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無機化学Ⅳ
講義資料 No.4
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3.代表的な結晶構造
多くのイオン性結晶は(
)が入る.
(1) AX型化合物の結晶構造(A:陽イオン,X:陰イオン)
①セン亜鉛鉱型およびウルツ鉱型(ZnS)構造
セン亜鉛鉱型
陽イオン,陰イオン:(
陰イオン : (
)
)
ウルツ鉱型
陽イオン,陰イオン:(
陰イオン:(
)
)
2
陰イオンの最密充填構造中の(
)の数は(
(
)
)
セン亜鉛鉱,ウルツ鉱型構造を持つ化合物の多くは(
)が強い
配位数に関する一般法則
AxMy組成の構造中では,(
)でなければならない.
例)ZnS Zn:4配位,S:4配位・・・組成1:1,配位数4:4=1:1
Na2O Na:4配位,O:8配位・・・組成2:1,配位数4:8=1:2
3
②酸化パラジウム型(PdO)構造
)
O:(
)
Pd:(
陽イオン配位の特異性
(
)
Pdの最外殻電子配置 : (
)
1つのs軌道,2つのp軌道,1つの4d軌道から(
(
)
)
4
➂岩塩型(NaCl)およびヒ化ニッケル型(NiAs)構造
陰イオンの最密充填構造中に(
(
)(6配位サイト)がある.
)を陽イオンが占める.
岩塩型
ヒ化ニッケル型
陰イオン:(
)
陰イオン:(
配位多面体:(
)
配位多面体:(
(
)が強い
(
)
)
)が強い
5
➃塩化セシウム型(CsCl)構造
陰イオン,陽イオンともに(
)
6
(2) AX2型化合物の結晶構造(A:陽イオン,X:陰イオン)
①ホタル石型(CaF2)構造
・陽イオン:(
), (
)( 8配位)
に(
)に入る.
・陰イオン:(
)(4配位)の(
)に入る.
・陰イオンは,単位胞を1/8切った立方体の中心に入る.
・陰イオンと陽イオンを入れ替えると(
)
②ルチル石型(TiO2)構造
・陽イオン:(
)(4配位)
配位八面体は(
・陰イオン:(
(
の(
)
)(平面3配位)
)の(
)
)を陽イオンが占める.
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③β-クリストバライト型(SiO2)構造
クリストバライト:SiO2多形のひとつ.
石英
トリジマイト
870℃
クリストバライト(各々,低温(α),高温(β)がある.)
1470℃
陽イオン(Si4+):(
)
陰イオン(O2-):(
)
(
)の(
)
Si:(
O:(
)
)
8
単位胞1/8の立方体(灰色)の中心に原
子が存在.
ダイヤモンド型構造
単位胞中の原子の数:(
)
C,Si,Ge
基底状態での電子配置(ns)2(np)2
励起状態では(ns)1(npx)1(npy)1(npz)1
(
)による4配位
Cf.
sp2混成軌道:同一平面内,σ結合(npz軌道:π結合)
グラファイト(平面状に結合した炭素面がV.D.W力で層状に連結)
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立方最密充填構造中にできる陽イオンの位置
●:陰イオン,
A
B
○:(
)
T+,T-:(
)
T+:四面体の頂点が(
T-:四面体の頂点が(
A
岩塩型
(
セン亜鉛鉱型
)
(
)
)を向く
)を向く
逆ホタル石型
(
)
(陽イオンを原点に移動させると逆ホタル石型では見た目が変わるので各自確かめてみること.)
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簡単な結晶の原子間距離(核間距離)
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④ヨウ化カドミウム型(CdI2),塩化カドミウム(CdCl2)構造(AX2)
陰イオン:CdI2 (
)
CdCl2 (
)
陽イオン:(
)
最密充填方向に(
)を占有
陽イオンを中心とする(
)が
(
)し,2次元的な層を形成
C軸方向に層が積み重なる
(層間は(
))
ヨウ化カドミウム型: CdI2,CaI2,FeI2,TiBr2,MnBr2,CoBr2,TiCl2,VCl2,
Mg(OH)2,Ca(OH)2,Fe(OH)2,Co(OH)2,Ni(OH)2
塩化カドミウム型:CdCl2,CdBr2,FeCl2,MgCl2,MnCl2,NiCl2,NiI2
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(2) AmXz型化合物の結晶構造(A:陽イオン,X:陰イオン)
①逆ホタル石型構造(A2X)
ホタル石型構造
白球:F-,黒球:Ca2+
陽イオンと陰イオンの位置を入れ替える
原点:陰イオン
逆ホタル石型
陰イオン:(
)
陽イオン:(
)に入る.
原点:陽イオン
●:陰イオン,○:陽イオン
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②キュープライト(Cu2O)型構造(A2X)
陰イオン:(
)
陽イオン:(
)
立方体を1/8に切断した小立方体の半分を
陽イオンが占める.
陽イオンの直線2配位には(
)が関与
(
) その他,Ag2O
③三酸化レニウム(ReO3)型,フッ化アルミニウム(AlF3)型構造(AX3)
陽イオン:(
)
陰イオン:(
)
(陽イオンの配位多面体は(
))
フッ化物:AlF3,ScF3,CoF3,RhF3
酸化物:CrO3,WO3,ReO3
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④酸化アルミニウム(コランダム,Al2O3)型構造(A2X3)
結晶系:三方晶系(上図は六方晶系に変換)
陰イオン:(
)
陽イオン:(
)
配位八面体:同一層内では(
),上下層間では(
)
コランダム型:Al2O3,Fe2O3,Cr2O3,Ti2O3,Ga2O3
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(3) AmBnXz型化合物の結晶構造(A,B:陽イオン,X:陰イオン)
①イルメナイト(FeTiO3)型構造(ABX3)
イルメナイト:FeTiO3
O2-:(
)
陽イオン:(
)をFe2+,
Ti4+が占有. Fe2+,Ti4+は最密充填
方向に(
)に入る.
(他の構造はコランダム型と同一.)
FeTiO3, MgTiO3, MnTiO3, CoTiO3, NiTiO3
LiNbO3,LiTaO3
O2-:(
)
陽イオン:(
×:面共有,||:稜共有
2種の陽イオンが(
八面体サイトが同一層内では稜共有,2層にまたがる場合は面共有
)を占有.
)に入る.
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②ペロブスカイト(CaTiO3)型構造(ABX3)
CaTiO3,BaTiO3,SrTiO3
Aサイト:Sr2+,(
)
Bサイト:Ti4+,(
)
Aイオン+O2-:(
)
理想的なペロブスカイト型構造
rA,rB,rX:A,B陽イオン,陰イオンの半径
幾何学的条件
rA  rX  t 2 rB  rX  t:許容係数,寛容係数
t=0.8-1.0(立方晶系であるためにはt>0.89)
電気的中性的条件
AイオンとBイオンの電荷の合計=(
)
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原点に配置するイオンにより見た目が異なる
参考:BaTiO3
三方晶系
-5℃
斜方晶系
(
5℃
)
正方晶系
130℃
(
立方晶系
)
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③スピネル(MgAl2O4)型構造(AB2X4)
面心立方格子(立方晶系)
Aサイト:(
) 小立方体 T
Bサイト:(
) 小立方体 O
T:Mg2+(Aイオン)が中心,O2-の四面体構造
O:Al3+(Bイオン),O2-各4個.各々,立方体の4隅に配置
単位格子中
Aサイト:(
)
Bサイト:(
)
Aイオン:2価,Bイオン:3価
(
Aイオン:Aサイト,Bイオン:Bサイト
単位格子を8分割
Bイオンの半分:Aサイト
残りのBイオン,Aイオン:Bサイト
(
)
)
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A〔B2〕O4
B〔AB〕O4
通常は大きなイオンは6配位,小さなイオンは4配位と考えられるが,
スピネルでは当てはまらない.
4配位(Aサイト)に入りやすい順序
①Zn2+,Cd2+
②Fe3+,In3+,Ga3+
(A2+)(B3+)2O4:大部分は正スピネル
③その他の2価イオン
(A4+)(B2+)2O4:逆スピネル
④その他の3価イオン
⑤4価イオン
(
)
例) マグネタイト:Fe3O4(FeO・Fe2O3) Fe(Ⅲ)(Fe(Ⅱ)Fe(Ⅲ))O4
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