航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星 EGGの軌道予測及び姿勢推定 ○渡邉 保真(東大工学系),難波和也(東大・院), 山田 和彦(ISAS/JAXA),鈴木宏二郎(東大新領域) 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム <企画セッション>柔軟構造体を利用した先進的大気圏飛翔体 1. 研究背景 2. EGG軌道への摂動量推算 3. 膜面展開タイミングによる 軌道崩壊への影響 4. まとめ 1 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 研究背景 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 2 柔構造大気突入システム 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS EGG:re-Entry satellite with Gossamer 柔構造エアロシェル大気突入システム 展開 ISS aeroshell and GPS/Iridium 低弾道係数なので 高高度で減速 大気突入前に柔軟膜面エアロシェルを展開→空力加熱を大幅に緩和 ISSや宇宙探査ミッションで得られたサンプルを安全に回収 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 3 放出後の軌道及び姿勢 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS ISSからの放出後、大気抵抗及びその他の摂動のため大気突入 低軌道では太陽活動の影響により大気条件が顕著に変化 放出後の軌道、膜面展開タイミングによる軌道の変化に関する解析が 必須→できれば安全な場所で大気突入させたい ISS 放出 様々な摂動 軌道を周回しつつ 膜面展開 ・大気抵抗 ・太陽放射圧 ・重力場歪み ・月・太陽の重力 摂動量の急激な変化 →軌道が大きく変化 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 4 目的 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS ! ! 本研究の目的は ! EGGカプセル軌道上における摂動量の推算と軌道の変化を調査 ! 膜面展開タイミングによる軌道への影響の解明 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 5 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS EGG軌道への摂動量推算 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 6 低軌道衛星への摂動 摂動の種類 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 面積∼1m2 様々な摂動 面積∼0.02m2 ・大気抵抗 ・太陽放射圧 ・重力場歪み ・月・太陽の重力 大気抵抗、太陽放射圧は軌道高度に大きく影響 大気抵抗 放射圧: ! 重力場のひずみ、月・太陽の重力 → 昇交点赤径Ω及び近地点引数 ωに影響するが、高度への影響はほぼ無いので今回は無視 → 大気抵抗・太陽放射圧はどの程度影響? → 膜面展開の影響は? 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 7 EGGカプセルへの摂動 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 大気モデル A) 太陽活動極大条件(solar activity parameter F10=250) B) 太陽活動極小条件(solar activity parameter F10=70) C) 太陽活動普通条件(solar activity parameter F10=160) (geomagnetic index Ap=20.3) 太陽活動による大気密度は上空で かなり異なる→大気抵抗に影響 それぞれの場合での大気抵抗と太 陽放射圧を評価 (膜面展開の有無も) 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 8 摂動量の評価 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 膜面展開の有無にかかわらず、いずれの場合も大気抵抗は放射圧よりオー ダーが一桁大きい 膜面展開により、Aでは放射圧は常に大気抵抗の1%以下 膜面展開時、B(極小)でも高度295kmで放射圧は大気抵抗の1% 膜面を展開せず、且つ太陽活動極小(B)の場合は高度268kmで放射圧は 大気抵抗の5%、高度217kmにおいて1%となる A B C 極大 極小 普通 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 9 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 膜面展開タイミングによる 軌道崩壊への影響 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 10 膜面展開タイミングと 軌道崩壊の様子 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 膜面展開に応じてどのように軌道高度が変化するかを解析した 解析モデルは以下の通り ! ! ! ! ただし、太陽活動極小(実際の運用予定条件)を仮定 膜面展開高度(面積が0.02→1.0m2)を様々に変えて大気突入まで の日数を調査 高度180kmで大気突入と判定 抗力係数はCD=2一定を仮定し、高度400kmからの放出時をT=0 静安定を仮定 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 11 突入までの日数 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 放出直後に膜面展開すると12日で大気突入開始 展開しない場合は579日後に大気突入開始 展開のタイミングを選択することである程度落下地点を操作できる可 能性あり 展開高度と大気突入までの時間 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 12 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS まとめ 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 13 まとめ 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS EGGカプセルの軌道での摂動及び大気突入までの日数に関して検討し た ! カプセルに働く力は空気力が支配的 ! 膜面を展開し次第急激に落下する ! 展開時期を選ぶことで放出後12日から579日の間で落下時期と地点 をある程度操作できる可能性あり 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 14 航空宇宙工学専攻 DEPT. OF AERO&ASTRONAUTICS 御清聴有り難うございました 平成26年度宇宙航行の力学シンポジウム 展開型エアロシェル軌道崩壊実証衛星EGGの軌道予測及び姿勢推定 15
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