こちら - 神戸大学

2015.1.1
神戸大学大学院国際協力研究科(GSICS) 国際法プログラム I. 国際法プログラムの教育・研究の特色
カリキュラムの特徴:「多様かつ体系的、バランスのとれた授業科目の提供」
指導方法の特徴:「演習を中心とした密度の濃いかつ複数教員による指導」
GSICS 国際協力法講座の教育・研究体制(以下国際法プログラム)では、GSICS 所属の国
際法教員だけでなく、国内外の国際法学者や国際機関職員および外交官といった実務家による
授業など、基礎的な授業科目から実践的な授業科目まで多様な授業を設けています。
《基礎的科目》
前期開講の「国際協力法」を履修し国際法全体を俯瞰しましょう。前期の間は自分の興味・
関心のある分野以外にも目を向けて、視野を広げましょう。
《実践的科目》
「多国間条約交渉論(Multilateral Treaty Negotiation)」は、教員が体験した条約交渉を再現し
ながら模擬交渉形式で授業が展開します。また現役の外交官による「国際法外交実務論」では、
外交政策の立案、実施の中における国際法の役割につき学ぶことができます。海外実習(下記)
も、実践的国際法運用力、語学運用力を高める場です。加えて、国際人権法、国際経済法、国
際環境法、国際機構法など、個別分野の専門性を高める授業も提供されます。
《英語コース》
GSICS 国際法プログラムでは、英語コースの授業も全体のカリキュラムの中に位置づけ、語
学力と専門性を同時に向上する機会を提供しています。2015 年度は、前期に国連国際法委員会
(ILC)委員で南アフリカ・プレトリア大学教授 Dire Tladi 先生による英語国際法科目、後期に三
重大学の洪恵子先生による “International Criminal Law”が開講されます。後期 International
Cooperation Law も国際法の基本を英語でおさらいする良い機会となるでしょう。
《国際協力法演習》
国際協力法演習(ゼミ)は、国際法プログラムの中核となるものであり、論文の講読や各自
の研究の報告が行われます。論文を読み解き、報告するといった基礎的な力に加え、より深く
物事を考える力も身につけることができます。
1
<2015 年度国際法関係開講科目> 前期開講科目 後期開講科目 必修
国際協力法演習(柴田) 科目 国際協力法演習(柴田・林) International Cooperation Law(林) 国際協力法(柴田) Multilateral Treaty Negotiation(多国間条約交
渉論)(柴田) 国際機構法(柴田) 国際人権法(五十嵐・神戸大学名誉教授) International Criminal Law(洪恵子・三重大学教授) Special Lecture on International Cooperation
履修
推奨 国際法外交実務論 (中村和彦・外務省国際
科目 法局経済条約課長、4 月〜7 月土曜日開講) Law ( Dire Tladi, ILC member, Professor,
Pretoria University, South Africa、4月集中) 海外実習(開講時期や目的につき早めに指導教員と相談すること。GSICS から 1 人 3〜5 万円の旅費
の補助あり) 2016 年度開講予定科目:国際経済法、国際環境法、Law of International Civil Service など II. 国際法プログラムでの海外留学と留学生受入れ
国際法プログラムでは海外留学も推奨しています。
²
グルノーブル大学法学研究科(フランス)(GSICS 協定
による交換留学、授業料免除)2015 年 1 月より 1 名。国
際法に特化した交換留学制度で、グルノーブル大学の
Christakis 先生の指導を受けられます。また、フランス
のグルノーブルはジュネーブに近く、国際機関との接点
を作るのにも最適です。
²
ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)
(GSICS ダブル
ディグリー制度適用可能、授業料自己負担)2012-2013 年 1 名、2011-2012 年 1 名
²
ライデン大学(オランダ)
(全学協定による交換留学、授業料免除、学部レベル)2013-2014
年1名
★ 2015 年度前期国際法プログラムの留学生:仏・グルノーブル大学から2名受入予定
2013-2014:イタリア・ベネチア大学 1 名、仏・グルノーブル大学 2 名、ブラジルから国費留
学生 1 名、インドネシアからアジア開発銀行奨学生 1 名
2
III. 国際法プログラムの海外実習
国際法プログラムでは、条約交渉の現場や国際裁判の傍聴、国際機関職員とのインタビューや国
際学術学会での報告を行う海外実習(2 単位)を、教員の海外出張に合わせて開講しています。 【2014 年度】 海外実習 「法律系国際公務員養成プログラムと連動させた環境条約会議への参加」
l
実習先:韓国・ピョンチャン
l
実習期間:2014 年 9 月 28 日~10 月 7 日
l
実習内容:
1.カタルヘナ議定書第 7 回締約国会合(MOP7)
および生物多様性条約第 12 回締約国会議(COP12)への KURIM としての参加。
2.MOP7 において名古屋・クアラルンプール補足議定書に関するサイドイベントの開催。
↑ピョンチャン国際会議場、MOP7 プレナリー会場、議場外での交渉の様子、サイドイベントにて
【2013 年度】 海外実習 ↓左から、国際司法裁判所の外観、法廷内の弁論台、日本側弁護団 「法律系国際公務員養成プログラムと連動させた国際司法裁判所(ICJ)の傍聴、関係国際機関の訪問」
l
実習先 :オランダ・ハーグ、スイス・ジュネーブ
l
実習期間
l
実習内容:
(※2013 年度海外実習に関しては国際法プログラム HP にて、より詳細をご覧いただく事が可能です。)
1.
国際司法裁判所(ICJ)における、オーストラリア対日本の南極捕鯨事件の口頭審理の傍聴。
2.
国際機関の訪問。ex.科学兵器禁止機関(OPCW)、国際刑事裁判所(ICC)、旧ユーゴ刑事裁判
: 2013 年 6 月 26 日~7 月 17 日
所(ICTY)、在ジュネーブ国際機関日本代表部、国際労働機関(ILO)、欧州国連本部など。
3
★2014 年度後期 International Cooperation Law での「尖閣諸島問題」模擬裁判
中国と日本に分かれ、尖閣/Diaoyu 諸島の帰属をめぐって模擬仲裁裁判を英語で実施。ドイツ、ト
ンガ、エジプト、韓国からの留学生と共にグループにて弁論を行いました。
IV. 修了生の進路
国際法プログラムでは、国際法を実践的に活用できるキャリアを探求する学生を念頭において教
育プログラムを組み立ています。その最も典型的な進路が法律を専門に扱う国際機関職員(legal
officer)です。しかし、国際機関職員になるのに決まったルートはありません。大学院博士課程に進
み国際機関インターンや外務省の在外公館専門調査員、任期付きの国内官庁ポストなどを経験しな
がら目指す人もいれば、一端日本の企業等に就職して実務経験を積んでから再挑戦する人もいます。
前者のルートで目指している例として:博士後期課程進学→条約機関インターン 1 年→外務省専
門調査員 2 年→任期付き環境省職員(現在、GSICS は休学中)という方、同じく博士後期課程進学
→国連機関インターン合計 3 年→人道支援関係の国際 NGO に就職(現在、GSICS 中退)という方
がおられます。国際機関職員への道が保障されている訳ではなく、長期にわたり不安定な状況が続
く覚悟が必要です。珍しいパターンですが、博士後期課程進学→国連機関インターン 2 年→博士号
取得、GSICS 修了→旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所 legal officer として正規採用(現在も)、とい
う方がいました。
多くの修了生は、後者のルートにて、まずは国内の官公庁ないし企業に就職しています。その後
転職して国際機関を具体的に目指している人は、今のところまだいません。
☆2013-2015 年の修了生/在校生の就職先【内定含む、D は博士後期課程院生、I は留学生】
外務省(専門職)、防衛省(専門職)(D)、環境省(任期付)(D)、法務省(入国管理局)、人事院(総合職)(D)、
International Development Law Organization (I)、タマサート大学(教育職)(I)、北海道教育大学(事務職)、
朝日新聞、旭化成、日本船主責任相互保険組合(P&I クラブ)、みずほ証券、三菱東京 UFJ 銀行
最新情報は下記ホームページをご覧ください。
☆ 国 際 法 プ ロ グ ラ ム H P: http://www2.kobe-u.ac.jp/~akihos/index.htm l
4