形】常緑で針葉の低木ないし高木。
る。
【減少の要因】産地極限。
類
【形態の特徴】直立する低木で雌雄異株。葉は針状で3
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間郡
市に記録がある。
輪生。長さ8~25mm。枝は垂れ下がり、毬果は径8~
10mm、肉質で球形、黒紫から褐色で粉白部がある。葉
地
衣
〔ヒノキ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ホンドミヤマネズ
全国カテゴリー
〔学名〕Juniperus communis L. var. hondoensis Satake
類
み、白色帯の幅(0.7~0.9mm)は両縁の緑色帯の幅よ
【摘要】本州(関東・中部)。寒帯の岩・礫地に生育する。
り広い。毬果は肉質球形、青黒で粉白部がある。
県内では亜高山帯にまれに見られる。
菌
【形態の特徴】旧版植物誌でミヤマネズとされていたが、
【生活形】常緑で針葉の低木。
葉の形状や毬果の先がやや平たいことなどから、ホン
【減少の要因】産地極限。
ドミヤマネズと同定しなおす。葉は3輪生で、長さ5
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
~10mm、幅1.2~1.7mm、少しわん曲し、上面は浅く凹
〔ヒノキ科〕
〔和名〕アスナロ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Thujopsis dolabrata Siebold et Zucc.
なることがある。植栽される。
【摘要】本州、四国、九州に分布。中間温帯~冷温帯の
【生活形】常緑の針葉の高木。
森林に生育する。
【形態の特徴】樹皮は紫褐または灰褐色。葉は肉厚の鱗
片状で対生。表裏の葉は舌状、裏側は粉白色、両脇の
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
葉は舟形。葉は数年落葉せず成長し続け、幅7mmにも
〔イチイ科〕
〔和名〕イチイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Taxus cuspidata Siebold et Zucc.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
mm。先は鋭く尖るが痛くはない。裏は黄緑色で気孔の
東アジア。温帯上部から亜寒帯の森林に生育する。県
列がある。樹脂道はない。雌雄異株、雌花は葉腋に1
内では亜高山から山地に自生する。庭園にも植栽され
個ずつつきピンク色に熟す。ピンク色の部分は仮種皮
で上が凹み内に種子が見える。
る。
【形態の特徴】小枝の先端部の葉は羽状に(一平面に収
まるように)互生する。葉は長さ15~30mm、幅2.5~3
【生活形】常緑で針葉の高木。
【減少の要因】産地極限。
― 78 ―
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間・南埼玉郡市に
〔ヤナギ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Salix japonica Thunb.
しべ2本。雌花穂は緑色でやや下垂する。雌花の花柱
【摘要】本州(中部以北)
、伊豆諸島。中間温帯の浅い山
は短く、柱頭は2裂する。雌雄異株。
地や丘陵および路傍、岩・礫地に生育する。
【生活形】夏緑性の低木。
は垂れるものが多い。葉は長楕円状披針形、若い頃は
【減少の要因】山林開発。
紅色で下面に白絹毛があるが、後に緑変し、毛も落ち
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
る。
る。若葉と共に細長い花穂を出す。雄花穂は黄色で雄
蘚
【形態の特徴】茎の長さ1~2m、枝は水平に分岐し先
維 管束 植 物
〔和名〕シバヤナギ
記録がある。
苔
〔和名〕シライヤナギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Salix shiraii Seemen
【生活形】夏緑性の低木。
に生育する。
【形態の特徴】枝は褐色で先が少し垂れる。葉は、卵状
【減少の要因】自然遷移、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
若葉には伏毛があり、後脱落する。雄花の雄しべは2
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
衣
〔学名〕Alnus maximowiczii Call.
細かな二重鋸歯がある。側脈は10~12対。雄花穂は枝
ア、東アジア。亜寒帯から寒帯にかけての森林に生育
の先か上部の側芽に単生し、雌花穂はそれより下方の
する。
側芽に総状でややまばらに付く。
【減少の要因】産地極限。
卵円形で先は尖り、基部は円形かやや浅い心形、縁に
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
菌
【生活形】夏緑性の低木ないし高木。
岐する。葉は深緑色で厚く下面は淡色で粘る。葉身は
類
【摘要】北海道、本州(中部地方以北)
。国外では北アジ
【形態の特徴】、樹皮は暗灰褐色で、下部よりやや太く分
地
〔カバノキ科〕
類
披針形、下面は粉白色で、葉の基部は浅心形か円形。
藻
本、腺体が1個ある。雌花の子房は無毛で長柄がある。
【摘要】本州(中部以北)に分布。中間温帯の岩れき地
〔和名〕ミヤマハンノキ
類
〔ヤナギ科〕
類
〔カバノキ科〕
〔和名〕チチブミネバリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Betula chichibuensis H. Hara
サロメチール様の臭いはない。秩父山地で初めて採取
【摘要】本州(岩手県、群馬県、東京都下)
。秩父山地の
され名づけられた。
中間温帯から冷温帯域にかけての石灰岩地帯に自生す
【生活形】夏緑性の小高木。
る。
【形態の特徴】樹皮は褐色で小枝に腺点はない。葉は卵
状楕円形、側脈は14~18対で不揃いの鋸歯があり、下
【減少の要因】石灰採掘、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
面脈上には白毛が密生する。葉形はミズメに似るが、
〔カバノキ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヤエガワカンバ(コオノオレ)
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Betula davurica Pall.
鋸歯がある。オノオレカンバは側脈9~10対で葉の下
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では東アジア。
面に腺点があるので区別される。
冷温帯域の日の当たる山地に生える。
【形態の特徴】樹皮は灰色で縦横に粗い割れ目を生じ、
【生活形】夏緑性の高木。
鱗片状に剥げる。小枝は灰褐色で腺点が多く有毛。葉
【減少の要因】森林伐採。
は菱状卵形で側脈は6~8対、下面脈上に毛がある。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
シラカンバの葉に似るが、より小形で硬く、不揃いの
― 79 ―
〔カバノキ科〕
〔和名〕アカカンバ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Betula ermanii Cham. var. subcordata (Regel) Koidz.
区別される。母種の分布域にわずかに分布。
【摘要】本州(関東以北)。亜寒帯の森林に生育する。
維 管束 植 物
【形態の特徴】ダケカンバの変種。幹は直立し樹皮は灰
【生活形】夏緑性の高木。
白色で紙状に剥がれやすい。葉は長卵状三角形、基部
【減少の要因】産地極限。
は浅い心形で側脈は14~16対ある。ダケカンバの葉は
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
蘚
〔イラクサ科〕
基部が円形かまれに浅心形、側脈は8~12対あるので
苔
〔和名〕トキホコリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Elatostema densiflorum Franch. et Sav.
類
ミソウとは、茎は開出毛があり、節が肥厚しないこと
【摘要】北海道、本州(中部以北)。暖温帯から冷温帯に
が異なる。
かけての、人家付近の湿地や畦に生育する。
【形態の特徴】旧版植物誌では、県内全域にあるとされ
【生活形】1年草。
藻
たが、現在は激減している。茎は高さ10~25cm、軟質
【減少の要因】農薬汚染、自然遷移。
で上部が一方に傾き、開出毛がある。葉は茎の両側に
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
2列に並び、長楕円状倒卵形で先は短く尖る。ウワバ
類
〔イラクサ科〕
〔和名〕ヒカゲミズ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Parietaria micrantha Ledeb.
地
衣
【摘要】本州(関東~中部)
。国外ではシベリア、中国、
の花がつく。雌花の花被は合着し、果時に胞状となる。
コーカサス、インドなど。冷温帯の森林に生育する。
ヒカゲミズ属の本種はミズ属やカテンソウ属の種が、
類
雌花の花被が深裂か全裂するのと対照的である。
秩父山地でわずかに自生する。
【形態の特徴】茎に下曲する短軟毛があり、高さは10~
15cmある。葉は鈍頭の広卵形、深緑色で、葉腋に少数
【生活形】1年草。
【減少の要因】森林伐採、産地極限。
菌
〔イラクサ科〕
〔和名〕コケミズ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
類
〔学名〕Pilea peploides (Gaudich.) Hook. et Arn.
横に並ぶ結晶線があり、下面に褐色の細点があるので、
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州、屋久島・種子
ミズ属の他の種と区別される。
島。路傍の石垣や湿った岩上に生育する。
【形態の特徴】茎は軟質で淡緑色を呈し、直立して10~
【生活形】1年草。
15cm時折分枝し平滑で無毛である。葉には細い柄があ
【減少の要因】森林伐採、自然遷移。
り、円形から菱状円形、3本の脈がある。花は3~10
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
月に開き、葉腋に小花が密集してつく。葉の表面には、
〔ヤドリギ科〕
〔和名〕マツグミ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Taxillus kaempferi (DC.) Danser
にくいこみ養分をとる。
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、琉球。亜熱帯か
ら暖温帯にかけての森林に生育する。本県では低地か
【生活形】常緑の低木で着生植物。
ら低山に分布し、針葉樹の枝につく。社寺林のモミや
【減少の要因】開発により低地や台地の大木が伐られて
減少。
ツガの大木によく見られる。
【形態の特徴】花は濃い赤色の筒形で、7~8月に咲く。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・北足立・北埼
果実は球形で熟して赤くなる。本種は葉の脈が不明瞭
で、幹が不規則に分れるのが特徴である。根が他の木
― 80 ―
玉郡市に記録がある。
〔ラフレシア科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ミヤマツチトリモチ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Balanophora nipponica Makino
【摘要】本州(中部以北)
。秋田、岩手以南に稀に見られ
【生活形】葉緑素をもたない寄生植物。多年草で地中植
【減少の要因】不明。
付近のブナ・カエデの類の根に寄生する。
【形態の特徴】7月から8月に、ツチトリモチより長い
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
る。
卵状楕円形で黄赤色から褐色の花序をつける。雌花だ
維 管束 植 物
物。
る。中間温帯から冷温帯にかけて分布し、標高1000m
けで雄花は知られていない。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Bistorta major S.F. Gray var. japonica H. Hara
くて柄がつかない。花茎は高さ30~80cmになる。根茎
る。本県では奥秩父の亜高山で日当たりの良い湿性草
は太い。
【生活形】多年草で半地中植物。
原に分布する。
【形態の特徴】7~8月に、茎の頂から出た長さ4~7
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、動物食害。
類
cmの花穂に、淡桃色の小花がぎっしりと咲く。葉は根
〔タデ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
地
〔和名〕クリンユキフデ
〔学名〕Bistorta suffulta (Maxim.) Greene
柄は長く、
茎の上の方につく葉は柄が無くて茎を抱く。
ブナやコメツガの林中、沢や山道の縁などでやや湿っ
花茎は高さ約30cmで枝分かれしない。根茎は太い。
【生活形】多年草で半地中植物。
た日かげに生える。腐葉土の多いところを好む。
き、5~7月に白い花が咲く。葉は卵形であるが先は
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
全国カテゴリー
〔学名〕Persicaria erecto-minor (Makino) Nakai
葉は乾燥して緑色。鞘状の托葉は薄く、長さ5~12mm
【摘要】北海道、本州(近畿以西)、四国、九州に分布。
で側面と縁に短い毛がある。疎らに枝が出る。
国外では東アジア、北アジアに分布する。亜熱帯~冷
【生活形】1年草。
温帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】花穂は短く15~30mmで、5~10月に淡紅
色の小花が咲く。果実は3稜形である。葉は少なく、
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には南埼玉・北葛飾郡市に記録
がある。
長さ3~8cmで細長く、縁と下面にだけ毛があり、ホ
ソバイヌタデに似るが腺点はなく、
ごく短い柄がつく。
〔タデ科〕
〔和名〕ホソバイヌタデ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Persicaria trigonocarpa (Makino) Nakai
イヌタデより全体に小さく、
葉の幅は狭く4~8mm位。
【摘要】北海道、本州(関東)
。国外では北アジア、東ア
ジア。本県では低地に分布し、妻沼と加須の低地に多
葉の裏と萼に盤状の腺点があり、乾燥すると目立つ。
いが、荒川と中川の低地ではまれである。中間温帯か
葉は乾燥して褐色。
【生活形】1年草。
ら冷温帯にかけての川や溝の縁に生育する。
【形態の特徴】花はイヌタデより遅く9~10月に咲く。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
― 81 ―
類
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
菌
【形態の特徴】花穂は長さ1~3cmで頂と葉のわきにつ
〔和名〕ヒメタデ
類
ジア。本県では奥秩父の低山から亜高山帯に分布し、
衣
尖り、基部は心形。裏面は白緑色。根元から出る葉の
【摘要】本州(奥羽~近畿)
、四国、九州。国外では東ア
〔タデ科〕
藻
から出るのは大きくて長い柄がつくが、茎の葉は小さ
に広く分布。冷温帯から寒帯にかけての草原に生育す
類
【摘要】北海道、本州(福島以南)、四国、九州。北半球
苔
〔和名〕イブキトラノオ
全国カテゴリー
蘚
〔タデ科〕
〔タデ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヤナギヌカボ
〔学名〕Persicaria foliosa (H. Lindb.) Kitag. var. paludicola (Makino) H. Hara
維 管束 植 物
疎らに淡紅色の花を付ける。花柱は2本、萼に腺点は
【摘要】北海道、本州(関東~近畿)
、四国、九州。国外
ない。果はレンズ形または3稜形。
では東アジア。亜熱帯から冷温帯にかけての湿地およ
【生活形】1年草。
び河原に生育する。
【形態の特徴】ヌカボタデに似ているが、やや低く斜め
に立ち上がる。葉はやや厚みがあり、先が尖った細い
【減少の要因】道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には北足立・南埼玉・北葛飾郡
市に記録がある。
線形。乾燥して赤褐色になる。秋に3~7cmの花穂に
蘚
苔
〔タデ科〕
類
〔和名〕ナガバノウナギツカミ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Persicaria hastato-sagittata (Makino) Nakai
端が斜め外側に三角に尖ることで区別される。
【摘要】本州(関東・中部)
、九州に分布。暖温帯~中間
藻
【生活形】1年草。
温帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】花は9~10月に咲く。アキノウナギツカ
ミに似るが、花序中の花をつける枝は苞より長く、腺
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
類
毛があり、托葉のさやの縁に毛がある。葉の基部は両
〔タデ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
地
〔和名〕ヌカボタデ
衣
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。暖温帯
〔学名〕Persicaria taquetii (Lév.) Koidz.
につける。果は3稜形。2稜でレンズ形のものを、杉
類
本順一はコヌカボタデとする。
の湿地に生育する。本県では荒川低地と中川低地に分
【生活形】1年草。
布し、水田地帯の水辺や湿地に生える。
【形態の特徴】葉は薄く披針形。乾燥して緑色。裏面に
【減少の要因】除草剤の使用、河川改修、湿地開発、埋
菌
立て。
腺点はない。托葉鞘は筒形で等長の毛がある。8~10
月長さ1~3cmのやせた花穂に約1.5mmの小花を疎ら
類
〔タデ科〕
〔和名〕ノダイオウ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Rumex longifolius DC.
ある。葉は長楕円形で葉身は30cm位、基部が少し心形
【摘要】北海道、本州(中国地方を除く)
。東北アジア、
か円く、毛はない。茎は高さ60~120cmになる。
ヨーロッパ、北アメリカ。暖温帯から亜寒帯にかけて
の農耕地、路傍・原野に生育する。本県では荒川河川
【生活形】多年草で半地中植物。
敷のサクラソウ自生地で記録されている。
【減少の要因】河川改修、水湿地の開発など人為的要因
の他、河川の氾濫・浸食作用による生育地の崩壊・消
【形態の特徴】、同じ株に雌花と雄花のある多年草。花は
失もある。
6~8月に咲く。内側の萼片は大きく丸くて縁は平ら
で鋸歯はない。中央にこぶはない。果実の柄には節が
〔タデ科〕
〔和名〕コギシギシ
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Rumex nipponicus Franch. et Sav.
中央のこぶは長卵形でやや大きく、葉はもとが丸く縁
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
は波うち、裏の脈に突起がないことで区別できる。
ア。暖温帯に分布する。本県では低地に分布し、河原
【生活形】多年草で半地中植物。
や荒地に生えるが少ない。
【形態の特徴】花は5~8月に咲く。エゾノギシギシに
【減少の要因】河川敷の利用・開発、河川改修。堤防の
似るが、全体が小さくて、茎と花軸に赤みがなく、内
側のがく片は卵形で縁には長さ1~1.8mmの刺がつき、
― 82 ―
草刈りの時期を誤ると減少する。
〔ヤマゴボウ科〕
〔和名〕マルミノヤマゴボウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Phytolacca japonica Makino
模様があり、葉の先は尾状に尖ることで区別できる。
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州に分布。暖温帯
【形態の特徴】花は6~9月に咲く。ヨウシュヤマゴボ
ウに似るが、花穂は柄が短く1~3cmで、淡紅色の花
【減少の要因】森林伐採、薬用採取。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
が咲き分果は7~10個あり、種子の表面に同心円状の
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
蘚
〔ナデシコ科〕
苔
〔和名〕カワラナデシコ(ナデシコ)
〔学名〕Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) Williams
に咲く。花弁は5個で、基部に毛があり先が細く裂け
は東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての草原や河原
ている。筒形がくの基部に、3~4対の苞がつく。葉
に生育する。本県では丘陵から低山に分布し、河原・
は細く、対生して茎を抱き、茎は高さ約60cmになる。
ほう
【生活形】多年草で半地中植物。
生える。
【減少の要因】園芸・観賞用採取、動物食害。
〔学名〕Lychnis gracillima (Rohrb.) Makino
の長卵形で先端が長く尖る。
茎は高さ40~90cmになる。
県では奥秩父の低山の上部から亜高山の下部に分布
類
がくは筒状鐘形をしている。葉は対生し、長さ約10cm
【摘要】本州(中部以北)
。冷温帯の森林に生育する。本
衣
〔和名〕センジュガンピ(シラネガンピ)
全国カテゴリー
地
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
3~4cmの淡紅色で、頂の枝に疎らにつき、7~10月
藻
崖、林や山道の縁などの日当たりの良い乾いた草地に
〔ナデシコ科〕
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州、奄美大島。国外で
【形態の特徴】全体が粉のような白色を帯びる。花は径
維 管束 植 物
【生活形】多年草で半地中植物ないし地中植物。
の森林に生育する。
【生活形】多年草で半地中植物。
し、谷間の林の縁に生えるが少ない。
につき、7~8月に咲く。花弁は5個あり、先が数個
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
菌
【形態の特徴】花は白色で径20~25mmあり、茎の頂の枝
に切れ込む。中央の花の花柄はがく片より長くなる。
類
〔ナデシコ科〕
〔和名〕フシグロセンノウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Lychnis miqueliana Rohrb.
~10cmの卵形で先端が長く尖る。茎は節が太くて紫色
【摘要】本州、四国、九州に分布。中間温帯~冷温帯の
を帯び、高さ50~70cmになる。
森林に生育する。
【形態の特徴】7~10月に、明るい橙赤色で径5~7cm
【生活形】多年草で地中植物。
もある大きなよく目立つ花を、枝先に疎らにつける。
【減少の要因】動物食害、園芸採取、自然遷移。
花弁は厚く、卵形で先が少し凹む。中央の花の花柄は
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企郡
市に記録がある。
長さが筒形のがくと同じか短い。葉は対生し、長さ7
〔ナデシコ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕オオヤマフスマ(ヒメタガソデソウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Moehringia lateriflora (L.) Fenzl
に毛があり、柄はない。茎は高さ約20cmで、毛が多い。
【摘要】北海道、本州(関東以北)、四国、九州に分布。
国外では東アジア、北アジア、ヨーロッパ、北アメリ
【生活形】多年草で半地中植物。
カに分布する。草原に生育する。
【減少の要因】動物食害、踏みつけ。
【形態の特徴】花は白色で径約15mmあり、頂と葉のわき
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉郡市に記録があ
に1~3個ずつつき、6~8月に咲く。花弁は卵形で、
がく片の長さは果実より短い。葉は長楕円形で縁と脈
― 83 ―
る。
〔ナデシコ科〕
〔和名〕ワチガイソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Pseudostellaria heterantha (Maxim.) Pax
が1列に並び、下の方に閉鎖花がつく。根は1~2個
【摘要】本州(中部以北)、四国、九州。国外では東アジ
維 管束 植 物
が紡錘形。
ア。本県では低山のシイ・カシ帯上部からブナ帯下部
【生活形】多年草で半地中植物。
のやや湿った林の中に生えるが少ない。
【形態の特徴】花は白色で、倒卵形の花弁が5個と、が
【減少の要因】道路工事、園芸採取、動物食害。
く片が5個ある。頂と葉のわきに1~3個つき、4~
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。古
6月に咲く。花柄には縮れた毛がつく。葉は披針形か
赤道に沿って分布。つまり、日本、地中海に分布しイ
卵状披針形で元の方は細くなり、その縁に毛がある。
ンド、ヒマラヤはない。レンギョウ型分布とされる。
蘚
対生する葉の節間は離れている。草高葯10cmで茎に毛
苔
類
〔ナデシコ科〕
〔和名〕ワダソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Pseudostellaria heterophylla (Miq.) Pax
藻
茎には毛が2列に並び、根は1個だけが紡錘形に太く
【摘要】本州(中部以北)、九州(北部)
。国外では東ア
なることで区別できる。
ジア。本県では低山の下部に分布し、夏緑樹の林間の
【生活形】多年草で地中植物。
草地に生え、まれに見られる。
類
【形態の特徴】花は4~5月に茎の頂に数個つける。ワ
【減少の要因】森林伐採、石灰採掘、園芸採取、動物食
害。
チガイソウに似るが、上の方の葉は幅が広く、2対の
対生葉は節間が短くて、十字形の輪生のようにつく。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
地
衣
〔ナデシコ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヒゲネワチガイソウ
全国カテゴリー
〔学名〕Pseudostellaria palibiniana (Takeda) Ohwi
類
輪生のようにつき、根は数本あるが太くならないこと
【摘要】本州(中部以北)
。国外では東アジア。本県では
で区別できる。
低山の上部に分布し、夏緑樹林の中で腐植質の多い草
菌
【生活形】多年草で半地中植物。
地に生え、まれに見られる。
【形態の特徴】花は4~5月に咲く。ワチガイソウに似
るが、花は茎の頂に1個だけつき、花柄には毛がなく、
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
がく片は6~7個あり、上の方の葉は2対が十字形の
〔ナデシコ科〕
〔和名〕オオビランジ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Silene keiskei Miq.
がくなどに毛がないか、ごく僅かであることで区別さ
【摘要】本州中部(栃木・群馬・甲信・丹沢・南アルプ
れる。
ス)。冷温帯の岩・礫地に生育する。石灰岩地にも見ら
【生活形】多年草で半地中植物。
れることがある。
【形態の特徴】ビランジは7~9月に紅紫色で径2.5cm
位の花を、茎の頂にまばらにつける。全体に毛や腺毛
【減少の要因】道路工事、園芸採取、動物食害。
【特記事項】フォッサマグナ要素とされる。
が多い。その母種とされるオオビランジは、葉、花柄、
〔ナデシコ科〕
〔和名〕ビランジ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Silene keiskei Miq. var. minor (Takeda) Ohwi et Ohashi
ビランジ
7~9月に咲く。花弁は倒卵形で先端が浅く2つに裂
【摘要】本州中部に分布する。山地の崖に生育し、本県
け、がくは筒形で脈が10個ある。葉は細長くて先端が
では石灰岩壁にまれに見られる。
尖る。茎は基部から枝を出し、高さ15~25cmになる。
【形態の特徴】本県では奥秩父の低山に分布し、岩壁の
割れ目や岩棚に生える。多年草。全体に毛や腺毛が多
【生活形】多年草で半地中植物。
い。花は紫紅色で径2.5cmあり、茎の頂に疎らにつき、
【減少の要因】園芸採取、石灰採掘、道路工事。
― 84 ―
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔ナデシコ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Stellaria filicaulis Makino
細く幅が1~3mmで、
斜めに立ってつく。
草高20~60cm
【摘要】本州(関東以北、東京から仙台)
。国外では朝鮮、
になる。
中国東北部。暖温帯から冷温帯にかけての湿地に生育
する。本県では低地に分布し、川や沼地の水湿地に生
【生活形】多年草で半地中植物。
え、まれに見られる。
【減少の要因】水質汚濁、低湿地の埋め立て。
【特記事項】大陸から渡り鳥が運んできて分布した(帰
化)ともいわれる。
きに、白色で径8mmの白い花を1個ずつつける。花弁
蘚
【形態の特徴】5~6月に細くて四角の茎の頂や葉のわ
維 管束 植 物
〔和名〕イトハコベ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
は開く部分がV字形に裂け、長さは萼片の1.5倍。葉は
類
〔アカザ科〕
〔和名〕カワラアカザ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Chenopodium virgatum Thunb.
できる。
ジア。暖温帯の海岸および河原に生育する。本県では
【生活形】1年草。
群生するが少ない。
【減少の要因】河川改修、砂利採取による河原の消滅。
類
主に荒川の中流域から上流域に分布し、河原の砂地に
【形態の特徴】花は6~10月に咲く。マルバアカザに似
藻
とんど枝が出ないか、出ても上向きになることで区別
【摘要】本州、四国、九州、対馬、琉球。国外では東ア
【特記事項】旧版植物誌には秩父を除く県内全域で記録
地
された。
るが、花穂は花が疎らで、ほとんど枝は出ず、葉は細
く、先が尖り、基部はくさび形になり、茎は立ち、ほ
衣
は平滑。葉身は倒卵形で長さ4~10cm、両側に5~10
菌
〔和名〕チョウセンゴミシ
全国カテゴリー
類
〔マツブサ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Schisandra chinensis (Turcz.) Baill.
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。国外では北アジア、
個の波状鋸歯がある。また葉脈は葉の表面で凹む。
東アジア。
中間温帯から亜寒帯にかけての森林の林縁。
【生活形】夏緑性で木本のつる植物。
色、径1cmで芳香がある。花床は花後に伸長し、集合
【減少の要因】薬用採取、産地極限。
果は房状で長さ5~6cm。液果は赤熟し、種子の表面
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕レイジンソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Aconitum loczyanum Rapaics
る。根は多年生の垂直な根茎で、いくつかの条にわか
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。山地から低山の
れる。有毒植物。
草原や林縁。
【形態の特徴】花期は9月~10月。花は淡紅紫色で、頂
【生活形】多年草で半地中植物ないし地中植物。
萼片は上部で細くなる。花柄や花の外面には開出した
【減少の要因】園芸採取、山林開発、動物食害。
毛がある。根出葉には長い柄があり腎円形で、5~7
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
る。
中裂する。裂片はさらに浅裂し、鈍頭の粗い鋸歯があ
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕キタザワブシ(オンタケブシを含む)
〔学名〕Aconitum nipponicum Nakai subsp. micranthum (Nakai) Kadota
【摘要】本州(中部地方~東北地方南部)に分布。高山
【形態の特徴】葉は3深裂する。花序の枝は斜上し、花
の草原に生育し、本県では奥秩父の稜線で記録されて
は花序の上から咲き始める。花柄には曲がった毛が生
いる。
え、雄しべには毛が密生する。生育地の環境に応じて
― 85 ―
類
【形態の特徴】花期は5月~7月。雌雄異株で花は黄白
幅広い変異を示す。
花柄や雄しべの毛の有無や形から、
のもあり含めて評価した。
これまで県内でオンタケブシAconitum metajaponicum
【生活形】多年草で地中植物。
Nakaiと考えられてきたものも、
本種と再同定されたも
【減少の要因】動物食害。
維 管束 植 物
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕アズマレイジンソウ
全国カテゴリー
〔学名〕Aconitum pterocaule Koidz.
る。根は多年生の垂直な根茎で、いくつかの条にわか
【摘要】本州(中部以北)
。冷温帯の落葉広葉樹林の林縁
れる。有毒植物。
や林内。
蘚
【形態の特徴】花期は8月~10月。花は淡紅紫色で、頂
【生活形】多年草で地中植物。
苔
萼片は上部で細くなる。花柄や花の外面には曲がった
【減少の要因】園芸採取、動物食害、山林開発。
毛がある。根出葉には長い柄があり腎円形で、5~7
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
中裂する。裂片はさらに浅裂し、鈍頭の粗い鋸歯があ
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB
藻
〔和名〕サンヨウブシ(トウカイブシ)
〔学名〕Aconitum sanyoense Nakai
つくる。有毒植物。
【摘要】本州(関東以西)、四国。冷温帯の落葉広葉樹林。
類
【形態の特徴】花期は8月~9月。花は濃紫色または白
色で、花柄は無毛。中部の茎葉は円腎形、7中裂し、
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、産地極限、動物食
害。
列片はさらに浅裂して粗い鋸歯がある。根は紡錘状に
地
膨らんだ塊根で、秋には翌年の茎を出す子根をわきに
衣
〔キンポウゲ科〕
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
〔和名〕ホソバトリカブト
全国カテゴリー
全国カテゴリー
〔学名〕Aconitum senanense Nakai
る。有毒植物。秩父地方の石灰岩地には子房に毛のな
【摘要】本州(中部以北)
。山地から高山までの草原・森
菌
い品種 f. glabratum Nakai チチブトリカブトが分布
林および岩・礫地。
【形態の特徴】花期は8月~9月。花は碧紫色で花柄に
する。
類
は開出毛がある。中部の茎葉は円心形で5深裂し、裂
【生活形】多年草で地中植物。
片は深く欠刻し、欠刻片は細長く、両面脈状に曲がっ
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
た毛がある。茎は長さ40~100cmで曲がった毛がある。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
根は紡錘状円錐形に膨らんだ塊根で、秋に子根をつく
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕フクジュソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Adonis amurensis Regel et Radde
ニンを含む有毒植物。
【摘要】本州、四国、九州。冷温帯の落葉広葉樹林。
【形態の特徴】花期は3月~4月。秩父から奥多摩にか
【生活形】多年草で地中植物。
けては自生地も多く、江戸時代から栽培が盛ん。園芸
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
品種も多く、元日草とも呼ばれる。全草に配糖体アド
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕ヒメイチゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Anemone debilis Fisch.
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア。
葉は1回3出複葉で、小葉はほとんど無柄で分裂しな
亜高山帯の針葉樹林や高山帯の低木林林縁および草
い。茎葉は3枚が輪生し、それぞれ3全裂する。根茎
は横にはい、ところどころ紡錘状に膨らむ。
原。
【形態の特徴】花期は5月~7月。花茎は5~15cmで、
径1cmの花を1個頂生する。萼片は5枚で白色。根出
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採。
― 86 ―
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕ミスミソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Hepatica nobilis Schreb. var. japonica Nakai
3浅裂する。茎葉は小形で3枚が輪生し、柄が無く全
【摘要】本州(中部以西)
、九州。中間温帯から冷温帯に
にはう。
【形態の特徴】花期は3月~4月。花茎は10~15cmで径
1~1.5cmの花を1個頂生する。
萼片は長楕円形~披針
【生活形】多年草で半地中植物。根出葉は冬も枯れない。
形、6~10枚で白色・淡青色・淡紫色又は淡紅色と変
【減少の要因】園芸採取、産地極限。
化に富む。根出葉は束生し、長い柄がありほぼ三角形、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
全国カテゴリー
苔
〔和名〕イチリンソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Anemone nikoensis Maxim.
【形態の特徴】花期は4月~5月。花は花茎に1花頂生
類
複葉で、3枚が輪生し、各小葉は羽状に深裂する。
【摘要】本州、四国、九州。低山や丘陵の落葉広葉樹林。
蘚
〔キンポウゲ科〕
維 管束 植 物
縁、花の直下にあり萼の様に見える。根茎は細長く横
かけての落葉広葉樹林。
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】園芸採取、管理放棄、自然遷移、道路工事。
色。根出葉は1~2回3出複葉で、小葉は羽状に深裂
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
藻
し、径4cm。萼片は5~6枚で、内面白色、裏面帯紅
入間・北足立・南埼玉郡市に記録がある。
し、欠刻する。茎葉は鞘状に広がった葉柄をもつ3出
類
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕キクザキイチゲ(キクザキイチリンソウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Anemone pseudo-altaica H. Hara
衣
異なる。
落葉広葉樹林。
【生活形】多年草で地中植物。
2.5~3cm。萼片は8~13枚、線状長楕円形で白色又は
【減少の要因】不明。
淡青色。根出葉は2回3出複葉、小葉は羽状に深裂し、
【特記事項】旧版植物誌には児玉郡市に記録がある。し
が3枚輪生し、各小葉は羽状深裂する。アズマイチゲ
〔和名〕アズマイチゲ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Anemone raddeana Regel
はない。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア。
【生活形】多年草で地中植物。
冷温帯の落葉広葉樹林の林縁や林内。
【形態の特徴】花期は3月~4月。花は花茎に頂生し径
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、道路工事、動物食
害。
2~3cm。萼片は8~13枚で内面白色、裏面は紅紫色
を帯びることがある。根出葉は2回3出複葉で、小葉
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企郡
市に記録がある。
は3出状に分裂する。茎葉は柄のある3出複葉が3枚
が輪生し、各小葉は鋸歯があっても深く切れ込むこと
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕サンリンソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Anemone sto1onifera Maxim.
【摘要】本州中部以北、北海道に分布。国外では朝鮮半
小葉は小葉柄があり、側小葉はさらに2深裂する。花
島、中国東北部、および台湾の山地に隔離分布する。
茎は高さ15~30cm。茎葉は3枚が輸生し、有柄で、3
温帯上部~亜寒帯に分布し、林縁や林床に生育する。
深裂する。6~7月頃、径約1.5cmの花を1~4個つけ
る。萼片は5枚、楕円形で、白色。
【形態の特徴】匍匐する枝を出して群生する。根茎は太
く、古い根出葉の葉鞘の繊維で被われ、数枚の根出葉
【生活形】多年草で地中植物。
と1~3本の花茎を束生する。根出葉は3出複葉で、
【減少の要因】動物食害、踏みつけ。
― 87 ―
類
〔キンポウゲ科〕
菌
かしその後発見されていない。
裂片は更に欠刻する。茎葉は鞘状の柄のある3出複葉
類
【形態の特徴】花期は3月~4月。花は花茎に頂生し径
地
に似るが、葉が細かく裂け、長くはう根茎をもつ点で
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。冷温帯の草原および
【特記事項】旧版植物誌では秩父・比企郡市に記録がある。
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
維 管束 植 物
〔和名〕レンゲショウマ
全国カテゴリー
〔学名〕Anemonopsis macrophylla Siebold et Zucc.
下向きの花をつける。
【摘要】本州(中部以北)
。冷温帯から亜寒帯にかけての
【生活形】多年草で地中植物。
落葉広葉樹林。
【形態の特徴】花期は7月~8月。花は淡紫色で径3~
3.5cm。花弁は10~13個で開出せず、先はしばしば濃紫
【減少の要因】園芸採取、石灰採掘、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉郡市に記録があ
る。
色を帯びる。萼片は花弁状で7~10個、花弁より長く
蘚
平開する。花序は総状~円錐状で、長い花柄の先端に、
苔
類
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕ヒメウズ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Semiaquilegia adoxoides (DC.) Makino
藻
短い距がある。
根出葉は長い柄のある1回3出複葉で、
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州。国外
では東アジア。暖温帯から中間温帯にかけての人里近
小葉は2~3中~深裂し、裂片はさらに2~3浅裂す
い山裾や路傍の草むら。
る。全体に小さな草で、軟らかい。
類
【形態の特徴】花期は3月~5月。花は白色で紅色を帯
び径5mm。花弁の基部は合着して筒状となり、外側に
地
〔キンポウゲ科〕
衣
〔和名〕ヤマオダマキ
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】草地開発、道路工事。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Aquilegia buergeriana Siebold et Zucc.
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。中間温帯~
ノヤマオダマキと呼ぶ。いずれも青酸配糖体を含み、
冷温帯の草原に生育する。
有毒である。
【形態の特徴】花期は6月~8月。花の形は特徴があり
【生活形】多年草で半地中植物。
菌
径3cm。萼片は紫褐色、花弁は淡黄色で基部は後ろに
【減少の要因】動物食害、踏みつけ。
長く伸びて紫褐色の距となる。距はほとんど曲がらな
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間・
い。根出葉は2回3出複葉で、長い柄がある。花全体
北足立・南埼玉郡市に記録がある。
類
が黄色のものも多く、 f. flavescens Makino キバナ
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕イヌショウマ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Cimicifuga japonica (Thunb.) Sprengel
ある。
【摘要】本州(関東~近畿)に分布。中間温帯~冷温帯
【生活形】多年草で地中植物。
の森林に生育する。
【形態の特徴】花期は8月~9月。花は白色で、ほとん
ど無柄。果実は袋果。根出葉は2回3出複葉で、小葉
【減少の要因】森林伐採、管理放棄、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間・
北足立・南埼玉郡市に記録がある。
は長さ6~10cm、ややかたく、表面の脈上に短い毛が
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕サラシナショウマ
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Cimicifuga simplex Wormsk.
150cmで、
上部には短い白毛を密生する。
根茎には解毒、
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では北
解熱の薬効がある。
アジアに分布する。冷温帯~亜寒帯の草原および森林
【生活形】多年草で半地中植物ないし地中植物。
に生育する。
【形態の特徴】花期は8月~10月。花は白色で、5~10mm
の柄がある。花序は基部で分岐する総状花序で、花時
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
には直立せず、波打つように斜上する。茎は高さ40~
― 88 ―
録がある。
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ミヤマハンショウヅル
〔学名〕Clematis ochotensis (Pall.) Poiret
小葉の先は鋭く尖り粗い鋸歯がある。
【摘要】本州(中部以北)。国外では北アジア、東アジア。
【形態の特徴】花期は6月~8月。花は紫色で新しい枝
に頂生し、鐘形で下向きに咲く。4枚の萼片の内側に、
【減少の要因】園芸採取、山林開発、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
る。
短いへら形の花弁が多数ある。葉は2回3出複葉で、
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
苔
〔学名〕Clematis patens Morr. et Decne.
ア。暖温帯から中間温帯の平野や低山の林縁および湿
卵形でときに3裂するが鋸歯はない。花が美しいので
地。
栽培され、園芸品種も多い。
頂生し、径7~12cmで上向きに平開する。萼片は8枚
【減少の要因】園芸採集、道路工事、草地開発。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
類
〔キンポウゲ科〕
【生活形】夏緑性のつる植物で茎は木化する。
藻
【形態の特徴】花期は5月~6月。花は今年伸びた枝に
類
で淡紫色または白色。
葉は羽状複葉で小葉は3~5枚、
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
蘚
〔和名〕カザグルマ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
維 管束 植 物
【生活形】夏緑性のつる植物で茎は木化する。
亜高山帯の針葉樹林の林縁や林内。
〔キンポウゲ科〕
全国カテゴリー
〔和名〕トリガタハンショウヅル(アズマハンショウヅルを含む)
〔学名〕Clematis tosaensis Makino
【形態の特徴】花期は4月~5月。花は黄白色で鐘形、
尖り粗い鋸歯がある。アズマハンショウヅルは花色が
間がつまっているために古い葉腋に葉と共に群がるよ
【生活形】夏緑性のつる植物で茎は木化する。
うに見える。萼片は4枚で薄く先は反曲し、背面に白
【減少の要因】園芸採取、山林開発。
類
暗紫色。
下向きに咲く。今年枝の葉腋や鱗片の腋につくが、節
衣
毛がある。葉は柄があり3出複葉、小葉は卵形で先は
地
【摘要】本州(近畿以北)
。冷温帯の落葉広葉樹林の林縁。
菌
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕ウスギオウレン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Coptis lutescens Tamura
類
披針形で、縁辺が多少波うつ。花弁は小さいへら形。
【摘要】本州(関東・中部)。山地から亜高山にかけての
葉は1~3回3出複葉で、明らかな小葉柄がある。
針葉樹林。
【形態の特徴】花期は4月~5月。花茎は分岐して、3
花を横向きにつける。花は淡黄緑色、萼片は狭く線状
〔キンポウゲ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕バイカオウレン(ゴカヨウオウレン)
全国カテゴリー
〔学名〕Coptis quinquefolia Miq.
【摘要】本州(近畿以北)、四国。亜高山帯の針葉樹林。
【生活形】多年草で半地中植物。
【形態の特徴】花期は4月~5月。花は白色、萼片は倒
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
卵形で、1個の花を上向きに頂生する。葉は鳥足状複
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里郡市に記録があ
る。
葉で小葉は5枚、小葉柄はほとんどない。根茎は細長
く横にはい、匐枝を出して繁殖する。
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕ミツバオウレン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Coptis trifolia (L.) Salisb.
【摘要】北海道及び中部以北の本州に分布。国外では東
アジア、北アメリカに分布する。亜寒帯~寒帯の湿地
および森林に生育する。
【形態の特徴】花期は6月~8月。花は白色、萼片は長
― 89 ―
楕円形で、1個の花を上向きに頂生する。袋果はほぼ
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
卵形で、花柱は長く伸長し約2mm。葉は3出複葉、小
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
葉はほとんど無柄。根茎は細いが薬用となる。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
維 管束 植 物
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕トウゴクサバノオ
全国カテゴリー
〔学名〕Dichocarpum trachyspermum (Maxim.) W.T. Wang et Hsiao
基部に閉鎖花をつける。種子には密に小さな突起があ
【摘要】本州、四国、九州に分布。中間温帯の森林に生
る。
育する。
蘚
【形態の特徴】花期は4月~5月。花は淡黄緑色~白色
で径6~8mm。全開せずやや垂れ下がって咲く。茎の
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
苔
類
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕チチブシロカネソウ(オオシロカネソウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Enemion raddeanum Regel
藻
花茎上部の茎葉は無柄で、3枚が輪生する。
【摘要】本州(中部以北)
。国外では東アジア。冷温帯の
【生活形】多年草で地中植物。
落葉広葉樹林。
【形態の特徴】花期は5月。花は白色で径1.2cm、花弁は
類
ない。花序は散形状で、数個の花を上向きにつける。
【減少の要因】森林伐採、動物食害、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
根出葉は1回3出複葉で、小葉は3裂し鋸歯がある。
地
〔キンポウゲ科〕
衣
〔和名〕オキナグサ
類
【摘要】本州、四国、九州。国外では北アジア。暖温帯
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Pulsatilla cernua (Thunb.) Sprengel
欠刻する。P. vulgaris Mill. ヨウシュオキナグサは
から中間温帯にかけての草原および河原。
3回羽状複葉で花が上向きに咲く。アネモニンを含む
【形態の特徴】花期は4月~5月。花茎に1個が頂生し
有毒植物。
菌
鐘形で下向きに開く。萼片は6枚、長楕円形で長さ2
【生活形】多年草で地中植物。
~2.5cm。外面は長白毛で被われ内面は暗赤紫色。根出
【減少の要因】園芸採取、ゴルフ場造成、自然遷移。
葉は長い葉柄があり2回羽状複葉。小葉は深裂し更に
類
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕コキツネノボタン
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Ranunculus chinensis Bunge
の集合果を形成する。下部の葉には長柄があり1回3
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
出複葉、
小葉はさらに2~3回3出状に中~深裂する。
暖温帯から冷温帯にかけての湿地。
【形態の特徴】花期は5月~6月。高さ30~60cmの直立
【生活形】多年草で半地中植物。
する茎の先に集散花序をつける。
花は黄色で径約1cm、
【減少の要因】不明。
花弁・萼片ともに5枚でほぼ同長。萼片は背面に長毛
【特記事項】旧版植物誌には北足立・南埼玉・北葛飾郡
があり、花後反曲する。花床は花後も伸び、長さ約2cm
市に記録がある。しかしその後発見されていない。
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕ヒキノカサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Ranunculus extorris Hance
に肥大した数本の根がある。
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
ア、南アジア。暖温帯の日当たりのよい湿った草地お
【生活形】多年草で半地中植物。
よび湿地。
【減少の要因】草地開発。
【形態の特徴】花期は4月~5月。根出葉は掌状に3~
【特記事項】旧版植物誌には北足立・南埼玉郡市に記録
5浅~深裂し、裂片はさらに2~3裂する。中型の植
物で、茎の高さは10~30cm。ひげ根のほかに、紡錘状
― 90 ―
がある。
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕アカギキンポウゲ
全国カテゴリー
〔学名〕Ranunculus japonicus Thunb. var. akagiensis (Hiyama) Tamura
cm、3~5中~深裂し、裂片はさらに2~3裂する。
【摘要】本州(関東・中部)
。国外では北アジア、東アジ
ことが異なる。
【形態の特徴】花期は4月~5月。花は光沢のある鮮黄
色で径約2cm、高さ30~50cmの直立する茎の先の集散
【生活形】多年草で地中植物。
花序につく。根出葉には長い柄があり葉身は幅3~6
【減少の要因】草地開発、動物食害。
〔和名〕バイカモ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Ranunculus nipponicus (Makino) Nakai var. submersus H. Hara
浮葉は円腎形で長い柄があり径約2cm、5浅~中裂する。
【摘要】北海道、本州。暖温帯から冷温帯にかけての浅
【生活形】多年草で水湿植物。
くきれいな流水中。
【形態の特徴】花期は6月~8月。花は葉腋に単生し白
【減少の要因】水質汚濁、農薬汚染、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企郡市に記録があ
る。しかしその後発見されていない。最近大里郡市か
節から根を出す。葉は2形あって水中葉は長さ3~7
らの報告があるが、他の生物に伴って移入された可能
cm、3~4回3出の複葉で裂片はさらに2分し糸状。
性があり、今後検討を要する。
〔キンポウゲ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Ranunculus tachiroei Franch. et Savat.
さらに3~5中~深裂する。上部の茎葉は1回3出状
【摘要】本州に分布。国外では朝鮮半島に分布する。川
となる。花は径10~15mm、萼片の外側にはあらい毛が
岸や田の縁など、日当りのよい泥地に生育する。
多い。花弁は楕円形で、萼片より長い。花期は5~8
【形態の特徴】茎は直立し、高さ35~100cm、中部や下部
月。
には葉柄とともに開出するあらい毛が密生する。茎の
【生活形】多年草で半地中植物。
両面に伏毛がある。根出葉は幅6~12cm、第2小葉は
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Shibateranthis pinnatifida (Maxim.) Satake et Okuyama
裂片はさらに2深裂して、各裂片は羽状に欠刻する。
【摘要】本州(東北地方南部から中国地方東部)
。山地か
根出葉には長い葉柄があるが、茎葉は無柄。
ら低山の落葉広葉樹林。
【形態の特徴】花期は3月。花は白色で径2cm、花弁は
【生活形】多年草で地中植物。
密弁となり先は2裂し黄色。萼片は5枚あり卵形。雄
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、道路工事。
しべは多数で葯は淡紫色。根出葉は5角状円形で径3
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
録がある。
~5cm、花時には開いていない。葉身は3全裂し、側
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕シギンカラマツ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Thalictrum actaefolium Siebold et Zucc.
り、先に曲がった柱頭がつく。葉は2~3回3出複葉
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。中間温帯から冷
で、小葉は長さより幅が広い。
温帯にかけての山地の草原および岩・礫地。
【形態の特徴】花期は7月~10月。花は白色で径1cm。
【生活形】多年草で半地中植物。
雄しべの花糸は先が棍棒状で葯より太い。萼片は4個
【減少の要因】草地開発、園芸採取、産地極限。
で花期には脱落。そう果は紡錘形で長さ3mm、縦に隆
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
起する10本の稜がある。花柱は伸びて1.5mmほどにな
― 91 ―
る。
類
〔和名〕セツブンソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
菌
上部はよく分枝し、伏毛が多い。葉は2回3出複葉で
〔キンポウゲ科〕
地 衣 類
〔和名〕オトコゼリ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
類
あって、水中から空中に伸びる。茎は長さ2mに達し、
藻
色、径1.5cm内外あって梅花状。花柄は長さ3~5cm
蘚 苔 類
〔キンポウゲ科〕
維管束植物
母種のウマノアシガタに似るが、茎や葉柄の毛がねる
ア。冷温帯の草原。
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕カラマツソウ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Thalictrum aquilegifolium L. var. intermedium Nakai
あって先端は尖る。葉は3~4回3出複葉で托葉や小
【摘要】北海道及び中部以北の本州に分布。冷温帯~寒
維 管束 植 物
托葉が目立つ。
帯の草原に生育する。
【形態の特徴】花期は7月~9月。花は白色または淡紫
【生活形】多年草で半地中植物。
色で径1cm。雌しべは8~20個。雄しべの花糸は先が
【減少の要因】踏みつけ、動物食害。
棍棒状で葯より太い。萼片は広楕円形で早落性。そう
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
果には長い柄がありぶら下がり、縦に3~4枚の翼が
入間郡市に記録がある。茎や葉を胃腸薬に用いる。
蘚
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
〔和名〕ハルカラマツ
類
【摘要】北海道、本州(関東以北)。国外では東アジア。
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Thalictrum baicalense Turcz.
花柱は柱頭を含めて0.5mmほどで、基部には短い柄があ
り開出。葉は2~3回3出複葉で、小托葉はなく、托
冷温帯の湿った草原および落葉広葉樹林。
藻
【形態の特徴】花期は6月~7月。花は黄白色で径8mm。
葉の縁辺は細かく切れ込む。
雄しべの花糸は先が棍棒状で、葯より太い。そう果は
【生活形】多年草で半地中植物。
球状楕円形で長さ3mm、縦に8本の隆起する稜がある。
【減少の要因】草地開発、森林伐採、園芸採取。
類
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕ミョウギカラマツ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Thalictrum minus L. var. chionophyllum (Nakai) Sugim.
地
【摘要】群馬県(妙義山)
。岩壁からぶら下がり生育する。
衣
【形態の特徴】花期は8月~9月。花は黄白色で径1cm。
るしい白色となる。
【生活形】多年草で半地中植物。
類
雄しべの花糸は、葯より細い。そう果は紡錘形で長さ
【減少の要因】不明。
約4mm、翼状に隆起する8~10本の稜がある。茎は長
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
さ50cm~1mで、岩壁から垂れ下がる。葉は2~3回
菌
3出複葉で、小葉は長さ2~3cm。葉の裏面はいちじ
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
類
〔和名〕コカラマツ(オオカラマツ)
全国カテゴリー
〔学名〕Thalictrum minus L. var. stipellatum (C.A.Mey.) Tamura
糸状で、葯より細く、葯隔は鋭く突出する。果柄はア
【摘要】北海道および本州に分布。アキカラマツより高
キカラマツの1cm以下よりはるかに長く、5cmに達す
所の深山の岩壁に生育し、特に石灰岩地に多い。
るものもある。そう果は3~12個、紡錘形で長さ約4
【形態の特徴】茎葉は多く、2~4回3出複葉で、小葉
mm。花期は7~9月。
は長さ1~3cm、ふつう無毛である。花序は円錐状に
広がり、まばらに花をつける。花は径約1cm。萼片は
【生活形】多年草で半地中植物。
3~4個、長楕円形で長さ約4mm、早落する。花糸は
【減少の要因】動物食害。
〔キンポウゲ科〕
〔和名〕ノカラマツ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Thalictrum simplex L. var. brevipes H. Hara
複葉で、小葉は細いくさび形。花期には根出葉がない。
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。冷温帯
茎はあまり分岐せず、鋭い稜がある。
の草原。
【形態の特徴】花期は6月~8月。花は黄緑色で径1cm。
【生活形】多年草で地中植物。
雌蘂は2~6個。雄しべの花糸は糸状で細く、葯隔は
【減少の要因】河川開発、湿地開発、埋め立て。
鋭く突出。萼片は淡黄色で早落性。花序は細い円錐形
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
で花は多数。そう果には柄がない。葉は1~2回3出
― 92 ―
〔キンポウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕モミジカラマツ
〔学名〕Trautvetteria caroliniensis (Walt.) Vail var. japonica (Siebold et Zucc.) T. Shimizu
は単葉で掌状に7~9中~深裂する。茎は高さ30~
東アジア。山地帯から高山帯にかけての湿った草原や
60cm、上部で分岐する。また地下に細い匍匐枝を伸ば
森林。
す。
【形態の特徴】花期は7月~8月。花は白色で径1~
1.3cm、花弁はない。萼片は3~5個あるが花期には脱
【生活形】多年草で半地中植物。
維 管束 植 物
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
【減少の要因】草地開発、森林伐採、園芸採取、動物食
害。
落。花序は散房状で10個ほどの花を疎らにつける。葉
蘚
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ヒロハヘビノボラズ
歯がある。
【形態の特徴】花期は5月~6月。果実は楕円形で長さ
10mm、赤く熟す。葉は倒卵形~楕円形で長さ3~10cm、
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・入間郡市に記
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
地
〔学名〕Berberis sieboldii Miq.
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
入間郡市に記録がある。しかしその後発見されていな
埼玉での分布は、栽培個体からの逸出と考えられるが
い。
菌
cmで先は鋭頭~鈍頭。
先端が刺状の細かい鋸歯がある。
不明。
全国カテゴリー
〔学名〕Epimedium grandiflorum Morr. var. thunbergianum (Miq.) Nakai
基部は心形で縁に刺状の毛がある。
【摘要】北海道及び本州に分布。中間温帯~冷温帯の森
【生活形】多年草で地中植物。
林に生育する。
【形態の特徴】花期は4月~5月。花は紅紫色・淡紫色
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
または白色で、花弁には長さ15~20mmの距がある。外
【特記事項】旧版植物誌には、北埼玉、北葛飾を除く県
萼片・内萼片・花弁および雄しべともに4個で、外萼
内各地に記録がある。全草にイカリインを含み、強壮
片は早落性。葉は1~3回3出複葉で、小葉は卵形、
強精薬に用いる。
〔ツヅラフジ科〕
〔和名〕コウモリカズラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Menispermum dauricum DC.
長さ幅ともに7~13cm、葉柄は葉身に楯状につく。
【摘要】北海道、本州(近畿を除く)
、四国、九州、琉球
に分布。国外では東アジア、北アジアに分布する。亜
【生活形】多年生のつる植物。
熱帯~冷温帯の森林に生育する。
【減少の要因】土地造成。
【形態の特徴】花期は5月~6月。円錐花序に淡緑色の
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉、比企、北足立
小さな花を多数つける。花弁は萼片より小さく、雌花
の雌しべは3~4個。葉は腎円形で浅く5~9裂し、
― 93 ―
郡市に記録がある。
類
〔和名〕イカリソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
類
【生活形】夏緑性の低木。
衣
【摘要】本州(中部・近畿)
、九州。暖温帯の森林。
【形態の特徴】花期は5月。果実はほぼ球形で径6mm、
〔メギ科〕
類
録がある。
茎や根にアルカロイドのベルベリンを含む。
幅1.5~3cmで先は鈍頭~円頭。
先端が刺状の細かい鋸
赤色に熟す。葉は倒披針形で長さ3~9cm、幅1~2
藻
【生活形】夏緑性の低木。
から冷温帯にかけての落葉広葉樹林。
〔メギ科〕
類
〔学名〕Berberis amurensis Rupr.
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州。暖温帯
〔和名〕ヘビノボラズ
全国カテゴリー
苔
〔メギ科〕
〔ツヅラフジ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ツヅラフジ(オオツヅラフジ)
〔学名〕Sinomenium acutum (Thunb.) Rehd. et Wils.
は3個。雄花の雄しべは9~12本ある。葉は卵円形~
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州、対馬、琉球。国
維 管束 植 物
円形で、基部は心形、葉柄は葉に楯着しない。
外では東アジア。亜熱帯から暖温帯にかけての林縁や
【生活形】夏緑性で木本のつる植物。
路傍。
【形態の特徴】花期は7月。円錐花序に淡緑色の小さな
花を多数つける。花弁、萼片とも6枚で、雌花の雌蘂
蘚
〔スイレン科〕
苔
〔和名〕ジュンサイ
全国カテゴリー
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には比企郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Brasenia schreberi J. F. Gmel.
類
の花糸は細長く、葯は紫紅色で目立つ。葉身は水面に
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島
・種子島、対馬、琉球。国外では東アジア、南アジア、
浮かび、楕円形で径5~10cm、裏面は紫色を帯びる。
東南アジア、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オ
茎・葉柄・葉の裏面は粘質物に被われる。
藻
ーストラリア。亜熱帯から冷温帯にかけての有機物の
【生活形】多年草で水湿植物。
堆積した古い池や沼。
【減少の要因】池沼開発、農薬汚染。
【形態の特徴】花期は6月~8月。花は径2cmほどで、
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・入間・北埼玉
類
葉腋に生じた花柄に単生する。花弁・萼片ともに3個
・北葛飾郡市に記録がある。その後確かな記録もなく、
で紫褐色、花時には反曲し果時には直立する。雄しべ
絶滅したものと思われる。
地
〔スイレン科〕
衣
〔和名〕オニバス
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Euryale ferox Salisb.
類
菌
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、東南ア
録された。大形で全体が刺に包まれる。花は鮮紫色で
ジア。亜熱帯から暖温帯にかけての池や沼。本県では
径4cmあり、長い柄の先に1個つく。花期は8月~9
低地の池や沼に分布。汚染や埋立により絶滅したが、
月で、昼間は開き夜間は閉じる。葉は丸く、径3mに
再生してきた個体群や栽培により保存されている系統
もなる。
【生活形】多年草で水湿植物。
がある。
【形態の特徴】旧版植物誌に県東部3郡市の記録があり、
類
減少傾向にあると述べていて一旦は絶滅したが、その
【減少の要因】池沼開発、農薬汚染、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には北埼玉・南埼玉・北葛飾郡
市に記録がある。
後水路の改修等により再生してきた個体群があり、記
〔スイレン科〕
〔和名〕コウホネ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Nuphar japonicum DC.
空中の葉は長卵形で先が尖り、基部は矢じり形で、長
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島、
さが20~30cmになる。根茎は白色で太い。
対馬。国外では北アジア、東アジア。暖温帯から冷温
帯にかけての浅い池や沼。本県では低地の川や沼に生
【生活形】多年草で水湿植物。
えるが、汚染や埋立てにより減少し、まれである。
【減少の要因】河川開発、池沼開発、農薬汚染、園芸採
取、管理放棄。
【形態の特徴】花は黄色で径4~5cmあり、水上に出た
柄の先に1個つき、6月~9月に咲く。雌しべの頭に
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・北埼玉・南埼
玉・北葛飾郡市に記録がある。
は歯がある。がく片は5個あり、外側が緑色で内側が
黄色くて、花弁のように見える。水中の葉は細長く、
〔スイレン科〕
〔和名〕ヒツジグサ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Nymphaea tetragona Georgi
【摘要】本州(近畿以西)、四国、九州。低地から丘陵の
【形態の特徴】6月~9月に径3~8cmの白い花が水面
池沼に生える。
に咲き、昼間に開き夜間は閉じる。白い花弁が12~15
― 94 ―
個あり、緑色のがく片が4個ある。葉は長い柄で水面
【減少の要因】不明。
に浮かび、卵円形でもとが中央まで切込み、裏は暗紫
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・比企・入間・
北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
色をしている。地下茎は太い。
しかしその後発見されていない。
【生活形】多年草で水湿植物。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕マツモ(キンギョモ)
全国カテゴリー
〔学名〕Ceratophyllum demersum L.
つく。茎は細く長さ20~80cmになり、先の芽で冬を越
南極を除く全域。亜熱帯から冷温帯にかけての池や河
す。根に見えるのは枝が変ったもので、本当の根はな
川水中。本県では低地に分布し、川や溝の流水に生え
い。
【減少の要因】河川開発、水質汚濁、農薬汚染。
6月~8月に葉のつけ根に1個ずつ咲く。葉は5~12
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・比企・入間・
個が輪生し、数回裂けて細くなり、かぎになった歯が
北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
類
【形態の特徴】花は淡紅色で小さく、雄花と雌花に分れ、
【生活形】多年草で水湿植物。
苔
るが、開発や用水の下水化により減少し、まれである。
蘚
【摘要】国内は伊豆諸島と小笠原を除く全域。国外でも
維 管束 植 物
〔マツモ科〕
藻
〔ドクダミ科〕
〔和名〕ハンゲショウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Saururus chinensis (Lour.) Baill.
下垂し、後直立する。半夏生(夏至から数えて11日目)
温帯の湿地に生育する。
の頃開花するので名づけられたともいう。
【形態の特徴】初夏の頃に茎の上方の葉数枚は、下半部
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】河川開発、自然遷移、湿地開発。
衣
が白化し化粧をしたようになる。この葉の基部から穂
地
では東アジア、東南アジアに分布する。亜熱帯~中間
類
状の花序が伸び、白色小花を多数つける。花序は初め
【摘要】本州、四国、九州、屋久島、琉球に分布。国外
類
〔ウマノスズクサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ウスバサイシン(サイシン)
全国カテゴリー
〔学名〕Asiasarum sieboldii (Miq.) F. Maek.
【形態の特徴】、花は汚紫色で、3~4月に2~4cmの花
菌
つく。
【摘要】本州、四国、九州。暖温帯から中間温帯の森林。
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
く片3個が縁につく。花の内面には不明瞭な縦の溝が
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企・入間郡
市に記録がある。
ある。葉は薄く、卵心形で長さ5~8cm、先は尖り、
基部は深い心形となる。茎の先に葉が2個と花が1個
〔ウマノスズクサ科〕
〔和名〕カンアオイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Heterotropa nipponica (F. Maek.) F. Maek.
【摘要】本州(関東南西部・静岡東部)
。暖温帯の常緑広
【減少の要因】ギフチョウの食草として知られ採取され
葉樹林内に生育する。本県では荒川から西の台地・丘
る。常緑樹林の伐採。分布拡大速度は極めて遅く1~
陵、外秩父の低山のやや乾いた林の中に生える。
3km/1000年。
【形態の特徴】花は暗紫色で10~2月になかば土中に埋
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北足立・北埼
もれて咲き、つぼ形でがく片3個が縁につく。花の内
玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。林床に少数個
面に格子模様があり、縦の線が9本、または12本ある。
体群がまばらに生育。繁殖力は弱く種子散布範囲が限
葉は卵円形で表に白い斑紋がつく。茎の先に葉が1個
られているので、特に注意深く監視することが必要。
と花が1個つく。傷をつけると芳香がある。
神奈川では標高800m以下、
埼玉ではこれより低いと考
えられる。
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
― 95 ―
類
柄の先に咲く。花の形はつぼ形で、三角状広卵形のが
〔ウマノスズクサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕タマノカンアオイ
〔学名〕Heterotropa muramatsui (Makino) F.Maek. var. tamaensis (Makino) F.Maek.
維 管束 植 物
脈はやや凹む。茎の先端に葉が1個と花が1個つく。
【摘要】本州(関東南西部・多摩丘陵)
。暖温帯の森林に
生育する。多摩丘陵を中心に分布し、本県はその分布
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
の東限にあたり、丘陵・台地の常緑広葉樹林に生育す
【減少の要因】観賞用、ギフチョウの食草として採取さ
れる他、丘陵や台地の開発・伐採。
る。
蘚
苔
【形態の特徴】花は暗紫色で4~5月に咲く。筒形は上
【特記事項】この属は種子が発芽してから開花に到るま
部がやや広い筒形で、しわのある広卵形のがく片3個
で5~10年かかるので、採取により絶滅する恐れが大
が縁につく。入口にはつばと突起が重なっている。短
きいので充分な保護が必要。日本固有属、ソハヤキ要
い毛が内面をおおい、白い格子模様がある。葉身は上
素から分化したフォッサマグナ要素とされる。
類
部まで広い卵円形で、表に白い雲形の斑紋があり、葉
〔ボタン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
藻
〔和名〕ヤマシャクヤク(ケヤマシャクヤクを含む)
〔学名〕Paeonia japonica (Makino) Miyabe et Takeda
類
根茎は横にはい、群落をつくる。
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
ア。山地から低山の落葉広葉樹林。石灰岩地を好む傾
【生活形】多年草で地中植物。
向がある。
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、石灰採掘、動物食
地
害。
【形態の特徴】花期は5月。花は白色で径4~5cm、上
向きに1花をつける。雌蘂は2~4個、花柱は短く外
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
衣
録がある。
に曲がる。葉は2回3出複葉で、裏面は白色を帯びる。
類
菌
〔ボタン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ベニバナヤマシャクヤク
〔学名〕Paeonia obovata Maxim.
れる。葉の裏面に毛のない品種を f. glabra (Makino)
【摘要】北海道、本州、四国、九州、北アジア。国外で
は東アジア。冷温帯の落葉広葉樹林。ヤマシャクヤク
類
と同様に石灰岩地を好む傾向がある。
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
Kitam. ケナシベニバナヤマシャクヤクと呼ぶ。
【生活形】多年草で半地中植物。
【形態の特徴】ヤマシャクヤクによく似るが、花弁が淡
【減少の要因】草地開発、園芸採集、石灰採掘。
紅色で、雌しべの柱頭がやや長く曲がることで区別さ
〔オトギリソウ科〕
〔和名〕トモエソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Hypericum ascyron L.
葉の基部は茎を抱き、明点だけがあり、茎は角が4個
【摘要】北海道及び本州に分布。国外では東アジア、北
あり、直立して枝を出し、高さ50~100cmになる。
アジアに分布する。中間温帯~冷温帯の草原・湿地お
【生活形】多年草で半地中植物。
よび川原に生育する。
【形態の特徴】花は7~9月に咲く。全体に大形で、花
は径5cmほどになり、花弁が巴形にねじれる。雄しべ
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、大里、児玉、比企、
入間、北足立郡市に記録がある。
は5束に分かれ、果実は卵形で熟すと5つに裂ける。
〔オトギリソウ科〕
〔和名〕コオトギリ
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Hypericum hakonense Franch. et Sav.
【摘要】本州(関東・甲信・静岡)
。中間温帯あるいはブ
【形態の特徴】オトギリソウに似るが次の点で区別でき
ナ帯では日当たりの良い岩・礫地や草原・湿地に生育
る。茎は高さ15~30cmで1~数本が立ち全体が繊細で
する。
ある。8~9月に径15mm位の花をつける。果実は細い
― 96 ―
動物食害。
卵形で長さが5~6mm。葉は細い長楕円形で通常は明
点だけがあるもの、黒点をもつものがある。後者をク
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。今回の調査ではクロテンコオトギリを区別
ロテンコオトギリという。地下茎は長い。
しなかった。今後検討が必要。フォッサマグナ要素。
【生活形】多年草で半地中植物。
〔オトギリソウ科〕
〔和名〕ヒメオトギリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Sarothra japonica (Thunb.) Y. Kimura
序を形成するが、分枝上の花は単出集散形に並ぶ場合
ジーランドに分布する。湿地に生育し、休耕田などに
が多い。
直立して上方または、ときに下方から分枝し、枝は急
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には比企・北足立・南埼玉郡市
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
藻
に記録がある。
角度で斜上する。葉は3角状卵形、長さ5~13mmで基
〔オトギリソウ科〕
全国カテゴリー
くなり、黒点だけか明点を少し持つ。地下茎は長い。
【摘要】本州(関東以北)
。冷温帯上部から亜高山帯の岩
【減少の要因】踏み付け、園芸・観賞用採取、観光レジ
必要。
を帯びることがある。葉は広い広卵形で基部が少し狭
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Hypericum kamtschaticum Ledeb. var. senanense (Maxim.) Y. Kimura
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、観光レジャー開発、動物食
の草原に生育する。
害。
【形態の特徴】イワオトギリによく似るが次の点で区別
できる。花の大きさは同じか、やや小さく径15~18mm、
【特記事項】埼玉県の分布については再検討が必要。日
葉は長い卵状楕円形で先の方は狭くなる。通常明点が
本海要素とされ、石川県白山では雪解けの遅いところ
全面にまばらにあり、時に縁に黒点を少し持つものも
にだけ生育し、早いところには見られないという。
ある。地下茎は短い。
〔オトギリソウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Hypericum kinashianum Koidz.
陰に適応した生態型とも、オトギリソウとサワオトギ
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。暖温帯から中間
リとの雑種ともいわれている。
温帯にかけて山間の草原や谷間。
【形態の特徴】オトギリソウに似るが次の点で区別でき
【生活形】多年草で半地中植物。
る。茎はやや低く30~40cm、花は小さく花弁の長さ3.5
【減少の要因】埋め立て、自然遷移。
~5mm。花柱は子房より長いか同じ長さ。葉は細長い
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
線状楕円形。全体が細長く見える。オトギリソウの日
― 97 ―
類
【摘要】本州(中部山岳地帯)。亜高山帯から冷温帯上部
〔和名〕ミヤコオトギリ
菌
〔オトギリソウ科〕
類
【特記事項】シナノオトギリとの中間形があり、検討が
衣
ャー開発、動物食害。
きる。茎は高さ15~30cmで数本が立つ。7~8月に径
20mm位の花をつける。つぼみの時に花弁の外側が赤み
地
【生活形】多年草で半地中植物。
【形態の特徴】オトギリソウに似るが、次の点で区別で
類
〔学名〕Hypericum kamtschaticum Ledeb. var. hondoense Y. Kimura
・礫地・草地に生育する。
類
【生活形】1年草、2年草ないし多年性の半地中植物。
生える。
【形態の特徴】茎は4稜形、細く強靱で高さ15~40cm、
〔和名〕シナノオトギリ
苔
部はなかば茎を抱く。
花は茎の先と枝の先に2出集散花
外ではアジア(東部・南部)、オーストラリア、ニュー
蘚
【摘要】本州(千葉県・東海地方以西)~琉球に分布。国
〔和名〕イワオトギリ
維 管束 植 物
【減少の要因】道路工事、草地開発、観光レジャー開発、
〔オトギリソウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕アゼオトギリ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Hypericum oliganthum Franch. et Sav.
を抱かない。まばらに明点があり縁に黒点がある。茎
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
維 管束 植 物
はよく枝分かれして斜めに立ち、
高さ30~50cmになる。
ア。中間温帯の湿地・農耕地に生育する。本県では低
地の水田地帯で畦道や休耕田などに生え、まれに見ら
【生活形】多年草で半地中植物。
れる。
【減少の要因】低湿地の埋め立て・開発、河川改修、除
草剤使用。
【形態の特徴】7~9月に径10~13mmの黄色花をつける。
花柱は子房より短く、花弁には明点があり、縁だけに
【特記事項】旧版植物誌では県内全域で記録がある。
蘚
黒点がある。葉は長楕円形で裏は白緑色で、基部は茎
苔
〔オトギリソウ科〕
類
〔和名〕ミズオトギリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Triadenum japonicum Makino
は赤紫色を帯びて、直立して高さ30~60cmになり、地
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
藻
下茎は細く長い。
アジア、北アジアに分布する。中間温帯~冷温帯の湿
【生活形】多年草で水湿植物。
地に生育する。
【形態の特徴】花は径約10mmの淡紅色で、葉のわきに1
類
~3個ついて、8月に咲き、15~16時に開く。葉は対
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
る。
生し、長さ3~7cmの長楕円形で明点だけがある。茎
地
〔モウセンゴケ科〕
衣
〔和名〕ムジナモ
類
【摘要】東アジア、南アジア、ヨーロッパ、アフリカ、
埼玉カテゴリー 野生絶滅
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Aldrovanda vesiculosa L.
菌
で、1日でしぼむ。茎は長さ10~20cmで、根がなく水
オーストラリア。水中に生育する。明治時代には各地
中を漂う。葉は輪生し長さ約1cm、葉身は4~5mmで
に生育が知られていたがその後絶滅し、最後の生育地
2枚貝状の捕虫葉、葉柄も長さ4~5mm、くさび形で
となった羽生市の宝蔵寺沼でも、栽培状態で残された
先端に数個の剛毛状突起がある。葉には葉身のあるも
個体群からの自生地の復原が試みられている。
のと、葉柄だけのものの2形がある。
【形態の特徴】花期は7月~8月。花柄は、葉身のない
【生活形】多年草で水湿植物。
類
葉が輪生する節の葉腋に単生し、直立して空中で開花
【減少の要因】池沼開発、水質汚濁、農薬汚染、動物食害。
する。花は淡緑色で径約8mm、花弁・萼片ともに5個
【特記事項】旧版植物誌には北埼玉郡市に記録がある。
〔モウセンゴケ科〕
〔和名〕モウセンゴケ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Drosera rotundifolia L.
くびれて柄となり杓子形。葉の表面には赤褐色の消化
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
腺毛があり、虫を捕らえる。
東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。暖温帯から冷温
【生活形】多年草で半地中植物。
帯の日当たりのよい湿地。
【形態の特徴】花期は6月~8月。花は白色で径8~
12mm。総状花序であるが花は片側につき、巻散状に咲
【減少の要因】園芸採取、埋め立て、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・北足立・南埼
玉郡市に記録がある。
き上る。葉はロゼット状につき、倒卵状円形で基部は
〔ケシ科〕
〔和名〕ヒメエンゴサク
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Corydalis lineariloba Siebold et Zucc. var. capillaris Ohwi
3出複葉、小葉は円形から楕円形で長さ5~8mm。ヤ
【摘要】本州(中部以西)、四国、九州。暖温帯から冷温
マエンゴサクに似るが全体に繊細で、小葉も小形で花
帯にかけての落葉広葉樹林。
数も少ない。
【形態の特徴】花期は4月。花は青紫色でケマン属に特
有の立体花、2~3花を総状につける。葉は3~4回
【生活形】多年草で地中植物。
― 98 ―
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】根茎にはプロトピン等のアルカロイドを含
み有毒。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ツル(キ)ケマン
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Corydalis ochotensis Turcz.
【摘要】北海道、本州(近畿より東)
、九州。国外では北
分岐し、長さ1mに達する。さく果が線状倒披針形で
アジアおよび東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての
種子がほぼ1列に並ぶ変種を var. raddeana (Regel)
山地の湿った林や半日陰地。
Nakai ナガミノツル(キ)ケマンと呼ぶ。
【生活形】2年草。
【減少の要因】森林伐採。
端は次第に細くなり少し湾曲する。
さく果は長倒卵形、
【特記事項】アルカロイドを含み有毒。
〔ケシ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
藻
〔和名〕ヤマブキソウ
類
種子は数個あり2列に並ぶ。茎は直立せずよく伸びて
〔学名〕Chelidonium japonicum Thunb.
る。小葉が深く羽状に裂けるものを f.dissectum Ohwi
東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての湿った落葉広
セ リ バヤ マブ キ ソウ 、小 葉の幅 が 狭い もの を f.
葉樹林。
lanceolatum Ohwi ホソバヤマブキソウと呼ぶ。
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採、産地極限、園芸採取。
は羽状複葉で、小葉には切込みと細かい鋸歯がある。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
録がある。有毒植物。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
菌
〔和名〕オサバグサ
類
3~5小葉からなり、重鋸歯縁または少数の欠刻があ
〔学名〕Pteridophyllum racemosum Siebold et Zucc.
裂しシダの葉を思わせる。
【摘要】本州(中部以北)。亜高山帯の針葉樹林。
【生活形】多年草で半地中植物。
り、長さ5mmで同形、萼片は2個で早く散り落ちる。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
葉は数枚根生し広披針形で鈍頭、くしの歯状に羽状全
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔和名〕ハタザオ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Turritis glabra L.
して主軸に接してつき、遠方からは1本の竿のように
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
見える。各果は裂開し、種子は2裂に並ぶ。
アジア、西アジア、ヨーロッパに分布する。草原に生
【生活形】2年草。
育する。
【形態の特徴】花期は5月~8月。花弁は黄白色、倒卵
形で長さ5~7.5mm。花序は直立して長く伸び、1mを
【減少の要因】河川開発、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には北埼玉を除いた全域に記録
がある。
超す。角果は長く平らな4稜形で長さ4~8cm、直立
〔アブラナ科〕
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ヤマガラシ(ミヤマガラシ)
全国カテゴリー
〔学名〕Barbarea orthoceras Ledeb.
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
【形態の特徴】花期は5月~8月。花は黄色で花序は総
東アジア、北アメリカ。冷温帯の岩・礫地や深山の渓
状、多数の花をつけ花後伸長する。花弁は倒卵形で長
流のほとり。
さ4.5~7mm、萼片は花弁より短く2.5~3.5mm。長角果
― 99 ―
類
【形態の特徴】花期は6月~8月。花弁は白色で4個あ
〔アブラナ科〕
衣
茎は分岐せず上部に2~3個の茎葉をつける。茎葉は
地
をつける。花弁は長さ2~2.5cm、黄色で4枚。根出葉
〔ケシ科〕
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
【形態の特徴】花期は4月~6月。茎葉の腋に1~2花
苔
~20mm、枝の先端に総状につく。距は花弁と同長で先
蘚
【形態の特徴】花期は8月~9月。花は淡黄色で長さ15
維 管束 植 物
〔ケシ科〕
は四稜形で直立し、長さ4~7mm。葉は頭大の羽状に
【生活形】多年草で半地中植物。
中~全裂して、茎葉の基部は耳状に茎を抱く。
【減少の要因】草地開発。
維 管束 植 物
〔アブラナ科〕
〔和名〕ミズタガラシ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Cardamine lyrata Bunge
60cm、花時まで直立し、花後に倒れて地をはう。また
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州に分布。国外で
基部から長い走出枝を出し繁殖する。
は東アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の湿地に生育
【生活形】多年草で水湿植物。
する。
蘚
【形態の特徴】花期は4月~6月。花弁は白色で長さ5
~8mm、総状花序に10~30花をつける。茎は高さ30~
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
苔
類
〔アブラナ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヤツガタケナズナ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Draba oiana Honda
藻
り、茎葉は狭卵形で柄がなく先は尖る。葉の両面に短
【摘要】本州(中部)
。高山帯の岩・礫地。埼玉では亜高
い星状毛を密生し、緑白色となる。
山帯の石灰岩地にまれに見られる。
【形態の特徴】花期は6月~7月。花は白色で径5~6
【生活形】多年草で半地中植物。
類
mm、花弁は4枚で狭倒卵形、茎頂の総状花序を10数花
【減少の要因】園芸採取、石灰採掘、動物食害。
が咲きのぼる。花茎は花後も伸長するため、花はつね
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
に頂端に集まり咲く。根出葉は長倒卵形で長い柄があ
地
衣
〔アブラナ科〕
〔和名〕コイヌガラシ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Rorippa cantoniensis (Lour.) Ohwi
類
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州に分布。国外で
【生活形】1年草ないし2年草。
【減少の要因】河川開発、農薬汚染、管理放棄。
は東アジアに分布する。湿地に生育する。
菌
【形態の特徴】花期は4月~5月。花は黄色で短い柄が
【特記事項】旧版植物誌には北足立・北埼玉・南埼玉・
北葛飾郡市に記録がある。
あり、葉腋に1花ずつ腋生する。葉は羽状に深裂し長
さ2~10cm、基部に耳部がある。
類
〔ベンケイソウ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ベンケイソウ(コベンケイソウ)
〔学名〕Hylotelephium erythrostictum (Miq.) H. Ohba
は楕円状卵形~楕円形で、縁に低い鋸歯がある。
【摘要】本州(中部以北)、九州。国外では東アジア。山
【生活形】多年草で半地中植物。
地の湿地、草原および明るい林内。
【形態の特徴】花期は9月~10月。花茎は直立し1mに
達する。花弁は紅色で5~6mm、楕円状披針形で先は
【減少の要因】園芸採取、草地開発。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
る。
鈍頭。雄しべは花弁とほぼ同長で、葯は濃赤紫色。葉
〔ベンケイソウ科〕
〔和名〕ミツバベンケイソウ
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Hylotelephium verticillatum (L.) H. Ohba
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
前の葯は淡黄色。葉は楕円形~広披針形で、疎らに鋸
アジア、北アジアに分布する。中間温帯~冷温帯の草
歯がある。3個輪生するが、ときに4~5輪生しまた
原・森林および岩れき地に生育する。
は対生する。
【形態の特徴】花期は8月~9月。花は黄緑白色、複散
【生活形】多年草で半地中植物。
房状の大型花序に多数つける。花弁は長さ4mm、萼片
【減少の要因】動物食害、踏みつけ。
は小さく目立たない。雄しべは花弁とほぼ同長で裂開
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
― 100 ―
〔ベンケイソウ科〕
〔和名〕ツメレンゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Orostachys japonicus (Maxim.) Berger
をつくる。花弁は披針形で長さ5~6mm。葉は著しく
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、対馬。国外では
【生活形】多年草で半地中植物。
い岩上。
【形態の特徴】変異の幅が大きく、広く観賞用に栽培さ
れる。多年草ではあるが、開花すれば枯死する1稔性
【減少の要因】園芸採集。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
維 管束 植 物
多肉質で棒状披針形、先端は短針状に突起する。
東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての日当たりのよ
の植物。花期は10月~11月。花は白色で密な穂状花序
全国カテゴリー
苔
〔和名〕イワベンケイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Rhodiola rosea L.
先端は地上に出て、褐色の鱗片葉に被われる。
アジア、東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。高山帯
集した集散状で、花は4数性。葉は倒卵形~長楕円形
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
で粉白色を帯び、不規則な低鋸歯が数個ある。地下茎
〔ベンケイソウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
地
〔和名〕マツノハマンネングサ
藻
【生活形】多年草で半地中植物。
【形態の特徴】雌雄異株。花期は7月~8月。花序は密
類
は太く肥厚し、大きな株では枝分かれする。地下茎の
【摘要】北海道、本州(関東・中国を除く)
。国外では北
の岩・礫地。
蘚
〔ベンケイソウ科〕
〔学名〕Sedum hakonense Makino
の花序に10~20花をつける。花は4数性。花弁は長さ
【生活形】多年草で着生植物。
3.5~4mmで4個、雄しべは8個で花弁より長い。萼片
【減少の要因】園芸採集、森林伐採。
類
線形で円頭、肉質でやや扁平である。
【形態の特徴】花期は7月~8月。花は黄色で、集散状
衣
は基部で合生し、萼筒と萼片はほぼ同長。葉は互生し
【摘要】本州(関東・中部)
。冷温帯の落葉樹の樹幹上。
菌
〔ベンケイソウ科〕
〔和名〕アズマツメクサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
4数性で構成され、萼片・花弁・雄しべ・心皮は同数。
【摘要】北海道、本州(関東以北)。国外では北アジア、
東アジア、ヨーロッパ。水田や湿地および海岸泥地。
【形態の特徴】高さ2~5cmの小形植物で、多肉質。花
類
〔学名〕Tillaea aquatica L.
【生活形】1年草。
【減少の要因】河川開発、草地開発。
期は4月~8月。
花は白色で花弁は直立し、
長さ1.5mm。
〔ユキノシタ科〕
〔和名〕ネコノメソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Chrysosplenium grayanum Maxim.
に乳頭状突起がある。
【摘要】北海道、本州(東北を除く)
、四国、九州に分布。
【生活形】多年草で半地中植物。
冷温帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】3~4月頃に淡黄色、約2mmの小花が15cm
ほどの花茎の先に集まって咲く。
走出枝は地上をはう。
【減少の要因】湿地開発。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
全体に毛はなく、雄しべは4個。種子は卵形、茶褐色
で光沢があり、1稜しかなくて、顕微鏡で見ると全面
― 101 ―
入間郡市に記録がある。
〔ユキノシタ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕チシマネコノメソウ
全国カテゴリー
〔学名〕Chrysosplenium kamtschaticum Fisch. ex Seringe
維 管束 植 物
【摘要】本州(近畿以北)、北海道。国外では東アジア、
短い柄がある。花盤は淡黄緑色で目立つ。花後に根出
樺太、千島、カムチャッカ。亜高山帯の谷間で陰湿地。
葉の腋から細長い地上性の走出枝を延ばし、その先端
にロゼットをつくり越冬する。花期4~6月。
荒川の源流域に記録される。
【形態の特徴】軟弱な多年草で花茎は高さ15cm位になる。
花序の分岐点と葉腋を除き、全体無毛で花期に根出葉
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】産地極限。
が4~5枚ロゼット状に残る。花は径3~4mm。ごく
蘚
〔ユキノシタ科〕
苔
〔和名〕ウメウツギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Deutzia uniflora Shirai
類
本ですべて翼があり、翼の上部には細長い大きな歯牙
【摘要】本州(奥多摩、丹沢、御坂山地及び秩父山地の
がある。花期4~6月。
特産)
。冷温帯の森林に生育する。谷間のチャート、砂
藻
【生活形】夏緑性の低木。
岩、石灰岩、粘板岩、輝緑凝灰岩上に生育する。
【形態の特徴】高さ1m以下の落葉低木でよく分枝する。
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、道路工事、動物食
害。
新しい枝には柄のある星状毛が密生する。花は前年伸
類
びた枝の側芽の下方に2~4個下向きに咲き、白色で
【特記事項】大滝村三峰山で明治31年、白井光太郎博士
が発見し、新種として記載。
径3cm余り、花弁5枚で倒卵形、先は鈍形。雄しべ10
地
〔ユキノシタ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
衣
〔和名〕シラヒゲソウ(オオシラヒゲソウを含む)
〔学名〕Parnassia foliosa Hook. fil. et Thoms. var. nummularia (Maxim.) T. Ito
類
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州。
(基本種はイ
で径2~2.5cm。
花弁は卵形で縁が毛のように細かく裂
ンド及び中国に分布)
。冷温帯の湿地に生育する。本県
け、長さ約1cm。雄しべ6本のうち3本は短い。花期
菌
8~10月。
では武甲山、二子山、前白岩など主として石灰岩地、
【生活形】多年草で半地中植物。
まれに渓側湿地に生育する。
【形態の特徴】短い根茎があり数個の花茎と長い柄のあ
類
る根出葉を束生する。花茎は高さ10~30cmで4稜があ
【減少の要因】園芸採取、石灰岩採掘、踏みつけ。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
って無柄で茎を抱く円形の葉を数枚つける。花は白色
〔ユキノシタ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ウメバチソウ(コウメバチソウを含む)
全国カテゴリー
〔学名〕Parnassia palustris L. var. multiseta Ledeb.
~10月。
【摘要】本州、伊豆諸島、四国、九州。国外では北アジ
ア、東アジア。(基本種としては北半球広分布種)
。冷
【生活形】多年草で半地中植物。
温帯の湿地および山地草原。
【減少の要因】園芸採取、草地の植林や開発、低地の埋
め立て、動物食害。
【形態の特徴】短い根茎から数個の花茎と根出葉を束生
する。花茎は高さ10~50cm、円形で無柄の一葉をつけ
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
る。花は白色で径2.5~3cmの5弁花が咲く。花弁は卵
入間・南埼玉郡市に記録がある。また、蓮田黒浜・秩
形で先は円形。雄しべは5本で、花糸の間に仮雄しべ
父の低地があげられている。
も5本あり糸状に分裂し、先端は黄色で球状。花期8
〔ユキノシタ科〕
〔和名〕ヤワタソウ(ヤハタソウ)
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Peltoboykinia tellimoides (Maxim.) H. Hara
【摘要】本州(東北~中部)。冷温帯の森林の谷沿いの陰
【形態の特徴】根出葉は1~2個で長い柄があり、楯形
湿な斜面に生育する。
につき、幅10~20cm、縁は浅く7~13裂。花茎は高さ
― 102 ―
40~60cm。花は淡黄色、径約2cm。花弁は倒披針形、
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
長さ10~15mm、先に鋸歯がある。雄しべ10本、花柱2
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉郡市に記録があ
る。
本、萼片は狭い3角形、長さ約5mm。花期6~7月。
【生活形】多年草で半地中植物。
〔和名〕タコノアシ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Penthorum chinense Pursh
タコの足状。花は小形で黄緑色、花弁がなく目立たな
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東アジア。
【生活形】多年草で水湿植物。
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北足立・北埼
玉・北葛飾郡市に記録がある。
11cm、幅約1cm、縁に細鋸歯がある。花序は総状花序
類
に淡紅色になる。葉は披針形~狭披針形、長さ6~
【減少の要因】湿地開発、河川開発、自然遷移。
苔
【形態の特徴】茎は分枝せず直立し、高さ30~80cm。秋
蘚
い。花期8~10月。
亜熱帯から中間温帯にかけての河原、原野、休耕田な
どの水湿地で水位の変動の多い所に生育する。
維 管束 植 物
〔ユキノシタ科〕
で茎の先端に放射状に数個つき、巻散状に咲き上り、
藻
〔ユキノシタ科〕
〔和名〕ヤシャビシャク
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Ribes ambiguum Maxim.
温帯の森林に生育し、ブナ、イヌブナ、ミズメ、ナツ
で花弁と同じ長さ。液果は広楕円形で長さ約12mm、長
ツバキなどの老木上に着生する。県内では秩父山地の
い腺毛を密生し、熟しても赤くならない。花期5~6
地
く。萼は花弁状で5裂、長さ5~7mm。雄しべは5本
類
【摘要】本州、四国、九州。国外では中国大陸西部。冷
月。
ブナ帯にまれに自生。
【形態の特徴】根は太く他の木の樹幹をはう。樹高50cm
【生活形】夏緑性の低木で着生植物。
衣
ほどの低木。葉は卵形で浅く5~7裂し、縁に細かい
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
類
鋸歯があり、幅3~5cm。淡黄色のウメに似た花が咲
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
2.5mm、開出または反り返る。液果は10月頃赤く熟すが
類
〔和名〕ヤブサンザシ
全国カテゴリー
菌
〔ユキノシタ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Ribes fasciculatum Siebold et Zucc.
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。中間温
食べられない。花期3~4月。雌雄異株。
帯域の丘陵から低山の人里近くの薮などにややまれに
【生活形】夏緑性の低木。
自生する。
【形態の特徴】高さ1~2mの落葉低木。葉は卵状円形
で幅3~4cm、両面に毛がなく、浅く3~5裂する。
【減少の要因】森林伐採、土地造成、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・北埼玉郡市に
記録がある。
黄緑色で直径7mmほどの花が前年伸びた枝の葉腋に束
状に出る。萼は5裂し径8mm、裂片は楕円形で長さ
〔ユキノシタ科〕
〔和名〕コマガタケスグリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Ribes japonicum Maxim.
~10mmの5弁花が総状につく。花序は長さ約15cm。果
【摘要】北海道、本州(近畿以北)
、四国。亜高山帯の渓
実は赤く熟し食べられる。花期5~6月。
側、樹林下に分布する。秩父では豆焼沢上流域にまれ
【生活形】夏緑性の低木。
に自生する。
【形態の特徴】高さ1~2mの落葉低木。葉は円腎形で
掌状に5裂、幅7~17cm、両面に白色の短毛があり、
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
裏面に黄色で顆粒状の腺点を散生する。黄緑色で径8
― 103 ―
〔ユキノシタ科〕
〔和名〕ジンジソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Saxifraga cortusaefolia Siebold et Zucc.
上の3弁が小さく、下の2弁が大きいので「人」の字
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州の太平洋側。冷温
維管束植物
形に見える。花期9~10月。
帯の山地の谷間の湿った岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】根出葉は長さ5~15cmの柄があり、葉身
は円腎形で長さ2~11cm、幅3~16cm、基部は心形で
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、谷間における林道工事、動物
食害。
縁は7~11中裂する。葉、茎ともに毛がある。花茎は
高さ10~35cm。白色の5弁花が円錐状に咲く。花弁は
蘚
〔ユキノシタ科〕
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
苔
〔和名〕ダイモンジソウ(ウラベニダイモンジソウ及びミヤマダイモンジソウを含む)
類
〔学名〕Saxifraga fortunei Hook. fil. var. incisolobata (Engl. et Irmsch.) Nakai
花弁は花時に平開し「大」の字に見える。花期8~10
【摘要】北海道~九州。国外では東アジア、樺太、ウス
藻
月。
リー、中国。中間温帯から冷温帯にかけての山地の湿
【生活形】多年草で半地中植物。
った岩上。特に石灰岩上に多く生育する。
【形態の特徴】根出葉は長い柄があり、円腎形で幅5~
類
10cm、5~17に裂ける。花茎は10~30cm、疎らな円錐
【減少の要因】園芸採取、石灰岩採掘、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌では秩父・児玉・大里・比企・
入間郡市に記録がある。
花序、花弁は白色~淡紅色。花弁は上の3弁が楕円形、
長さ2~3mm。下の2弁は線状楕円形、長さ4~15mm。
地
衣
〔ユキノシタ科〕
〔和名〕ズダヤクシュ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Tiarella polyphylla D. Don
類
2.5mm、萼片より短い。雄しべは10本で萼片より長い。
【摘要】北海道、本州(近畿以東)
、四国。国外では朝鮮、
花期6~8月。
中国、ヒマラヤ。亜高山帯の針葉樹林下に生育する。
菌
【形態の特徴】根茎は細く、走出枝を出す。根出葉の葉
類
小さな花を20個ほどつける。花弁は線形で長さ2~
【生活形】多年草で半地中植物。
柄は腺毛を密生し、葉は心円形で縁が浅く5裂し、幅
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
2~8cm。花茎は高さ20~40cm。花序は総状で白色の
【特記事項】旧版植物誌では秩父・比企郡市に記録があ
る。
〔バラ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕チョウセンキンミズヒキ
〔学名〕Agrimonia coreana Nakai
~5cm、縁に粗い鋸歯がある。托葉は扇形に広がる。
【摘要】本州(関東・中部)
、九州。国外では北アジア、
茎は高さ30~80cm長軟毛が密生。
東アジア。各地の草原、路傍および森林に生育する。
【形態の特徴】花は8~9月に、茎の先端が分枝した小
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
【生活形】多年草で半地中植物。
枝の先に多数の黄色5弁花が総状花序につく。葉は互
【減少の要因】不明。
生し奇数羽状複葉、小葉は3つの頂小葉が大きく他は
【特記事項】キンミズヒキと本種とは、さらに検討が必
要。
小さく大小不ぞろい。大形のものは長楕円形で長さ4
〔バラ科〕
〔和名〕シロバナノヘビイチゴ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Fragaria nipponica Makino
【摘要】本州(中部以北)。国外では北アジア、東アジア。
花床は膨らみ、赤色球形の偽果となり食べられる。葉
冷温帯から亜寒帯にかけての山地で、日当たりのよい
は根元に束生し、3出複葉、小葉は倒卵形で長さ3~
場所に生育する。
4cm、縁に歯牙状鋸歯がある。根茎は短く、紫色の匍
匐枝を出す。茎の高さは10~20cm、全株に縮毛をもつ。
【形態の特徴】6~7月1本の花茎を出し、上方で分枝
して花柄に花径約2cm、白色の5弁花をつける。花後、
【生活形】多年草で半地中植物。
― 104 ―
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、動物食害。
〔バラ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Malus toringo (Siebold) Siebold ex Vriese var. zumi (Matsum.) H. Hara
【摘要】本州(関東)
。冷温帯の森林に生育する。
【生活形】夏緑性の高木。
【形態の特徴】5月に花は短枝の先に径2.5~3cm、白色
【減少の要因】動物食害。
のについた名。各地にある葉の大きいズミをオオズミ
に小鋸歯があり、先は尖り長さ7~11cm。初め葉の両
とする考えもあるが、ズミの変異に含まれるとも、ま
面に軟毛が密生、下面の軟毛は後まで残り帯白色。互
た、
エゾノコリンゴとズミの交雑種ともいわれている。
生し葉柄の長さ2.5~4.5cm。樹皮は灰褐色で刺状の小
要再検討。
苔
【特記事項】もと日光から小石川植物園に移植されたも
5本。葉は大きい長楕円形、葉身中部以上の縁に疎ら
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
藻
〔和名〕カワラサイコ
類
短枝がある。樹高8~12m。
〔バラ科〕
蘚
又は淡紅色の5弁花を数個散形状に開く。花柱は4~
維管束植物
〔和名〕オオズミ
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔学名〕Potentilla chinensis Ser.
長さ30~70cmで長毛がある。根茎は太い。
【摘要】本州、四国、九州に分布。国外では東アジア、
【生活形】多年草で半地中植物。
る。
【減少の要因】河川開発、自然遷移。
【形態の特徴】花は夏、
茎の上部に多数つき、
径1~1.5cm
類
北アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の川原に生育す
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。薬用
地
植物。
で黄色の5弁花。葉は多数の小葉からなる羽状複葉で
下面に綿毛が密生。
茎は根元から分枝し四方に広がり、
衣
〔和名〕イワキンバイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Potentilla dickinsii Franch. et Sav.
屋久島・種子島、対馬。国外では朝鮮。冷温帯の山地
【生活形】多年草で半地中植物。
の岩・礫地に生育する。
【減少の要因】園芸採取、石灰採掘、道路工事、動物食
cm黄色5弁の花がつく。葉は根もとから長い葉柄を出
類
害。
【形態の特徴】7月に茎の先に集散花序を出し花径約1
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉郡市に記録があ
る。
し多くは3小葉で、小葉は倒卵形で長さ2~3cm、鋭
鋸歯をもち両面に伏毛が密生し、下面は白色。花後腎
〔和名〕ハクロバイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Potentilla fruticosa L. var. leucantha Makino
【摘要】本州(中部・南アルプス・近畿)
、四国。国外で
でよく分枝し高さ30~100cm。
キンロバイとは花色が白
は中国東北部。本州中部亜高山帯の石灰岩地に生育す
く、葉の下面黒褐色の網状脈が明らかでないなどで異
なる。
る。
【形態の特徴】花は7~8月に茎の先に花径2~3cm白
【生活形】夏緑性の矮生低木。
色5弁花を開く。葉は互生し小葉3または5枚の奇数
【減少の要因】園芸採取、石灰岩採掘、道路工事。
羽状複葉。小葉は長惰円形で全縁、無毛。茎は灰白色
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔バラ科〕
〔和名〕キンロバイ
埼玉カテゴリー 野生絶滅
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Potentilla fruticosa L. var. rigida (Wallich) Th. Wolf
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
【形態の特徴】花は7~8月、茎の先に花径2~3cmで
東アジア、南アジア。寒帯の岩場および礫地。
黄色の5弁花を開く。葉は互生し小葉3または5枚の
― 105 ―
菌
臓形で縮毛のあるそう果がつく。
【摘要】北海道、本州(東北・近畿を除く)
、四国、九州、
〔バラ科〕
類
〔バラ科〕
が異なる。
奇数羽状複葉。小葉は長惰円形で全縁、下面に黒褐色
の網状脈が目立つ。ハクロバイに似るが、花色が黄色
【生活形】夏緑性の低木。
で(ハクロバイは白)
、葉の下面の網状脈が明らかな点
【減少の要因】園芸採取。
維管束植物
〔バラ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕ミヤマキンバイ
全国カテゴリー
〔学名〕Potentilla matsumurae Th. Wolf
出複葉で、
小葉は倒卵円形でつやがあり長さ1.5~3cm
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
で、裏は白くない。根茎は太く横にはう。
東アジア。高山の日当たりのよい礫混じりの草地に生
蘚
【生活形】多年草で半地中植物。
育する。
【形態の特徴】7~8月に長さ10~20cmの茎の先に、径
苔
約2cmの黄色の5弁花を数個つける。
弁花は倒卵円形で
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
類
かしその後発見されていない。
先が少し凹む。葉は根もとから束生し長い柄をもつ3
〔バラ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
藻
〔和名〕ブコウマメザクラ
〔学名〕Prunus incisa Thunb. ex Murray var. bukosanensis (Honda) H. Hara
類
【摘要】本州(関東)。埼玉県から群馬県にかけての、冷
【減少の要因】石灰採掘。
【特記事項】1936年檜山庫三が採集、本田正次はタカネ
温帯域の石灰岩地に生育する。
地
【形態の特徴】マメザクラの変種で、母種とは萼が太い
ザクラの変種としたが、1953年原寛は富士火山地帯に
筒型で紅紫色、葉は長さ5~8cmで約2倍の大きさ、
見られるマメザクラが武甲山石灰岩地に適応分化した
両面ともほとんど無毛である点で区別される。
型として、この名を付けた。武甲山が基準産地。
衣
【生活形】夏緑性の高木。
類
〔バラ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
菌
〔和名〕チシマザクラ(タカネザクラを含む)
〔学名〕Prunus nipponica Matsum. var. kurilensis (Miyabe) Wils.
類
【摘要】北海道、本州(中部・中国を除く)
、四国。国外
急に細く尾状になる。若い枝は毛はなく、古くなると
では北アジア。冷温帯から亜寒帯にかけての森林に生
樹皮は紫褐色でつやがある。幹は高さ2~7m。母種
育する。
タカネザクラは、萼筒・葉柄・花柄に毛がない。
【形態の特徴】5月に赤褐色の新葉と同時に1~3個の
【生活形】夏緑性の低木ないし高木。
淡紅色の5弁花を散房状につける。萼と花柄・葉柄に
【減少の要因】不明。
直立した毛がある。葉は倒卵形で長さ約5cm、先端は
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔バラ科〕
〔和名〕リンボク
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Prunus spinulosa Siebold. et Zucc.
cm、葉柄上部には2個の蜜腺がある。若い葉には鋭鋸
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州、対馬、琉球に
歯と刺がある。樹高は約5m、樹皮は黒褐色。
分布。国外では東アジアに分布する。暖温帯の湿地に
【生活形】常緑の高木。
生育する。
【形態の特徴】9~10月にその年の枝の葉腋から1本の
総状花序を出し、白色5弁の小花を密生。葉は互生し
【減少の要因】土地造成、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
縁が波うつ長楕円形で先端は細く尾状となり長さ約5
― 106 ―
〔バラ科〕
〔和名〕アオナシ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Pyrus ussuriensis Maxim. var. hondoensis (Nakai et Kikuchi) Rhed.
る。若い枝は褐色、皮目は円形から楕円形。短枝は多
【摘要】本州(関東西部・静岡・山梨・長野)
。母種ミチ
【生活形】夏緑性の高木。
北部。人里に近い山林にまれに見られる。
【形態の特徴】花は4~5月にまばらな総状花序に4~
5個つける。萼と長さ約2cmの花柄とは、白から赤褐
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
維管束植物
いが刺にはならない。
ノクナシは本州、九州(北部)。国外では朝鮮、中国東
かしその後発見されていない。
色の軟毛が密生している。葉はナシ・ミチノクナシよ
りも小さくて薄く、芒状鋸歯も小さい。萼片は宿存す
蘚
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Rosa acicularis Lindl.
2~3cmの紡錘形で、熟すと紅色となり、がく片が残
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
【生活形】夏緑性の低木。
林に生育する。
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】タカネバラに極めて近縁で、北地で変異・
分化したものとされる。
比べ2~3対で少なく、鋸歯も大まかで托葉の幅もせ
類
cm淡紅色の5花弁が1個つく。小葉はタカネイバラと
藻
る。
東アジア、シベリア、ヨーロッパ(北部)。亜寒帯の森
【形態の特徴】6~7月に新しく出た枝先に花径4~5
類
〔和名〕オオタカネバラ(ミヤマバラ)
全国カテゴリー
苔
〔バラ科〕
まい。茎は太く、赤褐色で細い刺が多い。果実は長さ
地
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕タカネイバラ(タカネバラ)
全国カテゴリー
〔学名〕Rosa nipponensis Crépin
にかけての森林に生育する。蛇紋岩、石灰岩地にも生
枝は細く紅褐色で長さ2~6mmの刺がある。果実は紡
育する。
錘形で長さ1.5~2cm。
【形態の特徴】花は7月に枝の先に花径4cm淡紅色の1
花をつける。葉は奇数羽状複葉、小葉は7~9枚で上
【生活形】夏緑性の低木。
【減少の要因】道路建設、観光開発、園芸採取、動物食
〔和名〕ゴヨウイチゴ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
害。
部のものほど大きく長楕円形、長さ1~3.5cm。托葉は
〔バラ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Rubus ikenoensis Lév. et Van't.
は急に尖る。縁に重鋸歯がある。葉脈は凹む。茎は細
【摘要】本州(東北・中部)。山地上部から亜高山帯の樹
く地上をはう。全体に剛毛と刺がある。
林の中で、やや日当たりのよいところに生育する。
【形態の特徴】7月に1~3個の花を枝先きに開く。花
【生活形】多年草で半地中植物。
弁は退化し線状楕円形。葉は互生、長い柄の先端に鳥
【減少の要因】自然遷移。
の足状の5小葉をつける。小葉は倒卵状楕円形で先端
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔バラ科〕
〔和名〕サナギイチゴ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Rubus pungens Cambessedes var. oldhamii (Miq.) Maxim.
はう。初め軟毛と刺があるが古くなると無毛、ただし
【摘要】本州(近畿以北)、四国、九州。国外では朝鮮、
刺は残る。
東アジア。各地の亜高山帯の森林に生育する。
【形態の特徴】5~6月に刺のある枝先に、径約2cm白
菌
ほとんど葉柄に密着。樹高は1~2m、よく分枝し、
類
【摘要】本州(関東・中部)
、四国。亜高山帯から高山帯
衣
〔バラ科〕
【生活形】夏緑性の低木。
色または淡紅色5弁花を1~2個、横向きにつける。
【減少の要因】森林伐採、道路敷設・拡幅。
がくには針状の刺が密生。葉は羽状複葉で、卵形で鋸
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
歯のある5または7枚の小葉からなる。枝は長く横に
― 107 ―
〔バラ科〕
〔和名〕コガネイチゴ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Rubus pedatus Smith
2つに裂ける。2つに裂けるものは掌状に見える。分
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
維管束植物
果は数個つき、長い萼は下に向く。
北アメリカ。温帯上部から亜寒帯の針葉樹林中に生育
【生活形】多年草で半地中植物。
する。
【形態の特徴】茎は長く地上にはう。6~7月に葉腋か
ら長い花柄を出し白い花をつける。
花弁は多くは4個。
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
葉は3小葉からなり、両脇の小葉は深くまたは完全に
蘚
〔バラ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
苔
〔和名〕ナガボノシロワレモコウ
類
〔学名〕Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link var. alba Trautv. et Mey.
奇数羽状複葉。茎の高さ60~100cm。
【摘要】北海道、本州(北部・中部)
。国外では東北アジ
藻
【生活形】多年草で半地中植物。
ア。湿った草原や湿地に生育する。
【形態の特徴】8~9月に分枝した枝先に白色の穂状花
【減少の要因】湿地・低地の埋立て、河川敷開発、河川
改修、園芸採取。
序をつけ、花穂は長い円筒状となり長さ8~9cm。が
類
く片は4枚で白色。花弁はない。葉は長い葉柄をもち
【特記事項】旧版植物誌には入間・北足立・北埼玉・南
埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
互生。長楕円形で縁に鋸歯をもつ。小葉が2~7対の
地
〔バラ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
衣
〔和名〕ナガボノアカワレモコウ
〔学名〕Sanguisorba tenuifolia Fisch. ex Link var. purpurea Trautv. et Mey.
類
羽状複葉。小葉は長楕円形で縁に粗い鋸歯があり、長
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東北アジ
さ4~6cm。茎は直立、高さ50~100cm。上部で分枝。
ア。各地の野原や草地に生える。
菌
【形態の特徴】8~9月に茎の先に紅紫色の穂状花序を
つけ、花穂は長さ8~9cmの円筒状となる。がく片は
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】湿地・低地の埋め立て、河川敷開発、河
川改修、園芸採取。
4枚で紅紫色、花弁はない。葉は小葉2~7対の奇数
類
〔バラ科〕
〔和名〕ナンキンナナカマド
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Sorbus gracilis (Siebold. et Zucc.) C. Koch
の托葉が2枚ある。茎の高さは1~2m、若枝には毛が
【摘要】本州(関東を除く)
、四国、九州、屋久島、対馬
ある。他のナナカマド類とは、小葉が下部ほど小形化
に分布。中間温帯~冷温帯の森林に生育する。
し、托葉がより大きいことで区別される。
【形態の特徴】花は5月、枝の先に散房状花序をつくり、
白色の5弁花を多数開花。葉は互生、小葉3~4対の
【生活形】夏緑性の低木。
奇数羽状複葉、小葉は楕円形で上部のものは大きく下
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
方のものは小さい。葉柄には軟毛が多く、小葉と同大
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔バラ科〕
〔和名〕タカネナナカマド
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Sorbus sambucifolia (Cham. et Schltdl.) Roemer
が7~11。表面はつやがあり、裏面は緑色。葉身の基
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア。
部から鋸歯になる。
亜寒帯から寒帯にかけての森林に生育する。
【形態の特徴】6~7月に複散房花序に、径10~12mmの
白色で少し紅色を帯びた花をつける。花柱は5、雄し
【生活形】夏緑性の低木。
【減少の要因】不明。
べは20。花序は果実が下向き、径10~12mm。葉は小葉
― 108 ―
〔バラ科〕
〔和名〕イワシモツケ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Spiraea nipponica Maxim.
さ40~60cm。 f. rotundifolia Makino マルバイワシ
【摘要】本州(近畿以北)に分布。冷温帯~亜寒帯の岩
モツケは、葉の幅が広く楕円形~円形で先は丸く、全
【形態の特徴】6月に花弁5枚の白色小花を、小枝の先
体にやや小形である。
に散房状に群生する。葉は長さ1~2cm、楕円形で先
【生活形】夏緑性の低木。
端に数個の鋸歯がある。短い葉柄があり互生。茎は円
【減少の要因】動物食害、石灰採掘。
維管束植物
れき地に生育する。
柱形で灰色、よく分枝し岩場をはうように伸びる。高
全国カテゴリー
苔
〔和名〕コキンバイ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Waldsteinia ternata (Steph.) Fritsch
に2~3葉をつける。
東アジア。
冷温帯のブナ帯から上部の森林に生育する。
【生活形】多年草で地中植物。
た花茎を出し、その先に径約2cmの黄色5弁花を1~
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
3個つける。多数の長い雄しべが目立つ。花茎は苞葉
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔マメ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
地
〔和名〕モメンズル
類
は3裂。葉は互生、3出複葉で、小葉は倒卵形で上半
〔学名〕Astragalus reflexistipulus Miq.
ち上がり、長さ60~90cmになる。
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】草地開発、自然遷移。
全国カテゴリー
類
〔和名〕タヌキマメ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Crotalaria sessiliflora L.
色毛がありまれに分枝する。豆果は褐色毛を密生した
【摘要】本州(東北南・関東以西)、四国、九州、琉球。
大形のがくに包まれ、タヌキの尾に似る。
国外では東北アジア、東南アジア、インド。亜熱帯か
ら中間温帯にかけて、平地・丘陵の日当たりのよい草
【生活形】1年草。
原に生育する。
【減少の要因】平地・丘陵の都市開発、園芸採取。
【形態の特徴】7~9月に紫色で長さ約1cmの蝶形花を
【特記事項】旧版植物誌には北埼玉を除いた全域に記録
がある。
茎の先に数個つける。葉は単葉で互生し、線形で柄は
無い。下面には褐色毛を密生。茎は高さ20~60cm、褐
〔マメ科〕
〔和名〕イワオウギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Hedysarum vicioides Turcz.
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では東北アジ
褐色、長い楕円状三角形で2つに裂け茎を抱く。奇数
ア。冷温帯から亜寒帯にかけての草原および岩・礫地
羽状複葉で小葉は6~11対。茎はややジグザグに屈折
に生育する。
する。豆果は毛がない。
【形態の特徴】7~8月に淡黄色で僅かに紅色が見える
【生活形】多年草で半地中植物。
長さ約18mmの花をつける。萼は毛があり5裂し、下側
【減少の要因】踏みつけ、動物食害。
の1片だけが長く両側の4片は三角形。托葉は膜質で
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
― 109 ―
菌
1cmの淡黄緑色の蝶形花を10個位つける。萼は深く5
裂し、萼片は細い線形。葉は5~10対の小葉をもつ羽
類
に短い圧毛がある。茎は地上をはい、先の方が斜に立
麓の草地にまれに生育する。
【形態の特徴】6~8月に葉腋から出る花柄に、長さ約
衣
状複葉である。小葉は長さ2~3cm、やや卵形で裏面
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。冷温帯の山地・山
〔マメ科〕
藻
【形態の特徴】5~6月に葉の間から10~20cmの分枝し
類
分に深い歯牙状鋸歯がある。根茎は地中をはい、先端
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
蘚
〔バラ科〕
〔マメ科〕
〔和名〕レンリソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Lathyrus quinquenervius (Miq.) Litv.
で直立し高さ30~60cm、両側に狭い翼がある。地下茎
【摘要】本州(中部以北)、九州。国外では北アジア、東
維管束植物
も発達。
アジア。暖温帯から中間温帯にかけてのやや湿った草
【生活形】多年草で地中植物。
原および河岸に生育する。
【形態の特徴】5~7月に葉腋から10~15cmの花軸を出
【減少の要因】草地開発、河川改修・堤防整備、農薬汚
染。
し、上部に紅紫色蝶形花を数個開く。葉は互生、線形
で長さ5~10cm、先端が尖った小葉1~3対の羽状複
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
葉。葉軸の先端は1本の巻きひげとなる。茎は3稜形
蘚
苔
〔マメ科〕
類
〔和名〕イヌハギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Lespedeza tomentosa (Thunb.) Siebold. ex Maxim.
6cm。茎は高さ150cmに達し、葉とともに全体に黄褐色
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では北アジア、
藻
の軟毛があり、下部は木質化する。
東アジア、南アジア。亜熱帯から中間温帯の草原・路
【生活形】多年草で半地中植物または地表植物。
傍および岩・礫地。
【形態の特徴】7~9月に茎頂および茎上部の葉腋から
類
花軸を出し、長い総状花序をつける。花は長さ8~
【減少の要因】草地開発、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には大里・北足立・南北埼玉・
北葛飾の各郡市に記録がある。
10mm、黄白色の蝶形花が多数開く。旗弁の中央に赤い
筋。葉は羽状の3小葉、頂小葉は長楕円形で長さ3~
地
衣
〔マメ科〕
〔和名〕エビラフジ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Vicia venosa (Willd.) Maxim. var. cuspidata Maxim.
類
小葉4~5対、披針形で長さ4~6cm、縁はやや波打
【摘要】本州(中部・北部;京都・新潟・福島・山形の
菌
日本海側)。国外では朝鮮、東アジア。中間温帯から冷
つ。茎は三角柱状で直立し高さ80~100cmで硬質であ
温帯の林中、草原、山間の渓谷のほとりにまれに見ら
る。
【生活形】多年草で半地中植物。
れる。
【形態の特徴】6~9月に茎の上部の葉腋から花軸を出
類
し、総状花序をつける。花は長さ1~1.5cm濃紅紫色の
【減少の要因】森林伐採、草地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある
蝶形花を1側方向に向いて開く。葉は偶数羽状複葉で
〔カタバミ科〕
〔和名〕コミヤマカタバミ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Oxalis acetosella L.
地どちらでも生育するが、明るいところのものが花を
【摘要】北海道、本州(近畿以北)、四国、九州、屋久島
つける。
・種子島。国外では東アジア、アフリカ、北アメリカ。
亜高山帯の針葉樹林の林床で、コケが生える適当な湿
【生活形】多年草で地中植物。
地を好む。
【減少の要因】森林伐採、道路敷設、観光レジャー開発、
園芸採取、動物食害。
【形態の特徴】7~8月に白または淡紅色の花をつける。
花弁の長さは9~14mm。果実は卵球形で3~4mm。小
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。神
葉の両端はやや丸い。根茎は細長く、古い葉柄の基部
奈川ではブナ帯の林内に生えるという。ミヤマカタバ
が密集しない。まれに小さな群落をつくる。陰地・陽
ミよりは標高の高い所に生育する。
― 110 ―
〔カタバミ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔和名〕ミヤマカタバミ(カントウミヤマカタバミを含む)
〔学名〕Oxalis griffithii Edgew. et Hook. fil.
マラヤ。中間温帯から亜寒帯の樹林下や谷間に生育す
【生活形】多年草で地中植物。
る。日当たりの良いところでは花をつける。
【減少の要因】山地植林、園芸採取、踏みつけ。
【形態の特徴】4~5月に白か時に淡紅色の花をつける。
【特記事項】今回の調査で採集された標本はすべてカン
維管束植物
ミとする。
【摘要】本州、四国、九州、屋久島。国外では中国、ヒ
花弁の長さは15~18mm。果実は楕円形で10~12mm。小
トウミヤマカタバミと考える。スギ植林、シイ・カシ
葉の両端はやや角張り、裏面に軟らかい毛が密生する。
帯の沢沿いの開けた湿地、腐葉土の多い場所に生育。
根茎は太く、古い葉柄の基部が多数残り茎を包む。葉
1979年寺尾博士により亜種とされ、後に清水建美は変
蘚
の裏の毛がまばらで、果実が6~10mmのものを var.
種に組変えた。
苔
kantoensis (Terao) T.Shimizu カントウミヤマカタバ
類
〔カタバミ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
藻
〔和名〕オオヤマカタバミ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Oxalis obtriangulata Maxim.
は直線状の切形で、中央に凹みがあり、両端は角ばっ
【摘要】本州(中部)
、九州。国外では北アジア、東アジ
まれに見られる。腐植土の所や谷間のやや陰湿な地を
【生活形】多年草で地中植物。
好む。
【減少の要因】踏みつけ、園芸採取、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企・入間郡
市に記録がある。
さの花弁の花をつける。三枚の小葉は倒三角形で先端
地
【形態の特徴】4月に白色で紫色脈を持つ12~15mmの長
類
て幅は3~4cm。他種に比べて明らかに大きい。
ア。温帯(低山帯から亜高山帯)の落葉広葉樹林中に
衣
〔和名〕グンナイフウロ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Geranium eriostemon Fisch. var. reinii (Franch. et Sav.) Maxim.
の山地上部で低木の疎らな林や草原に生育する。
Sav.) Hara タカネグンナイフウロとする。
【形態の特徴】6~8月に開花し比較的大きいので目に
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ、動物食害。
位で萼や花柄に開出毛がある。子房と5裂する柱頭の
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
間に、やや長い糸状の花柱がある。花が濃紅紫色で葉
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Geranium krameri Franch. et Sav.
特に下面脈上の毛は多い。花弁に切れ込みのある
【摘要】本州(中部以北)、四国、九州。国外では東アジ
ア。山地帯上部の明るい落葉広葉樹林内に分布する。
【形態の特徴】7~8月に60cm内外の茎の先に、集散花
序をなし径2.5~3cmの花を2個ずつつける。淡紅色の
f. amabile Honda ムサシタチフウロも分布する。
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】山林伐採、土地造成、道路敷設、園芸採
花弁には紫色の脈がある。花柄には下向き、萼と子房
には上向きの短い伏毛がある。葉は両面に毛があり、
〔フウロソウ科〕
全国カテゴリー
取。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕カイフウロ
〔学名〕Geranium shikokianum Matsum. var. kai-montanum (Honda) Honda et H. Hara
【摘要】本州(中部、東京・山梨)
。冷温帯の草原に生育
する。タイプ産地は三ッ峠で、両神山の日当りの良い
― 111 ―
チャートの岩の割目や上部の浅い土壌に、草丈のやや
低い植物と混生する。
類
つきやすい。茎や葉の全面に毛が多い。花は径2.5cm
〔和名〕タチフウロ
菌
の下面脈上にだけ毛のあるものを f. onoei (Fr.et
【摘要】北海道、本州(磐梯山から伊吹山まで)
。冷温帯
〔フウロソウ科〕
類
〔フウロソウ科〕
意が必要)
、動物食害。
【形態の特徴】母種イヨフウロと比べて、花の色は淡い
紅紫色、
全体に毛が少なく萼片にも長い開出毛がない。
【特記事項】イヨフウロとカイフウロは、葉の形態・萼
裂片の毛に変異が多く必ずしも区別できない場合もあ
葉の切れ込みの深さは中位、葉裂片の先は尖る。
維管束植物
【生活形】多年草で半地中植物。
るという。
(フォッサマグナ要素の植物:高橋秀男・神
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ(人の踏み付けに対
奈川県立博物館調査研究報告自然科学第2号・昭和46
年)
してはコフウロよりも強いように見えるが、保護上注
〔フウロソウ科〕
〔和名〕コフウロ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Geranium tripartitum R. Kunth
蘚
ある。
【摘要】本州、四国、九州に分布。国外では東アジアに
苔
【生活形】多年草で半地中植物。
分布する。中間温帯~冷温帯の草原に生育する。
類
【形態の特徴】生活力が弱く茎も軟かで他の草に優占す
ることは少ない。
淡紅色の花を8~9月に多数つける。
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌では秩父・比企郡市に記録があ
る。
萼片に腺毛がない。葉は3つに全裂し茎とともに毛が
藻
〔フウロソウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ハクサンフウロ
全国カテゴリー
〔学名〕Geranium yesoense Franch. et Sav. var. nipponicum Nakai
類
地
【摘要】本州(中部以北)
。亜寒帯から寒帯にかけて分布
毛があり、萼片に長い毛がないことで区別される。葉
し、県内では奥秩父縦走路の二次性低木林、または低
は掌状に深く5裂し、裂片はさらに3裂して最終裂片
木と高茎草本の混生地に生育するが少ない。
は幅3~5mmになる。
【形態の特徴】母種のエゾフウロに比べて毛が少なく、
衣
茎と葉柄には伏毛が少しあり、葉の裏面は脈上にだけ
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】踏みつけ、園芸採取。
類
〔アマ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
菌
〔和名〕マツバニンジン
〔学名〕Linum stelleroides Planch.
cm、3脈がある。茎は丸く高さ約50cmで上の方は枝分
【摘要】北海道、本州、九州。国外では朝鮮、中国、東
かれする。
シベリア。暖温帯から冷温帯にかけて、川原や草原に
類
【生活形】1年草。
生育する。
【形態の特徴】花は8~9月に淡紫色で径約1.5cmの5弁
花を、集散花序につける。萼の縁には凸出腺点がある。
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には北足立・南埼玉郡市に記録
がある。しかしその後発見されていない。
果実は球形で径3.5~4mm。葉は広線形で長さ1~3
〔トウダイグサ科〕
〔和名〕ノウルシ
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Euphorbia adenochlora Morr. et Decne.
球形で、いぼ状突起がある。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。暖温帯から冷温帯
【生活形】多年草で地中植物。
にかけての湿地および河岸の草地に生育する。
【形態の特徴】茎は直立して高さ30cmくらい、切ると白
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
い汁が出る。葉は長楕円形で質薄く全縁で、茎頂に5
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。かつ
枚が輪生し、ここから出た数本の枝に花序がつく。総
ての田島ヶ原では、サクラソウに混じってノウルシの
苞は黄色で、杯状花序の腺体は心形で暗褐色。朔果は
黄色が鮮やかであった。
〔トウダイグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕マルミノウルシ(ベニタイゲキ)
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Euphorbia ebracteolata Hayata
【摘要】北海道、本州(関東以北)。国外では東アジア。
【形態の特徴】茎は直立して高さ40~50cm、上部にしば
冷温帯の山地草原に生育する。
しば白色の長毛が生え、若い茎や葉は紅紫色をしてい
― 112 ―
る。ノウルシと比べ、根茎が地下を長く走り、朔果は
【減少の要因】草地開発・石灰採掘。
平滑無毛なので区別される。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
【生活形】多年草で半地中植物。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕シナノダイゲキ(ハヤザキタカトウダイ)
〔学名〕Euphorbia sinanensis (Hurus.) T. kuros & H. Ohash
花期も5月で早いことで区別される。
【摘要】本州(長野県)
。山地の疎林内や草原に生える。
ダイの変種で、葉の下面に長軟毛が密生する。タカト
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】草地開発、石灰採掘。
蘚
【形態の特徴】茎は高く直立して70cmくらい、タカトウ
維管束植物
〔トウダイグサ科〕
苔
ウダイとは、包葉が長楕円形か菱状長楕円形であり、
類
〔トウダイグサ科〕
〔和名〕ヤマアイ
埼玉カテゴリー
絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Mercurialis leiocarpa Siebold et Zucc.
暖温帯から中間温帯にかけての山地の林床に生育す
早春の頃に茎の上部に細長い柄を出し、疎らな穂状花
る。
序をつける。生葉からとれる汁は染料となる。
【形態の特徴】雌雄異株。茎の高さ30~40cm、細く直立
して4稜がある。葉は卵状長楕円形で鈍鋸歯があり、
【生活形】多年草で半地中植物。
類
両面に毛がある。
葉柄の基部には披針形の托葉がつく。
藻
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東南アジア。
【減少の要因】森林伐採、その他(原料採取)。
地
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヒトツバハギ
全国カテゴリー
類
〔学名〕Securinega suffruticosa (Pall.) Rehd. var. japonica (Miq.) Hurus.
衣
〔トウダイグサ科〕
株。
【摘要】本州(中部以西)、四国、九州。暖温帯の丘陵や
【生活形】夏緑性の低木。
草地に生育する。
葉は楕円形で鈍頭、互生して、全体がハギに似る。夏
【減少の要因】草地開発、自然遷移。
菌
【形態の特徴】高さ2m内外で細長い枝を多数分岐する。
【特記事項】旧版植物誌には入間・北足立・南埼玉郡市
に記録がある。
に葉腋から小柄のある淡黄色の花を束生する。雌雄異
類
〔ヒメハギ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ヒナノキンチャク
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Polygala tatarinowii Regel
がく片は5、花弁は合着し、雄しべは8本で、花糸がゆ
【摘要】本州(関東・中部)
、四国、九州。国外では北ア
着する。種子は楕円形で長さ約1mm、黒色で毛がある。
ジア、東アジア、南アジア、東南アジア。亜熱帯から
冷温帯にかけての森林に生育する。県内では秩父地方
【生活形】1年草。
の山麓でまれに見られる。
【減少の要因】情報不足。
【形態の特徴】茎は基部で数本に分れ、高さ10cm前後に
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。武
伸び、無毛。葉は数枚がつき、卵円形で長さ1~3cm、
甲山で記録されたが、
その後長い間見つからなかった。
縁に細毛がある。夏から秋にかけて茎の頂部に長い穂
しかし、今回の調査で、小鹿野町に自生することが確
状花序を出し、
小形で淡紫色の蝶形花を並んでつける。
認された。
〔ドクウツギ科〕
〔和名〕ドクウツギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Coriaria japonica A. Gray
るので、枝1本が羽状複葉のように見える。春に黄緑
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。中間温帯から冷温帯
色の小花を集め、総状花序を下垂する。果実は球形で
にかけての山地や丘陵および河畔に生育する。
初め赤色で、後に黒紫色に熟す。猛毒。雌雄同株。
【形態の特徴】高さ1~1.5mで基部から褐色の小枝を出
す。小枝に四稜があり長く伸び、葉を左右2列につけ
【生活形】夏緑性の低木。
― 113 ―
【減少の要因】河川開発、道路工事。
北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間・
維管束植物
〔カエデ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ナンゴクミネカエデ
全国カテゴリー
〔学名〕Acer australe (Momot.) Ohwi et Momot.
の2裂片が張り出している。小柄は4~8mm、分果は
【摘要】本州(近畿地方)、四国、九州。冷温帯の森林に
14~18mmでミネカエデの25~30mmより大変小さい。
生育する。本県では雁坂峠や十文字峠などの亜高山帯
【生活形】夏緑性の高木。
にわずかに自生を見る。
蘚
【形態の特徴】葉は掌状に5深裂し、ミネカエデと比べ、
【減少の要因】産地極限。
各裂片は尾状に伸びて鋭く尖り、特に葉柄に近い左右
苔
類
〔クロウメモドキ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕ヨコグラノキ
全国カテゴリー
〔学名〕Berchemiella berchemiaefolia (Makino) Nakai
藻
淡緑色の小花を集めた花序をつける。果実は長楕円形
【摘要】本州(宮城県、新潟県以西)
、四国、九州。国外
で黄色から赤色を呈する。
では東アジア。暖温帯の森林および岩・礫地に生育す
【生活形】夏緑性の高木。
る。
類
【形態の特徴】本県では旧版植物誌に雲取山で報告があ
ったまま最近まで不明だったが飯能東地区で見つかっ
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
た。茎は長楕円形から卵状長楕円形で、全縁かやや波
地
状の鋸歯があり、下面は粉白色を帯びる。春に枝先に
衣
〔クロウメモドキ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔和名〕ミヤマクマヤナギ
全国カテゴリー
〔学名〕Berchemia pauciflora Maxim.
~2.5cm)の円錐花序を出す。
【摘要】本州(関東・中部)に分布。冷温帯の森林およ
菌
【生活形】夏緑性で木本のつる植物。
び岩れき地に生育する。
【形態の特徴】茎は細く黄褐色で多くは直立するが、他
物に寄り掛かって伸びることがある。
葉は卵形で鈍頭、
【減少の要因】森林伐採、石灰採掘。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
類
葉質は薄く全縁。夏に緑白色の小花からなる小形(1
〔クロウメモドキ科〕
〔和名〕クロカンバ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Rhamnus costata Maxim.
異株。シラカンバに似た樹皮であるが、帯黒色のとこ
【摘要】本州、四国に分布。暖温帯~冷温帯の森林およ
ろから和名がつけられた。
び岩れき地に生育する。
【形態の特徴】樹皮は暗褐色で滑らか、横に薄く剥げ易
【生活形】夏緑性の低木。
い。枝に刺針はない。葉は倒卵状長楕円形で大形。側
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
脈は17~23対で、下面脈上に細毛を密生する。初夏に
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
黄緑色の小花を若枝の下部に数個ずつ束生する。雌雄
〔クロウメモドキ科〕
〔和名〕クロツバラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Rhamnus davurica Pallas var. nipponica Makino
【摘要】本州(中部以北)に分布。国外では東アジア・
葉がある。黄緑色の小花が集まって葉腋につき、果実
北アジアに分布する。中間温帯~冷温帯の森林に生育
は球形で黒熟する。雌雄異株。黒い実のなるバラとい
う意味である。
する。
【形態の特徴】枝は堅くて小枝は往々刺針となる。葉は
【生活形】夏緑性の低木。
狭長楕円形で細かな鈍鋸歯があり、若い時は針状の托
【減少の要因】森林伐採。
― 114 ―
【特記事項】旧版植物誌には北足立郡市に記録がある。
〔シナノキ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Triumfetta japonica Makino
ある。果実は球形で刺に包まれる。葉は卵形で鋸歯が
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、琉球。国外では
あり、3脈が目立つ。
東アジア、南アジア、東南アジア、アフリカ。亜熱帯
から暖温帯の原野・路傍に生える。本県ではまれであ
【生活形】1年草。
る。
【減少の要因】草地開発、産地極限。
【特記事項】今回の調査で初めて記録されたもの。移入
されたと考えられる。
生する葉の反対側に集散花序が出る。8~10月に径約
蘚
【形態の特徴】茎は約1mの高さで頂に分枝が出て、互
維管束植物
〔和名〕ラセンソウ
全国カテゴリー
苔
5mmの黄色花が多数咲く。萼の先に刺をもった突起が
類
〔ジンチョウゲ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕オニシバリ(ナツボウズ)
全国カテゴリー
〔学名〕Daphne pseudo-mezereum A. Gray
ぽい。秋に出て夏に落葉する。樹高は1m程度になる。
冷温帯の森林に生育する。
【生活形】冬緑の低木。
がなく、内側が黄緑色で外側が淡緑色か暗紫色の4個
【減少の要因】森林伐採、石灰採掘。
のがく片が目立ち、枝先の葉のわきに数個の花が集ま
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉、比企、入間郡
〔学名〕Daphne pseudo-mezereum A. Gray var. koreana (Nakai) Hamaya
数個つける。萼片は筒状部の半分の長さ、葉はやわら
【摘要】本州(関東南西部・中部地方東南部;静岡・山
かい草質で葉脈は不規則に分岐する。オニシバリに似
本県では低山帯から亜高山帯の石灰岩地に分布し、岩
るが、葉は冬に落葉するので区別できる。
【生活形】夏緑性の低木。
場や林中にまれに見られる。
【減少の要因】石灰採掘。
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Diplomorpha ganpi (Siebold. et Zucc.) Nakai
下面は淡緑色で脈は隆起する。枝は基部から多数出る
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島。
が、上部で枝分かれが多く円錐状に見える。
暖温帯の丘陵から低山の陽地に生育する。蛇紋岩地帯
【生活形】夏緑性の低木。
にも生育することがある。
【形態の特徴】7~9月に小枝の先の円錐形総状花序に、
淡紅色で細長い約10mmの萼筒の花を数個つける。萼筒
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間郡市に記録があ
る。しかしその後発見されていない。
には長い毛がある。葉は時に上面は殆ど無毛となる。
〔グミ科〕
〔和名〕ハコネグミ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Elaeagnus matsunoana Makino
り星状毛が散生し、中肋にも淡色の星状毛がまばらに
【摘要】本州(関東・中部;静岡・神奈川・山梨)
。中間
見られる。
温帯の森林に生育する。
【形態の特徴】5月に開花し6~7月にやや球形で長さ
【生活形】夏緑性の低木。
6~7mmの果実が熟する。花の外面や小枝に淡黄褐色
【減少の要因】不明。
の鱗片と星状毛が多い。葉の下面には銀色の鱗片があ
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
― 115 ―
類
【形態の特徴】花は2~4月に淡黄緑色の小花を葉腋に
〔和名〕コガンピ
菌
梨・長野)
。国外では朝鮮、東アジア。冷温帯の山林、
〔ジンチョウゲ科〕
類
〔和名〕チョウセンナニワズ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
衣
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
地
市に記録がある。果実は有毒。
って、3~4月に咲く。果実は楕円形で赤く熟し、辛
類
【形態の特徴】毛のない落葉低木で雌雄異株。花は花弁
〔ジンチョウゲ科〕
藻
味がある。葉は枝先に互生し、表が淡緑色で裏が白っ
【摘要】本州(近畿以北)、四国、九州に分布。暖温帯~
かしその後発見されていない。フォッサマグナ要素。
〔スミレ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
維管束植物
〔和名〕エゾノタチツボスミレ
全国カテゴリー
〔学名〕Viola acuminata Ledeb.
ない。上方の葉は心形で急に尖り、長さ2.5~4cm。托
【摘要】北海道、本州(中部以北)、国外では東アジア、
葉は長楕円形で羽状に深裂する。花期5~6月。
東シベリア、樺太、千島。冷温帯の草原および山地の
林下に生育する。本県では大里・比企・秩父の低山帯
【生活形】多年草で半地中植物。
から亜高山帯に分布。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、自然遷移、動物食
蘚
害。
【形態の特徴】花は白色~淡紫色で径1.2~2cm。側弁に
毛があり、距は短く、2~3mm、花弁に紫条がある。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・入間・北埼玉
苔
郡市に記録がある。
有茎性で茎は高さ20~40cmになる。根出葉は花期には
類
〔スミレ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕キバナノコマノツメ
〔学名〕Viola biflora L.
藻
cm、基部は心臓形、表面に毛が散生する。花期6~7
【摘要】北海道、本州、四国、屋久島。国外では北半球
月。
の亜寒帯~寒帯に広く分布する。亜寒帯の草原および
類
【生活形】多年草で半地中植物。
森林に生育する。石灰岩地に遺存分布する。
【形態の特徴】花は黄色で径1.5cm位。側弁は無毛、花柱
【減少の要因】石灰岩採掘、園芸採取、踏み付け、動物
食害。
は上部でY字形になる。距は長さ1~1.5mm で袋状。
地
有茎性で茎は高さ5~20cm位。葉は腎円形で幅1~5
衣
〔スミレ科〕
類
〔和名〕ウスバスミレ
全国カテゴリー
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Viola blandaeformis Nakai
く、円腎形で幅1~3cm、低い鋸歯がある。花期6~
【摘要】北海道、本州(中部以北)。亜高山帯の針葉樹林
菌
7月。
のコケの間に生育する。
【形態の特徴】花は径1cmほどの白色。花柄は4~6cm。
側弁は無毛、唇弁に紫条が入り、上弁は反り返る。距
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
類
は長さ2mm。地下茎は肥厚し、長さ2~3cm。葉は薄
〔スミレ科〕
〔和名〕ヒメミヤマスミレ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Viola boissieuana Makino
短い。葉は3角状広卵形で長さ2~3cm、基部が湾入
【摘要】本州(関東以西の太平洋側)
、四国、九州。冷温
し、縁に波状のまばらな鋸歯がある。花期5月。
帯の森林下に生育する。
【形態の特徴】花は径1.3~1.5cmほどあり、白色、花柄
は高さ5~10cm。花弁は長さ7~10mm。側弁に毛があ
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
り、唇弁に紫条がある。距は長さ2~3mm。地下茎は
〔スミレ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕エゾアオイスミレ(マルバケスミレ)
全国カテゴリー
〔学名〕Viola collina Bess.
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では東アジア、
に節がある。全体に開出毛が密生する。アオイスミレ
北アジア、ヨーロッパ。山地の森林下、原野、林縁に
に似るが、地表をはう匍匐枝を出さない。葉は広い卵
生育する。
形で、先端は鈍く尖り、長さ約2cm位。花期4~5月。
【形態の特徴】花は淡青色で径2cm位。少し香りがある。
花弁は長さ10~12mm。側弁の基部に毛がある。果実は
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】土地造成、林道工事、園芸採取、動物食
球形で6~7mm、短毛が密生する。地下茎は太く、密
― 116 ―
害。
〔スミレ科〕
〔和名〕サクラスミレ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Viola hirtipes S. Moore
は長卵形で長さ3~8cm、幅2~5cm、鈍頭。花期4
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア、
【生活形】多年草で半地中植物。
生育する。
【形態の特徴】花は7~12cmの花柄の先に径1.5~2cm
で淡紅紫色の美しい花を咲かせる。花弁の先はサクラ
【減少の要因】園芸採取、土地開発。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
維管束植物
~5月。
北アジア。中間温帯から冷温帯の山地草原や疎林下に
る。
の花弁のように先端がくぼむ。側弁に毛があり、距は
長さ7~8mm。花柄、葉柄に長い開出毛が生える。葉
蘚
〔学名〕Viola violacea Makino var. makinoi (H. Boiss.) Hiyama
花期4~5月。
【摘要】本州(中部・関東・東北)
。中間温帯から冷温帯
【形態の特徴】花は紅紫色、径1.5cm。花弁は長さ8~
【減少の要因】土地造成、園芸採取、管理放棄、自然遷
移。
10mm、側弁は無毛、距は長さ6~8mmで細い。花柄は
【特記事項】
母種のシハイスミレは本州
(東海地方以西)
、
四国、九州。国外では朝鮮に分布。
2.5~4.5cm、
幅1~1.5cm、
無毛で縁に低い鋸歯がある。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
衣
〔学名〕Viola maximowicziana Makino
葉、葉柄、花柄、萼に白い長毛が生える。葉は長卵形
温帯の森林下に生育する。本県では入間郡、比企郡に
で長さ2~4cm、基部は心臓形で縁に鈍鋸歯があり、
表面に白斑が入り、裏面は紫色。花期5月。
まれに分布し、山地の谷間の湿った林の下に生える。
【減少の要因】森林伐採、土地造成、園芸採取。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕シロスミレ(シロバナスミレ)
全国カテゴリー
〔学名〕Viola patrinii DC.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア、
色で硬い。葉は長い披針形で先端は鈍形、長さ2.5~7
北アジア、シベリア。暖温帯から冷温帯の草原に生育
cm、幅1~3cm、基部は切形で縁には低く平らな鋸歯
する。本県では入間郡、比企郡にまれに分布し、日当
がある。花期4~6月。
【生活形】多年草で半地中植物。
たりの良い草地に生える。
【形態の特徴】花は径1.5~2cmで白色、高さ7~15cm
の花柄の先に咲く、花弁は長さ10~13mm。側弁に毛が
【減少の要因】踏みつけ、土地造成、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には北足立・南埼玉・北葛飾郡
市に記録がある。
あり、唇弁に紫条が入る。距は長さ3~4mm。根は褐
〔スミレ科〕
〔和名〕アケボノスミレ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Viola rossii Hemsl.
毛。
【摘要】北海道南部、本州、四国、九州に分布する。本
【生活形】多年草で地中植物。
県では秩父山地や奥武蔵に多い。
【形態の特徴】花は3~5月に葉に先がけて5~10cmの
花茎を伸ばし、直径1.7~2.5cmで大きく紅紫色で美し
【減少の要因】森林伐採、自然遷移、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・入間郡市に記
い。花弁は長さ1.2~2cmで、側弁の基部は有毛から無
― 117 ―
録がある。
類
〔スミレ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
菌
は広披針形で先端は反り返る。距は長さ3mmで袋状。
類
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。中間温帯から冷
【形態の特徴】花は径1~1.3cmで、白色~淡紅色。萼片
地
〔スミレ科〕
類
高さ4~10cm。葉は狭披針形で基部は深い心形、長さ
藻
【生活形】多年草で半地中植物。
の向陽地、疎林下に生育する。
〔和名〕コミヤマスミレ
全国カテゴリー
類
〔和名〕マキノスミレ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
苔
〔スミレ科〕
〔スミレ科〕
〔和名〕ミヤマスミレ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Viola selkirkii Pursh
な円筒形。葉は卵形で長さ幅ともに2~3cm。基部は
【摘要】北海道、本州(広島県・中部以北)
、四国、九州。
維管束植物
心臓形。縁に鋸歯がある。花期5~6月。
国外では北半球冷温帯~亜寒帯に広分布種。冷温帯か
【生活形】多年草で半地中植物。
ら亜寒帯の森林下に生育する。
【形態の特徴】花は淡紫紅色で、径1.5cm。高さ3~10cm
の花柄の先に咲く。花弁は長さ12~15mm、側弁、唇弁
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
に紫条が入り、側弁に毛がない。距は6~8mm、扁平
蘚
〔スミレ科〕
苔
〔和名〕シコクスミレ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Viola shikokiana Makino
類
~3mm。葉は卵形で長さ2~4cm、幅1.5~3cm、葉の
【摘要】本州(関東以西~紀伊半島)
、四国、九州。中間
先端は鋭い。花期4~5月。
温帯から冷温帯の谷間の森林下に生育する。秩父山地
藻
【生活形】多年草で半地中植物。
が分布の北限。
【形態の特徴】花は高さ5~10cmの花柄の先に咲き、白
色で径1~1.5cm。花弁は幅が狭く、長さ9~15mm。側
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、踏みつけ。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
弁はほとんど無毛、唇弁は短く、紫条が入る。距は2
〔スミレ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
地
〔和名〕ヒゴスミレ
衣
〔学名〕Viola chaerophylloides (Regel) W. Becker var. Sieboldoldiana (Maxim.) Makino
類
【摘要】本州、四国、九州。母種のナンザンスミレは朝
毛がある。唇弁は紫条があり、距は4~6mm。葉は3
鮮、満州、ウスリーに分布する。中間温帯から冷温帯
全裂し、側小葉はさらに基部から2全裂し、裂片はエ
イザンスミレより細い。花期4~5月。
の山地草原および疎林下に生育する。
菌
【形態の特徴】花は5~12cmの花柄の先に径2cmあまり
類
〔スミレ科〕
の白色の花を咲かせる。花弁は長さ10~15mm、側弁に
〔和名〕フジスミレ
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Viola tokubuchiana Makino
幅1~2.5cm、広い卵形で基部は心臓形、表面に毛を散
【摘要】本州(栃木・群馬・長野・埼玉の各県に稀産)
。
生する。花期4~5月。
冷温帯の森林下に生育する。
【形態の特徴】花は5~8cmの花柄の先に径1.3~1.8cm
【生活形】多年草で半地中植物。
の紅紫色の美しい花を咲かせる。
花弁は長さ8~12mm、
【減少の要因】園芸採取、道路工事。
側弁は無毛、距は長さ4~6mm。葉は長さ1.2~3.5cm、
【特記事項】旧版植物誌には比企郡市に記録がある。
〔スミレ科〕
〔和名〕ゲンジスミレ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Viola variegata Fisch. var. nipponica Makino
の淡紅紫色。母種は中国原産のフイリゲンジスミレで
【摘要】岩手、栃木、群馬、長野、埼玉、東京、山梨、
花壇で栽培される。
岡山、愛媛に不連続に分布。ブナ帯の林下や林縁に生
【生活形】多年草で半地中植物。
える。
【形態の特徴】葉は心臓状円形。葉の両面にごく短い突
【減少の要因】踏みつけ、道路工事。
起のある毛を密生。花は4~5月に咲き、直径1.5cm
― 118 ―
〔スミレ科〕〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕アギスミレ
全国カテゴリー
〔学名〕Viola verecunda A. Gray var. semilunaris Maxim.
3mm。葉は、花時のはツボスミレに似るが、花後の葉
原、渓流のほとりなどに生育する。本県では比企・入
は基部が開いて三日月形で基部の湾入が広い。花期4
~5月。
間・北足立に生育する。
【形態の特徴】花は小さく、白色。花弁は長さ8~10mm、
側弁に毛があり、唇弁は短く、紫条があり、距は2~
【減少の要因】河川開発、園芸採取。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Viola yazawana Makino
苔
〔和名〕ヒメスミレサイシン
全国カテゴリー
針葉樹林下に生える。石灰岩地帯に生育する。フォッ
幅4~6cm、先は鋭形、縁に上向きの粗い鋸歯がある。
サマグナ要素。
花期5~6月。
の白色花弁は長さ8~13mm側弁は無毛唇弁に紫条が入
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ、動物食害。
藻
【形態の特徴】花は7~8cmの花柄の先に径1.5cmくらい
類
紫斑がある葉は広い卵形から心臓形で長さ5~8cm、
【摘要】本州(関東・中部)
。冷温帯から亜寒帯の草原、
蘚
〔スミレ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
維管束植物
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。冷温帯の草原、湿
る距は長さ2.5~3mmさく果は7~8mmで先が尖り
類
〔ウリ科〕
〔和名〕ゴキヅル
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Actinostemma lobatum Maxim. ex Fr. et Sav.
錐花序をつくる。花冠裂片の先端は長く尖る。果実は
【減少の要因】河川開発、自然遷移。
類
【生活形】1年生のつる植物。
の湿地に生育する。
【形態の特徴】花は8~11月頃開き、黄緑色で、総状円
衣
被針形で長さ3~10cm。
は東アジア、南アジアに分布する。暖温帯~中間温帯
地
卵形で、下半分には突起が散生する。葉は長い3角状
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州に分布。国外で
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
菌
〔ミソハギ科〕
〔和名〕ヒメミソハギ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
基部は張り出さない。茎は四角で、高さは20~30cmに
なる。
国外では南アジア、東南アジア、アフリカ、オースト
ラリアに分布する。
亜熱帯~暖温帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】花は淡紫色で径約1.5mmあり、葉のわきの
短い柄に3~数個集まり、9~11月に咲く。果実は紅
【生活形】1年草。
【減少の要因】農薬汚染、湿地開発。
【特記事項】旧版植物誌には児玉と入間を除く各郡市に
記録がある。
紫色の径約2mmの球形で、下半分をがくが包む。葉の
〔和名〕エゾミソハギ
類
〔学名〕Ammannia multiflora Roxb.
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州・琉球に分布。
〔ミソハギ科〕
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Lythrum salicaria L.
で区別できる。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
東アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ。暖温
【生活形】多年草で水湿植物。
帯から亜寒帯にかけての湿地に生育する。本県では北
【減少の要因】湿地埋め立て、低地排水乾燥化、河川改
修。
東部低地に分布し、池沼の水辺に生えるが、極くまれ
【特記事項】旧版植物誌には大里・北足立・南北埼玉の
である。
【形態の特徴】花は7~8月に咲き、ミソハギに似るが、
全体に毛がある。6個のがく片の間に突起がある。葉
の基部は広くて茎を抱く。
茎は高さ1m以上になること
― 119 ―
各郡市に記録がある。植栽されており逸出が多いので
注意が必要。
〔ミソハギ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ヒメキカシグサ
全国カテゴリー
〔学名〕Rotala elatinomorpha Makino
く、柱頭は小さい。雄しべは2個。葉の縁は透きとお
【摘要】本州(千葉・中部・近畿)、四国。暖温帯から中
維管束植物
らない。
間温帯にかけての湿地に生育する。本県では低地に分
【生活形】1年草。
布し、湿地に生えるが、ごくまれである。
【形態の特徴】キカシグサより小さく高さ4~7cm、花
【減少の要因】低湿地の埋め立て、排水乾燥化。
は径約1.5mmでやや遅く9~10月に咲く。
花柱はごく短
蘚
〔ミソハギ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
苔
〔和名〕ミズキカシグサ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Rotala littorea (Miq.) Nakai
類
の腋に、淡紅色の花を1個ずつつける。萼筒は盃型で
【摘要】本州(中部以西)
、四国、九州、琉球。国外では
東アジア。亜熱帯から暖温帯にかけての湿地に生育す
長さ約6mm、裂片は4個。花弁4個は長さ約6mm。雄
る。本県では低地に分布し、水田や湿地に生え、まれ
しべ4個。果実は紅紫色で球形、径約2mm。
藻
【生活形】1年草。
に見られる。
【形態の特徴】軟らかい草で高さ10~30cmで直立し、対
生葉の腋から分枝を出す。8~11月に分枝の細長い葉
【減少の要因】低湿地の埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には大里郡市に記録がある。
類
〔ミソハギ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ミズマツバ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Rotala pusilla Tulasne
地
萼片5個。果実は球形で下半分を萼が包む。
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東アジア、
衣
類
南アジア、西アジア、アフリカ。暖温帯の湿地に生育
【生活形】1年草。
する。本県では低地に分布し、水田や湿地に生える。
【減少の要因】農薬散布、水質汚濁、低湿地埋め立て、
排水乾燥化。
【形態の特徴】水田の中や湿地で時に群生する。高さ3
菌
~10cmで全体が無毛。葉は細長くて先が尖り、3~4
【特記事項】減少の要因があるにもかかわらず、分布範
個が輪生する。8~10月に葉の腋に1個ずつ、淡紅色
囲は旧版植物誌よりも広くなっている。全国カテゴリ
で径約0.8mmの花をつける。花弁はなく雄しべは3個、
とのずれがあるように見える。
類
〔ヒシ科〕
〔和名〕ヒメビシ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Trapa incisa Siebold et Zucc.
刺の端から端までは2~3cm。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
【生活形】1年草。
暖温帯から亜熱帯の沼・池・水路に生育する。
【形態の特徴】全体が小さく葉は径1~2cm、一方が尖
った菱形で、鋸歯は4~6対。葉の下面と柄は緑色で
【減少の要因】情報不足。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間・北埼玉
・南埼玉郡市に記録がある。
無毛、花柄と萼は無毛。果実は左右にやや上向きの刺
と、前後に短く下向きの刺とで合計4本の刺をもつ。
〔ヒシ科〕
〔和名〕ヒシ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Trapa japonica Flerov
く先は急に細く尖る。前後には低い突起があるが刺に
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では朝
はならない。食べられる。
鮮半島、ウスリー、中国に分布する。池に生える水生
【生活形】1年草で水湿植物。
植物で、本県では県東部の池沼で見られる。
【形態の特徴】葉は横長の楕円形に近い。幅6cm程、鋸
歯は低い。葉の柄は緑色、葉の裏の脈上に毛がある。
【減少の要因】池沼開発、埋め立て、農薬汚染。
【特記事項】旧版植物誌では県内全域で記録がある。
果実には左右ほぼ水平にでる刺がある。刺は根元は太
― 120 ―
〔ヒシ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕メビシ(オニビシを含む)
全国カテゴリー
〔学名〕Trapa natans L. var. rubeola Makino
とする。
【摘要】メビシは本州、オニビシは本州、四国、九州。
【形態の特徴】葉は径3~6cmで、2等辺三角形に近い
【減少の要因】水質汚濁、池沼開発、池沼浚渫。
形で鋸歯は低く約10対ある。葉の下面・葉柄・花柄・
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市を除く県内全域に
萼に毛がある。果実は左右にやや斜め上向きの刺があ
記録がある。角野・高野によれば、刺の数は変異があ
り、先に逆向きの細かい刺がある。前後の刺は太く短
り基準とはし難いという。
(Acta Phytotax. Geobot.vol.45
く、また時にない。北川政夫(平凡社)に拠って、葉
1994. p.p.80-81)
維管束植物
【生活形】1年草。
東アジア。暖温帯の池に生育する。
蘚
柄が淡紅色のものをメビシ、緑色ならば品種オニビシ
苔
〔和名〕ウシタキソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Circaea cordata Royle
ミズタマソウと区別される。
アジア、南アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の森林
【生活形】多年草で地中植物。
に生育する。
もに細毛が密生する。葉は対生し、卵状心臓形で、縁
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉郡市に記録があ
る。
に低い波状の鋸歯がある。花は8~9月に開き白色、
地
花弁は2個で、2深裂する。果実はほぼ球形で溝があ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
類
〔学名〕Chamaenerion angustifolium (L.) Scop.
し、紅紫色の美花をつける。朔果は長さ8~10cmで、
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
リカ。冷温帯の山地草原に生育する。県内では奥秩父
【生活形】多年草で地中植物。
山地の草原にわずかに群生する。
【減少の要因】遷移の進行による草原の減少、シカによ
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
録がある。
縁が内側に巻く。7~8月頃に茎の先に総状花序を出
〔和名〕ヒメアカバナ
類
る食害。
【形態の特徴】茎は直立し分枝せず、高さ1~1.5m。葉
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Epilobium fauriei Lév.
紅色の花をつけ、子房に白色屈毛がある。柱頭は棍棒
【摘要】北海道、本州(中部以北・伯老大山が南限)
。国
状。果実は2~4cmで伏毛を散生するか無毛。
外では千島。冷温帯の山地の湿った砂礫地に生育する。
【生活形】多年草で半地中植物。
本県ではまれ。
【形態の特徴】茎は高さ3~20cmで2列の短毛がある。
葉は対生し、線形~線状長楕円形で、1~4対の細鋸
【減少の要因】砂れき地の崩壊等による生育地の減少。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
歯がある。時に葉腋に肉芽をつける。7~9月頃に淡
〔アカバナ科〕
〔和名〕トダイアカバナ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Epilobium formosanum Masam.
【摘要】本州(中部・近畿)
、四国、九州に分布。冷温帯
35cm、稜線はなく曲がった毛がある。葉は線形~披針
形で縁に細鋸歯がある。花は淡紅色か白色。柱頭は棍
の草原に生育する。
【形態の特徴】ヒメアカバナに似るが、茎は高さ7~
― 121 ―
菌
裂開し冠毛を持つ細かい種子を飛ばす。
東アジア、南アジア、西アジア、ヨーロッパ、北アメ
は多数互生し、柳の葉に似る。縁に微鋸歯があり、葉
衣
〔アカバナ科〕
類
【形態の特徴】高さ40~60cmで、根茎は横走し、茎葉と
〔アカバナ科〕
藻
り、硬いかぎ状毛を密生する。葉の基部が心形なので
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
〔和名〕ヤナギラン
類
〔アカバナ科〕
棒状。果実は3~4cm。種子は長楕円形で小さい乳頭
状突起がある。
【減少の要因】開発。
【生活形】多年草で半地中植物。
維管束植物
〔アカバナ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ホソバアカバナ(ヤナギアカバナ)
全国カテゴリー
〔学名〕Epilobium palustre L.
淡紅色で普通腋生する。花弁は倒卵形で2浅裂し、柱
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外ではヨーロッパ、
頭は倒卵状棍棒形。果実は長さ4~8cmで短い白毛が
アジア、北アメリカ。湿地に生育する。
ある。
【形態の特徴】茎は高さ10~80cmで稜線はなく、短毛が
蘚
あり、上部には腺毛がある。葉は柄がなく、線形~線
【生活形】多年草で半地中植物。
状披針形で短毛がある。花は6~9月に開き、白色~
【減少の要因】不明。
苔
類
〔アカバナ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ミズユキノシタ
全国カテゴリー
〔学名〕Ludwigia ovalis Miq.
藻
淡黄緑色の小花を単生する。果実は楕円形で長さ4~
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、屋久島・種子島、
5mmとなる。
対馬、琉球。国外では南アジア、東南アジア。暖温帯
類
から中間温帯にかけての湿地に生育する。本県では珍
【生活形】多年草で水湿植物。
しい。
【減少の要因】湿地の開発、遷移の進行、除草剤の影響。
【形態の特徴】茎は紫褐色で泥上をはい、長さ20~40cm
【特記事項】旧版植物誌には児玉・比企・入間・北足立
・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
となり、上部は斜めに立ち上がる。葉は互生し、卵形
地
あるいは倒卵形で全縁。7~9月頃に葉腋に柄のない
衣
〔アリノトウグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
〔和名〕ホザキノフサモ(キンギョモ)
全国カテゴリー
〔学名〕Myriophyllum spicatum L.
円形で長さ約2.5mm、4分果に分かれる。
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球。国外では北
菌
半球の温帯~亜熱帯。暖温帯から冷温帯にかけての池
【生活形】多年草で水湿植物。
沼や溝の水中に生育する。
【減少の要因】水質汚濁、農薬汚染。
【形態の特徴】茎は長く伸びて分枝する。葉は4枚輪生
【特記事項】旧版植物誌には北足立・北埼玉・南埼玉・
類
北葛飾郡市に記録がある。
し細く羽状に分裂する。5~10月頃に穂状花序を水上
に出し、上部に雄花、下部に雌花をつける。果実は卵
〔アリノトウグサ科〕
〔和名〕タチモ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Myriophyllum ussuriense (Regel) Maxim.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】不明。
暖温帯から冷温帯にかけての沼や湿地に生育する。
【形態の特徴】茎は直立し枝はない。地上に出たものは
【特記事項】旧版植物誌には比企・北足立・北埼玉・南
高さ5~20cm、水中では約50cmとなる。水中葉は3~
埼玉・北葛飾郡市に記録がある。しかしその後発見さ
4個輪生し羽状深裂する。花期は6~8月。雌雄異株。
れていない。
石果は卵円形でいぼ状突起をつけ、4溝がある。
〔アリノトウグサ科〕
〔和名〕フサモ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Myriophyllum verticillatum L.
【摘要】北海道、本州、四国。国外では東アジア、西ア
5個輪生し、羽状に深裂する。裂片は糸状で、ホザキ
ジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ。暖温帯か
ノフサモより数がやや少ない。5~7月頃に水上に出
ら冷温帯にかけての池沼に生育する。
た上部の葉腋に白色の花を開き、穂状花序となる。上
【形態の特徴】茎は長く伸びて分枝する。水中葉は4~
― 122 ―
部に雄花を下部に雌花をつける。果実は卵状球形で長
さ約2.5mm。
【減少の要因】情報不足。
【生活形】多年草で水湿植物。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
〔和名〕スギナモ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Hippuris vulgaris L.
花弁を欠き、がくは緑色でおしべ1本めしべ1本から
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
成る。
東アジア、北アメリカ。亜寒帯の池沼に生育する。
【形態の特徴】根茎は水底の泥中を這い、茎は水面上に
維管束植物
〔スギナモ科〕
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】不明。
生する。水中葉は長さ2~6cm、水上葉は1~1.5cm
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
苔
かしその後発見されていない。
線形あるいは細い長楕円形。
花は水状葉の葉腋に単生、
蘚
直立して高さ20~50cm。葉は10枚前後がスギナ状に輪
類
〔ウコギ科〕
〔和名〕ウラジロウコギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Acanthopanax hypoleucus Makino
藻
3個の散形花序をつける。果実は球形で紫黒色。
【摘要】本州(関東・中部)、四国、九州の太平洋側山地。
【生活形】夏緑性の低木。
暖温帯の森林に生育する。石灰岩地に多い。
長楕円形、上面は緑色、下面は粉白色で鋭尖頭。7~
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
【形態の特徴】枝に細い刺針がある。葉は5小葉で倒卵
8月に今年伸びた枝先に、無毛でやや長柄のある2~
地
〔学名〕Aralia glabra Matsum.
3mm、帯紫緑色で6~8月頃に開く。果実は球形で黒
【摘要】本州(関東・中部)に分布。冷温帯~亜寒帯の
紫色に熟す。
森林に生育する。
るかほとんど無毛で、3出2~3回羽状複葉。花は径
【減少の要因】動物食害。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Angelica inaequalis Maxim.
8~9月頃に開き緑紫色で、
花序は径5~10cmとなる。
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。暖温帯から中間
果実は楕円形で広い翼があり、油管は稜の間に各3~
温帯にかけての山地の谷間に生育する。
4個ある。花柄や小花柄が不同長なのが特徴。
【形態の特徴】茎は高さ80~150cmで中空、上方で分枝す
る。根生葉および下葉は長柄があり、2~3回羽状複
【生活形】多年草で半地中植物。
葉。小葉は2~3深裂し、狭卵形で欠刻がある。花は
【減少の要因】不明。
〔セリ科〕
〔和名〕エキサイゼリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Apodicarpum ikenoi Makino
低い稜線があり、熟しても緑色である。油管は稜間に
【摘要】本州(関東・愛知県)。暖温帯の河川流域の低湿
各1個、合生面に2個ある。
地に生育する。
【形態の特徴】根は数本が肥厚し、茎は高さ10~30cmで
【生活形】多年草で地中植物。
軟らかい。葉は1回羽状複葉で毛はなく、小葉は2~
【減少の要因】河川の開発。
3対あり、頂片を除いて無柄。5月頃に茎頂に複散形
【特記事項】旧版植物誌には北足立・南埼玉郡市に記録
花序を出し、小白花を開く。果実は扁平な広楕円形で、
― 123 ―
がある。
類
〔セリ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
菌
【形態の特徴】ウドと比べてやや細く、葉は毛が散生す
〔和名〕ハナビゼリ
全国カテゴリー
類
〔和名〕ミヤマウド
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
衣
〔ウコギ科〕
〔セリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕ホタルサイコ
〔学名〕Bupleurum longiradiatum Turcz. subsp. sachalinense (Fr. Schm.) Kitag. var. elatius Kitag.
維管束植物
長楕円形。
【摘要】本州、四国、九州に分布。国外では北アジアに
【生活形】多年草で半地中植物。
分布する。中間温帯~亜寒帯の草原に生育する。
【形態の特徴】葉は単片で互生し、長楕円状披針形~へ
ら状披針形で全縁。下面は粉白色で基部は茎を抱く。
【減少の要因】動物食害、石灰採掘、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、入間、北埼玉郡市に
記録がある。
8月頃に小枝の先に小さい複散形花序を出し、淡黄色
の小花をつける。花弁は5個で内側に曲がる。果実は
蘚
苔
〔セリ科〕
類
〔和名〕ミシマサイコ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Bupleurum scorzoneraefolium Willd. var. stenophyllum Nakai
油管は細い。
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、対馬。国
藻
外では北アジア、東アジア。山地および丘陵地の草原
【生活形】多年草で半地中植物。
に生育する。
【減少の要因】不明。
【形態の特徴】高さ30~70cm、上部で枝をわける。葉は
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・入間郡市に記
類
録がある。しかしその後発見されていない。
長披針形~線形で平行脈があり、長さ4~15cm。8~
10月頃黄花を開く。果実は球形で、熟すと褐色となり、
地
〔セリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
衣
〔和名〕シムラニンジン
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Pterygopleurum neurophyllum (Maxim.) Kitag.
類
に各1個ある。根が白色多肉で、昔、東京板橋区の志
【摘要】本州(関東・近畿)
、四国、九州。国外では東ア
村に沢山生えていたという。
ジア。原野の湿地にまれに生育する。
【形態の特徴】茎は中空で稜角があり、高さ80~120cm。
【生活形】多年草で地中植物。
菌
葉はやや硬い2~3回3出複葉で羽状になり、小葉は
【減少の要因】湿地の開発、自然遷移。
全縁・線形で、尖る。夏に枝先に複散形花序を出し、
【特記事項】旧版植物誌には大里・北足立・南埼玉郡市
に記録がある。
多数の白色小花を開く。果実は楕円形。油管は稜の間
類
〔セリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ヤマナシウマノミツバ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Sanicula kaiensis Makino et Hisauchi
毛は上のものほど長い。
【摘要】本州(山梨・長野)
。冷温帯の森林に生育する。
【生活形】多年草で半地中植物。
奥秩父山地にまれに生える。
【形態の特徴】ウマノミツバに近縁で、茎は高さ15~
【減少の要因】動物食害。
80cm。茎は頂きに対生する無柄の葉だけで、有柄葉は
【特記事項】旧版植物誌には記録があるが、分布地の記
全て根生するのでウマノミツバと区別される。花序は
載はなし。今回の調査では十文字峠、中津川に記録あ
疎らで、花も少ない。果実は卵状楕円形で、かぎ状の
り。
〔セリ科〕
〔和名〕タニミツバ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Sium serra (Franch. et Sav.) Kitag.
たはない。果実は広卵形で油管は約15個。
【摘要】北海道、本州(中部以北)。中間温帯から冷温帯
【生活形】多年草で半地中植物。
にかけての森林、谷間の木陰に生育する。
【形態の特徴】根は数本が肥厚する。茎は高さ60~90cm
で分枝し、中空で無毛。葉は3~5小葉からなり、小
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には記録があるが、分布地の記
葉は長卵形~披針形で細かい鋸歯がある。花は8月頃
開き、3~5の小散形花序があり、総苞は小さいかま
― 124 ―
載はない。今回の調査では城峯山の谷間で記録。
〔セリ科〕
〔和名〕ムカゴニンジン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Sium ninsi L.
序をつけ、白色小花を開く。果実は卵球形である。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
【形態の特徴】根は数本が肥厚し、茎は高さ30~80cmと
なる。葉は3~5小葉からなり、小葉は披針形。晩秋、
【減少の要因】湿地の開発。
【特記事項】旧版植物誌には入間・北足立郡市に記録が
ある。
葉腋にむかごをつける。8~10月頃に枝先に複散形花
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Sium suave Walter subsp. nipponicum (Maxim.) Sugim.
中間温帯から冷温帯にかけての湿地に生育する。本県
【生活形】多年草で水湿植物。
での分布は少ない。
【減少の要因】湿地の開発、遷移の進行。
【特記事項】旧版植物誌には入間・北埼玉郡市に記録が
ある。
は奇数の一回羽状複葉で披針形の小葉は7~9対が対
藻
【形態の特徴】茎は高さ1m内外で中空で稜がある。葉
類
色小花を開く。果実は倒卵形で油管は約10個ある。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
苔
〔和名〕ヌマゼリ(サワゼリ)
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
蘚
〔セリ科〕
維管束植物
【生活形】多年草で半地中植物。
中間温帯から冷温帯にかけての湿地に生育する。
生しする。7~9月頃に枝先に複散形花序をつけ、白
類
〔セリ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔和名〕ヒロハヌマゼリ
【生活形】多年草で水湿植物。
【形態の特徴】ヌマゼリと比べ、葉が卵形、または卵円
【特記事項】旧版植物誌には北足立郡市に記録がある。
類
【減少の要因】不明。
かけての湿地に生育する。
衣
【摘要】本州(関東以西)
、四国。中間温帯から冷温帯に
地
〔学名〕Sium suave Walter subsp. nipponicum (Maxim.) Sugim. var. ovatum (Yatabe) H. Hara
しかしその後発見されていない。
形で、基部はときに心形となるので区別される。
菌
〔セリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ミヤマウイキョウ(イワウイキョウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Tilingia tachiroei (Franch. et Sav.) Kitag.
類
【摘要】北海道、本州(中部以北)
、四国。国外では東ア
は線形で数個つく。小散形花序の柄の内面には乳状小
ジア。亜寒帯から寒帯にかけての草原、高山の岩場に
突起があり、果実は卵形。油管は稜の間に各1個、合
生育する。奥秩父山地にのみ自生する。
生面に2個ある。
【形態の特徴】茎は高さ10~30cm。葉は2~3回羽状に
【生活形】多年草で半地中植物。
細裂し、裂片は線形で幅1mm以下で、ウイキョウに似
【減少の要因】動物食害。
る。花は8~9月頃開き白色。総苞片および小総苞片
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔イワウメ科〕
〔和名〕ヒメイワカガミ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕〕Schizocodon ilicifolius Maxim.
【摘要】本州(北部・中部)
。白花品は関東北部。紅紫花
対 も つ 。 花 の 紅 紫 色 の も の を f. purpureiflorus
品は秋田、山形、岩手、長野、山梨、埼玉、東京、神
Takeda アカバナヒメイワカガミという。こちらの方が
奈川、静岡に分布。冷温帯から亜寒帯、植生帯でいう
普通に見られる。
とブナ帯からシラビソ帯の岩・礫地に生育し、生育地
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
はイワカガミよりやや低い。
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
【形態の特徴】花は白か淡紅色で6月に咲くが、通常結
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。日
実を見ない。葉は小さく縁に粗く大きい鋸歯を3~6
― 125 ―
本固有属。
〔イチヤクソウ科〕
〔和名〕ウメガサソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Chimaphila japonica Miq.
維管束植物
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬。
常1個下向きにつける。草高10~15cm、葉はやや革質
国外では東北アジア。暖温帯から中間温帯の低地や海
で数個が輪生状につく。茎の基部は横にはうか斜に立
上る。
岸の山林に生育する。本県では乾いた低山・丘陵・尾
根のコナラ林に見られるが、分布は局所的で少ない。
【生活形】多年草で地表植物。
シイ・カシ帯からブナ帯にかけて林床に生育。酸性土
【減少の要因】森林伐採、台地・丘陵の開発、園芸採取。
を好む。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
【形態の特徴】6月頃にウメの花のような白色の花を通
蘚
苔
〔イチヤクソウ科〕
類
〔和名〕シャクジョウソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Monotropa hypopitys L.
藻
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。国外では北
毛がある。鱗片状の葉を20~30個つける。乾燥すると
アジア、東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。中間温
黒くなる。茎の先端に数個の花を総状に下向きまたは
横向きにつけ、結実期に果実を上方に向ける。
帯から冷温帯の落葉広葉樹林に生育する。本県では秩
類
父山地のミズナラ、ブナ、スギ等の林床でやや薄暗い
【生活形】多年草で地中植物。腐生植物。
ところに株立ちで生育するが、極めて少ない。
【減少の要因】森林の伐採、植林、台地・丘陵地帯開発。
【形態の特徴】朽ちた植物を栄養として育つ。腐生植物。
【特記事項】旧版植物誌には、北埼玉、北葛飾を除く県
内各地に記録がある。
全体は淡黄褐色からやや乳白色の肉質で、軟らかい短
地
衣
〔イチヤクソウ科〕
〔和名〕アキノギンリョウソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Monotropa uniflora L.
類
ソウと異なる。茎は直立性で丸く肥厚し、高さ30cmに
【摘要】北海道、本州、四国、対馬に分布。国外では東
なる。9~10月のキノコが出る季節に見られる。
アジア、北アメリカに分布する。冷温帯の森林に生育
菌
【生活形】多年生の腐生植物。休眠芽は地中にある。
する。
【形態の特徴】白色部の多い腐生植物。花は秋に茎頂か
ら下向きに一個つけ、結実期には上を向く。花弁は5
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には北足立郡市に記録がある。
類
枚で、先端に不ぞろいの牙歯があることがギンリョウ
〔イチヤクソウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ギンリョウソウ(マルミノギンリョウソウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Monotropastrum humile (D. Don) H. Hara
に白い。果実は丸く下向きにつく。熟しても割れるこ
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島
とはない。
・種子島、対馬、琉球。国外では東アジア。暖温帯か
【生活形】多年草で地中植物。
ら寒帯にかけての林内の陰湿地に生育する。
【形態の特徴】堆積する土壌の量、腐植の多少、コケの
【減少の要因】踏みつけ、山林伐採、台地丘陵の開発。
有無などに関係なく、1本から数本の株立ちで現れ、
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
入間・北足立・南埼玉郡市に記録がある。
多数まとまって出ることはない。花弁は3~5枚で先
端は丸く、5~8月に開花し、全体は乳白色で花は特
〔イチヤクソウ科〕
〔和名〕ベニバナイチヤクソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Pyrola incarnata Fisch.
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外ではアジア北東
【形態の特徴】6~8月に高さ15~25cmの花茎に、径約
部、北アメリカ。冷温帯から亜寒帯のコメツガ林の林
13mmの5弁花を総状につける。花弁は紅色で葯は赤紫
床や林縁に生育する。亜高山の草原や低木の疎林など
色、苞は長楕円状皮針形で先は急に尖る。葉柄と葉身
明るいところで大きい群落をつくることがある。
の長さは共に3~5cmでつやがある。
― 126 ―
【生活形】多年草で半地中植物。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、動物食害。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ジンヨウイチヤクソウ
全国カテゴリー
〔学名〕Pyrola renifolia Maxim.
ち、円腎形で深緑色、表面はつやが無く脈に沿って白
【摘要】北海道、本州(中部以北)
。国外では朝鮮、中国
い斑がある。乾くと黒緑色になる。
東北部(アムール)
。亜寒帯つまり亜高山帯の針葉樹林
維管束植物
〔イチヤクソウ科〕
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
の林床に生育する。本県ではまれに見る。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
cmの花を数個つける。花弁は緑白色。葉は長い柄を持
蘚
【形態の特徴】6~8月に高さ10~15cmの花茎に径約1
苔
〔和名〕イワヒゲ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
類
〔ツツジ科〕
〔学名〕Cassiope lycopodioides (Pall.) D. Don
カムチャッカ、アラスカ。寒帯の岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】花は鐘形で長さ7mm位。雄しべ10本、さ
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
膜質で白く、長さ1~1.5mm、無毛。常緑性の小低木で
全国カテゴリー
〔学名〕Cladothamnus bracteatus (Maxim.) T. Yamaz.
類
丸く、両面とも無毛。樹高30~80cm。花期7~8月。
【摘要】北海道、本州(中部以北)。亜高山帯から高山帯
衣
〔和名〕ミヤマホツツジ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
地
〔ツツジ科〕
類
く果は球形で径葯3mm。葉は菱形で厚く、上部の縁は
【生活形】常緑の矮生低木。
藻
高山の岩の割れ目などに見られる。花期7月。
【摘要】本州(中部以北)、北海道。国外では北アジア、
【生活形】夏緑性の低木。
にかけての岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】枝先に短毛を密生した総状花序を出す。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
菌
花弁は3枚で径1cm位、萼片5枚で離生、長さ4mm。
【減少の要因】自然遷移。
苞葉は2枚で葉状。葉は倒卵形、長さ1~5cmで先は
〔和名〕サラサドウダン
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Enkianthus campanulatus (Miq.) Nicholson
身は倒卵形、表面に短い毛があり、長さ2~5cm、幅
【摘要】北海道、本州(近畿以東)
、四国。冷温帯から亜
1~2cm、縁に長い毛状の微小突起がある。花期5~
寒帯の林中に生育する。
6月。
【形態の特徴】枝先に総状花序を出し、10個ほどの鐘形
の花を下向きに咲かせる。花冠は黄白色に紅色の縦の
【生活形】夏緑性の低木。
条があり、先端が浅く5裂し、長さ8~10mm。雄しべ
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、動物食害。
10本。樹高5mになる。葉は枝先に集まって互生、葉
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ツツジ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔和名〕ベニサラサドウダン
〔学名〕Enkianthus campanulatus (Miq.) Nicholson var. rubicundus (Matusm. et Nakai) Makino
形。
【摘要】本州(東北・関東・中部)
。冷温帯の森林に生育
【生活形】夏緑性の低木。
する。本県では秩父山地の亜高山帯に稀である。
【形態の特徴】サラサドウダンに似るが花はやや小さく、
長さ5~6mmで深紅色。さく果は長さ5~6mm、広卵
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
― 127 ―
類
〔ツツジ科〕
〔ツツジ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕ベニドウダン(チチブドウダン)
〔学名〕Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino f. rubens (Maxim.) Ohwi
維管束植物
形、長さ2~4cm、縁に細かい二重鋸歯がある。樹高
【摘要】本州(関東~近畿)
。中間温帯から冷温帯の森林、
1~3m。花期5~6月。
岩・礫地に生育する。標高600m以上の尾根筋の岩上に
【生活形】夏緑性の低木。
生える。
【形態の特徴】花は深紅色、花冠は長さ5~6mmで縁は
不規則に裂け、花柱が花冠の外に突き出る。葉は倒卵
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
蘚
苔
〔ツツジ科〕
〔和名〕アカモノ
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Gaultheria adenothrix (Miq.) Maxim.
類
幅1~2cm。茎は地上をはう。花期5~6月。
【摘要】北海道、本州、四国。冷温帯から亜寒帯にかけ
【生活形】常緑の低木。
ての岩・礫地に生育する。
藻
【形態の特徴】花は鐘形、長さ7mm位。白色で赤みを帯
【減少の要因】不明。
びる。果期に萼が肥大して果実を包み、径約6mmの液
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。そ
果状となる。葉は互生し、革質、卵形で長さ1~3cm、
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
類
〔ツツジ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
地
〔和名〕ウラジロハナヒリノキ
全国カテゴリー
〔学名〕Leucothoe grayana Maxim. var. hypoleuca Nakai
形で、長さ2~6cm、幅1~3cm。裏面は白色を帯び
【摘要】本州(山形県以西)。冷温帯の山地の日当たりの
衣
無毛。樹高1m以下。花期6~7月。
よい岩上に生育する。
類
【形態の特徴】花は壺形で長さ4mm。新枝の先に総状花
【生活形】夏緑性の低木。
序を伸ばし、多数の花を下向きに開く。葉は卵状楕円
【減少の要因】産地極限。
菌
〔ツツジ科〕
〔和名〕イワナンテン
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Leucothoe keiskei Miq.
類
歯があり、先が尾状に伸びる。花期7~8月。
【摘要】本州(関東~近畿)
。中間温帯から冷温帯の、山
【生活形】常緑の低木。
地渓側の湿った岩上に生育する。
【形態の特徴】花は枝先の葉の腋から長さ3~5cmの総
【減少の要因】園芸採取、谷間における林道工事、動物
食害。
状花序を伸ばして咲く。花冠は白色で筒形、長さ1.5
~2cm。先は5裂し、雄しべ10本。葉は互生、革質、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
葉身は長楕円形、長さ5~9cm、幅2~4cm、縁に鋸
〔ツツジ科〕
〔和名〕ウラジロヨウラク
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Menziesia multiflora Maxim.
葉は楕円形~倒卵形長さ2~6cm、幅1.5~3.5cm、裏
【摘要】本州(東北~中部)
。冷温帯から亜寒帯の、表土
面が帯白色。樹高1~2m。花期6~7月。
の浅い湿潤な林の下に生育する。
【形態の特徴】花序は頂生して数個の花を束状に下垂す
【生活形】夏緑性の低木。
る。花冠は狭い釣鐘形、長さ1~1.5cm、紅紫色、先は
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
5裂し、雄しべ10本、花糸に白色の軟毛が密生する。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
― 128 ―
〔ツツジ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕シャクナゲ(アズマシャクナゲ)
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron degronianum Carr.
1.5~3.5cm、先は尖り、革質、裏に淡褐色の毛が密生
【摘要】本州(東北~中部)。冷温帯から亜寒帯の林中に
【形態の特徴】枝先に総状花序を伸ばし、5~12個の花
【生活形】常緑の低木。
をつける。花冠は紅紫色で径4~5cm、縁が1/3ほど5
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、動物食害。
つに裂ける。雄しべ10本、花糸の下部に毛が密に生え
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
維管束植物
する。花期5~6月。
生育する。
る。葉は枝先に集まり、長楕円形、長さ10~15cm、幅
全国カテゴリー
苔
〔和名〕ミツバツツジ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Rhododendron dilatatum Miq.
【生活形】夏緑性の低木。
に多い。
【減少の要因】園芸採取、土地造成、動物食害。
【形態の特徴】花は葉に先がけて咲き、紅紫色、漏斗形
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・入間郡
市に記録がある。
で先が5裂、径3~4cm。雄しべ5本。花糸、花柱は
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron japonicum (A. Gray) Suringer
衣
花期5~6月。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。丘陵から亜高山帯
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ、管理放棄、自然遷
移、森林伐採、動物食害。
雄しべ5本、花糸の下部に軟毛が密生する。さく果は
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
さ4~8cm、
幅1.5~3cm、
先は鈍形で腺状突起がある。
入間・北足立・北埼玉・南埼玉郡市に記録がある。
〔和名〕ヒカゲツツジ(ウラジロヒカゲツツジを含む)
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron keiskei Miq.
~8cm、幅0.8~2cm、両面に鱗状の毛がある。花期4
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州、屋久島。中間
~5月。
温帯から冷温帯の岩・礫地に生育する。本県では秩父
山地を中心に分布し、沢沿いや尾根筋の岩上に生育す
【生活形】常緑の低木。
る。
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
【形態の特徴】花冠は黄色、径4~5cmで漏斗形。雄し
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・入間郡市に記
録がある。
べ10本、花糸の下部に軟毛が散生する。葉は枝先に集
まって互生し、革質で長楕円形、先端は尖り、長さ3
〔ツツジ科〕
〔和名〕アカヤシオ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron pentaphyllum Maxim. var. nikoense Komatsu
は広楕円形、長さ2~5cm、幅1.5~3cm、先は尖る。
【摘要】本州(近畿以北)
。中間温帯から冷温帯にかけて
花期4~5月。
の山地の尾根筋の表土の浅いチャート岩上に生育する。
【形態の特徴】鮭肉色の径5cm位の美しい花が葉に先が
【生活形】夏緑性の低木。
けて枝先に横向きに咲く。花柄は長さ5~13mm、長い
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
腺毛が散生する。花冠は杯形で広く開き、先が5裂す
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里郡市に記録があ
る。葉は小枝の先に5枚輪生、葉柄は3~5mm、葉身
― 129 ―
る。
類
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
菌
円柱形で剛毛が生える。葉は3枚輪生し長楕円形、長
〔ツツジ科〕
類
【生活形】夏緑性の低木。
の林縁や草原に生える。
【形態の特徴】花冠は朱紅色の漏斗形で、径5~6cm。
地
〔和名〕レンゲツツジ
類
無毛。葉はひし形状卵形、長さ3~6cm、幅2.5~5cm。
〔ツツジ科〕
藻
上に生え、特に岩上の表土の浅い乾燥したアカマツ林
類
先は尖り、小枝の先に3枚輪生する。花期3~4月。
【摘要】本州(関東~中部)。丘陵から低山帯の林中や岩
蘚
〔ツツジ科〕
〔ツツジ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕シロヤシオ(ゴヨウツツジ)
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron quinquefolium Bisset et Moore
さ3~4cm、幅1.5~3cm、縁に細かい毛が密生。老木
【摘要】本州(近畿以北)
、四国。中間温帯から冷温帯の
維管束植物
の樹皮は松の膚状に裂ける。花期5~6月。
山地のチャート岩上に生育する。
【形態の特徴】花は若葉と同時に開き、白色で径4cm。
雄しべ10本で花糸の下方に毛がある。葉は枝先に5枚
【生活形】夏緑性の低木。
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
輪生、葉柄は長さ1~2mm。葉身は倒卵状楕円形で長
蘚
〔ツツジ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
苔
〔和名〕オオヤマツツジ
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron transiens Nakai
類
形、先端は短く尖り、下部はくさび形。樹高1~2m。
【摘要】本州(関東)
。中間温帯の丘陵の森林に生育する。
花期4~5月。
【形態の特徴】花は紅紫色、径5~6cmで漏斗形、上側
藻
内側に濃色の斑点がある。雄しべ5本、葯は黒紫色、
【生活形】常緑の低木。
花糸の下部に軟毛が散生。花柄は3~10mm。褐色の剛
【減少の要因】園芸採取、土地造成。
毛が密生する。夏葉は長さ1.5~3cmで 卵形から披針
類
〔ツツジ科〕
〔和名〕コメツツジ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron tschonoskii Maxim.
地
伸びる。夏葉は長楕円形~倒披針形、長さ5~8mm、
【摘要】北海道、本州(中部を除く)
、四国、九州。国外
幅1.5~3mm。樹高50~100cm。花期7~8月。
では東アジア、北アジア。冷温帯の岩・礫地に生育す
衣
【生活形】夏緑性の低木。
る。秩父山地のブナ帯にまれに生える。
類
【形態の特徴】花は白色で漏斗形、花冠は径8mm位で先
は4~5中裂する。雄しべは4~5本で花の外に長く
菌
〔ツツジ科〕
〔和名〕ハコネコメツツジ
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Rhododendron tsusiophyllum Sugimoto
類
や厚く、狭楕円形で先は尖り、褐色の毛を密生する。
【摘要】本州(関東・中部)
、伊豆諸島。冷温帯から亜寒
花期6~7月。
帯の岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】花は白色筒状で先が浅く5~7裂する。
【生活形】夏緑性の低木。
コメツツジに似るが、花の筒の部分が長く、花筒の内、
【減少の要因】園芸採集。
外面と花糸に開出する毛があり、葯が縦に裂けて開く
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
ことで区別される。落葉低木で密に枝を分け、葉はや
〔ツツジ科〕
〔和名〕トウゴクミツバツツジ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Rhododendron wadanum Makino
【摘要】本州(東北~近畿)
。冷温帯の森林に生育する。
軟毛が密生する。葉は3枚輪生、葉柄は長さ2~4mm、
本県では秩父山地と奥武蔵に分布する。ブナ帯から亜
葉身は広いひし形、長さ4~7cm、幅3~5cm。葉柄、
葉の裏面主脈に褐色の軟毛が密生。花期4~5月。
高山帯を中心に分布するが、標高400m以下にもまれに
【生活形】夏緑性の低木。
見られる。
【形態の特徴】ミツバツツジに似るが、花期が遅く、若
葉の展開と同時に開花する。花冠は漏斗形で先が5中
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・入間郡市に記
裂、紅紫色、径3~4cm、雄しべ10本、子房に褐色の
― 130 ―
録がある。
〔ツツジ科〕
〔和名〕クロウスゴ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Vaccinium ovalifolium J.E. Smith
は30~100cmの落葉低木で枝に稜がある。花期6~7
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
【形態の特徴】白色で壺形の長さ5mmの花が、枝先に垂
【生活形】夏緑性の低木。
れ下がって咲く。
雄しべ10本。
液果は球形、
径8~10mm、
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
黒く熟し食べられる。葉は柄がなくて互生し、倒卵形、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
維管束植物
月。
北アメリカ。亜高山帯から高山帯の森林に生育する。
長さ2~3cm、先端は円形、裏面は淡白色。木の高さ
全国カテゴリー
苔
〔和名〕コケモモ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Vaccinium vitis-idaea L.
があり、裏面に黒い点がある。茎は高さ10~20cm、下
岩・礫地に生育する。
方が長く地中をはう。花期6~7月。
【生活形】常緑の矮生低木。
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
は赤く熟し、径7mmほどあり、果実酒にしたり生で食
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ガンコウラン科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Empetrum nigrum L. var. japonicum K. Koch
【生活形】常緑の低木。
【減少の要因】不明。
果実は球形で黒色、径6~10mm。葉は長さ4~7mm、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ヤブコウジ科〕
全国カテゴリー
類
〔和名〕カラタチバナ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Ardisia crispa (Thunb.) DC.
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、琉球に分布。国
【生活形】常緑の低木。
外では東アジア、南アジア、東南アジアに分布する。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
亜熱帯~暖温帯の森林に生育する。
【特記事項】分布上検討を要する。江戸時代には栽培が
盛んだった。
【形態の特徴】本来の分布域は関東南部の暖帯林の林床。
葉は長さ8~18cmで狭く長い披針形、鋸歯は低い。
〔サクラソウ科〕
〔和名〕ノジトラノオ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Lysimachia barystachys Bunge
は幅が狭く8~15mmで、縁と裏に毛がある。
【摘要】本州(関東から山陽の太平洋側)
、九州。国外で
は東アジア。暖温帯の草原に生育する。本県では低地
【生活形】多年草で地中植物。
から丘陵のやや湿った草地、農道の縁、河川敷に群生
【減少の要因】台地・丘陵地の土地造成、河川改修、河
川敷開発、農薬散布。
する。
【形態の特徴】オカトラノオに似るが、花は早く6~7
【特記事項】旧版植物誌では秩父を除く県内全域に記録
月に咲く。茎と花軸とは長い褐色の毛におおわれ、葉
― 131 ―
がある。
菌
2.5mm、
紫黒色。
雌花の花弁は線状長楕円形で長さ2mm。
類
で枝を多数分枝し、マット状になる。花期5~6月。
北アジア。寒帯の岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】雌雄異株。雄花の花弁はさじ形で、長さ
衣
幅0.7~1mm。枝に密につく。高さ10~20cmの常緑低木
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では東アジア、
地
〔和名〕ガンコウラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
類
花冠は長さ4~6mm、先は4裂し、雄しべ8本。果実
藻
べる。葉は革質で楕円形、長さ1~2cm、表面に光沢
ヨーロッパ、北アメリカ。亜高山帯から高山帯の森林、
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
【形態の特徴】花は枝先に総状につき、淡い紅色で鐘形。
蘚
〔ツツジ科〕
〔サクラソウ科〕
〔和名〕ヌマトラノオ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Lysimachia fortunei Maxim.
維管束植物
【摘要】本州、四国、九州、屋久島に分布。国外では東
長楕円形で幅10~20mmあり、先が急に狭くなり、腺点
アジア・東南アジアに分布する。暖温帯~中間温帯の
があって毛はない。茎は丸くて毛はなく、直立して高
さ40~70cmになる。
湿地に生育する。
【形態の特徴】茎頂に先の立った長い花穂を出し、径5
~6mmの白い花が軸の全体に多数集まって、7~8月
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】池沼開発、河川開発、湿地開発、自然遷
移、帰化競合。
に咲く。通常花軸は毛がないか、あっても少ない。少
し腺毛がある。花冠の裂片は倒卵形で5個ある。葉は
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
蘚
苔
〔サクラソウ科〕
類
〔和名〕サワトラノオ(ミズトラノオ)
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Lysimachia leucantha Miq.
mm。葉は幅が3~5mmで細長く先は丸く腺点がある。
【摘要】本州(福島・関東・中部の太平洋側)、四国、九
藻
茎は稜があり毛はない。
州。国外では朝鮮南部。暖温帯から中間温帯にかけて
の湿地に生育する。本県では低地に分布し、湿地に群
【生活形】多年草で水湿植物。
生する。
【減少の要因】低湿地埋め立て。
類
【形態の特徴】茎は30~60cmで近縁種に比べ全体が弱々
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北足立・北埼
玉・南埼玉郡市に記録がある。激減している。
しい。花は4~5月に咲く。花穂は初め短く開花とと
もに長く伸びる。花は径5mm。萼は細く尖り長さは3
地
衣
〔サクラソウ科〕
〔和名〕クサレダマ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Lysimachia vulgaris L. var. davurica (Ledeb.) R. Knuth
類
根茎は長い。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
菌
東アジア。冷温帯から亜寒帯にかけての草原および湿
【生活形】多年草で水湿植物。
地に生育する。本県では低地に分布し、湿地に生える
【減少の要因】園芸採取、低湿地埋め立て、台地丘陵の
開発。
が、極くまれである。
類
【形態の特徴】7~8月に高さ40~80cmの茎の頂に、円
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北埼玉郡市に
錐形に総状花序をつけ、径12~15mmの黄色5弁花が咲
記録がある。長野では休耕田にアゼスゲと共に群生す
く。葉は披針形で交叉対生し、裏面は白色を帯びる。
ることがあるという。
〔サクラソウ科〕
〔和名〕クリンソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Primula japonica A. Gray
る。
【摘要】北海道、本州、四国。国外では東アジア。中間
【生活形】多年草で半地中植物。
温帯から冷温帯の山間の湿地・谷間に生育する。
【形態の特徴】5~6月に高さ40~80cmの花茎に、径20
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
~25mmの紅紫色の5弁花が2~5段に輪生して咲く。
【特記事項】本県では園芸採取や県外からの移入種が栽
葉は根元から出て、長さが15~40cmの長楕円形で、縁
培されており、逸出と思われるものが多いので注意が
に細い鋸歯があり毛はない。葉柄の基部は紅色を帯び
必要。
〔サクラソウ科〕
〔和名〕クモイコザクラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Primula reinii Franch. et Sav. var. kitadakensis (H. Hara) Ohwi
に見られる。
【摘要】本州(関東・中部地方南部以西の山地)
。亜寒帯
から寒帯にかけ、植生ではブナ帯上部からシラビソ帯
【形態の特徴】6月頃5~10cmの花茎に紫紅色で径18~
にかけて、岩壁・岩場に生育する。本県では奥秩父の
22mmの5弁花を1~3個つける。花弁は倒卵形で先は
山地上部から亜高山に分布し、明るい岩壁に極くまれ
大きく2つに裂けて尖る。葉は径15~40mmの円形で、
― 132 ―
手のひら状に6~9裂し、さらに牙歯状に3裂する。
【生活形】多年草で半地中植物。
鋸歯は母種コイワザクラよりやや明瞭で先は尖る。葉
【減少の要因】園芸採集。
の表面は毛がなく、裏面の脈上と柄に軟らかい毛があ
【特記事項】フォッサマグナ要素。
る。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕コイワザクラ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Primu1a reinii Franch. et Savat.
に変化があり、同じ両神山中でも葉が1/3ほど裂け、鋸歯
【摘要】本州(紀伊半島・中部地方南部・関東地方西南部)
長さ3~10cmの柄があり、白色で乾くと赤みを帯びる縮
ウギコザクラvar. myogiensis Haraの生育も伝えられ
ている。
【生活形】多年草で半地中植物。
なり、基部は心形、縁は浅く7~9裂し、裂片は先のと
【減少の要因】自然遷移、園芸採取。
がった小裂片に浅く3~5裂する。地域によって葉の形
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔和名〕サクラソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
藻
たは腎円形で、径1.5~4cm、果時には5~7cmと大きく
類
れた軟毛がはえる。葉身は両面に軟毛がはえ、円形ま
苔
や、葉はごく浅く裂け、歯牙があまり目立たないミョ
蘚
のとがるクモイコザクラvar.kitadakensis (Hara) Ohwi
に分布。温帯上部の山地の岩場に生育する。
【形態の特徴】根茎は細く、数枚の葉を束生する。葉は
〔サクラソウ科〕
維管束植物
〔サクラソウ科〕
〔学名〕Primula Sieboldoldii E. Morr.
全体縮れた白い毛におおわれる。
【摘要】北海道(南部)
、本州、九州。国外ではアジア北
【生活形】多年草で地中植物。
生育する。本県では荒川低地に見られる。
【減少の要因】園芸採取・低湿地の埋め立て・開発、河
【特記事項】県の花に指定され、さいたま市田島ヶ原サ
先は浅く2つに裂ける。葉は長い柄があり卵形で長さ
クラソウ自生地は国指定特別天然記念物。さいたま・
4~10cm。表面は脈の間がせり上がってしわになる。
上尾に自生。
類
で径20~30mmの花を3~15個つける。花弁は倒卵形で
衣
川改修、河川敷開発。
【形態の特徴】4~5月に高さ15~30cmの花茎に紫紅色
地
東部。中間温帯から冷温帯の山麓や川岸の低湿原野に
菌
〔サクラソウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕チチブイワザクラ
類
〔学名〕Primula reinii Franch. et Sav. var. rhodotricha (Nakai et F. Maek.) Ohwi
形に浅く裂け、ふぞろいで円味を帯びた細かい歯があ
【摘要】本州(関東)
。冷温帯の岩・礫地に生育する。武
り、葉の柄は長く暗紅色の毛が著しい。白花品もある。
甲山の650m以上の北向き斜面で、石灰岩の岩壁の割れ
【生活形】多年草で半地中植物。
目や岩棚に生えわずかに見られる。
【形態の特徴】5~6月に7~12cmの花茎に濃紅紫色で
【減少の要因】石灰採掘。
径20~35mmの花を数個つける。花弁は倒心臓形で先は
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。コ
2つに裂ける。葉は長さ20~40mmの卵形で、手のひら
イワザクラが石灰岩地に残存した種と考えられる。
〔サクラソウ科〕
〔和名〕ツマトリソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Trientalis europaea L.
【摘要】北海道、本州(近畿以北)
、四国。国外では北ア
20mmの白い花を1個つける。花は上向きで雄しべ、花
ジア、東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。亜寒帯か
弁、萼片各々7個。大きな葉が茎の上方に輪生状に集
まり、下方の葉ほど小さい。地下茎は白くて細い。
ら寒帯にかけて草原や林の縁に生育する。本県では秩
父山地の亜高山に分布し、草地や明るい林の中に生え
【生活形】多年草で半地中植物。
るが少ない。
【減少の要因】踏みつけ、園芸採取、動物食害。
【形態の特徴】6~8月に7~20cmの茎の頂に径15~
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
― 133 ―
〔モクセイ科〕
〔和名〕ハシドイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Syringa reticulata (Bl.) H. Hara
褐色、皮目を散生する。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。冷温帯の山地に生
維管束植物
【生活形】夏緑性の高木。
育する。
【形態の特徴】花は6~7月。大型の円錐花序に白い花
を密につける。果実は長楕円形。種子はまわりに翼あ
【減少の要因】石灰採掘、道路工事、産地極限。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
り、偏平。葉は対生、広卵形~卵形、全縁。樹皮は灰
蘚
〔マチン科〕
苔
〔和名〕ヒメナエ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Mitrasacme indica Wight
類
茎ともに無毛。
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島、
琉球。国外では東アジア、南アジア、東南アジア。亜
【生活形】1年草。
熱帯から暖温帯にかけての湿地に生育する。
【減少の要因】不明。
藻
【形態の特徴】県内では希。花は8~10月頃咲き、花冠
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・入間・北足立
は白色筒状。さく果はほぼ球形、葉は対生し葉脈は1
・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。しかし
本、幅1mm前後と細く、基部は互いにくっつく。葉、
その後発見されていない。
類
〔マチン科〕
〔和名〕アイナエ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Mitrasacme pygmaea R. Br.
地
3本の脈がある。茎は短く、それに比べ花茎は著しく
【摘要】本州(近畿を除く)
、四国、九州。国外では東ア
衣
長くなる。
ジア、南アジア、東南アジア、オーストラリア。亜熱
類
帯から暖温帯にかけての日当たりのよい低湿地に生育
【生活形】1年草。
する。
【減少の要因】踏みつけ、自然遷移、土地造成、森林伐
採。
【形態の特徴】高さ5~15cmほどの1年草。花は白色、
菌
8~10月頃咲く。さく果は球形。葉は数対しかなく、
〔リンドウ科〕
類
〔和名〕コケリンドウ
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Gentiana squarrosa Ledeb.
ウに似るが、萼裂片が卵形で反ることなどで区別する。
【摘要】本州(近畿を除く)
、九州、屋久島に分布。国外
では東アジア、北アジアに分布する。暖温帯~中間温
【生活形】2年草。
帯の草原に生育する。
【減少の要因】自然遷移。
【形態の特徴】高さ2~10cmほど。本州~九州に分布す
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・入間・北足立
・北葛飾郡市に記録がある。
るが、県内ではまれ。花は3~6月頃に開き、萼筒は
4~6mm。葉はロゼット状のものがつく。フデリンド
〔リンドウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕チチブリンドウ(ヒロハヒゲリンドウ)
【摘要】本州(関東・中部)
。国外では北アジア。亜寒帯
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Gentianopsis contorta (Royle) Ma
【生活形】1年草ないし2年草。
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、産地極限、動物食
の岩・礫地に生育する。
害。
【形態の特徴】花は4数性。花冠は淡紫色。
高さ8~15cm。
深山の石灰岩地に希に生える1年草、越年草。奥秩父
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
で初めて採集されたのでこの名前がある。
― 134 ―
〔リンドウ科〕
〔和名〕ハナイカリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Halenia corniculata (L.) Cornaz
には4稜があり、高さ10~60cm。距の様子が錨に似て
【摘要】北海道、本州(近畿以北)
、九州。国外では北ア
いることからこの名がついた。
たりのよい山地草原に生育する。県内では奥秩父に見
【生活形】1年草ないし2年草。
られる。
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ、動物食害。
【形態の特徴】花は8~9月頃に咲き淡黄色。花冠は4
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
つに深く裂け、裂片の基部に3~7mmの距がある。茎
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Pterygocalyx volubilis Maxim.
などで区別できる。
ジア。冷温帯の山地草原に生育する。
ドウに似るが、萼と花冠の先は4裂すること、葉は細
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取。
全国カテゴリー
類
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
藻
【形態の特徴】花は9~10月に咲き、淡紫色。ツルリン
〔和名〕アケボノソウ
類
長く裏面は紫色にならないこと、果実はさく果になる
【摘要】北海道、本州(中部以北)
、九州。国外では北ア
〔リンドウ科〕
苔
〔和名〕ホソバノツルリンドウ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
蘚
〔リンドウ科〕
維管束植物
ジア、東アジア。冷温帯から亜寒帯にかけての、日当
〔学名〕Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook. et Thoms.
立てたという。花時には根生葉は消失している。
中間温帯から冷温帯にかけての山地草原および湿地に
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、その他(植林)
。
半分には濃緑色の斑点があり、中央には黄色円形の部
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
菌
〔リンドウ科〕
類
【形態の特徴】花は9~10月頃咲き、黄白色。花冠の上
衣
【生活形】1年草ないし2年草。
生育する。
地
分があり、この様子を、夜明けのあけぼのの星空に見
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
〔和名〕イヌセンブリ
〔学名〕Swertia diluta (Turcz.) Benth. et Hook. fil. var. tosaensis (Makino) H. Hara
類
われる。
【摘要】本州、伊豆諸島、四国、九州。暖温帯から中間
【生活形】1年草ないし2年草。
温帯にかけての湿地に生育する。
【形態の特徴】花は10~11月、花冠は白色で紫色の条が
ある。茎は下部で枝分かれし、葉はセンブリより広い。
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には比企・北足立・北葛飾郡市
に記録がある。しかしその後発見されていない。
高さ5~30cm。全草に苦みがないため、センブリと違
って役に立たないものの意味でイヌの名がついたと思
〔リンドウ科〕
〔和名〕センブリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Swertia japonica (Schult.) Makino
白く薄い紫色の筋がある。葉は線形で細長い。茎はや
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球に分布。国外
や4稜形をなし、紫色を帯びる。
では東アジアに分布する。暖温帯~中間温帯の草原に
【生活形】1年草ないし2年草。
生育する。
【形態の特徴】全体が苦く、薬用にするため千回振り出
しても、まだ苦いという意味。花は10~11月に咲き、
【減少の要因】薬用採取、園芸採取、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
― 135 ―
〔リンドウ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕ムラサキセンブリ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Swertia pseudochinensis H. Hara
る細点があるなど点で異なる。
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島。暖温帯の
維管束植物
【生活形】1年草ないし2年草。
草原に生育する。
【形態の特徴】茎の高さは50~70cmにもなり、茎は暗紫
色を帯びる。葉は線状披針形で長さ2~4cm。センブ
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・北埼玉・南埼玉郡市
に記録がある。しかしその後発見されていない。
リに較べ、花など全体が紫色が濃く、茎などに隆起す
蘚
〔ミツガシワ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
〔和名〕ヒメシロアサザ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Nymphoides coreana (Lév.) H. Hara
類
少している。
【摘要】本州(中部以北)、九州、琉球。国外では東アジ
【生活形】多年草で水湿植物。
ア。暖温帯の池沼や水路などに生育する。
【形態の特徴】ガガブタに似ているが花冠の外側にのみ
【減少の要因】農薬汚染、湿地開発、管理放棄、土地造
藻
成、埋め立て。
白毛があり、内側にはないので区別できる。ガガブタ
同様に水質の悪化、埋め立てなど環境の変化のため減
類
〔ミツガシワ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ガガブタ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Nymphoides indica (L.) Kuntze
地
でも希になっている。
【摘要】本州、四国、九州、対馬。国外では東アジア、
衣
南アジア、東南アジア、アフリカ、オーストラリア。
【生活形】多年草で水湿植物。
暖温帯の湖沼やため池に生育する。
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
類
【形態の特徴】花は7~9月、花冠は白色で内側と縁に
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・比企・入間・
北足立・北埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
は白毛が密生する。
葉は直径7~20cmくらいの円心形。
水質の悪化や埋め立てなどにより急速に減少し、本県
菌
〔ミツガシワ科〕
〔和名〕アサザ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔学名〕Nymphoides peltata (Gmel.) Kuntze
葉は卵形または円形で水に浮く。地下茎は泥中を横に
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。国外では北
長くはう。
アジア、東アジア、ヨーロッパ。暖温帯から冷温帯に
【生活形】多年草で水湿植物。
かけての池沼に生育する。
【形態の特徴】生育環境の悪化により減少している。花
は6~8月に咲き、径3~4cm、花は黄色で花冠の縁
【減少の要因】道路工事、農薬汚染、管理放棄。
【特記事項】旧版植物誌には入間・北埼玉・南埼玉・北
葛飾郡市に記録がある。
には長い毛がある。種子は偏平で翼があり、3~4mm。
〔キョウチクトウ科〕
〔和名〕チョウジソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Amsonia elliptica (Thunb.) Roem. et Schult.
【摘要】北海道、本州、九州。国外では東アジア。暖温
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、池沼開発、土地造
帯の河岸の原野など湿った場所に生育する。
成、踏みつけ。
【形態の特徴】生育地の環境変化などに伴って、希少に
なっている。花は4~6月頃、茎頂につき紫色。果実
【特記事項】旧版植物誌には入間・北足立・北埼玉・南
はつの状で円柱形。葉は通常互生、細長く、毛はない。
茎は直立し、高さ40~80cm。
― 136 ―
埼玉郡市に記録がある。
〔ガガイモ科〕
〔和名〕クサタチバナ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Cynanchum ascyrifolium (Fr. et Sav.) Matsum.
ない。葉は柄があって対生し、長さ5~13cmの楕円形
東北アジア。中間温帯の山地草原や明るい広葉樹林で、
で先が尖り、裏は淡緑色で脈に毛がある。茎は直立し
て高さが30~60cmになり、枝はない。
やや乾いたところに生育する。石灰岩地に生ずること
【生活形】多年草で地中植物。
が多い。
【形態の特徴】花は白色で径約20mmあり、茎の頂に出た
【減少の要因】森林伐採、道路敷設、土地造成、石灰採
掘、園芸採取。
数個の花柄に多数ついて、5~6月に咲く。5個ある
花冠の裂片は長楕円形で、副花冠は卵形。果実に毛は
維管束植物
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では朝鮮、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
蘚
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Cynanchum atratum Bunge
葉は長さ6~10cmの長楕円形で先が急に尖り、両面に
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。国外では東
る。本県では低山に分布し、明るい林の縁や中の草地
【生活形】多年草で地中植物。
に生え、極くまれに見られる。
【減少の要因】森林伐採、道路敷設、土地造成、踏みつ
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・南埼玉・北葛
飾郡市に記録がある。
の外側に毛がある。副花冠は太く楕円形である。萼片
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
り基部は丸い。
果実は毛が多く細長くて長さ5~8cm、
【摘要】本州(東北・近畿を除く)
、四国。冷温帯の森林
2個水が一直線状につく。茎は直立し上部はつるにな
縁に生え、極くまれに見られる。
り、長さ60~90cm。
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採、道路敷設、園芸採取、石灰採
掘、動物食害。
に咲く。花冠は星形に裂け内側に毛がある。中間につ
く葉は長さ12~25cmの大きな楕円形で、先端が鋭く尖
〔ガガイモ科〕
〔和名〕タチガシワ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Cynanchum magnificum Nakai
茎頂に集まって対生する。茎は直立して高さ30~60cm
【摘要】本州(近畿以北)
、四国に分布。中間温帯の森林
になり、枝やつるはない。
に生育する。
【形態の特徴】花は淡黄紫色で径約10mmあり、茎の頂に
【生活形】多年草で地中植物。
出る1~2cmの花柄に多数がかたまってつき、5~6
【減少の要因】森林伐採、自然遷移。
月に咲く。花冠は毛がなく、星形に裂け、半円形の副
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
花冠がある。果実は毛がなく、細長くて長さ5~7cm
録がある。
あり、2個がV字につく。葉は長さ10~15cmの卵形で、
〔ガガイモ科〕
〔和名〕スズサイコ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Cynanchum paniculatum (Bunge) Kitag.
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球。国外では北
く水はけの良い草原に生育する。本県では台地から低
アジア、東アジア。暖温帯から中間温帯の日当たりよ
山にかけてやや乾いた草地や河岸・河川敷にまれに見
― 137 ―
類
の腋に出た短い花柄に多数がかたまってつき7~8月
菌
に生育する。本県では低山に分布し、谷間の山道や林
【形態の特徴】花は暗紫色で径6~8mmあり、上部の葉
類
〔学名〕Cynanchum grandifolium Hemsl. var. nikoense (Maxim.) Ohwi
衣
〔和名〕ツルガシワ
地
は細長く尖り緑色である。果実は角状で長さ約7cm。
〔ガガイモ科〕
類
け。
【形態の特徴】6月頃高さ60cm位の直立した茎の対生葉
藻
毛がある。
アジア。暖温帯から中間温帯にかけての草原に生育す
の腋に径約15mmの暗紫色の5弁花を多数つける。花冠
類
〔和名〕フナバラソウ(ロクオンソウ)
全国カテゴリー
苔
〔ガガイモ科〕
~12cmになる。茎は直立し、高さが40~90cmになり、
られる。
枝はない。根はひげ根。
【形態の特徴】花は黄褐色で径約15mmあり、枝の分れた
維管束植物
長い花柄に疎らについて、7~8月に咲き、早朝に開
【生活形】多年草で地中植物。
き午前中に閉じる。5個ある花冠の裂片は細い卵形で
【減少の要因】踏みつけ、河川敷の浸食や改修。
毛はない。卵形の副花冠がある。果実は細長く、長さ
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
入間・北埼玉郡市に記録がある。
が5~8cmになる。葉は細くて両端が尖り、長さが6
〔アカネ科〕
〔和名〕アリドオシ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Damnacanthus indicus Gaertn. fil.
蘚
しない。茎は高さ30~60cm、2分枝し、若枝は曲がっ
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
苔
た毛を密生する。
島・種子島、対馬、琉球。国外では東アジア。暖温帯
類
【生活形】常緑の低木。
の山地の木陰に生育する。
【形態の特徴】花は4~5月に葉腋に1~3個つく。花
冠は白色、先は4裂、外面無毛。液果は球形で赤熟。
【減少の要因】森林伐採、土地造成、その他(公園建設)
。
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間郡市に記録があ
藻
る。
葉は対生し長さ7~20mm、全縁、先は鋭く刺状。托葉
の葉腋に刺針があり長さ7~20mm。根は数珠状に肥厚
類
〔アカネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕オオアリドオシ(ホソバオオアリドオシを含む)
〔学名〕Damnacanthus indicus Gaertn. fil. subsp. major (Siebold et Zucc.) Yamazaki
地
より長いので区別できる。ホソバオオアリドオシは葉
【摘要】本州(関東地方以西)
、四国、九州、琉球。暖温
衣
が長楕円形で細長い変種。
帯の林内に生育する。
類
【形態の特徴】アリドオシに似るが全体にやや大形で、
【生活形】常緑の低木。
高さは50cm~1m。葉は長さ2~5cm、幅0.8~2cmで、
【減少の要因】森林伐採、土地造成、その他(公園建設)
。
茎の刺は短く葉の長さの半分以下。アリドオシとの間
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
菌
に中間型もあるが、アリドオシの刺は葉の長さの2/3
〔アカネ科〕
類
〔和名〕キクムグラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Galium kikumugura Ohwi
がある。花冠は白色。果実は無柄のものと、長い柄の
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。暖温帯から
あるものとがあり、短い曲がった毛を密生する。
中間温帯にかけての草原や林内に生育する。
【形態の特徴】茎はそう生し、柔らかく高さ20~40cmで
【生活形】多年草で半地中植物。
無毛。花は5~6月頃に葉腋または茎の先につく長い
【減少の要因】踏みつけ、道路工事、自然遷移。
柄の先に2~数個つく。花柄の先には目立つ1個の苞
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
〔アカネ科〕
〔和名〕ハナムグラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Galium tokyoense Makino
ずかに凹む。茎は細く高さ30~60cm。
【摘要】本州(中部以北)
。国外では北アジア。中間温帯
【生活形】多年草で半地中植物。
の川岸の湿地に生育する。
【形態の特徴】5~7月頃に多数の白色の花をつける。
果実は無毛。葉は4~6枚輪生し、倒被針形または狭
【減少の要因】河川敷の開発。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
長楕円形、長さ1~3cm、幅3~7mm。先端は丸くわ
― 138 ―
〔アカネ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ホソバノヨツバムグラ
全国カテゴリー
〔学名〕Galium trifidum L. var. brevipedunculatum Regel
~20mm、縁や裏面の脈上にごく小さい下向きの逆刺が
では東アジア、北アジアに分布する。中間温帯~冷温
ある。茎は細く高さ20~50cm、稜上にはわずかな逆刺
がある。乾燥すると黒くなる。
帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】6~8月頃に枝先に長い花柄の疎らな花
【生活形】多年草で半地中植物。
序をつくり、花冠は白色で3裂まれに4裂。雄しべは
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
3本。果実は無毛で球形。葉は4~5枚輪生し長さ5
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
維管束植物
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬に分布。国外
蘚
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Galium verum L. var. asiaticum Nakai.
類
〔和名〕キバナカワラマツバ
全国カテゴリー
苔
〔アカネ科〕
の集散花序をつくり、密に多数の小さな淡黄色の花を
【摘要】北海道~九州に分布。国外では朝鮮半島に分布
つける。
する。日当りのよい乾いた草地や土手に生育する。
【生活形】多年草で半地中植物。
なり、葉とともにやわらかい毛がはえる。葉は8~10
【減少の要因】踏みつけ、動物食害。
枚輪生し、線状で、長さ2~3cm、幅1.5~3mm、先端に
【特記事項】旧版植物誌には北足立・北埼玉郡市に記録
類
がある。
短い刺があり、葉柄はなく、縁はやや裏側に反る。7
藻
【形態の特徴】茎は直立してやや硬く、高さ30~80cmに
~8月、
茎の先や上部の葉腋から花枝を伸ばして円錐状
〔学名〕Galium verum L. var. asiaticum Nakai f. nikkoense Ohwi
輪生、線形で、縁は反り返り刺はない。
鮮半島に分布する。日当たりの良い乾いた草地や土手
【生活形】多年草で半地中植物。
に生育する。
ない。7~8月頃に円錐状の集散花序を出し、多数の
【減少の要因】踏みつけ、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
全国カテゴリー
〔学名〕Hedyotis lindleyana Hook. var. glabra (Honda) Hara
【摘要】中部地方の日本海側から東北地方に分布する。
個ずつ白色の花をつける。萼は鐘形で無毛、萼裂片は
卵形で開出し、果期には外側に反り返る。花冠は白色、
裂片は卵形で先がとがる。
型の草。茎はやわらかく、枝わかれして地に広がり、
ほとんど無毛。葉はやわらかく、長卵形で長さ4cm、ほ
【生活形】1年草。
とんど毛がなく、光沢がある。托葉は半円形で、3~5
【減少の要因】森林伐採。
個のくしの歯状の裂片がある。8~9月、葉腋ごとに1
〔和名〕オオキヌタソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Rubia chinensis Regel et Maack var. glabrescens(Nakai) Kitagawa
ありほぼ無毛。液果は球形で黒く熟す。
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬に分布。国外
では東アジア、北アジアに分布する。中間温帯~冷温
【生活形】多年草で地中植物。
帯の森林に生育する。
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【形態の特徴】茎は直立し、逆刺はない。花は緑白色で
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
径3~4mm、5~7月頃に集散花序をつくり疎らに多
数咲く。葉は長い柄を持ち4枚輪生する。5~7脈が
― 139 ―
録がある。
類
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
【形態の特徴】ハシカグサvar. hirsutaより全体的に大
〔アカネ科〕
菌
【形態の特徴】茎は直立して硬く高さ30~80cm。逆刺は
〔和名〕オオハシカグサ
類
白い花をつける。果実は楕円形で無毛。葉は8~10枚
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では朝
〔アカネ科〕
全国カテゴリー
衣
〔和名〕カワラマツバ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
地
〔アカネ科〕
〔ヒルガオ科〕
〔和名〕マメダオシ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Cuscuta australis R. Br.
維管束植物
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬に分布。国外
が2個ある。果実は球形で径約3mmになる。葉は卵形
では南アジア、東南アジア、アフリカ、オセアニアに
の鱗片になる。茎は黄色で細く、マメ科など多くの種
類の植物に巻きつき養分をとる。
分布する。亜熱帯~中間温帯の草原・農耕地および路
【生活形】1年生の寄生植物。
傍に生育する。
【形態の特徴】花は白色で径約2mmあり、茎の随所に数
個ずつかたまってつき、7~10月に咲く。花冠はつり
【減少の要因】自然遷移、河川開発。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企・入間・
北足立・南埼玉・北葛飾の各郡市に記録がある。
がね形をして、5個の裂片は卵形で雄しべと同じ長さ
蘚
である。筒の中の鱗片は2つに裂ける。雌しべは花柱
苔
類
〔ムラサキ科〕
〔和名〕サワルリソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Ancistrocarya japonica Maxim.
藻
びてかぎ状になる。葉は茎の中間に互生し、表面は突
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。中間温帯の森林
に生育する。本県では丘陵から低山に分布し、谷間の
起がありざらつく。
茎は直立して高さ50~80cmになり、
湿った林の草地に生え、まれに見られる。
毛がある。
類
【形態の特徴】茎頂に数個の花穂がつく。花は5~6月
【生活形】多年草で半地中植物。
に咲き、青紫色をした長さ10~13mmの細長い釣り鐘形
【減少の要因】森林伐採、道路・住宅等土地造成。
で、先の巻いた花穂の片側に疎らにつく。花冠はのど
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。日
地
本固有属(一属一種)
。
に毛がある。果実は長さ約10mmになり、先端は長く伸
衣
〔ムラサキ科〕
類
〔和名〕オオルリソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Cynoglossum zeylanicum (Vahl) Thunb.
になり、葉先は鈍く尖り、葉と茎には下向きの短い毛
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、琉球。暖温帯の
菌
草原に生育する。本県では丘陵から低山に分布し、人
類
【形態の特徴】花は6~8月に咲く。オニルリソウに似
が多く、ざらつくことで区別される。
里近くの谷の河原や林の縁の草地、崩れた跡に生える
【生活形】2年草。
が、まれである。
【減少の要因】道路工事、土地開発・造成。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企郡
市に記録がある。
るが、短い伏した毛が多く、果実の分果は径2~2.5mm
〔ムラサキ科〕
埼玉カテゴリー 野生絶滅
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ムラサキ
〔学名〕Lithospermum officinale L. subsp. erythrorhizon (Siebold et Zucc.) Hand.-Mazz.
最も広い。萼は先が広い。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
【生活形】多年草で半地中植物。
東アジア。中間温帯のやや乾いた山地・草原。
【形態の特徴】茎は高さ30~60cmとなり上部の分枝の葉
【減少の要因】草地開発、園芸採集、薬用採取、遷移進
行。
の腋に、径4mmで白色の花をつける。多年草で開花は
6~7月、花冠ののどに黄色の突起が5つある。果実
【特記事項】旧版植物誌(1962年)の記録以来、自生品
は灰色でつやがある。葉は厚く中央の脈と幾つかの支
を発見していない。
脈が凹む。根は紫色。セイヨウムラサキは葉の中程が
〔ムラサキ科〕
〔和名〕ホタルカズラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Lithospermum zollingeri DC.
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球。国外では東
アジア。
暖温帯から中間温帯の乾いた草地に生育する。
― 140 ―
本県では丘陵から低地に分布し、崖の崩れた跡や斜面
林の縁の乾いた草地、人手の入った二次林に見られる
る。
が、少ない。
【形態の特徴】花は4~5月に咲き、青紫色で径約15mm
あり、枝先の葉のわきに1個ずつつく。花冠の裂片は
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】道路敷設・拡幅整備、土地造成、園芸採
取。
5個あり、楕円形で白い線があり、平らに開く。果実
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
入間郡市に記録がある。
茎は直立して高さ15~25cmになり、若枝に花がつく。
花後に茎の基部から枝がはって伸び、枝先に苗ができ
〔ムラサキ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
蘚
〔和名〕ヤマルリソウ
〔学名〕Omphalodes japonica (Thunb.) Maxim.
り、小さい葉が花茎につく。花茎は多数あり高さ12~
林の縁や中の草地に生えるが、まれである。
20cmになる。
【形態の特徴】立つ白い毛が多い。花茎の先が巻いて花
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】山林伐採、観光レジャー開発、園芸採取、
踏みつけ。
あり、葉の腋に1個ずつつく。花冠は筒が短く5個の
裂片が平らに開き、のどに突起がある。4個の分果は
藻
穂になる。花は4~5月に咲き、淡青紫色で径約10mm
類
帯の森林に生育する。
本県では丘陵から低山に分布し、
苔
丸く縁が滑らか。大きな葉が根からロゼット状に広が
【摘要】本州(福島以南)、四国、九州の太平洋側。暖温
維管束植物
は卵形で白く滑らか。葉は長楕円形で表に毛がある。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
類
〔ムラサキ科〕
〔和名〕ルリソウ
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Omphalodes krameri Franch. et Sav.
地
る葉は少なく、茎の中間の葉が大きい。花茎は少数で、
【摘要】北海道、本州(中部・北部)
。暖温帯から中間温
【形態の特徴】立つ毛が多く、花茎が二叉に分かれ、葉
【減少の要因】山林の伐採、道路敷設、土地造成、園芸
採取。
はつかない。花は4~6月に咲き、淡青紫色で径10~
【特記事項】旧版植物誌には比企郡市に記録がある。そ
丸くて、縁には先がかぎになった刺がある。根から出
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
全国カテゴリー
〔学名〕Trigonotis guilielmii A. Gray ex Gürcke
【摘要】北海道(南西部)
、本州。冷温帯の森林に生育す
鋭く尖り、短い毛がある。葉は互生し、卵形で毛があ
る。本県では奥秩父の山地に分布し、谷間の湿地に生
る。茎の上部につく葉には柄はない。茎は直立し、高
さ20~40cmになる。
えるが、まれである。
【形態の特徴】花は青紫色か白色で径7~10mmあり、茎
【生活形】多年草で半地中植物。
の頂から出た数個の花軸に8~15個つき、5~6月に
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
咲く。花冠は5個の裂片が平らに開き、のどに鱗片が
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
つく。花軸には葉がない。分果は4個あって、先端は
〔ムラサキ科〕
〔和名〕ツルカメバソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Trigonotis icumae (Maxim.) Makino
後茎は伸びて地に根を伸ばし、新しい株となる。
【摘要】本州(東北・中部)
。国外では朝鮮。中間温帯の
山林に生育する。山地から丘陵の湿った林中に生育す
【生活形】多年草で半地中植物。
るが、極くまれである。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、産地極限。
【形態の特徴】花は青紫色で径約10mm、高さ約20cmのつ
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
る状の茎の先に7~10個つけ、5~7月に咲く。開花
― 141 ―
類
〔和名〕タチカメバソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
菌
15mmになり、形がヤマルリソウに似る。4個の分果は
〔ムラサキ科〕
類
【生活形】多年草で半地中植物。
育する。
衣
高さ20~40cmになる。
帯にかけて山林の中の草地、林の縁、路傍にまれに生
〔クマツヅラ科〕
〔和名〕カリガネソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Caryopteris divaricata (Siebold et Zucc.) Maxim.
立つ。葉は柄があって対生し、長さ8~13cm、先は尖
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。国外では東
維管束植物
り基部は円形か浅い心形。全草臭いにおいがある。
アジア。中間温帯から冷温帯にかけての森林に生育す
る。本県では台地と丘陵に分布し、谷津や麓の草地や
【生活形】多年草で半地中植物。
林の縁に生え、極くまれに見られる。
【減少の要因】園芸採取、土地造成、山林伐採、植林・
造林。
【形態の特徴】茎は方形で高さ1m位。8~9月に上部
の葉の腋から花軸を出し、紫色で長い筒状部をもつ花
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間郡市に記録があ
る。
を疎らにつける。花冠は4個の裂片が唇形に大きく開
蘚
く。雄しべ4個と雌しべ1個が花冠の外に長く出て目
苔
類
〔クマツヅラ科〕
〔和名〕クマツヅラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Verbena officinalis L.
藻
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
がる。果実は長さ約1.5mmの分果が4個ある。葉は有柄
島・種子島、対馬、琉球。国外では東アジア、南アジ
で対生し、長さ3~10cmで葉身は2~3対の深い切れ
ア、東南アジア、西アジア、ヨーロッパ、アフリカ。
込みがあり、裂片はさらに羽状に切れ込む。全体に細
類
かい毛がある。
本県では低地から丘陵に分布し、荒地や道端に生える
【生活形】多年草で半地中植物。
が、少ない。
【形態の特徴】茎は方形で高さ30~80cm。6~10月に枝
地
先に長い穂を出し、形3~4mmの淡紫色の花が下から
【減少の要因】道路拡幅整備、土地造成、薬用採取。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
咲き上がる。花冠は5裂片が開き、筒状部は上部で曲
衣
類
〔シソ科〕
〔和名〕ヒイラギソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Ajuga incisa Maxim.
菌
直立し、高さ30~50cm。
【摘要】本州(関東・中部)。冷温帯の山地の木陰に生育
【生活形】多年草で半地中植物。
する。
【形態の特徴】花は4~6月に咲き、花冠はるり色、長
類
さ2cmになる。葉の縁には鋭い欠刻があり、この葉の
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
る。
形がヒイラギに似ていることからこの名がある。茎は
〔シソ科〕
〔和名〕オウギカズラ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Ajuga japonica Miq.
す。茎にはまばらに長い縮毛がある。
【摘要】本州(近畿以西)、四国、九州。暖温帯から中間
【生活形】多年草で半地中植物。
温帯にかけての山地の木陰に生育する。
【形態の特徴】花は4~5月に咲き、花冠は紫色、上部
の葉腋にややまばらにつく。
葉は2~5cmの柄があり、
【減少の要因】園芸採取、道路工事、森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
5角状心形。基部の節から長く地表をはう走出枝をだ
〔シソ科〕
〔和名〕ツルカコソウ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Ajuga shikotanensis Miyabe et Tatewaki
【摘要】本州(近畿以北)
。国外では北アジア。中間温帯
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】不明。
から冷温帯にかけての草原に生育する。
【形態の特徴】花茎は直立し、高さ10~30cm。全体に長
【特記事項】旧版植物誌には秩父・北足立郡市に記録が
い軟毛がある。花期は5~6月。花が終わる頃に花茎
の下部から葉をつけた走出枝を出す。
― 142 ―
ある。しかしその後発見されていない。
〔シソ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕ミヤマクルマバナ
全国カテゴリー
〔学名〕Clinopodium macranthum (Makino) H. Hara
【摘要】本州(東北・中部)。冷温帯の草原および森林に
【生活形】多年草で半地中植物。
【形態の特徴】クルマバナよりも花が大きく、萼に腺毛
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
があることで区別できる。深山の草地に生え、花は紅
紫色。花期は8~9月。
埼玉カテゴリー 情報不足
〔学名〕Dracocephalum argunense Fisch.
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】不明。
東アジア。冷温帯の草原に生育する。
【形態の特徴】花は6~7月に咲き、長さ3~3.5cm、青
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
茎は高さ15~50cm、下向きの毛がある。
全国カテゴリー 滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Eusteralis stellata (Lour.) Murata
茎の先につき、長さ4~5cm、白色または淡紅色。葉
ア、東南アジア、オーストラリア。亜熱帯から暖温帯
は細長く4~6枚が輪生する。茎は高さ10~50cm。
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕ミズトラノオ(ムラサキミズトラノオ)
〔学名〕Eusteralis yatabeana (Makino) Murata
【生活形】多年草で水湿植物。
では東アジア。暖温帯から中間温帯にかけての湿地に
【減少の要因】不明。
生育する。
【特記事項】旧版植物誌には入間・北足立・北埼玉・南
埼玉郡市に記録がある。しかしその後発見されていな
【形態の特徴】8~10月に茎の先に2~8cmくらいの花
い。
穂をつける。茎は地下茎から立上がり、高さ30~50cm。
葉はふつう4枚輪生。
〔シソ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Lamium ambiguum (Makino) Ohwi
く、高さ40~90cm、細い木質の地下茎をひく。
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。暖温帯から中間
【生活形】多年草で半地中植物。
温帯にかけての山地の木陰に生育する。
【形態の特徴】暗紅紫色の花を8~9月に葉腋につける。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
葉は疎らにつき、長さ1~3cmの柄がある。茎は四角
〔シソ科〕
〔和名〕キセワタ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Leonurus macranthus Maxim.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア
および南アジア。暖温帯から冷温帯にかけての、日当
― 143 ―
たりの良い山地や丘陵の草地に生育する。本県ではま
れ。
類
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州。国外
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
菌
〔シソ科〕
【減少の要因】不明。
類
【生活形】1年草。
にかけての水田や低湿地に生育する。
【形態の特徴】湿地の開発や汚染などにより減少し、絶
衣
滅危急種になっている。花期は8~10月、花穂は枝と
島・種子島、対馬、琉球。国外では東アジア、南アジ
地
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
〔和名〕マネキグサ
類
〔和名〕ミズネコノオ
埼玉カテゴリー 情報不足
藻
かしその後発見されていない。
紫色。葉は細く、長さ2~6cm、縁はやや裏に巻く。
〔シソ科〕
類
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
苔
〔和名〕ムシャリンドウ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
蘚
〔シソ科〕
維管束植物
【減少の要因】不明。
生育する。
【形態の特徴】花は数個づつ上部の葉腋につく、花期は
8~9月。茎は四角く、高さ60~100cm、下向きの毛が
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
ある。和名は着せ綿で、花に白毛が多いことによる。
【生活形】多年草で半地中植物。
維管束植物
〔シソ科〕
〔和名〕ヒメハッカ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Mentha japonica (Miq.) Makino
1~2cm。茎は直立し、高さ20~40cm、細長い地下茎
【摘要】北海道、本州(関東以北)。中間温帯から冷温帯
蘚
を引く。
にかけての草原および湿地に生育する。県内では北部
【生活形】多年草で半地中植物。
・東部にややまれ。
苔
【形態の特徴】県内では北部、東部にやや希。花は8~
【減少の要因】湿地開発。
類
10月頃枝先に集まって咲き、花冠は淡紅色。葉は長さ
〔シソ科〕
藻
〔和名〕ヤマジソ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Mosla japonica (Benth.) Maxim.
さ10~30cm。全体に特有のにおいがある。
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州。国外で
類
は東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての日当たりの
【生活形】1年草。
よい草地に生育する。
【減少の要因】農薬汚染、土地造成、道路工事、踏みつ
け、自然遷移。
【形態の特徴】開発による生育地の減少により、まれに
地
なっている。花は9~10月に咲き、淡紅色、茎の先端
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
と上部の葉腋につける。茎は全面に短い毛があり、高
衣
類
〔シソ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔和名〕タカクマヒキオコシ
菌
〔学名〕Rabdosia shikokiana (Makino) H. Hara var. intermedia (Kudo) H. Hara
と細長く、花も8~11mmになるものをいう。
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州。暖温
【生活形】多年草で半地中植物。
帯から冷温帯にかけての森林に生育する。
類
【形態の特徴】ミヤマヒキオコシに似るが、
葉は5~13cm
〔シソ科〕
〔和名〕ミゾコウジュ
【減少の要因】森林伐採。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Salvia plebeia R. Br.
別名ゆきみそう。白花品をシロバナミゾコウジュとい
【摘要】伊豆諸島、本州(中部以西)、四国、九州、琉球。
う。
国外では東アジア、南アジア、東南アジア、オースト
ラリア。亜熱帯から中間温帯にかけての、湿った草地
【生活形】2年草。
や畦などに生育する。
【減少の要因】農薬汚染、土地造成、湿地開発、河川開
発。
【形態の特徴】生育地の開発などにより減少している。
花は5~6月に咲き、花冠は淡紫色、長さ約5mm。根
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
出葉は花時には枯れる。茎は直立し、高さ30~70cm。
〔シソ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕トウゴクシソバタツナミ
〔学名〕Scutellaria maekawae Hara f. abbreviata (Hara) Murata
【摘要】本州(中部~東北地方南部)に分布する。湿った
全国カテゴリー
て小さくなり、1~3cmの葉柄がある。葉身は卵形~長
卵形で長さ1.5~7cm、幅1.4~4cm、裏面の脈上と表面
山林内に生育する。
【形態の特徴】茎は4角で直立し高さ7~20cm、茎に開出
にあらい毛が散生し、
裏面は紫色を帯ぴることが多い。
毛が多い。葉は茎の下部に多く、上にいくにしたがっ
花期は6~7月で、
母種のホナガタツナミよりやや遅い。
― 144 ―
花穂は2~8cm、花冠は紫色で長さ約2cm。
【減少の要因】森林伐採、土地造成。
【生活形】多年草で半地中植物。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕オカタツナミソウ
全国カテゴリー
〔学名〕Scutellaria brachyspica Nakai et Hara
多い。茎には下向きの毛が密につく。
【摘要】本州(関東~中国)
・四国に分布。暖温帯~中間
【生活形】多年草で半地中植物。
温帯の草原に生育する。
【形態の特徴】花は5~6月に淡紫色で茎の先端に花穂
【減少の要因】自然遷移、森林伐採。
蘚
をつくって開く。葉には粗い鋸歯があり、両面に毛が
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔和名〕ヒメナミキ
全国カテゴリー
〔学名〕Scutellaria dependens Maxim.
で高さ10~55cm。地下茎を出す。
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島。
【生活形】多年草で水湿植物。
けての湿地に生育する。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には比企・北足立・南埼玉・北
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
地
〔和名〕コナミキ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
葛飾郡市に記録がある。
はわずかに柄があり、長さ1~2cm。茎は細く、軟弱
〔シソ科〕
藻
国外では東アジア、南アジア。暖温帯から冷温帯にか
【形態の特徴】花は6~8月頃に咲き、花冠は白色。葉
苔
〔シソ科〕
維管束植物
〔シソ科〕
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔学名〕Scutellaria guilielmii A. Gray
【摘要】本州(関東)
、本州(中部・近畿)
、伊豆諸島、
色。葉やがくには開出する毛がある。茎は高さ20~
衣
四国、九州、屋久島・種子島、琉球。亜熱帯から暖温
40cm、地下に走出枝をひく。葉は心形で両面に毛があ
類
り、茎の上部のものは柄がほとんどない。
帯にかけての海岸付近の草地に生育する。県内ではま
【生活形】多年草で半地中植物。
れ。
〔シソ科〕
【減少の要因】河川開発、草地開発、自然遷移。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Scutellaria maekawae H. Hara
から区別される。茎には開出する毛が多く、花は6~
【摘要】本州(関東以西)
、四国。暖温帯から中間温帯に
7月に咲き、花冠は紫色になるものを f. abbreviata
かけての森林に生育する。
【形態の特徴】茎は四角く、下向きに曲がった毛がある。
(Hara) Murata トウゴクシソバタツナミソウという。
葉は茎の上部のものほど小さい。シソバタツナミに似
【生活形】多年草で半地中植物。
るが萼には腺点がないこと、葉に光沢がないことなど
【減少の要因】道路工事、埋め立て、園芸採取。
〔ナス科〕
〔和名〕アオホオズキ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Physaliastrum savatieri (Makino) Makino
円形。茎は軟らかく、疎らに分枝し、高さ30~60cm。
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州に分布。中間温
短い地下茎がある。
帯の森林に生育する。
【形態の特徴】花は6~7月、葉腋に1~2個つけ、花
冠は淡緑色。葉は長楕円形、先は細く尖る。果実は楕
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
― 145 ―
類
〔和名〕ホナガタツナミソウ(ホナガタツナミ)
菌
【形態の特徴】5月頃、花を葉の腋に1個ずつつけ、白
〔ナス科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ヤマホロシ
全国カテゴリー
〔学名〕Solanum japonense Nakai
形~3角状広披針形で先が尖る。
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。暖温帯~冷
維管束植物
【生活形】多年草で地中植物。
温帯の森林に生育する。
【形態の特徴】花は7~8月に咲き、花冠は淡紫色、深
く5裂し径1cm。果実は球形、径6~7mm、熟すと赤
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌では秩父・比企郡市に記録があ
る。
くなる。茎は疎らに枝分かれし、無毛。葉は3角状卵
蘚
苔
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕マルバノサワトウガラシ
〔学名〕Deinostema adenocaulum (Maxim.) T. Yamaz.
類
【摘要】本州(近畿以北)、四国、九州。暖温帯の湿地に
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
【生活形】1年草。
【減少の要因】不明。
生育する。
【形態の特徴】サワトウガラシに似るが、葉は卵円形と
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・北足立・北埼
藻
玉郡市に記録がある。
しかしその後発見されていない。
丸みを帯び、5~7本の脈がある。花は8~10月、花
冠は約4mmとサワトウガラシに比べ、やや小さい。
類
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕サワトウガラシ
全国カテゴリー
〔学名〕Deinostema violaceum (Maxim.) Yamazaki
地
以下の花は閉鎖花であることが多く、特に貧栄養の湿
【摘要】本州、四国、九州に分布。国外では朝鮮半島、
地にはえるものには閉鎖花が多い。
中国(東北)に分布する。湿地に生育する。
衣
【形態の特徴】茎は直立して高さ5~20cm。葉は柔らかく
【生活形】1年草。
類
菌
線状披針形で先は長くとがり、
1本の主脈のみ顕著で長
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
さ5~10mm。8~10月、上部の葉腋に正常花をつけ、花
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北足立・北埼
柄は長さ4~12mm、萼は鐘形で深く5裂する。花冠は紅
玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。しかしその後
紫色で長さ5~6mm、茎の中部には柄のない小さな閉鎖
発見されていない。
花をつける。さく果は卵状楕円形で長さ3mm。茎の中部
類
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕アブノメ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Dopatrium junceum (Roxb.) Buch.-Hamil.
対になってつく果実が虻の目のように見えることから
【摘要】本州、四国、九州、対馬、琉球に分布。国外で
ついた名。
は東アジア、南アジア、東南アジア、オーストラリア
【生活形】1年草。
に分布する。亜熱帯~暖温帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】軟弱な1年草。花は8~9月に咲き、花
冠は紫色、葉腋ごとに1つずつ着く。果実は球形で長
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には児玉を除く各郡市に記録が
ある。
さ約2mm。根ぎわの葉は長楕円形で柄がない、茎の上
部のものほど小さくなる。茎は高さ10~25cm。和名は
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 野生絶滅
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕キクガラクサ
〔学名〕Ellisiophyllum pinnatum (Wall.) Makino var. reptans (Maxim.) Yamazaki
ける。和名は葉がキクの葉に似て、唐草模様を思わせ
【摘要】本州(近畿以西)、四国、九州に分布。中間温帯
ることからついた名という。
の森林に生育する。
【形態の特徴】花は5~6月に花冠は白色、径7~8mm。
細長い茎を伸ばして地上を這い、節ごとに根と葉をつ
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採、自然遷移。
― 146 ―
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕コバノコゴメグサ
全国カテゴリー
〔学名〕Euphrasia matsumurae Nakai
裂片の先は鈍く、黒味を帯びる。
【摘要】本州(関東・中部)。亜寒帯から寒帯にかけての
【形態の特徴】多年草。高さ3~15cm。花は8月。茎の
【減少の要因】産地極限。
上部の葉腋ごとに1つつける。萼は2つに深く裂け、
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕タチコゴメグサ
全国カテゴリー
蘚
〔学名〕Euphrasia maximowiczii Wettst.
【形態の特徴】半寄生。花は8~9月頃に咲き、花冠は
白色で紫色のすじがある。がくは筒形、長さ5mm。葉
【減少の要因】草地開発、自然遷移、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
藻
は卵円形、ほとんど無柄、両面とも無毛。茎は少数の
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔和名〕オオアブノメ
〔学名〕Gratiola japonica Miq.
る。
【摘要】本州、九州。国外では東アジア。暖温帯から中
【特記事項】旧版植物誌には北埼玉・南埼玉・北葛飾郡
類
市に記録がある。
直立し、高さ10~20cmになり、内部に空隙があって柔
らかい。水田の整理や除草剤などの影響で減少してい
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Lathraea japonica Miq.
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。湿気の
【生活形】多年草で地中植物。
ある落葉樹林中に生える。
【形態の特徴】葉緑を欠く寄生植物。湿気のある落葉樹
に生える。全体に白色で花期は5~7月。花穂が矢を
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕シソクサ
入れる靭(うつぼ)に似ていることからついたという。
類
〔和名〕ヤマウツボ
全国カテゴリー
菌
〔ゴマノハグサ科〕
【減少の要因】森林伐採、産地極限。
【特記事項】旧版植物誌には入間郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Limnophila aromatica (Lam.) Merr.
の由来にもなっている。茎は直立し、ほとんど分技せ
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、琉球。国外では
ず、高さ10~30cm。
東アジア、南アジア、東南アジア。亜熱帯から暖温帯
【生活形】1年草。
にかけての湿地に生育する。
【形態の特徴】花は9~10月頃咲き、花冠は白色筒形、
長さ8~11mm。葉は対生し長さ10~25mm、幅3~10mm、
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
葉肉内に油点がありシソのにおいがあり、これが名前
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕キクモ
衣
色、長さ4~5mm。果実は球形で長さ3~4mm。茎は
【減少の要因】湿地開発、農薬汚染。
地
【生活形】1年草。
間温帯にかけての水田や湿地に生育する。
【形態の特徴】花は5~6月に葉腋に1個ずつ着き、白
類
【生活形】1年草。
県内では秩父山地に見られる。
苔
枝を出して直立し、高さ15~30cm。
【摘要】本州、四国、九州。中間温帯の草原に生育する。
維管束植物
【生活形】1年草。
草原に生育する。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Limnophila sessiliflora Bl.
【摘要】本州、四国、九州、琉球に分布。国外では東ア
ジア、南アジア、東南アジアに分布する。亜熱帯~中
間温帯の水中に生育する。
【形態の特徴】花は8~9月頃に咲き、花冠は紅紫色、
― 147 ―
水上葉の腋につく。葉は4~8枚輪生し、多くの裂片
【生活形】多年草で水湿植物。
に裂ける。水中葉にはしばしば閉鎖花ができる。茎は
【減少の要因】農薬汚染、埋め立て、管理放棄、自然遷
移。
長さ20~60cmになり、空中にあるものは多細胞の毛が
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
ある。
維管束植物
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕キタミソウ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Limosella aquatica L.
い紅紫色。葉は長さ2~5cm、毛はなく、さじ形。茎
【摘要】北海道、本州(関東)、屋久島・種子島。国外で
蘚
は細く、泥の上を這い、所々に株を作る。
は北アジア、東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、オ
苔
類
ーストラリア。冷温帯から亜寒帯にかけての池や川の
【生活形】1年草。
水辺に生育する。越谷市やその近隣地域では多数生育
【減少の要因】河川開発、産地極限。
している。
【特記事項】旧版植物誌には南埼玉郡市に記録がある。
【形態の特徴】花は6~10月頃咲き花冠は白色または薄
藻
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕スズメノトウガラシ
全国カテゴリー
〔学名〕Lindernia antipoda (L.) Alston
類
とがった鋸歯がある。茎は根ぎわで分枝し、斜上する。
【摘要】本州、四国、九州、対馬、琉球。国外では東ア
高さ5~20cm、全体無毛。
ジア、南アジア、東南アジア。亜熱帯から暖温帯にか
【生活形】1年草。
けてのやや湿り気のある田畑に生育する。
地
【形態の特徴】花は8~10月頃に咲き、花冠は長さ7~
9mm、淡紅紫色。葉は対生し無柄、縁には5~8個の
【減少の要因】湿地開発、農薬汚染。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
衣
類
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕タカネママコナ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Melampyrum laxum Miq. var. arcuatum (Nakai) Soó
菌
【摘要】本州(関東・中部)。亜高山帯の森林に生育する。
【生活形】1年草。
【形態の特徴】ミヤマママコナに較べ全体に小型。花は
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
黄白色、苞は狭披針形。茎は高さ10~17cm。
類
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ミヤマママコナ
全国カテゴリー
〔学名〕Melampyrum laxum Miq. var. nikkoense Beauverd
れる。淡黄色の花のものを f. lutescens Tuyama ウス
【摘要】本州(中部以北)
。中間温帯から冷温帯にかけて
の乾いた林に生育する。
ギママコナといい、両神山がタイプ産地である。
【形態の特徴】半寄生。花は7~8月頃に咲き、花冠は
【生活形】1年草。
紅紫色。ママコナに似るが花喉の両側に黄色の斑があ
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ。
ること、苞の先端は鈍く、縁に鋸歯がない点で区別さ
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕ママコナ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Melampyrum roseum Maxim. var. japonicum Franch. et Sav.
た名という説もある。苞は葉状で小さく、先はとがり、
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。国外では東
両縁に歯牙がある。茎は直立し、高さ20~50cm。
アジア。中間温帯のやや乾いた山林に生育する。
【形態の特徴】半寄生。花は7~8月頃に技先に多くの
【生活形】1年草。
花をつける。花は紅紫色で花喉の両側に白色の斑があ
【減少の要因】道路工事、自然遷移。
り、これを米粒に見立ててこの名がついたといわれて
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
いる。一方、種子の形が米粒に似ていることからつい
― 148 ―
入間・北足立・南埼玉郡市に記録がある。
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕スズメハコベ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Microcarpaea minima (Koenig) Merr.
日立たない。葉も小さく、長さ2~5mmほど。1属1
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、琉球。国外では
【生活形】1年草。
亜熱帯から暖温帯にかけての湿地に生育する。
【形態の特徴】花は葉腋に1個づつつけ淡赤色、小さく
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名Monochasma sheareri (S. Moore) Maxim.
蘚
〔和名〕クチナシグサ
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【生活形】2年草。
た落葉樹林下に生育する。
【減少の要因】踏みつけ、管理放棄、自然遷移。
【形態の特徴】花は4~5月に咲き、花冠は長さ10mm、
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
し、長さ15~60cm。果実がクチナシの実に似ているこ
〔学名〕Pedicularis chamissonis Steven var. japonica (Miq.) Maxim.
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】不明。
けての草原に生育する。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
全国カテゴリー
〔学名〕Pedicularis gloriosa Bisset et S. Moore
名は中国の豪傑、樊會からとったという。
【摘要】本州(関東・中部)。冷温帯の山地森林に生育す
【形態の特徴】8~9月に分枝する枝の先に長さ3~7
cmの花穂を作り、密に花をつける。花冠は紅紫色。葉
【減少の要因】園芸採取、石灰採掘。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
る。
は対生し、長さ20~50cm、羽状に全裂し、両面に毛が
ある。地面から数本の茎を斜上させ、高さ30~90cm。
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕トモエシオガマ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Pedicularis resupinata L. var. caespitosa Koidz.
り、花の咲く様子が巴(ともえ)の形に似るためにこ
【摘要】本州中部~北部に分布する。高山の草原に生育
の名がある。
し、本県では、奥秩父山地の稜線近くに発達する草原
【生活形】多年草で半地中植物。
で、まれに見られる。
【形態の特徴】シオガマギクに似るが、花序が短くつま
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕シオガマギク
全国カテゴリー
【減少の要因】自然遷移、動物食害。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Pedicularis resupinata L. var. oppositifolia Miq.
【摘要】北海道、本州(関東を除く)
、伊豆諸島、四国、
【形態の特徴】花は8~9月に咲き、花冠は紅紫色、長
九州。国外では東アジア。中間温帯から冷温帯にかけ
さ2cm、上唇は鎌形に曲がって先はとがる。葉は下部
ての、山地の日当たりのよい草地に生育する。
のものは対生、中部以上は互生し長さ4~9cm、重鋸
― 149 ―
類
【生活形】多年草で半地中植物。
る。
菌
〔和名〕ハンカイシオガマ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
類
かしその後発見されていない。
35cm。花は紅紫色で長さ17~20mm。花期は7~8月。
衣
【形態の特徴】ふつう葉は4枚輪生する。茎は高さ10~
地
【摘要】北海道、本州(中部以北)。亜寒帯から寒帯にか
〔ゴマノハグサ科〕
全国カテゴリー
類
〔和名〕ヨツバシオガマ
埼玉カテゴリー 情報不足
藻
入間・北足立・南埼玉郡市に記録がある。
淡紅紫色。葉は対生し、長さ20~35mm。茎は地面に伏
〔ゴマノハグサ科〕
類
ア。暖温帯から中間温帯にかけての、低地のやや乾い
苔
とからついた名という。
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。国外では東アジ
維管束植物
種である。
東アジア、南アジア、東南アジア、オーストラリア。
〔ゴマノハグサ科〕
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
歯縁となる。茎は基部で枝分かれし、斜め上に向き高
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、動物食害。
さ30~60cmになる。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
録がある。
【生活形】多年草で半地中植物。
維管束植物
〔ゴマノハグサ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔和名〕ヒメトラノオ
〔学名〕Pseudolysimachion rotundum (Nakai) Yamazaki var. subintegrum (Nakai) Yamazaki
f. petiolatum Yamazaki
・九州北部から朝鮮・中国東北部に分布し、葉は広披
【摘要】本州(関東・中部)に分布する。
蘚
針形で広く、葉柄がほとんどないことで区別される。
【形態の特徴】花は8~9月に咲き、茎の先の長い穂状
苔
類
花序に、青紫色の花を蜜につける。茎は高さ50~90cm、
【生活形】多年草で半地中植物。
短毛を散生する。葉は対生し狭披針形で、基部には短
【減少の要因】その他。
い葉柄がある。母種のヤマトラノオは関東以西、四国
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔ゴマノハグサ科〕
藻
〔和名〕ゴマノハグサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Scrophularia buergeriana Miq.
直立し、分枝せず高さ80~150cm。根は太く肥厚し、紡
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。暖温帯
類
錘状。
から中間温帯にかけてのやや湿った草原に生育する。
【形態の特徴】花は7~8月頃に咲き、茎の先にまとま
ってつく。花冠は壷状で長さ6~7mm、黄緑色。茎は
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】帰化競合。
地
衣
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕オオヒキヨモギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔学名〕Siphonostegia laeta S. Moore
の点で異なる。
【摘要】本州(関東・中部)
。国外では東アジア。中間温
【生活形】1年草。
帯のやや乾いた草地に生育する。県内ではまれ。
菌
【形態の特徴】ヒキヨモギに似るが、茎が直立しない、
【減少の要因】その他。
萼には開出した腺毛が密生する、花の色は灰黄色なと
類
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕イヌノフグリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Veronica didyma Tenore var. lilacina (H. Hara) T. Yamaz.
オオイヌノフグリよりも少ない。和名は果実の形から
【摘要】本州、四国、九州、対馬、琉球。国外では東ア
ついたという。
ジア、南アジア。暖温帯の土手や道端などに生育する。
【形態の特徴】花は3~4月に咲き、花冠は小さく、淡
【生活形】1年草ないし2年草。
紅色で紅紫色のすじがある果実は平たい球形で、中央
【減少の要因】道路工事、農薬汚染、帰化競合。
がくびれ、上部両端が丸い。葉のきょ歯は2~3対と
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
〔ゴマノハグサ科〕
〔和名〕カワヂシャ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Veronica undulata Wall.
葉は無柄。茎は柔らかく、高さ10~50cm。川岸に生え
【摘要】本州、四国、九州、対馬、琉球。国外では東ア
るチシャ(野菜)の意味で、若葉を食用とする。
ジア、南アジア。亜熱帯から中間温帯にかけての、川
【生活形】1年草ないし2年草。
岸や溝の縁などの湿地に生育する。
【形態の特徴】5~6月、葉腋から5~15cmの花序を出
し、多数の花をつける。花冠は淡紅紫色、径3~4mm。
【減少の要因】河川開発、帰化競合。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
― 150 ―
〔ゴマノハグサ科〕〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕クガイソウ
〔学名〕Veronicastrum sibiricum (L.) Pennell subsp. japonicum (Nakai) T. Yamaz.
【生活形】多年草で半地中植物。
たりのよい草地に生育する。
【形態の特徴】花は7~8月、茎の先に穂状に多数つけ
る。花冠は紫色、長さ5~6mm。葉は4~8枚輪生し、
【減少の要因】草地開発、自然遷移、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間郡市に記
維管束植物
名があるという。
【摘要】本州。冷温帯から亜寒帯にかけての山地の日当
録がある。
長さ5~18cm。茎は株立ちとなり、
直立し高さ0.8~1.3
m。輪生する葉が層を成している様子から、九階草の
蘚
全国カテゴリー
〔学名〕Peristrophe japonica (Thunb.) Bremek.
類
〔和名〕ハグロソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
晶体がある。白花品を f. albiflora Hiyama シロバナ
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州、対馬に分布。
ハグロソウという。
個つける。花冠は2唇形で淡紅紫色、長さ2cm。種子
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採、土地造成、道路工事、動物食
害。
類
は多数の細かい突起がある。
茎は直立し、
高さ20~50cm
で短毛が散生する。葉は卵形、全縁、両面に線状の結
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ナンバンギセル
全国カテゴリー
衣
〔学名〕Aeginetia indica L.
高さ15~30cmの花柄を出し、先端に花をつける。花冠
・種子島、対馬、琉球、小笠原。国外では東アジア、
は淡紅紫色、横向きの筒状で長さ3~5cm、花冠の裂
片は全縁。萼は舟形で先は尖る。
南アジア、東南アジア。亜熱帯から中間温帯にかけて
は短くほとんど地上に出ない。7~9月頃に葉腋から
【減少の要因】土地造成、園芸採取、自然遷移。
菌
【生活形】1年草。
【形態の特徴】ススキなどのイネ科植物の根に寄生。茎
類
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島
の草原に生育する。
地
〔ハマウツボ科〕
藻
暖温帯~中間温帯の森林に生育する。
【形態の特徴】花は9~10月、葉腋に花枝を出し2~3
苔
〔キツネノマゴ科〕
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
類
〔ハマウツボ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕オオナンバンギセル
全国カテゴリー
〔学名〕Aeginetia sinensis G. Bek.
は尖らない。花期は7~9月。花冠裂片はほぼ同形で
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。中間温
広く開く。
帯から冷温帯にかけての、山地の草地に生育する。
【形態の特徴】シバスゲやヒメノガリヤスなどの根に寄
【生活形】1年草。
生する1年草。ナンバンギセルに似るがやや大形。花
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
柄もやや太く、高さ20~30cm。萼は長さ3~5cmで先
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ハマウツボ科〕
〔和名〕ハマウツボ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Orobanche coerulescens Stephan
淡紫色の花をつける。全体に長白毛がある。
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球。国外では東
アジア。暖温帯から中間温帯にかけての、海岸や川原
【生活形】1年草。
の砂地に生育する。
【減少の要因】不明。
【形態の特徴】カワラヨモギなどの根に寄生する1年草。
【特記事項】旧版植物誌には児玉郡市に記録がある。し
茎は直立して、高さ10~25cm。5~7月に茎の先端に
― 151 ―
かしその後発見されていない。
〔ハマウツボ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕キヨスミウツボ
全国カテゴリー
〔学名〕Phacellanthus tubiflorus Siebold. et Zucc.
維管束植物
【摘要】北海道~九州に分布。国外では朝鮮半島、ウス
卵形で長さ4~8mm、鈍頭または円頭をなし、縁は多少
リー、樺太、中国(中北部・東北部)に分布する。山地
膜質である。苞は長楕円形または狭卵形、ときにへら
の木陰に生育し、カシ類、アジサイ類などの木の根に
状長楕円形で長さ1~1.5cm、膜質でもろい。花は5~7
寄生する。
月頃開き、白色で長さ2.5~3cm。
【形態の特徴】全体肉質で白色、のちに黄色を帯びる。
茎はやや太く、高さ5~10cm。鱗片葉は直立してつき、
蘚
〔タヌキモ科〕
【生活形】多年生の寄生植物。休眠芽は地中にある。
【減少の要因】森林伐採。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
〔和名〕ムシトリスミレ
〔学名〕Pinguicula vulgaris L. var. macroceras Herder
類
ら1~3本の花茎を出す。花茎の高さは5~15cmで枝
【摘要】北海道、本州(中部以北)
、四国。国外では北ア
分かれしない。花は紫色で長さ15~25mm。
ジア、北アメリカ。亜寒帯から寒帯にかけての湿地お
藻
【生活形】多年草で半地中植物。
よび岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】数枚の葉をロゼット状につけ、その間か
類
〔タヌキモ科〕
〔和名〕ノタヌキモ
全国カテゴリー
【減少の要因】石灰採掘。
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Utricularia aurea Lour.
地
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、南アジ
【生活形】1年草で水湿植物。
衣
ア、東南アジア、オーストラリア。亜熱帯から暖温帯
【減少の要因】池沼開発。
にかけての池に浮遊して生育する。
【特記事項】旧版植物誌には入間・北埼玉・北葛飾郡市
類
菌
【形態の特徴】食虫植物。水中葉は捕虫嚢を多数つける。
に記録がある。その後確かな記録もなく、絶滅したも
花は8~10月、
高さ8~20cmの花軸に4~10個つける。
のと思われる。最近、休耕田に掘られた池に何者かが
花は黄色、径6~7mm。花後、花柄は下を向く。タヌ
タヌキモ類を放流した例があるが、自生地の保全とは
キモと異なり、越冬芽を作らない。
異質であり注意を要する。
〔タヌキモ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔和名〕タヌキモ(イヌタヌキモを含む)
〔学名〕Utricularia vulgaris L. var. japonica (Makino) Tamura
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
状で緑色の越冬芽をつける。イヌタヌキモは果実がで
暖温帯から冷温帯にかけての池沼に浮遊して生育す
き、花軸が主軸より太く、越冬芽が楕円形で褐色など
の点で区別される。
る。
【形態の特徴】根はない。水中葉は細かく平面的に分枝
して捕虫嚢をつける。7~9月頃に高さ10~25cmの花
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】池沼開発、埋め立て、水質汚濁、農薬汚
染。
茎を出し、4~7個の花をつける。花茎は水中茎より
やや細く、少数の鱗片葉がある。花柄は花後に下垂す
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
るが果実はつけない。冬には水中葉が密に集まり、球
〔タヌキモ科〕
〔和名〕ミミカキグサ
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Utricularia bifida L.
軸に2~7個つけ、色は黄色。花後、花柄は伸びて開
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東アジア、
南アジア、東南アジア、オセアニア、オーストラリア。
出し、宿存萼も広がり耳掻きのようになる。普通、捕
亜熱帯から暖温帯にかけての湿地に生育する。
虫嚢は地下部につくが地上葉につくこともある。
【形態の特徴】横にはう地中軸から線形で6~8mmくら
いの地上葉を出す。花は8~10月、高さ5~15cmの花
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】湿地開発。
― 152 ―
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北埼玉郡市に
一確認されていたが、環境の変化で姿を消し、絶滅し
記録がある。最近まで天然記念物指定地での生育が唯
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ホザキノミミカキグサ
全国カテゴリー
〔学名〕Utricularia racemosa Wall.
突起がある。横にはう軸の所々に、へら形で長さ2~
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア、
3.5mmの葉をつける。捕虫嚢は少ない。
南アジア、東南アジア、オセアニア、オーストラリア。
【生活形】多年草で水湿植物。
育する。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、園芸採取、自然遷
移。
【形態の特徴】花軸は高さ10~30cmにもなり、6~9月
蘚
暖温帯から冷温帯にかけての日当たりのよい湿地に生
維管束植物
〔タヌキモ科〕
たものと思われる。
苔
に淡紫色の花を4~10個つける。萼には細い乳頭状の
類
〔タヌキモ科〕
〔和名〕コタヌキモ
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー
〔学名〕Utricularia intermedia Hayne
藻
1~5個つける。
【摘要】北海道、本州(近畿を除く)。国外では北アジア、
【生活形】多年草で水湿植物。
帯にかけての浅い古池に生育する。
【減少の要因】池沼開発、水質汚濁、農薬汚染。
【特記事項】旧版植物誌には入間・北埼玉郡市に記録が
は鋸歯があり、捕虫嚢をつけないことなどで区別でき
ある。その後確かな記録もなく、絶滅したものと思わ
る。花は6~9月。花軸は高さ5~15cmで黄色い花を
れる。
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Utricularia yakusimensis Masam.
いることなどで区別する。花は8~9月に咲き、花軸
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島。
パ、アフリカ、オーストラリア。暖温帯から中間温帯
【生活形】多年草で水湿植物。
にかけての湿地に生育する。高萩、加須などに生育し
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、園芸採取、自然遷
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北埼玉郡市に
記録がある。
色が青紫色か白色であることや地上葉がへら形をして
〔スイカズラ科〕
〔和名〕イボタヒョウタンボク
類
移。
ていたが絶滅した。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Lonicera demissa Rehder
には短く曲がった毛がある。和名は葉の形がイボタノ
【摘要】本州(中部)
。冷温帯の山地森林に生育する。
キに似るため。
【形態の特徴】高さ1~2m。全体に毛がある。花は5
~7月に葉腋に2個つける。花冠は2唇形、初め淡黄
【生活形】夏緑性の低木。
色で後に黄色となる。液果は球形で赤熟する。葉は小
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
さく長さ1.5~5cmで鋭頭、葉柄は短い。若い枝や花柄
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔スイカズラ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ニッコウヒョウタンボク
〔学名〕Lonicera mochidzukiana Makino
全国カテゴリー
みを帯びる。花柄は長さ1~2cmで無毛。果実は球形
【摘要】本州(関東・中部)に分布。冷温帯の森林に生
で紅熟する。葉は卵形~被針形、脈上に微毛がある他
育する。
は無毛、裏面は粉白色を帯び、細脈が突出する。
【形態の特徴】高さ1m内外。枝は4角で無毛。花は5~
6月に2花をつける。花冠は初めは白色で、後に黄色
【生活形】夏緑性の低木。
― 153 ―
菌
に1~4個つける。
国外では東アジア、南アジア、東南アジア、ヨーロッ
【形態の特徴】果実はミミカキグサに似ているが、花の
類
〔和名〕ムラサキミミカキグサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
衣
〔タヌキモ科〕
地
【形態の特徴】ヒメタヌキモに似るが、水中葉の裂片に
類
東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。冷温帯から亜寒
【減少の要因】森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
維管束植物
〔スイカズラ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕ハヤザキヒョウタンボク
〔学名〕Lonicera praeflorens Batalin var. japonica H. Hara
葉は卵円形~卵形、全縁で先端は短く尖り、両面に軟
【摘要】本州(中部)
。国外では北アジア、東アジア。中
毛が密生する。葉柄は毛が多い。
間温帯の山地森林に生育する。
蘚
【形態の特徴】高さ1~2m。花は4~5月頃に葉より
【生活形】夏緑性の低木。
先に咲く。花柄は短く無毛。花冠は白色で内外無毛、
【減少の要因】森林伐採。
雄しべと花柱は花冠より長い。
液果は球形で赤熟する。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
苔
〔スイカズラ科〕
類
〔和名〕アラゲヒョウタンボク(オオバヒョウタンボク)
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Lonicera strophiophora Franch.
する。花筒は長さ13~15mm、雄ずいは花冠より短い。
【摘要】北海道、本州(中部以北)。中間温帯の山地森林
藻
液果は球形で赤熟する。
に生育する。
類
【形態の特徴】高さ2m。全体に粗毛が多い。花は4~
【生活形】夏緑性の低木。
5月に葉腋から短い柄を出し2花をつける。苞は大き
【減少の要因】森林伐採。
く卵形で長さ1~2cm。花冠は淡黄色、漏斗状で下垂
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔スイカズラ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
地
〔和名〕ゴマギ
衣
【摘要】本州、四国、九州に分布。中間温帯~冷温帯の
全国カテゴリー
〔学名〕Viburnum Sieboldoldii Miq.
に黒色。核は腹面に1縦溝がある。葉や枝を折るとゴ
類
マの臭気がある。
森林に生育する。
菌
【形態の特徴】高さ2~7m。冬芽は2対の合着する鱗片
【生活形】夏緑性の低木または高木。
葉をもつ。花期は4下旬~6月中旬。花冠は高杯状で
【減少の要因】河川開発、森林伐採。
白色、短い筒部を持つ。花序の枝は対生。葉にはまっ
【特記事項】旧版植物誌には児玉・比企・入間・北足立
郡市に記録がある。
すぐな側脈があり、鋸歯縁。果実は緑色から紅色、後
類
〔スイカズラ科〕
〔和名〕キバナウツギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Weigela maximowiczii (S. Moore) Rehder
状で、種子には短い翼がある。葉は対生し、ほとんど
【摘要】本州(中部以北)に分布。冷温帯の森林に生育
無柄で、両面とも有毛。
する。
【形態の特徴】高さ2~3m。若枝に2列の毛がある。花
【生活形】夏緑性の低木。
期は4~6月。花柄はなく、萼は早落性。花冠は淡黄
【減少の要因】森林伐採。
色、雄しべは5本、葯は1列に合着する。果実は円筒
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔スイカズラ科〕
〔和名〕イワツクバネウツギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Zabelia integrifolia (Koidz.) Makino
萼片を4個つける。葉は対生し、両面脈上と縁に沿っ
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。中間温帯の山地
て粗毛がある。
基部は膨らんで相対する葉と合着する。
の岩・礫地に生育し、おもに石灰岩地まれに蛇紋岩地
【生活形】夏緑性の低木。
に見られる。
【形態の特徴】高さ2m。よく分枝し、枝に6条の縦溝
【減少の要因】石灰採掘、土地造成、園芸採取、自然遷
移。
がある。花は5~6月に若枝の先に2花をつける。花
冠は白色で淡紅色を帯びる。筒部は円筒形。宿存する
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
― 154 ―
〔オミナエシ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕オミナエシ
全国カテゴリー
〔学名〕Patrinia scabiosaefolia Fisch.
新しい株をつくる。秋の七草の一つ。
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬。
【生活形】多年草で地表植物。
けての、日当たりのよい山の草地に生育する。
【減少の要因】園芸採取、管理放棄、草地開発、埋め立
て、自然遷移。
【形態の特徴】花は8~10月に花冠は黄色、花序は上部
がほぼ平らになる。果実は偏平で翼はない。茎は直立
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
維管束植物
国外では北アジア、東アジア。暖温帯から冷温帯にか
し高さ60~100cm。
葉は狭く羽状で対生。
根は横にはい、
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Patrinia triloba (Miq.) Miq. var. palmata (Maixm.) H. Hara
【生活形】多年草で半地中植物。
類
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州。冷温帯の山地
苔
〔和名〕キンレイカ
全国カテゴリー
蘚
〔オミナエシ科〕
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ、道路工事、動物食
の岩場に生育する。
2~3mmの距がある。果実は偏平で翼がある。葉は対
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
藻
害。
【形態の特徴】花は7~8月に花冠は黄色で基部に長さ
生し、長柄が有り、掌状に3~5中裂する。
類
〔オミナエシ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ツルカノコソウ
全国カテゴリー
〔学名〕Valeriana flaccidissima Maxim.
地
卵円形。
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州に分布。暖温帯
色ときに紅色を帯て漏斗状。雄しべは花冠から突出し
【減少の要因】森林伐採、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
録がある。
ない。果実は羽状の白色冠毛がある。茎は20~40cm、
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
類
〔和名〕ナベナ
菌
花後に長い走出枝を出す。葉は波状の鈍鋸歯を持ち広
〔マツムシソウ科〕
〔学名〕Dipsacus japonicus Miq.
2cm。総苞片は線形で1列に並び、反り返る。花床の
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
鱗片はくさび形となり、硬く刺状となる。
アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の草原・農耕地お
【生活形】2年草。
よび森林に生育する。
【形態の特徴】茎は直立して高さ1m以上になり、全体に
刺状の剛毛がある。花は8~9月、紅紫色の小さな花
【減少の要因】動物食害、森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌では秩父・比企郡市に記録があ
る。
が集まり、球状または楕円状の頭花となる。頭花は径
〔マツムシソウ科〕
〔和名〕マツムシソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Scabiosa japonica Miq.
く。葉は対生し、有毛で羽状に分裂。
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州。国外で
は北アジア、東アジア。冷温帯の山地の日当たりのよ
【生活形】2年草。
い草地に生育する。
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、動物食害。
【形態の特徴】高さは60~90cm。花は8~10月に頭状花
類
【形態の特徴】花は4~5月、花冠は長さ2mm内外、白
衣
【生活形】多年草で半地中植物。
~冷温帯の森林に生育する。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
序で、頭花は径4cm位。花冠は青紫色で、上向きに咲
― 155 ―
入間郡市に記録がある。
〔キキョウ科〕
〔和名〕フクシマシャジン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Adenophora divaricata Franch. et Sav.
らな円錐状で側枝は長く張り出す。茎はときに白毛が
【摘要】本州(中部以北)
、国外では朝鮮半島、中国東北
維管束植物
【形態の特徴】ツリガネニンジンに似るが、花冠は鐘形
蘚
〔キキョウ科〕
少しあり、高さ0.6~1m。
部。中間温帯から冷温帯にかけての草原に生育する。
【生活形】多年草で半地中植物。
で先はやや広がり花盤は短い筒形、萼裂片はやや広い
【減少の要因】園芸採取、森林伐採。
披針形で全縁。花柄は長く有毛で苞がある。花序は疎
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
苔
〔和名〕ヒメシャジン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Adenophora nikoensis Franch. et Sav.
類
ある。茎は細く多くは毛が無い。
【摘要】本州(中部以北)
。亜高山帯のの半日陰の岩場に
【生活形】多年草で半地中植物。
生育する。
【形態の特徴】花は総状に数個つける。花冠は鐘形、花
藻
柱は花冠と同長かやや長い。花柄は花冠より短く苞は
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
無い。花盤は杯形、萼裂片は細い線形で疎らに鋸歯が
類
〔キキョウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔和名〕ミヤマシャジン(ホソバノミヤマシャジンを含む)
地
〔学名〕Adenophora nikoensis Franch. et Sav. var. stenophylla (Kitam.) Ohwi
る。花柱は花冠と同長か僅かにでる。葉が線形のもの
【摘要】本州(中部以北)
、奈良県。亜高山帯から高山帯
衣
をホソバノミヤマシャジンという。
にかけての草原、岩地に生育する。
類
【形態の特徴】普通無毛で茎高20~40cm。ヒメシャジン
【生活形】多年草で半地中植物。
に似るが萼裂片は披針形で全縁、花盤は杯形で高さ1
【減少の要因】園芸採取。
~2mmあり、幅のほうが高さより広いのが区別点とな
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
菌
〔キキョウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕ミョウギシャジン
類
〔学名〕Adenophora nikoensis Franch. et Sav. var. petrophila (H. Hara) H. Hara
先が鎌形にまがり一部または全部が輪生するものが多
【摘要】本州(関東北部以北)、北海道西南部。冷温帯の
い。
岩、礫地に生育する。
【形態の特徴】ヒメシャジンに似るが、花はやや小さく
【生活形】多年草で半地中植物。
萼裂片は披針形で全縁、希に線形で小歯をもつものが
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、動物食害。
ある。花盤は短い筒形で2.5~3mmある。葉は披針形で
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔キキョウ科〕
〔和名〕イワシャジン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Adenophora takedae Makino
さ30~70cmで垂れ下がる。葉は互生し、広線形または
【摘要】本州(関東・中部)に分布。暖温帯~中間温帯
披針形で、長さ7~15cmとなる。
の岩れき地に生育する。
【形態の特徴】花は9~10月に数個から10個総状につけ
る。花冠は鐘形で紫色、花柱は花冠から突き出ない。
【生活形】多年草で着生植物。
【減少の要因】産地極限。
萼裂片は線形で、疎らに小鋸歯がある。茎は細く、長
― 156 ―
〔キキョウ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅
〔和名〕チシマギキョウ
全国カテゴリー
〔学名〕Campanula chamissonis Fedorov
淡紫色でともに白長毛がある。
リン、アリュウシャン列島、アラスカ。寒帯の岩、礫
【生活形】多年草で半地中植物。
地に生育する。
【減少の要因】園芸採取。
【形態の特徴】葉面は細脈にそって皺になる。葉縁に波
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。そ
の後確かな記録もなく、絶滅したものと思われる。
状の鈍細鋸歯がある。萼裂片は広三角形で全縁、鋭頑
維管束植物
【摘要】本州(中部以北)、北海道。国外では千島、サハ
で白長毛がある。花冠は鐘形で外面は碧青色、内面は
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
苔
〔和名〕ツルギキョウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Campanumoea maximowiczii Honda
類
葉腋に単生し、白色で内面が淡紫色の広い鐘形花を下
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、対馬。国外では
蘚
〔キキョウ科〕
垂する。果実は液果となり、扁球形で径約10mm。
東アジア。暖温帯から冷温帯の草原に生育する。
生または互生で長い柄があり、葉身は卵心形で長さ3
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】草地開発、園芸採取、公園建設。
藻
【形態の特徴】太い根茎があるつる性の多年草。葉は対
~5cm、薄い膜質で粉白色を帯びる。花は8~10月、
類
〔キキョウ科〕
〔和名〕バアソブ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Codonopsis ussuriensis (Rupr. et Maxim.) Hemsley
る。
【減少の要因】土地造成、園芸採取、その他。
【形態の特徴】ツルニンジンに似るが、全体に白毛が多
【特記事項】旧版植物誌には秩父、比企郡市に記録があ
る。
く、球形の根茎が有って臭気がある。種子は翼が無く
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
類
〔和名〕サワギキョウ
菌
濃褐色で光沢があるなどの違いがあり区別できる。花
〔キキョウ科〕
〔学名〕Lobelia sessilifolia Lamb.
~100cm中空で分枝しない。苞は葉と同形。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
東アジア。暖温帯から亜寒帯にかけての湿地に生育す
【生活形】多年草で水湿植物。
る。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、園芸採取、踏み付
け、自然遷移。
【形態の特徴】全草無毛。花は総状に多数つけ、花冠は
濃紫色で唇形。種子はレンズ状で光沢がある。葉は披
【特記事項】旧版植物誌には比企、入間郡市に記録があ
る。
針形で無柄、長さ4~7cm、鋸歯がある。茎は高さ50
〔キキョウ科〕
〔和名〕キキョウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Platycodon grandiflorum (Jacq.) A. DC.
面白色を帯び無毛あるいは微細突起がある。茎は高さ
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、対馬、
50~100cm。
琉球。国外では東アジア。中間温帯から冷温帯にかけ
【生活形】多年草で地中植物。
ての、山野のやや乾いた草地に生育する。
【形態の特徴】根は太くて黄白色。花は径4~5cm茎頂
に数個つく。柱頭は5裂し、子房は5室ある。葉は下
類
【生活形】多年草で地中植物。
衣
中間温帯から冷温帯にかけての山地の林下に生育す
地
もやや小形でさく果は三室ある。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
― 157 ―
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ヤマノコギリソウ
全国カテゴリー
〔学名〕Achillea alpina L. var. discoidea (Regel) Kitam.
花は5個ある。
【摘要】本州(北部・中部)に分布。国外では北アジア
維管束植物
【生活形】多年草で半地中植物。
に分布する。冷温帯の草原に生育する。
【形態の特徴】葉は深裂し、頭花はノコギリソウよりも
小さく、径4mmで総苞は鐘形。舌状花の長さは小さく
【減少の要因】動物食害、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
3mm以下と短い。頭花の数は少なく15個以下で、舌状
蘚
〔キク科〕
苔
〔和名〕ヌマダイコン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Adenostemma lavenia (L.) Kuntze
類
4mmで小突起か腺点がある。小花は上部に毛、下部に
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆七島、四国、九州、琉球。
腺毛がある。冠毛は4本、長さ1mmほどで腺点がある。
国外では東アジア、東南アジア。暖温帯以南の湿り気
【生活形】多年草で地中植物。
のある林縁や溝などに生育する。
藻
【形態の特徴】葉の両面に短毛を散生する。総苞は長さ
【減少の要因】自然遷移。
4mm、苞片は2列で花後に反り返る。そう果は長さ約
類
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕カワラハハコ
〔学名〕Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook. fil. subsp. yedoensis (Franch. et Sav.) Kitam.
地
に沿って流れない。筒状花の雌性花と両性花は別々の
【摘要】北海道、本州、四国、九州。中間温帯の河原に
衣
株にできる。多年草で大きくなった株は球形になる。
生育する。
類
【形態の特徴】葉の上面は緑色で綿毛があり、下面には
【生活形】多年草で半地中植物。
綿毛を密生する。葉の幅は細く1.5mm内外で1脈があ
【減少の要因】河川開発、踏み付け、自然遷移。
る。葉縁は裏に巻く。茎は多く分枝し、葉の基部は茎
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
菌
〔キク科〕
〔和名〕トダイハハコ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Anaphalis sinica Hance var. pernivea T. Shimizu
類
【摘要】関東~中部の石灰岩地に分布する。
れ、茎の中部の葉は倒披針形で鈍頭、長さ4~6cm、基
【形態の特徴】母種ヤハズハハコの変種で、葉の表に綿
部はしだいに狭くなり、無柄で茎に沿って狭く翼状に
流れる。
毛の著しいタイプである。綿毛が少なく腺毛の多いク
リヤマハハコvar. viscosissima (Honda) Kitam.も本
【生活形】多年草で半地中植物。
県の石灰岩地に生育するので、確実に見分ける必要が
【減少の要因】動物食害。
ある。茎は高さ20~35cmとなる。根出葉は開花時に枯
〔キク科〕
〔和名〕クリヤマハハコ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Anaphalis sinica Hance var. viscosissima (Honda) Kitam.
ぼ同じである。
【摘要】本州(関東)
。中間温帯の山地草原に生育する。
【形態の特徴】ヤハズハハコの一型と考えられ、母種と
異なり真に綿毛が少なく、茎と共に腺毛を密生するた
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】石灰採掘、動物食害。
め粘着性があり全体黄褐色に見える。花部は母種とは
― 158 ―
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕カワラニンジン
全国カテゴリー
〔学名〕Artemisia apiacea Hance.
は同長で外片は少し短く、縁は膜質である。
【摘要】本州、四国、九州。国外では北アジア。中間温
【生活形】2年草。
原などに生育する。
【減少の要因】河川開発、池沼開発。
【形態の特徴】根生葉や下方の茎葉は開花時には枯れる
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
が中葉と共に2回羽状に深裂する。総苞の中片と内片
〔学名〕Artemisia capillaris Thunb.
【生活形】多年草で半地中植物。
ア、南アジア。暖温帯の草原に生育する。
【形態の特徴】茎の下方は木質化する。根生葉は2回羽
【減少の要因】ごみ投棄による富栄養化、自然遷移、踏
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Aster fastigiatus Fisch.
【生活形】多年草で地中植物。
帯の湿原や川岸などの湿った場所に生育する。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
筒状、長さ4mm、苞片は4列で細毛を密生する。そう
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Aster rugulosus Maxim.
【生活形】多年草で水湿植物。
たりのよい湿地に生育する。
【形態の特徴】細くて長く這う地下茎がある。細い茎は
無毛。葉の上面の脈は凹み皺がある。県下のシオン属
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間郡市に記録があ
る。
のなかでは、頭花の柄が他の種よりきわめて長い。総
苞の苞片は3列で内片は長さ4.5~5mmで、
外苞片は短
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ハコネギク(ミヤマコンギク)
全国カテゴリー
〔学名〕Aster viscidulus (Makino) Makino
る。総苞は粘り、長さ5mmで苞片は4列ある。そう果
【摘要】本州(関東南部から中部)に分布。冷温帯の岩
は扁平で有毛。
れき地に生育する。
【形態の特徴】茎は軟毛を密生。花時には根生葉は枯れ
【生活形】多年草で半地中植物。
るが、中葉より小さい。葉は無柄で両面に隆起する葉
【減少の要因】動物食害、踏みつけ。
脈があり、短剛毛を密生し、下面にはときに腺点があ
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
― 159 ―
類
く縁に微毛がある。そう果は毛が多い。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。中間温帯の、日当
〔キク科〕
菌
〔キク科〕
類
葉縁に短毛、葉裏に微細な短毛と腺点がある。総苞は
【減少の要因】管理放棄。
衣
【形態の特徴】茎の上部は分技し細毛が密生する。葉は
地
果は長さ1.2mmで微毛と腺点がある。
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。中間温
〔和名〕サワシロギク
類
〔キク科〕
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
藻
み付け。
状に全裂し絹毛を密生するが花期には枯れる。無花枝
の先端にはは葉があつまりロゼット状になる。総苞片
類
は3~4列あり外片はひじょうに小さい。
【摘要】本州、四国、九州。国外では北アジア、東アジ
〔和名〕ヒメシオン
全国カテゴリー
苔
〔和名〕カワラヨモギ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
蘚
〔キク科〕
維管束植物
帯から冷温帯の草原、および川岸や肥沃な粘土質の河
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕オクヤマコウモリ
〔学名〕Cacalia hastata L. subsp. farfaraefolia (Maxim.) Kitam. var. alata Kitam.
維管束植物
【摘要】本州(中部地方の太平洋側)
。中間温帯の草原お
蘚
〔キク科〕
総苞片は5個ある。
【生活形】多年草で地中植物。
よび森林に生育する。
【形態の特徴】葉は三角状ほこ形で茎の中部の葉は翼が
【減少の要因】草地開発、自然遷移。
あり耳状に茎を抱く。葉腋にはむかごをつくらない。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
苔
〔和名〕テバコモミジガサ
全国カテゴリー
〔学名〕Cacalia tebakoensis (Makino) Makino
総苞は筒形で長さ6mmほどあり、苞片は5個、冠毛は
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州に分布。中間温
類
長さは5mmある。
帯の草原および森林に生育する。
【形態の特徴】地下に匍匐枝がある。葉の形はモミジガ
【生活形】多年草で半地中植物。
藻
サに似るが、より薄く、両面には疎らに細毛があり、
【減少の要因】動物食害、森林伐採。
裏面は隆起する網状脈があり、乾くと細脈が網状に浮
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
き出る。
花柄に3~5個のごく小さな卵形の苞がある。
類
〔キク科〕
〔和名〕モリアザミ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Cirsium dipsacolepis (Maxim.) Matsum.
地
硬くてすじが多い。花冠は長さ17~18mm。根は太く垂
【摘要】本州、四国、九州に分布する。乾いた草原に生
衣
直に伸び、径2cmに達する。
育する。
類
【形態の特徴】茎は高さ50~100cm。下部の葉は長柄があ
【生活形】多年草で半地中植物。
り長さ15~20cm、
葉身は長楕円形または卵形で洋紙質、
【減少の要因】自然遷移、動物食害。
羽状に切れ込む。花は9~10月。頭花は幅3~4cm、枝
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・入間郡市に記
菌
録がある。しかしその後発見されていない。
の先に直立して咲く。総苞は幅3~4cm、片は開出し、
〔キク科〕
類
〔和名〕フジアザミ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Cirsium purpuratum (Maxim.) Matsum.
【摘要】関東地方、中部地方に分布し、富士山の周辺に
頃、下向きに開き、扁球形で径6.5~8.5cm、総苞片は
多い。山中のがれ地や川原に生育し、本県では三国峠
無毛で紫色、縁に小刺があって反り返る。花冠は長さ
周辺のがれ地で希に見られる。
17~22mm。ときに白花のものもある。根は太くて深く
地中に入る。
【形態の特徴】剛直壮大な多年草で、高さ50~100cm。葉
は基部に集まって、根出葉は花時にもあり、白いくも
【生活形】多年草で地中植物。
毛をかぶって長さ50~70cmに達する。頭花は8~10月
【減少の要因】自然遷移。
〔キク科〕
〔和名〕キセルアザミ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Cirsium sieboldii Miq.
あり、基部は狭まらない。
【摘要】本州、四国、九州。中間温帯の草原および湿地
【生活形】多年草で水湿植物。
に生育する。
【形態の特徴】根生葉は花時にもあり、ロゼット状。葉
【減少の要因】不明。
の基部は茎に流れない。花時には花は点頭し、咲き終
【特記事項】旧版植物誌には比企、北足立、北埼玉、南
ると上向く。総苞は粘りつかず、苞片は7列で圧着し
埼玉郡市に記録がある。しかしその後発見されていな
反りかえらず、外片はごく短い。そう果は4~5.5mm
い。
― 160 ―
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕オオイワインチン
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Dendranthema pallasianum (Fischer ex Bess.) Vorosh.
状中~深裂する。葉の裏面には毛があって銀白色。花
【摘要】中部地方の日本海側に分布。国外では朝鮮半島
そう果は円柱形で長さ1.5mm。
樺太に分布する。高山に生育する。
【形態の特徴】地下茎は這い、多くの茎をそう生する。
高さ20~60cm。茎の中部の葉は長さ5~6cmで基部はく
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】自然遷移、動物食害。
維管束植物
は9~10月。頭花は黄色で、径5~6mm、密散房状につく。
北部・中国(東北・山西省・湖北省)・シベリア東部・
さび形、中部より上の葉は1~2回3中~深裂、または羽
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Dendranthema rupestre (Matsum. et Koidz.) Kitam.
類
より短い。
【摘要】本州(中部以北)
。高山帯から亜高山帯の岩場に
苔
〔和名〕イワインチン
全国カテゴリー
蘚
〔キク科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
生育する。
裏には、銀白色の毛が密生する。頭花は径3~4mmで
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
藻
【形態の特徴】茎には白色の密毛があり、細く硬い。葉
総苞はほぼ球形で長さ2.5mm、
苞片は3列で外片は内片
類
〔キク科〕
〔和名〕アズマギク
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Erigeron thunbergii A. Gray
【生活形】多年草で半地中植物。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
る。しかしその後発見されていない。
脱落する。総苞は半球形で苞片は3列あり、同長で背
類
【形態の特徴】茎には開出毛があり、葉の毛と共に花後
衣
【減少の要因】不明。
地に生育する。
地
【摘要】本州(近畿以北)
。中間温帯の草原および岩・礫
部に密に長軟毛がある。冠毛は帯赤色である。
菌
〔キク科〕
〔和名〕アキノハハコグサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
〔学名〕Gnaphalium hypoleucum DC.
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、東南ア
生し白色である。総苞は長さ4mm、幅6~7mm、苞片
ジア。亜熱帯から暖温帯にかけての日当たりのよい山
は5列で黄色、外片は背面に白毛がある。そう果には
地や、段丘崖下部の草地および裸地などのやや乾いた
細点がある。
【生活形】1年草。
痩せ地に生育する。
【形態の特徴】茎は上部で分技する。茎葉の上面には綿
毛は無く縮毛が疎らにあり緑色で、下面には綿毛が密
〔キク科〕
〔和名〕ミヤマコウゾリナ
【減少の要因】土地造成、農薬汚染。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Hieracium japonicum Franch. et Sav.
【摘要】本州(中部以北)、四国。高山の草原に生育する。
【生活形】多年草で半地中植物。
【形態の特徴】茎は褐色の開出する長粗毛と線形かT字
【減少の要因】草地開発、自然遷移。
形のねた毛がある。根生葉は花時にもある。花柄には
【特記事項】旧版植物誌には比企、入間、北埼玉郡市に
腺毛と黒長毛がある。総苞は黒色で苞片は2列、外片
は黒い腺毛と白短毛があり、内片は白い腺毛がある。
― 161 ―
記録がある。
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ヤナギタンポポ
全国カテゴリー
〔学名〕Hieracium umbellatum L.
維管束植物
【摘要】北海道、本州(近畿を除く)
、四国。国外では北
毛があり、総苞はほぼ無毛で長さ9~11mm、苞片は3
アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。中間温帯から冷温
~4列あり外側のものほど短い。そう果は赤褐色で冠
毛は淡褐色。
帯にかけての、山地のやや湿った草原に生育する。
【形態の特徴】茎の上部は単毛と星状毛を密生する。茎
葉は縁、下面に短剛毛がありざらつく。花柄には白短
蘚
〔キク科〕
苔
〔和名〕ミズギク
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】草地開発、自然遷移、動物食害。
埼玉カテゴリー 情報不足
〔学名〕Inula ciliaris (Miq.) Maxim.
類
には密毛がある。そう果は疎らに毛がある。
【摘要】本州(近畿以東)、九州(宮崎県)
。中間温帯の
【生活形】多年草で水湿植物。
草原および湿地に生育する。
【形態の特徴】根生葉は花時にもロゼット状で有る。葉
藻
裏には腺点は無く、舌状花には腺点がある。総苞は半
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には比企・入間・北埼玉郡市に
記録がある。しかしその後発見されていない。
球形、苞片ははぼ同長で疎らに腺点があり5列、外片
類
〔キク科〕
〔和名〕オグルマ
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Inula britannica L. subsp. japonica (Thunb.) Kitam.
地
毛、よく似たカセンソウはそう果が無毛なので区別さ
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬に分布。国外
れる。
では北アジアに分布する。
中間温帯の草原に生育する。
衣
【形態の特徴】茎には軟毛があり、葉裏の葉脈は凸出し
【生活形】多年草で半地中植物。
類
ない。花時には根生葉は枯れてなくなる。総苞は幅15
【減少の要因】湿地開発、土地造成。
~17mm、長さ7~8mm、苞片は5列で開花時には反り
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
返る。内片には細縁毛がある。そう果は長さ1mmで有
菌
〔キク科〕
〔和名〕ホソバオグルマ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
〔学名〕Inula britannica L. subsp. linariaefolia (Turcz.) Kitam.
3mmと短い。
【摘要】本州(関東)、九州。国外では、東北アジア。中
間温帯から冷温帯の草原および岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】葉は線形または線状披針形で幅6~10mm
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】土地造成、道路工事、埋め立て、園芸採
取。
と細い。葉裏や苞片、舌状花下面に腺点がある。頭花
はオグルマに似るが径18~25mmと小さい。総苞は長さ
【特記事項】旧版植物誌には比企・北葛飾郡市に記録が
ある。
4~6mm、苞片は4列。冠毛はオグルマの5mmに対し
〔キク科〕
〔和名〕カセンソウ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Inula salicina L. var. asiatica Kitam..
細縁毛が多い。そう果は無毛で長さ1.5mm。
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では北
アジアに分布する。中間温帯~冷温帯の草原に生育す
【生活形】多年草で半地中植物。
る。
【減少の要因】土地造成。
【形態の特徴】花時に根生葉はない。葉の下面の葉脈は
【特記事項】旧版植物誌には、北埼玉、北葛飾を除く県
網状に隆起し、目立つ。下部の茎葉も花時に枯れてい
る。総苞は長さ1cm、苞片は4列でほぼ同長、外片は
― 162 ―
内各地に記録がある。
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕タカサゴソウ
〔学名〕Ixeris chinensis (Thunb.) Nakai subsp. strigosa (Lev. et Van't.) Kitam.
鮮半島)
。
中間温帯の日当たりのよい乾いた草原に生育
【生活形】多年草で半地中植物。
する。
【減少の要因】草地開発、自然遷移。
【形態の特徴】葉はほとんど根元にあつまる。総苞は長
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉、比企、北足立
維管束植物
う果の嘴は果体と同長かやや長い。冠毛は純白色。
【摘要】本州、四国、九州、対馬。国外では東アジア(朝
郡市に記録がある。
さ9~11mm、外片は1~1.5mmで非常に小さく、内片は
やく8個ある。花は白色で淡紫色の縁取りがある。そ
蘚
〔学名〕Ixeris dentata (Thunb.) Nakai subsp. alpicola (Takeda) Kitam.
粉白色を帯びる。小花は6~10個。そう果は長さ5~
【摘要】北海道、本州(近畿以北)、四国(石鎚山)
、九
【生活形】多年草で半地中植物。
場や礫地にはえる。
【形態の特徴】根生葉は倒披針形で細い柄がある。茎葉
〔キク科〕
【減少の要因】産地極限、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
地
〔学名〕Ixeris tamagawaensis (Makino) Kitam.
【形態の特徴】葉は粉白緑色で蔟生し斜立する。総苞は
【減少の要因】河川開発、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉、大里、比企、
内外、内片は約10個あり外片よりずっと長い。そう果
入間、北足立、北埼玉、北葛飾郡市に記録がある。
〔キク科〕
全国カテゴリー
類
〔和名〕ウスユキソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Leontopodium japonicum Miq.
る。
【摘要】北海道(南西部)
、本州。冷温帯の山地の乾いた
【生活形】多年草で半地中植物。
岩・礫地に生育する。
【形態の特徴】中葉は披針形か狭長楕円形、上面は緑色
【減少の要因】踏み付け、石灰採掘、園芸採取、自然遷
移、動物食害。
で綿毛が少しあり、下面には灰白色の短綿毛を密生す
る。苞葉は疎らにつき上葉より小形。根生葉は花時に
【特記事項】旧版植物誌には秩父、比企郡市に記録があ
る。
はない。総苞の長さは4~5mm幅5mmで苞片は3列で
鈍頭か鋭尖頭。そう果は長さ1mm、乳頭状の突起があ
〔キク科〕
〔和名〕マルバダケブキ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Ligularia dentata (A. Gray) H. Hara
さは12mmあり赤褐色。そう果は長さ9mmある。
【摘要】本州(中部以北、滋賀、岡山)四国。国外では
東アジア。
主にブナ帯より上の草原や林下に生育する。
【形態の特徴】茎は無毛。花序には苞はなく、花柄に縮
細毛を密生する。総苞は大形で長さ16~20mm、幅16~
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、踏み付け、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
18mmあり縮細毛を密生する。苞片は9~13、冠毛の長
― 163 ―
菌
長さ9~10mm、径3~5mmあり、外片は不同長で3mm
類
【生活形】多年草で地中植物。
帯の河原の砂礫地や砂地に生育する。
衣
は長さ約6mm、冠毛は純白色で長さ5~6mm。
【摘要】本州(東海~東北南部)
。国外では台湾。中間温
類
は基部がくさび形で茎を抱かず、上面は緑色で下面は
藻
5.5mmあり冠毛は汚褐色。
州(屋久島)
。亜高山帯から高山帯の日当たりのよい岩
〔和名〕カワラニガナ
全国カテゴリー
類
〔和名〕タカネニガナ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
〔キク科〕
〔キク科〕
〔和名〕オタカラコウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Ligularia fischerii (Ledeb.) Turcz.
は8~9個ある。冠毛は長さ6~10mm。
【摘要】本州(岩手県以南)
、四国、九州。国外では北ア
維管束植物
ジア、東アジア。山地の谷川のはとりや、明るい湿っ
【生活形】多年草で水湿植物。
た亜高山帯の草地などに群生することが多い。
【減少の要因】園芸採取。
【形態の特徴】茎の上部に縮短毛があり、下部には蜘蛛
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・入間郡市に記
録がある。
毛を疎らにつける。花序には苞があり舌状花は5~9
個。総苞は筒状鐘形で長さ10~12mm、幅8~14mm苞片
蘚
〔キク科〕
苔
〔和名〕カイタカラコウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Ligularia kaialpina Kitam.
類
5~7mm、長さ11mmあり、苞片は7~8個ある。そう
【摘要】本州(東北地方南部から中部、関東)
。高山の湿
果は円柱形で無毛、冠毛の長さは6mm。
地や谷川のほとりなどにはえる。
藻
【形態の特徴】茎はやや無毛。花序には苞がある。花柄
は細長く1~7cmで下の花ほど長い。総苞は筒形で径
類
〔キク科〕
〔和名〕メタカラコウ
全国カテゴリー
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Ligularia stenocephala (Maxim.) Matsum.
地
~12mmで苞片は5個ある。
【摘要】本州(近畿以北秋田・宮城まで)
、四国、九州。
衣
国外では東アジア。冷温帯のやや高い山地の湿地に生
【生活形】多年草で半地中植物。
育する。
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、動物食害、自然遷
類
移。
【形態の特徴】茎は無毛。花序は縮毛を密生し、広披針
形で小形の苞がある。舌状花は1~3個だが0個のこ
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉郡市に記録があ
る。
ともある。総苞は狭筒形で径が2.5~3mm、長さは10
菌
〔キク科〕
〔和名〕オオモミジガサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
類
〔学名〕Miricacalia makineana (Yatabe) Kitam.
10mm。
【摘要】本州、四国、九州に分布。中間温帯の草原およ
【生活形】多年草で地中植物。
び岩れき地に生育する。
【形態の特徴】茎には縮細毛が密生する。葉の両面には
縮毛がある。苞は長さ1~1.5cm、総苞は筒状で長さ
【減少の要因】動物食害、森林伐採。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉郡市に記録があ
る。
15mm、幅は12~14mmあり、縮細毛を密生する。そう果
は長さ7~8mm、くちばしの長さは2mm、冠毛は長さ
〔キク科〕
〔和名〕ミヤマヨメナ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Miyamayomena savatieri (Makino) Kitam.
球形で長さ6mm、苞片は2列で同長、縁に微毛がある。
【摘要】本州、伊豆諸島、四国、九州。中間温帯の山地
花期は5~6月と早く、冠毛は全くない。
の林内、草原、および路傍に生育する。
【形態の特徴】根生葉は花時に枯れないである。葉の基
【生活形】多年草で半地中植物。
部は葉柄に翼状に流れ、大きな鋸歯がある。総苞は半
【減少の要因】園芸採取、植林。
― 164 ―
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔和名〕アカイシコウゾリナ
〔学名〕Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thunb.) Krylov var. akaishiensis Kitam.
【生活形】2年草。
では、秩父山地の河原や崩壊地に生える。
【形態の特徴】葉は線状披針形で細く、総苞には剛毛は
【減少の要因】河川開発、ダム建設、自然遷移、動物食
害。
少なく、生時は縁色で乾くと黒っぽくなる。総苞の長
〔学名〕Prenanthes tanakae (Franch. et Sav.) Koidz.
さ12~14mm、外片は長さ3.5~7mm、内片は外片の長さ
【摘要】本州(近畿以北)
。中間温帯の山地の湿地に生育
〔キク科〕
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】埋め立て、自然遷移、森林伐採。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
類
〔和名〕コウシュウヒゴタイ
〔学名〕Saussurea amabilis Kitam.
外片と中片の基部の幅は約3mmで蜘蛛毛があり、背面
【摘要】本州(関東、中部)。中間温帯の草原に生育する。
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、森林伐採、動物食
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
害。
総苞は長さ17~18mmで先端は反り返る。苞片は7列、
全国カテゴリー
菌
〔学名〕Saussurea maximowiczii Herder
蛛毛がある。苞片は8列ある。
【摘要】本州、四国、九州に分布。国外では北アジアに
【形態の特徴】茎に翼はなく、短毛と腺点がある。根生
葉と下葉は花時に枯れない。葉の両面に短毛があり、
【減少の要因】土地造成、道路工事。
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
下面には疎らに腺点がある。総苞は長さ10~14mmで蜘
〔キク科〕
〔和名〕アサマヒゴタイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Saussurea nipponica Miq. subsp. savatieri Kitam.
【摘要】関東地方、長野県のブナ帯下部の山地の林下に
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】動物食害、踏みつけ。
生える。
【形態の特徴】茎は細く総苞の外苞片は細長く、先は鋭
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
尖頭。
〔キク科〕
〔和名〕タカオヒゴタイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Saussurea sinuatoides Nakai
総苞は長さ17~18mmで蜘蛛毛を密生する。苞片は7列
【摘要】奥多摩から多摩丘陵、奥武蔵から秩父、甲府盆
ある。外苞片は披針形で内苞片の半分の長さがある。
地を囲む山地。
【形態の特徴】茎に翼はなく、長毛のみがある。葉の下
面は白くない。頭花の基部に複数の線形の苞がつき、
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】土地造成、道路工事。
― 165 ―
類
【生活形】多年草で半地中植物。
分布する。中間温帯の草原に生育する。
衣
にある。葉の下面は粉白色。花柄に短毛と腺毛がある。
【生活形】多年草で半地中植物。
地
に腺毛と短軟毛がある。
県内では秩父山地の湿り気の多い岩場にはえる。
【形態の特徴】茎には翼がない。根生葉は花時に枯れず
藻
葉は翼のある長い柄がある。総苞は太く殆ど無毛で長
類
の約2倍ある。そう果と冠毛はともに長さ7~9mm。
する。
【形態の特徴】匍匐枝を出し、花時には根生葉は枯れる。
〔和名〕ミヤコアザミ
全国カテゴリー
苔
〔和名〕オオニガナ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
蘚
〔キク科〕
維管束植物
さは8~9mmある。そう果は帯赤色。
【摘要】本州(中部)。中間温帯の草原に生育する。県下
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
維管束植物
〔和名〕タカネヒゴタイ(キンプヒゴタイ)
〔学名〕Saussurea triptera Maxim. var. minor (Takeda) Kitam.
個つけ柄は短い。総苞外片は内片の約1/2の長さが
【摘要】本州(八ヶ岳、富士、南アルプス)
。高山帯の裸
あり、先端は針菅状である。
地。秩父の種は別型である。
【形態の特徴】高さは5~10cmと低く、茎には翼があり、
蘚
葉は不規則な欠刻がある。頭花は径7~12mmで2~7
苔
〔キク科〕
類
〔和名〕キクアザミ
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】自然遷移、動物食害。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Saussurea ussuriensis Maxim..
端は急に短くとがる。内片は線形で鈍頭。
【摘要】本州(福島県以南)
、九州。国外では東アジア。
藻
【生活形】多年草で半地中植物。
中間温帯の日当たりのよい山地の草原に生育する。
【形態の特徴】葉は厚く羽状浅裂から中裂で裂片は3~
7対。総苞は筒形で長さ12~13mm、幅4~7mm、蜘蛛
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉、比企、入間郡
類
市に記録がある。
毛がある。苞片は5~7列で、外苞片は2mmと短く先
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
地
〔和名〕コウリンカ
衣
【摘要】本州。国外では北アジア。冷温帯の山地の適湿
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕〕Senecio flammeus Turcz. ex DC. subsp. glabrifolius (Cufod.) Kitam.
苞は長さ5~8mm、そう果は毛を密生する。
類
【生活形】多年草で半地中植物。
草原に生育する。
【形態の特徴】はじめは全草に蜘蛛毛があるが後に無毛
となるか茎上部に少し残る。長柄のある根生葉は花時
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
菌
る。
には枯れる。長い舌状花は下方に反り返って咲く。総
〔キク科〕
類
〔和名〕キバナコウリンカ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Senecio furusei Kitam.
い。総苞片は披針形で鋭頭、そう果は有毛である。
【摘要】本州(秩父山地)。山地の石灰岩地に生える。
【形態の特徴】茎や下葉に蜘蛛毛があり白い。舌状花、
筒状花ともに黄色である。舌状花冠はタカネコウリン
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、石灰採掘、踏みつけ、森林伐
採。
カより長く12~16mmで下方に反り返ることが多い。総
苞は長さ5~7mmで短毛がある。総苞の下には苞が無
〔キク科〕
全国カテゴリー
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕オカオグルマ
〔学名〕Senecio integrifolius (L.) Clairv. subsp. fauriei(Lév. et Van't) Kitam.
そう果は長さ2.5mmで毛を密生する。
【摘要】本州、四国、九州。国外では北アジア。中間温
帯の日当たりのよいやや乾いた草原や土手に生育す
【生活形】多年草で半地中植物。
る。
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
【形態の特徴】茎の上部には蜘蛛毛を密生する。根生葉
【特記事項】旧版植物誌には秩父、児玉、大里、入間、
は花時には枯れずにある。上葉は茎を抱き、下葉は半
抱。総苞は長さ8mmで苞片は披針形で鋭尖頭である。
― 166 ―
北足立郡市に記録がある。
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕キオン(ヒゴオミナエシ)
全国カテゴリー
〔学名〕Senecio nemorensis L.
は長さ3.5~4mmで無毛。冠毛の長さは6~6.5mm。
【摘要】北海道、本州(東北~近畿)
、四国、九州に分布。
【生活形】多年草で地中植物。
に分布する。中間温帯~冷温帯の草原に生育する。
【減少の要因】動物食害、踏みつけ。
【形態の特徴】根茎は短い。総苞は長さ・幅ともに6~
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里郡市に記録があ
る。
7mm、基部には線形の短い副苞片が多くつく。そう果
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕サワオグルマ
全国カテゴリー
苔
〔学名〕Senecio pierotii Miq.
【生活形】多年草で水湿植物。
山地の湿地に生育する。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、大里、児玉、比企、
藻
茎葉の基部は茎を抱く。根生葉は花時に枯れずにあり、
類
る。総苞には副苞片は無い。そう果は長さ4mmで無毛。
【摘要】本州、四国、九州、沖縄。中間温帯の丘陵地や
【形態の特徴】茎は中空、葉とともに白い蜘蛛毛がある。
蘚
〔キク科〕
維管束植物
国外では東アジア、北アジア、西アジア、ヨーロッパ
入間、北足立郡市に記録がある。
両面にはじめは蜘蛛毛を密生するが、
後に無毛となる。
総苞は長さ7~8.5mm、幅は15~20mm、苞片は先端が尖
類
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Senecio takedanus Kitam.
地
〔和名〕タカネコウリンカ
全国カテゴリー 準絶滅危惧
で長さ5~11cm、基部は茎を抱き、縁に不ぞろいな微凸
【摘要】本州(中部地方)に分布する。高山帯の草地に生
歯と両面にくも毛がある。花は8月。頭花は4~5個がや
衣
や散形につき、径20~25mm。
類
育する。
【形態の特徴】茎は高さ18~35cm、綿毛をかぶる。根出
葉は長柄があり、葉身は長楕円形で長さ2.5~6cm、鈍
【生活形】多年草で半地中植物。
頭で基部は円く、縁はほぼ全縁。花をつけない茎の葉
【減少の要因】動物食害、道路工事。
菌
は長さ25cmに達する。茎の下部や中部の葉は長楕円形
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔和名〕ハバヤマボクチ
全国カテゴリー
〔学名〕Synurus excelsus (Makino) Kitam.
る。
【摘要】本州、四国、九州。中間温帯の日当たりのよい
【生活形】多年草で半地中植物。
丘陵地や、山地の草原および林縁に生育する。
【形態の特徴】茎には蜘蛛毛がある。根生葉は花時に枯
れてなくなる。頭花には短い柄がある。総苞は球形、
【減少の要因】森林伐採、草地開発、埋め立て。
【特記事項】旧版植物誌には秩父、入間、北足立、南埼
玉郡市に記録がある。
横に蜘蛛毛がかかる。苞片は多列、針形である。そう
果は長さ6mm、幅3mm、冠毛は長さ20mmで褐色を帯び
〔キク科〕
〔和名〕オナモミ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Xanthium strumarium L.
し、少数の腺毛が混じる。果胞は熟すと黄緑~灰褐色
【摘要】各地に分布する。古くにアジア大陸から帰化し
になる。
たものと思われるが、戦後渡来したオオオナモミに生
【生活形】1年草。
育地を奪われ、近年はほとんど見かけない。
【形態の特徴】葉の両面はざらつく。茎には短毛がある。
葉の鋸歯の先は尖る。果胞の長さはくちばしを入れて
【減少の要因】自然遷移、農薬汚染、帰化競合。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
10~18mm、幅は刺を入れて6~10mmあり、細毛を密生
― 167 ―
〔キク科〕
埼玉カテゴリー 絶滅
〔和名〕クサノオウバノギク
〔学名〕Youngia chelidoniifolia (Makino) Kitam.
さ約6mmで内片は5個。そう果は長さ3.5~4mm、上端
【摘要】本州(関東、近畿)
、四国、九州(熊本県)
。国
維管束植物
に0.5mmの嘴があり、全体に細点がある。
外では北アジア。中間温帯の草原に生育する。
【形態の特徴】茎葉は翼は無くやや耳状に茎を抱き、ほ
とんど羽状全裂。小花は5~6個。総苞は狭筒形で長
〔オモダカ科〕
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
【生活形】1年草ないし2年草。
【減少の要因】森林伐採、自然遷移。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
蘚
〔和名〕ヘラオモダカ
苔
【摘要】北海道、本州(東北~近畿)
、四国、九州、琉球
類
に分布。国外では東アジアに分布する。亜熱帯~冷温
全国カテゴリー
〔学名〕Alisma canaliculatum A. Br. et Bouch.
オモダカは葉幅がより狭く葉脈が3~5本のものをい
うが、今回の調査では未収集。
【生活形】多年草で水湿植物。
帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】葉は細長く先端が尖ったへら形、幅は2
藻
~3cm、基部は次第に狭くなり葉柄となる。葉脈は5
【減少の要因】自然遷移、湿地開発、草地開発。
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・北足立・北埼
~7本。単性花。 var. harimense Makino ホソバヘラ
類
〔オモダカ科〕
玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕サジオモダカ
全国カテゴリー
〔学名〕Alisma plantago-aquatica L. var. orientale Samuels.
地
がある。花茎は65~80cm、花柄は1~2cm。両性花。
【摘要】北海道及び中部以北の本州に分布。国外では東
衣
アジア・北アジアに分布する。冷温帯の湿地に生育す
【生活形】多年草で水湿植物。
る。
【減少の要因】湿地開発、草地開発。
類
【形態の特徴】葉は長さ5~13cm、幅3~7cm、先端が
【特記事項】旧版植物誌には比企・北足立・北埼玉・南
埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
尖ったさじ形、縦横がほぼ2:1の楕円形。縦に7脈
菌
〔オモダカ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕マルバオモダカ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Caldesia parnassiifolia (Bassi ex L.) Parlat.
類
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、南アジ
り長短がある。花茎は50~110cm、7~10月に花柄22
ア、アフリカ、オーストラリア。温帯から熱帯にかけ
~35mmで雄しべ6~9個の白い両性花をつける。果実
ての湿地や水辺に生育する。県内の浅い池にまれに生
は丸い倒卵形、長さ3mm。
【生活形】1年草。
ずる。
【形態の特徴】葉身は長さ幅とも5~10cm、先端は丸く、
【減少の要因】池沼の埋立・水質汚染。
基部が深く入り込む心形、13~17脈、葉柄は水深によ
〔オモダカ科〕
〔和名〕アギナシ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Sagittaria aginashi Makino
ができる。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
暖温帯から冷温帯にかけての水湿地や池・沼に生育す
【生活形】多年草で水湿植物。
る。本県では丘陵から低地の水田や湿地に生育する。
【減少の要因】低湿地の埋め立て、土地造成、河川改修、
農薬汚染。
【形態の特徴】走出枝はない。葉は葉身の基部が二つに
裂けて矢じり形の2裂片となり、その先端は丸く点状
【特記事項】各地の水田に分布が拡大しているように見
に終わる。葉身の頂片は、側方2裂片よりも長い。夏、
受ける。旧版植物誌より分布が拡大しているのではな
花茎がでて、花茎の節に花が3輪生する。単性花。雌
いかと考える。(旧版では北葛飾・入間・北埼玉・秩父
花は有柄で、花序の下部に数個つく。花床は球状にふ
には記録がない)しかし、保護はした方がよいであろ
くらむ。雄花も有柄、おしべ多数。株の根もとに球芽
う。
― 168 ―
〔トチカガミ科〕
〔和名〕スブタ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Blyxa echinosperma (Clarke) Hook. fil.
い鋸歯がある。8~10月に開花し、両性花をつける。萼
東南アジア・オーストラリアに分布する。水田や溝に
裂片は3個。花弁は3個で細く、長さ約13mmで白色。雄
蕊は3個、花柱も3個ある。子房は花後に伸び長さ約
やや一般的な種。
10cm。
【形態の特徴】葉は根生して株をつくり、株もとからは
多数のひげ根を出す。葉は線形で紫褐色を帯び長さ10
【生活形】1年草。
~30cm、幅5~8mmで先はしだいに細くなり、縁に細か
【減少の要因】湿地開発、草地開発。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
〔和名〕ヤナギスブタ
全国カテゴリー
〔学名〕Blyxa japonica (Miq.) Maxim.
【生活形】1年草。
の池沼、水田、水路の水中に生育する。
【減少の要因】低湿地の埋め立て、水田の減少。
【形態の特徴】水中で茎を伸ばして、長さ約5cm、幅2
【特記事項】
藻
南アジア、東南アジア。亜熱帯から中間温帯にかけて
類
月に花弁3個、萼3個の白い花が水面上に出て咲く。
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東アジア、
蘚
〔トチカガミ科〕
維管束植物
【摘要】本州~琉球の各地に分布。国外では東アジア・
~3mmのヤナギのような形の葉を多数つける。7~10
類
〔トチカガミ科〕
〔和名〕クロモ
埼玉カテゴリー 滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Hydrilla verticillata (L. fil.) Caspary
では東アジア、南アジア、東南アジア、ヨーロッパ、
面で開花し、水に流される。雌花は葉腋から1つずつ
【生活形】多年草で水湿植物。
熱帯~冷温帯の水中に生育する。
【形態の特徴】雌雄異株。葉は暗緑色、通常6枚輪生。
類
柄を伸ばし、水上で咲く。
アフリカ、オーストラリアの広い範囲に分布する。亜
衣
長さは10~15mm、幅1~2mm。雄花は柄から離れ、水
地
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球に分布。国外
【減少の要因】河川開発、池沼開発、湿地開発。
菌
〔トチカガミ科〕
〔和名〕トチカガミ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
類
〔学名〕Hydrocharis dubia (Bl.) Backer
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東南アジア、
頭は6裂する。水面の葉は円形で裏面に厚みのある通
北オーストラリア。温帯から亜熱帯にかけての浅い池
気組織がふくらんでいて、葉が密集すると水面上に立
沼や溝に生育する。
ち通気組織はなくなる。
【形態の特徴】8~10月に花弁3個の単性花を水面に咲
かせる。雄花は柄の先に5個位つき、1日に1個ずつ
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】低湿地埋め立て、水質汚濁、農薬散布、
園芸採取。
開いてしぼむ。雌花は仮雄しべ6個、雌しべ1個で柱
〔トチカガミ科〕
〔和名〕オオミズオオバコ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Ottelia alismoides (L.) Pers.
で3枚。花弁は倒卵形で3枚。おしべ6個。
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東南アジア、
北アフリカ、オーストラリア。温帯から熱帯の池沼、
【生活形】1年草。
水田、水路に生育する。
【減少の要因】水質汚濁、低湿地埋め立て、水田減少。
【形態の特徴】植物全体が沈水性。走出枝はない。ミズ
【特記事項】ミズオオバコと同一種とする説もある。杉
オオバコよりも大型。長い葉柄がある。葉身は長さ3
本順一に拠り完全な雄しべ6個ならばオオミズオオバ
5cmほど、葉脈7~9、葉縁は波状に縮れふぞろいの
コ、3個ならミズオオバコとする。
歯牙がある。初秋に開花。両性花。がく片は長だ円形
― 169 ―
〔トチカガミ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ミズオオバコ
全国カテゴリー
〔学名〕Ottelia japonica Miq.
切形・心形など変異が大きい。葉脈は5~6本。夏か
【摘要】本州(関東・中部)
、九州に分布。暖温帯の湿地
維管束植物
【形態の特徴】草全体が水中で生育する。沈水性。植物
蘚
〔トチカガミ科〕
ら秋に水中に長い柄を伸ばし、先端に3弁の淡紅紫色
および農耕地に生育する。
の花がつく。雄しべ3本、葯は花糸より短い。
体は水の深さで大きさが変化する。葉柄は長く、葉は
【生活形】1年草で水湿植物。
薄く柔らかで、縁は波打つが全縁、基部はくさび形・
【減少の要因】河川開発、水質汚濁、農薬汚染。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
苔
〔和名〕セキショウモ
全国カテゴリー
〔学名〕Vallisneria natans (Lour.) Hara
類
端にだけ少しある。雄花は開花の時、柄から離れて水
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
アジア、東南アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の水
面を流れる。雌花はら旋状の糸のような柄の先につき、
中に生育する。
開花の時は水面に浮き、雄花を待って受粉する。
藻
【形態の特徴】雌雄異株。砂泥中に白い走出枝を伸ばし、
葉は長さ30~70cm、幅5~7mm、縁に鋸歯はなく、先
類
〔トチカガミ科〕
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】河川開発、水質汚濁。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕コウガイモ
〔学名〕Vallisneria denseserrulata (Makino) Makino
地
には刺状の鋸歯がある。雌雄異株。受粉の方法はセキ
【摘要】本州(関東・近畿)に分布。国外では東アジア
ショウモと同じ。
に分布する。暖温帯の水中に生育する。
衣
【形態の特徴】泥中の走出枝には刺が多数ある。節から
類
出る葉は長さ40~50cm、幅5~10mm、先端は尖り、縁
〔ヒルムシロ科〕
菌
〔和名〕エビモ
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】河川開発、水質汚濁。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Potamogeton crispus L.
や茎を抱く。葉脈は3本。縁は波打ち、細かい鋸歯が
【摘要】本州、九州に分布。国外ではアジアからアフリ
類
ある。
カ、北アメリカ、オーストラリアの広い範囲に分布す
【生活形】多年草で水湿植物。
る。暖温帯~冷温帯の水中に生育する。
【形態の特徴】全草水中にあり緑褐色で、葉は長さ3~
5cm、幅4~7mm。葉の先は丸く、基部は柄がなくや
〔ヒルムシロ科〕
〔和名〕イトモ
全国カテゴリー
【減少の要因】河川開発、水質汚濁、池沼開発。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Potamogeton berchtoldii L.
ている。6~8月に約2cmの花軸を出し先に少数の淡
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬、奄美大島、
黄緑色の小花をつける。
琉球。国外ではアジア全域、ヨーロッパ、アフリカ、
アメリカ。亜熱帯から冷温帯にかけての池沼や水路な
【生活形】多年草で水湿植物。
どの流水中に生育する。
【減少の要因】河川開発、水質汚濁、農薬汚染、埋め立
て。
【形態の特徴】根茎細く水中葉だけで、葉は長さ7cm内
外、幅1~2mm、先は次第に細く尖る。鋸歯はなく中
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・北埼玉・南埼
脈は不明瞭。托葉は茎を包むが筒状でなく片側が離れ
― 170 ―
玉・北葛飾郡市に記録がある。
〔ヒルムシロ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヒルムシロ
全国カテゴリー
〔学名〕Potamogeton distinctus A. Bennett
長さ5cm程で黄緑色の花をつける。
【摘要】北海道、本州(東北を除く)
、四国、琉球に分布。
【生活形】多年草で水湿植物。
に生育する。
【減少の要因】河川開発、農薬汚染。
【形態の特徴】水中葉は薄く、細長く波打つ、浮水葉は
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
長さ5~10cm、幅2~4cm。葉柄は6~10cm。花序の
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕センニンモ
全国カテゴリー
苔
〔学名〕Potamogeton maackianus A. Benn.
さ3~4mmの葉鞘があり、耳状の托葉が張り出す。
鮮、中国東北部、東シベリア。暖温帯から冷温帯にか
【生活形】多年草で水湿植物。
は低地に生ずる。
【減少の要因】水質汚濁、農薬汚染。
【形態の特徴】水中で茎は立ち、5~9月に2~4cmの
【特記事項】旧版植物誌には秩父・北足立・南埼玉・北
葛飾郡市に記録がある。
花序の柄に7~8mmの花序があってまばらに花をつけ
類
る。葉は長さ2~6cm、幅2~3mmの線形でまばらに
〔ヒルムシロ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
地
〔和名〕ササバモ(サジバモ)
〔学名〕Potamogeton malaianus Miq.
ら冷温帯の流水中に群生する。県内では池沼や川の水
【生活形】多年草で水湿植物。
中に生ずる。
【減少の要因】河川改修流路浚渫水質汚濁。
に記録がある。
長さ10~20cm、幅1~2cm、先端は鋭頭~芒端(芒長
〔和名〕ヤナギモ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Potamogeton oxyphyllus Miq
全体やや緑褐色で5~8月に花が咲く。
花序の柄は3.5
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア、
~5cmで頂に短い穂状花序をつけ黄緑色の小花が咲く。
北アジア。暖温帯から冷温帯にかけての池や水路など
【生活形】多年草で水湿植物。
の流水中に生育する。
【形態の特徴】細い根茎がある。茎はやや偏平で水中葉
【減少の要因】農薬散布、水質汚染(宅地化により下水
が潅漑用水路に流される)。
だけがある。水中葉は線形で葉柄がなく長さ5~11cm、
幅2~3.5mm、先端は鋭くとがり、縁は全縁で波状、中
【特記事項】旧版植物誌は児玉・大里・比企・北足立南
埼玉郡市に記録がある。
脈が明瞭。托葉は一側が合生する。果実は長さ3.5mm。
〔ヒルムシロ科〕
〔和名〕ヒロハノエビモ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Potamogeton perfo1iatus L.
り、その間に細い縦脈が2本ある。縁はゆるく波打つ。
【摘要】北海道~九州に分布。国外では、世界の温帯~
6~9月に開花する。
亜熱帯に広く分布する。池にはえる多年草。
【形態の特徴】地下茎は横にはい、1節おきに水中茎を出
【生活形】多年草で水湿植物。
す。葉はすべて沈水葉で葉柄はなく、葉身は広披針形
【減少の要因】河川開発、水質汚濁。
で薄くてやわらかく長さ2~6cm、幅1~2.5cmで基部は
【特記事項】旧版植物誌には比企、北埼玉郡市に記録が
心形となって茎を抱く。縦に走る主要な葉脈が3本あ
― 171 ―
ある。しかしその後発見されていない。
類
〔ヒルムシロ科〕
菌
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間を除く県内全域
類
ある。葉柄は長く茎を抱かない。
国外では東アジア、南アジア、東南アジア。亜熱帯か
衣
2~3mm)
、縁は著しく波打ち、細かく不揃いの鋸歯が
【摘要】本州(関東以西)
、四国、九州、奄美大島、琉球。
【形態の特徴】全長1mにも達する。葉は水中葉だけで、
藻
けての澄んだ池沼や、山地の湖水に生育する。県内で
類
鋸歯がある。葉の先は凸字形に円くなるのが特徴。長
【摘要】千島、北海道、本州、四国、九州。国外では朝
蘚
〔ヒルムシロ科〕
維管束植物
国外では東アジアに分布する。亜熱帯~冷温帯の水中
〔イバラモ科〕
〔和名〕ホッスモ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Najas graminea Del.
1/3~2/3mm、目で見えないほどの小鋸歯がある。果実
【摘要】本州、四国、九州、琉球に分布。国外では東ア
維管束植物
は長さ3mmで、同じ長さの花柱が残る。
ジア、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアに分布
【生活形】1年草で水湿植物。
する。亜熱帯~冷温帯の水中に生育する。
【形態の特徴】濁った緑色を呈し、水中に浮遊する長さ
【減少の要因】河川開発、水質汚濁。
30cm程の水草。葉は細く、対生し、長さ1~3cm、幅
蘚
〔イバラモ科〕
苔
〔和名〕トリゲモ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Najas minor All.
類
【摘要】本州、琉球。国外では東アジア、ヨーロッパ、
ってとげがある。夏に葉腋に単性花を1個つける。果
アフリカ。亜熱帯から暖温帯にかけての池沼に分布す
実は長さ2~3mmでわん曲することはない。種子の径
る。
1mm以下。種子の表面細胞は横長で、網目状にみえる。
藻
【形態の特徴】茎は平滑、よく分枝する。葉鞘は縁に細
かい歯牙があり、先端部は耳状につきでない。葉は対
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】池沼開発、埋め立て。
生または3輪生。葉長1~2cm、幅0.5mm、葉の縁に沿
類
〔ユリ科〕
〔和名〕ノギラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Metanarthecium luteo-viride Maxim.
地
ランに似るが、花部は粘らず、子房上位である点で区
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
衣
別できる。
アジアに分布する。
暖温帯~冷温帯の草原に生育する。
類
【形態の特徴】5~6月に、花茎の先に穂状花序を出し、
【生活形】多年草で半地中植物。
淡黄赤色ろうと状で花被片6枚の花を上向きに開く。
【減少の要因】踏みつけ、動物食害。
葉は根生し開出、披針形で先端が尖り、長さ6~20cm。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
菌
録がある。
茎の高さは20~40cm。地下茎は短く直立。ネバリノギ
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
類
〔和名〕ヒメニラ(ヒメビル;ヒメアマナ)
全国カテゴリー
〔学名〕Allium monanthum Maxim.
卵球形。花が1個なので多種と区別できる。草全体が
【摘要】北海道、本州(東北~近畿)
、四国に分布。国外
弱いニラのにおいがする。
では東アジアに分布する。冷温帯の草原に生育する。
【形態の特徴】花は3~4月、6~10cmの花茎の先に、
【生活形】多年草で地中植物。
白色鐘形の1個の小花が上向きにつく。葉は2枚、広
【減少の要因】森林伐採、自然遷移。
線状の披針形で長さ5~10cm、夏には枯れる。鱗茎は
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
〔ユリ科〕
〔和名〕ミヤマラッキョウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Allium splendens Willd.
脈に沿って微細な半円形の突起がある。鱗茎は細くシ
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では東アジア。
ュロ毛が多い。茎は高さ15~40cm、中ほどに3~4枚
亜寒帯から寒帯にかけての草原に生育する。
の葉をつける。
【形態の特徴】7~8月に紅紫色で、長さ約4mmの花を
開く。花被片は狭卵形。雄しべは花被片と同長か少し
【生活形】多年草で地中植物。
長い。葉は線形で平たく、長さ15~20cm、幅3~5mm、
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
― 172 ―
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヤマラッキョウ
全国カテゴリー
〔学名〕Allium thunbergii G. Don
に似るが花柄は短く花数は多い。葉はやや3稜と思え
島、対馬、小笠原。国外では東アジア。亜熱帯から冷
る円柱形で長さ20~30cm。鱗茎は卵形で、褐色の繊維
で包まれない。
温帯にかけての田の畔や土手から山地草原に生育す
【生活形】多年草で地中植物。
る。
【形態の特徴】9~10月に高さ30~50cm緑色の茎の先に、
花被片6枚紅紫色の花多数が球状につく。ラッキョウ
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Allium victorialis L. subsp. platyphyllum Hultén
うで、わん曲し、長さ4~6cm。
冷温帯から亜寒帯にかけての山地の落葉樹林内や林縁
【形態の特徴】7月に茎の先に散形花序をつけ、白色6
花被片の小花を多数開花。葉は楕円形で先端は尖り、
【減少の要因】園芸採取、山菜採取、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
地
〔和名〕キジカクシ
類
長さ約30cm、2枚、ときに3枚で、葉柄は茎を包む。
〔ユリ科〕
〔学名〕Asparagus schoberioides Kunth
【生活形】多年草で地中植物。
【形態の特徴】5~6月に、葉腋に緑色鐘状の花をつけ
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には児玉・比企・入間郡市に記
録がある。
形膜質で長さ1~3mm、太い茎の葉は逆行した刺にな
菌
る。花後、球形で赤色の果実がつく。小枝の葉は広卵
類
錘状にはならない。
アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の草原および海岸
衣
ある。長さ1~2cmの葉状枝が3~7個束生。根は紡
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
に生育する。
藻
【生活形】多年草で地中植物。
に生育する。
類
茎は1本で長さ30~50cm。鱗茎は褐色の網をつけたよ
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。国外では東アジア。
苔
〔和名〕ギョウジャニンニク
全国カテゴリー
蘚
〔ユリ科〕
【減少の要因】園芸採取、埋め立て。
維管束植物
【摘要】本州(福島県以南)
、四国、九州、屋久島・種子
っている。茎は50~100cm、上方で分枝し、縦にすじが
類
〔ユリ科〕
〔和名〕ステゴビル
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Caloscordum inutile (Makino) Okuyama
は球形で径1~1.5cm。
【摘要】本州(関東~近畿)。暖温帯から中間温帯にかけ
【生活形】多年草で地中植物。
ての日当たりのよい道端や土手に生育する。
【形態の特徴】9月末、20cm程の花茎の先が5~6本の
花柄に分枝し、淡紅色~白色の6花被片の花を上向き
【減少の要因】草地開発。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・入間郡市に記録があ
る。
に開く。葉は根生し、線形で上面は丸く下面は平らで、
秋に出て夏に枯れる。茎は無毛で長さ15~20cm。鱗茎
〔ユリ科〕
〔和名〕アズマシライトソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Chionographis japonica Maxim. var. hisauchiana Okuyama
【摘要】本州(関東)
。暖温帯の山地の森林に生育する。
種では上方の花被片4枚は7~12mmと長く、下方の2
【形態の特徴】シライトソウの変種。花茎の高さ20~
枚は短い。
35cm、葉は長さ4~7cmで長楕円形、先が尖りロゼッ
【生活形】多年草で半地中植物。
ト状に根生する。6枚の花被片のうち、上方の4枚は
【減少の要因】希少。
長く糸状で2~3.5mm、下方の2枚は退化している。母
― 173 ―
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ツバメオモト
全国カテゴリー
〔学名〕Clintonia udensis Trautv. et Mey.
質。茎は軟毛をつけ、花後さらに成長する。光沢のあ
【摘要】北海道、本州(近畿以北)。国外では東アジア。
維管束植物
【形態の特徴】5~7月、高さ20~30cmの茎の先に白色
蘚
〔ユリ科〕
苔
〔和名〕カタクリ
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
る藍色の液果がつく。
亜高山帯から高山帯の針葉樹林林縁や林床に生える。
【生活形】多年草で地中植物。
で6花被片の小花が総状花序につく。葉は2~5枚が
【減少の要因】森林崩壊、園芸採取、動物食害。
根生、長楕円形で先端が尖り、長さ15~30cmでやや厚
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Erythronium japonicum Decne.
鱗茎は地中深く横たわる。白花品を f. laucanthum
藻
中間温帯から冷温帯にかけての各地の山野で、北から
Okuyama シロバナカタクリという。
北東向きの斜面や落葉広葉樹林の腐植質の多い林床に
【生活形】多年草で地中植物。
群生する。
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、道路工事、踏みつ
け。
【形態の特徴】4~5月に10~20cmの茎を出し、紫色の
花を下向きに1個つける。
茎の下部に1対の葉がある。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
類
入間郡市に記録がある。
葉は淡緑色に紫色の班紋をもつ楕円形で葉柄は長い。
〔ユリ科〕
地
〔和名〕キバナノアマナ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Gagea lutea (L.) Ker-Gawl.
衣
が黄色で、大きな2苞葉のある散形花序を出すことで
【摘要】北海道、本州、四国。国外では東アジア、南ア
類
区別できる。
ジア、ヨーロッパ、北アメリカ。冷温帯の山野に生育
【生活形】多年草で地中植物。
する。
【形態の特徴】花は4~5月に黄色6花被片の花が4~
菌
10個散形状につく。葉は広線形で花茎より長い。春に
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
1葉1茎を出し、茎の高さ15~20cm。アマナとは花色
類
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)
〔学名〕Hemelocallis dumortieri Morr. var. esculenta (Koidz.) Kitam.
f. musashiensis Hiyama ムサシノキスゲはヒメカンゾ
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では東アジア。
山地帯から亜高山帯の草原や湿地、ときに海岸に生育
する。
ウとニッコウキスゲの中間型。
【生活形】多年草で半地中植物。
【形態の特徴】花は7月に茎の先に橙黄色ろうと状6花
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、石灰採掘、動物食
被片の花が2~4個つき、昼間だけ開く。葉は扇形に
出て長さ60~70cm、上半部はわん曲して垂れる。茎は
害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
高さ50~80cm。
根は赤褐色でところどころに塊がある。
〔ユリ科〕
〔和名〕コオニユリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Lilium leichtlinii Hook. fil. var. maximowiczii (Regel) Baker
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島
【形態の特徴】花は7~8月に茎の先に2~10個が総状
・種子島。国外では東アジア。暖温帯から冷温帯にか
につき、斜め下向に開く。6枚の花被片は黄赤色で、
けての日当たりのよい山地の草原および岩・礫地に生
開花時には強く反り返る。葉は線状披針形で長さ8~
育する。
15cmで互生。茎は緑色で高さ1~1.5m。鱗茎は白色で
― 174 ―
球状。オニユリとは茎に紫色斑点がなく、葉腋に珠芽
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、草地開発、動物食
害。
がつかないことで区別できる。岩壁に生え、葉が細い
ものを f. tenuifolium Hisauchi ホソバコオニユリと
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
入間郡市に記録がある。
いう。
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ミヤマスカシユリ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
維管束植物
【生活形】多年草で地中植物。
〔学名〕Lilium maculatum Thunb. var. bukosanense (Honda) H. Hara
につける。ホソバコオニユリとは茎がわん曲し、花が
内では武甲山で発見され、茨城県にも自生している。
受け咲きになり、花被片基部に隙間があることで区別
苔
できる。
【形態の特徴】山地性のスカシユリ。7月直径5~10cm
蘚
【摘要】本州(関東)
。冷温帯の岩・礫地に生育する。県
【生活形】多年草で地中植物。
できる。葉は互生し、披針形で長さ5~10cm。茎は弓
【減少の要因】石灰採掘、動物食害(ニホンザル)
。
状にわん曲して下垂し、先端に1~3個の花を上向き
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
橙赤色の花を開く。各花被片は基部が細くなり隙間が
藻
〔ユリ科〕
〔和名〕クルマユリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Lilium medeoloides A. Gray
ジア。亜高山帯の草原に生育する。石灰岩地や蛇紋岩
immaculata Takeda フナシクルマユリという。今回は確
地に多い。
地
認できず。
【形態の特徴】7~8月に茎先端部が3~4本に分枝し、
類
にくびれがある。花被片に黒斑点のないものを f.
【摘要】北海道、本州(近畿以北)
、四国。国外では東ア
【生活形】多年草で地中植物。
朱赤色で6花被片の花が斜め下向きにつく。花被片に
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、動物食害。
衣
黒斑点がある。葉は茎の中程に6~15枚が輪生。茎は
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
直立し高さ40~80cm。鱗茎は白色球状、各鱗片は中央
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ホソバノアマナ(ホソバアマナ)
全国カテゴリー
〔学名〕Lloydia triflora (Ledeb.) Baker
茎は高さ10~25cm。鱗茎は球形。
東アジア、北アメリカ。中間温帯から冷温帯にかけて
【生活形】多年草で地中植物。
の、山地の日当たりのよい草原に生育する。
【形態の特徴】花は5~6月に茎の先端に、白色6花被
片の花1~5個がつく。根生する2枚の葉は細長くて
【減少の要因】園芸採取、自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
3綾があり、長さ10~20cm、幅1.5~3mm。茎の中ほど
〔和名〕ワニグチソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Polygonatum involucratum (Franch. et Sav.) Maxim.
柱状、白色で、長く地中をはう。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
暖温帯から冷温帯にかけての、山地の広葉樹林下や草
【生活形】多年草で地中植物。
原に生育する。
【減少の要因】森林伐採、草地開発、園芸採取、動物食
害。
【形態の特徴】花は5~6月に葉腋から花柄に2個の苞
が対生し、苞に包まれた2個の花がある。花は黄緑白
【特記事項】旧版植物誌でコワニグチソウとあるのはワ
色で筒状、先端は浅く6裂。葉は長楕円形で長さ5~
10cm。茎は高さ20~40cm、細くほぼ丸い。地下茎は円
― 175 ―
ニグチソウと思われる。
類
に披針形で長さ2~5cmの小葉を5~8枚をつける。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
〔ユリ科〕
菌
〔ユリ科〕
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕ヒメタケシマラン
〔学名〕Streptopus streptopoides (Ledeb.) Frye et Rigg var. streptopoides
維管束植物
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では東アジア、
の高さは10~20cm。タケシマランに似るが、全体に小
北アメリカ。亜高山帯の針葉樹林でやや湿った林床に
形で、茎はほぼ単一、葉の縁に小さな突起があること
生える。
などで区別できる。
【形態の特徴】6~7月に各葉腋から柄を下げ、その先
【生活形】多年草で地中植物。
に淡黄緑色6花被片1花を開く。果実は赤くなる。葉
【減少の要因】森林崩壊、産地極限。
は互生で無柄、卵形で先端は尖り、長さ2~6cm。茎
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
蘚
苔
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
類
〔和名〕チャボゼキショウ
〔学名〕Tofieldia coccinea Richards. var. kondoi (Miyabe et Kudo) H. Hara
藻
【摘要】北海道、本州(中部以北)。冷温帯から亜寒帯に
中部に葉状苞がある。根茎は細長く、枯れた葉鞘をつ
かけての、山地の湿ったところおよび岩・礫地に生育
ける。チシマゼキショウの変種で母種の葯は黄褐色、
本種の葯は紫色となる。
する。
類
【形態の特徴】7月に白色6花被片の小花を穂状につけ
る。葉は根生葉で、2列にならび線状で、先端は尖り、
【生活形】多年草で着生植物。
【減少の要因】森林伐採、石灰採掘、園芸採取、動物食
害。
長さ4~8cm、縁は少しざらつく。茎は細く長さ10cm、
地
衣
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
類
〔和名〕ヤマホトトギス
全国カテゴリー
〔学名〕Tricyrtis macropoda Miq.
スとは花が散房花序につくこと、花被片が強く反り返
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
ることで異なる。
アジアに分布する。
暖温帯~冷温帯の森林に生育する。
菌
【形態の特徴】7~9月に茎頂や上部葉腋から散房花序
【生活形】多年草で半地中植物。
を出し、疎らに2~3個の花をつける。花は白色に紫
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
斑があり、長さ1.5~2cm。葉は倒卵状楕円形で濃緑色
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企・北足立
類
・北葛飾の各郡市に記録がある。
の油滴状の斑点があり、両面共に有毛。茎は高さ20~
30cmで、下向の毛がつく。よく似たヤマジノホトトギ
〔ユリ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕タマガワホトトギス
全国カテゴリー
〔学名〕Tricyrtis latifolia Maxim.
cm、基部は茎を抱く。茎は緑色で斜上し高さ40~90cm、
【摘要】本州、四国、九州。暖温帯から冷温帯にかけて
上部に短毛をつける。地下茎は垂直に地中に入る。
の山地の湿ったところに生育する。
【形態の特徴】7月に茎の先端に散房花序を頂生し、黄
【生活形】多年草で半地中植物。
色で半開の6花被片花をつける。花被片の内面には紫
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、動物食害。
褐色の斑点がある。葉は互生し、広楕円形で長さ約6
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ユリ科〕
〔和名〕エンレイソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Trillium smallii Maxim.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
生する。
葉は広卵形で長さ幅ともに7~15cm先は尖る。
冷温帯から亜寒帯にかけての山地のやや湿気のある林
4~5月の頃、3枚の葉の中心から花柄を出し、がく
内に生育する。
に相当する紫色花被片の花を斜め上向きに開く。地下
【形態の特徴】茎の高さ15~30cmで先端に3枚の葉を輪
― 176 ―
茎は太く短い。有毒植物。
【生活形】多年草で地中植物。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕シロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Trillium tschonoskii Maxim.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
白色の花弁3枚と緑色のがく片3枚がある。茎の下方
冷温帯から亜寒帯にかけての山地のやや湿ったところ
には鱗片葉があり、地下茎は太く短い。花弁が淡紫色
に生育する。
のものを f. violaceum Makino ムラサキエンレイソウ
【生活形】多年草で地中植物。
先端から花柄を出し、1花を斜め上向きに開く。花に
【減少の要因】園芸採取、森林伐採、動物食害。
苔
生する。葉は広卵形で長さ10~15cm、4~5月に茎の
蘚
という。
【形態の特徴】茎は高さ20~40cm、先端に3枚の葉を輪
維管束植物
〔ユリ科〕
る。
類
〔ユリ科〕
〔和名〕アマナ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Amana edulis (Miq.) Honda
【生活形】多年草で地中植物。
陵から山地の日当たりのよい原野や土手に生える。
【減少の要因】園芸採取、土地造成、道路工事、自然遷
移。
【形態の特徴】4~5月に花茎の先端に6花被片からな
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・入間・
が入る。葉は2枚あって線状で先端が尖り、長さ10~
北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
地
る鐘形の白色花を1個つける。花被片には紫色のすじ
類
国外では東アジア。中間温帯から冷温帯にかけての丘
藻
色綿状の繊維に包まれている。
【摘要】本州(関東以北)
、伊豆諸島、四国、九州、琉球。
20cmで花茎よりも長い。地下の鱗茎は卵円体で、淡褐
衣
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ヒロハノアマナ(ヒロハアマナ)
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Amana latifolia (Makino) Honda
あることで区別できる。
にかけての、丘陵から山地の疎林内に生える。
【形態の特徴】4~5月に葉の間から出た茎の先端に、
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】園芸採取、踏みつけ。
く。葉は2枚で幅が広く長さは10~20cm、
幅は7~15mm、
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・北足立郡市に
記録がある。
主脈に沿って白線がある。鱗茎は卵球形。アマナとは
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Lycoris sanguinea Maxim.
8~16mm、背側に一本溝がある。
【摘要】本州、四国、九州、対馬に分布。暖温帯~中間
【生活形】多年草で地中植物。
温帯の森林に生育する。
【形態の特徴】花は8月に咲き、黄赤色で花弁は長さ約
60mm、幅6mm、反り返らない。雄しべは花弁より短い。
【減少の要因】森林伐採、土地造成、踏みつけ。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。有毒
子房は3室に分かれ、種子ができる。葉は淡緑色で幅
〔ミズアオイ科〕
〔和名〕ミズアオイ
全国カテゴリー
植物。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Monochoria korsakowii Regel et Maack
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
ジ状でやわらかい。葉は卵心形(葉身の基部は明らか
東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての湿地に生育す
な心形)で、長さと幅はどちらも4~15cm。秋、茎頂
る。県内では溝や休耕田に生ずる。
に花序が立つ。花序は青紫色の多数の花からなる。花
【形態の特徴】草高20~40cm。茎や葉柄の内部はスポン
― 177 ―
の径2.5~3cm。内花被片はいずれもほぼ同形。花糸無
類
白色の花被片6枚からなる鐘状の花が上向きに1花つ
〔和名〕キツネノカミソリ
菌
葉の幅が広く、葉の先端が尖らず、葉の中央に白線が
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国。暖温帯から中間温帯
〔ヒガンバナ科〕
類
〔ユリ科〕
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・入間・北足立
毛。
・北埼玉・南埼玉郡市に記録がある。
【生活形】1年草。
【減少の要因】水田の減少。
維管束植物
〔アヤメ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ノハナショウブ
全国カテゴリー
〔学名〕Iris ensata Thunb. var. spontanea (Makino) Nakai
が隆起し、幅5~10mm、長さ20~60cm。茎は中実で高
【摘要】南千島、北海道、本州、四国、九州。東北アジ
さ40~80cm。
ア、チベット、中央アジア。暖温帯から冷温帯にかけ
蘚
て、日当たりのよい山野および湿地に生育する。酸性
【生活形】多年草で半地中植物。
土壌の湿原を好む。
【減少の要因】園芸採取、湿地・草原開発、水質汚染、
苔
踏みつけ。
【形態の特徴】外側の3花被は大きく、濃い赤紫色で中
類
央に黄色の筋があり、径は約10cm、3枚の内花被は小
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・入間郡市に記
録がある。
さく、長さ約4cmのほこ形で、直立する。葉は中央脈
藻
〔アヤメ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ヒメシャガ
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Iris gracilipes A. Gray
類
【摘要】北海道(南西部)、本州(東北から近畿)
、四国、
青紫色で径3~4cmの花を1個つける。内花被片の先
九州(北部)
。主として内帯(日本海側)
。暖温帯から
端は深く切れ込むが、外花被片は切れ込まない。葉は
長さ20~30cm、幅5~10mmで薄く、白緑色。
冷温帯にかけて、山地の落葉広葉樹林中や岩場・崖な
地
【生活形】多年草で半地中植物。
どのやや乾いたところ。
【形態の特徴】5~6月に15~30cmの花茎の頂に、淡い
【減少の要因】園芸採集。
衣
類
〔アヤメ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕カキツバタ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Iris laevigata Fisch.
菌
【摘要】南千島、北海道、本州、四国、九州。朝鮮、中
頭の先端は幅広く、大きく反り返る。3枚の内花被片
国、アジア東北部。本県では低地から丘陵地に点在す
はやや狭いへら形で、縁は少し波打ち約6cm。葉は柔
る湿地や沼沢地に生育する。
らかく、幅2~3cmで中央脈は隆起しない。地下茎は
類
繊維が多い。
【形態の特徴】高さ40~80cmの中実の花茎に青紫色で直
径12~13cmの花をつける。大きい3枚の外花被片の中
【生活形】多年草で水湿植物。
央は黄白色で文目模様は不明瞭。その上にかぶさる柱
【減少の要因】園芸採取、水質汚染、低湿地埋め立て。
〔アヤメ科〕
〔和名〕アヤメ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Iris sanguinea Hornem.
4cm。葉は花とほぼ同じ高さで幅は5~10mm、中央脈
【摘要】北海道、本州、九州。国外では北アジア、東ア
はあるが明瞭でない。
ジア。冷温帯の山地から低地で日当たりのよいやや乾
【生活形】多年草で半地中植物。
いた草原に群生する。
【形態の特徴】5~6月に30~60cmの中空の茎を直立し、
【減少の要因】園芸採取、観光レジャー開発、土地造成、
踏み付け、動物食害。
径約8cmの紫色の花を咲かせる。外花被片は円形に近
く、先端は少し凹み、基部中央は黄色と紫の文目模様
【特記事項】栽培されており、逸出と見られるものがあ
るので注意が必要。
が目立つ。内花被片はさじ形で約4cm。果実は長さ約
〔イグサ科〕
〔和名〕イトイ
全国カテゴリー
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Juncus maximowiczii Buchen.
【摘要】本州(中部)
。国外では東アジア。亜寒帯の岩・
礫地に生育する。秩父の亜高山帯の岩壁の隙間から垂
れ下がる。
【形態の特徴】根茎はない。根生葉は糸状で扁平、無毛、
― 178 ―
茎と同長またはそれ以上の長さで、幅1mm。茎頂に頭
【生活形】多年草で着生植物。
状の花序が1個つく。花序は1~4個の花からなる。
【減少の要因】産地極限、動物食害。
花被片は線形、花被片の基部に鱗片はない。おしべ6、
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・北埼玉郡市に
記録がある。
花被片より長く突き出る。果は1室で種子は多数。種
〔ホシクサ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕クロイヌノヒゲ
全国カテゴリー
〔学名〕Eriocaulon atrum Nakai
着し、黒藍色で上部は浅く3裂する。
する。
苔
【形態の特徴】葉は線形で長さ2~10cm、中部の幅1~3mm
【生活形】1年草。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
~12cm、4~5肋でわずかにねじれる。頭花は倒円錐形
【特記事項】旧版植物誌には北足立郡市に記録がある。
しかしその後発見されていない。
で径約4mm、少数の花からなる。総苞片は卵状長楕円形
藻
で、上部は黒色を帯びる。花苞は倒卵状長楕円形で長
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
類
〔学名〕Eriocaulon cinereum R. Br.
筒状。花弁も筒状、おしべ6個、葯は灰白色。雌花は
球。国外では東アジア、南アジア、東南アジア、アフ
有柄、花弁なく、がく片2個は離生しがく片に竜骨は
ない。
リカ。亜熱帯から暖温帯にかけての浅い沼や水田に生
衣
【生活形】1年草。
【減少の要因】農薬汚染。
に葉身がない。
花茎の頂の頭状花序の総苞片はだ円形、
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・比企・入間・
長さ1.5mm。
花は3数性、基部に1片の花苞があり鈍頭。
北足立・北埼玉・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
〔ホシクサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
類
〔和名〕イトイヌノヒゲ
菌
雄花のがく片は上方が開いて3浅裂、下方は合生して
〔学名〕Eriocaulon decemflorum Maxim.
裂、下部合生して筒状、花弁筒状、おしべ4。雌花は
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
がく片2個離生、花弁2個、花苞・がく片・花弁に白
暖温帯から冷温帯の水湿地に生育する。
毛が密生。
【形態の特徴】コイヌノヒゲと同じ形状だが大型、草高
30cmに達する。茎頂の頭状花序は10個ほどの花からな
【生活形】1年草。
る。総苞片は花よりわずかに長い。花は単性花で2数
【減少の要因】埋め立て。
性、基部に1片の花苞がある。雄花のがくは上部2浅
〔ホシクサ科〕
〔和名〕コシガヤホシクサ
類
【形態の特徴】葉は根生し数脈がある。花茎の基部の鞘
地
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、対馬、琉
育する。
類
で7~9脈の格子状、先端は鋭くとがる。花茎は高さ5
〔ホシクサ科〕
蘚
さ約2mm、やや鈍頭で黒色を帯びる。萼は仏炎苞状に合
【摘要】北海道~九州に分布。国外では朝鮮半島に分布
〔和名〕ホシクサ
維管束植物
子の両端に尾状の付属体がある。
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Eriocaulon heleocharioides Satake
【摘要】本州(関東)
。暖温帯の湿地に生育する。
苞がある。
雄花のがく片は合生し一側の開いた苞片状、
【形態の特徴】草高5~8cm。径1cmほどの太い根茎が
葯は白色。雌花のがく片3個も合生し一側の開いた苞
片状。
ある。葉は根生で数脈がある。花茎には8~10の稜が
あり、基部には葉身のない鞘がある。茎頂の頭状花序
【生活形】多年草で半地中植物。
は径6~7mm。花は単性花で3数性、基部に1片の花
【減少の要因】湿地開発。
― 179 ―
〔ホシクサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ニッポンイヌノヒゲ
全国カテゴリー
〔学名〕Eriocaulon hondoense Satake
片3個は合生し一側の開いた苞片状、
花弁3個は離生。
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
維管束植物
柱頭3個。
暖温帯から冷温帯にかけての水田や湿地に生育する。
【形態の特徴】葉は根生し数脈がある。花茎に3~6稜
【生活形】1年草。
がある。総苞片は花より明らかに長く7~9mm、鋭頭
【減少の要因】その他。
~鋭尖頭。花は3数性、基部に無毛の花苞が1片。花
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・入間・北足立
・北埼玉・南埼玉郡市に記録がある。
床無毛。雄花は萼片の上部が3浅裂し下部は合生して
筒状、花弁は筒状、おしべ6個、葯は黒色。雌花の萼
蘚
苔
〔ホシクサ科〕
類
〔和名〕イヌノヒゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Eriocaulon miquelianum Koernicke
の花苞・がく片・花弁の上端には白色こん棒状の毛が
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。暖温帯
藻
ある。
から中間温帯にかけての水田や水辺に生育する。
【形態の特徴】葉は根生し数脈がある。花茎には4~5
稜がある。総苞片は長く花の2~3倍、鋭頭~鋭尖頭、
【生活形】1年草。
【減少の要因】湿地開発、草地開発、土地造成、踏みつ
類
け。
淡緑色。花は単性花で3数性(ときに2数性)、基部に
1片の花苞がある。花床無毛。葯は黒色。雌花のがく
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企・入間・北足立
・北埼玉・南埼玉郡市に記録がある。
片3個は合生し一側の開いた苞片状。柱頭3個。雌花
地
衣
〔ホシクサ科〕
〔和名〕ヒロハイヌノヒゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Eriocaulon robustius (Maxim.) Makino
類
色。総苞片は花とほぼ同長。
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬に分布。国外
菌
では東アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の湿地に生
【生活形】1年草。
育する。
【減少の要因】管理放棄、自然遷移。
【形態の特徴】葉は長さ8~15cm、幅4~10mmで7~10
【特記事項】旧版植物誌には比企・北足立・南埼玉・北
葛飾郡市に記録がある。
脈があり、ロゼット状につく。花茎は8~15cmで5稜
類
がある。頭状花は径5mm前後の白褐色半球形、葯は黒
〔イネ科〕
〔和名〕ミズタカモジ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Agropyron humidorum Ohwi et Sakam.
ご えい
最下護穎より短く5脈、鋭頭~芒端。護穎は5脈、背
【摘要】本州、九州。暖温帯の草原、農耕地および路傍
に生育する。県内では低地の水田に生える。
は円く無毛、先端は2~3cmの長芒となる。護穎と内
【形態の特徴】走出枝はない。葉身・葉鞘の背・葉鞘の
穎は同長。
縁いずれも無毛。葉舌は膜状で高さ0.7mm。花序は棒状
【生活形】多年草で半地中植物。
で直立。小穂は護穎の側面を軸に向けてつく。小穂に
【減少の要因】湿地開発・除草剤の使用。
は長芒があり、無柄。小花基部は無毛。2枚の苞穎は
〔イネ科〕
〔和名〕エゾカモジグサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Agropyron yezoense Honda
【摘要】北海道、本州(中部)
。国外では東アジア、北ア
小穂は護穎の側面を軸に向けてつく。小穂には長芒が
ジア。亜寒帯の森林に生育する。県内では山地の森林
あり、無柄。小花基部は有毛。苞穎は2枚とも最下護
にまれに生ずる。
穎よりやや短く、3~5脈、鋭頭。護穎は5脈、上部
有毛、長芒(15~25mm)がある。内穎と護穎は同長。
【形態の特徴】走出枝はない。葉身は表裏が逆転し、下
面(本来の表)にまばらに毛。花序は棒状(穂状)で、
【生活形】多年草で半地中植物。
― 180 ―
【減少の要因】森林伐採。
〔イネ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Agrostis flaccida Hack.
背の基部付近から長芒が出る。芒は小穂の外に出て屈
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島に分布。国
曲する。内穎はない。葯は護穎の半長以上、長さ0.8
外では東アジアに分布する。
亜寒帯の草原に生育する。
~1.5mm。
【形態の特徴】根茎はない。葉幅0.5~2mm。葉舌は膜状
【生活形】多年草で半地中植物。
につく。小穂は長さ2.5~3mm、1小花からなる。2枚
【減少の要因】動物食害。
の苞穎はほぼ同長。小花は苞穎よりも短い。護穎5脈、
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
〔和名〕コミヤマヌカボ
全国カテゴリー
〔学名〕Agrostis mertensii Trin.
はほぼ同長。小花は苞穎よりも短く、基部に短い毛の
東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。亜寒帯から寒帯
束がある。護穎3脈、背の基部より1/3くらいの高さか
にかけての草原や岩・礫地に生育する。県内では亜高
ら芒が出る。芒は小穂の外にでて屈曲する。内穎はほ
山帯の岩・礫地にまれに生ずる。
とんどない。葯は護穎の半長より短い。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ヒメコヌカグサ
全国カテゴリー 準絶滅危惧
衣
〔学名〕Agrostis nipponensis Honda
につく。小穂は無芒、長さ2.5~3mm、1小花からなる。
温帯にかけての草原および湿地に生育する。県内では
2枚の苞穎はほぼ同長。小花は苞穎よりも長いか同長。
護穎5脈。内穎はない。
山中の水湿地にまれに生じる。
で高さ1~3mm。花序は円錐状。花序枝は軸に輪生状
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】埋め立て。
全国カテゴリー
〔学名〕Agrostis scabra Willd.
【摘要】北海道~本州中北部に分布。国外ではシベリア、
で赤褐色を帯び、茎の半分以上の長さを占める。枝は
北アメリカに分布する。日当りのよい山地の草原や路
細く、長く、著しく開出してまばらに広がり、花序の
傍に生育する。
基部には小穂がつかない。
【形態の特徴】ヌカポによく似た草本で小さな株をつく
り、根出葉は糸状で細くて短い。茎は高さ40~80cmに
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】動物食害。
なる。花は5~7月。円錐花序は長さ20~40cm、広卵形
〔イネ科〕
〔和名〕タカネコウボウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Anthoxanthum japonicum (Maxim.) Hack.
小穂と同長。下の2小花は退化して護穎のみ。護穎は
【摘要】本州(近畿以北)
、四国に分布。冷温帯~亜寒帯
褐色毛が密生、先端は2裂し(裂片は鈍頭)、背面の途
の草原に生育する。
中から芒がでる。最上小花は両性、穎片は膜質。
【形態の特徴】葉身に疎らな軟毛。葉鞘口部はやや葉耳
がある。葉舌は膜状で高さ2~6mm、縁は毛裂する。
【生活形】多年草で地中植物。
花序は円錐状。小穂は3小花からなる。第1苞穎は1
【減少の要因】動物食害。
脈、無毛で小穂の半長。第2苞穎は3脈があり無毛、
― 181 ―
類
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
菌
【形態の特徴】根茎はない。葉幅2~5mm。葉舌は膜状
〔和名〕エゾヌカボ
類
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。中間温帯から冷
〔イネ科〕
地
〔イネ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】産地極限。
類
で高さ1~2mm。小穂は1小花からなる。2枚の苞穎
藻
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
【形態の特徴】根茎はない。葉幅0.5~1mm。葉舌は膜状
苔
〔イネ科〕
蘚
で高さ1~2mm。花序は円錐状。花序枝は軸に輪生状
維管束植物
〔和名〕ミヤマヌカボ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔イネ科〕
〔和名〕アズマガヤ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Asperella longe-aristata (Hack.) Ohwi
く。苞穎は2個とも針状またはほとんど退化。小穂は
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
維管束植物
無柄で1~2小花からなる。護穎はやや革質で、背の
アジアに分布する。
冷温帯~亜寒帯の森林に生育する。
上部には剛毛があり、中央脈は伸びて1~2cmの芒と
【形態の特徴】中型草本で、草高70cm~1.2m。葉はつけ
なる。
根でよじれて表裏が逆転する。葉幅1~2cm。茎の上
部および花序の軸に上向きの軟毛が密生。節には下向
【生活形】多年草で半地中植物。
きの毛がある。穂状花序。小穂は穎片の側面(背面で
【減少の要因】動物食害、森林伐採。
はなく)が花序の軸に接するよう通常2個ずつ軸につ
蘚
苔
〔イネ科〕
類
〔和名〕コウヤザサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Brachyelytrum japonicum Hack.
藻
【摘要】本州、四国、九州、対馬。国外では東アジア。
穂は8~10mm、1小花からなる。小花の基部を短い毛
暖温帯から冷温帯にかけての森林に生育する。県内で
が取りまく。護穎の先端は1cm以上の長い芒になる。
は山地の林内にまれに生じる。
長い小軸突起(長さ8~10mm)がある。小花は苞穎を
残して脱落。
【形態の特徴】短い根茎がある。葉の縁は有毛。葉舌は
類
膜状で高さ2~3mm。小穂は茎頂に疎らにつく。第1
【生活形】多年草で半地中植物。
苞穎・第2苞穎ともに小さく、いずれも芒がない。小
【減少の要因】森林伐採。
地
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
衣
〔和名〕ヒメアブラススキ
全国カテゴリー
〔学名〕Bothriochloa parviflora (R. Br.) Ohwi
類
菌
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州、対馬、琉球、小
あり、無柄小穂にのみ長芒がある。無柄小穂は長さ3
笠原。国外では東アジア、南アジア、東南アジア、オ
mm、基部に短毛環があり、2枚の苞穎・雄しべ・雌し
ーストラリア。亜熱帯から暖温帯にかけての草原に生
べ・芒(長さ2cm)からなる。有柄小穂は2枚の苞穎
育する。県内では山地の路傍に生じる。
・膜質護穎・雄しべからなる。
【形態の特徴】草高約0.5~1m。節と葉鞘口部に長毛が
ある。葉舌は膜状で高さ1mm。有柄小穂と無柄小穂が
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】草地開発、道路工事、自然遷移。
類
〔イネ科〕
〔和名〕フサガヤ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Cinna latifolia (Trevir.) Griseb.
【摘要】北海道及び中部以北の本州に分布。国外では東
て扁平、1小花からなる。2枚の苞穎は同形で有毛、
アジア、北アジア、西アジア、ヨーロッパ、北アメリ
護穎よりも長い。護穎には3脈があり、先端は裂けな
カに分布する。冷温帯~寒帯の湿地および森林に生育
い。護穎の背の中位より少し上の部分から短い芒がで
する。
るが、小穂の外にでない。
【形態の特徴】草高80cm~1.2m。葉幅6~15mm。葉舌は
膜状で高さ2~4mm。花序は円錐状。花序枝は花序の
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】動物食害。
軸に輪生状につき、先は垂れる。小穂はやや柄があっ
〔イネ科〕
〔和名〕カリマタガヤ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Dimeria ornithopoda Trin.
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球に分布。国外
花序枝の軸はやや扁平で、軸の全部に小穂がつく。小
では東アジア、東南アジアに分布する。暖温帯~冷温
穂はほとんど無柄またはごく短い柄があり、基部は短
帯の草原・湿地および川原に生育する。
毛が取りまき、2小花からなる。下方の小花は穎片の
【形態の特徴】茎や葉には疎らに長毛があり、毛の基部
はいぼ状に膨らむ。茎の頂端に2本の花序枝がでる。
― 182 ―
み。上方の小花は両性花で、護穎の先は3~10mmほど
の芒となる。雄しべは2個。
【生活形】1年草。
【減少の要因】湿地開発。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕エゾムギ(ホソテンキ)
〔学名〕Elymus sibiricus L.
全国カテゴリー
【摘要】北海道、本州(中部)
。国外では北アジア、ヨー
小穂は無柄、2枚の苞穎は最下護穎の半長以下で3脈
ロッパ。冷温帯から亜寒帯にかけての草原、湿地、河
あり先端は芒。護穎は5脈あり、背に短い刺針があっ
原および森林に生育する。県内の亜高山帯にまれに生
てざらつき、先端には1~2cmの長芒がある。護穎と
ずる。
内穎は同長。
で高さ1mm以下。軸に小穂が2個ずつが対になってつ
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】河川開発、草地開発、自然遷移。
蘚
【形態の特徴】葉身は無毛。葉幅4~10mm。葉舌は膜状
維管束植物
〔イネ科〕
苔
き基部は合着。小穂は護穎の側面を軸に向けてつく。
類
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕タカネウシノケグサ
全国カテゴリー
〔学名〕Festuca ovina L. var. tateyamensis Ohwi
藻
鋭頭。護穎は長さ3~4mm、背は円く、無毛、先端は
【摘要】本州(中部)
。亜寒帯の岩・礫地に生育する。
芒になる。
【形態の特徴】走出枝はない。草高は低く10~25mm。茎
【生活形】多年草で半地中植物。
面(本来は表になるところ)は有毛。花序の長さは2
【減少の要因】産地極限。
類
は無毛。葉幅1mm以下。葉身は糸状で内巻し、その内
~4cm。小穂は2~3小花からなる。第1苞穎は1mm、
地
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Glyceria depauperata Ohwi var. depauperata
【摘要】北海道、本州。国外では東アジア、北アジア。
長さ1~2.5cm、7~17個の小花からなる。小花は長さ
中間温帯から冷温帯にかけての水湿地に生育する。県
2.5~3.5mm。護穎は7脈あって鈍頭、内穎と同長。葯
~9cm、葉幅2~4mm。葉鞘の縁は合着して完全な筒
菌
長0.6mm。
内では休耕田、河原や水辺などにまれに生ずる。
【形態の特徴】ムツオレグサよりも繊細。葉身は長さ3
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】不明。
類
形。葉舌は膜状で高さ2~5mm。小穂は長円柱状で、
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕ミサヤマチャヒキ
全国カテゴリー
〔学名〕Helictotrichon hideoi (Honda) Ohwi
3脈。小花の基部に短毛の束がある。護穎の先端は浅
【摘要】本州(中部)。冷温帯の森林に生育する。県内で
く2裂し、先端付近に長い芒がでる。葯長3mm。子房
は亜高山帯に極くまれに生ずる。
に密毛。
【形態の特徴】葉の下面は有毛、幅2~6mm。葉鞘には
短毛が密生。節に花序枝が1~2本ずつつく。小穂は
【生活形】多年草で半地中植物。
1本の花序に10~15個。小穂には数本の屈曲した芒が
【減少の要因】動物食害。
ある。第1苞穎は小穂より短く1~3脈。第2苞穎は
〔イネ科〕
〔和名〕ハイチゴザサ
類
〔和名〕ヒメウキガヤ(ウキガヤを含む)
全国カテゴリー
衣
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Isachne nipponensis Ohwi
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州、対馬、種子島、
が直立する。草高5~10cm。葉舌は毛環。花序は円錐
屋久島、奄美大島、琉球。国外では東アジア、中央ア
状。小穂は有柄、柄の途中に腺はない。小穂は長さ
ジア、東南アジア。暖温帯から中間温帯にかけての湿
1.5mm、2個の小花からなり、いずれも両性花。苞穎の
地や林内に生育する。
背は2枚とも丸く疎らに毛がある。どちらの小花も護
【形態の特徴】茎の下部は長くはい、節から分岐した茎
― 183 ―
穎と内穎は革質で硬くて丸く、護穎の背は有毛。
【生活形】1年草。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
維管束植物
〔和名〕カリヤスモドキ
全国カテゴリー
〔学名〕Miscanthus oligostachyus Stapf
る。小穂は2小花からなり、苞穎は2枚とも有毛。下
【摘要】本州、四国、九州に分布。暖温帯~中間温帯の
方の小花は護穎のみ。上方の小花は両性で護穎の先が
草原に生育する。
芒となり、小穂の外に突き出る。
【形態の特徴】走出枝はない。葉の裏には長い軟毛があ
蘚
る。花序枝は3~8本。長柄小穂と短柄小穂があり、
【生活形】多年草で半地中植物。
小穂長7~8mm、小穂の基部に5mmほどの毛が束生す
【減少の要因】草地開発。
苔
〔イネ科〕
類
〔和名〕ヌマガヤ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Moliniopsis japonica (Hack.) Hayata
りまく。苞穎は2枚とも背がやや竜骨。護穎は3脈で
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
藻
先端は鋭頭だが、芒にはならない。
アジアに分布する。
冷温帯~亜寒帯の湿地に生育する。
【形態の特徴】節と葉身は根元近くに集中しており、茎
の上部は枝分かれしない。葉舌は短毛環。花序は円錐
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
類
状。小穂は3~6小花からなり、小花の基部を毛が取
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
地
〔和名〕キダチノネズミガヤ
衣
【摘要】本州(関東を除く)
、九州に分布。国外では東ア
花序は円錐状。小穂は長さ2.5~3mmで1小花からな
類
ジアに分布する。中間温帯~冷温帯の草原および森林
る。2枚の苞穎は小穂の半長で鋭頭~芒端。小花の基
に生育する。
部に長毛がある。護穎の先端はわずかに2裂し、中央
〔学名〕Muhlenbergia ramosa (Hack.) Makino
から芒が出る。芒の長さは小穂長の2倍。
【形態の特徴】うすい鱗片に被われた長い走出枝を出す。
菌
走出枝の径1.5~2mm。茎は斜めに立つ。上部で多くの
【生活形】多年草で半地中植物。
分枝がある。葉幅3~8mm。葉舌は膜状で高さ0.5mm。
【減少の要因】動物食害。
類
〔イネ科〕
〔和名〕ヒロハノハネガヤ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Stipa coreana Honda var. kengii Ohwi
脈を横脈が結び網目状で小花を包み込む。小花の基部
【摘要】北海道、本州(関東を除く)
、四国、九州に分布。
に短毛がある。護穎は革質で軟毛を密生、先端は脈が
冷温帯~亜寒帯の森林に生育する。
伸びて芒となる。芒は長さ2~3cm。葯の頂端は無毛。
【形態の特徴】草高0.6~1m。葉裏に微毛。葉鞘の口部
は有毛。葉舌は膜状で高さ1mm、縁は毛裂。花序は棒
【生活形】多年草で半地中植物。
状。小穂は長さ12~15mmで長芒があり、1小花からな
【減少の要因】動物食害、森林伐採。
る。2枚の苞穎は無毛の膜質、鋭頭、脈は縦の5~7
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕セイタカヨシ(セイコノヨシ)
全国カテゴリー
〔学名〕Phragmites karka (Retz.) Trin.
は長い柄がある。小穂は長さ5~8mm、3~4小花か
【摘要】本州、四国、九州、琉球。国外では東アジア、
南アジア、東南アジア、オセアニア、オーストラリア。
らなる。第1苞穎は護穎の半長以下で鈍頭。最下の小
亜熱帯から冷温帯にかけての低湿地に生育する。さい
花の基部は無毛、それより上方の小花の基部は長毛が
たま市の湿地や水辺にのみ見られる。
取り囲む。護穎は鋭頭。
【形態の特徴】走出枝はない。葉先は垂れない。葉舌は
短毛環(長さ0.5mm)
。花序の長さ30~70cm。花序枝に
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
― 184 ―
〔イネ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕タカネタチイチゴツナギ
〔学名〕Poa glauca Vahl
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
さ0.5~1mm。花序枝は直立でざらつく。小穂は2~3
ーロッパ、北アメリカ。亜寒帯から寒帯にかけての岩
小花からなる。小花の基部の綿毛は不明。護穎は長さ
2.5~3mm、帯紫、5脈、竜骨、鈍頭。内穎の竜骨は粗
・礫地に生育する。
渋。
【形態の特徴】走出枝はない。茎は束生、基部に短い根
生葉が集まるのが特徴。葉幅1.5~2.5mm。上部の葉身
【生活形】多年草で半地中植物。
は葉鞘の半長~1.5倍。葉鞘なめらか。葉舌は膜状で高
【減少の要因】不明。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
苔
〔和名〕イトイチゴツナギ
全国カテゴリー
〔学名〕Poa matsumurae Hack.
は開出しざらつく。小穂は4~5小花からなる。護穎
山地にまれに生ずる。
は長さ3.5mm。
葉幅1.2~3mm。葉鞘に毛がある(イチゴツナギ類で葉
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】草地開発、産地極限。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
地
〔和名〕ムカゴツヅリ
類
鞘有毛のものはこの種のみ)
。
葉鞘には竜骨があって扁
〔イネ科〕
〔学名〕Poa tuberifera Faurie ex Hack.
て球状となる特徴がある。葉幅2~4mm。葉舌は膜状
【生活形】多年草で地中植物。
で高さ1~2mm。1本の花序枝に1~3個の小穂がつ
【減少の要因】森林伐採、自然遷移。
全国カテゴリー
類
〔和名〕ウキシバ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Pseudoraphis ukishiba Ohwi
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州に分布。国外で
穎は1mm以下。第2苞穎は小穂と同長、疎らに毛があ
は東アジアに分布する。中間温帯の湿地および水中に
る。下方の小花は雄花で護穎は第2苞穎と同じ形状。
生育する。
上方の小花は雌花で、めしべと退化したおしべ2個が
ある。
【形態の特徴】茎が水中を長くはって伸びる水草。各節
から根をだす。葉長3~5cm、葉幅2~5mm。花序枝
【生活形】1年草で水湿植物。
多数。1本のざらつく花序枝の中ほどに1個の小穂が
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
直立。小穂は長さ4~5mm、2小花からなり、第1苞
〔イネ科〕
〔和名〕ウシクサ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Andropogon brevifolius Sw.
【摘要】本州(関東~中国)
、四国、九州、琉球に分布。
芒のある護穎のみ。無柄小穂は2小花からなり、それ
国外では東アジア、南アジア、東南アジア、アフリカ、
らの小花の基部に短毛が束生。下方の小花は退化傾向
オーストラリアの広い範囲に分布する。亜熱帯~暖温
にあり、護穎は弱い芒をもつこともある。上方の小花
帯の湿地および川原に生育する。
は両性花で、護穎は深く裂け、その基部近くから長い
芒が出る。
【形態の特徴】草高10~40cm。葉舌はほとんどない。1
本の花序枝の基部には葉身のない鱗片状の苞葉があ
【生活形】1年草。
る。有柄小穂と短柄小穂がある。有柄小穂は退化して
【減少の要因】湿地開発、道路工事。
― 185 ―
菌
内穎の竜骨には軟毛がある。
類
ない。護穎は長さ4mm、3~5脈、竜骨、鈍頭~鋭頭。
県内では山地の林下にまれに生ずる。
【形態の特徴】走出枝はない。茎の地下部の節間が膨れ
衣
く。小穂は2~3小花からなる。小花の基部に綿毛は
【摘要】本州、四国、九州。冷温帯の森林に生育する。
〔イネ科〕
藻
平。茎は円柱状。葉舌は膜状で高さ0.6~2mm。花序枝
冷温帯から亜寒帯にかけての草原に生育する。県内の
類
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では東アジア。
【形態の特徴】走出枝がある。葉に微細な毛が密生し、
蘚
〔イネ科〕
維管束植物
【摘要】本州(中部)
。国外では北アジア、東アジア、ヨ
〔イネ科〕
〔和名〕ヒゲシバ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Sporobolus japonicus (Steud.) Maxim.
維管束植物
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア。暖温帯
花序は円柱状で長さ3~7cm、径2mm。小穂は赤褐色
から中間温帯にかけての湿地に生育する。県内の山地
で長さ2mm、1小花からなる。苞穎・護穎・内穎は膜
質で透明。
の湿地にまれに生ずる。
【形態の特徴】草高10~25cmの小型草本。茎は直立。根
生葉はない。葉には多数の腺点と、縁に沿って長毛が
【生活形】1年草。
【減少の要因】道路工事。
ある。この長毛の基部はいぼ状に膨らむ。葉舌は毛環。
蘚
〔サトイモ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
苔
〔和名〕ヒロハテンナンショウ
類
〔学名〕Arisaema amurense Maxim. subsp. robustum (Engler) H. Ohashi et J. Murata
藻
【摘要】北海道、本州(日本海側)、九州(北部)
。国外
15cm、幅4~7cm。花序の先端の付属体はこん棒状で
では東アジア、北アジア。中間温帯から冷温帯にかけ
緑~紫色、径2~4.5mm。仏炎苞は長さ8~13cm。花序
ての森林に生育する。県内では山地のブナ帯の湿った
は仏炎苞と合生しない。花被片はない。
【生活形】多年草で地中植物。
ところに生える。
【形態の特徴】複葉は普通1枚。小葉は普通5枚で小葉
【減少の要因】森林伐採。
類
間の軸はほとんどなく掌状となる。頂小葉は長さ10~
地
衣
〔サトイモ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕マイヅルテンナンショウ
〔学名〕Arisaema heterophyllum Blume
類
長い。仏炎苞は普通緑色で一部紫色を帯びる。花期は5
【摘要】
本州(岩手県より岡山県まで点在)~九州に分布。
国外では朝鮮半島南部、中国(本土・台湾)に分布する。
~6月。花軸の花のつく部分と付属体の間に柄がない。
低地の草原に生育する。
付属体は基部がやや太く、その上で前に曲がり、さら
菌
に上方に向かって長く伸び、長さ20~30cm。
【形態の特徴】葉は1個で、鳥足状に17~21枚の小葉をつ
ける。小葉は狭倒卵形またはしばしば線形で、全縁。
【生活形】多年草で地中植物。
頂小葉は両隣のものより著しく小形。花柄は葉柄より
【減少の要因】自然遷移。
類
〔サトイモ科〕
〔和名〕オオハンゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Pinellia tripartita (Bl.) Schott
【摘要】本州(中部以西)、四国、九州、対馬、屋久島、
として長く伸び、長さ12~25cmになる。付属体の付け
奄美大島、琉球。暖温帯の照葉樹林下に生育する。石
根に雄花群がある。その下に雌花序があって仏炎苞と
灰岩地を好むという。
合生し、雌花が仏炎苞の内面に密生する。花被片はな
い。
【形態の特徴】地下に塊茎がある。葉身は3小葉(また
は3深裂)
からなり、
小葉は長さ8~20cm、
幅5~12cm、
【生活形】多年草で地中植物。
小葉の柄はない。葉柄は20~45cm。花序の先は付属体
【減少の要因】森林伐採、石灰採掘。
〔サトイモ科〕
〔和名〕ザゼンソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Symplocarpus foetidus Nutt. var. latissimus (Makino) H. Hara
【摘要】北海道、本州(主に日本海側)
。国外では北アジ
花序がでる。仏炎包の長さ10~20cm。花序は長さ2~
ア、東アジア。中間温帯から冷温帯にかけての湿地お
4cmの楕円体で、両性花が密生する。花被片は4個。
よび森林に生育する。県内では山地・丘陵地帯の湿地
黄色い葯が見える。
葉は円心形、
長さ・幅とも20~40cm。
に極くまれにある。
果はその年の夏に熟す。
【形態の特徴】4~5月、葉がまだ開かない時期に、分
厚い紫黒色または緑色に紫斑のある仏炎苞に包まれた
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】道路工事、湿地開発、埋め立て、園芸採
― 186 ―
取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔サトイモ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Symplocarpus nipponicus Makino
包まれる花序は長さ約1cmの楕円体。花が咲くと、葉
【摘要】北海道、本州(日本海側)。国外では東アジア。
は枯れる。果実の成熟は翌年の5~6月。
中間温帯の湿地および森林に生育する。県内では山地
【生活形】多年草で地中植物。
・丘陵地の湿地に極くまれにある。
【形態の特徴】ザゼンソウに似るが小形。早春に、先ず
【減少の要因】園芸採取、産地極限。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
暗紫褐色で、長さ4~5cmの仏炎苞を出す。仏炎苞に
蘚
長さ10~20cm、幅7cmほどの葉を出し、初夏に分厚く
維管束植物
〔和名〕ヒメサゼンソウ
全国カテゴリー
苔
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕ヒンジモ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
〔ウキクサ科〕
〔学名〕Lemna trisulca L.
歯がある。根は1本。根端は鋭頭。花期には、葉状体
ジア、南アジア、東南アジア、中央アジア、北アメリ
の端に花がつき、数個の葉状体が連なって水面に浮か
ぶ。
カ、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカ。亜熱帯
【形態の特徴】葉状体は三角状狭卵形で、長さ7~10mm、
幅2~4mm。1つの葉状体に長さ3~10mmの柄が左右
【減少の要因】不明。
類
【生活形】多年草で水湿植物。
から冷温帯の池沼に生育する。
藻
【摘要】北海道、本州、四国。国外では北アジア、東ア
【特記事項】旧版植物誌には大里・比企郡市に記録があ
地
る。しかしその後発見されていない。
直角に出て、となりの葉状体と次々と連なり、ときに
大群体を作る。葉状体に1~3脈があり、縁に微小鋸
衣
〔和名〕ミクリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 準絶滅危惧
類
〔ミクリ科〕
〔学名〕Sparganium erectum L.
雌花群を1~3個つける。雌花群はいずれも無柄。雌
アジア、北アジア、南アジア、中央アジア。亜熱帯か
しべの柱頭は糸状で3~6mm。花柱1mm。果実は長さ
ら亜寒帯にかけての湿地に生育する。県内では丘陵地
5~7mm、幅3~4mm。これより大きい果実もある。
ごとに1本ずつ、3本以上の小花序が出る。1本の小
【減少の要因】河川開発、水質汚濁、農薬汚染、その他。
【特記事項】旧版植物誌には児玉・大里・比企・入間・
北足立・南埼玉・北葛飾郡市に記録がある。
花序は上方に球状の雄花群を多数つけ、下方に球状の
〔ミクリ科〕
〔和名〕ヤマトミクリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Sparganium fallax Graebn.
状の雄花群が5~8個つく。最下の雌花群には柄があ
【摘要】本州(関東以西)、九州。国外では東アジア、南
り柄長3cm。その柄は軸の途中(葉腋ではないところ)
アジア。暖温帯の湿地、浅い池沼に生育する。県内で
からでる。花柱1mm、柱頭は太く長さ1mm。
は低地・丘陵の沼沢地に生ずる。
【形態の特徴】地下茎を伸ばして群生する。葉幅5.5~
【生活形】多年草で水湿植物。
13mm。7~8月に開花。茎頂に1本の花序がでる。花
【減少の要因】湿地開発、土地造成、埋め立て。
序の下方に球状の雌花群が3~5個つき、上方には球
【特記事項】旧版植物誌には比企郡市に記録がある。
〔ミクリ科〕
〔和名〕ナガエミクリ(コミクリ)
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Sparganium japonicum Rothert
【摘要】本州、四国、九州、対馬。国外では東アジア。
暖温帯から冷温帯にかけての湿地に生育する。県内で
は河川や水路にまれに生える。
【形態の特徴】地下茎を伸ばす。葉の裏面に稜がある。
― 187 ―
類
【生活形】多年草で水湿植物。
から台地の池沼や水路にまれに生ずる。
【形態の特徴】葉幅は8~14mm。6~8月に開花。葉腋
菌
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。国外では東
ら出る。花柱1mm、柱頭は太く長さ1mm。
葉幅4.5~11mm。7~8月に開花。茎頂に1本の花
序がでる。花序の上方には球状の雄花群が5~8個つ
【生活形】多年草で水湿植物。
く。下方には球状の雌花群が2~5個つく。最下の雌
【減少の要因】水質汚濁、園芸採取。
花群には長さ3cmほどの柄があって。その柄は葉腋か
維管束植物
〔ミクリ科〕
〔和名〕ヒメミクリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Sparganium stenophyllum Maxim.
蘚
【摘要】北海道、本州、九州、琉球。国外では東アジア、
~7個つく。花序の下方には球状の雌花群が1~3個
北アジア。暖温帯から冷温帯にかけての湿地に生育す
つく。雌花群は腋生で、すべて無柄。花柱1mm、柱頭
る。県内では山地の沼沢地にまれに生ずる。
は太く長さ1mm。果実に柄はほとんどない。
苔
【形態の特徴】地下茎を伸ばす。葉幅3~5mm。葉の裏
類
面に稜がある。6~8月に開花。茎頂に1~3本の花
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】水質汚濁。
序がでる。それぞれの花序の上方に球状の雄花群が2
藻
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕ハタガヤ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Bulbostylis barbata (Rottb.) Kunth
類
地
【摘要】本州、四国、九州、琉球に分布。国外では東ア
る。花序は5~15個の小穂からなる。小穂は長さ3~
ジア、南アジア、東南アジア、オーストラリアに分布
7mm、径2mm。鱗片に短芒がある。柱頭は3個。花柱
する。亜熱帯~暖温帯の草原・海岸・農耕地および路
の基部は肥厚する。刺針状の花被片はない。果は平滑、
傍に生育する。
3稜果で、熟すと黄褐色。
【形態の特徴】多数の茎が束状となり、糸状で短い葉が
衣
茎の基部に少数ある。茎の先端に頭状花序を1個つけ
【生活形】1年草。
【減少の要因】自然遷移、踏みつけ。
類
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕イトテンツキ(クロハタガヤ)
菌
〔学名〕Bulbostylis densa (Wall.) Hand.-Mazz. var. capitata (Miq.) Ohwi
類
【摘要】本州(中部~中国)
、四国、九州、琉球に分布。
熟すと濃褐色。小穂の鱗片の全てに両性花をつける。
国外では東南アジアに分布する。亜熱帯~暖温帯の草
鱗片は多数、鋭頭、全縁。刺針状の花被片はない。花
柱の基部は小さくこぶ状に膨らみ果の頂端に残る。
原および農耕地に生育する。
【形態の特徴】イトハナビテンツキと比べ、茎頂に数個
の無柄小穂が頭状に集合する。茎も葉も糸状。小穂は
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕トダスゲ(アワスゲ)
【生活形】1年草。
【減少の要因】草地開発、自然遷移。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Carex aequialta Kuek.
【摘要】本州(関東・中部)
、九州。国外では東アジア、
鈍頭~やや芒端。果胞は無毛、著しく膨らみ互いに押
中央アジア。暖温帯の草原、湿地、河原および農耕地
し合う、乾燥すると黒~褐変、長さ2.5~3mm、口部は
に生育する。県内ではの低地の河畔に極くまれに生ず
全縁。果はレンズ状で果胞にゆるく包まれる。
【生活形】多年草で半地中植物。
る。
【形態の特徴】走出枝はない。基鞘は濃褐色。苞葉に鞘
【減少の要因】河川開発、土地造成、自然遷移、産地極
はない。頂小穂は雄性。側小穂は雌性でときに雄雌性。
小穂は全て直立し茎の頂端に集まる。雌鱗片は緑色、
― 188 ―
限。
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕クロカワズスゲ
全国カテゴリー
〔学名〕Carex arenicola Fr. Schm.
芒端。果胞は無毛、長さ3~4mm、細長いくちばしの
東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての砂質草原に生
両側は2稜あるいはやや翼となり、口部は斜め切り全
縁。レンズ状果。
育する。県内では低地の湿地・河原に生ずる。
【形態の特徴】草高10~30cm。走出枝がある。茎の頂端
に小穂が数個かたまってつく。苞葉はない。いずれの
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】不明。
維管束植物
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
小穂も無柄で雄雌性。雌鱗片は黄褐色を帯び、鋭頭~
全国カテゴリー
苔
〔和名〕ヒラギシスゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Carex augustinowiczii Meinsh.
があり、先端は急に短いくちばしとなる。口部は膜質。
県内では亜高山帯に生ずる。
雌鱗片は鈍頭~鈍頭、黒紫褐色、背の1脈は淡緑。3稜
果。
【形態の特徴】短い走出枝を出す。基鞘に葉身がある。
【生活形】多年草で半地中植物。
直立、下方の小穂は有柄。小穂の径2~3mm。果胞は
【減少の要因】産地極限。
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
類
茎はざらつく。苞葉に鞘はない。上方の小穂は無柄で
藻
東アジア。
寒帯から温帯上部の渓流の岩上に生育する。
類
長さ2.5~3mm。淡緑色で無毛、雌鱗片の1.5倍の長さ
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
蘚
〔カヤツリグサ科〕
全国カテゴリー
地
〔和名〕ナガミショウジョウスゲ(ツクバスゲ)
衣
〔学名〕Carex b1epharicarpa Franch. var. stenocarpa Ohwi
なる。苞は有鞘、短い葉身がある。雌鱗片は赤褐色、
生育する。
類
長さ1~3cm、最下のものはときに離れてやや根生状と
【摘要】本州、四国、九州に分布。谷川の渓流の岸辺に
果胞には長い嘴がある。
【形態の特徴】根茎があってやや大きな株をつくる。茎
【生活形】多年草で半地中植物。
維に分解する。頂小穂は雄性、棍棒形で長さ1~3cm、
【減少の要因】河川開発。
菌
は高さ10~50cm、葉は幅2~4mmで鞘はときに褐色の繊
黄褐色。側生のものは1~4個あって、雌性で長楕円形、
類
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕アワボスゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex brownii Tuckerm.
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬、琉球に分布。
白色膜質、先端に芒がある。芒を含む雌鱗片の長さは
国外では東アジア、東南アジア、オーストラリアに分
果胞より長い。雄鱗片にも芒がある。果胞は無毛、乾
布する。亜熱帯~中間温帯の湿地・川原および森林に
燥すると黒~褐変、長さ3mm、先は急に短いくちばし
生育する。
となる。果は3稜で頂部に付属体はない。
【形態の特徴】走出枝はない。基鞘は暗赤紫色。苞葉に
鞘がある。頂小穂とそのすぐ下の側小穂は重なるが、
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
他の側小穂は離れてつく。雌鱗片の背は緑色、両側は
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕ジョウロウスゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Carex capricornis Meinsh.
【摘要】北海道、本州(中部以北)。国外では北アジア、
片は果胞より短く、芒がある。果胞は長さ7~9mm、
東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての水湿地に生育
無毛で多数の脈があり、細長く伸びる。口部は硬化し
する。県内では低地の池沼の縁にまれに生ずる。
て2裂し、裂片は針状となり大きく開出。果は3稜で
果胞に密接する。
【形態の特徴】走出枝はない。一般に苞葉に鞘はない。
雌小穂は短い円柱状で著しく密に果胞をつける。雌鱗
【生活形】多年草で水湿植物。
― 189 ―
【減少の要因】湿地開発、埋め立て、帰化競合。
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
維管束植物
〔和名〕ヌマアゼスゲ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Carex cinerascens Kuek.
【摘要】本州(関東以北)
。国外では東アジア。冷温帯の
小穂は雌性。何れの小穂も直立。雌鱗片は濃褐色で鈍
水湿地に生育する。県内では低地の河畔や湿地に極く
頭。果胞は扁平で無毛無脈、全面に不明瞭な乳頭状突
まれに生ずる。
起を密布、長さ2~3mm、くちばしはなく口部全縁。
レンズ状果。
【形態の特徴】走出枝がある。基鞘は暗褐色でやや葉身
蘚
がある。葉は幅2~3mm、乾燥すると両縁は外側に丸
【生活形】多年草で水湿植物。
まる傾向がある。苞葉に鞘はない。頂小穂は雄性、側
【減少の要因】河川開発、湿地開発、埋め立て。
苔
類
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕サナギスゲ
全国カテゴリー
〔学名〕Carex grallatoria Maxim. var. heteroclita (Franch.) Kükenth.
藻
果胞の上半分にわずかに短毛がある。果は3稜で果胞
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州に分布。暖温帯
に密着する。
の森林および岩れき地に生育する。
【形態の特徴】走出枝がある。基鞘は褐~赤紫色。葉幅
類
1~2.5mm。花序は頂小穂1個のみで雄雌性、下方の雌
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採。
花(果胞)はごく疎ら。雌鱗片は鈍頭。雄鱗片も円頭。
地
〔カヤツリグサ科〕
衣
〔和名〕ヤマアゼスゲ
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では東
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex heterolepis Bunge
ある。雌鱗片は暗紫褐~黒紫色で鈍頭~やや芒端。果
アジアに分布する。暖温帯~中間温帯の湿地・川原お
胞は扁平で無毛無脈、全面に不明瞭な乳頭状突起を密
よび農耕地に生育する。
布、長さ2.5~3mm、ごく短いくちばしがあり、口部は
菌
2歯。レンズ状果。
【形態の特徴】走出枝がある。基鞘は褐色で数枚は鱗片
状。葉は幅3~5mm、乾燥すると両縁は外側に丸まる
【生活形】多年草で水湿植物。
傾向がある。苞葉に鞘はない。頂小穂は雄性、側小穂
【減少の要因】湿地開発、自然遷移。
類
は雌性。いずれの小穂も直立。下方の小穂には短柄が
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕ウマスゲ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Carex idzuroei Fr. et Sav.
著しく大きく長さ1~1.2cm、無毛、脈は目立ち、細長
【摘要】本州、四国、九州に分布。国外では東アジアに
いくちばしがある。口部は膜質。乾燥すると黒~褐色
分布する。暖温帯の湿地および川原に生育する。
に変わる。果は3稜で果胞にゆるく包まれる。
【形態の特徴】長い走出枝がある。葉の裏は淡緑色で粉
白色にはならない。苞葉には鞘がないか、あるいは2
【生活形】多年草で水湿植物。
~3mmの鞘をもつ。側小穂は茎の頂部に離れてつく。
【減少の要因】湿地開発、自然遷移。
雌鱗片は5mmほどで鋭頭。果胞は他のスゲと比べると
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕アズマスゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex lasiolepis Franch.
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州に分布。
葉幅3~5mm。苞葉には鞘がある。苞葉片は刺状で葉
国外では東アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の森林
身はほとんどない。雌鱗片は赤褐色で毛が密生し、円
および岩れき地に生育する。
頭で中央に芒がある。果胞も有毛で、長さ4~4.5
【形態の特徴】草高5~15cmの小型のスゲ。茎は葉より
mm、基部に明瞭な柄があり、くちばしは短い。果は3稜
も短い。走出枝はない。茎や葉には細毛が密生する。
で果胞に密着する。果の頂部に盤状の付属体がつくこ
― 190 ―
とがある。
【減少の要因】森林伐採。
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
〔和名〕ヤガミスゲ
全国カテゴリー
〔学名〕Carex maackii Maxim.
【摘要】北海道、本州(東北を除く)
、四国、九州に分布。
ずかに雄花がある。雌鱗片は淡緑色で鈍頭。果胞は長
国外では東アジア、北アジアに分布する。暖温帯~中
さ3.5mm、
著しく扁平で無毛で、
次第にくちばしとなり、
間温帯の草原・湿地および川原に生育する。
その両側の稜はやや翼となる。口部は2歯。レンズ状
【生活形】多年草で半地中植物。
で、茎に6~14個ほどつく。雌雄性で小穂の基部にわ
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
苔
端に小穂が集まって並ぶ。小穂は無柄、長さ5~8mm
蘚
果。
【形態の特徴】走出枝はない。通常苞葉はない。茎の頂
維管束植物
〔カヤツリグサ科〕
類
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕タチスゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex maculata Boott
美大島、琉球。国外では東アジア、南アジア。亜熱帯
小穂は離れる。雌鱗片は黄褐色を帯び、先端は鈍頭。
から暖温帯にかけての湿地に生育する。県内では低地
果胞は無毛で長さ2.5mm、全面に乳頭状突起を密布す
の畔・溝・湿地に極くまれに生ずる。
る。果は3稜で頂部に付属体はない。
【形態の特徴】走出枝はない。葉の表はやや灰色を帯び
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
類
〔和名〕ヤチカワズスゲ
【減少の要因】湿地開発。
〔学名〕Carex omiana Franch. et Sav.
の雌花は熟すと反曲する。雌鱗片は黄褐色で、鈍頭~
暖温帯から中間温帯にかけての湿地に生育する。県内
鋭頭。果胞は長さ4~5mm、やや扁平で無毛、くちば
では山地の湿地に生ずる。
しは細長く、翼はほとんどない。口部は2歯。レンズ
状果。
【形態の特徴】走出枝はほとんどない。茎の頂端に数個
【生活形】多年草で水湿植物。
長さ6~15mm、雌雄性で雄花は小穂の基にあり、上方
【減少の要因】ゴルフ場造成。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex phacota Spreng.
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球に分布。国外
脈は突き出て芒となる。果胞は扁平無毛やや無脈で、
では東アジア、南アジア、東南アジアに分布する。亜
全面に乳頭状突起を密布、長さ2.5~3.5mm、ごく短い
熱帯~中間温帯の湿地および川原に生育する。
くちばしがあり、口部は全縁。果はレンズ状で果胞に
ややゆるく包まれる。
【形態の特徴】走出枝はない。基鞘は褐~黄褐色でやや
葉身がある。苞葉に鞘はない。通常頂小穂は雄性、側
【生活形】多年草で水湿植物。
小穂は雌性、まれに雄雌性で径3~4mm。小穂は柄が
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
あって垂れ下がる。雌鱗片は黄褐色、円頭~鈍頭で、
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕タカネマスクサ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex planata Fr. et Sav.
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。暖温帯の湿
がない。小穂は無柄で卵状、長さ6~10mm、幅4~6
mm。雌雄性で少数の雄花が小穂の基にある。雌鱗片は
地・農耕地および森林に生育する。
【形態の特徴】ときに短い根茎がある。苞葉は長くて鞘
― 191 ―
淡黄褐色で、鈍頭~芒端。果胞は長さ4mm、著しく扁
類
の小穂が集まる。苞葉は鱗片状~刺状。小穂は無柄で
〔和名〕ヒメゴウソ(アオゴウソ)
菌
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア。
〔カヤツリグサ科〕
衣
〔カヤツリグサ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
地
た緑で、裏はやや粉白色。基鞘は淡褐色。苞葉には鞘
類
がある。頂小穂とすぐ下の側小穂は重なるが、他の側
藻
【摘要】本州、四国、九州、屋久島・種子島、対馬、奄
平で無毛、両側に広い2翼がある。口部は2歯。レン
【生活形】多年草で半地中植物。
ズ状果。
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
維管束植物
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕チチブシラスゲ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Carex planiculmis Komar. var. urasawae Ohwi
雌鱗片は淡緑~淡黄褐色で鋭頭。果胞は密、軸に開出
【摘要】本州(関東)。冷温帯の森林に生育する。県内で
~反曲ぎみにつく。果胞は無毛、細長いくちばしがあ
は十文字峠周辺に稀産。
り口部膜質。果胞は乾燥しても褐変しない。3稜果。
【形態の特徴】走出枝がある。葉の裏はやや粉白色、ヒ
蘚
カゲシラスゲより幅広い。苞葉は無鞘。雌小穂長2~
【生活形】多年草で半地中植物。
5cm、最下小穂には短柄があるが、上方小穂は無柄。
【減少の要因】森林伐採、産地極限、動物食害。
苔
類
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕タヌキラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex podogyna Fr. et Sav.
藻
て長毛がある。口部は短い2歯。有毛の長い柄があり、
【摘要】北海道及び近畿以北の本州に分布。暖温帯~中
果胞の長さは柄も含めて12~15mm。柱頭は宿存しない。
間温帯の岩れき地に生育する。
レンズ状果。
【形態の特徴】苞葉に鞘はない。基鞘は鱗片状で赤紫~
類
赤褐色。頂部の1~3小穂は雄性。下方の側小穂は雌
【生活形】多年草で半地中植物。
性で柄があり垂れる。雌鱗片は黒褐色で短芒。果胞は
【減少の要因】河川開発、その他。
扁平で次第にくちばしとなる。2稜があり、稜に沿っ
地
衣
〔カヤツリグサ科〕
類
〔和名〕オニナルコスゲ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Carex vesicaria L.
菌
【摘要】北海道、本州(東北~近畿)
、九州に分布。国外
6~10mmで、上方のものはほとんど柄がなく、下方の
では東アジア、北アジア、ヨーロッパ、北アメリカに
ものには柄がある。雌鱗片は黄褐色で鋭頭。果胞は無
分布する。暖温帯~亜寒帯の湿地および川原に生育す
毛、長さ5~8mm、先端は急に細くなってくちばしと
る。
なる。口部は硬化した2歯。果は3稜で、ゆるく果胞
に包まれる。
【形態の特徴】長い走出枝がある。基鞘は紫褐~血赤色。
類
葉幅は3~6mm。苞葉には鞘がない。茎の上部はざら
【生活形】多年草で水湿植物。
つく。頂端にある2~3個の小穂は雄小穂で、下方の
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
1~3個の小穂は雌小穂。雌小穂は長さ3~7cm、径
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕カンエンガヤツリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Cyperus exaltatus Retz. var. iwasakii (Makino) T. Koyama
【摘要】本州(関東・東北)
。国外では東アジア、東南ア
端はやや反り返る。花柱は果の2倍以上の長さで、基
ジア、オーストラリア。暖温帯の湿地および河原に生
部は細まり果に続く。刺針状の花被片はない。柱頭は
育する。県内では湿地にややまれに生ずる。
3個。3稜果。
【形態の特徴】走出枝はない。葉身がある。カヤツリグ
サと同様な花序だが大型。小穂がつく軸は明瞭。小穂
【生活形】1年草。
【減少の要因】河川開発、池沼開発、農薬汚染、自然遷
は著しく扁平、長さ5~8mm、やや黄褐~黄緑色、10
移、その他。
~20個の小さい両性花が2列に並ぶ。鱗片の竜骨の先
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕シロガヤツリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Cyperus pacificus (Ohwi) Ohwi
【摘要】北海道、本州(近畿以東)。国外では東アジア、
北アジア。暖温帯から冷温帯にかけての湿地、河原お
― 192 ―
よび農耕地に生育する。県内では低地の水湿地に極く
まれに生ずる。
はない。柱頭は2~3個。果はレンズ状、鋭稜でわず
【形態の特徴】茎頂に小穂が密集して、柄のない頭状~
球状の花序(径1.4mm)を1個つくる。小穂はやや扁平、
かに翼がある。
白緑色、小花(両性花)は2列に並ぶが、らせん配置
【生活形】1年草。
も混じる。鱗片は披針形で果の2倍長、鋭頭、竜骨は
【減少の要因】湿地開発、その他。
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ヒメガヤツリ(ミズハナビ)
全国カテゴリー
維管束植物
ない。花柱の基部は細まり果に続く。刺針状の花被片
〔学名〕Cyperus tenuispica Steud.
る。鱗片は果の2倍長、竜骨鋭稜、先の突起はやや反
オセアニア、オーストラリアに分布する。亜熱帯~暖
り返る。花柱の基部は細まり果に続く。刺針状の花被
3~8小穂が掌状につく。小穂は扁平、紅褐色、多数
【生活形】1年草。
類
片はない。柱頭は3個。3稜果。
温帯の湿地および川原に生育する。
【形態の特徴】走出枝はださない。花序の小枝の先端に
苔
個の小さい両性花が2列に並び、その軸は一部露出す
琉球に分布。国外では東アジア、南アジア、アフリカ、
蘚
【摘要】本州(関東・中部)、四国、九州、屋久島、対馬、
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
藻
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕スジヌマハリイ
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Eleocharis equisetiformis B. Fedtsch.
頭、多数で同長。刺針状の花被片は4本、果の1.5~2
では湿性の砂地に生える。
倍長。花柱基部の膨みはごく小さい。柱頭は2個。レ
地
暖温帯から冷温帯の湿地および河原に生育する。県内
類
の2個の鱗片には花がない。鱗片は膜質、濃褐色、円
【摘要】本州(東北・中部)
、九州。国外では東アジア。
ンズ状果。
【形態の特徴】根茎がある。基鞘に葉身はない。茎は硬
く稜があり中実、横隔膜はない、乾燥しても扁平にな
【生活形】多年草で水湿植物。
衣
らない。小穂は茎頂に1個、茎より太い。小穂の最下
【減少の要因】湿地開発。
類
〔カヤツリグサ科〕
全国カテゴリー
〔学名〕Eleocharis mamillata Lindb. fil. var. cyclocarpa Kitag.
赤褐色を帯びる。果は倒卵円形で長さ1.5~2mm、黄褐
鮮半島、ウスリー、中国東北部に分布する。山地の浅
色。刺針状の花被片は6個あって果の2倍の長さがあ
い池沼に生育する。
り、下向きにざらつく。7~10月に熟す。
【形態の特徴】長く匍匐する枝がある。茎は高さ30~
70cm、断面は円くて平滑、やわらかくてつぶれやすい。
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】自然遷移、動物食害。
小穂は披針形または卵形で長さ1~3cm、幅3~6mm、
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕コツブヌマハリイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Eleocharis parvinux Ohwi
片は4本で、果の長さの2~3倍長。花柱の基部の膨
【摘要】本州(関東)
。暖温帯の湿地および河原に生育す
らみは小さく、果の頂端に残る。柱頭は2個。レンズ
る。県内低地の池沼や湿地にまれに生ずる。
状果。
【形態の特徴】細長い根茎がある。基鞘に葉身はない。
茎は中実、横隔膜はない。小穂は茎頂に1個、長楕円
【生活形】多年草で水湿植物。
状で茎より太い。
小穂の最下の2個の鱗片に花はない。
【減少の要因】その他。
鱗片は膜質、鋭頭、褐色、多数で同長。刺針状の花被
― 193 ―
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州に分布。国外では朝
菌
〔和名〕ヌマハリイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕コアゼテンツキ
全国カテゴリー
〔学名〕Fimbristylis aestivalis (Retz.) Vahl
維管束植物
【摘要】本州に分布。国外では東アジア、北アジア、南
鱗片に芒はない。柱頭は2個。花柱は扁平で、上部は
アジア、東南アジアに分布する。暖温帯~冷温帯の草
有毛。花柱の基部は無毛。刺針状の花被片はない。花
柱は基部で脱落。果はレンズ状で平滑、熟すと淡褐色。
原・湿地・農耕地および路傍に生育する。
【形態の特徴】カヤツリグサと同様な花序だが小型。花
序の小穂は多数。小穂は長卵形で長さ4~7mm、径1
【生活形】1年草。
【減少の要因】湿地開発、草地開発、踏みつけ。
~1.5mm。全ての鱗片に両性花があり、ら旋状に並ぶ。
蘚
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
苔
〔和名〕ノテンツキ(ヒラテンツキ)
全国カテゴリー
〔学名〕Fimbristylis complanata (Retz.) Link
類
性花5~15個がら旋状に並ぶ。鱗片の長さ2.5~3mm。
【摘要】本州(関東以北)
、四国、九州、琉球に分布。国
藻
外では東アジア、南アジア、東南アジアに分布する。
柱頭は3個。花柱は棒状で平滑。刺針状の花被片はな
暖温帯の草原・湿地および川原に生育する。
い。花柱は基部で脱落。果は倒卵状3稜形で淡白色。
【形態の特徴】基鞘に葉身がある。茎は扁平。葉は革質。
カヤツリグサと同様な花序だが小型。花序の小穂は3
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
類
個~多数。苞葉は直立する。小穂は長さ5~8mm、両
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
衣
【摘要】北海道、本州、九州に分布。国外では東アジア、
種の大きな特徴。柱頭は2個。花柱は扁平で上部有毛。
南アジア、ヨーロッパ、アフリカに分布する。亜熱帯
花柱の基には長毛があり、果の上から垂れ下がる。刺
~暖温帯の草原・湿地・農耕地および路傍に生育する。
針状の花被片はない。花柱は基部で脱落。果はレンズ
類
地
〔和名〕アゼテンツキ
〔学名〕Fimbristylis squarrosa Vahl
状で平滑、熟すと淡褐色。
【形態の特徴】カヤツリグサと同様な花序だが小型。花
菌
序の小穂は多数。小穂は長卵形、長さ4~7mm、径1
【生活形】1年草。
~1.5mm、全ての鱗片に両性花があり、ら旋状に並ぶ。
【減少の要因】湿地開発、草地開発、踏みつけ。
鱗片の脈が突き出て芒となる。芒は反り返るのがこの
類
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕イトイヌノハナヒゲ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Rhynchospora faberi C.B. Clarke
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島。国外では
穂の長さは4~5mm。小穂は1個の両性花と少数の鱗
北アジア、東アジア。暖温帯から中間温帯にかけての
片からなる。鱗片は褐色で不同長。刺針状の花被片は
草原、湿地および河原に生育する。県内では低地の湿
6本、果より少し長い。果は広倒卵形。柱頭は2個。
地に生える。
レンズ状果。
【形態の特徴】草高10~40cmで小型。茎の径0.5mm。花序
枝の柄は糸状、先端に2~5個の小穂が集合する。小
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕オオイヌノハナヒゲ
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】河川開発、湿地開発、埋め立て。
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Rhynchospora fauriei Franch.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア、
針状の花被片は6個、果の3~4倍長、刺針は下向き
北アジア。暖温帯から中間温帯にかけての湿地および
の歯牙があってざらつくか(顕微鏡で)または滑らか
河原に生育する。
(ルーペで)
。柱頭は2個。レンズ状果。
【形態の特徴】花序枝は短い柄があり、先端に小穂が密
集する。小穂の長さは8~9mm。小穂は1~2個の両
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】河川開発、湿地開発、埋め立て。
性花と少数の鱗片からなる。鱗片は褐色で不同長。刺
― 194 ―
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
〔和名〕コイヌノハナヒゲ
全国カテゴリー
〔学名〕Rhynchospora fujiiana Makino
は1個ほどの両性花と少数の鱗片からなる。鱗片は褐
暖温帯の湿地および河原に生育する。県内では寄居付
色で不同長。刺針状の花被片は6個、果より少し長い。
果は倒卵形。柱頭は2個。レンズ状果。
近の湿地に極くまれに生ずる。
【形態の特徴】草高30~70cm。花序枝は短い柄があり、
先端に小穂が集合する。小穂の長さは5~6mm。小穂
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Schoenus apogon Roem. et Schult.
苔
〔和名〕ノグサ
【減少の要因】埋め立て。
さ4~6mm。小穂は5~6枚の鱗片と2個ほどの両性
南アジア、オーストラリア。亜熱帯から暖温帯にかけ
花からなる。刺針状の花被片は6個、果の2倍長。3
ての湿地、海岸、岩・礫地に生育する。県内では秩父
稜果。
【形態の特徴】草高20~40cm。葉幅0.5mm。茎の各節に数
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
藻
【生活形】多年草で半地中植物。
類
【摘要】本州、四国、九州、種子島、琉球。国外では東
盆地の湿地にまれに生ずる。
蘚
〔カヤツリグサ科〕
【生活形】多年草で半地中植物。
維管束植物
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では東アジア。
個の有柄小穂・無柄小穂が集合する。小穂は扁平、長
類
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕コマツカサススキ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Scirpus fuirenoides Maxim.
【形態の特徴】草高0.8~1.2m。走出枝はない。葉は横小
幅1~1.3mm。刺針状の花被片は6個。花柱の基部は細
【生活形】多年草で水湿植物。
数個ある。柄はやや平滑。小穂は濃褐色、長さ5~7
【減少の要因】湿地開発。
類
まり果に続く。花柱は3個。果長1mm、扁3稜果。
脈不明、幅3~4mm。柄の先端に無柄の小穂が20個ほ
ど集合し、小さな球状の花序を構成する。小花序は10
衣
mm、全ての鱗片に両性花があり、ら旋状に並ぶ。鱗片
地
【摘要】本州、四国、九州に分布。湿地に生育する。
菌
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕ヒメホタルイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
類
〔学名〕Scirpus lineolatus Fr. et Sav.
【摘要】北海道、本州(東北を除く)、四国、九州、対馬、
7~10mm、径2.5~3.5mm。全ての鱗片に両性花があり、
琉球に分布。国外では東アジアに分布する。暖温帯~
ら旋状に並ぶ。鱗片に細脈があり、鋭頭。刺針状の花
中間温帯の湿地および川原に生育する。
被片は4~5個、果の2倍長。花柱の基部は細まり果
に続く。花柱は2個。レンズ状果。
【形態の特徴】草高7~20cmで小型。走出枝がある。葉
は葉鞘だけで葉身は退化。苞葉が直立し、花序は茎に
【生活形】多年草で水湿植物。
側生状。花序は通常無柄で、小穂は1個。小穂は長さ
【減少の要因】河川開発、湿地開発。
〔カヤツリグサ科〕
〔和名〕タタラカンガレイ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Scirpus mucronatus L. var. tataranus Honda
花序は無柄小穂5~20個が頭状に集合。
小穂はだ円形、
【摘要】カンガレイの分布に重なると考えられる。北海
道、本州、四国、九州、琉球。国外では東アジア、東
長さ1cm。すべての鱗片に両性花があり、ら旋状に並
南アジア、南アジア。県内では低地や丘陵の湿地や池
ぶ。刺針状の花被片6本、果より短い。花柱基部は細
く果につづく。花柱3。扁3稜果、果長2~2.5mm。
沼にはえる。
【形態の特徴】根茎は短い。茎は太く3稜があり、稜は
鋭く狭い翼がある。苞葉が直立し、花序は茎に側生状。
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】その他。
― 195 ―
〔カヤツリグサ科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕タイワンヤマイ
全国カテゴリー
〔学名〕Scirpus wallichii Nees
維管束植物
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、南アジ
個からなる。小穂は鋭頭、披針形、長さ0.8~2cm。全
ア、東南アジア。亜熱帯から暖温帯にかけての池沼、
ての鱗片に両性花があり、ら旋状に並ぶ。刺針状の花
湿地および河原に生育する。県内では低地の湿地にま
被片4個、果より長い。花柱の基部は細まり果に続く。
れに生ずる。
花柱は2個。レンズ状果、果長1.5~1.8mm。
【形態の特徴】走出枝は不明。茎はほぼ円柱状。苞葉が
直立し、花序は茎に側生状。花序は無柄の小穂1~3
蘚
〔カヤツリグサ科〕
【生活形】多年草で水湿植物。
【減少の要因】その他。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
苔
〔和名〕コシンジュガヤ
全国カテゴリー
〔学名〕Scleria parvula Steud.
類
藻
【摘要】本州、四国、九州。国外では東アジア、東南ア
果は小球形で、光沢のある格子紋がある。果の基盤は
ジア、南アジア、アフリカ。暖温帯の水湿地に生育す
3裂し、裂部は鋭頭。果は熟すと裸出し、小穂から脱
る。県内では低地の湿地に極くまれに生ずる。
落。
【形態の特徴】根茎は発達しない。葉鞘には広い3翼があ
る。葉身は長さ10~20cm。花序枝は長さ1~3cm。花
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】湿地開発、埋め立て。
類
は雌雄同株で、雌花と雄花が別。小穂は長さ3~5mm。
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
地
〔和名〕ミスズラン
衣
【摘要】本州中部(浅間山・八ヶ岳)に分布。針葉樹林下
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Androcorys japonensis F. Maek.
円形で長さ1mm。側萼片は背萼片よりすこし長く、不揃
類
いの小歯牙がある。側花弁は背萼片より短い。唇弁は
にまれに生える。
舌状披針形で長さ1.5mm、距はない。
【形態の特徴】球茎は卵形。茎は高さ8~!5cm。葉は1個
菌
で倒披針状楕円形、長さ2~3cm、幅0.7~1cm、基部は
【生活形】多年草で地中植物。
細くなって葉柄状になる。花茎に鱗片葉はない。花は
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
淡緑色で、6~7月に数花を穂状につける。背萼片は楕
類
〔ラン科〕
〔和名〕シラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Bletilla striata (Thunb.) Reichb. fil.
【摘要】本州(東北・中部を除く)、四国、九州、琉球。
開。葉は茎の下方に5~6枚が互生、葉柄は鞘となり
国外では東アジア。亜熱帯から暖温帯にかけての草原
互 い に 重 な る 。 鱗 茎 は 白 色 球 状 。 f. gebina
に生育する。県内では荒川上流のやや湿った岩上に生
(Lindl.)Ohwi シロバナシランは花の色が薄い紅色の
育する。
もの。
【形態の特徴】5~6月に長さ約50cmの茎の上部に、紫
紅色の花を総状につける。花径2~3cm、花被片は平
〔ラン科〕
〔和名〕ムギラン
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】園芸採取、土地造成。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Bulbophyllum inconspicuum Maxim.
肉質で厚く長楕円形で長さ1~3cm。茎は糸状のつる
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
で硬くひげ根を出して岩面や樹皮に着生する。
島・種子島、対馬。暖温帯の森林内の樹上や岩上に着
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
生する。
【形態の特徴】6月に茎に側生するムギ粒状の花柄の先
端に、黄白色の花径約4mmほどの花1~3個がつく。
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里郡市に記録があ
外花被片側方の2片は上片の2倍の長さがある。葉は
― 196 ―
る。
〔ラン科〕
〔和名〕エビネ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Calanthe discolor Lindl.
~3枚が根生し長楕円形で長さ15~25cm、越冬する。
【摘要】北海道、本州、四国、九州、琉球。国外では東
【生活形】多年草で地中植物。
ら山地の落葉樹林内に生育する。
【形態の特徴】4~5月に束生する葉の間から30~40cm
の花茎を出し、8~15個の花をつける。花径2~3cm
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
維管束植物
地下茎には節があり多くのひげ根を出す。
アジア。暖温帯から冷温帯にかけての、低地の竹林か
入間・北足立・北埼玉郡市に記録がある。
で花被片は全開する。外花被片の紫褐色と内花被片の
白色が目立つ。唇弁は淡紅色で深く3裂する。葉は2
蘚
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
類
〔和名〕キンセイラン
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Calanthe nipponica Makino
3~5枚が根生し広披針形で長さ15~30cm。花茎の長
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
、四国、九州。冷温
片は広針形~広線形。唇弁は広卵状三角形で3裂し赤
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採集、動物食害。
類
いとさか状の隆起がある。距は細く長さ約4mm。葉は
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
地
〔和名〕サルメンエビネ
〔学名〕Calanthe tricarinata Lindl.
【減少の要因】園芸採集。
【特記事項】旧版植物誌には生育地として、奥秩父があ
弁は汚黄緑色で平開し先は内曲する。唇弁は下垂して
げられている。その後確かな記録もなく、絶滅したも
3裂、中裂片は他の2片より大きく褐色の斑紋があり
のと思われる。
菌
らではあるが総状につける。花径約4cm、花被片の5
類
【生活形】多年草で地中植物。
では東アジア。冷温帯の森林に生育する。
衣
30cmで厚膜質。地上部は冬枯れる。
【摘要】北海道、本州(関東・中部)
、四国、九州。国外
【形態の特徴】5~6月茎の上方に10~15個の花をまば
藻
さ30~60cm。
帯の山地の木陰に生育する。
【形態の特徴】6月頃淡黄色の花を疎らにつける。花被
苔
〔ラン科〕
縁にひだが多い。距はない。葉は倒披針形で長さ20~
類
〔ラン科〕
〔和名〕ホテイラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Calypso bulbosa (L.) Oakes var. speciosa (Schltr.) Makino
は10cm内外。根茎は多肉紡錘状、根茎の先から1茎1
【摘要】本州(中部)
。亜高山帯の針葉樹林下のやや暗い
葉を出す。
ところに生える。
【形態の特徴】5~6月に高さ約10cmの茎に、香りのあ
【生活形】多年草で地中植物ないし半地中植物。
る淡紅紫色の花をつける。唇弁は下垂し、白色袋状で
【減少の要因】園芸採集、動物食害。
袋の先端は少し伸び、2つに分れる。葉は卵状楕円形
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
で長さ4~5cm。葉面や葉縁にしわがある。茎の高さ
〔ラン科〕
〔和名〕ギンラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Cephalanthera erecta (Thunb.) Bl.
長楕円形で3~6枚が互生、基部は茎を抱く。茎は緑
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島、対馬に分
色で直立し、高さ15~30cm。根茎より細根を束生。
布。国外では東アジアに分布する。暖温帯~中間温帯
【生活形】多年草で地中植物。
の森林に生育する。
【形態の特徴】4~5月に、茎の先に3~5個の花をつ
ける。花は白色で、花被片は平開しない。唇弁には3
【減少の要因】管理放棄、森林伐採、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
個の隆起条があり、基部は花被の外に突き出る。葉は
― 197 ―
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ユウシュンラン
全国カテゴリー 滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume var. subaphylla Ohwi
る。また花被片相互の間にすこし隙間ができる。
【摘要】北海道~九州に分布する。希な植物で、本県で
維管束植物
【生活形】多年草で地中植物。
もほんの数例が確認されているだけである。
【形態の特徴】雑木林に生育するギンランの変種で、葉
【減少の要因】森林伐採。
が退化し麟片状か、もしあっても小形で2cm以下であ
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
蘚
〔和名〕キンラン
苔
【摘要】本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島・種子島。
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Cephalanthera falcata (Thunb.) Bl.
く。茎は緑色で直立し高さ20~50cm。根茎は細根を束
類
生する。
国外では東アジア。暖温帯から中間温帯にかけての山
【生活形】多年草で地中植物。
地や丘陵台地の林下に生育する。
【形態の特徴】4~5月茎の先に黄色の花10個内外を総
【減少の要因】園芸採取、自然遷移、管理放棄、土地造
藻
成。
状につける。花はやや直立し長さ約1.5cmで全開しな
い。唇弁に5~7個赤橙色の隆起条がある。葉は長楕
【特記事項】旧版植物誌には全郡市に記録がある。
円状披針形で厚く、縦に粗いしわがあり基部は茎を抱
類
〔ラン科〕
〔和名〕ササバギンラン
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Cephalanthera longibracteata Bl.
地
本を出す。ギンランより大形で苞が長いので区別でき
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州に分布。
衣
る。
国外では東アジア、北アジアに分布する。暖温帯~冷
類
【生活形】多年草で地中植物。
温帯の森林に生育する。
【形態の特徴】花は5~6月、茎の先に総状花序を出し、
白色花を数個つける。唇弁の基部は短く突出する。葉
【減少の要因】管理放棄、森林伐採、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・北足立・南埼
菌
玉郡市に記録がある。
は広披針形で、縦脈が明瞭で、下面脈上と葉縁に短毛
状の突起がある。多肉化した根茎から、ひも状の根数
類
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔和名〕アオチドリ(ネムロチドリ)
〔学名〕Coeloglossum viride (L.) Hartm. var. bracteatum (Willd.) Richter
直立し稜がある。高さ20~40cm。根は手のひら状で白
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
、四国。国外では北
色の多肉根。
アジア、東アジア。亜高山帯の湿地に生える。
【形態の特徴】5~6月、茎の先に総状花序を出し淡緑
色に紫がかった花を多数つける。花径10~15mm、唇弁
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】林道など開発に伴う自生地の乾燥、園芸
採取、自然遷移、動物食害。
は紅紫緑色で下垂しやや多肉。先端が浅く3裂する。
葉は2~4枚で互生、長楕円形で長さ4~10cm。茎は
〔ラン科〕
〔和名〕サイハイラン
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Cremastra appendiculata (D. Don) Makino
に下向に半開する。
唇弁はやや肥厚し上部は3裂する。
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島
・種子島、対馬。国外では北アジア、東アジア、南ア
葉は1~2枚で長楕円形、長さ15~30cm、表面は暗緑
ジア。暖温帯から冷温帯にかけての丘陵から山地の落
色で3本の主脈が通り地面に伏し冬を越して枯れる。
葉樹林内に生育する。
地中には白色ラッキョウ大の鱗茎がある。
【形態の特徴】5~6月に長さ約40cmの花茎を出し、総
状花序に淡紫褐色の花を多数つける。花は花茎の片側
【生活形】冬緑の多年草で地中植物。
【減少の要因】園芸採取、管理放棄、土地造成。
― 198 ―
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕サガミランモドキ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Cymbidium aberrans (Finet) Schltr.
く先が少し尖る。唇弁は少し反る。苞は三角形に近い。
【摘要】本州、分布数は少ない。暖温帯の落葉広葉樹林
【形態の特徴】ごくまれに分布が見られる無葉緑の腐生
ラン。形態はマヤランに似ているが全体にマヤランよ
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】本来個体数が少ないので減少の要因は不
明、
ただ腐生ランなので森林が開発されれば失われる。
り小形である。7~8月茎の上方に白色から帯緑色の
維管束植物
茎は高さ5~10cmで葉はない。根は少数だがある。
の林内に、極くまれに生じる。
花径約1cmほどの花をつける。花被片はやや菱形に近
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
苔
〔和名〕シュンラン
全国カテゴリー
〔学名〕Cymbidium goeringii (Reichb. fil.) Reichb. fil.
質でひげ状根を多数出す。
アジア。暖温帯から冷温帯にかけての、台地から低山
【形態の特徴】3~4月直立した茎の先に1花をつける。
花径2~4cm、淡黄緑色で香りがある。唇弁はやや多
【減少の要因】園芸採取、土地造成、管理放棄。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
う生し長さ20~30cm、広線形でざらつき上半は垂れ下
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
衣
〔学名〕Cymbidium nipponicum (Franch. et Sav.) Makino
地
〔和名〕マヤラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
類
入間・北足立・南埼玉郡市に記録がある。
肉で強く反り返り紅紫斑がある。葉は短い根茎からそ
〔ラン科〕
藻
【生活形】常緑の多年草で地中植物。
帯までの落葉樹林内に生育する。
類
がる。鱗茎は白色球状で枯れた葉の基部で包まれ、肉
【摘要】北海道、本州、四国、九州、対馬。国外では東
蘚
〔ラン科〕
広い。唇弁は少し反り返り中央部で少しくびれ中央に
久島・種子島、琉球。亜熱帯から暖温帯にかけて分布
隆起した2条がある。茎は高さ10~25cm。地下茎は肉
類
【摘要】本州(関東・近畿)
、伊豆諸島、四国、九州、屋
質のひも状根で分岐する。
し、常緑広葉樹林内に散発的に生える。
花径3~4cmの花を2~5個つける。花被片は披針状
【生活形】多年草で地中植物ないし半地中植物。
【減少の要因】園芸採取。
菌
【形態の特徴】7~8月茎の上方に紅紫色ときに黄色の
楕円形で先が尖り、内花被片の方が外花被片より幅が
類
〔ラン科〕
〔和名〕コアツモリソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Cypripedium debile Reichb. fil.
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州。国外で
曲し紫色の線がある。茎の先に長さ2~5cm、広卵形
は東アジア。冷温帯から亜寒帯にかけての森林に生育
で無柄の2枚の葉が対生する。茎の高さ10~20cm。根
茎は短くひげ根を出す。
する。
【形態の特徴】5~6月細い茎の先に淡紫色のぼかしの
【生活形】多年草で地中植物。
ある淡黄緑色の花を下向きにつける。花の下に線状の
【減少の要因】園芸採集、動物食害。
包葉が1枚ある。唇弁はお椀状となり開口部の縁は内
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕クマガイソウ(クマガエソウ)
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Cypripedium japonicum Thunb.
2枚が向かい合ってつく。
下面に軟毛がまばらにつく。
【摘要】北海道、本州、九州。国外では東アジア。暖温
帯から冷温帯にかけての、丘陵や台地の竹林に群生す
茎は直立し高さ20~40cmで粗毛があり下部にいくつか
る。
の鞘状葉がある。根茎は屈曲して太くひげ根を出す。
【形態の特徴】4~5月、葉心から長さ約15cmの花柄を
【生活形】多年草で地中植物。
出し花径8~10cm、淡緑色の花1個を下垂して横向き
【減少の要因】道路工事、管理放棄。
に開く。葉はひだの多い扇円形で径10~20cm、無柄の
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・入間・北足立
― 199 ―
・南埼玉郡市に記録がある。
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅
維管束植物
〔和名〕アツモリソウ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Cypripedium macranthum Sw. var. speciosum (Rolfe) Koidz.
は短く横にはいひげ根を出す。
【摘要】北海道、本州(中部以北)。中間温帯から冷温帯
【生活形】多年草で地中植物。
にかけての草原および森林に生育する。
【形態の特徴】5~7月茎の先に淡紅色(まれに白色花
【減少の要因】園芸採集。
蘚
もある)の1花をつける。花径約5cm、唇弁は袋状と
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企・北埼玉郡市に
なり上部に漏斗状の開口部がある。葉は互生し広楕円
記録がある。その後確かな記録もなく、絶滅したもの
形で先が尖り長さ10~20cm、両面に毛があり基部は茎
と思われる。
苔
を抱く。茎は直立し高さ20~40cmで粗毛が多い。根茎
類
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕イチヨウラン
〔学名〕Dactylostalix ringens Reichb. fil.
藻
広楕円形で長さ3~5cm、多肉質でやや硬く上面は青
【摘要】北海道、本州(近畿以北)、四国、九州。亜高山
色を帯びる。根茎は多肉質で屈曲し根を数本出す。
帯の針葉樹林に生育する。
類
【形態の特徴】5~6月、葉腋から出た長さ10~20cmの
花茎の先に淡緑色の花が1個横向きに咲く。花被片は
【生活形】多年草で半地中植物ないし地中植物。
【減少の要因】針葉樹の立ち枯れや倒木に伴う自生地の
乾燥と日照量の増加、園芸採取、動物食害。
倒披針形で長さ2~2.5cm。
唇弁は白色くさび形で3裂
地
する。苞は楕円形で長さ2~3mm。葉は根生で1枚、
衣
〔ラン科〕
類
〔和名〕セッコク
全国カテゴリー
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Dendrobium moniliforme (L.) Sw.
菌
【摘要】本州(近畿以北)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
短く卵状ひし形。葉は広線形で基部は鞘になり茎を包
島・種子島、琉球。国外では東アジア。亜熱帯から暖
む。茎は根元から束生し高さ約5~30cm。根茎から多
温帯にかけての森林内で、モミの老木などの樹上や岩
数のひげ状の根を出し岩や樹木に着生する。
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
上に着生する。
類
【形態の特徴】5~6月茎の上部の節に枝を出し、花径
約3cmの白色または淡紅色の香りのある花を2個ずつ
【減少の要因】園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間郡
市に記録がある。
開く。花被片は楕円状披針形で先が尖る。唇弁は少し
〔ラン科〕
〔和名〕ハコネラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Ephippianthus sawadanus (F. Maek.) Ohwi
【摘要】本州(関東~近畿)
。冷温帯の針葉樹林に生育し、
な鋸歯がある。葉は長楕円形で長さ1~3cm、基部が
箱根、秩父、紀伊半島などに分布する。ブナ帯のアセ
やや鋭形になり上面に網状の脈がある。茎の長さ10~
ビ林やスズタケの下にも生える。
15cm。地下茎は細く綿毛があり1花茎1葉を出す。
【形態の特徴】コイチヨウランに似ている。花期は6~
【生活形】多年草で半地中植物。
7月花色は濃い緑色でコイチヨウランと異なる。花被
【減少の要因】園芸採集。
片は長楕円形で平開する。唇弁も長楕円形で縁に明瞭
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ラン科〕
〔和名〕コイチヨウラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Ephippianthus schmidtii Reichb. fil.
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
、四国。国外では北
【形態の特徴】7~8月葉柄のもとから10~15cmの1花
アジア。亜寒帯の森林に生育する。県内では秩父山地
茎を出し、
淡黄色で花径7~8mmの小花を数個つける。
のオオシラビソなどの針葉樹林下に生える。
花被片は長楕円形で平開する。唇弁は楕円形で距はな
― 200 ―
く花被片とほぼ同じ長さ。葉は1枚で有柄、卵円形で
【減少の要因】立木であるオオシラビソの立ち枯れや倒
木、園芸採取。
長さ1~2cm、先端はやや丸く基部は心臓形。地下茎
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
は細く綿毛がありはう。
【生活形】多年草で半地中植物ないし地中植物。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕エゾスズラン(アオスズラン)
全国カテゴリー
〔学名〕Epipactis papillosa Franch. et Sav.
ひだがあり細毛がつきざらつく、
5~7枚が互生する。
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州。国外で
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、踏みつけ、動物食
先が尖る。唇弁は少し白く、前部は三角形で扁平直立
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
害。
緑色の花が多数つく。花被片は緑色で内曲し楕円形で
苔
【形態の特徴】7~8月頃茎の先に総状花序が出て、淡
蘚
茎の高さは30~70cm。
は北アジア、東アジア。各地の亜高山帯の高木林内に
生える。
維管束植物
〔ラン科〕
し後部は丸い袋状。葉は楕円形で長さ7~12cm、縦に
藻
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕カキラン(スズラン)
全国カテゴリー
〔学名〕Epipactis thunbergii A. Gray
狭卵形で長さ6~13cm。茎は緑色で下部は紫色である。
帯から冷温帯にかけての山野や、谷すじなどの湿地に
根茎は横にはい多数のひげ状の根を出す。
【生活形】多年草で地中植物。
生育する。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企・入間郡
類
個ほどの花が横向きにつく。包葉は花被片より短く花
【減少の要因】園芸採取。
衣
【形態の特徴】5~7月、高さ30~70㎝の茎の上方に10
市に記録がある。
が終わっても残る。外花被片は厚く鮮明な橙褐色、内
〔和名〕トラキチラン
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Epipogium aphyllum (F.W. Schm.) Sw.
にふくらみがあり鱗状葉数片がつく。
東アジア、西アジア、ヨーロッパ。亜寒帯の森林に生
【生活形】多年草で地中植物。
育する。
【形態の特徴】9月茎の先に花径約1.8cm淡黄色の花を横
向きに開く。唇弁は桃色で内側には紅紫色の斑点が散
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
在し、多くのランと異なり唇弁が上で横向きに咲く。
地下に分岐しさんご状、樹枝状、イチョウの葉形をし
〔和名〕タシロラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 準絶滅危惧
〔学名〕Epipogium roseum (D. Don) Lind1.
苞は広披針形で長さ8~12mm。萼片と側花弁は長さ8~
【摘要】本州(関東南部)、九州、琉球に分布、国外では
中国(南部・台湾)、インドシナ、インド、マレーシア、
9mm。萼片は狭披針形、花弁は長楕円状披針形。唇弁は
オーストラリアなどに分布する。常緑樹林に生える腐
萼片と同じ長さで広卵形、全縁で背面がいちじるしく
生の植物で、県内ではさいたま市内の公園で発見され
ふくれ、内面の中央付近に2条のとさか状の隆起があ
る。距は長楕円形で長さ4mm。
たのが最初の記録。
【形態の特徴】茎は楕円形の根茎から出て、高さ20~
50cm、葉緑素が無く、白黄色でまばらに膜質の鞘状葉
【生活形】多年生の腐生植物。休眠芽は地中にある。
【減少の要因】森林伐採、踏みつけ。
が数個つく。5~7月、白色花をやや多数総状につける。
― 201 ―
類
た菌根茎がある。茎は高さ20~30cm、淡い桃色で基部
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
〔ラン科〕
菌
〔ラン科〕
地
・種子島、対馬。国外では北アジア、東アジア。暖温
類
花被片と唇弁は白色。唇弁には紅紫色点がある。葉は
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島
〔ラン科〕
〔和名〕ツチアケビ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Galeola septentrionalis Reichb. fil.
ない。茎は硬く直立し上部で分岐し高さ40~90cm。地
【摘要】北海道、本州(近畿以北)、伊豆諸島、四国、九
維管束植物
下茎は太く長く横にはう。
州。各地の山野で落葉樹林下に生育する。
【形態の特徴】6~7月枝先に総状花序を出し、花径約
【生活形】多年草で地中植物。
2cm黄褐色半開の花を多数つける。
花被片は長楕円形、
【減少の要因】自然遷移、その他。
唇弁は円形で縁は細裂し黄色。秋ウインナ・ソーセー
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
ジに似た果実を多数下垂する。葉は鱗片状で葉緑素は
蘚
〔ラン科〕
苔
〔和名〕オニノヤガラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Gastrodia elata Bl.
類
片葉を散在する。地下に10~20cm長楕円体いも状の塊
【摘要】北海道、本州(近畿以北)、四国、九州。国外で
茎をつくる。
は東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての山野の林内
藻
【生活形】多年草で地中植物。
に生育する。
【形態の特徴】6~7月茎の上部の総状花序に長さ約1
cmつぼ状の花を20~50個つける。外花披3片は結合し
【減少の要因】自然遷移。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企・入間・
類
南埼玉郡市に記録がある。
てふくらみ、唇弁は卵状長楕円形。茎は直立し高さ60
~100㎝、
はじめ白色でやがて黒褐色となり黄赤色の鱗
地
〔ラン科〕
衣
〔和名〕アキザキヤツシロラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Gastrodia verrucosa Bl.
類
【摘要】本州(関東・近畿)、四国、九州、琉球、小笠原。
たすじがある。花茎は淡紫色で直立し長さ5~10cm、
国外では東南アジア。暖温帯の常緑樹林や竹林内に生
鞘葉数片がまばらにつく。地下茎は腐葉中を横にはい
その1端から花茎を出す。
育する。
菌
【形態の特徴】無葉緑の腐生植物。9~10月花茎の先に
外花被片が接合して鐘状となり先が3裂した長さ約1
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林伐採。
cm暗紫褐色の花数個が総状につく。唇弁は離れ隆起し
類
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔和名〕アケボノシュスラン
〔学名〕Goodyera fo1iosa (Lindl.) Benth. var. maximowicziana (Makino) F. Maek.
【摘要】南千島、北海道~九州、奄美大島に分布。国外
さ1.5cmばかりの葉柄に続く。花序は直立し、淡紅紫色
では朝鮮半島に分布する。おもに落葉樹林下に生育す
の3~7花をやや偏ってつける。苞は披針形、長さ10~
るが、県内で確認されている生育地は、湿った植林地
15mm。背萼片は狭卵形、鈍頭、長さ8~10mm。花弁は広
倒披針形、背萼片に密着する。
内である。
【形態の特徴】茎は基部が地表近くを這い、上部は斜上
して高さ5~10cm。葉は4~5個を互生し、長さ2~4cm、
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
幅1~2cmの長卵形、先端は尖り基部は左右不相称で長
〔ラン科〕
〔和名〕ヒメミヤマウズラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Goodyera repens (L.) R. Br.
【摘要】北海道、本州(関東・中国を除く)
。国外では北
帯びた5~12花がつく。外花被片は平開しない。唇弁
アジア、東アジア、南アジア、ヨーロッパ。亜高山帯
は下部が陥入して内側に毛がある。葉は常緑で卵形、
の針葉樹林下に生育する。
長さ1~3cm数枚が茎の下部につく。葉の表面に白色
【形態の特徴】8月頃茎の上部片側に白色で少し褐色を
― 202 ―
の斑紋がある。茎の長さ20~30cm、下部は地表をはい
上部は斜上し下部節から根を出す。
【減少の要因】園芸採取。
【生活形】多年草で半地中植物。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔和名〕ミヤマウズラ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Goodyera schlechtendaliana Reichb. fil.
2~4cm、白色の網状斑がある。葉柄は鞘状となる。
【摘要】北海道、本州、伊豆諸島、四国、九州、屋久島
・種子島、対馬、琉球。国外では東アジア。暖温帯の
花茎は高さ10~25cm、上方に鞘状葉数片がつく。下部
やや乾燥した山地の林下に生育する。
の各節から綿毛をもった根が出る。
【生活形】常緑の多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
は平開しない。葉は常緑で卵状楕円形から卵形で長さ
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
苔
少し紅色を帯びた花10個内外を総状につける。花被片
蘚
【形態の特徴】8~9月に葉心から花茎を出し、白色で
維管束植物
〔ラン科〕
類
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕テガタチドリ(チドリソウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Gymnadenia conopsea (L.) R. Br.
の淡緑色。茎は直立し高さ30~50cmで5~6枚の葉を
育する。
つける。根は肥厚し手の形に似ている。
【形態の特徴】7~8月茎の先に穂状花序を出し淡赤紫
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
広倒卵形で3中裂し先端は鈍頭、距は湾曲し垂れ下が
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
全国カテゴリー
類
〔和名〕ミヤマモジズリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Gymnadenia cucullata (L.) Richard
2枚は対生し広楕円形。茎葉は披針形で3~4枚が互
東アジア、ヨーロッパ。亜高山帯の針葉樹林下に生育
生する。茎は緑色で高さ10~20cm。根は多肉質ひも状
する。
のものと塊根がある。
【生活形】多年草で半地中植物。
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取、踏みつけ、動物食
害。
曲しかぶと形になり開出しない。唇弁は白色で表面に
紫点あり倒卵形で少し長く3中裂する。葉は根生葉の
〔ラン科〕
〔和名〕ムヨウラン
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Lecanorchis japonica Bl.
細く直立し高さ20~40cm。地下茎は硬く横にはい、黒
【摘要】本州(近畿以北)
、四国、九州、屋久島・種子島。
色で長くのび鱗片がつく。
暖温帯の低地の常緑樹林下に生育する。
【形態の特徴】腐生植物で花期は6~7月、花は半開状
【生活形】多年草で地中植物。
で花径約2cm淡黄白色で香りがある。唇弁は倒披針形
【減少の要因】森林伐採、踏みつけ。
で上部は少し広がりビロード状の毛がつく。葉は長さ
【特記事項】旧版植物誌には比企郡市に記録がある。
5~8mmの鱗片状になっていて茎につく。茎は無毛で
〔ラン科〕
〔和名〕ジガバチソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Liparis krameri Fr. et Sav.
【摘要】北海道、本州(東北~近畿)
、四国、九州、対馬
【形態の特徴】6~7月に稜のある褐色の茎を出し、10
に分布。国外では東アジアに分布する。中間温帯~冷
~20個の花を総状につける。花は緑色または紫褐色。
温帯の森林に生育する。
葉は根生し2枚が向かい合い、広卵形で縁は縮れる。
― 203 ―
類
の淡紅色の花をつける。花被5片は集まって前方に屈
菌
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
【形態の特徴】7~8月茎の上方に偏側性の穂状に多数
衣
〔ラン科〕
地
色の花が密集する。花被片は卵形からひし形。唇弁は
類
ヨーロッパ。亜寒帯から寒帯にかけての高山草地に生
藻
る。葉は互生し広線形で基部は茎を抱き長さ6~20cm
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
葉脈に横の脈がある。地表近くに球茎があり、枯れた
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
葉柄で包まれる。クモキリソウに似るが葉は唇弁形な
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間・
北埼玉・南埼玉郡市に記録がある。
ので区別できる。
【生活形】多年草で半地中植物。
維管束植物
〔ラン科〕
〔和名〕クモキリソウ
埼玉カテゴリー 準絶滅危惧
全国カテゴリー
〔学名〕Liparis kumokiri F. Maek
は卵球形で枯れた葉柄で包まれる。花が淡緑色のもの
【摘要】北海道、本州(東北~近畿)
、九州、琉球に分布。
蘚
をアオクモ、淡紫褐色のものをクロクモという。
国外では東アジア、北アジアに分布する。冷温帯の森
【生活形】多年草で半地中植物ないし地中植物。
林に生育する。
苔
【形態の特徴】5~6月に葉の間から高さ10~30㎝で稜
類
のある茎を出し、総状花序をなし淡緑色または淡紫褐
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企郡市に記
録がある。
色の花を5~15個つける。唇弁は反り返る。葉は2枚、
卵状楕円形で長さ5~12cm、縁は細かく縮れる。鱗茎
藻
〔ラン科〕
〔和名〕スズムシソウ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Liparis makinoana Schltr.
類
葉脈の間に横脈がある。花茎の高さは10~20cm、緑色
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州。国外で
で縦の稜がある。鱗茎は卵円形。
は東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての森林に生育
地
【生活形】多年草で地中植物ないし半地中植物。
する。
【形態の特徴】5~7月茎の上部は総状花序となり淡紫
衣
色で径約3cmの花を10~12個つける。特に唇弁は大き
類
く倒卵形で長さ約1.5cm、幅1cmで中央に溝が1本あ
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・比企郡市に記録があ
る。しかしその後発見されていない。
る。葉は2枚で対生し広楕円形で尖り長さ5~10cm。
菌
〔ラン科〕
〔和名〕コクラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Liparis nervosa (Thunb.) Lindl.
類
【摘要】本州(関東以西)
、伊豆諸島、四国、九州、屋久
る。唇弁は中央から反り返り倒卵形で先がへこむ。葉
島・種子島。暖温帯の森林に生育する。県内では県南
は2~3枚、卵形で先が尖り短い葉柄は鞘になり茎を
西部の暖地性常緑林下に生える。
包む。鱗茎は円柱形で数個が直立する。
【形態の特徴】6~7月新茎の頂についた葉の間から10
【生活形】多年草で半地中植物。
~15cmの花茎を出し、総状花序をつけ花径10~15mm黒
【減少の要因】自然遷移、園芸採取。
紫色の花を5~6個開く。花被片は平開または反り返
【特記事項】旧版植物誌には北埼玉郡市に記録がある。
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕コフタバラン(フタバラン)
全国カテゴリー
〔学名〕Listera cordata (L.) R. Br. var. japonica H. Hara
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
、四国。国外では北
で長さ1~2cm、縁に波状のひだがある。茎は褐緑色
アジア。亜高山帯のシラビソ・オオシラビソの針葉樹
で高さ7~10cmで茎の中ほどに葉をつける。根はひげ
林に生える。
状である。
【形態の特徴】7~8月花茎に総状花序をつけ褐緑色の
【生活形】多年草で地中植物。
小花を多数つける。花被片は開出し長楕円形、唇弁は
【減少の要因】森林崩壊、園芸採取、動物食害。
2つに分かれている。葉は2枚で対生、三角状広卵形
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
― 204 ―
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔和名〕ミヤマフタバラン
全国カテゴリー
〔学名〕Listera nipponica Makino
葉は深緑色で光沢があり、広心形で先が尖り2枚が対
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
、四国、九州。国外
である。
【形態の特徴】花は紫褐色で7~8月腺毛のある茎の上
部につく。花被片は5片共に狭長楕円形、唇弁はくさ
【生活形】多年草で地中植物。
び状倒卵形で長さ6mm、先端は2裂し裂片の先は円い。
【減少の要因】森林崩壊、園芸採取、動物食害。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕タカネフタバラン
全国カテゴリー
苔
〔学名〕Listera yatabei Makino
ある。地下茎は細く糸状。
東アジア、南アジア。亜寒帯の森林に生育する。
【形態の特徴】8~9月淡緑褐色の小花10個ほどを花茎
類
に2枚が対生する。茎は高さ約20cmで上部には軟毛が
【摘要】北海道、本州(関東・中部)
。国外では北アジア、
蘚
〔ラン科〕
維管束植物
生する。茎は角ばっていて高さ10~20cm。根はひげ状
では北アジア。亜寒帯の針葉樹林内に生育する。
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林崩壊、園芸採取、動物食害。
形、側片は鎌形。唇弁は先端が2裂して離れる。葉は
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
藻
の上部にまばらにつける。外花被片の上片は狭長楕円
心臓形で淡緑色、
長さ1.5~3cmで茎の中部より少し上
類
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ホザキイチヨウラン
全国カテゴリー
〔学名〕Malaxis monophyllos (L.) Sw.
東アジア、南アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。冷温
もある。葉柄は直立し茎を中ほどまで包む。鱗茎は短
【生活形】多年草で半地中植物ないし地中植物。
父の亜高山の針葉樹林下に生える。
【形態の特徴】7~8月に20~30cmの花茎を出し、上半
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
上下が逆になり卵形で尖鋭形の唇弁が上側にある。距
〔和名〕アリドオシラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Myrmechis japonica (Reichb. fil.) Rolfe
し長く先端は広くなり2裂する。葉は卵円形で長さ約
【摘要】北海道、本州(近畿以北)
、四国。国外では北ア
ジア。
中間温帯から冷温帯にかけての森林に生育する。
1cm、白色軟毛がまばらにつき互生する。茎は3~8
県内では亜高山のシラビソなど針葉樹林に生える。
cmで上部は斜上し緑紫色。
【形態の特徴】7~8月に長さ1cmほどの鐘状白色の花
【生活形】多年草で半地中植物。
を茎の先端に1~2個が横向きに咲く。外花被片は卵
【減少の要因】森林崩壊、園芸採取、動物食害。
形、内花被片は長卵形、唇弁は丁字形で花被片より少
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ラン科〕
〔和名〕ヒメムヨウラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Neottia asiatica Ohwi
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
唇弁は三角状卵形で3脈がある。茎の高さ10~20cmで
東アジア。亜寒帯の森林に生育する。県内では丘陵地
3~4個の鞘状葉があるが緑色ではない。根は針金状
から亜高山の針葉樹林内に稀産。
であるが多数を束生する。
【形態の特徴】7月に茎の上部に総状花序をつくり、淡
褐色で花径3~4mmの小花を10~20個つける。内外花
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】森林崩壊、園芸採取。
被片は共に披針形で長さ約3mmで開出し1脈がある。
― 205 ―
類
〔ラン科〕
菌
分に多数の花径2mmほどの小花を穂状につける。花は
類
い鞘を被り地上に露出する。
帯から亜寒帯にかけての森林に生育する。県内では秩
衣
はない。葉は広楕円形で1枚が根生する。まれに2枚
地
【摘要】北海道、本州(近畿)
、四国。国外では北アジア、
〔ラン科〕
〔和名〕サカネラン
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Neottia nidus-avis (L.) L.C. Richard var. mandshurica Komar.
20~30cmで鱗片葉が互生する。根は肥厚し多数が束生
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
、九州。国外では北
維管束植物
し、その先が上方に湾曲する。
アジア、東アジア。中間温帯から冷温帯にかけての森
【生活形】多年草で地中植物。
林に生育する。
【形態の特徴】6月茎の上部に総状花序を出し、花径1
cm内外淡黄白色の花を密につける。花被片は卵形で直
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
立し内曲する。唇弁は肥厚し基部は袋状となり長くて
下垂し上半は2裂する。茎は淡黄褐色で円柱形、高さ
蘚
苔
〔ラン科〕
類
〔和名〕ヨウラクラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Oberonia japonica (Maxim.) Makino
藻
【摘要】本州(近畿以北)
、四国、九州、屋久島・種子島、
に比べ大きく先が5裂している。葉は披針形で長さ1
琉球。亜熱帯から冷温帯にかけて分布し、樹幹や岩上
~3cm、淡緑色で多肉、基部は茎を抱く。茎の長さ2
~5cm、鎌状になっている葉が2列につく。
に着生する。
【形態の特徴】6月茎の先に2~8cmの穂状花序を出し、
【生活形】多年草で着生植物。
類
淡黄色で花径1mmほどの小花を多数つけて下垂する。
【減少の要因】土地造成、自然遷移。
外花被片はほぼ卵形で基部で合着。唇弁は他の花被片
【特記事項】旧版植物誌には北埼玉郡市に記録がある。
地
〔ラン科〕
衣
〔和名〕ハクサンチドリ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー
〔学名〕Orchis aristata Fisch.
類
互生、披針形で基部は狭く鞘状をし茎を包む。茎は20
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。国外では北アジア、
~35cmで直立し稜がある。
東アジア。寒帯の草原に生育する。
【形態の特徴】6~7月茎の先に総状花序が出て、紅紫
【生活形】多年草で地中植物。
菌
色(まれに白花品もある)で花径1.5cm内外の花が8~
【減少の要因】不明。
12個つく。花被片は卵形で先が尖る。唇弁は広倒卵形
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
で濃紅紫色の斑があり先が浅く3裂。葉は3~4枚で
類
〔ラン科〕
〔和名〕カモメラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Orchis cyclochila (Franch. et Sav.) Maxim.
広楕円形で長さ4~6cm、基部は鞘になる。茎は10~
【摘要】北海道、本州(近畿以北)
、四国。国外では北ア
20cmで翼がある。根茎は短く4~6本の肥厚した根を
ジア、東アジア。亜寒帯の深山の高木林下に生育する。
出す。
【形態の特徴】6~7月茎の先端に花径約1cmで淡紅色
の花を2~3個開花する。花被片は卵形ないし卵状披
【生活形】多年草で半地中植物。
針形。唇弁は広楕円形で大きく紅紫色の斑があり先が
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
浅く3裂する。距は細く後に反る。葉は1枚で根生、
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ラン科〕
〔和名〕ウチョウラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Orchis graminifolia (Reichb. fil.) Tang et Wang
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州。暖温帯から冷温
は他の花被片に比べ広く先から深く3裂する。距は長
帯にかけての岩・礫地に生育する。県内ではブナ帯の
さ1.5cmで前方に曲がる。葉は広線形で長さ3~10cm
湿った石灰岩やチャートの岩上、崖地、割れ目などに
で茎の中ほどに2~3枚がつく。茎は長さ10~20cm。
生育する。
地中に1~2個の楕円形多肉根と数本のひげ状根があ
る。
【形態の特徴】7月頃茎の先に短い総状花序を出し、花
径約1cm紅紫色の花5~10個を同じ方向に開く。唇弁
【生活形】多年草で着生植物。
― 206 ―
【減少の要因】石灰採掘、園芸採取。
〔ラン科〕
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Orchis joo-iokiana Makino
【摘要】本州(関東・中部)。亜高山帯の草原に生育する。
葉は狭長楕円形で長さ3~8cm、2枚が互生する。茎
【形態の特徴】花は紅紫色で7~8月に開花。3~8個
は直立し高さ10~30cm。根は肥厚し球状のものが数個
ある。
やや偏側的に総状につく。唇弁は広倒卵状くさび形で
【生活形】多年草で地中植物。
きく先がわずかにくぼむ。距は管状で長さ15~17mm。
【減少の要因】園芸採集、動物食害。
全国カテゴリー
類
〔和名〕コケイラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Oreorchis patens (Lindl.) Lindl.
葉は地下の鱗茎の頂から2枚出し線状倒披針形で長さ
東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての山地の、やや
20~30cm。茎は鱗茎の側方から出て高さ30~40cmで直
湿った落葉樹林内に生育する。
立。地下には卵球形の鱗茎がある。
【生活形】冬緑の多年草で地中植物。
【減少の要因】園芸採取。
く。花被片は線状倒披針形、唇弁は倒卵形で3裂する。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
全国カテゴリー
衣
〔学名〕Platanthera florentii Franch. et Sav.
ある。根はひげ状で軟毛がつく。
【形態の特徴】8月茎の上部に総状花序をつくり、花径
【生活形】多年草で半地中植物。
臓形、唇弁は下垂し距もまた下垂し細い。葉は2枚が
【減少の要因】園芸採取、動物食害。
根生し楕円形または長楕円形で先は尖り葉縁は縮れ長
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔和名〕ミズチドリ(ジャコウチドリ)
全国カテゴリー
〔学名〕Platanthera hologlottis Maxim.
円柱状で直立し高さ30~70cm。
根は太いひも状である。
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州。国外で
花には香りがある。
は北アジア、東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての
【生活形】多年草で地中植物。
湿地に生育する。
【形態の特徴】6~7月茎の上方に総状花序を出して花
径約1cmの白色花を多数つける。唇弁は短い舌形で肉
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父・北足立郡市に記録が
ある。
質。葉は互生し線状披針形で斜上し基部は鞘状となり
茎を抱く。長さ10~15cm、淡緑色で光沢がある。茎は
〔ラン科〕
〔和名〕ツレサギソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Platanthera japonica (Thunb.) Lindl.
【摘要】北海道、本州(中部以北)、四国、九州、琉球。
緑色、
長楕円状披針形または長楕円形で長さ10~20cm、
国外では東アジア。亜熱帯から冷温帯にかけての、湿
先は尖り基部は茎を包み鞘となる。茎は直立し高さ約
り気のある明るい林内や草原に生育する。
50cm。根は太いひも状。
【形態の特徴】5~6月茎の先に花径1.5~2cmの白色花
【生活形】多年草で地中植物。
を穂状に多数つける。唇弁は細長く多肉で黄色を帯び
【減少の要因】園芸採取、ゴルフ場造成、自然遷移。
る。距は太く長く3~4cmで下垂する。葉は互生し淡
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企郡市に記
― 207 ―
類
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
菌
7mmで淡緑色の花を5~10個つける。花被片は卵状心
〔ラン科〕
類
さ5~8cm。茎は緑色で直立し高さ20~40cm縦の稜が
【摘要】北海道、九州。冷温帯の森林に生育する。
地
〔和名〕ジンバイソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
類
花径約1cm褐色を帯びた黄白色の花を多数横向きに開
〔ラン科〕
藻
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
【形態の特徴】5~6月花茎の先に総状花序をつくり、
苔
〔ラン科〕
蘚
やや肉質で長さ13~15mm、先は3裂し中裂片が少し大
維管束植物
〔和名〕ニョホウチドリ
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
録がある。
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
維管束植物
〔和名〕ノヤマトンボソウ(オオバノトンボソウ)
全国カテゴリー
〔学名〕Platanthera minor (Miq.) Reichb. fil.
の翼に続く。茎は緑色で高さ30~50cm。根は多肉のも
【摘要】本州(関東以西)、四国、九州に分布。暖温帯~
のが数本。
中間温帯の森林に生育する。
【形態の特徴】7~8月に、茎の先に総状花序をつけ、
【生活形】多年草で地中植物。
蘚
黄緑色の花を多数つける。苞の縁には乳頭状突起があ
【減少の要因】踏みつけ、道路工事。
り、側がく片の基部は強く張り出さない。葉は下方の
【特記事項】旧版植物誌には秩父・大里・比企・入間・
北足立・南埼玉の各郡市に記録がある。
2~3枚は楕円形で大きく、下面の主脈は隆起し、茎
苔
類
〔ラン科〕
〔和名〕キソチドリ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Platanthera ophrydioides Fr. Schm.
藻
で小さい。茎は直立し、稜があり高さ15~30cm、根茎
【摘要】関東地方、中部地方の太平洋側に分布する。寒
は短く3~4本の太い根を出す。
帯~亜寒帯の針葉樹林に生育する。
【形態の特徴】夏に茎の頂に総状花序を出し、淡緑色の
【生活形】多年草で地中植物。
類
花を6~12個つける。距は約10mmで曲がらない。葉は
【減少の要因】森林伐採、動物食害。
茎の下部につく1枚が大きく、
楕円形で長さ5~10cm、
【特記事項】旧版植物誌では秩父郡市に記録がある。
基部が鞘になり茎を抱く。茎の上部につく葉は披針形
地
衣
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
類
〔和名〕ミヤマチドリ(ニッコウチドリ)
全国カテゴリー
〔学名〕Platanthera takedae Makino
長さ4~6cm葉柄はなく基部は茎を抱く。他の葉は卵
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
。亜寒帯の森林に生
状披針形。茎は直立し高さ約20cm。
育する。
菌
【形態の特徴】7月頃茎の上部に花径6~7mm黄緑色の
【生活形】多年草で地中植物。
花を6~7個まばらにつける。唇弁は多肉で舌状形で
【減少の要因】不明。
基部は広がっている。葉は茎の中ほどに2~3枚が互
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
生する。最下の葉が大形で、広楕円形から円形に近く
〔ラン科〕
〔和名〕オオヤマサギソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー
〔学名〕Platanthera sachalinensis Fr. Schm.
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア。
垂する。葉は下方の2枚が大きく長楕円形で基部は鞘
暖温帯から冷温帯にかけての森林に生育する。県内で
となる。他の2~3枚は小さい。茎は直立し高さ30~
は亜高山帯の樹林内や林縁に生える。
60cmで稜がある。根は肉質で長い。
【形態の特徴】夏茎の先に総状花序を出し、花径約7mm
【生活形】多年草で地中植物。
緑白色の花を多数つける。花被片は卵形で外花被片は
【減少の要因】園芸採取。
平開する。唇弁は線状倒披針形で肥厚し距は線形で下
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔和名〕オオバナオオヤマサギソウ
〔学名〕Platanthera sachalinensis Fr. Schm. var. hondoensis Ohwi
【摘要】本州(関東・中部)。中間温帯の森林に生育する。
で長く22~35mm。
花はオオヤマサギソウに比べ大きい。
【形態の特徴】7~8月茎の上方に花径8~12mmの花が
葉は数枚が互生し倒卵狭長楕円形で基部は細く鞘とな
る。茎は高さ約50cm。根は数本の白色肉質根。
10~25個総状につく。花被片は黄緑白色でやや卵形で
平開する。唇弁は線状倒披針形で肥厚する。距は線形
【生活形】多年草で地中植物。
― 208 ―
【減少の要因】不明。
かしその後発見されていない。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕ホソバノキソチドリ
全国カテゴリー
〔学名〕Platanthera tipuloides Lindl.
楕円形で長さ約10cm、上方には披針形の小葉がつく。
【摘要】北海道、本州(東北・中部)
、四国。亜高山帯の
茎は直立し高さ20~40cm、緑色の稜がある。根は肥厚
林下や草地に生育する。
維管束植物
〔ラン科〕
し紡錘形。
【形態の特徴】7月茎の上方に総状花序を出し緑色の花
【減少の要因】森林崩壊、園芸採取。
距は下垂または前方にわん曲する。葉は下の1枚が長
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
苔
【生活形】多年草で地中植物。
形で反らない。唇弁は線状長楕円形で先が丸く肉質。
蘚
を多数つける。花径は3~5mm。外花被片は卵状楕円
類
〔ラン科〕
〔和名〕トキソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Pogonia japonica Reichb. fil.
く。根はひも状で数本が横に広がる。
東アジア。暖温帯から冷温帯の日当たりのよい湿地に
【形態の特徴】6~7月茎の先に紅紫色で花径約2cm半
【減少の要因】湿地開発、農薬汚染、園芸採取、湿地の
乾燥化。
開の花1個をつける。花被片は倒披針形、唇弁は3中
【特記事項】旧版植物誌には入間・北埼玉郡市に記録が
地
裂し中裂片の縁にはくしの歯状の刻みがある。葉は披
類
【生活形】多年草で水湿植物。
生育する。
藻
ない。茎は直立し高さ10~30cmで途中に1枚の葉がつ
【摘要】北海道、本州、四国、九州。国外では北アジア、
ある。
針形または線状で長さ3~10cm、下部は細く鞘になら
衣
全国カテゴリー
類
【摘要】北海道、本州、四国、九州、屋久島・種子島、
る。葉は1枚で倒披針形、長さ3~7cm幅は広く5~
菌
対馬。国外では東アジア。暖温帯から冷温帯にかけて
18mm。茎は直立し高さ10~20cm。根はひげ根状で横に
の山地草原に生育する。
のびる。
〔ラン科〕
〔和名〕ヤマトキソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔学名〕Pogonia minor (Makino) Makino
【生活形】多年草で地中植物。
るがほとんど開かない。花被片は線状披針形で先がや
【減少の要因】埋め立て、園芸採取。
や尖る。唇弁は内花被片とほぼ同じ長さで花外には出
【特記事項】旧版植物誌には大里・北足立・南埼玉・北
葛飾郡市に記録がある。
ない。花の長さ10~16mm。花の下に発達した苞葉があ
〔ラン科〕
〔和名〕ムカデラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
全国カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
〔学名〕Sarcanthus scolopendrifolius Makino
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州。国外では東ア
約6~10mm上面に縦の溝がある。茎は細長く多節、ま
ジア。暖温帯に分布し、やや日当たりのよい岩壁や樹
ばらに分枝し汚白色ひも状の長い根を出し岩や樹木に
着生する。
幹上に着生する。
県内ではチャートの岩上に着生する。
【形態の特徴】7~8月茎を被っている葉鞘を破って、
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
花径約8mmばかりの淡紅色花を1個ずつつける。花被
【減少の要因】森林伐採、ダム建設、園芸採取。
は平開しへら状楕円形で先は少し尖る。
唇弁は多肉質。
【特記事項】旧版植物誌には児玉郡市に記録がある。県
葉はまばらにつき互生、やや革質で剣状披針形で長さ
― 209 ―
指定天然記念物。
類
【形態の特徴】6~8月茎の先に淡紅色の花1個をつけ
〔ラン科〕
〔和名〕カヤラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Sarcochilus japonicus (Reichb. fil.) Miq.
偏平で灰色、長さ5~10cm、茎より細長い根が多数岩
【摘要】本州(中部以北)
、九州。暖温帯の常緑樹林内の
維管束植物
石や樹木に着生。
樹幹や岩上に着生する。
【形態の特徴】5月頃に2~4cmの花柄を茎の中ほどか
【生活形】常緑の多年草で着生植物。
ら出し、その先端に淡黄色の小花を4~5個開花。葉
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
は2列に出て互生し、狭い長楕円形で先端が尖り、長
【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・比企・入間郡
市に記録がある。
さ2~4cm。幅4~6mm。上面に縦の溝がある。茎は
蘚
〔ラン科〕
苔
〔和名〕クモラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
全国カテゴリー
〔学名〕Taeniophyllum glandulosum Bl.
類
藻
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州、琉球。国外で
針形で下部はやや厚くなり合着する。根はすべて気根
は東アジア、南アジア、東南アジア。亜熱帯から暖温
で緑白色で長さ2~3cm、線形で放射状に樹皮上に広
帯にかけて分布し、日当たりのよい所の大型の低木に
がり着生する。
【生活形】多年草で着生植物。
着生する。
【形態の特徴】5~6月短い糸状の花茎を出し、その上
【減少の要因】森林伐採、園芸採取、自然遷移。
類
部に淡緑色の小花1~3個をつける。花被片は卵状披
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
地
〔和名〕ヒトツボクロ
衣
【摘要】本州(近畿以北)、四国、九州。国外では東アジ
全国カテゴリー
〔学名〕Tipularia japonica Matsum.
7cm、深緑色、中肋はやや白色。花茎は直立し高さ20
類
~30cm。地下茎は短く肥厚し2~3個がひも状の根を
ア。暖温帯の森林に生育する。
出す。
【形態の特徴】5~6月花茎の先に淡黄緑色の小花5~
菌
15個を総状につける。花被片は狭卵披針形で長さ約4
【生活形】多年草で半地中植物。
mm、唇弁は倒卵形長さ約3mmで3裂する。距は淡紅色
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
で長さ約5mmで下垂する。葉は卵状楕円形で長さ3~
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
類
〔ラン科〕〕
〔和名〕イイヌマムカゴ
埼玉カテゴリー 情報不足
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Tulotis iinumae (Makino) H. Hara
5~6個つきその中の大きいものにむかご状の芽がつ
【摘要】北海道、四国、九州。暖温帯から冷温帯にかけ
く。
ての森林に生育する。
【形態の特徴】7~8月茎の先に長さ約2mm黄緑色の花
【生活形】多年草で地中植物。
が総状につく。花被片はほとんど開かない。距は短く
【減少の要因】不明。
円筒状で先が丸い。葉は2~3枚が互生、下葉は楕円
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。し
かしその後発見されていない。
形で基部は狭くなり茎を包む。
上方の葉は狭く小さい。
茎は円柱形で直立し高さ20~30cm。根は線状紡錘形で
〔ラン科〕
〔和名〕トンボソウ
埼玉カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
全国カテゴリー
〔学名〕Tulotis ussuriensis (Regel) H. Hara
【摘要】北海道、本州(関東)、四国、九州。国外では北
さ5~6mm。葉は茎の下部に2枚が互生し広披針形で
アジア、東アジア。暖温帯から冷温帯にかけての山地
長さ8~15cm、基部は細まり鞘となる。茎は1本直立
疎林下に生育する。
し高さ15~30cm、上方に針状葉が数枚つく。根は数本
で横にはう。
【形態の特徴】8~9月茎の上方に穂状花序をつくり淡
緑色の小花を多数つける。花被片は円形又は線形。唇
【生活形】多年草で地中植物。
弁は肉質で下部の両側に歯状突起がある。距は細く長
【減少の要因】園芸採取。
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【特記事項】旧版植物誌には秩父・児玉・大里・比企・
〔ラン科〕
入間郡市に記録がある。
埼玉カテゴリー 絶滅
〔学名〕Vexillabium nakaianum F. Maek.
有柄で基部は茎を抱く。茎は高さ約10cmで基部は少し
【摘要】本州(関東)
、九州。国外では東アジア。冷温帯
匍匐しその上方は斜上する。
の森林に生育する。常緑広葉樹と落葉広葉樹の混交林
【生活形】多年草で半地中植物。
内に稀。県内では秩父地方で分布が確認された。
【形態の特徴】7~8月白色の小さな花が1~数個開く。
【減少の要因】森林伐採、園芸採取。
【特記事項】最近まで何カ所かの生育地が確認されてい
たが、そのいずれもが失われて、本県からは姿を消し
葉は茎の下方に数枚が互生し卵円形で長さ3~7cm、
たものと思われる。
苔
やや内側に曲がり歯をもつ。
中部に褐紫色の斑がある。
蘚
花被片は狭楕円形でやや肉質、長さ5~6mm、ふちは
維管束植物
〔和名〕ハクウンラン(ムライラン、イセラン)
全国カテゴリー
類
〔ラン科〕
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
〔和名〕キバナノショウキラン
全国カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
〔学名〕Yoania amagiensis Nakai et F. Maek.
が黄褐色を帯び鱗片葉数片がつく。根茎は淡黄褐色で
および森林に生育する。
【生活形】多年草で地中植物。
散房状につく。花被片は肉質でほぼ広楕円形で長さ2
【減少の要因】森林伐採。
~3cmで半開し外側は褐色が強い。唇弁は袋状で前部
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
全国カテゴリー
状で開口部には黄色の長毛がある。葉は鱗片となって
島。暖温帯から冷温帯にかけての草原および森林に生
いる。茎は高さ10~30cmで直立し淡紅色。根茎は分岐
育する。
し淡黄褐色で地中をはい鱗片と短毛がある。
【形態の特徴】7月頃茎の先に散房状の総状花序に少数
菌
【摘要】北海道、本州(近畿以北)、九州、屋久島・種子
類
〔学名〕Yoania japonica Maxim.
衣
〔和名〕ショウキラン
埼玉カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
地
~7月茎の上方に花径3cm内外黄褐色の花6~15個が
類
地中をはう。
【形態の特徴】無葉ランでショウキランに似ている。6
〔ラン科〕
藻
の凹所に黄色毛が密生する。茎は高さ20~50cm、全体
【摘要】本州(関東~近畿)
、四国、九州。冷温帯の草原
【生活形】多年草で地中植物。
【減少の要因】不明。
【特記事項】旧版植物誌には秩父郡市に記録がある。
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類
の花をまばらにつける。花は径約3cm、淡紅色で多肉、
香気がある。花被片は長楕円形で平開する。唇弁は袋