CHROMATOGRAPHY CONSUMABLES モノクローナル抗体用サイズ排除クロマトグラフィーカラム Product Specifications MAbPac SEC-1 カラム Thermo Scientific™ MAbPac™ SEC-1はサイズ排除クロマ トグラフィー(SEC )用カラムで、モノクローナル抗体のモノ マー、凝集体、フラグメントなどの分離のためにデザインされ ています。ユニークな固定相には、タンパク質が変性する移動 相や変性しない移動相、高濃度や低濃度の塩、もしくは揮発性 の移動相を使用することが可能です。 製品の特長 ・特許取得済みの親水性固定相は、タンパク質と固定相の不要 な相互作用を最小限に抑制します。 ・安定した結合相表面はブリードが少ないので、質量分析計、 ELSD、および Thermo Scientific Dionex™ Corona™ 荷電化 粒子検出器で使用可能です。 ・堅牢性と再現性に優れています。 ・モノクローナル抗体とその凝集体、フラグメントの分離に優 れています。 はじめに カラムテクノロジー モノクローナル抗体(mAb )は、 治療用に MAbPac SEC-1カラムは、高純度、球状、 広く研究されているタンパク質です。バイ 全多孔性(300 Å ) 、 5 µmシリカに親水性 オ医薬品としての製造承認および製造に のジオールを結合した充填剤を使用して 際して、純度確認、凝集体やチャージバリ います。カラムの内径は7.8、 4.0、2.1 mm アントの分析が規制で要求されています。 があり、 それぞれのアプリケーションや注 哺乳動物の細胞培養により生産した mAb 入量に応じてお選びいただけます。7.8 mm には、 ダイマー(二量体)や多数の凝集体が 内径のカラムは堅牢性に優れているので、 含まれています。サイズ排除クロマトグラ ルーチン分析で高分離が必要な場合や凝 フィーは、 バイオ医薬品に含まれる凝集体 集体の分離に適しています。4.0 mm内径 の正確な検出と定量に一般的に利用され のカラムはカラム容量が低いので、 最新の ています。また、 特性解析および mAb製品 HPLCシステムを使用する場合や、使用す の品質管理において、 ルーチン分析に利用 る移動相の量を減らしたい場合に適して されています。 います。2.1 mm内径のカラムは感度よく 分析できるため、 少量サンプルの注入時や 質量分析計による検出に適しています。 アプリケーション 50.0 mAbとそこに含まれる 40.0 培 養 細 胞から 生 成された mAbには、ダ イ マー、 トリマー(三量体) とそれ以上の多量体 (a) 30.0 20.0 が含まれています。凝集体の生成は、 特に加 温、 せん断されてひずみが発生した場合、 表 凝集体 10.0 面に吸着したり高濃度であったりした場合 0.0 に起こり、 理由が不明の場合もあります。凝 集体が含まれるバイオ医薬品は、 重篤な免 疫反応やアナフィキラシー性反応を引き起 0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 18.0 min 図1 a:モノクローナル抗体(mAb )と凝集体の分析(7 .8 × 300 mm ) こすといった研究報告もあります。このため 150 バイオ医薬品の製造において、 FDAやその他 各国の規制では、 バイオ医薬品の分析方法 (b) カラム: MAbPac SEC-1, 5 µm, カラムサイズ: 4.0 × 300 mm 移動相: 50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.8)+300 mM 塩化ナトリウム 流速: 200 µL/min 注入量: 5 µL カラム温度: 30 ºC 検出: 280 nm サンプル: mAb (1 mg/mL) mAb モノマー 125 および薬効や薬の安全性確認が要求されて 100 mAU い ま す。 図1a、 1b、 1cで 示 す よ う に、 MAbPac SEC-1は、さまざまな mAbとこれ カラム: MAbPac SEC-1, 5 µm, カラムサイズ: 7.8 × 300 mm 移動相: 50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.8)+300 mM 塩化ナトリウム 流速: 760 µL/min 注入量: 10 µL カラム温度: 30 ºC 検出: 280 nm サンプル: mAb (1 mg/mL) mAb モノマー mAU 凝集体分析 らの凝集体を分析できるようにデザインさ 75 50 れた カ ラ ムです。3種 類の 内 径の 中で、 凝集体 25 7.8 mm内径のカラムが一番高分離でき、 0 mAbとこれに含まれているダイマーやトリ マーをベースラインで分離できる可能性が あります。4.0 mm内径のカラムは、 7.8 mm 0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 18.0 min 図1 b:モノクローナル抗体(mAb )と凝集体の分析(4 .0 × 300 mm ) 内径のカラムと比較して分離がやや劣りま すが、 mAbとこれに含まれるダイマーを分 70.0 離できる可能性があります。2.1 mm内径 60.0 とも分離が劣ります。しかし高感度を得る ことができ、 貴重な試料の消費を抑制するこ とが可能です。4.0 mm内径のカラムでは カラム: MAbPac SEC-1, 5 µm, カラムサイズ: 2.1 × 300 mm 移動相: 50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.8)+300 mM 塩化ナトリウム 流速: 50 µL/min 注入量: 1 µL カラム温度: 30 ºC 検出: 280 nm サンプル: mAb (1 mg/mL) mAb モノマー 50.0 40.0 30.0 200 µL/minの流速で分析を行い、 2.1 mm内 20.0 径のカラムでは50 µL/minの流速で分析を行 10.0 いました。2.1 mm内径および4.0 mm内径 0.0 のカラムは、 質量分析計による検出にも利用 可能です。 (c) mAU のカラムは、 三つの内径のカラムの中でもっ 凝集体 0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 18.0 min 図1 c:モノクローナル抗体(mAb )と凝集体の分析(2 .1 × 300 mm ) mAbのフラグメント分析 100 mAbの 完 全な 分 析には、重 鎖(heavy (a) カラム: MAbPac SEC-1, 5 µm, カラムサイズ: 4.0 × 300 mm 移動相: 0.1%ギ酸および 0.05%トリフルオロ酢酸含有水/ アセトニトリル(80:20, v/v) 流速: 200 µL/min 注入量: 5 µL カラム温度: 30 ºC 検出: 280 nm サンプル: (a) mAb (b) mAb DTT還元 (c) mAb(パパイン消化) mAb 50 、 chain、 HC )および軽鎖(light chain、 LC ) -10 ジスルフィドの還元処理によって得られ る HCと LC、 またはパパイン消化によって 得られる Fabや Fcといった mAbのフラグ メントの確認が欠かせません。図2(a ) で 示すように、 タンパク質を変性させる移動 相、 0.1%ギ酸および0.05%トリフルオロ 酢酸含有水 /アセトニトリル(80:20, v/v ) で、 mAbのSEC分析が可能でした。図2(b) で示すように、 重鎖と軽鎖をベースライン 分離できました。図2(c )で示すように、 Fabと Fcを部分的に分離できました。これ らは、 MAbPac SEC-1カ ラ ムが mAbの フ ラグメント分析で広くご利用いただけるこ とを示しています。また、この分析で使用 70 mAU 2 (b) HC 35 LC -10 100 (c) 50 -10 3.0 7.5 12.5 min 17.5 25.0 図2:タンパク質が変性する移動相を使用して mAbと mAbフラグメントを分離 カラム: MAbPac SEC-1, 5 µm, カラムサイズ: 4.0 × 300 mm 移動相: 50 mMリン酸ナトリウム(pH 6.8)+300 mM 塩化ナトリウム 流速: 300 µL/min 注入量: 5 µL カラム温度: 30 ºC 検出: 280 nm サンプル: mAb (1 mg/mL) 2 150 2 mAU 2.00 1.43% 0.00 mAU 5 6 7 8 9 ピーク: 1 1. mAb ダイマー 2. mAb モノマー した移動相は、 質量分析計での検出にも適 しています。 カラムの堅牢性 カラムの堅牢性において、充填剤のパッ キングは、カラムの寿命だけではなく、正 確で再現性のよい結果を得るために重要 です。MAbPac SEC-1カラムは、 厳しい手 順に沿ってパッキングされているため、 良 0 0 3 6 9 12 好な充填剤の安定性、カラム効率、ピーク 15 min の対称性が得られます。図3および表1で 図3:連続注入によるクロマトグラム 示すように、 mAbを500回注入後では、わ ずかにカラムのバックプレッシャーが上 表1 :連続注入によるカラムの堅牢性 注入 モノマー 保持時間 10 100 160 250 319 467 521 7.71 7.71 7.71 7.71 7.71 7.71 7.71 シンメトリー 効率 係数 (理論段数) (10%) 1.39 1.36 1.37 1.35 1.33 1.35 1.34 7287 7333 7310 7321 7311 7357 7357 昇しました。しかし、 MAbPac SEC-1カ ダイマー 保持時間 カラム圧 (psi) 6.75 6.75 6.75 6.75 6.75 6.75 6.75 1017 1020 1020 1027 1023 1027 1027 ラムは、 一定の良好な分離、 ピーク形状、 お よびピーク効率を保っていました。図3 で、 主ピークに対するダイマーのピーク面 積 %を、 クロマトグラムに記載しました。 SEC-MS SECによる mAbの分析は、タンパク質が 変性しない条件である生体内のpH(6.8) 付近で行うことができます。一般的に使用 される緩衝液は、リン酸緩衝液に300 mM 程度の NaClを添加した移動相です。しか モノマー カラム: カラムサイズ: 移動相: 流速: 注入量: カラム温度: 検出: サンプル: MAbPac SEC-1, 5 µm, 2.1 × 150 mm 20 mMギ酸アンモニウム 50 µL/min 1 µL 30 ºC Exactive Plus EMR mAb (1 mg/mL) ダイマー し、リン酸緩衝液や高濃度の塩は不揮発 性なので、質量分析計による検出には適 していません。 揮 発 性である20 mMの ギ酸アンモニウム水溶液を使用すれば、 MAbPac SEC-1および高分解能質量分 析計による分析が可能です。図4(a )で 示すように、 (2.1 X 150 mm) MAbPac SEC-1 のカラムを使用して mAbのダイマーの 凝集体とモノマーを分離し、質量分析計 で測定することができました。図4(b ) と4(c ) に、 ダイマーの凝集体とモノマー のマススペクトルを示しています。それ ぞれのチャージを青で記載しました。 図4:タンパク質が変性しない移動相条件下で、mAbのダイマー凝集体 とモノマーを SEC-MSで分離 3 カラムデータ Diol シリカ基材 球状、高純度、全多孔性シリカ 粒子径 5 µm 細孔径 300 Å カラムフォーマット 4.0 mm内径のカラムはThermo Scientific PEEK TM 7.8 mmおよび2.1 mm内径のカラムはステンレス(SST) 分離可能な分子量範囲 10,000∼1,000,000 分子量限界 >1,000,000 Product Specifications カラム固定相 仕様と推奨パラメーター カラムサイズ (mm ) 推奨流速 (µL/min ) 耐圧 (psi ) 温度限界 (℃) pH 範囲 MAbPac SEC-1 7.8 × 300 760∼1,000 < 1,000 < 30 2.5∼7.5 MAbPac SEC-1 4.0 × 300 200∼300 < 1,000 < 30 2.5∼7.5 MAbPac SEC-1 4.0 × 150 200∼300 < 600 < 30 2.5∼7.5 MAbPac SEC-1 4.0 × 50 200∼300 < 200 < 30 2.5∼7.5 MAbPac SEC-1 2.1 × 300 50∼75 < 1,000 < 30 2.5∼7.5 MAbPac SEC-1 2.1 × 150 50∼75 < 600 < 30 2.5∼7.5 オーダーインフォメーション 詳細 粒子径 製品番号 MAbPac SEC-1, Analytical, 7.8 × 300 mm 5 µm 088460 MAbPac SEC-1, Analytical, 4 × 300 mm 5 µm 074696 MAbPac SEC-1, Analytical, 4 × 150 mm 5 µm 075592 MAbPac SEC-1, Guard, 4 × 50 mm 5 µm 074697 MAbPac SEC-1, Analytical, 2.1 × 300 mm 5 µm SP6937 MAbPac SEC-1, Analytical, 2.1 × 150 mm 5 µm SP6938 Ⓒ 2014 Thermo Fisher Scientific Inc. 無断複写・転載を禁じます。 ここに記載されている会社名、製品名は各社の商標、登録商標です。掲載されている価格は消費税を含んでおりません。 ここに記載されている内容は、予告なく変更することがあります。詳細については、販売代理店にお問い合わせください。 サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 分析機器・消耗品に関するお問い合わせはこちら 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