2015年1月7日更新 0.4M - ワールド・ソブリンインカム

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2015 年 1 月 5 日
Evercore ISI
エバコア
インターナショナル
ストラテジー
&
インベストメント (Evercore ISI)
666 Fifth Avenue, New York, NY 10103
【エド
ハイマンからのメッセージ】
新年明けましておめでとうございます。
1. 米景気の自律拡大が維持できるとの確信がより明らかになってきました。例えば、その証拠
として銀行ローンが前年比 7.7%増加しました。
2. 一方海外の景気はソフトです。ドルインデックスが前週比 1.2%急騰しました。この組合せ
は商品価格に下落圧力をかけており、例えばブレント原油は 3 ドル、コーンは 19 セントそ
れぞれ下落しました。
3. 米消費者物価指数(CPI)は 1 月前年比+0.3%に低下しそうで、ユーロ圏の CPI は前年比-
0.1%へ低下しそうです。
4. 中国人民銀行(PBoC)
、欧州中央銀行(ECB)、日銀は 1 月そろって緩和策を継続しそうで
す。先週のドラギ ECB 総裁のコメントはドイツの 10 年国債利回りを 9bp(1bp=0.01%)
押し下げて 0.50%へと低下させる結果となりました。
5. 過去において、原油価格急落は経済成長を押し上げました。加えて原油価格下落後に S&P
は平均 10%上昇しました。
6. Evercore ISI のヘッジファンド・サーベイから判断すると、投資家は依然中立の姿勢です。
長期債利回り低下は投資家が株式に対して依然強気ではないことを示唆しています。
【今週のコメント】
米国景気は堅調だがテイクオフ(離陸)はしていない
先週堅調だったのは、銀行ローンが前年比 7.7%増となったこと、Evercore ISI カンパニー・サーベイ全
体指数が実質 GDP 成長+3.0~+3.5%と呼応する 54.2 へ上昇したこと、そしてラスマッセン消費者コン
フィデンス・サーベイ指数が上抜けしたことでした。
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■本資料は、情報提供を目的として Evercor ISI が作成した資料であり、特定の投資信託の投資勧誘を
目的として作成したものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任で行う
ようお願いいたします。■本資料は、作成日現在の Evercor ISI の見解であり、事前の予告なしに訂正、
修正等が行われる可能性があります。また、内容の正確性・完全性についてはこれを保証するものでは
ありません。■本資料のいかなる部分も一切の権利は Evercor ISI に帰属しており、電子的または機械
的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行うことはできません。
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特に注目されるのは、Evercore ISI 小売サーベイ指数が 12 月最後の 2 週間に 57.2 へ上昇し、1993 年以
来もっとも強い年末商戦期間となったことです。1993 年第 4 四半期の実質 GDP 成長は前期比年率+5.4%
でした。
景気がテイクオフ(離陸)していないという面では、12 月の製造業購買担当者指数(PMI)が下がり、
建設支出は弱含みで、Evercore ISI 住宅価格サーベイ指数が緩やかな上昇にとどまっていることです。
これからは来年は 2016 年
もし第 4 四半期と第 1 四半期の実質 GDP 成長が前期比+3.0%となった場合には、2014 年第 1 四半期の
前期比-2.1%が消えるために、2015 年第 1 四半期の前年比での成長は+3.9%へ加速することになりま
す。この大きな前年比での上昇は投資家に対して企業利益が堅調な増加となることが更に説得力を持つ
でしょう。そして 2015 年となった今、来年の利益は 2016 年の利益を指すことになります。2016 年の
S&P の 1 株当たり利益のコンセンサスは 135 ドル前後で、株価収益率(PER)は予想ベースで 15.2 倍
となります。
第 4 四半期の予想を上回りそう
企業は決算ガイダンスをあまりにも引き下げ過ぎたように思われます。第 4 四半期の利益予想は、第 3
四半期の前年比+11%に対して、前年比僅か+3%まで引き下げられています。前年比+3%では第 4 四半
期の利益が 116 ドルとなり、第 3 四半期の 119 ドルから大きくダウンすることになります。ISI は前年比
+6%の 120 ドルへ増加すると見ています。
ガソリン価格の歴史的下落
ガソリン先物価格が先週 7 セント急落し、ガソリン小売価格が先週の 2.25 ドルから今後 2.15 ドルへ下
落する方向にあります。これまでのガソリン価格の大幅下落は 2,000 億ドルの減税と同じくらいのイン
パクトがあります。ガソリン価格下落は景気拡大期では最大のものとなっています。それ以前の最大の
下落は 1986 年で、このときも景気拡大期でした。
CPI は劇的に減速へ
ガソリン価格が暴落しています。ドルインデックスは先週 1.2%上昇し、テクニカルの上値抵抗ラインを
抜けました。ドルは一旦動き出すと何年も同じ方向に動く傾向があります。加えて、相対的な比較では、
成長率、金融政策、債券利回りなどを含むドルのファンダメンタルは良好です。ドル高はインフレに下
方圧力を与えます。
Evercore ISI 小売プライシングパワー・サーベイ指数は非常に弱い 21.5 へ下がっており、因みに 2009
年の景気後退時の最低は 27.0 でした。弱いプライシングパワーは暴落するガソリン価格や強まるドルと
相まって CPI とコア個人消費支出(PCE)デフレーターの両者を大きくスローダウンさせます。
これまで 12 月の CPI が 2 つ発表されました。スペインが前月比-0.6%で韓国が-0.1%でした。これか
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■本資料は、情報提供を目的として Evercor ISI が作成した資料であり、特定の投資信託の投資勧誘を
目的として作成したものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任で行う
ようお願いいたします。■本資料は、作成日現在の Evercor ISI の見解であり、事前の予告なしに訂正、
修正等が行われる可能性があります。また、内容の正確性・完全性についてはこれを保証するものでは
ありません。■本資料のいかなる部分も一切の権利は Evercor ISI に帰属しており、電子的または機械
的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行うことはできません。
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ら判断すれば、12 月のユーロ圏 CPI は前月比-0.3%、前年比-0.1%となりそうです。スペインの前年
比での CPI は-1.1%でした。
ゴールドマン・サックス・コモディティ価格指数の変化率をベースとした Evercore ISI の CPI 回帰分析
モデルでは、米国の CPI が 12 月に前月比-0.2%、1 月に-0.3%と推測しています。その場合前年比で
は僅か+0.3%となり、2009 年を除けばほぼ過去最低水準となります。
そして弱い海外の景気が米国内外のインフレを抑制しています。
海外景気は引き続き弱い
•
12 月欧州及び中国の製造業 PMI は平均で 50.3%だった。
•
Evercore ISI 欧州サーベイと中国サーベイは共に先週横ばいだったが、平均は僅か 43.5 だっ
た。
弱い海外景気はコモディティ価格に下方圧力を与えています。
ブレント原油価格の見通し
•
過去 40 年間に7回原油の大幅下落があった。そのうち 3 回、景気後退脱出或いは成長を後
押しするのに貢献した。今回の下落は 1986 年に最も似ており、原油価格が下落する間に実
質 GDP は+2.9%増加し、S&P は 15%上昇した。
•
米国原油生産は 1970 年代や 1980 年代の水準へ戻っている。その時には原油が経済に占め
る割合は現在より大きかった。1970 年代や 1980 年代の原油価格下落は、景気後退脱出もし
くは景気後押しに貢献した。
•
過去 6 回の原油価格暴落後、S&P は 12 ヶ月間に平均 10%上昇した。つまり過去の原油価格
の大幅下落は経済にとってポジティブだった。
金融緩和が S&P を支えている
過去 11 週間に世界中で 37 件の景気刺激策がありました。その中には最近の日本の法人税引き下げプラ
ンが含まれています。
•
ECB は大規模の国債買い入れをスタートさせる見込み。
•
日銀はバランスシートを更に 720 億ドル拡大の方向。
•
中国人民銀行は再度緩和の見通し。
米国でも 1 月 1 日に最低賃金が 21 州で引き上げられ、住宅ローンは僅か 3%の頭金で取得できる状況と
なっています。
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1990 年のロードマップは考慮する価値あり
2014 年に S&P は 2 桁の連続上昇となりましたが、5 年間連続で大幅高となった 1995~1999 年を参考
にする価値があります。もし今回のサイクルを景気、株式市場の類似性として当てはめると、2015 年は
1997 年に当たります。この比較のポイントは S&P が 1995~1999 年のように大幅上昇となるというこ
とではなく、2013~2017 年が経済と株式市場にとって良い期間となるかも知れないということです。
市場ハイライト
•
最大の負け組はブレント原油-3 ドル、ロシア株式-4.6%、ギリシャ 10 年債利回り+75bp。
•
最大の勝ち組は上海株式+2.4%、米国住宅建築株+1.5%、米 10 年国債利回り-13bp、イタ
リア 10 年国債利回り-24 ベーシス。
その他諸々
•
先週、顧客からの E メール:「投資家が懐疑的であるというのは控えめ過ぎる表現である。
我々は 2009 年の春以来顧客に対して株へのアロケーションを高めようとプッシュして来た。
苦労しながらも何とか彼らはついてきた。1.5%のインフレ環境で 7%の名目リターンが驚異
的であると人々を説得するのは非常に困難である」
•
米国の実質政府支出は過去 4 年間減少してきたが、ここ 2 四半期は年率 3.0%の増加となっ
た。
米国経済指標 EvercoreISI 予想
実質 GDP 成長率*
GDP 価格デフレーター*
名目 GDP 成長率*
FF レート**
S&P EPS
2015f
2016f
3.0%
3.0%
1.5%
4.5%
0.875%
$127
2.0%
5.0%
2.375%
$135
*年率
**期間末
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Evercore ISI カンパニー サーベイ全体指数
*************
エバコア インターナショナル ストラテジー & インベストメント(Evercore ISI):
エコノミストのエド ハイマン氏は、インスティテューショナルインベスター誌のエコノミストランキングで、
1980 年以来 35 年連続で、全米エコノミストランキング第 1 位にランク。自前のサーベイとユニークな分析
手法で高い経済リサーチ力を誇る。また、政治リサーチを担当するチームも、同誌政治アナリストランキング
で、2003 年以来 10 年連続で政治アナリスト第 1 位にランク。
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<純資産 100 億円超 300 億円以下に係る部分>
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<純資産 300 億円超に係る部分>
(委託会社)年率 0.30%(税抜)
(販売会社)年率 0.70%(税抜)
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純資産総額 × 年率 0.0054%(税抜 0.005%)
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