【特集】Hitachi Cloud:Solution(PDF形式、1.8Mバイト)

Solution
多様なお客さまニーズに応える「Hitachi Cloud」
お客さまビジネスのイノベーションを加速する
「Hitachi Cloud」
では、
さまざまな要件にスピーディに対応するサービ
スやソリューションを豊富にご用意しています。例えば、異なるクラウド環境を適材適所で組み合わせ、統合したビュー
で管理できる
「フェデレーテッドクラウド」
は、複数のクラウドを別々に利用している現状と比べ、計り知れないメリットを
生み出します。Hitachi Cloudが今後、お客さまにどのような価値を生み出していくのかをご紹介していきます。
基幹業務に安心して活用:マネージドクラウド、
プライベートクラウド
近年、
さまざまな企業システムでパブ
し、常に最適化された環境を提供しま
トクラウドを構築することができます。
リッククラウドの活用ニーズが増えてい
すので、お客さまは基幹業務も含めた
また、お客さまから、
プライベートクラ
ます。
これに伴い
「パブリッククラウド上
あらゆるビジネスを安心して日立に任
ウドを迅速に導入したい、
マネージドク
で基幹業務システムを構築したいの
せることができます。
ラウドと同様に初期投資なしで利用し
で、
オンプレミスと同等の安定的な処理
一方、
自社のシステムをプライベート
たいといったご要望もいただいていま
性能やセキュリティを確保したい」
とい
クラウド化し、柔軟な運用やリソースの
す。
このようなお客さま向けに高い評価
う声が高まっています。
最適化を図りたいというお客さまも増え
を得ているのが
「出前クラウド」
です。
出
そこで日立はミッションクリティカルな
ています。特に重要な個人情報や金
前クラウドは、
クラウド基盤の構築に必
大規模基幹業務向けに、高品質・高
融情報、機密情報などのコアコンピタン
要なサーバ、
ストレージ、
ネットワーク機
信頼の
「マネージドクラウド」
を提供して
スを外部センターに預けることが許され
器、管理コンソールなどをすべてラック
います。
日立のマネージドクラウドは、IT
ない場合はプライベートクラウドの導入
に収容し、
リモート監視サービスなども
基盤に日立のサーバやストレージ、
ミド
が唯一の選択肢となります。
合わせ、すぐに利用できる形で提供す
ルウェアを活用し、堅ろうでセキュアな
そこで日立は、信頼できるIT基盤の
るサービスです。
お客さまは、新たなIT
データセンターからITリソースを提供
選定から、
クラウドの構築・運用まで、
マ
インフラを購入することなく、
月々の利用
するもので、
オンプレミスと同等の安定
ネージドクラウドで磨き上げた幅広い経
料だけで高信頼のプライベートクラウド
稼働と信頼性、
セキュリティ、
サービスレ
験に基づくノウハウを、お客さまのプラ
を利用することができます。
ベルを確保。専門知識を持つスタッフ
イベートクラウドに結集しています。
これ
がお客さまシステムの運用管理を代行
によりお客さまは、高信頼なプライベー
複数のクラウドを運用管理:フェデレーテッドクラウド
基幹系以外のシステムでピーク時
へ の 対 応 や、海 外 へ のシステムの
パートナークラウドを含めた複数のクラウドを一元的に監視・運用し、
効率的に利用できるフェデレーテッドポータルを開発・提供
配 置、
ワールドワイドでのコンテンツ
のキャッシュなどには、
日立 がパート
ナーシップを結 んで いるAmazon
®
契約・運用・監視 など
さまざまな業務に対応
複数の異なるクラウドを
1つの画面で操作
Web Services TM(以 下、AWS)、
Microsoft® AzureTMといった「パート
プライベートクラウド
マネージドクラウド
(お客さま)
(日立)
ナークラウド」の 活 用 が 便 利 で す。
しかし、
クラウド選択の幅が広がる一方
で、
さまざまな特性を持つ複数クラウド
5
図1 フェデレーテッドポータル
はいたっく 2015.1
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パートナークラウド
Hitachi Cloud
特集
の運用管理をどうするかという新たな
運用できるようにする概念です。その
約・運用・監視といったさまざまな業務
課題が出てきます。そこで日立が新た
実現に向けた具体的なサービスとし
をワンストップで実行できます。これによ
に 提 供 するの が「フェデレーテッド
て、複 数 のクラウドを一 括 管 理 する
り、業務アプリケーションの特性に合わ
「フェデレーテッドポータル」を提供しま
せた柔軟なクラウド利用や、複数のクラ
クラウド」です。
フェデレーテッドクラウドは、
複数の
す。フェデレーテッドポータルでは、
ウド上に配置された業務アプリケーショ
クラウドを適 材 適 所で組み合わせ、
AWSやMicrosoft® AzureTMなど、管
ンの効率的な運用管理が実現し、
お客
各々のメリットを最大限に活用しなが
理画面や操作方法が異なるクラウドを
さまのIT投資全体の最適化が図れる
ら、
あたかも1つのクラウドとして利用・
1つの画面から一元的に管理でき、契
ようになります。
複数のクラウドを高速・セキュアに接続:クラウド統合ネットワーク
複数のクラウド基盤を高速・セキュ
アにつなぎ、変化するお客さまニーズ
ワークで密結合するネットワークを整
®
TM
備。Microsoft Azure
についても
順次接続を行っていく予定です。
※1 レイテンシ:データ転送においてデータを要求してから
実際に送られてくるまでの処理時間。
に対応していくためには、新たなネット
ワークが必要となります。そこで日立は
プライベートクラウド、マネージドクラウド、パートナークラウドを高速・セキュアに接続
フェデレーテッドクラウドのサービスの1
つとして、
「クラウド統合ネットワーク」
を提供します。具体的には、首都圏
インターネット
パートナークラウド
マネージドクラウド
(日立)
にある 3 か所のデータセンターを数 ms
首都圏
トライアングル
関西
トライアングル
超広帯域、
低遅延
320Gbps まで拡張可能な広帯域ネット
ワークで密結合した「首都圏トライアン
グル(仮称)
」を構築。2014 年 10 月
プライベートクラウド
関西リージョン
関東リージョン
に「高速バックアップ用ネットワークサー
ビス」の提供を開始したほか、AWS
と首都圏トライアングルを広帯域ネット
⋮
(ミリ秒)レベルのレイテンシ※1 で最大
お客さま拠点
*関西トライアングル/首都圏トライアングル:仮称
図2 新たなクラウド基盤を支える統合ネットワーク
外部クラウドサービスを安全に利用:クラウドセキュリティサービス
企業のお客さまより
「社内から外部の
テムと外部のクラウドサービスの間にセ
す。クラウドセキュリティサービスは、
「利
クラウドサービスを活用したい」
という
キュリティゲートウェイを設け、双方のシ
便性とセキュリティを両立したい」
という
声をよく聞きます。そこで、
お客さま環境
ングルサインオンを実現します。
ご要望を満たすソリューションとして利
から外部のパートナークラウドを安全か
いま多くの企業では、
ビジネス拡張に
用することができます。今後も認証連
つ容易に利用するために開発したのが
向けて「外部のクラウドを活用し、効率
データの暗号化やアクセス
携のほか、
「クラウドセキュリティサービス」です。
よく業務を立ち上げたい」
、
しかし「社
コントロールといった機能の強化を図っ
そのメニューの1つである「セキュリ
内システムのセキュリティは確保した
ていきます。
ティゲートウェイサービス」は、
社内シス
い」
といった背反したニーズをお持ちで
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Solution
アプリケーションをクラウド化:SaaSビジネス基盤
これまでパッケージ販売を行っていた
た、
ヘルプデスクの代行などのビジネス・
スクを提供したい」
といったニーズが発
アプリケーションベンダーのお客さまは、
アウトソーシングも準備しています。
生します。
これらの機能を自社で開発、
SaaS※2によるサービス提供が主流と
これらの運用も日立が一括して行う
追加しようとすると、
かなり大がかりなア
なってきたクラウドの波をどう乗り越えて
ため、
SaaSを立ち上げるまでの期間短
プリケーションの改修が必要となります。
いくか悩まれています。例えば、ユー
縮やコスト削減が可能です。
その場合もSaaSビジネス基盤なら、
ザー認証や課金管理といったSaaSに
※2 Software as a Service
必要なサービスだけ簡単に補うことが
必須の周辺機能を「開発する時間がな
すでに自社データセンターからSaaS
できるので、
お客さまご自身でSaaSを改
い」
、
あるいは「サービスの監視体制や
を提供しているお客さまでも、
サービス強
修・展開するコストに比べ、
より安く・早
ヘルプデスクの体制を整えられない」
と
化のため「新たにログ解析の機能を付
く・安心してサービスを提供することが
いったお悩みです。そこで日立が提供
加したい」
「エンドユーザーにヘルプデ
できます。
するのが「SaaSビジネス基盤」です。
SaaSビジネス基盤は、
アプリケーショ
ンをSaaSとして提供するためのサービ
SaaS事業者は運用コストの低減が図れ、
アプリケーション開発事業者や
システムインテグレーターは、
SaaS化に向けた開発期間を短縮可能
コスト
ス基盤です。SaaS化に必要となる共通
アプリケーション
開発・償却費
機能をお客さまが開発せずに、
アプリ
業務運用人件費
ケーションからそのまま利用でき、面倒
APシステム運用
人件費
SaaSとして提供できるようになります。
ま
SaaSビジネス基盤
サービス利用
ユーザー管理
SaaSビジネス
基盤
障害運用監視
ハードウェア、
ソフトウェア償却費
なユーザー管理、
課金管理、
ログ解析、
障害運用監視などの機能を付加し、
共通化されたサービスを利用するため、
自社開発より低コスト
自社構築(オンプレミス)
ログ解析
ヘルプデスク
PaaS
当社比較
課金管理
…
<凡例> :顧客資産 :サービス利用費
図3 SaaSビジネス基盤サービスのメリット
実業のノウハウのサービス化:各種SaaS
社会イノベーション事業に向けて、
日
立の実業でのさまざまノウハウは、
サー
● 機器の製造・販売、稼働・保守情報を収集・蓄積し、共有・利活用
● SaaSビジネス基盤で、
開発期間短縮、
多言語対応、
運用委託
ビスの基盤として提供されます。
その1例として、
日立は機器ライフサイ
メーカー
クル管理サービスを提供しています。
同
サービスは、
機器の製造や販売、
稼働、
保守などの情報を収集・分析し、
それを
・問い合わせ対応
共有・利用できる仕組みをクラウドサービ
スとして実現したものです。
グローバル市
ハウを結集したグループ会社のノウハウ
M2M
問い合わせ
管理
ユーザー
サイト
稼働情報
統計処理
既存システム
連携
日立
・オペレーション代行
問い合わせ/
クレーム
保守履歴
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販社支援
SaaSビジネス基盤
図4 実業ノウハウのサービス化の例:機器ライフサイクル管理サービス
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保守業務
支援
機器ライフサイクル管理サービス
を活用したものであり、
同サービスに蓄積
した多くのノウハウが反映されています。
・稼働管理
・ユーザー保守
・問い合わせ
・部品管理
・在庫管理
場において12年にわたり世界100以上の
国・地域で運用・蓄積してきた業務ノウ
ユーザー
機器からの情報収集
(M2M)
現地販売会社/
サービス拠点
・部品オーダー
・機器情報参照
Hitachi Cloud
特集
クラウド上で業務システムを構築:サービスインテグレーション
業務システムをクラウド上で構築・運
したい業務(性能監視の自動化、
バック
お客さまが業務システムで実現したい
用したいというニーズが増えています。
アップ、
ディザスタリカバリなど)の構築
バックアップ、
ディザスタリカバリ、
サーバ
しかし実際にトライしてみると、
「システム
ノウハウと利用技術を組み合わせた設
冗長化といったテーマ別のベストプラク
が安定しない」
「構築に時間がかかる」
計情報をカタログ化して提供します。お
ティスのほか、
金融、
公共、
流通、
ヘルス
「既存システムとの連携がうまくいかな
客さま独自の要件も自由に追加できる
ケア、
エネルギーといった業務分野別の
い」
といった不満が出てくることがありま
ので、
お仕着せのレディメイドではなく、
アプリケーションについても順 次メ
す。それはクラウド化する業務システム
“柔軟なパターンメイド”でシステム構築
ニューを拡大していきます。
の用途や規模、
優先すべき要件などに
が行えます。
より、適 切なシステム構 成が大きく変
この日立クラウドデザインパターンを
「Hitachi Cloud」のもと、海外グループ
わってくるからです。
活用することにより、
お客さまは設計期
会社との連携も強化し、
お客さまのグ
クラウドは共有環境であるがため、
間の短縮と品質向上を両立させなが
ローバルビジネスを今まで以上に力強く
VM※3 性能の確保やネットワークの性
ら、
クラウド上での容易なシステム構築
支援していきます。これからのHitachi
能確保といった設計が難しいことで知
や低リスクでのアプリケーション開発を
Cloudに、
どうぞご期待ください。
られています。Windows® やLinux®な
実現することが可能となります。
※3 Virtual Machine
※4 Application
ど、
お客さまが選択するOSやミドルウェ
日立クラウドデザインパターンでは、
今後、
日立はグローバル統一ブランド
アによって、設計はさらに複雑になりま
す。
また、
利用するクラウド基盤の特性
課題 業務を実現するにはクラウドの特性を知ったノウハウが必要
によってもシステム構成は異なります。
業務A
業務B
こうしたクラウド上でのシステム設計・
構築ノウハウを、
お客さまが独自に獲得
業務処理を実装する
部品の組み合わせ
するのは決して容易ではありません。
クラウド基盤の特性
そこでお勧めしたいのが「サービスイン
テグレーション」です。このサービスは、
業務システムA
業務システムB
日立が長年にわたって経験・蓄積した
パターン化、
データベース化
システム構築のノウハウと数々の技術
検証結果を活用したソリューションで
す。また、
クラウド上でのシステム設計
解決策
クラウド利用方法を
実案件の設計情報ベースに
カタログ化
提供しています。
統合監視サービスによる性能監視
背景・課題
情 報をパターン化した「日立クラウド
デザインパターン」
としてお客さまに
例:日立クラウドデザインガイド
日立クラウドデザインパターン
実現したいこと
概要
実現構成の概要図
監視マネージャ
JP1/PFM
統合監視
サービス
運用
サービス
解決策
・設計標準化とノウハウの再利用を促進
・設計期間短縮と品質の向上を狙う
各クラウドでの実現方法
サービス設計
責任分界点、
SLA決定のポイント
®
例えば、
Linux を適用したWebサー
監視対象
JP1 Agent
監視対象
JP1 Agent
前提・制限事項
設計・構築時の注意事項
関連パターン
バ、DBサーバ、AP※4 サーバなどの推
奨モデルセットを作り、
それぞれで実現
図5 クラウド上での業務システムの構築
お問い合わせ先
(株)
日立製作所 クラウドサービス事業部
http://www.hitachi.co.jp/cloud-inq/
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/cloud/
はいたっく 2015.1
All Rights Reserved,Copyright ©2015,Hitachi,Ltd.
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