平成26年度 1 三島市議会総務委員会視察報告書 視察日程 平成26年10月20日(月)~22日(水) 2 視察先及び調査事項 (1)山口県下関市 地元企業優先発注等に係る実施方針について (2)岡山県倉敷市 倉敷流ファシリティマネジメントについて (3)大阪府高石市 一部従量制によるごみの有料化について 3 4 視察参加委員 委 員 長 中村 仁 副委員長 佐野 淳祥 委 員 野村 諒子 委 員 秋津 光生 委 員 松田 吉嗣 委 員 土屋 俊博 委 員 石渡 光一 委 員 金子 正毅 報告内容 次のとおり 1 【視察地ごとの報告】 1 視察先 2 調査事項 山口県下関市 地元企業優先発注等に係る実施方針について (1)概要 地元企業の育成及び地域経済の活性 化を図るため、地元企業優先発注等に 係る実施方針を定め、適正な競争原理 の下、公平性を確保したうえで、地元 企業優先発注および市内産品の優先活 用を推進している下関市に、その取り 組みを学ばせていただきたく伺った。 公共調達全分野で、地元企業への件数ベースで発注率90%を目指して取り 組んでいる。 業者を4つの地域区分し、 1 [市内]市内に本社、本店を有する業者 2 [準市内1]市外に本社、本店を有するが、市内の支店に見積もり・入札 ・契約・納入・代金の請求・受領等、契約履行に関する権限を持つ者がいる 業者 3 [準市内2]市外に本社、本店を有し、市内に支店、営業所がある上記『 2』以外の業者 4 [市外]市外に本社、本店を有する『2』『3』以外の業者 となっている。 技術的難易度が高く、地元業者で対応できないものや競争性の確保が保てな いものにおいては、下記の通り、市外業者(上記『4』)まで対象を拡大する。 『1』→『2』→『3』→『4』 2 段階を踏んで対象を拡大していくところが特徴かと考える。 市の建設工事を受注した業者が、下請け業者を選定する場合は、市内業者を優 先して選定するよう、また、建設資材等を調達する際は、市内産品を優先する よう要請している。 市内業者優先の姿勢が心地よく感じ られ、地元企業と行政の結びつきが友 好的なものであるよう想像される。発 災時のことを持ち出すまでもなく、絆 を重んじる、まちづくり・まちそだて に繋がるように思われた。 (2)所感 (佐野副委員長)地元企業への発注率を重視し、落札率を公表しない点に関心 あり。我々はこれまで競争を重んじ、適正価格の概念を取り入れなかった感が あり、市場競争を反映させ、質の確保と仕事への敬意を払う意味で参考となっ た。 (金子委員)下関市では、公共事業の地元企業への優先発注を実施しているが 、その特徴は「地元企業への発注件数で90%を目指す」ことに特化されてお り、一般競争入札における落札率の多寡を問題にしない点は注目される。 ( 石 渡委 員)市長公約の一つの事業だが、競争性・透明性、発展性に欠ける。 特に落札率を教えてくれない、担当課が指名業者のバランスとっている。更に は経済効果等、地元企業活性化の効果分析なし。 3 【視察地ごとの報告】 1 視察先 2 調査事項 岡山県倉敷市 倉敷流ファシリティマネジメントについて (1)概要 前提として 1 財源が限られていてすべての要求 を予算化できない 2 修繕の緊急度や優先順位の決定が 難しい そこで、施設管理のマネジメント [コスト削減や縦割りを超えた管理を誰が考えるのか?]が課題となった。 23年4月に、FM担当『長期修繕計画室』を設置する。 ファシリティマネージャー、建築技師、機械技師、電気技師の4人でスター ト。 『すべては建物の現状を知ること』がテーマとなり、その内訳は、 1 建物設備点検 2 現状把握とその「データの一元化」 3 長寿命化、その「修繕予算配分」 4 意識改革として、「FM職員研修と情報提供」 5 マネジメント「施設白書」 6 予防保全として「長期修繕計画の作成」 7 経費削減のため「維持管理業務の一元化」 としている。 職員自ら点検し、点検を活かした修繕執行(長期修繕予算枠)がなされる。 施設をよく知ることによってはじめて修繕見積額に対して査定額を出せる、 4 と教えていただく。 法律改正に伴い民間業者からの施設の査定等営業が必ず増えるが、絶対に任 してはいけない、それは全く役に立たないし、自ら使えるものを作らなければ ならなくなる、と断言されておりまし た。 広域でいろいろ考える、近い将来は 絶対避けて通れない、バラバラな基準 で、考え始めてもいけない、と心から の忠告もいただきました。 (2)所感 (中村委員長)倉敷流FMについての視察であったが、説明を頂いた職員の「 意識」に感激した。自分たちの仕事に対し、あれほどの自信と信念をもって取 り組めている職員に驚く。こんな公務員もいるんだ、と感動。 (佐野副委員長)個別の施設の統廃合を提案すると近隣住民に反対される。全 体の状況を住民の方々に理解していただき、その上でどうしたらよいか、一緒 になって考える。遠回りだが熱意のある取り組みが本市でも求められると感じ る。 (松田委員)専門部署を設置し、認定FAマネージャーを中心に職員の意識改 革を行い、自ら施設修繕を実践すると共に、市民・議会と情報・課題を共有し つつ、今やるべき資産台帳整備を推し進めていることは大変参考になった。 5 【視察地ごとの報告】 1 視察先 2 調査事項 大阪府高石市 一部従量制によるごみの有料化について (1)概要 ごみの減量・再資源化を推進するた め、平成25年より実施。 24年4月27日の第1回から24 年8月23日の第4回まで、高石市廃 棄物減量等推進審議会を開催し、25 年4月より実施したことに対して、本 気で真剣にやればできるんだ、と痛感させていただく。 24年の9月に、条例改正(有料化することで歳入が生じる) 24年8月から約80回 説明会の実施。 24年度と25年を比較すると、家庭系普通(可燃)ごみで約18%の減量、 ごみ総量でも12%の減量が進んだ。 15リットルで1枚30円のシールをごみ袋に張る。各家庭に人数に応じた 無料券を配送し、それが終わると各家庭で購入して使用する。 おむつ、ストーマ用装具は、それだけ袋に入れて出せば無料となる。また、 ボランティア清掃のごみも無料。 合わせて、不法投棄の防止や環境美化の推進に取り組む。 実際、始めたばかりで、混乱や質問、その都度訪問しての説明など、対応は 決して楽ではないことが伺えたが、実際効果が数字となって表れているためか、 とても明るく、自信をもった説明が、非常に好印象で記憶に残っている。 無料券の配布によって、なるべくそれで済ませたい、という、ごみの少量化 に対して工夫する意識と無料券を使い切ってしまったので仕方ない、という、 6 優良に対する受け入れやすさ、という ものが感じられる。 是非、三島市でも参考にしてみたい と強く感じる視察となった。 (2)所感 (野村委員)ごみの減量化は、市民意識を変えることが一番重要な課題である が、高石市の場合は、ごみを出す時に従量に合わせたシールを添付するという 方法をとっており、市民の減量意識付けとしては有効な方法であると感じた。 (秋津委員)ごみの減量化は市民意識の向上が必要です。ゴミ袋にシールを貼 ることによって、一部従量制によるごみの有料化は市民と高石市が一丸となっ て減量化に取り組み、ごみの減量化の成功例だと思います。参考になりました。 (土屋 俊 委員)一部従量制による普通ごみの有料化により前年対比約 18%減 量化できたことは高く評価できるものの、有料化によって今後も更に減量化が 促進されるか不透明であった。各家庭のごみの減量意識の徹底の必要を痛感し た。 7
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