和声の基礎 9 - 第二転回形 第二転回形では和音第五音がバスの位置に来る。四声部で書く場合、上三声部の配置は基本形、 第一転回形、第二転回形の三種が可能である。(それぞれ密集配置と開離配置があり得る。)第 一転回形にあった「第三音を重複させてはならない」といった禁則は、第二転回形にはない。 第二転回形は、数字付きバスの伝統に則って「四六の和音」と呼ばれることもある。IV や V は第二 転回形においても、サブドミナント機能やドミナント機能は変わらない。すなわち、次のような各種 の和声進行が可能である。(もっと色々な進行があり得る。ここに挙げたのはほんの一例。) 順次進行するバスに対しては、転回形を適宜使っていかねばならない。(このようなケースでの充 填は、二声部をバスと並行、ひとつの声部をバスと反行させると容易である。導音が重複しないよう に気をつけること。また、最初に保留させる共通音を抜き出しておくと考えやすい。) 第二転回形で注意すべきは、I の第二転回形である。これには常にドミナント類が後続する。このた め、I c をサブドミナント類だと考える流もあるし、I c-V をまとめてひとつのドミナント類の和声である と分類する流もある。(ただし、I c-V に先行する和声は主にサブドミナント類であることを考えると、 前後関係という視点からは、I c-V を一体不可分のひとつのドミナント類の和声と見るのが理論的には すっきりする。) 【I c-V を使った終止形の例】
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